(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ピン取付部は、前記支持プレートにおける、少なくとも2つの前記部品保持部の並び方向についての並列数が、前記部品保持部の並列数の整数倍となるよう配されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の基板処理装置。
前記ピン検知手段は、前記部品保持部に作用する荷重を検出する荷重検出手段と、検出した荷重が閾値を超えたか否かに基づいて前記バックアップピンの有無を判定する判定部とを備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基板処理装置。
基板を支持するバックアップピンに対して前記基板を挟んだ反対側に配されるとともに前記基板に対して実装される実装部品を保持可能とされる部品保持部であって、前記基板の板面に沿う2方向について行列状に複数ずつ並ぶとともに前記バックアップピンが選択的に取り付けられるピン取付部を有する支持プレートのうち、少なくとも2つの前記ピン取付部の間の間隔と一致する間隔を間に有する形で並んで配される少なくとも2つの前記部品保持部を、前記基板の板面に沿う2方向について移動部によって移動させて少なくとも2つの前記ピン取付部に対して重畳するよう配する第1移動工程と、
少なくとも2つの前記部品保持部を、前記基板の板面に対する法線方向について少なくとも2つの前記ピン取付部に接近するよう前記移動部によって移動させる第2移動工程と、
少なくとも2つの前記部品保持部が前記バックアップピンに接触したか否かに基づいてピン検知手段によって前記バックアップピンの有無を検知する検知工程と、を備えるバックアップピンの検査方法。
前記検知工程では、前記部品保持部に備えられ前記実装部品を吸引保持することが可能な吸引手段により空気を吸引するようにし、吸引された空気の圧力を前記ピン検知手段を構成する圧力検出手段により検出するとともに検出した圧力が閾値を超えたか否かに基づいて前記バックアップピンの有無を、前記ピン検知手段を構成する判定部により判定するようにしている請求項8記載のバックアップピンの検査方法。
前記検知工程では、前記ピン検知手段を構成する荷重検出手段により前記部品保持部に作用する荷重を検出し、検出した荷重が閾値を超えたか否かに基づいて前記バックアップピンの有無を、前記ピン検知手段を構成する判定部により判定するようにしている請求項8記載のバックアップピンの検査方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1は、バックアップピンが所定の配置パターンで取り付けられた支持プレートを複数用意し、その中から選択されて表面実装機に取り付けられた支持プレートが正しいか否かを検査するためのものであり、プリント基板上に設けた部品実装位置の補正のための基板マークを認識するためのカメラを利用して支持プレートに配置した判定ピンを撮像して画像を取得し、その画像に基づいて判定ピンの配置、つまり支持プレートが正しいか否かを判定するようにしている。一方、上記した特許文献2は、支持プレートに対してバックアップピンが正確に装着されているか否かや、間違った長さのバックアップピンが装着されているか否かを検査するためのものであり、バックアップピンの先端面に照射部から光を照射して得られる反射光を光センサにより受光してバックアップピンの先端面の高さを測定し、先端面の高さが許容高さを外れた場合には、そのバックアップピンに対して光センサによって可視光を照射して視覚的に特定している。
【0005】
しかしながら、上記した特許文献1は、使用する支持プレートの正否を判定するものであって、支持プレートにおいてバックアップピンが正しい配置で取り付けられたか否かについては判別できない。仮に支持プレートにおけるバックアップピンの配置をカメラにより検査しようとした場合でも、検査に用いるカメラが基板マークを認識するためのものであるため、撮像可能範囲が狭く、検査に時間がかかり過ぎるおそれがあった。一方、上記した特許文献2は、支持プレートに対するバックアップピンの装着の良否や装着されたバックアップピンの長さを検査するためのものであり、バックアップピンの配置を検査するためのものではない。仮に支持プレートにおけるバックアップピンの配置を照射部及び光センサにより検査しようとした場合でも、各バックアップピンを個別に検査する必要があるため、やはり検査に時間がかかり過ぎるおそれがあった。また、光を照射する照射部及び光を受光する光センサが必要となるため、部品点数が増加してコスト増となるおそれもある。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、検査時間の短縮化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の基板処理装置は、基板を支持するバックアップピンと、前記基板の板面に沿う2方向について行列状に複数ずつ並ぶとともに前記バックアップピンが選択的に取り付けられるピン取付部を有する支持プレートと、前記バックアップピンに対して前記基板を挟んだ反対側に配されるとともに前記基板に対して実装される実装部品を保持可能とされる部品保持部であって、行列状に複数ずつ並ぶ前記ピン取付部の中から選択される少なくとも2つの前記ピン取付部の間の間隔と一致する間隔を間に有する形で並んで配される少なくとも2つの部品保持部と、少なくとも2つの前記部品保持部を前記基板の板面に沿う2方向についてそれぞれ移動させ且つ前記基板の板面に対する法線方向について移動させる移動部と、少なくとも2つの前記部品保持部が前記バックアップピンに接触したか否かに基づいて前記バックアップピンの有無を検知するピン検知手段と、を備える。
【0008】
このようにすれば、基板は、支持プレートにおいて基板の板面に沿う2方向について行列状に複数ずつ並ぶピン取付部に選択的に取り付けられたバックアップピンによって支持される。バックアップピンによって支持された基板に対して、実装部品を保持した部品保持部が、移動部によって基板の板面に沿う2方向に加えて基板の板面に対する法線方向について移動され、それにより実装部品を基板における所定の位置に搭載することが可能とされる。
【0009】
ところで、基板に実装部品を搭載するのに先立って、支持プレートにおいて行列状に複数ずつ並列配置されたピン取付部には、処理する基板に応じてバックアップピンが選択的に取り付けられる。そして、ピン取付部に対して選択的に取り付けられたバックアップピンの配置が正しいか否かを判別するための検査が行われる。検査を行うに際しては、例えば、移動部によって少なくとも2つの部品保持部を基板の板面に沿う2方向について移動させ、行列状に複数ずつ並ぶピン取付部の中から選択される少なくとも2つのピン取付部と重畳するよう配置するとともに、少なくとも2つの部品保持部を基板の板面に対する法線方向について移動させる。このとき、少なくとも2つのピン取付部のいずれかにバックアップピンが取り付けられていた場合には、そのバックアップピンに対して少なくとも2つの部品保持部のいずれかが接触される。一方、少なくとも2つのピン取付部のいずれかにバックアップピンが取り付けられていなければ、少なくとも2つの部品保持部のいずれかがバックアップピンとは非接触とされる。つまり、ピン検知手段は、少なくとも2つの部品保持部がバックアップピンに接触したか否かに基づいてバックアップピンの有無を検知する。
【0010】
このように、ピン取付部の中から選択される少なくとも2つのピン取付部間の間隔と一致する間隔となるよう少なくとも2つの部品保持部が配されることで、ピン検知手段によって少なくとも2つのピン取付部についてバックアップピンの有無が一括して検知される。従って、従来のようにカメラ式または光学式でバックアップピンの検査を行うものに比べると、検査にかかる時間の短縮化が図られる。しかも、ピン検知手段は、バックアップピンの有無を接触式で検知するものとされているので、例えばピン取付部に対してバックアップピンが傾いた姿勢で挿入されているか否かなどの不具合の有無についても検査することが可能とされる。
【0011】
本発明の基板処理装置の実施態様として、次の構成が好ましい。
(1)前記ピン取付部は、前記支持プレートにおいて少なくとも2つの前記部品保持部の並び方向について複数が等間隔に並んで配されており、少なくとも2つの前記部品保持部は、その間の間隔が互いに隣り合う前記ピン取付部間の間隔の整数倍となるよう配されている。このようにすれば、例えば、支持プレートにおけるピン取付部の並列数が部品保持部の並列数よりも多い場合には、少なくとも2つの部品保持部の並び方向について移動部により部品保持部を移動させる際に、部品保持部を同じ距離ずつ移動させて検査を行うことが可能となる。これにより、移動部による部品保持部の移動に係る制御が容易なものとなる。
【0012】
(2)少なくとも2つの前記部品保持部は、その間の間隔が互いに隣り合う前記ピン取付部間の間隔と等しくなるよう配されている。このようにすれば、少なくとも2つの部品保持部によって支持プレートにおいて隣り合うピン取付部に対してバックアップピンが取り付けられているか否かが一括して検査される。
【0013】
(3)前記ピン取付部は、前記支持プレートにおける、少なくとも2つの前記部品保持部の並び方向についての並列数が、前記部品保持部の並列数の整数倍となるよう配されている。このようにすれば、バックアップピンの配置を検査するに際して、移動部により部品保持部を基板の板面に対する法線方向について移動させる回数が、部品保持部の並列数に対するピン取付部の並列数の倍数分で済む。これにより、検査にかかる時間をより短縮化することができる。
【0014】
(4)前記部品保持部には、前記実装部品を吸引保持することが可能な吸引手段が備えられており、前記ピン検知手段は、前記吸引手段により吸引される空気の圧力を検出する圧力検出手段と、検出した圧力が閾値を超えたか否かに基づいて前記バックアップピンの有無を判定する判定部とを備える。このようにすれば、少なくとも2つのピン取付部のいずれかにバックアップピンが取り付けられていた場合には、そのバックアップピンに対して少なくとも2つの部品保持部のいずれかが接触されるので、その状態で吸引手段によって空気を吸引すると、吸引された空気の圧力は負圧となる。つまり、吸引手段によって吸引される空気の圧力には、バックアップピンの有無に応じて差が生じることになるため、その圧力を圧力検出手段により検出するとともに、検出した圧力が閾値を超えたか否かに基づいてバックアップピンの有無を判定部により判定することが可能とされる。また、実装部品を吸引保持するための吸引手段を利用してバックアップピンの配置を検知しているから、バックアップピンの検知に伴うコスト増を抑制することができる。
【0015】
(5)前記ピン検知手段は、前記部品保持部に作用する荷重を検出する荷重検出手段と、検出した荷重が閾値を超えたか否かに基づいて前記バックアップピンの有無を判定する判定部とを備える。このようにすれば、少なくとも2つのピン取付部のいずれかにバックアップピンが取り付けられていた場合には、そのバックアップピンに対して少なくとも2つの部品保持部のいずれかが接触されるのに伴い、部品保持部に作用する荷重が荷重検出手段により検出される。従って、検出された荷重が閾値を超えたか否かに基づいてバックアップピンの有無を判定部により判定することが可能とされる。
【0016】
(6)前記移動部は、前記部品保持部を前記基板の板面に対する法線方向について移動させるためのモータ部を少なくとも有しており、前記荷重検出手段は、前記部品保持部を移動させる際に前記モータ部に流される電流値に基づいて前記荷重を検出している。このようにすれば、モータ部によって部品保持部を基板の板面に対する法線方向について移動させる際に、部品保持部がバックアップピンに接触すると、モータ部に流される電流値が高くなる傾向となる。従って、荷重検出手段は、モータ部に流される電流値が高くなれば、荷重が発生していることを検出することが可能とされる。また、部品保持部を基板の板面に対する法線方向について移動させるためのモータ部を利用してバックアップピンの配置を検知しているから、バックアップピンの検知に伴うコスト増を抑制することができる。
【0017】
次に、本発明のバックアップピンの検査方法は、基板を支持するバックアップピンに対して前記基板を挟んだ反対側に配されるとともに前記基板に対して実装される実装部品を保持可能とされる部品保持部であって、前記基板の板面に沿う2方向について行列状に複数ずつ並ぶとともに前記バックアップピンが選択的に取り付けられるピン取付部を有する支持プレートのうち、少なくとも2つの前記ピン取付部の間の間隔と一致する間隔を間に有する形で並んで配される少なくとも2つの前記部品保持部を、前記基板の板面に沿う2方向について移動部によって移動させて少なくとも2つの前記ピン取付部に対して重畳するよう配する第1移動工程と、少なくとも2つの前記部品保持部を、前記基板の板面に対する法線方向について少なくとも2つの前記ピン取付部に接近するよう前記移動部によって移動させる第2移動工程と、少なくとも2つの前記部品保持部が前記バックアップピンに接触したか否かに基づいてピン検知手段によって前記バックアップピンの有無を検知する検知工程と、を備える。
【0018】
このようにすれば、まず、第1移動工程では、移動部によって少なくとも2つの部品保持部を基板の板面に沿う2方向について移動させ、支持プレートにおいて行列状に複数ずつ並ぶピン取付部の中から選択される少なくとも2つのピン取付部に対して重畳するよう配する。次に、第2移動工程では、移動部によって少なくとも2つの部品保持部を基板の板面に対する法線方向について移動させ、少なくとも2つの前記ピン取付部に接近させる。続いて、検知工程では、少なくとも2つのピン取付部のいずれかにバックアップピンが取り付けられていた場合には、そのバックアップピンに対して少なくとも2つの部品保持部のいずれかが接触される。一方、少なくとも2つのピン取付部のいずれかにバックアップピンが取り付けられていなければ、少なくとも2つの部品保持部のいずれかがバックアップピンとは非接触とされる。つまり、ピン検知手段により、少なくとも2つの部品保持部がバックアップピンに接触したか否かに基づいてバックアップピンの有無が検知される。以上のようにして、支持プレートにおいて行列状に複数ずつ並列配置されたピン取付部に対して選択的に取り付けられたバックアップピンの配置が正しいか否かが検査される。
【0019】
このように、検知工程では、ピン取付部の中から選択される少なくとも2つのピン取付部間の間隔と一致する間隔となるよう少なくとも2つの部品保持部が配されることで、ピン検知手段によって少なくとも2つのピン取付部についてバックアップピンの有無が一括して検知される。従って、従来のようにカメラ式または光学式でバックアップピンの検査を行うものに比べると、検査にかかる時間の短縮化が図られる。しかも、ピン検知手段は、バックアップピンの有無を接触式で検知するものとされているので、例えばピン取付部に対してバックアップピンが傾いた姿勢で挿入されているか否かなどの不具合の有無についても検査することが可能とされる。
【0020】
本発明のバックアップピンの検査方法の実施態様として、次の構成が好ましい。
(1)前記検知工程では、前記部品保持部に備えられ前記実装部品を吸引保持することが可能な吸引手段により空気を吸引するようにし、吸引された空気の圧力を前記ピン検知手段を構成する圧力検出手段により検出するとともに検出した圧力が閾値を超えたか否かに基づいて前記バックアップピンの有無を、前記ピン検知手段を構成する判定部により判定するようにしている。このようにすれば、検知工程において、少なくとも2つのピン取付部のいずれかにバックアップピンが取り付けられていた場合には、そのバックアップピンに対して少なくとも2つの部品保持部のいずれかが接触されるので、その状態で吸引手段によって空気を吸引すると、その吸引された空気の圧力は負圧となる。つまり、吸引手段によって吸引される空気の圧力には、バックアップピンの有無に応じた差が生じることになるため、その圧力を圧力検出手段により検出するとともに、検出した圧力が閾値を超えたか否かに基づいてバックアップピンの有無を判定部により判定することが可能とされる。また、実装部品を吸引保持するための吸引手段を利用してバックアップピンの配置を検知しているから、バックアップピンの検知に伴うコスト増を抑制することができる。
【0021】
(2)前記検知工程では、前記ピン検知手段を構成する荷重検出手段により前記部品保持部に作用する荷重を検出し、検出した荷重が閾値を超えたか否かに基づいて前記バックアップピンの有無を、前記ピン検知手段を構成する判定部により判定するようにしている。このようにすれば、検知工程において、少なくとも2つのピン取付部のいずれかにバックアップピンが取り付けられていた場合には、そのバックアップピンに対して少なくとも2つの部品保持部のいずれかが接触されるのに伴い、部品保持部に作用する荷重が荷重検出手段により検出される。従って、検出された荷重が閾値を超えたか否かに基づいてバックアップピンの有無を判定部により判定することが可能とされる。
【0022】
(3)前記第2移動工程では、前記移動部に少なくとも有されるモータ部によって少なくとも2つの前記部品保持部を前記基板の板面に対する法線方向について移動させており、前記検知工程では、前記荷重検出手段は、前記モータ部に流される電流値に基づいて前記荷重を検出している。このようにすれば、第2移動工程及び検知工程において、モータ部によって部品保持部を基板の板面に対する法線方向について移動させる際に、部品保持部がバックアップピンに接触すると、モータ部に流される電流値が高くなる傾向となる。従って、荷重検出手段は、モータ部に流される電流値が高くなれば、荷重が発生していることを検出することが可能とされる。また、部品保持部を基板の板面に対する法線方向について移動させるためのモータ部を利用してバックアップピンの配置を検知しているから、バックアップピンの検知に伴うコスト増を抑制することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、検査時間の短縮化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を
図1から
図10によって説明する。この実施形態1では、プリント基板(基板)B上に図示しない実装部品を搭載するための表面実装機10について例示する。プリント基板Bは、表面実装機10の上流側に配された図示しない半田印刷機により表面に半田ペーストが印刷処理された後に、表面実装機10により実装部品が搭載される処理が行われ、さらに表面実装機10の下流側に配された図示しないリフロー炉によりリフロー処理が行われることで、実装部品の実装がなされる。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。このうちX軸方向(第1方向)及びY軸方向(第2方向)は、共に水平方向とほぼ一致し、Z軸方向(第3方向)は、鉛直方向とほぼ一致している。また、特に断りがない限りは、上下の記載については鉛直方向を基準とする。
【0026】
表面実装機10は、
図1に示すように、プリント基板Bを鉛直方向の下側から支持するバックアップピン11と、バックアップピン11が選択的に取り付けられる支持プレート12と、バックアップピン11に対して鉛直方向の上側、つまりプリント基板Bを挟んだ反対側に配されるヘッドユニット13と、ヘッドユニット13をプリント基板Bの板面に沿う2方向(X軸方向及びY軸方向、水平方向)についてそれぞれ移動させる第1移動機構(移動部)14と、ヘッドユニット13に設けられて実装部品を吸着保持可能な吸着ヘッド(部品保持部)15と、ヘッドユニット13に対して吸着ヘッド15をプリント基板Bの板面に対する法線方向(Z軸方向、鉛直方向)について移動させる第2移動機構(移動部)16と、を少なくとも備えている。これらに加え、表面実装機10は、プリント基板Bを搬送する図示しないコンベア(基板搬送手段)と、実装部品を供給する図示しない部品供給部とを備えている。なお、この表面実装機10において、コンベアによるプリント基板Bの搬送方向は、プリント基板Bの板面に沿うX軸方向と一致している。
【0027】
バックアップピン11は、
図1から
図3に示すように、鉛直方向に沿って延在する円柱状をなしており、その鉛直方向の上端面がプリント基板Bを支持する支持面とされる。バックアップピン11は、鉛直方向の下側端部が支持プレート12に対して挿入されることで、その軸線方向を鉛直方向とほぼ一致した姿勢で支持されるようになっている。支持プレート12は、その板面がプリント基板Bの板面と対向状をなすとともにプリント基板Bに対して所定の間隔(バックアップピン11の長さ分程度の間隔)を空けつつ鉛直方向の下側に配されている。支持プレート12は、平面に視て横長の方形状をなしており、その長辺方向がY軸方向と一致し、短辺方向がX軸方向と一致する姿勢とされる。支持プレート12には、その長辺方向(Y軸方向)を行方向とし、短辺方向(X軸方向)を列方向として行列状(マトリクス状)に複数ずつ間欠的に並ぶ形でピン取付凹部(ピン取付部)12aが形成されている。ピン取付凹部12aは、少なくとも鉛直方向の上向き(プリント基板B側)に開口する形で形成されており、このピン取付凹部12aに対してバックアップピン11を選択的に取り付けることが可能とされる。各ピン取付凹部12aには、バックアップピン11における鉛直方向の下端部が個別に挿入されるようになっている。本実施形態では、ピン取付凹部12aは、支持プレート12において行方向について12個ずつ、列方向について8個ずつ、合計96個が所定の間隔を空けつつ並列配置されている。列をなす各ピン取付凹部12aは、支持プレート12においてX軸方向に沿ってほぼ等間隔に並んで配されており、同様に行をなす各ピン取付凹部12aは、支持プレート12においてY軸方向に沿ってほぼ等間隔に並んで配されている。以下では、ピン取付凹部12aがなす列のうち、
図1に示す左端(最もヘッドユニット13に近い側)の列を「第1列」とするとともに、そこから右側に行く毎に「第2列」、「第3列」とし、右端の列を「第12列」として説明する。なお、
図1では、支持プレート12においてピン取付凹部12aに取り付けられたバックアップピン11を網掛け状にして図示するとともに、バックアップピン11が取り付けられていないピン取付凹部12aを白抜き状にして図示している。
【0028】
ヘッドユニット13には、
図1及び
図3に示すように、X軸方向に沿って複数の吸着ヘッド15が間欠的に並んで配されている。本実施形態では、吸着ヘッド15の並列数が4つとされている。各吸着ヘッド15の先端には、実装部品を直接的に真空吸着して保持するための吸着ノズル(部品保持部)17が設けられている。吸着ヘッド15及び吸着ノズル17は、共に中空の略円柱状をなしている。各吸着ヘッド15及び各吸着ノズル17には、相互に連通する形で空気の流通路がそれぞれ有されており、これらの流通路内の空気を吸引する吸引手段(流通路共々図示せず)が接続されている。その上で、各吸着ノズル17には、流通路に連通する形で先端部に図示しない吸着開口部が外部に開口する形で形成されている。そして、各吸着ノズル17の先端を各実装部品に接触させた状態で吸引手段によって流通路内の空気を吸引することで、負圧を生じさせて各実装部品を吸着することが可能とされる。4つずつの各吸着ヘッド15及び各吸着ノズル17は、ヘッドユニット13に対してX軸方向に沿ってほぼ等間隔に並んで配されている。なお、ヘッドユニット13には、プリント基板Bの角部に形成されたフィデューシャルマーク(位置基準マーク)を認識するためのカメラ(フィデューシャルマーク共々図示せず)が取り付けられることで、プリント基板Bとヘッドユニット13との相対的な位置関係に係る情報を取得することが可能とされる。
【0029】
第1移動機構14は、
図1に示すように、ヘッドユニット13をX軸方向に沿って移動可能に支持するX軸ガイドレール(第1ガイドレール)18と、X軸ガイドレール18をヘッドユニット13と共にY軸方向に沿って移動可能に支持するY軸ガイドレール(第2ガイドレール)19と、を少なくとも備える。さらに、第1移動機構14は、
図7に示すように、X軸ガイドレール18に対してヘッドユニット13をX軸方向に沿って移動させる駆動源であるX軸モータ部(第1モータ部)20と、Y軸ガイドレール19に対してX軸ガイドレール18をヘッドユニット13と共にY軸方向に沿って移動させる駆動源であるY軸モータ部(第2モータ部)21と、X軸ガイドレール18に対するヘッドユニット13のX軸方向についての位置を検出するためのX軸位置検出手段(第1位置検出手段)22と、Y軸ガイドレール19に対するX軸ガイドレール18及びヘッドユニット13のY軸方向についての位置を検出するためのY軸位置検出手段(第2位置検出手段)23と、を少なくとも備える。また、第1移動機構14は、X軸モータ部20の駆動力をヘッドユニット13に伝達させるためのX軸ボールねじ軸と、Y軸モータ部21の駆動力をX軸ガイドレール18に伝達させるためのY軸ボールねじ軸(X軸ボールねじ軸共々図示せず)とを備える。
【0030】
第2移動機構16は、
図2に示すように、ヘッドユニット13に対して各吸着ヘッド15をZ軸方向に沿って移動可能に支持するZ軸ガイドレール(第3ガイドレール)24を少なくとも備える。さらに、第2移動機構16は、
図7に示すように、ヘッドユニット13に対して各吸着ヘッド15をZ軸方向に沿って移動(昇降)させる駆動源であるZ軸モータ部(第3モータ部)25と、各吸着ヘッド15に対して各吸着ノズル17をR軸方向に沿って回動させる駆動源であるR軸モータ部(第4モータ部)26と、ヘッドユニット13に対する各吸着ヘッド15のZ軸方向についての位置を検出するためのZ軸位置検出手段(第3位置検出手段)27と、各吸着ヘッド15に対する各吸着ノズル17のR軸方向についての位置を検出するためのR軸位置検出手段(第4位置検出手段)28と、を少なくとも備える。なお、ここで言う「R軸方向」とは、吸着ヘッド15及び吸着ノズル17の軸線周りの方向のことである。上記したZ軸ガイドレール24、Z軸モータ部25、及びZ軸位置検出手段27は、それぞれ各吸着ヘッド15毎に個別に設けられている。また、R軸モータ部26及びR軸位置検出手段28は、それぞれ各吸着ノズル17毎に個別に設けられている。これにより、各吸着ヘッド15は、ヘッドユニット13に対してZ軸方向について個別に移動(昇降)されるとともに、各吸着ノズル17は、各吸着ヘッド15に対してR軸方向について個別に回動されるようになっている。なお、
図7では、Z軸モータ部25、R軸モータ部26、Z軸位置検出手段27、及びR軸位置検出手段28を1つずつ代表して記載しているが、実際にはこれらZ軸モータ部25、R軸モータ部26、Z軸位置検出手段27、及びR軸位置検出手段28は、ヘッドユニット13における吸着ヘッド15(吸着ノズル17)の設置数分備えられている。
【0031】
上記した第1移動機構14及び第2移動機構16には、
図7に示すように、各モータ部20,21,25,26の駆動を直接的に制御するモータ制御部29と、各位置検出手段22,23,27,28により検出された位置情報に基づいてモータ制御部29の動作を制御する演算処理部30と、が備えられており、これらモータ制御部29及び演算処理部30が各移動機構14,16の動作を主体的に制御する主制御部31を構成している。モータ制御部29は、各位置検出手段22,23,27,28からの信号を演算処理部30に出力するとともに、演算処理部30からの出力信号に基づいて各モータ部20,21,25,26に対して適宜に駆動電力を供給するものとされる。演算処理部30は、モータ制御部29から入力された各位置検出手段22,23,27,28からの信号を演算処理することで、各位置情報を取得し、その位置情報に基づいてモータ制御部29をフィードバック制御するものとされる。
【0032】
ところで、上記した支持プレート12においてどのピン取付凹部12aにバックアップピン11を取り付けるか、つまりバックアップピン11の配置は、実装部品が搭載されるプリント基板Bの種類、具体的にはプリント基板Bの平面に視た大きさやプリント基板Bの裏面(バックアップピン11により支持される被支持面)に実装される部品のパターンなどに応じて予め定められている。従って、実装処理するプリント基板Bの種類を切り替える場合には、実装処理を開始する前に、支持プレート12が有する各ピン取付凹部12aに対してバックアップピン11を選択的に取り付ける、セッティング作業が行われている。このセッティング作業は、作業者の手作業によって行われる。このセッティング作業が正常に行われれば、バックアップピン11が予定通りの位置に配置されるので、プリント基板Bがバックアップピン11によって良好に支持されるとともに、プリント基板Bの裏面に実装された部品にバックアップピン11が干渉する事態が生じることが回避される。しかしながら、作業者の手違いなどによりセッティング作業が正常に行われなかった場合には、本来は必要なバックアップピン11の取り付けが失念されたり、また本来は不要なバックアップピン11が誤って取り付けられる場合があり、そうなるとプリント基板Bの支持が不安定なものとなったり、またプリント基板Bの裏側に実装された部品にバックアップピン11が干渉するおそれがある。
【0033】
そこで、本実施形態に係る表面実装機10は、バックアップピン11のセッティング作業を終えた後にバックアップピン11の配置を接触式にて検査する検査機能を有している。具体的には、この表面実装機10は、セッティング作業を行った後に行われる検査において、ヘッドユニット13に設けられる吸着ヘッド15の吸着ノズル17をバックアップピン11に対して接触させることでバックアップピン11の有無を検知するピン検知手段32を有している。
【0034】
ピン検知手段32は、
図7に示すように、各吸着ヘッド15及び各吸着ノズル17に有される流通路内の空気を吸引する吸引手段により吸引される空気の圧力を検出する圧力センサ(圧力検出手段)33と、圧力センサ33により検出した圧力が閾値を超えたか否かに基づいてバックアップピン11の有無を判定する演算処理部(判定部)30と、を少なくとも備えている。さらには、ピン検知手段32は、演算処理部30による判定結果を作業者などに報知するためのモニタ部(報知手段)34と、圧力センサ33から入力された信号を演算処理部30に出力し且つ演算処理部30から出力された判定結果をモニタ部34に出力する入出力手段35と、を少なくとも備えている。なお、
図7では、吸着ノズル17及び圧力センサ33を1つずつ代表して記載しているが、実際にはこれら吸着ノズル17及び圧力センサ33は、ヘッドユニット13における吸着ヘッド15の設置数分備えられている。
【0035】
圧力センサ33は、
図1から
図3に示すように、吸着ヘッド15における上端部、つまり吸着ノズル17側とは反対側の端部に取り付けられており、吸引手段による吸気圧力を例えば機械的に計測することが可能とされる。圧力センサ33は、各吸着ヘッド15に対して個別に設けられており、ヘッドユニット13全体に対しては合計4つ設けられている。ここで、圧力センサ33を用いてバックアップピン11の有無を検知する原理について説明する。吸着ノズル17の先端がバックアップピン11の先端面に接触すると、その吸着開口部が閉塞されるため、この状態で吸引手段を作動させれば、流通路の空気の圧力が負圧となる。一方、吸着ノズル17の先端がバックアップピン11に接触しなければ、その吸着開口部が外部に開口した状態とされるため、この状態で吸引手段を作動させれば、流通路の空気の圧力が大気圧に近い値とほぼ等しくなる。つまり、圧力センサ33により検出される圧力が負圧に傾いていればバックアップピン11が存在することが検知され、上記圧力が大気圧に近い値であればバックアップピン11が存在しないことが検知されるのである。
【0036】
演算処理部30は、
図7に示すように、圧力センサ33から出力された信号を演算処理することで、圧力値を算出するとともに、その圧力値を図示しないメモリに格納された閾値と比較し、閾値を超えていればバックアップピン11が存在すると判定し、閾値を超えていなければバックアップピン11が存在しないと判定するものとされる。この演算処理部30による判定の基準値である閾値は、予めバックアップピン11に対して吸着ノズル17を接触させつつ吸引手段を作動させた状態で圧力を測定する試験を繰り返し行い、バックアップピン11に対する吸着ノズル17の密着度合いが不十分で多少のエアリークが発生した場合であっても、「バックアップピン11が存在する」との判定結果が得られるように、経験的に導き出された数値である。
【0037】
図7に示すモニタ部34は、例えば、液晶パネルなどの表示パネルを備えており、判定結果を表示パネルに画像として表示することが可能とされる。モニタ部34は、例えば支持プレート12において行列状に並列配置されたピン取付凹部12aの平面配置をグラフィカルに表示するとともに、各ピン取付凹部12aの表示色を、バックアップピン11の配置が正しければ(設計通りであれば)青色とし、バックアップピン11の配置が間違っていれば赤色とすることで、作業者などにバックアップピン11の配置の正否を報知することが可能とされる。入出力手段35は、上記した演算処理部30と共に主制御部31に備えられており、各圧力センサ33及びモニタ部35に対して電気的に接続されることで、相互間での信号の伝送が可能とされている。
【0038】
その上で、ヘッドユニット13に対してX軸方向に沿って並列配置された各吸着ヘッド15及び各吸着ノズル17の配列間隔(間隔)P1は、
図3に示すように、支持プレート12においてX軸方向に沿って並んで列をなす各ピン取付凹部12aの配列間隔(間隔)P2とほぼ等しいものとされる。既述した通り、X軸方向に沿って並ぶ4つずつの各吸着ヘッド15及び各吸着ノズル17は、X軸方向についてほぼ等間隔に並列配置されているのに対し、列をなす8個の各ピン取付凹部12aは、X軸方向についてほぼ等間隔に並列配置されている。従って、X軸方向に沿って複数ずつ互いに隣り合う形で並んだ各吸着ヘッド15及び各吸着ノズル17は、X軸方向に沿って互いに隣り合う形で並んだ複数の各ピン取付凹部12aに対してそれぞれ平面に視て重畳する配置(X軸方向及びY軸方向の2方向について一致した配置)とすることが可能とされる。この状態で各吸着ヘッド15及び各吸着ノズル17をZ軸方向に沿って下向きに移動させると、各ピン取付凹部12aにバックアップピン11が取り付けられていれば、そのバックアップピン11に対して各吸着ノズル17が接触されるようになっている。つまり、X軸方向に沿って並ぶ複数の各ピン取付凹部12aに関してバックアップピン11の有無を一括して検査することが可能とされている。これにより、検査時間の短縮化が図られている。
【0039】
さらには、支持プレート12におけるX軸方向についての各ピン取付凹部12aの並列数は、X軸方向についての各吸着ヘッド15及び各吸着ノズル17の並列数の2倍とされている。従って、X軸方向に沿って並ぶ8個のピン取付凹部12aからなる一列のピン取付凹部12a群を検査するに際して、X軸方向に沿って並ぶ各吸着ヘッド15及び各吸着ノズル17をヘッドユニット13に対してZ軸方向について移動させる回数が2回で済むとともに、その2回の移動時において全ての吸着ノズル17がピン取付凹部12aの検査に有効に使用されるようになっている。これにより、検査時間の一層の短縮化が図られている。
【0040】
本実施形態に係る表面実装機10は、以上のような構造であり、続いてバックアップピン11の検査方法について説明する。バックアップピン11の検査方法は、製造するプリント基板Bに対応付けられた正しいバックアップピン11の位置情報を取得するピン位置情報取得工程と、ヘッドユニット13をX軸方向及びY軸方向について移動させる第1移動工程と、ヘッドユニット13に対して各吸着ヘッド15をZ軸方向について移動させる第2移動工程と、ピン検知手段32によりバックアップピン11の有無を検知する検知工程と、を少なくとも備える。このうち、検知工程には、吸着ノズル17内の圧力を検出する圧力検出工程と、検出した圧力が閾値を超えたか否かに基づいてバックアップピン11の有無を判定する有無判定工程と、バックアップピン11の有無の判定結果と正しいバックアップピン11の位置情報とを比較してバックアップピン11の配置が正しいか否かを判定する配置判定工程と、バックアップピン11の配置が正しくない場合にモニタ部34にその旨を報知する報知工程と、が少なくとも含まれている。以下、具体的なバックアップピン11の検査方法について
図8及び
図9に示されるフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0041】
まず、演算処理部30は、
図8に示すように、製造するプリント基板Bに関する情報を取得する(ステップS10)とともに、そのプリント基板Bに対応付けられた正しいバックアップピン11の位置情報を取得する(ステップS11、ピン位置情報取得工程)。次に、演算処理部30は、モータ制御部29を介してX軸モータ部20及びY軸モータ部21を駆動することでヘッドユニット13をX軸方向及びY軸方向について移動させる(ステップS12、第1移動工程)。このとき、演算処理部30は、モータ制御部29を介してX軸位置検出手段22及びY軸位置検出手段23によりヘッドユニット13のX軸方向及びY軸方向についての位置情報を取得することで、4つずつの各吸着ヘッド15及び各吸着ノズル17が、支持プレート12の中から選択される所定の列における
図1に示す手前側または同図に示す奥側の4つの各ピン取付凹部12a群と平面に視て重畳する配置とする。続いて、演算処理部30は、モータ制御部29を介してZ軸モータ部25を駆動することで、
図3に示す状態から、ヘッドユニット13に対して各吸着ヘッド15をZ軸方向に沿って鉛直方向の下向きに移動(下降)させる(ステップS13、第2移動工程)。このとき、演算処理部30は、モータ制御部29を介してZ軸位置検出手段27により各吸着ヘッド15のZ軸方向についての位置情報を取得することで、
図4に示すように、各吸着ノズル17の先端面が、バックアップピン11の先端面に接触可能となる位置に至らせる。
【0042】
続いて、バックアップピン11の有無を検知するとともに、検知結果の正否を判定するピン検知処理(ステップS14、検知工程)を行う。このピン検知処理は、ヘッドユニット13が有する4つの各吸着ノズル17に関して順次に行われる。ピン検知処理では、
図9に示すように、まず、所定の吸着ヘッド15及び吸着ノズル17の流通路における空気の圧力を検出する(ステップS20、圧力検出工程)。このとき、吸引手段により吸着ヘッド15及び吸着ノズル17の流通路における空気を吸引するとともに、圧力センサ33によって流通路における空気の圧力を検出し、圧力センサ33から出力された信号は、入出力手段35を介して演算処理部30に入力される(
図7を参照)。演算処理部30は、入力された信号を演算処理することで圧力の値を算出し、その圧力値を、メモリに格納された閾値と比較し、バックアップピン11の有無を判定する処理を行う(ステップS21、有無判定工程)。ここで検出される圧力は、バックアップピン11が存在すれば、吸着ノズル17の吸着開口部がバックアップピン11に塞がれるために負圧となるのに対し、バックアップピン11が存在しなければ、大気圧(ゲージ圧が0)に近い値とほぼ等しくなる。従って、演算処理部30は、
図10において実線にて示されるグラフのように、圧力値が閾値を超えるのであれば、「バックアップピン11が存在する」と判定し(ステップS22)、同図において破線にて示されるグラフのように、圧力値が閾値を超えなければ、「バックアップピン11が存在しない」と判定する(ステップS23)。
図10において、横軸は時間を表し、縦軸は負圧の大きさを表しており、負圧の閾値が一点鎖線により示されている。なお、このピン検知処理は、上記した各吸着ヘッド15を下降させる処理に並行して行うことが可能である。
【0043】
このようにしてバックアップピン11の有無を検知したら、続いて、演算処理部30は、バックアップピン11の有無の判定結果を、正しいバックアップピン11の位置情報と比較し、両者が合致するか否かに基づいてバックアップピン11の配置が正しいか否かを判定する処理を行う(ステップS24、配置判定工程)。例えば、正しいバックアップピン11の位置情報が「バックアップピン11が存在する」となっているのに対し、バックアップピン11の検知結果が「バックアップピンが存在する」となっていた場合には、演算処理部30は、位置情報と検知結果とが合致するので「バックアップピン11の配置が正しい」と判定し(ステップS25)、逆にバックアップピン11の検知結果が「バックアップピンが存在しない」となっていた場合には、演算処理部30は、位置情報と検知結果とが合致しないので「バックアップピン11の配置が正しくない」と判定する(ステップS26)。また、例えば、正しいバックアップピン11の位置情報が「バックアップピン11が存在しない」となっているのに対し、バックアップピン11の検知結果が「バックアップピンが存在しない」となっていた場合には、演算処理部30は、位置情報と検知結果とが合致するので「バックアップピン11の配置が正しい」と判定し(ステップS25)、逆にバックアップピン11の検知結果が「バックアップピンが存在する」となっていた場合には、演算処理部30は、位置情報と検知結果とが合致しないので「バックアップピン11の配置が正しくない」と判定する(ステップS26)。演算処理部30が「バックアップピン11の配置が正しくない」と判定した場合には、演算処理部30は、モニタ部34に判定結果である「バックアップピン11の配置が正しくない」旨を表示させる(ステップS27、報知工程)。なお、「バックアップピン11の配置が正しい」と判定した場合にも、モニタ部34に判定結果を表示させることが可能である。
【0044】
バックアップピン11の配置についての判定を終えたら、続いて、演算処理部30は、全ての吸着ノズル15に関して処理を行ったか否かを判定する(ステップS28)。行っていれば、ピン検知処理を終了し、行っていなければ、ステップS20に戻って次の吸着ノズル15に関する処理を行う。このようにしてピン検知処理を終えたら、
図8に示すように、各吸着ヘッド15をZ軸方向に沿って鉛直方向の上向きに移動(上昇)させ(ステップS15)、
図3に示す位置に至らせる。そして、演算処理部30は、全てのピン取付凹部12aを検査したか否かを判定し、検査したのであればバックアップピン11の検査工程を終了し、検査していないのであれば、ステップS12に戻ってノズルヘッド13をX軸方向及びY軸方向について移動させて、
図5に示す位置(各吸着ノズル17が次のピン取付凹部12a群と平面に視て重畳する位置)に至らせた後、各吸着ヘッド17を下降させて
図6に示す位置に至らせることで次のピン取付凹部12a群に関する検査を行う。なお、支持プレート12において行列状に複数ずつ配されたピン取付凹部12a群の具体的な検査手順としては、例えば支持プレート12における第1列の
図1に示す手前側の4つの各ピン取付凹部12a群を最初に検査してから、次に第1列の同図奥側の4つの各ピン取付凹部12a群を検査し、それ以降は、第2列の同図手前側の4つの各ピン取付凹部12a群、第2列の同図奥側の4つの各ピン取付凹部12a群、の順で検査を行い、最後に第12列の同図奥側の4つの各ピン取付凹部12a群を検査したところで、バックアップピン11の検査工程を終了する、というようにすることが可能である。
【0045】
以上説明したように本実施形態に係る表面実装機(基板処理装置)10は、プリント基板(基板)Bを支持するバックアップピン11と、プリント基板Bの板面に沿う2方向について行列状に複数ずつ並ぶとともにバックアップピン11が選択的に取り付けられるピン取付凹部(ピン取付部)12aを有する支持プレート12と、バックアップピン11に対してプリント基板Bを挟んだ反対側に配されるとともにプリント基板Bに対して実装される実装部品を保持可能とされる吸着ヘッド15及び吸着ノズル17(部品保持部)であって、行列状に複数ずつ並ぶピン取付凹部12aの中から選択される少なくとも2つのピン取付凹部12aの間の配列間隔(間隔)P2と一致する配列間隔(間隔)P1を間に有する形で並んで配される少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17と、少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17をプリント基板Bの板面に沿う2方向(X軸方向及びY軸方向)についてそれぞれ移動させ且つプリント基板Bの板面に対する法線方向(Z軸方向)について移動させる第1移動機構14及び第2移動機構16(移動部)と、少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17がバックアップピン11に接触したか否かに基づいてバックアップピン11の有無を検知するピン検知手段32と、を備える。
【0046】
このようにすれば、プリント基板Bは、支持プレート12においてプリント基板Bの板面に沿う2方向について行列状に複数ずつ並ぶピン取付凹部12aに選択的に取り付けられたバックアップピン11によって支持される。バックアップピン11によって支持されたプリント基板Bに対して、実装部品を保持した吸着ヘッド15及び吸着ノズル17が、第1移動機構14及び第2移動機構16によってプリント基板Bの板面に沿う2方向に加えてプリント基板Bの板面に対する法線方向について移動され、それにより実装部品をプリント基板Bにおける所定の位置に搭載することが可能とされる。
【0047】
ところで、プリント基板Bに実装部品を搭載するのに先立って、支持プレート12において行列状に複数ずつ並列配置されたピン取付凹部12aには、処理するプリント基板Bに応じてバックアップピン11が選択的に取り付けられる。そして、ピン取付凹部12aに対して選択的に取り付けられたバックアップピン11の配置が正しいか否かを判別するための検査が行われる。検査を行うに際しては、例えば、第1移動機構14及び第2移動機構16によって少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17をプリント基板Bの板面に沿う2方向について移動させ、行列状に複数ずつ並ぶピン取付凹部12aの中から選択される少なくとも2つのピン取付凹部12aと重畳するよう配置するとともに、少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17をプリント基板Bの板面に対する法線方向について移動させる。このとき、少なくとも2つのピン取付凹部12aのいずれかにバックアップピン11が取り付けられていた場合には、そのバックアップピン11に対して少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17のいずれかが接触される。一方、少なくとも2つのピン取付凹部12aのいずれかにバックアップピン11が取り付けられていなければ、少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17のいずれかがバックアップピン11とは非接触とされる。つまり、ピン検知手段32は、少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17がバックアップピン11に接触したか否かに基づいてバックアップピン11の有無を検知する。
【0048】
このように、ピン取付凹部12aの中から選択される少なくとも2つのピン取付凹部12a間の配列間隔P2と一致する配列間隔P1となるよう少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17が配されることで、ピン検知手段32によって少なくとも2つのピン取付凹部12aについてバックアップピン11の有無が一括して検知される。従って、従来のようにカメラ式または光学式でバックアップピン11の検査を行うものに比べると、検査にかかる時間の短縮化が図られる。しかも、ピン検知手段32は、バックアップピン11の有無を接触式で検知するものとされているので、例えばピン取付凹部12aに対してバックアップピン11が傾いた姿勢で挿入されているか否かなどの不具合の有無についても検査することが可能とされる。
【0049】
また、ピン取付凹部12aは、支持プレート12において少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17の並び方向(X軸方向)について複数が等間隔に並んで配されており、少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17は、その間の配列間隔P1が互いに隣り合うピン取付凹部12a間の配列間隔P2の整数倍となるよう配されている。このようにすれば、例えば、支持プレート12におけるピン取付凹部12aの並列数が吸着ヘッド15及び吸着ノズル17の並列数よりも多い場合には、少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17の並び方向について第1移動機構14により吸着ヘッド15及び吸着ノズル17を移動させる際に、吸着ヘッド15及び吸着ノズル17を同じ距離ずつ移動させて検査を行うことが可能となる。これにより、第1移動機構14による吸着ヘッド15及び吸着ノズル17の移動に係る制御が容易なものとなる。
【0050】
また、少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17は、その間の配列間隔P1が互いに隣り合うピン取付凹部12a間の配列間隔P2と等しくなるよう配されている。このようにすれば、少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17によって支持プレート12において隣り合うピン取付凹部12aに対してバックアップピン11が取り付けられているか否かが一括して検査される。
【0051】
また、ピン取付凹部12aは、支持プレート12における、少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17の並び方向についての並列数が、吸着ヘッド15及び吸着ノズル17の並列数の整数倍となるよう配されている。このようにすれば、バックアップピン11の配置を検査するに際して、第2移動機構16により吸着ヘッド15及び吸着ノズル17をプリント基板Bの板面に対する法線方向について移動させる回数が、吸着ヘッド15及び吸着ノズル17の並列数に対するピン取付凹部12aの並列数の倍数分で済む。これにより、検査にかかる時間をより短縮化することができる。
【0052】
また、吸着ヘッド15及び吸着ノズル17には、実装部品を吸引保持することが可能な吸引手段が備えられており、ピン検知手段32は、吸引手段により吸引される空気の圧力を検出する圧力センサ(圧力検出手段)33と、検出した圧力が閾値を超えたか否かに基づいてバックアップピン11の有無を判定する演算処理部(判定部)30とを備える。このようにすれば、少なくとも2つのピン取付凹部12aのいずれかにバックアップピン11が取り付けられていた場合には、そのバックアップピン11に対して少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17のいずれかが接触されるので、その状態で吸引手段によって空気を吸引すると、吸引された空気の圧力は負圧となる。つまり、吸引手段によって吸引される空気の圧力には、バックアップピン11の有無に応じて差が生じることになるため、その圧力を圧力センサ33により検出するとともに、検出した圧力が閾値を超えたか否かに基づいてバックアップピン11の有無を演算処理部30により判定することが可能とされる。また、実装部品を吸引保持するための吸引手段を利用してバックアップピン11の配置を検知しているから、バックアップピン11の検知に伴うコスト増を抑制することができる。
【0053】
次に、本実施形態に係るバックアップピン11の検査方法は、プリント基板Bを支持するバックアップピン11に対してプリント基板Bを挟んだ反対側に配されるとともにプリント基板Bに対して実装される実装部品を保持可能とされる吸着ヘッド15及び吸着ノズル17であって、プリント基板Bの板面に沿う2方向について行列状に複数ずつ並ぶとともにバックアップピン11が選択的に取り付けられるピン取付凹部12aを有する支持プレート12のうち、少なくとも2つのピン取付凹部12aの間の配列間隔P2と一致する配列間隔P1を間に有する形で並んで配される少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17を、プリント基板Bの板面に沿う2方向について移動部を構成する第1移動機構14によって移動させて少なくとも2つのピン取付凹部12aに対して重畳するよう配する第1移動工程と、少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17を、プリント基板Bの板面に対する法線方向について少なくとも2つのピン取付凹部12aに接近するよう移動部を構成する第2移動機構16によって移動させる第2移動工程と、少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17がバックアップピン11に接触したか否かに基づいてピン検知手段32によってバックアップピン11の有無を検知する検知工程と、を備える。
【0054】
このようにすれば、まず、第1移動工程では、移動部を構成する第1移動機構14によって少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17をプリント基板Bの板面に沿う2方向について移動させ、支持プレート12において行列状に複数ずつ並ぶピン取付凹部12aの中から選択される少なくとも2つのピン取付凹部12aに対して重畳するよう配する。次に、第2移動工程では、移動部を構成する第2移動機構16によって少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17をプリント基板Bの板面に対する法線方向について移動させ、少なくとも2つのピン取付凹部12aに接近させる。続いて、検知工程では、少なくとも2つのピン取付凹部12aのいずれかにバックアップピン11が取り付けられていた場合には、そのバックアップピン11に対して少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17のいずれかが接触される。一方、少なくとも2つのピン取付凹部12aのいずれかにバックアップピン11が取り付けられていなければ、少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17のいずれかがバックアップピン11とは非接触とされる。つまり、ピン検知手段32により、少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17がバックアップピン11に接触したか否かに基づいてバックアップピン11の有無が検知される。以上のようにして、支持プレート12において行列状に複数ずつ並列配置されたピン取付凹部12aに対して選択的に取り付けられたバックアップピン11の配置が正しいか否かが検査される。
【0055】
このように、検知工程では、ピン取付凹部12aの中から選択される少なくとも2つのピン取付凹部12a間の配列間隔P2と一致する配列間隔P1となるよう少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17が配されることで、ピン検知手段32によって少なくとも2つのピン取付凹部12aについてバックアップピン11の有無が一括して検知される。従って、従来のようにカメラ式または光学式でバックアップピン11の検査を行うものに比べると、検査にかかる時間の短縮化が図られる。しかも、ピン検知手段32は、バックアップピン11の有無を接触式で検知するものとされているので、例えばピン取付凹部12aに対してバックアップピン11が傾いた姿勢で挿入されているか否かなどの不具合の有無についても検査することが可能とされる。
【0056】
また、検知工程では、吸着ヘッド15及び吸着ノズル17に備えられ実装部品を吸引保持することが可能な吸引手段により空気を吸引するようにし、吸引された空気の圧力をピン検知手段32を構成する圧力センサ33により検出するとともに検出した圧力が閾値を超えたか否かに基づいてバックアップピン11の有無を、ピン検知手段32を構成する演算処理部30により判定するようにしている。このようにすれば、検知工程において、少なくとも2つのピン取付凹部12aのいずれかにバックアップピン11が取り付けられていた場合には、そのバックアップピン11に対して少なくとも2つの吸着ヘッド15及び吸着ノズル17のいずれかが接触されるので、その状態で吸引手段によって空気を吸引すると、その吸引された空気の圧力は負圧となる。つまり、吸引手段によって吸引される空気の圧力には、バックアップピン11の有無に応じた差が生じることになるため、その圧力を圧力センサ33により検出するとともに、検出した圧力が閾値を超えたか否かに基づいてバックアップピン11の有無を演算処理部30により判定することが可能とされる。また、実装部品を吸引保持するための吸引手段を利用してバックアップピン11の配置を検知しているから、バックアップピン11の検知に伴うコスト増を抑制することができる。
【0057】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を
図11または
図12によって説明する。この実施形態2では、バックアップピンの有無を検知するに際して吸着ノズルに作用する荷重を利用したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0058】
本実施形態に係るバックアップピンの検査方法に含まれる検知工程には、吸着ノズルに作用した荷重を検出する荷重検出工程と、検出した荷重が閾値を超えたか否かに基づいてバックアップピンの有無を判定する有無判定工程と、が少なくとも備えられる。具体的には、バックアップピンの検査方法に係るフローチャートに含まれるピン検知処理では、
図11に示すように、吸着ノズルに作用した荷重を検出し(ステップS120、荷重検出工程)、検出した圧力値が閾値を超えたか否かに基づいてバックアップピンの有無を判定する処理を行う(ステップS121)。ここで、ステップS120において吸着ノズルに作用した荷重を検出する具体的な手法について説明する。吸着ヘッドを下降させる際にZ軸モータ部を駆動させるのであるが、このときZ軸モータ部に流される電流値は、吸着ノズルに作用する荷重に応じて変動し得るものとされ、無荷重であれば電流値が一定値とされるのに対し、荷重が作用すると電流値が増加する傾向とされている。従って、ステップS120では、吸着ノズルを下降させる際に駆動されるZ軸モータ部に流される電流値をモータ制御部によって計測し、測定された電流値を演算処理部によって演算処理することで荷重を算出している。そして、ステップS121では、演算処理部は、
図12において実線にて示されるグラフのように、荷重値が閾値を超えるのであれば、「バックアップピンが存在する」と判定し(ステップS122)、同図において破線にて示されるグラフのように、荷重値が閾値を超えなければ、「バックアップピンが存在しない」と判定する(ステップS123)。
図12において、横軸は時間を表し、縦軸は荷重の大きさを表しており、荷重の閾値が一点鎖線により示されている。
【0059】
以上説明したように本実施形態に係る表面実装機によれば、ピン検知手段は、吸着ヘッド及び吸着ノズルに作用する荷重を検出するモータ制御部(荷重検出手段)と、検出した荷重が閾値を超えたか否かに基づいてバックアップピンの有無を判定する演算処理部(判定部)とを備える。このようにすれば、少なくとも2つのピン取付凹部のいずれかにバックアップピンが取り付けられていた場合には、そのバックアップピンに対して少なくとも2つの吸着ヘッド及び吸着ノズルのいずれかが接触されるのに伴い、吸着ヘッド及び吸着ノズルに作用する荷重がモータ制御部により検出される。従って、検出された荷重が閾値を超えたか否かに基づいてバックアップピンの有無を演算処理部により判定することが可能とされる。
【0060】
また、移動部を構成する第2移動機構は、吸着ヘッド及び吸着ノズルをプリント基板の板面に対する法線方向について移動させるためのZ軸モータ部(モータ部)を少なくとも有しており、モータ制御部は、吸着ヘッド及び吸着ノズルを移動させる際にZ軸モータ部に流される電流値に基づいて荷重を検出している。このようにすれば、Z軸モータ部によって吸着ヘッド及び吸着ノズルをプリント基板の板面に対する法線方向について移動させる際に、吸着ヘッド及び吸着ノズルがバックアップピンに接触すると、Z軸モータ部に流される電流値が高くなる傾向となる。従って、モータ制御部は、Z軸モータ部に流される電流値が高くなれば、荷重が発生していることを検出することが可能とされる。また、吸着ヘッド及び吸着ノズルをプリント基板の板面に対する法線方向について移動させるためのZ軸モータ部を利用してバックアップピンの配置を検知しているから、バックアップピンの検知に伴うコスト増を抑制することができる。
【0061】
次に、本実施形態に係るバックアップピンの検査方法は、検知工程では、ピン検知手段を構成するモータ制御部(荷重検出手段)により吸着ヘッド及び吸着ノズルに作用する荷重を検出し、検出した荷重が閾値を超えたか否かに基づいてバックアップピンの有無を、ピン検知手段を構成する演算処理部により判定するようにしている。このようにすれば、検知工程において、少なくとも2つのピン取付凹部のいずれかにバックアップピンが取り付けられていた場合には、そのバックアップピンに対して少なくとも2つの吸着ヘッド及び吸着ノズルのいずれかが接触されるのに伴い、吸着ヘッド及び吸着ノズルに作用する荷重がモータ制御部により検出される。従って、検出された荷重が閾値を超えたか否かに基づいてバックアップピンの有無を演算処理部により判定することが可能とされる。
【0062】
また、第2移動工程では、移動部を構成する第2移動機構に少なくとも有されるZ軸モータ部(モータ部)によって少なくとも2つの吸着ヘッド及び吸着ノズルをプリント基板の板面に対する法線方向について移動させており、検知工程では、モータ制御部は、Z軸モータ部に流される電流値に基づいて荷重を検出している。このようにすれば、第2移動工程及び検知工程において、Z軸モータ部によって吸着ヘッド及び吸着ノズルをプリント基板の板面に対する法線方向について移動させる際に、吸着ヘッド及び吸着ノズルがバックアップピンに接触すると、Z軸モータ部に流される電流値が高くなる傾向となる。従って、モータ制御部は、Z軸モータ部に流される電流値が高くなれば、荷重が発生していることを検出することが可能とされる。また、吸着ヘッド及び吸着ノズルをプリント基板の板面に対する法線方向について移動させるためのZ軸モータ部を利用してバックアップピンの配置を検知しているから、バックアップピンの検知に伴うコスト増を抑制することができる。
【0063】
<実施形態3>
本発明の実施形態3を
図13によって説明する。この実施形態3は、上記した実施形態2の変形例とも言うべきものであって、吸着ノズル217に作用する荷重を荷重センサ36により検出するようにしたものを示す。なお、上記した実施形態2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0064】
荷重センサ36は、
図13に示すように、上記した実施形態1に記載した圧力センサと同様に各吸着ヘッドに対して個別に取り付けられており、吸着ノズル217に作用する荷重を機械式で検出することが可能とされている。荷重センサ36により検出された荷重に係る信号は、入出力手段235を介して演算処理部230に入力されて演算処理されることで、荷重値として算出される。このような構成であっても、上記した実施形態2と同様に検出した荷重が閾値を超えたか否かに基づいてバックアップピンの有無を判定することができる。
【0065】
<実施形態4>
本発明の実施形態4を
図14または
図15によって説明する。この実施形態4では、ヘッドユニット313における吸着ヘッド315及び吸着ノズル317の設置数を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0066】
本実施形態に係るヘッドユニット313には、
図14に示すように、吸着ヘッド315及び吸着ノズル317が5つずつ設けられている。これに対して支持プレート312においてX軸方向に沿って列をなすピン取付凹部312aの並列数は、8つとされる。つまり、列をなすピン取付凹部312aの並列数は、吸着ヘッド315及び吸着ノズル317の設置数の非整数倍とされている。このような構成においては、1つの列をなすピン取付凹部312aを検査するに際しては、例えば1回目の検査では全ての吸着ヘッド315及び吸着ノズル317を用いてバックアップピン311の有無を検知するようにし、2回目の検査では、
図15に示すように、同図左端側の2つずつの吸着ヘッド315及び吸着ノズル317については圧力または荷重の検出に用いることなく、同図右端側の3つずつの吸着ヘッド315及び吸着ノズル317を用いて圧力または荷重を検出することでバックアップピン311の有無を検知すればよい。
【0067】
<実施形態5>
本発明の実施形態5を
図16または
図17によって説明する。この実施形態5では、隣り合う吸着ヘッド415及び吸着ノズル417の配列間隔P3を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0068】
本実施形態に係るヘッドユニット413においてX軸方向について隣り合う吸着ヘッド415及び吸着ノズル417の配列間隔P3は、
図16に示すように、支持プレート412においてX軸方向に沿って並んで列をなす各ピン取付凹部412aの配列間隔P2のほぼ2倍とされている。従って、例えばヘッドユニット413において
図16に示す左端に位置する吸着ヘッド415及び吸着ノズル417を、支持プレート412において同図左端に位置するピン取付凹部412aと平面に視て重畳する配置にすると、残りの3つずつの吸着ヘッド415及び吸着ノズル417は、支持プレート412において同図左端から数えて奇数番目(3番目、5番目、7番目)となる3つのピン取付凹部412aに対してそれぞれ平面に視て重畳する配置となる。また、
図17に示すように、ヘッドユニット413において
図17に示す左端に位置する吸着ヘッド415及び吸着ノズル417を、支持プレート412において同図左端から2番目に位置するピン取付凹部412aと平面に視て重畳する配置にすると、残りの3つずつの吸着ヘッド415及び吸着ノズル417は、支持プレート412において同図左端から数えて偶数番目(4番目、6番目、8番目)となる3つのピン取付凹部412aに対してそれぞれ平面に視て重畳する配置となる。つまり、各図面において左端に配される吸着ヘッド415及び吸着ノズル417を、支持プレート412において各図左からn番目のピン取付凹部412aと平面に視て重畳する配置にすると、残りの3つずつの吸着ヘッド415及び吸着ノズル417は、支持プレート412において各図左から(n+2)番目、(n+4)番目、(n+6)番目となる3つのピン取付凹部412aに対してそれぞれ平面に視て重畳する配置となる。なお、nは、自然数である。
【0069】
従って、バックアップピン411の検査を行うに際しては、
図16に示すように、同図左端から数えて奇数番目に位置する各ピン取付凹部412aに関してそれぞれ各吸着ノズル417を用いてバックアップピン411の有無を検査し、その後、
図17に示すように、同図左端から数えて偶数番目に位置する各ピン取付凹部412aに関してそれぞれ各吸着ノズル417を用いてバックアップピン411の有無を検査する、といった手順を採ることができ、それにより2回の検査によって1つの列をなすピン取付凹部412aを全て検査することができる。
【0070】
<実施形態6>
本発明の実施形態6を
図18から
図20によって説明する。この実施形態6では、吸着ヘッド515及び吸着ノズル517の並列数及びピン取付凹部512aの並列数を変更するとともに、隣り合う吸着ヘッド515及び吸着ノズル517の配列間隔P4を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0071】
本実施形態に係るヘッドユニット513には、
図18に示すように、吸着ヘッド515及び吸着ノズル517がX軸方向に沿って3つずつ間欠的に並ぶ形で設けられている。これに対し、支持プレート512には、ピン取付凹部512aがX軸方向に沿って9つ間欠的に並ぶ形で設けられている。そして、ヘッドユニット513においてX軸方向について隣り合う吸着ヘッド515及び吸着ノズル517の配列間隔P4は、支持プレート512においてX軸方向に沿って並んで列をなす各ピン取付凹部512aの配列間隔P2のほぼ3倍とされている。従って、例えばヘッドユニット513において
図18に示す左端に位置する吸着ヘッド515及び吸着ノズル517を、支持プレート512において同図左端に位置するピン取付凹部512aと平面に視て重畳する配置にすると、残りの2つずつの吸着ヘッド515及び吸着ノズル517は、支持プレート512において同図左端から数えて4番目、7番目となる2つのピン取付凹部512aに対してそれぞれ平面に視て重畳する配置となる。また、
図19に示すように、ヘッドユニット513において
図19に示す左端に位置する吸着ヘッド515及び吸着ノズル517を、支持プレート512において同図左端から2番目に位置するピン取付凹部512aと平面に視て重畳する配置にすると、残りの2つずつの吸着ヘッド515及び吸着ノズル517は、支持プレート512において同図左端から数えて5番目、8番目となる2つのピン取付凹部512aに対してそれぞれ平面に視て重畳する配置となる。また、
図20に示すように、ヘッドユニット513において
図20に示す左端に位置する吸着ヘッド515及び吸着ノズル517を、支持プレート512において同図左端から3番目に位置するピン取付凹部512aと平面に視て重畳する配置にすると、残りの2つずつの吸着ヘッド515及び吸着ノズル517は、支持プレート512において同図左端から数えて6番目、9番目となる2つのピン取付凹部512aに対してそれぞれ平面に視て重畳する配置となる。つまり、各図面において左端に配される吸着ヘッド515及び吸着ノズル517を、支持プレート512において各図左からn番目のピン取付凹部512aと平面に視て重畳する配置にすると、残りの2つずつの吸着ヘッド515及び吸着ノズル517は、支持プレート512において各図左から(n+3)番目、(n+6)番目となる2つのピン取付凹部512aに対してそれぞれ平面に視て重畳する配置となる。なお、nは、自然数である。
【0072】
従って、バックアップピン511の検査を行うに際しては、
図18に示すように、同図左端から数えて1番目、4番目、7番目に位置する各ピン取付凹部512aに関してそれぞれ各吸着ノズル517を用いてバックアップピン511の有無を検査し、その後、
図19に示すように、同図左端から数えて2番目、5番目、8番目に位置する各ピン取付凹部512aに関してそれぞれ各吸着ノズル517を用いてバックアップピン511の有無を検査し、さらにその後、
図20に示すように、同図左端から数えて3番目、6番目、9番目に位置する各ピン取付凹部512aに関してそれぞれ各吸着ノズル517を用いてバックアップピン511の有無を検査する、といった手順を採ることができ、それにより3回の検査によって1つの列をなすピン取付凹部512aを全て検査することができる。
【0073】
<実施形態7>
本発明の実施形態7を
図21から
図24によって説明する。この実施形態7では、吸着ヘッド615及び吸着ノズル617の並列数とピン取付凹部612aの並列数とを変更するとともに、隣り合う吸着ヘッド615及び吸着ノズル617の配列間隔P5とピン取付凹部612aの配列間隔P6,P7とを変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0074】
本実施形態に係るヘッドユニット613には、
図21に示すように、吸着ヘッド615及び吸着ノズル617がX軸方向に沿って2つずつが間欠的に並ぶ形で設けられている。これに対し、支持プレート612には、ピン取付凹部612aがX軸方向に沿って8つが間欠的に並ぶ形で設けられている。
【0075】
支持プレート612においてX軸方向に沿って並んで列をなす各ピン取付凹部612aは、2通りの配列間隔P6,P7が交互となる形で繰り返されるよう配されている。詳しくは、
図21に示す左端のピン取付凹部612aと同図左から2番目のピン取付凹部612aとの間の配列間隔P6と、同図左から2番目のピン取付凹部612aと同図左から3番目のピン取付凹部612aとの間の配列間隔P7とが互いに異なっており、配列間隔P7が配列間隔P6のほぼ2倍の大きさとされている。つまり、
図21に示す左から奇数番目(1番目、3番目、5番目、7番目)のピン取付凹部612aとその右隣の偶数番目(2番目、4番目、6番目、8番目)のピン取付凹部612aとの間には、配列間隔P6が空けられるのに対し、同図左から偶数番目のピン取付凹部612aとその右隣の奇数番目のピン取付凹部612aとの間には、配列間隔P7が空けられている。
【0076】
そして、ヘッドユニット613においてX軸方向について隣り合う吸着ヘッド615及び吸着ノズル617の配列間隔P5は、上記したピン取付凹部612aの各配列間隔P6,P7のいずれよりも大きくされており、配列間隔P6と配列間隔P7とを足し合わせた大きさとほぼ等しくなっている。支持プレート612において
図21に示す左から奇数番目のピン取付凹部612a間の配列間隔は、P6とP7とを足し合わせた大きさ(P6+P7)となっており、また同図左から偶数番目のピン取付凹部612a間の配列間隔についても、P6とP7とを足し合わせた大きさ(P6+P7)となっている。従って、ヘッドユニット613において
図21に示す左端に位置する吸着ヘッド615及び吸着ノズル617を、支持プレート612において同図n番目のピン取付凹部612aと平面に視て重畳する配置にすると、残りの吸着ヘッド615及び吸着ノズル617は、支持プレート612において同図(n+2)番目のピン取付凹部612aに対してそれぞれ平面に視て重畳する配置となる。なお、nは、自然数である。
【0077】
バックアップピン611の検査を行うに際しては、
図21に示すように、同図左端から数えて1番目、3番目に位置する各ピン取付凹部612aに関してそれぞれ各吸着ノズル617を用いてバックアップピン611の有無を検査してから、ヘッドユニット613を配列間隔P6の分だけ同図右側に移動させた後に、
図22に示すように、同図左端から数えて2番目、4番目に位置する各ピン取付凹部612aに関してそれぞれ各吸着ノズル617を用いてバックアップピン611の有無を検査する。それからヘッドユニット613を配列間隔P6に加えて配列間隔P7の2倍となる寸法分だけ同図右側に移動させた後に、
図23に示すように、同図左端から数えて5番目、7番目に位置する各ピン取付凹部612aに関してそれぞれ各吸着ノズル617を用いてバックアップピン611の有無を検査する。その後、ヘッドユニット613を配列間隔P6の分だけ同図右側に移動させた後に、
図24に示すように、同図左端から数えて6番目、8番目に位置する各ピン取付凹部612aに関してそれぞれ各吸着ノズル617を用いてバックアップピン611の有無を検査する。以上の手順により4回の検査によって1つの列をなすピン取付凹部612aを全て検査することができる。
【0078】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記した各実施形態以外にも、ヘッドユニットが有する複数の吸着ノズルによって一度に検査可能な検査対象である支持プレートのピン取付凹部群に関して、具体的な検査順序は適宜に変更可能である。例えば、第1列の
図1に示す手前側のピン取付凹部群を最初に検査したら、次に第2列の同図手前側のピン取付凹部群を検査し、それ以降は各列の同図手前側のピン取付凹部群を列番号順に検査した後、第12列の同図奥側のピン取付凹部群から第1列の同図奥側のピン取付凹部群までを順次に検査する、といった検査順序とすることが可能である。
【0079】
(2)上記した各実施形態において、ノズルヘッドをX軸方向やY軸方向について移動させる動作と、吸着ヘッドをZ軸方向について移動させる動作とを並列的に行うように各モータ部の駆動を制御することも勿論可能である。
【0080】
(3)上記した各実施形態では、支持プレートにおいてX軸方向について隣り合うピン取付凹部間の配列間隔が、ヘッドユニットにおいて隣り合う吸着ヘッド及び吸着ノズル間の配列間隔とほぼ等しくなる場合や、1倍以下とされる場合を示したが、支持プレートにおいてX軸方向について隣り合うピン取付凹部間の配列間隔が、ヘッドユニットにおいて隣り合う吸着ヘッド及び吸着ノズル間の配列間隔の整数倍とされる構成としたものも本発明に含まれる。
【0081】
(4)上記した各実施形態以外にも、支持プレートにおけるピン取付凹部のX軸方向についての並列数、及びY軸方向についての並列数については適宜に変更可能である。特に、ピン取付凹部におけるX軸方向(吸着ヘッド及び吸着ノズルの並び方向)についての並列数を変更するに際しては、ヘッドユニットによる検査回数(吸着ヘッド及び吸着ノズルの昇降回数)を適宜に変更すればよい。
【0082】
(5)上記した実施形態1では、圧力センサとして機械式のものを例示したが、電気式の圧力センサを用いることも勿論可能である。それ以外にも、圧力センサを用いることなく、吸引手段により吸引する吸着ノズル内の空気の圧力を間接的に検出する手法を採ることが可能であり、例えば吸引手段を駆動する駆動手段に流される電流値を検出し、その測定された電流値を演算処理部によって演算処理することで圧力を算出するようにしてもよい。
【0083】
(6)上記した実施形態1から実施形態5では、ヘッドユニットが有する吸着ヘッド及び吸着ノズルの数を4または5とした場合を示したが、実施形態1から実施形態5に記載した構成において、ヘッドユニットが有する吸着ヘッド及び吸着ノズルの数を2、3、または6以上とすることが可能である。その場合、ヘッドユニットによる検査回数(吸着ヘッド及び吸着ノズルの昇降回数)を適宜に変更すればよい。
【0084】
(7)上記した実施形態2または実施形態3に記載した構成に、上記した実施形態4から実施形態7に記載した構成を適用することも可能である。
【0085】
(8)上記した実施形態5では、ヘッドユニットが有する吸着ヘッド及び吸着ノズルの数を4とした場合を示したが、実施形態5に記載した構成において、ヘッドユニットが有する吸着ヘッド及び吸着ノズルの数を2、3、または5以上とすることが可能である。その場合、ヘッドユニットによる検査回数(吸着ヘッド及び吸着ノズルの昇降回数)を適宜に変更すればよい。
【0086】
(9)上記した実施形態6では、ヘッドユニットが有する吸着ヘッド及び吸着ノズルの数を3とした場合を示したが、実施形態6に記載した構成において、ヘッドユニットが有する吸着ヘッド及び吸着ノズルの数を2、または4以上とすることが可能である。その場合、ヘッドユニットによる検査回数(吸着ヘッド及び吸着ノズルの昇降回数)を適宜に変更すればよい。
【0087】
(10)上記した実施形態7では、ヘッドユニットが有する吸着ヘッド及び吸着ノズルの数を2とした場合を示したが、実施形態7に記載した構成において、ヘッドユニットが有する吸着ヘッド及び吸着ノズルの数を3以上とすることが可能である。その場合、ヘッドユニットによる検査回数(吸着ヘッド及び吸着ノズルの昇降回数)を適宜に変更すればよい。
【0088】
(11)上記した実施形態5,6以外にも、ヘッドユニットが有する吸着ヘッド及び吸着ノズル間の配列間隔が、支持プレートにおいてX軸方向について隣り合うピン取付凹部間の配列間隔の4倍以上の整数倍となる構成を採ることも可能である。
【0089】
(12)上記した実施形態7の変形例として、
図21から
図24において、配列間隔P6及び配列間隔P7の左右の配置を入れ替えることも可能である。
【0090】
(13)上記した実施形態7のさらなる変形例として、吸着ノズル間の配列間隔が、ピン取付凹部の3つ以上の配列間隔を足した大きさとほぼ等しくなる設定とすることも可能である。
【0091】
(14)上記した実施形態5から実施形態7に記載した構成に、上記した実施形態4の構成、つまり支持プレートにおけるピン取付凹部のX軸方向についての並列数がヘッドユニットにおける吸着ヘッド及び吸着ノズルの並列数の非整数倍となる構成を適用することが可能である。
【0092】
(15)上記した実施形態1では、バックアップピンの有無を圧力検出手段により検査したものを、また実施形態2,3では、バックアップピンの有無を荷重検出手段により検査したものを示したが、圧力検出手段と荷重検出手段とを併用してバックアップピンの有無を検査することも可能である。
【0093】
(16)上記した各実施形態では、ヘッドユニットに対して吸着ヘッドをZ軸方向について移動させるZ軸モータ部が各吸着ノズル毎に個別に設けられたものを示したが、共通のZ軸モータ部によって複数の吸着ノズルをZ軸方向について一括して移動させる構成とすることも可能である。
【0094】
(17)上記した各実施形態では、ヘッドユニットに対して吸着ヘッド及び吸着ノズルがX軸方向に沿って並列する形で設けられたものを示したが、ヘッドユニットに対して吸着ヘッド及び吸着ノズルがY軸方向に沿って並列する形で設けられる構成とすることも可能である。
【0095】
(18)上記した各実施形態では、ヘッドユニットに対して吸着ヘッド及び吸着ノズルがX軸方向に沿って等間隔に並ぶ形で設けられたものを示したが、ヘッドユニットに対して吸着ヘッド及び吸着ノズルがX軸方向に沿って不等間隔に並ぶ形で設けられる構成とすることも可能である。
【0096】
(19)上記した各実施形態では、バックアップピンの配置が正しくない場合にモニタ部にその旨を表示させるものを示したが、それ以外にも例えば、バックアップピンの配置が正しくない場合に警告音を発生する報知手段を用いたり、また警告灯を点灯または点滅させる報知手段を用いることも可能である。これらの報知手段を複数併用することも勿論可能である。
【0097】
(20)上記した各実施形態では、バックアップピンが円柱状をなすものを示したが、バックアップピンとして角柱状をなすものや先細り形状とされるものを用いることも可能である。
【0098】
(21)上記した各実施形態では、ピン取付凹部が支持プレートにおける表側の面にのみ開口する凹状をなす構成としたものもを示したが、ピン取付凹部が支持プレートを表裏に貫通する態様とすることも可能である。
【0099】
(22)上記した各実施形態では、表面実装機について例示したが、それ以外にもプリント基板に半田ペーストを印刷するための半田印刷機にも本発明は適用可能である。