(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5941504
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】電子機器のアンテナ・システムおよびアイソレーションを強化する方法
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/52 20060101AFI20160616BHJP
H01Q 1/24 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
H01Q1/52
H01Q1/24 Z
【請求項の数】20
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-149323(P2014-149323)
(22)【出願日】2014年7月23日
(65)【公開番号】特開2016-25538(P2016-25538A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2015年1月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106699
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 弘道
(74)【代理人】
【識別番号】100132595
【弁理士】
【氏名又は名称】袴田 眞志
(72)【発明者】
【氏名】岡田 孝明
【審査官】
米倉 秀明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−051644(JP,A)
【文献】
特開2014−086949(JP,A)
【文献】
特開2012−231417(JP,A)
【文献】
特開2010−130703(JP,A)
【文献】
再公表特許第2013/140770(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/52
H01Q 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の筐体に収納するアンテナ・システムであって、
所定の通信方式の電波を受信することが可能なアンテナと、
外部周辺デバイスを接続するためのレセプタクルと、
前記レセプタクルの近辺に配置され前記レセプタクルに接続された前記外部周辺デバイスが放射する電磁波の放射パターンを修正して前記アンテナが受信するノイズ・レベルを低減するノイズ緩和器と
を有するアンテナ・システム。
【請求項2】
前記レセプタクルがUSB規格に適合するインターフェースを提供する請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項3】
前記外部周辺デバイスが、前記レセプタクルに直接接続するプラグを備えたスティック状のデバイスである請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項4】
前記外部周辺デバイスが前記レセプタクルにケーブルで接続される請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項5】
前記ノイズ緩和器が、前記アンテナと前記レセプタクルの間で前記アンテナより前記レセプタクルに近い位置に配置される請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項6】
前記ノイズ緩和器が、グランドと、該グランドに接続され前記アンテナの共振周波数に対する波長の1/4またはそれ以上の長さの共振素子で構成されている請求項1に記載のアンテナ・システム。
【請求項7】
前記共振素子が、前記外部周辺デバイスが放射する電磁波の偏波方向に一致するように配置されている請求項6に記載のアンテナ・システム。
【請求項8】
前記共振素子が、逆L型のパターンで形成されている請求項6に記載のアンテナ・システム。
【請求項9】
前記共振素子が、棒状のパターンで形成されている請求項6に記載のアンテナ・システム。
【請求項10】
前記共振素子が、空芯コイルで形成されている請求項6に記載のアンテナ・システム。
【請求項11】
前記共振素子が、ミアンダ・パターンで形成されている請求項6に記載のアンテナ・システム。
【請求項12】
前記共振素子が、長さの異なる複数の素子を含む請求項6に記載のアンテナ・システム。
【請求項13】
無線通信が可能な携帯式電子機器であって、
周辺が4つの端面で囲まれた矩形状の筐体と、
前記筐体の内側でいずれかの前記端面の近辺に配置された所定の通信方式のアンテナと、
いずれかの前記端面に配置された外部周辺デバイスを接続するためのレセプタクルと、
前記筐体の内側でいずれかの前記端面の近辺に配置され前記外部周辺デバイスが放射する電磁波の放射パターンを修正して前記アンテナが受信するノイズ・レベルを低減するノイズ緩和器と
を有する携帯式電子機器。
【請求項14】
前記アンテナが、前記レセプタクルが配置された端面に隣接する端面の近辺に配置されている請求項13に記載の携帯式電子機器。
【請求項15】
前記アンテナが、前記レセプタクルが配置された端面の近辺に配置され、前記ノイズ緩和器が前記アンテナと前記レセプタクルの間の前記端面の近辺に配置されている請求項13に記載の携帯式電子機器。
【請求項16】
複数の前記アンテナがそれぞれ異なる3つの端面の近辺に配置され、前記レセプタクルが残った端面に配置され、前記ノイズ緩和器が前記レセプタクルの両側に配置される請求項13に記載の携帯式電子機器。
【請求項17】
前記筐体が金属で形成され、前記ノイズ緩和器が配置される近辺の端面が非導電性材料で形成されている請求項13に記載の携帯式電子機器。
【請求項18】
携帯式電子機器に搭載するアンテナと、前記携帯式電子機器の筐体に設けたレセプタクルに接続される外部周辺デバイスの電磁波のアイソレーションを強化する方法であって、
前記アンテナの位置と前記レセプタクルの位置を設定するステップと、
前記レセプタクルの近辺にグランドに接続された所定の長さの共振素子を配置するステップと、
前記レセプタクルに外部周辺デバイスを接続して動作させるステップと、
前記共振素子の位置を変えながらアイソレーション値を測定するステップと、
前記アイソレーション値に基づいて前記共振素子の位置を決定するステップと
を有する方法。
【請求項19】
前記共振素子の長さを変えながらアイソレーション値を測定するステップと
前記アイソレーション値に基づいて前記共振素子の長さを決定するステップと
を有する請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記共振素子の位置を決定するステップが、前記共振素子の偏波方向と前記外部周辺デバイスが放射する電磁波の偏波方向を一致させるステップを含む請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器が搭載するアンテナのノイズ・レベルを低減する技術に関し、さらには、アンテナとその近辺に接続される外部周辺デバイスのアイソレーションを強化する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ノートブック型パーソナル・コンピュータ(以下、ノートPCという。)、タブレット端末またはスマートフォンのような携帯式電子機器は無線LAN(Wireless Local Area Network)、無線WAN(Wireless Wide Area Network )およびGPSなどの複数の無線通信システムのために多数のアンテナを搭載する。それらは相互に異なる周波数帯域の周波数を送受信する。
【0003】
携帯式電子機器の筐体には、通常USBデバイスを接続するためのレセプタクルが実装されている。USB3.0規格のインターフェースで動作するUSBデバイスは、2.4GHz帯の無線LANのアンテナに電磁波干渉をすることが知られている。特許文献1は、励振器の側に素子長がλ/4の逆L型の無給電素子を配置したマルチバンド・アンテナを開示する。特許文献2は、励振素子の近傍に無給電の導体素子を配置してアンテナの利得を向上する発明を開示する。また従来から、導波器と放射器と反射器で構成された八木・宇田アンテナが知られている。反射器の素子長は、放射器の素子長より長く導波器の素子長は短い。このような構造で八木・宇田アンテナは反射器から導波器の方行に向かう指向特性を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−064282号公報
【特許文献2】特開2013−165409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
USBレセプタクルにはUSBメモリ・キーなどのスティック状のUSBデバイスが直接またはUSBプラグの形状を変換するためのアダプタを介して接続される。また、USBレセプタクルには、HDDやキーボードのようなUSBデバイスがケーブルで接続される。USBレセプタクルに装着されたUSBメモリ・キーは、筐体の表面から棒状に突き出た状態で保持される。USBレセプタクルにさまざまな長さのUSBメモリ・キーを装着してアンテナが受信するノイズ・レベルを観測すると、USBメモリ・キーの長さによって高いノイズ・レベルが生じる周波数が異なることがわかった。
【0006】
USBデバイスは、マスター/スレーブ方式で双方向に通信することができる。マスターとして動作するシステムが、伝送時の電圧を下げて通信したときに観測したノイズ・レベルは低下しない。さらに、USBメモリ・キーの偏波を観測するとダイポール・アンテナと同じように、直線偏波であることがわかった。また、USBメモリ・キーが放射する電磁波の波長の1/4の長さがUSBメモリ・キーの回路基板の長さに近いこともわかった。このような所見から、電磁波干渉の原因は、USBメモリ・キーがスレーブとして動作してデータを伝送するときに1/4波長のモノポール・アンテナと同様の特性で共振していると考えることができる。
【0007】
この場合アンテナのノイズ・レベルは、USBメモリ・キーの構造に依存することになり、携帯式電子機器の動作モードを変更してUSBメモリ・キーの放射エネルギーを直接下げるための対策を施すことはできない。また、USBメモリ・キーの周囲に金属体を配置して電磁シールドを施すことも現実的には困難である。筐体にケーブルで接続するUSBデバイスについても、シールドが不十分なケーブルは電磁波を放射する。アンテナをUSBメモリ・キーから十分に離隔した位置に配置すれば、電磁波干渉の影響を問題が生じない程度まで下げることはできる。
【0008】
しかし、電子機器の筐体に多数のアンテナを実装する場合にすべてをノイズ源から十分離れた位置に配置することは現実的に困難である。また、ノイズ対策のためにアンテナの位置を選択することは、他のデバイスの配置の自由度を奪うことになり好ましくない。さらに、筐体のサイズが所定値以下になると、USBメモリ・キーとアンテナをどのような配置関係にしてもノイズ・レベルを許容値以下にすることはできない。このような問題はUSBデバイスに限るものではなくHDMI(登録商標)のような他のインターフェースの外部周辺デバイスにもあてはまる。
【0009】
外部周辺デバイスから放射される電磁波の電力は、コネクタやケーブルのシールド性能、USBデバイスの形状および構造、伝送時の信号電圧、ケーブルのインピーダンス、および伝達方式に依存する。そしてUSB3.0規格の外部周辺デバイスが放射する電磁波の周波数帯は数MHzから3GHz程度の広い帯域までおよび、HDMI(登録商標)規格の外部周辺デバイスでは解像度に応じた特定の範囲となる。これらのノイズ源の周波数は、いずれかの無線通信方式の周波数帯と重なるためいずれにも適用できる対策が必要となる。本発明はこのような課題を解決するあらたなアンテナ・システムを提供する。
【0010】
そこで本発明の目的は、外部周辺デバイスのアンテナに対する電磁波干渉を抑制した電子機器のアンテナ・システムを提供することにある。さらに本発明の目的は、携帯式電子機器の内部の配置に影響を与えないようにしながら、外部周辺デバイスとアンテナのアイソレーションを強化したアンテナ・システムを提供することにある。さらに本発明の目的は、そのようなアンテナ・システムを搭載した携帯式電子機器を提供することにある。さらに本発明の目的は、電子機器が搭載するアンテナと外部周辺デバイスのアイソレーションを強化する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、電子機器の筐体に収納するアンテナ・システムのアイソレーションの強化に関する。アンテナは所定の通信方式の電波を受信する。アンテナは送信と受信を兼用するタイプであってもよい。電子機器は、筐体に外部周辺デバイスを接続するためのレセプタクルを有する。ノイズ緩和器は、レセプタクルに接続された外部周辺デバイスが放射する電磁波の放射パターンを修正してアンテナが受信するノイズ・レベルを低減する。
【0012】
アンテナは無線LAN、無線WAN、GPSなどの通信規格の周波数帯で利用することができる。外部周辺デバイスは、電子機器の筐体に設けたレセプタクルに直接またはケーブルで接続され、電子機器の筐体の外側で動作するデバイスに相当する。外部周辺デバイスに対するインターフェース規格は特に限定する必要はないが、現在のアンテナの通信方式と外部周辺デバイスとの関係では、広い帯域の電磁波を放射するUSB規格に適用することが効果的である。外部周辺デバイスは、レセプタクルに直接またはアダプタを介在して接続するプラグを備えたスティック状のデバイスとすることができる。
【0013】
スティック状の外部周辺デバイスは動作時に筐体から外側の空間に棒状に突き出るため電磁波を放射しやすい。外部周辺デバイスはレセプタクルにケーブルで接続されるものであってもよい。ノイズ緩和器は、アンテナとレセプタクルの間でアンテナよりレセプタクルに近い位置に配置することができる。アンテナよりもレセプタクルに近づけて配置することで、アンテナの指向特性に与える影響を小さくすることができる。
【0014】
ノイズ緩和器は、グランドと、グランドに接続されるアンテナの共振周波数に対する波長の1/4またはそれ以上の長さの共振素子で構成することができる。共振素子の近傍を誘電体で覆うか、エレメントと一体化して形成すれば、波長短縮効果によって共振素子長を短くすることができる。 グランドは、電子機器のシステムが使用する共通のグランド・プレーンでもよいし、ノイズ緩和器の専用のグランド素子でもよい。共振素子を、外部周辺デバイスが放射する電磁波の偏波方向に一致するように配置すると、外部周辺デバイスが放射する電磁波の指向特性を効果的に修正することができる。
【0015】
共振素子は、逆L型のパターン、棒状のパターン、空芯コイル、またはミアンダ・パターン型のパターンのいずれかまたは複数を含むようにすることができる。ノイズ緩和器はまた、長さの異なる複数の共振素子を含むようにしてアイソレーションの帯域を広げることができる。筐体の周囲が矩形状のときに、アンテナとレセプタクルを隣接した異なる片に配置することができる。その結果、ノイズ緩和器がアンテナの指向特性に与える影響を小さくすることができる。電子機器は、タブレット端末とすることができる。筐体は全体を金属で形成し、ノイズ緩和器の近辺を非導電性材料で形成することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、外部周辺デバイスのアンテナに対する電磁波干渉を抑制した電子機器のアンテナ・システムを提供することができた。さらに本発明により、携帯式電子機器の内部の配置に影響を与えないようにしながら、外部周辺デバイスとアンテナのアイソレーションを強化したアンテナ・システムを提供することができた。さらに本発明により、そのようなアンテナ・システムを搭載した携帯式電子機器を提供することができた。さらに本発明により、電子機器が搭載するアンテナと外部周辺デバイスのアイソレーションを強化する方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】タブレット端末10に搭載するアンテナ・システムの概要を説明するための斜視図である。
【
図2】タブレット端末10からタッチスクリーン15を取り外した状態を示す概略的な平面図である。
【
図3】
図2のタブレット端末10にノイズ緩和器100を実装したときの様子を示す概略的な平面図である。
【
図4】逆L型のノイズ緩和器100aの構造を説明するための平面図である。
【
図5】棒状型のノイズ緩和器100b、100cの構造を説明するための平面図である。
【
図6】ミアンダ・パターン型のノイズ緩和器100d、100eの構造を説明するための平面図である。
【
図7】空芯コイル型のノイズ緩和器100fの構造を説明するための平面図である。
【
図8】アイソレーション効果を得ることができるノイズ緩和器100の位置を説明するための平面図である。
【
図9】アイソレーション効果を得ることができるノイズ緩和器100の位置を説明するための平面図である。
【
図10】USBメモリ・キー50からノイズ緩和器までの距離に対するアイソレーション値の測定結果を説明する図である。
【
図11】USBメモリ・キー50からノイズ緩和器までの距離に対するアイソレーション値の測定結果を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、電子機器の一例としてのタブレット端末10に搭載するアンテナ・システムの概要を説明するための斜視図である。筐体11は、一例において全体が導電性材料である金属で箱状に形成され、表面にタッチスクリーン15を実装する。本発明を適用する筐体11は、全体を非導電性の合成樹脂で形成していてもよい。4つの側面で囲まれた筐体11の平面的な外周は矩形状に形成されており、図では手前側で短辺の側面11aと長辺の側面11bが隣接している。側面11aに形成されたUSBレセプタクル51には、USB3.0規格に適合するUSBメモリ・キー50が側面11aに対して垂直に空間に延びるように装着されている。
【0019】
USBメモリ・キー50は、USBプラグとフラッシュメモリおよび半導体チップを搭載する基板で構成されている。一例として基板の長さは30ミリメートル〜46ミリメートルで、それにUSBプラグの長さが加わって全体の長さを形成する。USBメモリ・キー50はEMI規格での規制の対象になっていないこともあって、調査した範囲では、いずれもプラスチック・ケースの中に収納した基板に電磁波シールドを施していない。
【0020】
タブレット端末10は、筐体11の周辺部に無線WANの主アンテナ、無線WANの副アンテナ、無線LANの主アンテナ、無線LANの副アンテナ、およびGPSアンテナといった複数のアンテナを配置することがある。本発明は
図9を参照して説明するようにこれらの通信方式の複数のアンテナを配置した電子機器にも適用できるが、
図1には本実施の形態の説明のためにこれらのいずれかに相当するアンテナ21だけを示している。本発明が解決するアイソレーションの問題は、アンテナ21が電波を受信するときにだけ発生するため、アンテナ21は少なくとも受信に使用するものとする。
【0021】
筐体11は全体を電磁波が透過しない金属で形成しているため、アンテナ21を配置する位置に対応する側面11bの領域13bには、電磁波が透過しやすい非導電性の合成樹脂を部分的に嵌め込んでいる。USBメモリ・キー50とアンテナ21の間にはノイズ緩和器100を設けている。ノイズ緩和器100を配置する位置に対応する側面11aの領域13aにも、電磁波を透過しやすい非導電性の合成樹脂を部分的に嵌め込んでいる。
【0022】
図2は、タブレット端末10からタッチスクリーン51を取り外した状態を示す概略的な平面図である。
図2は、
図1に示したノイズ緩和器100を設けていない状態を示している。筐体11は内部に、CPU、チップセット、ファームウェアROMなどを組み込んだ半導体チップ(SOC)、システム・メモリ、アンテナ21に接続された無線モジュール、および電池ユニットなどを実装したマザーボード31を収納している。マザーボード31の下面には、システムの信号回路および電力回路が利用するグランド・プレーン33を配置している。マザー・ボート31に実装されたUSBレセプタクル51は、信号ラインがチップセットのUSBコントローラに接続され、グランド・ラインがグランド・プレーン33に接続される。
【0023】
放射パターン53は、USBメモリ・キー50が放射する電磁波の電界強度を示している。放射パターン23は、アンテナ21が放射する電磁波の電界強度を示している。USBメモリ・キー50は、所定の周波数で共振して電磁波を放射する。このときのUSBメモリ・キー50は、直線状の1/4波長の仮想的なモノポール・アンテナとみなすことができる。アンテナ21のタイプを一例として1/4波長の逆F型モノポール・アンテナとすれば、USBメモリ・キー50とアンテナ21はともに直線偏波となりかつ指向特性も類似する。したがって、アンテナ21とUSBメモリ・キー50が接近して配置されていると両者の放射パターンに重複する領域が発生するためアイソレーション値(S12)が小さくなる。
【0024】
ここにアイソレーション値は、USBメモリ・キー50が送信する電磁波の電力とアンテナ21が受信する電磁波の電力の比を示す指標で、アイソレーション値とアンテナ21のノイズ・レベルはほぼ反比例する。アイソレーション値はUSBメモリ・キー50と同形状の矩形エレメントを持つモノポール・アンテナをUSBメモリ・キー50の代わりに取りつけて、それとアンテナ21をネットワーク・アナライザに接続して測定することができる。USBメモリ・キー50とシステムがUSB通信を開始すると、USBメモリ・キー50とアンテナ21のアイソレーション値が小さいため、受信状態のアンテナ21にUSBメモリ・キー50が放射した電磁波が作用して電磁波干渉をもたらす。
【0025】
調査の結果によれば、タブレット端末10の筐体のサイズが300×200以下になると、筐体11の範囲ではUSBレセプタクル51とアンテナ21の配置をどのように選択しても無線WANの低周波数帯域およびGPS帯域で電磁波干渉の影響をなくすことができなくなることがわかっている。しかも筐体11が複数のアンテナを実装する場合は、配置だけで解決することは益々難しくなる。
【0026】
図3は、
図2のタブレット端末10にノイズ緩和器100を実装したときの様子を示す概略的な平面図である。ノイズ緩和器100は、
図4〜
図7に示すようにグランドと、グランドに接続された1/4波長以上の長さの共振素子で構成している。なお、本明細書においては、単に1/4波長という場合は、アンテナ21の共振周波数に対する波長を基準にした長さを意味することとする。ノイズ緩和器100の共振素子は
図4〜
図7を参照して説明するように、一端が開放端で他端がグランド・プレーン33または専用のグランド素子に接続する。
【0027】
ここで、アンテナ21に対する電磁波干渉を抑制するノイズ緩和器100のパラメータを求めたときの経緯を説明する。最初にUSBメモリ・キー50とアンテナ21を同一平面上に配置して、両者の距離をタブレット端末10において現実的に生じる所定の長さに設定する。ノイズ緩和器100として共振素子の長さが1/4波長のダイポール・アンテナと1/4波長より短い棒状のダイポール・アンテナのそれぞれを両者の間に設定した複数の位置に順番に配置する。ノイズ緩和器100はUSBメモリ・キー50の仮想的なアンテナと平行にまたは同一平面状に配置する。USBメモリ・キー50とアンテナ21にネットワーク・アナライザを接続してアイソレーション値(S21)を測定する。
【0028】
ノイズ緩和器100をUSBメモリ・キー50に近い位置からアンテナ21に近づけながら設定した複数の位置でアイソレーション値を測定すると、1/4波長より短い共振素子ではいずれの位置でもアイソレーション値を増加させる効果(ノイズ・レベルの低減効果)がないことが確認できた。つぎに、共振素子の長さが1/4波長のノイズ緩和器100を、USBメモリ・キー50に近い位置からアンテナ21に近づけながら設定した複数の位置でアイソレーション値を測定すると、アイソレーション値がUSBメモリ・キー50から1/4波長、3/4波長、5/4波長といった距離だけ離れた離散的な位置で増加することが確認できた。
【0029】
さらに、共振素子の長さを1/4波長より長くして同様にアイソレーション値を測定すると、1/4波長の共振素子とは異なる位置で、同様にアイソレーション値が増加する位置と低下する位置が交互に現れることを確認した。また、共振素子をUSBメモリ・キー50の仮想的なアンテナに対して偏波面が異なるように垂直に配置した場合は、アイソレーション効果が小さいことも確認した。
【0030】
これらの実験から、ノイズ緩和器100がUSBメモリ・キー50とアンテナ21のアイソレーションを効果的に行う上で重要なパラメータが、共振素子の長さ、およびUSBメモリ・キー50からの距離であることがわかった。さらに、USBメモリ・キー50とノイズ緩和器100の偏波面も重要なパラメータであることがわかった。このことより、アイソレーション効果の原理は、以下のようにノイズ緩和器100が放射器の後方の利得を低下させる八木・宇田アンテナの反射器のように作用していると考えることができる。
【0031】
USBメモリ・キー50が動作をすると、グランド・プレーン33および筐体11をグランド素子とし基板および端子部を含めた構造体を共振素子とする仮想的なダイポール・アンテナのように機能して1/4波長の周波数を含むさまざまな周波数の電磁波を放射する。放射された電磁波は、領域13aを通過して電界がノイズ緩和器100の共振素子に作用し高周波電流を流す。ノイズ緩和器100は、USBメモリ・キー50の仮想的なアンテナと偏波方向が一致しているためUSBメモリ・キー50に対するアイソレーションは小さく、共振素子には長さに適応した周波数の高周波電流が効率よく流れる。あらかじめ共振素子の長さを1/4波長の周波数に共振するように設定しておけば、アンテナ21の共振周波数の高周波電流が流れる。
【0032】
ノイズ緩和器100は、USBメモリ・キー50から一定の距離だけ離れているため共振素子には、USBメモリ・キー50が放射する放射位置での電磁波の電界よりも位相が遅れた電界が作用する。さらに、ノイズ緩和器100は共振素子の長さが1/4波長よりも長いために誘導性になっており、共振素子には作用した電界よりも位相が遅れた高周波電流が流れる。高周波電流は、ノイズ緩和器100からUSBメモリ・キーが放射する電磁波の電界よりも位相が遅れた電界の電磁波を放射する。このときノイズ緩和器100は、無給電のモノポール・アンテナに類似する特性を有するため放射パターン103の電磁波を放射する。
【0033】
その結果、ノイズ緩和器100が放射する電磁波の電界は、USBメモリ・キー50が放射する電磁波の電界に対して逆位相の成分を多く含む。したがって、USBメモリ・キー50のアンテナ21側の指向特性が放射パターン53(
図2)から放射パターン53aのように変化してアンテナ21側の放射エネルギーが減衰するためアンテナ21に対する電磁波干渉が抑制される。ノイズ緩和器100の放射パターンは、USBメモリ・キー50およびアンテナ21との相対的な位置関係において、USBメモリ・キー50がアンテナ21に向かう放射パターンと重なる必要がある。タブレット端末10では、そのようなノイズ緩和器100の放射パターンを1/4波長のダイポール・アンテナの特性を備えた共振素子で得ることができる。
【0034】
ノイズ緩和器100の主要なパラメータの1つである偏波面の一致は、棒状のダイポール・アンテナとみなしたUSBメモリ・キー50とノイズ緩和器100の共振素子を同一平面に配置することで実現することができる。残りのパラメータであるUSBメモリ・キー50からの距離と共振素子の長さを決める第1の方法では、先に1/4波長以上の所定の長さを設定した共振素子をさまざまな位置に配置して、各位置でアイソレーション値を測定し、アイソレーション値の大きな位置で、かつ、アンテナ21の指向特性に影響を与えない位置を選択することができる。
【0035】
ノイズ緩和器100がアンテナ21に近付きすぎると、アンテナ21の指向特性に影響がでてくるので、ノイズ緩和器100はアンテナ21よりもUSBメモリ・キー50に近い方の位置に設定することが望ましい。USBメモリ・キー50からの距離と共振素子の長さを決める第2の方法では、先に設定した位置において、共振素子の長さを変化させながらアイソレーション値を測定して最適な長さを決めることができる。さらに、
図4〜
図7に例示するさまざまなタイプのノイズ緩和器100a〜100eについてアイソレーション値を測定して最適なタイプ、位置、姿勢および共振素子の長さを選択することができる。
【0036】
図3のように矩形状の筐体の隣接する一方の端面11aにUSBレセプタクル51を配置し、端面11aの内側の近くにノイズ緩和器100を配置し、他方の端面11bの内側の近くにアンテナ21を配置すれば、アンテナ21の指向特性に影響を与えないようにしながら適切なノイズ緩和器100の位置を容易に決めることができる。ただし、本発明は
図8に示すように同一の辺にUSBメモリ・キー50、ノイズ緩和器100およびアンテナ21を配置することも可能である。ノイズ緩和器100は、機能的には筐体11の表面に設けることも可能だが、デザイン上および取り扱い上などの理由から筐体11の内部に設けることが望ましい。
【0037】
つぎに、筐体11の内部に設けるのに適したノイズ緩和器100のいくつかの構造について説明する。ノイズ緩和器100は、共振素子を逆L型(またはL型)、棒状型、またはミアンダ・パターン型とすることができる。これらは、タブレット端末10に収納し易いようにいずれも平板状に形成することができる。また、ノイズ緩和器100は、空芯コイルで製作することもできる。共振素子の長さは、グランドから開放端までの長さとする。共振素子の長さはいずれも1/4波長またはそれ以上とする。ノイズ緩和器100が放射する電磁波の偏波方向とUSBメモリ・キー50が放射する電磁波の偏波方向は一致するように配置する。
【0038】
図4は、逆L型のノイズ緩和器100aの構造を説明するための平面図である。アンテナ21はタブレット端末10の実装に適するように平板状の逆F型、逆L型、またはT型のような1/4波長モノポール・アンテナとすることができる。アンテナ21の用途を2.4GHz帯の無線LANとしたときには共振周波数の波長が120ミリメートルで1/4波長が30ミリメートルとなる。
【0039】
共振素子の長さの最低値は1/4波長とし、最大値は筐体11に収納できる範囲で選択する。2.4GHz帯のアンテナ21に適した共振素子の長さは一例として30ミリメートルから60ミリメートルの範囲で選択することができる。
図4では、ノイズ緩和器100aとアンテナ21がいずれもグランド・プレーン33に接続されているが、いずれに対してもグランド・プレーン33から独立した専用のグランド素子を設けても良い。ノイズ緩和器100aおよびアンテナ21は、リジッド基板やフレキシブル基板にフォトリソグラフィで直接パターンを形成したり、基板に銅箔を貼り付けたり、切り抜いた金属板を基板に貼り付けたりして形成することができる。あるいは、ノイズ緩和器100aは、グランド・プレーン33を切り欠いて形成することもできる。
【0040】
図5(A)、(B)は、スリット型のノイズ緩和器100b、100cの構造を説明するための平面図である。この例ではノイズ緩和器100bを、グランド・プレーン33の端部をL字型に切り欠いて形成している。ノイズ緩和器100b、100cは、グランド・プレーン33を加工してL字型のスリットを形成することができるため筐体11に収納し易くなっている。
【0041】
図5(B)に示すノイズ緩和器100cは長さの異なるL字型の共振素子を2個設けることで、アイソレーションの帯域を増大させることができる。なお、共振素子の数は3個以上でもよい。
図6(A)、(B)は、ミアンダ・パターン型のノイズ緩和器100d、100eの構造を説明するための平面図である。この例では、共振素子となるミアンダ・パターン111、115を専用のグランド素子113、117に接続し、グランド・パターン33に投影が重ならないように配置している。
【0042】
図7は、空芯コイル型のノイズ緩和器100fの構造を説明するための平面図である。ノイズ緩和器100fは、一例として直径が6ミリメートルの空芯のポリエチレン・チューブの表面に、幅3ミリメートル、長さ63ミリメートルの銅箔のテープを巻いて形成している。テープの一端はグランド・プレーン33に接続している。磁界が通過するコイルの開口は、USBメモリ・キー50が放射する電磁波の水平偏波の方向を向くようして、偏波面が一致するように配置している。ノイズ緩和器100は、筐体11の非導電性の領域に直接銅箔のテープを貼り付けて形成することもできる。
【0043】
実験では、さらに、アンテナ21、USBメモリ・キー50およびノイズ緩和器100の相対的な位置関係を複数設定してアイソレーション効果を調べた。
図8、
図9は、アイソレーション効果を得ることができるノイズ緩和器100の位置を説明するための平面図である。ここでは長辺側の端面11b、11dと短辺側の端面11a、11cの4辺で囲まれた200×300ミリメートルの筐体に対応するモデルで実験した結果を説明する。
【0044】
図8(A)は、端面11bにUSBレセプタクル51を配置し、端面11bに近い内側の位置にアンテナ21を配置したときのノイズ緩和器100の位置を説明するための平面図である。ここでは、ノイズ緩和器100を配置する領域として、USBレセプタクル51とアンテナ21の間の端面11bに沿った領域205、アンテナ21から端面11bと端面11cの境界までの端面11bに沿った領域203、領域205、203を除いた他の端面11c、11d、11aに沿った領域201を設定する。
【0045】
この場合、USBメモリ・キー50が動作するといずれの領域にノイズ緩和器100を配置してもアンテナ21の指向特性が変化する。領域205はノイズ緩和器100によるアイソレーション効果があるが、領域201はアイソレーション効果がない。領域203は、ノイズ緩和器100を設けるとアイソレーション値が逆に低下する場合もある。したがって、ノイズ緩和器100はアンテナ21の指向特性の変化が許容できる範囲で領域205に配置することができる。
【0046】
図8(B)は、端面11aにUSBレセプタクル51を配置し、隣接する端面11bに近い内側の位置にアンテナ21を配置したときのノイズ緩和器100の位置を説明するための平面図である。ここでは、ノイズ緩和器100を配置する領域として、USBレセプタクル51からアンテナ21までの端面11aおよび端面11bに沿った領域215、アンテナ21から端面11bと端面11cの境界までの端面11bに沿った領域213、端面11cと端面11dに沿った領域211、および、USBレセプタクル51から端面11aと端面11dの境界までの端面11aに沿った領域217を設定する。
【0047】
この場合、領域215の端面11aに沿った領域はアンテナ21の指向特性に影響を与えないが、端面11bに沿った領域では影響を与える場合がある。領域215はノイズ緩和器100によるアイソレーション効果があるが領域211は効果がない。領域213は、ノイズ緩和器100を設けることでアイソレーション値が低下する場合もある。領域217は、ノイズ緩和器100の共振素子の長さ、位置、姿勢、またはタイプなどを調整することで、アイソレーション効果を得られる場合がある。
【0048】
図9(A)は、端面11bに近い位置にアンテナ21を配置し、対向する端面11dにUSBレセプタクル51を配置したときのノイズ緩和器100の位置を説明するための平面図である。ここでは、ノイズ緩和器100を配置する領域として、USBレセプタクル51から端面11aと端面11bの境界までの端面11d、11aに沿った領域227、アンテナ21の両側の端面11bに沿った領域225、端面11cと端面11dの一部に沿った領域223および領域223からUSBレセプタクル51までの端面11dに沿った領域221を設定する。
【0049】
領域225は、アイソレーション効果がなく、かつ、USBメモリ・キー50によるアンテナ21の指向特性への影響がある。領域223は、アンテナ21の指向特性への影響はないが、アイソレーション効果もない。領域221、227は、ノイズ緩和器100の共振素子の長さ、位置、姿勢、またはタイプなどを調整することでアイソレーション効果を得られる場合がある。
【0050】
図9(B)は、端面11b、端面11c、端面11dの近辺にそれぞれアンテナ21a、21b、21cを配置し、端面11aにUSBレセプタクル51を配置したときのノイズ緩和器100の位置を説明するための平面図である。ここでは、2つのノイズ緩和器100をUSBレセプタクル51の両側の端面11aに近い位置にそれぞれ配置するとアンテナ21a、21cの周波数帯域が異なる場合には、すべてのアンテナ21a、21b、21cに対してアイソレーション効果があることを確認している。
【0051】
図10、
図11は、ノイズ緩和器によるアイソレーション効果を確認するために行った実験結果の一部を示す。
図10は、USBメモリ・キー50を代用する代用アンテナ300とノイズ緩和器301〜305の距離に対するアイソレーション値を測定した結果を示す。代用アンテナ300はUSBメモリ・キー50と同形状の矩形エレメントを持つモノポール・アンテナを採用した。
【0052】
代用アンテナ300は、絶縁体で保持した素子長がUSBメモリ・キー50の長さに対応する矩形エレメント301aの端部に同軸ケーブル300aの芯線を接続し、同軸ケーブル300aのシールドを単独のグランド素子300cに接続した構造になっている。同軸ケーブル300bは測定用のネットワーク・アナライザに接続している。ノイズ緩和器301〜305は、それぞれ単独のグランド素子に接続している。ノイズ緩和器301〜305、アンテナ21(図示せず)および代用アンテナ300は
図3のように配置した。モノポール・タイプのノイズ緩和器301は、素子長を33mmとし、幅を2mmとしている。右オープン逆L型のノイズ緩和器303および左オープン逆L型のノイズ緩和器305は、それぞれ素子長を7+20=27mmとし幅を1.5mmとしている。
【0053】
アンテナ21の共振周波数は2.45GHz(波長122mm)としている。このとき共振周波数の1/4波長は30mmとなる。実験は最初に、ノイズ緩和器301〜305のいずれか1つを選択した。つぎに選択したノイズ緩和器301〜305について、代用アンテナ300の中心軸300aからそれぞれの位置を示すライン301a〜305aまでの距離を所定の間隔で変更しながら、代用アンテナ300とアンテナ21のアイソレーション値を測定した。なお、測定時は選択したノイズ緩和器301〜305のグランド素子と代用アンテナ300のグランド素子は、グランド・プレーン33(
図3)に接続した。
【0054】
実験結果から得たライン301b〜305bは、単独でノイズ緩和器301〜305のいずれかを配置したときのアイソレーション値を示している。ライン301b〜305bは、アイソレーション値が1/4波長(30mm)、3/4波長(90mm)の位置で高くなっていることを示している。代用アンテナ300の左側にノイズ緩和器301〜305を配置した場合は、いずれの位置でも実用的なアイソレーション値を得ることができなかった。代用アンテナ300の長さを変えて実験したときもほぼ同様の結果を得ている。
【0055】
図11は、代用アンテナ300とノイズ緩和器307の距離に対するアイソレーション値を測定した結果を示す。ノイズ緩和器307は、素子長を8+20=30mmとし幅を1.5mmとしたスリット状のL字型の共振素子を備えている。アンテナ21の共振周波数および配置は
図10の実験と同じ条件にしている。実験結果から得たライン307bは、アイソレーション値が1/2波長、1波長、および3/2波長で高くなっていることを示している。
【0056】
本発明は、アンテナを搭載し外部周辺デバイスが接続される電子機器全般に適用することができる。また、タブレット端末、スマートフォンまたはノートPCなどの小型の携帯式電子機器に適用すると大きな効果を得ることができる。また、ノイズ緩和器100は、USBレセプタクル51にケーブルで接続されるUSB周辺デバイスに対しても効果がある。そのようなUSB周辺デバイスはケーブル、本体およびプラグなどから電磁波が漏洩する。また、外部周辺デバイスのインターフェースはUSBに限定する必要はなく、HDMI(登録商標)などの他のインターフェースに適用することもできる。
【0057】
図4〜
図9には、実験で効果を確認したノイズ緩和器の一例を示したが、共振素子の製作方法、パターンのタイプ、グランド素子の構成および配置方法などはこれらに限定するものではない。本発明の趣旨に沿って当業者が容易に想起することができる特許請求の範囲に記載したアンテナ・システムおよびアイソレーションの強化方法はすべて本発明の範囲に含まれる。これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
【符号の説明】
【0058】
10 タブレット端末
11 筐体
11a〜11d 筐体の側面
15 タッチスクリーン
13a、13b 非導電性材料の領域
21、21a〜21c アンテナ
23 アンテナが放射する電磁波の放射パターン
31 マザーボード
33 グランド・プレーン
50 USBメモリ・キー
51 USBレセプタクル
53 USBメモリ・キーが放射する電磁波の放射パターン
53a ノイズ緩和器の影響で変化したUSBメモリ・キーの放射パターン
100、100a〜100f ノイズ緩和器
103 ノイズ緩和器が放射する電磁波の放射パターン