【実施例1】
【0013】
<1>全体構成。
図1に、本発明に係るウレタン吹付システ
ムの構成を示す概略図を示す。
本発明に係るウレタン吹付システムAは、発泡ウレタンの原料を収容するタンク10と、前記タンク10から原料の供給を受けて発泡ウレタンを生成する、ウレタン供給装置20と、前記ウレタン供給装置20から吐き出した各原料を混合する、ヘッドガン30と、前記ウレタン供給装置20およびヘッドガン30にエアーを供給する、コンプレッサー40と、を少なくとも備えて構成する。
以下、各部材の詳細について説明する。
【0014】
<2>タンク。
タンク10は、原料を収容しておくための部材である。
タンク10の例としては、ドラム缶(200リットル)、鋼製タイトヘッドドラム(100リットル、60リットル、20リットル)、鋼製ペール缶(20リットル)、鋼製一灯缶などがある。
本実施例におけるタンク10は、60リットル程度の収容容積を想定している。
現場発泡ウレタンを生成するための原料は、大別してポリオールなどの主剤とイソシアネートなどの硬化剤に分かれており、各原料は、それぞれ独立したタンク10に収容しておく。
【0015】
<3>ウレタン供給装置。
ウレタン供給装置20は、前記タンク10から原料の供給を受けて発泡ウレタンを生成するための装置である。
本実施例に係るウレタン供給装置20は、まず、ドラムポンプ式のポンプ21と、吸引ホース22と、を少なくとも備える。
その他、本実施例に係るウレタン供給装置20は、
前記原料を加熱するヒーター23、前記原料の配合割合を制御するリアクター24、および前記
リアクター24と接続する吐出ホース25を更に含んで構成することができる。
ウレタン供給装置20を構成するこれらの各部材の全部或いは一部を、車輪26を設けた可搬式のフレーム27に搭載することで、ウレタン供給装置20を運搬自在に構成している。
以下、ウレタン供給装置20を構成する各部材の詳細について説明する。
【0016】
<3.1>ポンプ。
ポンプ21は、前記タンク10から原料を汲み上げるための部材である。
本発明に係るポンプ21は、ドラムポンプ式のポンプを採用する。
前記ポンプ21には、前記した非特許製品1の使用の際に、ドラム缶に直接差し込んで原料を汲み上げるドラムポンプを採用することができる。
前記ポンプ21は、前記コンプレッサー40からのエアーで動作可能に構成することができる。
【0017】
<3.2>吸引ホース。
吸引ホース22は、前記ポンプ21と前記タンク10とを繋ぐ部材である。
すなわち、前記吸引ホース22は、その一端を前記ポンプ21に接続し、他端を原料が収容されたタンク10へと接続可能に構成した部材である。
本実施例に係る吸引ホース22は、公知のホースを用いることができるため、詳細な説明を省略する。
なお、吸引ホース22は長尺状のホースを用いても良いし、加温機構を具備した構成としても良い。
【0018】
<3.
3>ヒーター。
ヒーター23は、原料を加熱して温度管理するための部材である。
本実施例に係るヒーター23は公知の部材を用いることができ、詳細な説明は省略する。
本実施例では、ヒーター23は、タンク10から前記ポンプ21で汲み上げた原料を加熱する態様としている。
その他、本発明に係るヒーター23は、前記タンク10から前記ポンプ21で汲み上げた原料を加熱する態様や、前記タンク10の外周にまきつけて、該タンク10内にある原料を加熱する態様など、種々の方法を採用することができる。
また、ヒーター23は、単相100Vで動作可能な公知の部材を用いるものとする。
【0019】
<3.4>リアクター。
リアクター24は、前記各原料の配合割合を制御するための部材である。
本実施例に係るリアクター24は、単相100Vで動作可能な公知の部材を用いるものとする。
【0020】
<3.5>吐出ホース。
吐出ホース25は、前記
リアクター24からの各原料を前記ヘッドガン30へ供給するための部材である。
吐出ホース25は、単相100Vで動作可能な公知の部材を用いることが好ましい。
なお、吐出ホース25は、ホースの内部を通る原料を加熱可能な構成とすることができる。この加熱機構は、ホースの外周にバンドヒータを巻き付ける態様など、種々の公知機構を採用することができる。
吐出ホース25に加熱機構を設けておくことで、前記ヘッドガン30で吹き付ける直前まで、各原料の温度を制御することができる。よって、吐出ホース25が長尺となっても、施工品質が低下することはない。
【0021】
<4>ヘッドガン。
ヘッドガン30は、各原料を混合する部材であり、公知の部材を用いれば良い。
【0022】
<5>コンプレッサー。
コンプレッサー40は、ポンプ21およびヘッドガン20にエアーを供給するための部材である。
コンプレッサー40は、ガソリンエンジンなどのエンジン駆動タイプのものを使用することが好ましい。
【0023】
<6>その他の部材。
本発明に係るウレタン吹付システムAは、前
記ウレタン供給装置20に電力を供給するための発電機50を設けてもよい。
この発電機は、施工現場で電源が確保出来ない場合や、確保電力が不足する場合の補助電源として使用することができる。
発電機50は、単相100Vの電力を供給可能な公知の部材を用いるものとする。
【0024】
その他、本発明に係るウレタン吹付システムAは、前記ヒーター23や、各ホース22,25の加熱温度を制御する機能を備えた制御部を別途具備しても良い。
【0025】
また、本発明に係
るウレタン吹付システムAは、該構成要素毎に独立した部材で構成した態様に限られない。
たとえば、
ヒーター23と
リアクター24とを一体化した態様などが考えられる。
【0026】
<7>使用例。
次に、本発明に係るウレタン吹付システムAの使用イメージについて説明する。
【0027】
<7.1>車内搭載時の態様。
本発明に係るウレタン吹付システムAは、ワンボックスカー、ワゴンカー、バン、ライトバン、ミニバンまたは軽自動車などの車両に全て搭載して、断熱工事専用車両とすることができる。
これは、本発明に係るウレタン吹付システムAを構成する部材を小型化したことに起因するものである。
特に、
ウレタン供給装置20を、単相100Vで動作可能とすることで、従来の吹付装置よりも小型化に寄与する結果となった。
一方、単相100Vで動作可能な部材とすることで懸念される原料の温度管理性能の低下を、吐出ホース25に加熱機構を設けることで補うことができた。
【0028】
その他にも、前記断熱工事専用車両には、住宅地での施工を想定し、車両への侵入防止策としての現場の周辺に設置するためのネットや柵を搭載しておいてもよい。
また、ウレタン吹付システムAを構成する各部材を、車内に搭載または取り出し容易とするためのスロープ板を車両内に搭載しておいてもよい。
また、前記コンプレッサー40や発電機50を駆動するためのガソリン缶を車両内に搭載しておいてもよい。
【0029】
<7.2>使用時の態様。
前記断熱工事専用車両が現場に到着したのち、車両からウレタン吹付システムAを取り出し、実際の施工現場までウレタン吹付システムAを運搬する。
このとき、駐車等の関係で、前記断熱工事専用車両からウレタン吹付システムAが離れている場合であっても、ウレタン供給装置20は小型で軽量であるため、施工現場までウレタン供給装置20を容易に運搬できるため、大きな影響は無い。
また、吸引ホース22を長尺にしておけば、タンク10を車両内に置いたまま、施工を行うことも可能となる。