特許第5941535号(P5941535)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5941535ゲーム制御装置、プログラム、ゲームシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5941535
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】ゲーム制御装置、プログラム、ゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20160616BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20160616BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20160616BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20160616BHJP
【FI】
   A63F13/69 500
   A63F13/45
   A63F13/30
   G06Q50/10
【請求項の数】7
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2014-512531(P2014-512531)
(86)(22)【出願日】2013年4月19日
(86)【国際出願番号】JP2013061664
(87)【国際公開番号】WO2013161719
(87)【国際公開日】20131031
【審査請求日】2014年11月18日
(31)【優先権主張番号】特願2012-100431(P2012-100431)
(32)【優先日】2012年4月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 庸輔
(72)【発明者】
【氏名】寺嶋 秋津
【審査官】 植野 孝郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第4593904(US,A)
【文献】 特許第3699415(JP,B2)
【文献】 特開2011−206442(JP,A)
【文献】 特開2003−144759(JP,A)
【文献】 特開2012−040055(JP,A)
【文献】 プロ野球ドリームナイン,ファミ通GREE Vol.1,株式会社エンターブレイン,2011年 9月15日,第43−46頁,「スカウト」に関する記載
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00−13/98
A63F 9/24
G06Q50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの嗜好性に関連する複数の選択肢をそれぞれ含む複数の質問に関する情報を、複数のユーザに提供する情報提供手段と、
各質問について、前記複数の選択肢の中から選択されたいずれかの選択肢に関する情報をユーザごとに取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された情報に基づいて、前記複数の質問の各々についての選択肢の選択結果をユーザごとに記憶装置に記憶させる記憶手段と、
前記複数のユーザのうち第1のユーザにより選択された選択肢に関する情報を取得した場合に、前記第1のユーザと同じ選択肢を選択した他のユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を、前記第1のユーザに付与する付与手段と、
を備えた、ゲーム制御装置。
【請求項2】
前記ゲームは、実行対象となる複数のパートを備え、
前記付与手段は、N(Nは自然数)個目のパートにおける前記第1のユーザの選択結果に基づいて、N+1個目のパートにおける前記第1のユーザの前記ゲームの進行が有利になるように調整することを特徴とする、
請求項1に記載されたゲーム制御装置。
【請求項3】
ユーザ同士を関係付ける関係付け手段を備え、
前記付与手段は、前記複数のユーザのうち、前記第1のユーザと関係付けられたユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を、前記第1のユーザに付与することを特徴とする、
請求項1または2に記載されたゲーム制御装置。
【請求項4】
前記付与手段は、前記複数のユーザのうち、前記第1のユーザにより選択された選択肢に関する情報の取得を基準とした所定期間内に前記第1のユーザと同じ選択肢を選択したユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を、前記第1のユーザに付与することを特徴とする、
請求項1〜3のいずれかに記載されたゲーム制御装置。
【請求項5】
前記取得手段は、少なくとも一のユーザからなるグループが複数存在する場合に、複数の選択肢の中から選択されたいずれかの選択肢に関する情報を複数のグループごとに取得し、
前記付与手段は、複数のグループのうち、前記第1のユーザが属するグループと同じ選択肢を選択したグループの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を、前記第1のユーザに付与することを特徴とする、
請求項1〜4のいずれかに記載されたゲーム制御装置。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1〜5のいずれかに記載されたゲーム制御装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
通信端末と、当該通信端末からアクセスされるサーバとを含むゲームシステムであって、請求項1〜5のいずれかに記載されたゲーム制御装置の各手段を、前記通信端末又は前記サーバのいずれか一方が備えた、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザの各々の操作に応じて、各ユーザによるゲームの進行を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特定のサービス提供者によるソーシャルネットワーキングサービス(SNS)においてウェブブラウザ上で動作するAPI(Application Programming Interface)などの動作環境を基に作成されるゲーム用アプリケーションによって実行される、いわゆるソーシャルゲーム(Social Game)が普及している。ソーシャルゲームは、不特定多数のユーザ間でコミュニケーションをとりながらプレイするオンラインゲームの一種であると言える。ユーザは、インターネットに接続可能であり、かつウェブブラウザが搭載された通信端末を備えていれば、時間と場所を問わずソーシャルゲームを楽しむことができる。
【0003】
上述したソーシャルゲームでは、従来のオンラインゲームよりも、ユーザ間の交流を図るためのコミュニケーション機能が充実している点が特徴の1つとなっている。ソーシャルゲームでは、例えば、互いに関係付けられたユーザ(仲間)間で協力したゲームの実行のほか、仲間との挨拶や連絡など仲間とコミュニケーションを取ることによる情報交換、仲間との間のゲーム上のアイテムのプレゼントあるいはアイテムの交換が行なわれている。このようなソーシャルゲームの一例として、下記の非特許文献1に記載されたデジタルカードゲーム(ドラゴンコレクション(登録商標))が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】アプリSTYLE Vol.5(株式会社イースト・プレス)、7-8頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のソーシャルゲームにおいて、ゲームを実行中のユーザに対して複数の選択肢に関する情報を提供し、当該ユーザの選択結果に応じてゲームを進行させるようにしたものがあった。しかしながら、従来のソーシャルゲームでは、ユーザの選択結果はゲームを進行させるか否かを判別するためのものに過ぎず、ユーザが他のユーザと同じ選択肢を選択したとしても、ユーザ自身のゲームの進行には何等影響が生じなかった。このため、ユーザにとっては、他のユーザと同じ選択肢を選択したことによる満足感が得られ難いものとなっていた。
【0006】
本発明は上述した観点に鑑みてなされたもので、ユーザが、他のユーザと同じ選択肢を選択したことによる満足感を得られるようにしたゲーム制御装置、ゲーム制御方法、プログラム、記録媒体、ゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、ゲーム制御装置である。
当該ゲーム制御装置は、
ゲームを実行する実行手段と、
ユーザによる前記ゲームの実行中に、選択肢となる複数のオブジェクトに関する情報を前記ユーザに提供する情報提供手段と、
前記複数のオブジェクトの中からいずれかのオブジェクトを選択する操作に関する情報をユーザごとに取得する取得手段と、
第1のユーザにより選択されたオブジェクトに関する情報を取得した場合に、前記第1のユーザと同じオブジェクトを選択した第2のユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を、前記第1のユーザに付与する付与手段と、
を備える。
【0008】
ここで、「オブジェクト」とは、選択対象となるものであれば何でもよいが、例えば、キャラクタやアイテムを含む。キャラクタとは、例えばゲーム上の仮想的な人物や生物、若しくはモンスター等であり、それらがカード等に表示されているものをも含む。また、アイテムとは、例えば、ユーザがゲーム上保有することができるものであってもよいし、ユーザがゲーム上で収集する必要があるものであってもよいし、ユーザがゲーム上で有利な効果を得られるものなどであってもよい。
また、「複数のオブジェクトに関する情報」は、例えば、ゲーム制御装置からユーザに対して直接提供されてもよいし、ゲーム制御装置にアクセス可能な外部装置を介してユーザに提供されてもよい。
さらに、「ゲーム上の特典」とは、例えば、ゲーム上のポイント若しくはアイテム、又はゲーム上の有利な効果などであってよい。ここで、ゲーム上の有利な効果とは、例えば、ユーザがゲーム上保有するアイテムのパラメータを上昇させることであってもよいし、アイテムを用いることなくキャラクタの能力を向上させることであってもよいし、ユーザが特殊なアイテムを入手できることであってもよい。また、ゲーム上の有利な効果とは、ゲームの進行を進め易くするように設定を調整することであってもよく、例えば、ユーザの操作などに応じて消費するゲーム上のポイントの消費量を通常よりも低減させることであってもよいし、当該ポイントを入手できることであってもよいし、ユーザの操作などに応じたゲームの進行率を通常よりも上昇させることであってもよい。さらに、ゲーム上の有利な効果とは、間接的にゲームを有利に進められるようにゲーム上の設定を調整することであってもよく、例えば、ユーザが特殊なアイテムを取得可能なイベントを発生させることでもよいし、アイテムのパラメータが大幅に上昇する確率を上昇させることであってもよい。
【0009】
このゲーム制御装置では、第1のユーザが複数のオブジェクトの中からいずれかを選択すると、第1のユーザと同じオブジェクトを選択した第2のユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典が、第1のユーザに付与される。例えば、第1のユーザのゲームの進行には、ゲーム上の特典に基づく良好な影響が生じることになる。このため、第1のユーザは、第2のユーザと同じオブジェクトを選択したことによる満足感を得ることができる。また、例えば、第1のユーザのゲームの進行が、第1のユーザと同じオブジェクトを選択した第2のユーザによって影響を受けるという、新たな興趣性を有するゲームを実現することができる。
【0010】
上記ゲーム制御装置において、ユーザ同士を関係付ける関係付け手段を備え、前記付与手段は、前記第2のユーザのうち、前記第1のユーザと関係付けられたユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を、前記第1のユーザに付与してもよい。
例えば、第2のユーザのうち第1のユーザと関係付けられたユーザ(仲間のユーザ)の数あるいは割合が多いほど、第1のユーザに付与される特典が多くなるように構成されている場合、第1のユーザのゲームの進行は、第1のユーザの仲間のユーザによって影響を受けるという、新たな興趣性を有するゲームを実現することができる。
【0011】
上記ゲーム制御装置において、前記付与手段は、前記第2のユーザのうち、前記第1のユーザにより選択されたオブジェクトに関する情報の取得を基準とした所定期間内に前記第1のユーザと同じオブジェクトを選択したユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を、前記第1のユーザに付与してもよい。
ここで、「第1のユーザにより選択されたオブジェクトに関する情報の取得を基準とした所定期間内」とは、例えば、第1のユーザにより選択されたオブジェクトに関する情報が取得されたときを基準時とした場合には、当該基準時以前の所定期間内であってもよいし、当該基準時以後の所定期間内であってもよいし、当該基準時の前後を含む所定期間内であってもよい。
例えば、第2のユーザのうち、第1のユーザにより選択されたオブジェクトに関する情報の取得を基準とした所定期間内に第1のユーザと同じオブジェクトを選択したユーザの数あるいは割合が多いほど、第1のユーザに付与される特典が多くなるように構成されている場合には、第1のユーザは、より多くの特典を得る可能性を高めるために、多数の他のユーザとほぼ同じ時期にオブジェクトを選択することが動機付けられる。このため、多数のユーザがほぼ同じ時期にゲームを実行することによってゲーム全体のアクセス数が向上することから、ゲーム内のコミュニティを活性化させることができる。
【0012】
上記ゲーム制御装置において、前記付与手段は、前記第1のユーザにより選択されたオブジェクトに関する情報を複数回取得した場合に、前記第2のユーザのうち、前記第1のユーザと同じオブジェクトを連続して選択したユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を、前記第1のユーザに付与してもよい。
例えば、第2のユーザのうち、第1のユーザと同じオブジェクトを連続して選択したユーザの数あるいは割合が多いほど、第1のユーザに付与される特典が多くなるように構成されている場合には、第1のユーザは、第2のユーザと同じオブジェクトを連続して選択することによって満足感をさらに高めることができる。
【0013】
上記ゲーム制御装置において、前記付与手段は、前記第1のユーザにより選択されたオブジェクトに関する情報を複数回取得した場合に、前記第1のユーザと同じオブジェクトが前記第2のユーザにより連続して選択された回数に応じたゲーム上の特典を、前記第1のユーザに付与してもよい。
例えば、第1のユーザと同じオブジェクトが第2のユーザにより連続して選択された回数が多いほど、第1のユーザに付与される特典が多くなるように構成されている場合には、第1のユーザは、第2のユーザと同じオブジェクトを連続して選択することによって満足感をさらに高めることができる。また、第1のユーザは、より多くの特典を得るため、すなわちより第2のユーザと同じオブジェクトを連続して選択した回数を多くするために、他のユーザが選択したオブジェクトについて検討する必要があることから、ゲームの興趣性をさらに高めることができる。
【0014】
上記ゲーム制御装置において、前記ゲームは、実行対象となる複数のパートを備え、前記情報提供手段は、各パートにおいて所定の条件を満たしたときに、前記複数のオブジェクトに関する情報を前記ユーザに提供してもよい。
ここで、「所定の条件」とは、例えば、ユーザが実行対象のパートを制覇(クリア)したことであってもよいし、ユーザが実行対象のパートにおいて所定数の他のユーザあるいはキャラクタとの対戦に勝利したことであってもよい。また、「所定の条件」とは、例えば、ユーザが実行対象のパートにおいて所定数のアイテムを獲得したことであってもよいし、実行対象のパートにおけるゲームの進行度が所定の閾値以上に達したことであってもよい。
このゲーム制御装置によれば、第1のユーザは、各パートにおいて所定の条件が満たされる度に複数のオブジェクトの中からいずれかのオブジェクトを選択することにより、同じオブジェクトを選択した第2のユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を得ることができる。このため、第1のユーザは、特典を得る回数を増やすために、1つでも多くのパートを実行しようとする動機付けが与えられる。
【0015】
上記ゲーム制御装置において、前記付与手段は、N(Nは自然数)個目のパートにおける前記第1のユーザの選択結果に基づいて、N+1個目のパートにおける前記第1のユーザの前記ゲームの進行が有利になるように調整してもよい。
例えば、パートごとに特典が付与される場合、実行対象のパートが進むほどゲームの進行が重畳的に有利になるようにしたならば、ゲームの進行が極めて容易になることから、ゲームの興趣性が低下するおそれがある。そこで、オブジェクトの選択が行われる度に特典に基づくゲーム上の効果がリセットされることが好ましい。これにより、実行対象のパートが進むほどゲームの進行が重畳的に有利になることが抑制され得る。
【0016】
上記ゲーム制御装置において、前記複数のオブジェクトには、前記ユーザの嗜好性に関連するオブジェクトが含まれてもよい。
このゲーム制御装置によれば、例えば、第1のユーザのゲームの進行は、自身と同じ趣向を有する第2のユーザによって影響を受けるという、従来にないゲームを実現することができる。
【0017】
上記ゲーム制御装置において、前記取得手段は、少なくとも一のユーザからなるグループが複数存在する場合に、複数のオブジェクトの中からいずれかのオブジェクトを選択する操作に関する情報を複数のグループごとに取得し、前記付与手段は、複数のグループのうち、前記第1のユーザが属するグループと同じオブジェクトを選択したグループの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を、前記第1のユーザに付与してもよい。
このゲーム制御装置によれば、第1のユーザは、自身が属するグループと同じオブジェクトを選択したグループの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を得ることができる。これにより、第1のユーザのゲームの進行には、ゲーム上の特典に基づく良好な影響が生じることになる。このため、第1のユーザは、自身の属するグループが他のグループと同じオブジェクトを選択したことによる満足感を得ることができる。また、例えば、第1のユーザのゲームの進行が、第1のユーザが属するグループと同じオブジェクトを選択した他のグループによって影響を受けるという、新たな興趣性を有するゲームを実現することができる。
また、オブジェクトの選択結果をグループごとに管理する場合には、オブジェクトの選択結果をユーザごとに管理する場合と比べて管理対象となるデータ(つまり、オブジェクトの選択結果)の量を少なくすることができるので、当該データの処理に係るゲーム制御装置の負荷を低減することができる。
【0018】
本発明の第2の観点は、ゲーム制御方法である。
当該ゲーム制御方法は、
ゲームを実行するステップと、
ユーザによる前記ゲームの実行中に、選択肢となる複数のオブジェクトに関する情報を前記ユーザに提供するステップと、
前記複数のオブジェクトの中からいずれかのオブジェクトを選択する操作に関する情報をユーザごとに取得するステップと、
第1のユーザにより選択されたオブジェクトに関する情報を取得した場合に、前記第1のユーザと同じオブジェクトを選択した第2のユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を、前記第1のユーザに付与するステップと、
を備える。
【0019】
本発明の第3の観点は、ゲームの実行を制御するために、コンピュータに、
ゲームを実行する機能、
ユーザによる前記ゲームの実行中に、選択肢となる複数のオブジェクトに関する情報を前記ユーザに提供する機能、
前記複数のオブジェクトの中からいずれかのオブジェクトを選択する操作に関する情報をユーザごとに取得して記憶装置に記憶する機能、及び
第1のユーザにより選択されたオブジェクトに関する情報を取得した場合に、前記第1のユーザと同じオブジェクトを選択した第2のユーザに関する情報を前記記憶装置から取得し、前記第2のユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を前記第1のユーザに付与する機能、
を実現させるためのプログラムである。
【0020】
コンピュータは、例えばネットワークサーバ、大型計算機等であってよい。また、このプログラムは、DVD−ROMやCD−ROM等のコンピュータが読み取り可能な情報記憶媒体に格納されてもよい。すなわち、本発明の第4の観点は、前記プログラムを記録したことを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0021】
本発明の第5の観点は、通信端末と、当該通信端末からアクセスされるサーバとを含むゲームシステムであって、
ゲームを実行する実行手段、
ユーザによる前記ゲームの実行中に、選択肢となる複数のオブジェクトに関する情報を前記ユーザに提供する情報提供手段、
前記複数のオブジェクトの中からいずれかのオブジェクトを選択する操作に関する情報をユーザごとに取得する取得手段、
第1のユーザにより選択されたオブジェクトに関する情報を取得した場合に、前記第1のユーザと同じオブジェクトを選択した第2のユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を、前記第1のユーザに付与する付与手段、
の各手段を、前記通信端末又は前記サーバのいずれか一方が備える。
【0022】
通信端末は、例えば携帯端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、双方向の通信機能を備えたテレビジョン受像機、通信機能付きゲーム装置等であってよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態のゲームシステムの基本構成を示す図。
図2A】実施形態の通信端末の外観の一例を示す図。
図2B】実施形態の通信端末の外観の他の例を示す図。
図3】実施形態の通信端末の構成を示すブロック図。
図4】実施形態のゲームサーバの構成を示すブロック図。
図5】実施形態のデータベースサーバの構成を示すブロック図。
図6】データベースサーバに含まれるユーザデータベースの構成例を示す図。
図7】アンケートデータのデータ構成例を示す図。
図8】回答データのデータ構成例を示す図。
図9】トップページを表示する通信端末の表示画面の一例を示す図。
図10】ユーザの通信端末において表示されるウェブページを例示する図。
図11】ユーザの通信端末において表示される一連のウェブページを例示する図。
図12】実施形態のゲーム制御装置で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図。
図13A】ユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザの数に応じた特典の設定例を示す図。
図13B】ユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザの割合に応じた特典の設定例を示す図。
図14】実施形態のゲーム制御装置の主要な処理の一例を示すフローチャート。
図15】実施形態のゲーム制御装置の主要な処理の一例を示すフローチャート。
図16】変形例における回答データのデータ構成例を示す図。
図17】グループデータのデータ構成例を示す図。
図18A】通信端末及びゲームサーバの各々における各機能の一構成例を示す図。
図18B】通信端末及びゲームサーバの各々における各機能の他の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、2012年4月25日に日本国特許庁に出願された特願2012−100431の特許出願に関連しており、この出願の内容がこの明細書に参照によって組み込まれる。
【0025】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0026】
(1)ゲームシステムの構成
図1は、実施形態のゲームシステムのシステム構成例を示している。図1に示すように、このゲームシステムは、例えばインターネットなどの通信網NW(ネットワーク)に接続可能な通信端末10a,10b,10c,…と、通信網NWに接続されているゲームサーバ20と、データベースサーバ30とによって構成されている。各通信端末10a,10b,10c,…はそれぞれ、個々のユーザによって操作される端末であり、例えば、携帯端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、双方向の通信機能を備えたテレビジョン受像機(いわゆる多機能型のスマートテレビも含む。)などの通信端末である。なお、以下の説明において、各通信端末10a,10b,10c,…に共通して言及するときには、通信端末10と表記する。
このゲームシステムにおいて、ゲームサーバ20は、クライアントである通信端末10と通信可能に構成されており、通信端末10に対してゲーミングサービスを提供する。ゲームサーバ20には、ゲーム用アプリケーションとしてウェブブラウザ上で動作可能なアプリケーションが実装されている。データベースサーバ30は、ゲームを実行する上での後述する様々な情報を格納しており、それらの情報の読み書きのためにゲームサーバ20と有線又は無線で接続される。なお、ゲームサーバ20とデータベースサーバ30は、通信網NWを介して接続しても良い。
通信端末10は、ゲームサーバ20によって提供されるウェブページを表示可能なウェブブラウザを備えており、ユーザは、通信端末10をウェブページ上で操作してゲームを実行する。
【0027】
また、図1には図示していないが、ゲームサーバ20とは別に各通信端末10のユーザを認証するための認証サーバを設けてもよい。また、多くの通信端末10からのアクセスを受け入れるために複数のゲームサーバ20を設ける場合は、その複数のゲームサーバ20間の負荷を調整するためのロードバランサを設けてもよい。また、ゲームサーバ20は単一のサーバ装置として構成してもよいが、機能を分散させた複数のサーバ装置として構成してもよい。
【0028】
(2)通信端末の構成
図2A図2B及び図3を参照して通信端末10について説明する。
図2A図2Bはそれぞれ、通信端末10の外観の例を示す図である。図2Aは、例えば折り畳み式の携帯端末(携帯電話機)などの釦入力方式の通信端末を例示したものである。図2Bは、例えばスマートフォンなどのタッチパネル入力方式の通信端末を例示したものである。図3は、通信端末10の内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、通信端末10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、画像処理部14、指示入力部15、表示部16、及び、通信インタフェース部17を備えており、各部間の制御信号あるいはデータ信号を伝送するためのバス18が設けられている。
【0029】
CPU11は、ROM12内のウェブブラウザをRAM13にロードして実行する。そして、CPU11は、指示入力部15等によってユーザに入力されるURL(Uniform Resource Locator)の適切な指定に基づき、通信インタフェース部17を介して、ゲームサーバ20からウェブページを表示するためのデータ、すなわち、HTML(HyperText Markup Language)文書や当該文書と関連付けられた画像などのオブジェクトのデータ(以下、総称して適宜「HTMLデータ」と表記する。)を、通信インタフェース部17を介して取得し、そのHTMLデータを解釈する。なお、通信端末10には、ウェブブラウザのブラウザ機能を拡張するための様々なプラグインが実装されていてよい。
なお、HTMLデータの取得に当たって、CPU11は、予め登録されたユーザID(ユーザ識別情報)、あるいは指示入力部15を介して入力されるユーザIDを含むアクセス要求メッセージを、通信インタフェース部17を介してゲームサーバ20へ通知する。
【0030】
ウェブブラウザは、画像処理部14を介して、取得したHTMLデータに基づき、ゲームサーバ20から提供されるウェブページを表示部16に表示する。また、ウェブブラウザは、ユーザが指示入力部15の操作によってウェブページ上のハイパーリンク(Hyperlink)またはメニューが選択されると、その選択に応じたウェブページを表示するための新たなHTMLデータの送信(つまり、ウェブページの更新)をゲームサーバ20へ要求する。
【0031】
画像処理部14は、HTMLデータの解析結果としてCPU11から与えられる表示用画像データに基づいて、表示部16にウェブページを表示する。表示部16は、例えば、マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Cristal Display)モニタであり、表示用画像データに基づいて薄膜トランジスタを駆動することでウェブページの画像を表示画面16aに表示する。
【0032】
通信端末10が釦入力方式の通信端末(図2Aに示す)である場合、指示入力部15は、ユーザの操作入力を受け入れるための方向指示釦と決定釦などの複数の指示入力釦を含む釦群15a、及び、テンキーなどの複数の指示入力釦を含む釦群15bを備え、各釦の押下(操作)入力を認識してCPU11へ出力するためのインタフェース回路を含む。例えば、方向指示釦は、表示部16に表示されているウェブページをスクロールして表示することをCPU11へ指示するために設けられる。また、決定釦は、例えばウェブページ上で複数のハイパーリンクまたはメニューが表示されるときに、アクティブ表示(例えば強調表示)されている1つのハイパーリンクまたはメニューをユーザが選択することをCPU11へ指示するために設けられる。なお、通信端末10を小型の携帯端末によって構成する場合には、これらの釦は、ユーザが通信端末10を片手で保持したままその親指で操作(クリック)しやすいように、通信端末10の前面に配置されていることが好ましい。図2Aに示す例では、釦群15bは、釦群15aの下方に配置され、「0」〜「9」、「*」、「#」(テンキー)が表記された複数の指示入力釦を含む。
【0033】
通信端末10がタッチパネル入力方式の通信端末(図2Bに示す)である場合、指示入力部15は、主として表示画面16aに指先あるいはペンで触れることによるタッチパネル方式の入力を受け付ける。タッチパネル入力方式は、静電容量方式などの公知の方式でよい。なお、図2Bに示すように、通信端末10がタッチパネル入力方式の場合であっても釦群15aが設けられる場合もある。
【0034】
通信端末10に表示されるウェブページ上のメニューの選択操作は、例えば通信端末10が携帯端末である場合には、方向指示釦の押下操作によってメニューを選択し、決定釦の押下操作によって、選択したメニューを確定することによって行われる。また、選択操作は、例えば通信端末10がタッチパネル入力方式の場合には、ウェブページが表示されている表示画面16a上のメニューの位置を指あるいはペンで指示(タッチ操作)することによって行われる。
【0035】
(3)ゲームサーバの構成
図4を参照してゲームサーバ20の構成について説明する。
ゲームサーバ20は、例えば階層構造の複数のウェブページからなるゲームのウェブサイトを管理しており、通信端末10に対してゲームのウェブサービスを提供する。図4に示すように、ゲームサーバ20は、CPU21、ROM22、RAM23、データベース(DB)アクセス部24、及び、通信インタフェース部25を備えており、各部間の制御信号あるいはデータ信号を伝送するためのバス26が設けられている。なお、ゲームサーバ20は、ハードウエアに関しては汎用のウェブサーバと同一の構成をとることができる。
【0036】
ROM22には、クライアントである通信端末10のウェブブラウザに対してHTML文書や画像などのオブジェクトの表示(ウェブページの表示)のサービスを提供するアプリケーションプログラムが格納されている。ROM22には、アプリケーションプログラム以外にもCPU21によって参照される各種データが格納されている。
CPU21は、ROM22内のゲームプログラムをRAM23にロードして実行し、通信インタフェース部25を介して、各種の処理を行う。
【0037】
例えば、CPU21は、通信インタフェース部25を介して、HTMLデータを通信端末10宛に送信する。なお、ゲームサーバ20が通信端末10のユーザの認証処理を行う場合には、CPU21はその認証処理を行う。
CPU21は、通信端末10に表示されるウェブページ上でユーザにより選択されたハイパーリンクまたはメニューに応じた処理を行う。その処理は、例えば、新たなHTMLデータの送信、または、ゲームサーバ20内の演算処理あるいはデータ処理などを含む。
データベースアクセス部24は、CPU21がデータベースサーバ30に対してデータの読み書きを行うときのインタフェースである。
【0038】
(4)データベースサーバの構成
データベースサーバ30(記憶装置)は、大容量のハードディスク装置やRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)等の形態の装置等、汎用ストレージで実現できる。データベースサーバ30内の各データベースは、ゲームサーバ20のデータベースアクセス部24を介してCPU21からのデータの読み書きが可能となるように構成されている。
図5に、データベースサーバ30の構成の一例を示す。図5に示すように、データベースサーバ30は、ユーザデータベース31と、ゲームデータベース32とを備える。
【0039】
本実施形態のゲームサーバ20によって実行制御されるゲームのタイプは特に限定されるものではないが、以下では、実施形態の説明の便宜上、本実施形態のゲームの一例として、女性戦士カード(以下適宜、単に「戦士カード」という。)を用いたデジタルカードゲーム(以下適宜、単に「ゲーム」あるいは「本実施形態のゲーム」という。)を採り上げる。このゲームは、ユーザの実行対象となる以下の処理を含む。
・クエスト処理:
少なくとも一枚の戦士カードからなる自らのチームを作り上げていくために、ゲーム上で設定されている複数のエリア(パート)を探索して戦士カードを得る処理である。このゲームでは、クエスト処理を実行することで一定量の体力ポイント(後述する)を消費する。
・バトル処理:
他のユーザのチームとバトル(対戦)を行う処理である。なお、バトル処理については、ここでは詳しく述べないが、例えばユーザがバトルで使用する戦士カードの能力を示すパラメータ(例えば、攻撃力、防御力を示す値)の大小に応じて、バトルの結果が決定されるように構成される。例えば、パラメータの値の大きい戦士カードをバトルに使用したユーザが、それよりパラメータの値の小さい戦士カードをバトルに使用した他のユーザに対して勝利する可能性が高くなるように設定されてもよい。この場合、ユーザの保有する戦士カードのパラメータの値が大きいほど、他のユーザと比べてゲームをより優位に進められるようになる。
【0040】
図6に、本実施形態のゲームにおいて適用されるユーザデータベース31の一例を示す。この例では、ユーザデータベース31は、ユーザID(ユーザ識別情報)ごとに、ユーザ名、表示画像、技能レベル、体力ポイント、戦士数、仲間のユーザID及び保有カードのデータの各項目についての情報を含む。ユーザデータベース31に含まれる情報は、ゲームサーバ20によって逐次更新されうる。
【0041】
以下の説明では、ユーザデータベース31に含まれるユーザIDごとのデータを総称してユーザデータという。ユーザデータを構成する各項目のデータは、以下のとおりである。
・ユーザ名
ユーザを特定するために、ゲームの実行時に通信端末10に表示されるユーザ名である。ユーザ名はユーザによって予め指定される所定長以下のテキストである。また、ユーザ名は、ゲームサーバ20によって提供されるネットワーク環境(あるいはゲームコミュニティ)上でユーザを特定する名称である。
・表示画像
ユーザを特定するために、ゲームの実行時に通信端末10に表示される表示画像である。表示画像は例えばユーザによって予め選択されるアバタ画像である。
・技能レベル
ゲーム上のユーザの技能レベル示すデータである。例えばLv1(レベル1)からLv100(レベル100)までの範囲のレベル値である。例えば、クエスト処理が継続的に実行されることで、順次技能レベルが上がるように構成されてもよい。
・体力ポイント
本実施形態のゲームにおいて、クエスト処理を実行する上で必要となるポイントである。体力ポイントは、クエスト処理において探索を行うことで例えば一定量減少し、所定の時間が経過する毎に回復(増加)する値である。
・戦士数
ユーザがゲーム上保有する戦士カードの数である。戦士数の最大値(例えば、60)は予め規定されている。
・仲間のユーザID
仲間のユーザのユーザIDのデータである。
・保有カードのデータ
ユーザが保有する戦士カードごとに、例えば、戦士のキャラクタの画像や、戦士のキャラクタの能力を示すパラメータ(例えば、攻撃力、防御力を示す値)等のデータが含まれる。なお、戦士カードのデータには、「レア度」が含まれてもよい。ここで、「レア度」とは、戦士カードの希少価値の度合を示す値であり、その値が高いほどゲーム内で出現する確率が非常に低く設定されている。なお、本実施形態のゲームでは、レア度が1〜5の5段階で表されており、能力の際立った戦士のキャラクタや人気のある戦士のキャラクタなどに対応する戦士カードのレア度は高く設定されている。
【0042】
図5に戻り、ゲームデータベース32は、ゲームサーバ20からのアクセスに基づき、ゲームサーバ20によって実行されたゲームの進行に関する情報を記憶、更新する。ゲームの進行に関する情報は、ゲームの性質によって多様な情報を含みうる。本実施形態のゲームの場合を例に挙げれば、ゲームの進行に関する情報は、クエスト処理の進行状況を示す情報や、他のユーザとのバトル結果についての情報などを含む。
また、後述するように、本実施形態のゲームでは、ゲームの実行中に一問一答形式のアンケートが複数回行われるようになっている。そのため、ゲームデータベース32には、アンケートにおける複数の質問項目と、それぞれの質問項目に対する複数の回答項目(選択肢)とを示すデータがそれぞれ記述されたアンケートデータ、及び、質問に対する回答結果をユーザID(ユーザ)ごとに記述したデータである回答データとが記憶されている。アンケートデータ及び回答データの例をそれぞれ、図7及び図8に示す。
【0043】
アンケートデータの一例を図7に示す。アンケートデータは、ゲーム上でアンケートが実施される際に例えばRAM23にロードされ、記憶されるデータである。アンケートデータは、質問IDと、質問IDに対応する質問項目と、質問IDに対応する複数(図の例では3つ)の回答IDと、回答IDに対応する回答項目(オブジェクト)とを含む。図7に例示したアンケートデータの回答項目は、「赤」や「犬」などのテキストデータで構成されているが、例えば、キャラクタ(例えば戦士カード)やアイテムなどの画像データや、音声データなどで構成されてもよい。
また、質問項目及び回答項目の内容については任意に設定され得るが、複数の回答項目には、ユーザの嗜好性に関連する回答項目が含まれてもよい。例えば、図7に示すように、ユーザの好む色や動物などのようにユーザの嗜好を問う質問に対する回答項目が含まれてもよい。この場合、アンケートにおいて同じ回答項目を選択したユーザ同士は、同じ趣向を有することで相互に親近感が生じ得る。このため、ユーザ同士が関係付けられる(仲間にする)ように各ユーザを動機付けることができる。これにより、ユーザ間の交流を促進することができるので、ゲームのソーシャル性を高めることができる。
【0044】
図8に例示するように、回答データは、図7に示したアンケートデータに含まれる質問IDと、当該質問IDの質問項目に対してユーザが選択した回答項目の回答IDとを、ユーザIDごとに対応付けたデータである。なお、アンケートにおいてユーザが未だ回答していない質問項目の質問IDに対応する回答項目には、NULLデータが記述される。図8の例では、ユーザIDが「000001」のユーザは、質問IDが「Q001」及び「Q002」の質問に対して未だ回答していないことを示している。また、図8の例では、ユーザIDが「000004」のユーザは、質問IDが「Q001」の質問に対して回答したが、質問IDが「Q002」の質問に対して未だ回答していないことを示している。
【0045】
(5)本実施形態のゲーム
以下、本実施形態のゲームの内容について、図9〜11を参照しながら説明する。図9は、本実施形態のゲームにおいて通信端末10上に表示されるトップページの一例を示す図である。図10〜11は、クエスト処理が実行されるときの通信端末10上に表示される一連のウェブページの例を示す図である。
なお、以下の説明において、通信端末10に表示されるウェブページ上で表示されるメニュー、マーク等はウェブページ上で所望の位置に配置されるものであって、通信端末10で視認されるメニュー、マーク等の表示画面上の位置は、ユーザの方向指示釦あるいはタッチパネルの操作によるウェブページのスクロール操作によって変化しうる。
【0046】
図9に例示する本実施形態のゲームのトップページは、個々のユーザIDに応じたウェブページで構成される。図9の例では、ユーザデータ表示領域、戦士画像表示領域及びメニュー表示領域を含む。
ユーザデータ表示領域は、対象となるユーザIDのユーザデータに含まれる、技能レベル、体力ポイント、戦士数、仲間の各項目のデータ(図6参照)が表示される領域である。なお、図9において、戦士数の一例として「40/60」と表記されているが、これは、ユーザが保有する戦士カードが40枚であり、最大で保有可能な戦士カードの枚数が60枚であることを示す。
戦士画像表示領域は、対象となるユーザIDのユーザデータに含まれる複数の戦士カードのうちユーザによって予め指定された戦士カードの画像が表示される領域である。
メニュー表示領域は、本実施形態のゲームに設けられる複数の機能(クエスト処理、バトル処理)に対応した基本メニューとして、「クエスト」、「バトル」のテキストが表記された各メニューm1,m2が表示される領域である。
このトップページ上で、メニューm1又はm2が選択操作されることで、ゲームの実行が開始される。
【0047】
図9のトップページ上でメニューm1が選択操作されると、クエスト処理が実行される。この場合、図10のステップS1に示すようにウェブページが更新される。ステップS1のウェブページには、探索の対象となるエリア(図10の例では、エリア1)の進行度合いを示す探索率のゲージ、探索処理を実行するための「探索する」と表記されたメニューm10などが含まれる。
クエスト処理では、ユーザは、メニューm10を選択操作する。この操作を契機として、探索の対象となるエリアについての戦士カードの探索が行われる。このとき、メニューm10が選択操作されて探索が行われる度に、「探索率」(%)の値が一定の、あるいはランダムな増加量で増加する。探索率が100%に達した場合には、対象となるエリアの探索が終了したことになり、次のエリア(図10の例では、エリア2)の探索に移る。上述したように、このゲームでは、1回の探索につき、所定量(例えば5ポイント)の体力ポイントが減少するように構成されており、体力ポイントの値が所定量よりも少なくなった場合には、探索処理を実行することができない。この場合、ユーザは、体力ポイントの値が回復(増加)するまで待機する必要がある。なお、ステップS1に示すウェブページは、1回の探索に要する体力ポイントの値が表示されるように構成されてもよい。
【0048】
また、対象となるエリアの探索率が100%に達すると、ゲーム上のアンケートを実施するために、図11のステップS2に示すようにウェブページが更新される。ステップS2に示すウェブページには、アンケートにおける質問項目(図の例では、「好きな色は?」)と、ユーザの選択肢となる複数の回答項目(図の例では、「赤」、「青」、「白」)などが含まれる。複数の回答項目には、それぞれ「選択する」と表記されたメニューm11,m12,m13が対応付けられている。
【0049】
ステップS2のウェブページにおいて例えばメニューm11が選択操作されると、図11のステップS3に示すようにウェブページが更新される。この例では、好きな色として「赤」を選択した他のユーザの数を示すメッセージなどが表示される。
ここで、本実施形態のゲームでは、ユーザに対して、当該ユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザの数に応じたゲーム上の特典が付与されるように構成されている。付与される特典は任意に設定され得るが、本実施形態の例では、次のエリアでの1回の探索処理における探索率の増加量が、ユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザの数に応じて、所定の割合(図の例ではX%)増加することが特典として設定されている。また、ステップS3のウェブページには、特典が付与されたことを示すメッセージが含まれる。この場合、ユーザは、特典を得ることにより、ゲームを有利に進めることができる。具体的に説明すると、ユーザは、1回当たりの探索処理における探索率の増加量が通常(つまり、特典を得ていない状態)よりも増加するため、1つのエリアを制覇する(つまり、探索率が100%に達する)ために必要な探索処理の回数を通常よりも減らすことができる。このため、1つのエリアにおける体力ポイントの消費量が通常よりも減少するので、ユーザは、次のエリアにおける探索処理を早期に実行することができ、ゲームの進行度を通常よりも早く上昇させることができる。
また、ステップS3のウェブページには、「次のエリアへ」と表記されたメニューm14が表示される。メニューm14の選択操作に応じて、ウェブページが図10のステップS1に示すように更新される。なお、更新されたウェブページでは、次のエリア(ここでは、エリア2)の探索処理が実行されることになる。また、次のエリアの探索処理では、1回の探索(メニューm10の選択操作)当たりの探索率の増加量が所定の割合だけ増加する。
【0050】
つまり、本実施形態のゲームでは、ユーザが複数の回答項目の中からいずれかを選択すると、当該ユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザの数に応じたゲーム上の特典が、当該ユーザに付与される。この場合、ユーザのゲームの進行には、ゲーム上の特典に基づく良好な影響(ここでは、次のエリアにおける当該ユーザの探索処理の効率が上がること)が生じることになる。なお、特典の内容は、ユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザの割合に応じて決定されてもよい。
【0051】
なお、ユーザに付与される特典は、例えば、レア度の高い(例えば、レア度が4または5)戦士カードであってもよい。また、特典は、本実施形態のゲームと異なる他のゲーム上のポイントやアイテムなどであってもよい。
【0052】
(6)ゲーム制御装置における各機能の概要
次に、上述した本実施形態のゲームを実現するゲーム制御装置における各処理について説明する。
本実施形態では、ゲームサーバ20及びデータベースサーバ30によってゲーム制御装置が構成されている。以下では、上述した戦士カードを用いたデジタルカードゲームが適用される場合を例として、本実施形態のゲーム制御装置で実現される機能について、図12を参照して説明する。図12は、本実施形態のゲーム制御装置で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
なお、図12の機能ブロック図において、ゲーム実行手段(実行手段)52、情報提供手段53、取得手段54及び付与手段55が本発明の主要な構成に対応している。その他の手段は必ずしも必須の構成ではないが、本発明をさらに好ましくするための構成である。
【0053】
登録手段51は、例えば通信端末10に提供するウェブページ上での通信端末10への適切な操作入力に基づいてユーザの要求を認識し、登録処理(ユーザ登録)を行う機能を備える。
なお、登録手段51は、本発明に必須の構成要素ではないが、本発明をさらに好ましくするための構成要素である。
【0054】
登録手段51の機能は、例えば以下のとおり実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、通信インタフェース部25を介して通信端末10から登録要求メッセージを受信する。登録要求メッセージは、ゲームサーバ20から提供されるウェブページ上での通信端末10に対する所定の操作(例えば、所定のメニューの選択操作やユーザが指定するユーザIDやパスワード等のテキスト入力等)によって自動的に生成されるように、ウェブページが構成されていてもよい。登録要求メッセージには、送信元の通信端末10を特定するための情報(例えば、UID(Unique Identifier)などの端末の個体識別情報、IPアドレス、メールアドレス等)が含まれていてもよく、あるいは、ユーザが既に同一のサービス提供者による他のゲームを利用している場合には、そのユーザIDが含まれていてもよい。
CPU21は、登録要求メッセージを受信し、登録要求メッセージにユーザIDが含まれていない場合には、ユーザIDを新規に発行してそのユーザIDの登録処理を行った後、登録処理が完了した旨のメッセージを通信端末10へ送信する。CPU21は、登録要求メッセージを受信し、登録要求メッセージにユーザIDが含まれている場合には、そのユーザIDの登録処理を行った後、登録処理が完了したことを示す登録完了メッセージを通信端末10へ送信する。
登録が完了すると、CPU21は、ユーザIDに対応するユーザデータを生成し、ユーザデータベース31に格納する。登録が完了すると、ユーザは、本実施形態のゲームを実行することが可能となる。
【0055】
ゲーム実行手段52は、ユーザが本実施形態のゲームを実行するに当たって、ユーザのログイン時の認証処理を実行する機能を備えてもよい。
この機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、各ユーザの通信端末10からのHTTPリクエストを受信すると、当該HTTPリクエストから個体識別情報、あるいはユーザID及びパスワードを取得し、その個体識別情報、あるいはユーザID及びパスワードを、例えばユーザデータベース31に記録済みのデータと照合して認証処理を行う。
【0056】
ゲーム実行手段52は、ゲームを実行する機能を備える。例えば、ゲーム実行手段52は、通信端末10に対するユーザのウェブページ上の選択操作に応じてHTTPリクエストを受信し、通信端末10に表示されるウェブページを逐次更新するためのHTMLデータ(つまり、HTTPレスポンス)を送信することで、ウェブサービスにより本実施形態のゲームを実行する。
ゲーム実行手段52は、通信端末10に表示されたメニューm1〜m2のいずれかに対するユーザの選択操作に応じて、それぞれクエスト処理及びバトル処理を実行する。好ましくは、各処理が実行された場合、さらに細分化された複数のメニューを含む新たなウェブページが表示されるように、階層的に各処理が実行される。
【0057】
ゲーム実行手段52がクエスト処理を実行する機能は、以下のようにして実現される。
ゲームサーバ20のCPU21は、図9のトップページ上でメニューm1が選択操作されたことを認識すると、図10のステップS1に示すウェブページを表示するためのHTMLデータを生成して通信端末10宛に送信する。また、CPU21は、探索を行うメニューm10が選択操作されることを認識すると、ユーザデータベース31にアクセスし、対象となるユーザIDの体力ポイントの値を更新する(減少させる)。なお、クエスト処理において、探索対象となるエリアごとに、1回の探索に要する体力ポイントが異なってもよい。つまり、探索対象となるエリアごとに、1回の探索で減少する(消費される)体力ポイントの量が異なってもよい。例えば、ユーザの技能レベルが上がるごとに、消費される体力ポイントの量を多くしてもよい。
【0058】
クエスト処理において、ゲームサーバ20のCPU21は、メニューm10に対する選択操作を認識すると、クエスト処理用に予め設けられた複数の戦士カードの中から所定の、あるいはランダムな確率で戦士カードを抽選して出現させる。CPU21は、戦士カードを出現させた(発掘した)場合には、ユーザデータベース31にアクセスし、対象となるユーザIDのデータに対して、出現した新たな戦士カードのデータを追加して、戦士数の値を1だけ増加させる。ユーザによるメニューm10に対する選択操作が繰返し行われ、図10のステップS1においてエリアの探索率が100%に達すると、探索対象となるエリア(この場合、エリア1)についての探索は終了し、探索対象は次のエリア(この場合、エリア2)に移る。
【0059】
クエスト処理では、メニューm10に対する選択操作を行う度に体力ポイントが減少していくため、クエスト処理が実行された直後にトップページが表示される場合には、そのトップページに表示される体力ポイントがクエスト処理の実行前よりも減少されて表示されることになる。なお、体力ポイントは、例えば所定時間(例えば3分)が経過する度に1ポイントずつ回復(増加)する。
【0060】
情報提供手段53は、ユーザによるゲームの実行中(本実施形態では、クエスト処理の実行中)に、選択肢となる複数の回答項目(オブジェクト)に関する情報を当該ユーザに提供する機能を備える。
ここで、複数の回答項目に関する情報が提供されるタイミングは、ランダムに設定されてもよいし、所定の規則性をもって設定されてもよいし、ゲーム上の所定の条件を満たしたときに設定されてもよい。
ここで、「オブジェクト」とは、選択対象となるものであれば何でもよいが、例えば、キャラクタやアイテムを含む。キャラクタとは、例えばゲーム上の仮想的な人物や生物、若しくはモンスター等であり、それらがカード等に表示されているもの(例えば戦士カード)をも含む。また、アイテムとは、例えば、ユーザがゲーム上保有することができるものであってもよいし、ユーザがゲーム上で収集する必要があるものであってもよいし、ユーザがゲーム上で有利な効果を得られるものなどであってもよい。
【0061】
また、情報提供手段53は、ゲームが、実行対象となる複数のエリア(パート)を備える場合に、各エリアにおいて所定の条件を満たしたとき(本実施形態では、探索率が100%に達したとき)に、複数の回答項目(オブジェクト)に関する情報をユーザに提供する機能を備えてもよい。
ここで、「所定の条件」とは、例えば、ユーザが実行対象のエリアを制覇(クリア)したことであってもよいし、ユーザが実行対象のエリア内で所定数の他のユーザあるいはキャラクタとの対戦に勝利したことであってもよい。また、「所定の条件」とは、例えば、ユーザが実行対象のエリア内で所定数のアイテムを獲得したことであってもよいし、実行対象のエリア内でのゲームの進行度が所定の閾値以上に達したことであってもよい。
この場合、ユーザは、各エリアにおいて探索率が100%に達する度に複数の回答項目の中からいずれかの回答項目を選択することにより、同じ回答項目を選択した他のユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を得ることができる。このため、ユーザは、特典を得る回数を増やすために、1つでも多くのエリアを実行しようとする動機付けが与えられる。
【0062】
情報提供手段53の機能は、例えば以下のようにして実現される。ここでは、ユーザによる実行対象のエリアの探索率が100%に達したときに、エリアにおける所定の条件を満たしたと判別される場合を一例として説明する。
ゲームサーバ20のCPU21は、図10のステップS1に示すウェブページ上でメニューm10が選択操作されることにより、探索率が100%に達したことを認識すると、図11のステップS2のウェブページを表示するためのHTMLデータを生成して、ユーザの通信端末10宛に送信する。ここで、CPU21は、ゲームデータベース32にアクセスして、質問項目及び当該質問項目に対応する複数の回答項目のデータをアンケートデータから抽出する。そして、CPU21は、抽出したデータをステップS2のウェブページに含めるようにHTMLデータを生成する。ここで、アンケートデータから抽出される質問項目及び当該質問項目に対応する複数の回答項目は、所定の順序(例えば、質問IDの昇順あるいは降順など)に基づいて決定されてもよいし、ランダムに決定されてもよい。
【0063】
取得手段54は、複数の回答項目(オブジェクト)の中からいずれかの回答項目を選択する操作に関する情報をユーザごとに取得する機能を備える。
ここで、「いずれかの回答を選択する操作」は、例えば、ゲーム制御装置に対して直接行われた操作であってもよいし、ゲーム制御装置にアクセス可能な外部装置に対して行われた操作であってもよい。
取得手段54の機能は、例えば以下のようにして実現される。
ゲームサーバ20のCPU21は、図11のステップS2に示すウェブページ上でメニューm11,m12,m13のいずれかの選択操作が行われると、通信インタフェース部25を介して通信端末10から回答メッセージを受信する。回答メッセージには、メニューm11,m12,m13のうち選択されたメニューを示す情報が含まれていてもよい。また、ステップS2に示すウェブページは、メニューm11,m12,m13のいずれかの選択操作によって回答メッセージが自動的に生成されるように構成されてもよい。CPU21は、回答メッセージを受信すると、選択されたメニューを示す情報を回答メッセージから抽出する。そして、CPU21は、選択されたメニューに対応する回答項目の回答IDを、メニューm11,m12,m13のいずれかの選択操作を行ったユーザのユーザIDと対応付けて回答データ(図8参照)に記録する。例えば、ユーザIDが「000001」のユーザの通信端末10上に図11のステップS2に示すウェブページが表示されている場合に、当該ユーザがメニューm11を選択操作(つまり、回答項目として「赤」を選択)すると、回答データ内の当該ユーザのユーザIDに対応する項目のうち、質問項目に対応する質問ID(ここでは、「Q001」)の項目には、回答項目に対応する回答ID(ここでは、「A001−1」)が記録される。
【0064】
付与手段55は、ユーザ(第1のユーザ)により選択された回答項目(オブジェクト)に関する情報を取得した場合に、当該ユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザ(第2のユーザ)の数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を、当該ユーザに付与する機能を備える。
ここで、「ゲーム上の特典を、当該ユーザに付与する」とは、特典(例えば、ポイント、アイテムなど)に関する情報をユーザのユーザIDに対応付けた状態で所定の記憶装置(例えばユーザデータベース31など)に記憶させることであってよい。また、所定の記憶装置は、例えばゲームサーバ20に設けられていてもよいし、ユーザの通信端末10などに設けられていてもよい。
また、「ゲーム上の特典」とは、例えば、ゲーム上のポイント若しくはアイテム、又はゲーム上の有利な効果などであってよい。ここで、ゲーム上の有利な効果とは、例えば、ユーザがゲーム上保有するアイテムのパラメータを上昇させることであってもよいし、アイテムを用いることなく戦士カード(キャラクタ)の能力を向上させることであってもよいし、ユーザが特殊なアイテムを入手できることであってもよい。また、ゲーム上の有利な効果とは、ゲームにおけるシナリオの進行を進め易くするように設定を調整することであってもよく、例えば、ユーザの操作などに応じて消費するゲーム上のポイント(例えば、体力ポイント)の消費量を通常よりも低減させることであってもよいし、このポイントを入手できることであってもよいし、ユーザの操作などに応じたゲームの進行度を通常よりも上昇させることであってもよい。さらに、ゲーム上の有利な効果とは、間接的にゲームを有利に進められるようにゲーム上の設定を調整することであってもよく、例えば、ユーザが特殊なアイテムを取得可能なイベントを発生させることでもよいし、アイテムのパラメータが大幅に上昇する確率を上昇させることであってもよい。
さらに、「ゲーム上の特典」とは、ユーザが実行するゲームと同一のゲーム上の特典であってもよいし、ユーザが実行するゲームとは異なる他のゲーム上の特典であってもよい。ここで、異なる他のゲームとは、例えば一つのゲームシリーズのように、ゲームの構成やジャンルがほぼ同じであるがゲームのタイトルが異なる場合(例えば、「ゲームA(2011年度版)」と「ゲームA(2012年度版)」など)も含む。
【0065】
また、付与手段55は、ゲームが、実行対象となる複数のエリア(パート)を備える場合に、N(Nは自然数)個目のエリアにおけるユーザ(第1のユーザ)の選択結果に基づいて、N+1個目のエリアにおける当該ユーザのゲームの進行が有利になるように調整する機能を備えてもよい。例えば、特典の内容は、N+1個目のエリアにおけるゲームの進行を進め易くするようにゲーム上の設定が調整されることであってもよい。
例えば、エリアごとに特典が付与される場合、実行対象のエリアが進むほどゲームの進行が重畳的に有利になるようにしたならば、ゲームの進行が極めて容易になることから、ゲームの興趣性が低下するおそれがある。そこで、回答項目の選択が行われる度に特典に基づくゲーム上の効果がリセットされることが好ましい。これにより、実行対象のエリアが進むほどゲームの進行が重畳的に有利になることが抑制され得る。
【0066】
付与手段55の機能は、以下のようにして実現できる。ここでは、ユーザに付与される特典が、次のエリアでのスカウト処理における1回の探索操作に応じた探索率の増加量を通常よりも増加させることである場合を一例として説明する。なお、ユーザに対して付与する特典の内容については、予めROM22やRAM23などに記録されていてもよい。
ゲームサーバ20のCPU21は、例えば、図13A又は図13Bに例示した設定例に基づき構成された設定用データをゲームデータベース32に予め格納してもよい。図13Aに示す設定例では、アンケートにおいてユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザの数が多いほど、特典が多くなる(図13Aの例では、1回の探索操作当たりの探索率の増加量の割合が増加する)ように設定されている。また、図13Bに示す設定例では、アンケートにおいてユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザの割合が多いほど、特典が多くなる(図13Bの例では、1回の探索操作当たりの探索率の増加量の割合が増加する)ように設定されている。ここで、アンケートにおいてユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザの割合とは、例えば、ゲームの登録処理を行った全てのユーザに対する当該他のユーザの割合であってもよいし、当該回答項目に対応する質問項目について回答を行った全てのユーザに対する当該他のユーザの割合であってもよい。
【0067】
ゲームサーバ20のCPU21は、図11のステップS2に示すウェブページ上でメニューm11,m12,m13のいずれかが選択操作されたことを認識すると、回答データを参照して、メニューm11,m12,m13のいずれかの選択操作を行ったユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザ(つまり、当該ユーザと同じ回答IDが記録されている他のユーザ)の数あるいは割合を算出する。そして、CPU21は、算出された他のユーザの数あるいは割合と、図13A又は図13Bに例示した設定例に基づき構成された設定用データとに応じて、特典を決定する。なお、決定された特典に関する情報は、ユーザIDと対応付けてゲームデータベース32に記憶されてもよい。
また、CPU21は、次のエリア(ここでは、エリア2)におけるクエスト処理を実行する際に、ゲームデータベース32にアクセスして、ユーザのユーザIDに対応する特典に関する情報を参照し、1回の探索操作(つまり、メニューm10の選択操作)当たりの探索率の増加量を決定すると、決定した増加量を、特典内容に基づく割合だけ増加させる。
なお、本実施形態では、図13A又は図13Bに例示した設定例に基づき特典を決定する場合について説明しているが、特典(例えば、付与されるポイントの量、ポイント消費量の低減する割合、あるいは1回の探索操作当たりの探索率の増加量の割合など)は、所定の演算式等を用いて、メニューm11,m12,m13のいずれかの選択操作を行ったユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザの数あるいは割合を当該演算式に当てはめることで求められてもよい。
【0068】
なお、特典として戦士カードをユーザに付与する場合、CPU21は、付与対象となるユーザのユーザIDのユーザデータにおける戦士数及び保有カードのデータを書き換える処理(戦士数を増加させるとともに、戦士カードの画像及びパラメータ等を追記する処理)を行ってよい。
また、特典としてアイテムやポイントなどをユーザに付与する場合には、CPU21は、特典を付与する処理において、付与対象となるユーザのユーザIDと、付与されるポイントやアイテムとを関連付けてユーザデータベース31に記憶するようにしてもよい。例えば、特典として所定量の強化ポイントがユーザに付与される場合には、CPU21は、付与対象となるユーザのユーザIDのユーザデータにおける強化ポイントを書き換える処理(所定量のポイントを加算する処理)を行ってよい。また、特典としてアイテムやポイントなどがユーザに付与される場合には、アイテムやポイントなどが付与される回数は、1回であってもよいし、複数回であってもよい。
また、特典が、ユーザの保有する戦士カードの能力値を、特典が付与されてから所定期間(特典付与期間)の間上昇させることである場合、CPU21は、付与対象となるユーザのユーザIDのユーザデータにおける保有カードの能力値を所定の割合だけ加算する処理を行ってよい。この場合、ユーザは、特典付与期間内のバトル処理において、他のユーザとのバトルに勝利する可能性を高めることができるので、他のユーザと比べてゲームをより優位に進められるようになる。なお、CPU21は、特典付与期間が終了すると、保有カードの能力値を元の値に戻す。
さらに、特典が、本実施形態のゲームと異なる他のゲーム上の特典である場合、CPU21は、特典の付与対象となるユーザのユーザIDと、特典を付与することを通知するためのメッセージ等とを、他のゲームの実行を制御するゲームシステムに送信すればよい。この場合、他のゲームの実行を制御するゲームシステムは、本実施形態のゲームシステムと同様に構成されてもよい。
【0069】
(7)本実施形態のゲーム制御装置の主要な処理のフロー
次に、本実施形態のゲーム制御装置により行われる主要な処理のフローの一例について、図14のフローチャートを参照して説明する。図14のフローチャートは、本実施形態のゲームにおいて、1つのエリアにおけるクエスト処理が行われるときのフローチャートである。
【0070】
先ず、図9に示すトップページでクエスト処理の実行を指示するメニューm1が選択操作されたことを認識すると、ゲームサーバ20のCPU21は、図10のステップS1に示すウェブページを表示するためのHTMLデータを生成して通信端末10宛に送信する(ステップS100)。ここでメニューm10(「探索する」)が選択操作されたことを認識すると(ステップS110:YES)、CPU21は、探索率と体力ポイントを更新し(ステップS120)、探索率が100%に達した場合には(ステップS130:YES)、アンケート処理を行う(ステップS140)。なお、アンケート処理については後述する。また、探索率が100%に達していない場合には(ステップS130:NO)、ステップS100の処理に移行する。
また、CPU21は、クエスト用に予め用意された複数の戦士カードの中から所定の、あるいはランダムな確率で戦士カードを抽選し、戦士カードを付与することを決定すると、ユーザに戦士カードを付与する処理を行ってもよい。戦士カードを付与する処理は、例えば、付与された戦士カードに基づいてユーザデータを更新する処理を含む。
【0071】
次に、本実施形態のゲーム制御装置により行われる主要な処理のフローの一例について、図15のフローチャートを参照して説明する。図15のフローチャートは、本実施形態のゲームにおいて、アンケート処理を行うときのフローチャートである。
ゲームサーバ20のCPU21は、図14のフローのステップS130において、探索率が100%に達したことを認識すると、図11のステップS2のウェブページを表示するためのHTMLデータを生成して、ユーザの通信端末10宛に送信する(ステップS200)。ここで、CPU21は、ゲームデータベース32にアクセスして、質問項目及び当該質問項目に対応する複数の回答項目のデータをアンケートデータから抽出する。そして、CPU21は、抽出したデータをステップS2のウェブページに含めるようにHTMLデータを生成する。
次に、CPU21は、図11のステップS2に示すウェブページ上でメニューm11,m12,m13のいずれかの選択操作が行われると(ステップS210:YES)、通信インタフェース部25を介して通信端末10から回答メッセージを受信する。そして、CPU21は、選択されたメニューを示す情報を回答メッセージから抽出し、選択されたメニューに対応する回答項目の回答IDを、メニューm11,m12,m13のいずれかの選択操作を行ったユーザのユーザIDと対応付けて回答データ(図8参照)に記録する(ステップS220)。
次いで、CPU21は、ユーザに対して特典を付与する処理を行う(ステップS230)。具体的には、CPU21は、回答データを参照して、メニューm11,m12,m13のいずれかの選択操作を行ったユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザ(つまり、当該ユーザと同じ回答IDが記録されている他のユーザ)の数あるいは割合を算出する。そして、CPU21は、算出された他のユーザの数あるいは割合と、図13A又は図13Bに例示した設定例に基づき構成された設定用データとに応じて、特典を決定し、付与対象のユーザIDと当該特典に関する情報とを対応付けてゲームデータベース32に記憶させる。
【0072】
上述したように、実施形態のゲーム制御装置によれば、ユーザが複数の回答項目の中からいずれかを選択すると、当該ユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典が、当該ユーザに付与される。例えば、ユーザのゲームの進行には、ゲーム上の特典に基づく良好な影響が生じることになる。このため、ユーザは、他のユーザと同じ回答項目を選択したことによる満足感を得ることができる。また、例えば、ユーザのゲームの進行が、当該ユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザによって影響を受けるという、新たな興趣性を有するゲームを実現することができる。
【0073】
本実施形態では、ユーザの操作に基づいて進行するゲームにおいて、ゲームを進行することで満たされる所定の条件に応じて選択肢を提示し、ユーザが選択した選択肢を、当該選択したユーザの選択より前に選択した人数に応じて、ゲームの進行を促進するような特典を付与することとしているが、これに限られない。ゲームの実行中にユーザに対して選択肢が提示されればよく、選択肢を提示する条件がユーザによるゲームの進行状況に関する条件を満たすか否かに基づいて設定されなくても構わない。例えば、ユーザが所定回数ログインする度にトップページ上で、質問項目と当該質問項目に対応する複数の回答項目を提示することで、ユーザによる回答項目を受け付けてもよい。つまり、クエストを実行することを、ユーザに選択肢を提示する条件としなくてもよい。
なお、特に本実施形態で説明したソーシャルゲーム、あるいはオンラインゲームでは、多数のユーザがゲームに参加しており、ゲームにアクセスするタイミング、ユーザがゲームを実行する頻度、及びゲームの進捗率がユーザ間で異なることから、同一の質問項目及び当該質問項目に対応する複数の回答項目(選択肢)を提示するタイミングがユーザごとに異なる。そのため、同一の質問項目が提示された時点におけるその質問項目に対応する回答データの内容が、ユーザごとに異なることになる。
例えば、ユーザがログインする度に同一の質問項目をユーザに提示する場合、タイミングT1にログインしたユーザU1に質問項目を提示し、T1より遅れてT2にログインしたユーザU2に同一の質問項目を提示した場合であっても、タイミングT1〜T2の間に、その質問項目に対する回答データ(図8参照)が他のユーザの回答によって更新されるため、ユーザU1とユーザU2に対する処理では、同じ選択肢であってもCPU21が参照する回答データの内容が異なることになる。
また、本実施形態のようにゲームの進行に応じて選択肢を提示する場合には、ユーザのゲームの進行状況に応じて、ユーザ毎に選択肢を提示する時期が異なることとなる。そのため、同一の質問項目に対してユーザU1が選択肢Aを選択した時期における選択肢Aを選択したユーザ数と、ユーザU1よりゲームの進行が遅れているユーザU2が選択肢Aを選択した時期における選択肢Aを選択したユーザ数が異なることとなる。そして、本実施形態で説明したように、同一の選択肢を選択したユーザ数に応じてその選択肢を選択したユーザに対して付与する特典をより良くする場合には、ゲームの進行が遅れてしまったユーザであってもより多くの特典を得ることができる可能性があるため、ゲームの開始やゲームの進行が遅れていることに起因してゲームの開始やゲームの進行をユーザが抑制してしまう事を防ぐことができる。また、同一の選択肢であってもユーザごとに特典が異なることになるため、ゲームの興趣性を増すことができる。
【0074】
仮に、本実施形態とは異なり、固定化した回答データを参照してユーザに対する特典を付与するとした場合、例えば、質問項目を提示するための各ユーザに共通の期間が経過した後に、当該期間の経過後に記録されている回答データを参照して、各ユーザによる選択肢の選択結果に基づき各ユーザに特典を付与するとした場合には、同一の選択肢を選択したユーザにはすべて同一の特典が付与され、各ユーザが選択肢を選択したタイミングが付与される特典に反映されない。そのため、上述した本実施形態のゲームの効果が生じない。
【0075】
さらに、本実施形態では、付与する特典を、ゲームの進行を促進する、又は、ゲームの進行を早めるような特典とすることで、ゲームの開始又は進行が遅れているユーザほど、よりゲームの進行を促進する特典を得ることができる。そのため、ユーザ全体における各ユーザのゲームの進捗の差を狭めるようにすることができるため、ゲームの進捗に応じたユーザ間のコミュニケーションの活性化を図りやすくなる。
なお、本実施形態のように、例えばユーザU1(第1のユーザ)が選択肢Aを選択した時点を基準として、選択肢Aを選択したユーザ数を取得して、対応する特典を決定するとしても良いし、ユーザU1に対して選択肢の一つとして選択肢Aを提示する時点を基準として、選択肢Aを選択したユーザ数を取得するようにしても良い。
【0076】
(8)変形例
以下、上述した実施形態の変形例について説明する。
【0077】
(8−1)変形例1
上記実施形態において、ユーザ同士を関係付ける登録手段51(関係付け手段)を備え、付与手段55は、他のユーザ(第2のユーザ)のうち、ユーザ(第1のユーザ)と関係付けられたユーザ(仲間のユーザ)の数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を、当該ユーザに付与してもよい。
例えば、他のユーザのうちユーザと関係付けられた仲間のユーザの数あるいは割合が多いほど、ユーザに付与される特典が多くなるように構成されている場合、ユーザのゲームの進行は、仲間のユーザによって影響を受けるという、新たな興趣性を有するゲームを実現することができる。
なお、他のユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を第1の特典とし、他のユーザのうち仲間のユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を第2の特典とした場合、ユーザ(第1のユーザ)には、第1の特典と第2の特典のそれぞれが付与されてもよいし、第2の特典のみが付与されてもよい。
【0078】
本変形例において、登録手段51は、ユーザ同士を関係付ける機能を備えてもよい。具体的には、登録手段51は、ユーザIDに基づく申請を契機として当該ユーザIDを他のユーザIDと関係付けて登録してもよい。すなわち、登録手段51は、ユーザIDに基づく申請を契機として、他のユーザIDを「仲間」として登録する。なお、以下の説明では、ユーザIDが仲間の関係にあることと、対応するユーザが仲間の関係にあることとは、同義である。ここで、登録手段51は、本発明の「関係付け手段」の一例である。
この場合の登録手段51は例えば、以下のとおり実行される。ゲームサーバ20のCPU21は、通信インタフェース部25を介して、あるユーザIDに対応するユーザの通信端末10から、仲間になりたいユーザID(あるいは、対応する表示名)を指定した申請メッセージ(申請)を受け付ける。この申請メッセージの送信は、ユーザの通信端末10に提供されるウェブページの機能として予め設定されている。CPU21は、申請メッセージを受け付けると、申請メッセージに含まれるユーザIDに基づくアクセスがあったタイミングで、そのユーザIDに対応する通信端末10宛に、他のユーザIDに基づく申請を承認するか否かを返信することを要求するためのウェブページを表示させるHTMLデータを送信する。その申請を承認することが返信されれば、CPU21は、両者を仲間として登録する。具体的には、CPU21は、ユーザデータベース31内の対応する2つのユーザIDのユーザデータにアクセスして、「仲間」の箇所(図6参照)にデータを書き込む。
なお、ユーザ同士を関係付ける条件は、上記のような申請と承認を必要とする形式に限られず、ゲーム上の同一のステージやエリアなどを実行するユーザやバトルを行ったユーザを、ユーザとゲーム内で関係付けられたユーザ、つまり仲間として登録してもよい。あるいは、所定回数の挨拶メッセージを送信するユーザ同士を自動的に仲間として登録してもよいし、ユーザ間でバトルを行うゲーム上のモードが存在する場合には、所定回数以上バトルを行ったユーザ同士を自動的に仲間として登録してもよい。
また、ユーザ同士を直接的に対応付けるのではなく、各ユーザを同一のグループ(ギルド等)と対応付けることで、そのグループ内のユーザ同士を関連関係付けても良い。例えば、ユーザAが所定のグループと対応付けられたユーザ内の特定のユーザBに対して上記のような申請を行い、当該特定のユーザBの承認を得ることができると、当該所定のグループとユーザAとを対応付ける。このようにすることによって、所定のグループ内の特定のユーザに対して申請と承認を行うことで、所定のグループに所属する直接的に申請と承認を行っているかいないかに関わらず同一グループ内のユーザ同士を関連関係付けるようにしても良い。
本実施形態では、ユーザ同士の仲間関係の登録をユーザデータベース31にデータを書き込むことによって実現する例を示したが、この例に限られない。仲間関係に関するデータは、ゲームサーバ20からアクセス可能なネットワーク上の外部の記憶装置に書き込まれるようにしてもよい。
【0079】
また、本変形例における付与手段55の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、図15のフローのステップS230の処理において、回答データを参照し、ユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザのうち、当該ユーザの仲間のユーザを抽出する。なお、仲間のユーザは、ユーザのユーザIDに対応するユーザデータに記録された仲間のユーザのユーザIDに基づき抽出される。そして、CPU21は、抽出した仲間のユーザの数あるいは割合に基づいて特典の内容を決定し、決定した特典をユーザに付与する処理を行えばよい。なお、仲間のユーザの数あるいは割合が多いほど、多くの特典(例えば、多くのポイント、価値の高いアイテム、あるいはゲーム上のより有利な効果)が与えられるように設定されてもよい。
【0080】
(8−2)変形例2
上記実施形態において、付与手段55は、他のユーザ(第2のユーザ)のうち、ユーザ(第1のユーザ)により選択された回答項目(オブジェクト)に関する情報の取得を基準とした所定期間内に当該ユーザと同じ回答項目を選択したユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を、当該ユーザに付与してもよい。
ここで、「ユーザにより選択された回答項目に関する情報の取得を基準とした所定期間内」とは、例えば、ユーザにより選択された回答項目に関する情報が取得されたときを基準時とした場合には、当該基準時以前の所定期間内であってもよいし、当該基準時以後の所定期間内であってもよいし、当該基準時の前後を含む所定期間内であってもよい。なお、回答項目に関する情報が取得されたとき以外の時間、例えば、ユーザに対して選択肢が提示されたタイミングを基準時としても良い。
例えば、他のユーザのうち、ユーザにより選択された回答項目に関する情報の取得を基準とした所定期間内に当該ユーザと同じ回答項目を選択したユーザの数あるいは割合が多いほど、当該ユーザに付与される特典が多くなるように構成されている場合には、当該ユーザは、より多くの特典を得る可能性を高めるために、多数の他のユーザとほぼ同じ時期に回答項目を選択することが動機付けられる。このため、多数のユーザがほぼ同じ時期にゲームを実行することによってゲーム全体のアクセス数が向上することから、ゲーム内のコミュニティを活性化させることができる。
【0081】
本変形例における取得手段54では、ゲームサーバ20のCPU21は、例えば、図8に例示した回答データの代わりに図16に例示した回答データをゲームデータベース32に予め格納してもよい。図16に示す回答データは、図7に示したアンケートデータに含まれる質問IDと、当該質問IDの質問項目に対してユーザが選択した回答項目の回答ID及び回答日時(回答項目の選択日時)とを、ユーザIDごとに対応付けたデータである。例えば、CPU21は、図15のフローのステップS210において、メニューm11,m12,m13のいずれかが選択操作されたことを認識したときに、選択操作されたことを認識したときの日時に関する情報を取得して、図16の回答データに記録してもよい。なお、日時に関する情報は、CPU21に内蔵されたタイマを用いて取得されてもよいし、回答メッセージに含まれた状態で通信端末10から送信されるようにしてもよい。
また、本変形例における付与手段55の機能は、以下のように実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザにより選択された回答項目に関する情報(回答メッセージ)を取得すると、例えば、当該情報を取得したときを基準時として基準時以前の所定期間内(例えば10分以内)に当該ユーザと同じ回答項目を選択したユーザの数あるいは割合を算出する。図16の例では、CPU21は、ユーザIDが「000001」のユーザの質問(質問IDが「Q001」)に対する回答を得た場合、ユーザIDが「000003」のユーザを、所定期間内(ここでは10分以内)に当該ユーザと同じ回答項目を選択したユーザとして抽出する。また、CPU21は、抽出したユーザの数あるいは割合に応じて特典を決定し、ユーザに付与すればよい。なお、抽出したユーザの数あるいは割合が多いほど、多くの特典(例えば、多くのポイント、価値の高いアイテム、あるいはゲーム上のより有利な効果)が与えられるように設定されてもよい。また、特典は、所定の演算式等を用いて、抽出されたユーザの数あるいは割合を当該演算式に当てはめることで求められてもよい。
【0082】
(8−3)変形例3
上記実施形態において、付与手段55は、ユーザ(第1のユーザ)により選択された回答項目(オブジェクト)に関する情報を複数回取得した場合に、当該ユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザ(第2のユーザ)のうち、当該ユーザと同じ回答項目を連続して選択した選択ユーザの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を、当該ユーザに付与してもよい。
ここで、同じ回答項目を連続して選択した回数は、限定された値(例えば、3回)であってもよいし、所定値以上(例えば、4回以上)であってもよい。
例えば、選択ユーザの数あるいは割合が多いほど、ユーザに付与される特典が多くなるように構成されている場合には、当該ユーザは、選択ユーザと同じ回答項目を連続して選択することによって満足感をさらに高めることができる。
【0083】
本変形例における付与手段55の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザにより選択された回答項目に関する情報(回答メッセージ)を取得すると、図8の回答データを参照して、所定回数(例えば3回)以上連続して当該ユーザと同じ回答項目を選択した他のユーザを選択ユーザとして抽出する。この場合、選択ユーザは、連続する3つ以上の質問IDに対する回答IDがユーザと同じ他のユーザとなる。また、CPU21は、抽出した選択ユーザの数あるいは割合に応じて特典を決定し、ユーザに付与すればよい。なお、選択ユーザの数あるいは割合が多いほど、多くの特典(例えば、多くのポイント、価値の高いアイテム、あるいはゲーム上のより有利な効果)が与えられるように設定されてもよい。また、特典は、所定の演算式等を用いて、抽出された選択ユーザの数あるいは割合を当該演算式に当てはめることで求められてもよい。
【0084】
(8−4)変形例4
上記実施形態において、付与手段55は、ユーザ(第1のユーザ)により選択された回答項目(オブジェクト)に関する情報を複数回取得した場合に、当該ユーザと同じ回答項目が他のユーザ(第2のユーザ)により連続して選択された回数に応じたゲーム上の特典を、当該ユーザに付与してもよい。
例えば、ユーザと同じ回答項目が他のユーザにより連続して選択された回数が多いほど、当該ユーザに付与される特典が多くなるように構成されている場合には、当該ユーザは、他のユーザと同じ回答項目を連続して選択することによって満足感をさらに高めることができる。また、ユーザは、より多くの特典を得るため、すなわち他のユーザと同じ回答項目を連続して選択した回数を多くするために、他のユーザが選択した回答項目について検討する必要があることから、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0085】
本変形例における付与手段55の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、ユーザにより選択された回答項目に関する情報(回答メッセージ)を取得すると、図8の回答データを参照して、他のユーザと同じ回答項目を連続して選択した回数をもとめる。例えば、CPU21は、ユーザIDが「000001」のユーザの回答を得た場合、ユーザIDが「000002」のユーザと同じ回答項目を質問ごとに連続して選択した回数をもとめる。そして、CPU21は、同じ回答項目を質問ごとに連続して選択した回数に応じて特典を決定し、ユーザIDが「000001」のユーザに特典を付与すればよい。なお、同じ回答項目を連続して選択した回数が多いほど、多くの特典(例えば、多くのポイント、価値の高いアイテム、あるいはゲーム上のより有利な効果)が与えられるように設定されてもよい。また、他のユーザは任意に設定されてもよいし、ユーザが指定することにより設定されてもよい。さらに、他のユーザは複数設定されてもよい。また、他のユーザが複数設定された場合には、複数の他のユーザのうち、ユーザと同じ回答項目を連続して選択した回数が最も多いユーザの当該回数に応じて特典が決定されてもよい。また、特典は、所定の演算式等を用いて、ユーザと同じ回答項目が他のユーザにより連続して選択された回数を、当該演算式に当てはめることで求められてもよい。
【0086】
(8−5)変形例5
上記実施形態において、取得手段54は、少なくとも一のユーザからなるグループが複数存在する場合に、複数の回答項目の中からいずれかの回答項目を選択する操作に関する情報を複数のグループごとに取得し、付与手段55は、複数のグループのうち、ユーザ(第1のユーザ)が属するグループと同じ回答項目を選択したグループの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を、当該ユーザに付与してもよい。
この場合、ユーザは、自身が属するグループと同じ回答項目を選択したグループの数あるいは割合に応じたゲーム上の特典を得ることができる。これにより、ユーザのゲームの進行には、ゲーム上の特典に基づく良好な影響が生じることになる。このため、ユーザは、自身の属するグループが他のグループと同じ回答項目を選択したことによる満足感を得ることができる。また、例えば、ユーザのゲームの進行が、当該ユーザが属するグループと同じ回答項目を選択した他のグループによって影響を受けるという、新たな興趣性を有するゲームを実現することができる。
また、回答項目をグループごとに管理する場合には、回答項目をユーザごとに管理する場合と比べて回答項目のデータの量を少なくすることができるので、当該データの処理に係るゲーム制御装置の負荷を低減することができる。
【0087】
本変形例における取得手段54の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、例えば、図17に例示したグループデータをゲームデータベース32に予め格納してもよい。図17に示すグループデータは、グループに含まれるユーザのユーザIDと、複数の質問IDそれぞれの質問項目に対してグループが選択した回答項目の回答IDとを、グループIDごとに対応付けたデータである。一つのグループに含まれるユーザは任意に設定されてもよいし、ユーザが所望のグループを選択することによってグループに含まれるように構成されてもよい。
CPU21は、例えば、グループに含まれるユーザのうち、一つの質問項目に対して最も早く回答項目を選択したユーザの回答項目を、グループの回答項目として決定してもよい。図18の例を参照して説明すると、グループIDが「0002」のグループに属するユーザのうちユーザIDが「111222」のユーザが、質問IDが「Q001」の質問に対してグループ内で最も早く回答(ここでは、回答項目に対応する回答IDは「A001−1」である)した場合、当該ユーザの回答項目に対応する回答IDが当該グループの選択結果としてグループデータに記録される。
また、CPU21は、例えば、グループに含まれるユーザの回答項目のうち最も多い回答項目を、グループの回答項目としてグループデータに記録してもよい。
【0088】
また、本変形例における付与手段55の機能は、以下のようにして実現される。ゲームサーバ20のCPU21は、グループAの回答項目をグループデータに記録すると、グループデータを参照して、当該回答項目と同じ回答項目を選択した他のグループBを抽出する。そして、CPU21は、抽出した他のグループBの数あるいは割合に基づいて特典の内容を決定し、決定した特典をグループAに属するユーザに付与する処理を行えばよい。なお、他のグループBの数あるいは割合が多いほど、多くの特典(例えば、多くのポイント、価値の高いアイテム、あるいはゲーム上のより有利な効果)が与えられるように設定されてもよい。また、特典は、所定の演算式等を用いて、抽出された他のグループの数あるいは割合を当該演算式に当てはめることで求められてもよい。
【0089】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。また、各実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。上記実施形態及び各変形例に記載された技術的事項は適宜組合せて適用してもよい。
【0090】
例えば、上述した実施形態では、本発明の実行対象のゲームが戦士カードを用いたバトルゲームである場合の例について説明したが、本発明のゲームはこれに限られず、任意のゲームに適用することができる。例えば、ロールプレイングゲーム、テーブルゲーム、パズルゲーム、スポーツゲーム、レースゲーム、シューティングゲーム、アクションゲーム、アドベンチャーゲーム、シミュレーションゲームなどの各種ジャンルのゲームにおいて、ゲームの実行中に、選択肢となる複数のオブジェクトに関する情報をユーザに提供可能に構成されている場合には、本発明を好適に適用することができる。
【0091】
上述した実施形態では、ソーシャルゲームに適用される場合を例として説明したが、これに限られない。例えば、ネットワーク上に置かれたサーバ装置と家庭用オンラインゲーム機とを接続した、いわゆるオンラインゲームシステムにおいても、上述した実施形態と同様に、各ユーザによるゲームの進行を制御できることは言うまでもない。
【0092】
上述した実施形態では、例えば選択肢の選択操作などの所定の操作入力は、ユーザの通信端末に対する所定の操作釦の押下操作の入力や、タッチパネル機能を備えた通信端末に対する表示画面上のタッチ操作の入力であるとしたが、操作入力はこれに限られない。操作入力は、加速度センサを備えた通信端末を振ることによる操作入力、あるいはジェスチャによる操作入力(ジェスチャ入力)であってもよい。ジェスチャ入力では、撮像機能を備えた通信端末に対する所定のジェスチャを行うことで通信端末がそのジェスチャを画像認識し、予めジェスチャに対応付けられた操作入力を認識する。また、音声認識プログラムを実行可能な通信端末の場合には、操作入力は、音声を入力することにより行われてもよい。
【0093】
上述した実施形態では、ネットワーク上のゲームサーバ20及びデータベースサーバ30によって、ゲーム実行手段52、情報提供手段53、取得手段54及び付与手段55の各機能を実現する構成としたが、この構成に限られない。これらのすべての手段を通信端末10によって実現する構成としてもよいし、少なくとも一部の手段を通信端末10によって実現する構成としてもよい。通信端末10とゲームサーバ20とでは実質的に同一のハードウエア構成を採ることができるため、上記実施形態に記載したようにして通信端末10によっても各機能を実現できる。例えば、図18A図18Bにはそれぞれ、図12に示した機能ブロック図の各機能について、通信端末10と、ゲームサーバ20及びデータベースサーバ30との機能分担の例を示す。なお、上述した実施形態では、各種データ(例えば、アンケートデータや回答データなど)をデータベースサーバ30(ゲームデータベース32)が記憶している構成としたが、通信端末10内の記憶装置に記憶させてもよい。その場合には、記憶装置は、通信端末10内のRAM13や図示しないHDD(Hard Disk Drive)などの大容量記憶装置やフラッシュメモリ等であってよい。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B