特許第5941557号(P5941557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5941557
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】玩具こま
(51)【国際特許分類】
   A63H 1/02 20060101AFI20160616BHJP
【FI】
   A63H1/02 Z
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-554673(P2014-554673)
(86)(22)【出願日】2013年2月20日
(65)【公表番号】特表2015-504757(P2015-504757A)
(43)【公表日】2015年2月16日
(86)【国際出願番号】KR2013001302
(87)【国際公開番号】WO2013125834
(87)【国際公開日】20130829
【審査請求日】2014年7月25日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0016874
(32)【優先日】2012年2月20日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514189262
【氏名又は名称】チェ シンギュ
【氏名又は名称原語表記】CHOI, Shin−Kyu
(74)【代理人】
【識別番号】110000981
【氏名又は名称】アイ・ピー・ディー国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チェ シンギュ
【審査官】 中村 和正
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−098958(JP,A)
【文献】 実開昭63−091466(JP,U)
【文献】 特開平11−114231(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/151017(WO,A2)
【文献】 登録実用新案第3160658(JP,U)
【文献】 独国特許出願公開第01478293(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00−1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレードと、ブレードの下部に一端部が固定されるシャフトと、シャフトの中間に挟まれて結合されるピニアンと、ピニアンが結合されたシャフトを回転可能な状態で収容するシャフトホルダーと、を備え、前記シャフトホルダーは、ピニアンを回転させるワインダー接続口を有する玩具コマにおいて、
前記ワインダー接続口は、
一側が開口されてワインダーの第1部分の一部を側面において当接させるための切開部と、
前記ワインダーの第1部分の一部を前記ワインダー接続口の側面に当接させた状態で、そのワインダーを一側に位置移動させたとき、前記ワインダーの第1部分から延長された第2部分が、前記切開部の内側の段部に係止され、前記第2部分がワインダー接続口の側面から離脱することを防止するガイド溝と、を有し、
前記切開部は、外側に開口され、前記切開部の内側に前記ピニアンが位置されていることを特徴とする、玩具コマ。
【請求項2】
前記ワインダーの第1部分は、
前記ワインダー接続口の切開部の幅よりも小さな厚さを有する第1の支持台と、
前記切開部の外面の両側に当接する翼部と、
からなり、
前記ワインダーの第2部分は、
前記第1支持台から直線状に延長される第2支持台と、
前記第2支持台の厚さよりもさらに厚く形成されるラックギア部と、
からなり、
前記ラックギア部は、前記翼部と反対の面に形成され、前記ピニアンと噛み合うようになることを特徴とする、請求項1に記載の玩具コマ。
【請求項3】
前記ラックギア部が前記切開部の内側の段部に係止され、前記第2部分の側面からの離脱が防止されることを特徴とする請求項に記載の玩具コマ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具こまに関し、より詳しくは、こまを回転させるのに用いられるワインダーの結合を容易にすることができる構造を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、こまは、慣性を用いる回転遊び器具であり、本発明者が開発した特許登録第1051847号の構造が知られている。
【0003】
従来の玩具コマは、図1図2のように、ブレード110と、ブレードの下部に一端部が固定されるシャフト123と、シャフトの中間に挟まれて結合されるピニアン122と、ピニアンが結合されたシャフト123を回転可能な状態で収容可能に構成されるシャフトホルダー120と、からなる。
【0004】
シャフトホルダー120は、ピニアンを取り囲むピニアンハウジング124と、シャフト123の下端を支持するように、ピニアンハウジングの下部に設けられるハンドル127と、ハンドルの下部に設けられる回転チップ126と、からなる。
【0005】
前記シャフト123の円滑な回転のために、ピニアンハウジング124とハンドル127には、ベアリング28a、28bが設けられる。
【0006】
前記ピニアンハウジング124の両側には、ピニアン122を時計方向または反時計方向に回転させるための、対称形のワインダー挿入口124a、124aが設けられる。
【0007】
利用者がシャフトホルダーのハンドル127を片手で取った状態で、ワインダー挿入口124a、124aに、ピニアン122に噛み合わされるラックギア部16aが形成されたワインダー16を挟み込み、もう一方の手で引っ張り、ワインダー16を抜き取ると、ブレード110が回転するようになる。ブレード110に回転力が加えられた状態で、ハンドル127を床面に置くと、ブレードの回転遠心力により、コマ100は回転するようになる。
【0008】
このように構成される従来のコマ100は、ワインダー挿入口124a、124aが、ワインダー16を挟み込める構造で形成されており、ワインダーを挟み込む過程が煩雑であり、ワインダーを挟んだ後、ワインダーが引っ張れる位置まで押し込むとき、ブレード110に不要な回転がかかるという短所があった。
【0009】
また、ワインダー16をワインダー挿入口124a、124aに挟み込む時間が長くなるという短所があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、コマへのワインダー結合を迅速にしてコマを回転させることができる構造を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、ワインダー挿入口にワインダーを挟むことなく、ワインダーを側面に当接させて引っ張ることだけで、簡単にコマに回転動力を伝達可能な構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的を達成するために、本発明による玩具コマは、ブレードと、ブレードの下部に一端部が固定されるシャフトと、シャフトの中間に挟まれて結合されるピニアンと、ピニアンが結合されたシャフトを回転可能な状態で収容するシャフトホルダーと、を備え、前記シャフトホルダーは、ピニアンを回転させるワインダー接続口を有する。
【0013】
特に、前記ワインダー接続口は、ワインダーの第1部分の一部を側面で当接させるための切開部と、前記ワインダーの第1部分の一部を側面に当接させた状態で、そのワインダーを一側に位置移動させたとき、前記ワインダーの第1部分から延長された第2部分が、前記切開部の内側の段部に係止され、前記第2部分の側面からの離脱が防止されるガイド溝と、を有する。
【0014】
すなわち、ワインダーをワインダー接続口に挟まず、ワインダーの第1部分をワインダー接続口の切開部に接続した状態で、側部に若干引っ張り、ラックギア部が形成された第2部分がワインダー接続口のガイド溝に簡単に結合されるように構造を改良する。
【0015】
また、前記ワインダーの第1部分は、前記ワインダー接続口の切開部の幅よりも小さな厚さを有する第1の支持台と、前記切開部の外面の両側に当接する翼部と、からなり、前記ワインダーの第2部分は、前記第1支持台から直線状に延長される第2支持台と、第2支持台の厚さよりもさらに厚く形成されるラックギア部と、からなり、前記ラックギア部は、前記翼部と反対の面に形成され、前記ピニアンと噛み合うようになることを特徴とする。
【0016】
また、前記ラックギア部が前記切開部の内側の段部に係止され、前記第2部分の側面からの離脱が防止されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、コマに回転動力を伝達するワインダーをワインダー接続口に挟まず、ワインダーの第1部分をワインダー接続口の切開部に当接させた状態で、側部に若干引っ張り、ラックギア部が形成された第2部分がワインダー接続口のガイド溝に簡単に結合されて離脱しないようにすることにより、ワインダー接続口にワインダーを挟み込む煩雑さを避け、コマのブレードに不要な回転がかからないようにする効果が得られる。
【0018】
また、従来のコマと比較して、迅速に回転動力を伝達することができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】従来のコマの構造を示す断面図である。
図2】従来のコマにワインダーが挟まれた状態を示す要部立体図である。
図3】本発明の玩具コマを示す立体図である。
図4】本発明の玩具コマにおいて、ブレードが分離された状態を示す要部立体図である。
図5図4の分解斜視図である。
図6】本発明のワインダーを示す正面図である。
図7】本発明のワインダーを示す背面図である。
図8】本発明のワインダー接続口にラックギア部が形成されたワインダーの第2部分が結合された状態を示す要部断面図である。
図9】本発明のワインダー接続口にラックギア部が形成されたワインダーの第2部分が結合された状態を示す要部立体図である。
図10】本発明のワインダー接続口にワインダーに当接させる直前の状態を示す要部立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1乃至図10に基づき、本発明の玩具コマの技術構成及び作用効果について詳述する。
【0021】
本発明の玩具コマ200は、図3乃至図5に示すように、ブレード210と、ブレードの下部に一端部が固定されるシャフト223と、シャフトの中間に挟まれて結合されるピニアン222と、を備える。
【0022】
シャフト223がブレード210の固定部から空回りせず、堅固に固定されるように、シャフトの上端面を角形に構成し、または滑り防止用の縞模様を加えてもよい。
【0023】
ブレードの下部には、ピニアンが結合されたシャフト223を回転可能な状態で収容可能にシャフトホルダー220が構成される。
【0024】
前記シャフトホルダー220は、ピニアンを取り囲むピニアンハウジング224と、シャフト123の下端を支持するように、ピニアンハウジングの下部に設けられるハンドル227、及びハンドルの下部に設けられる回転チップ226からなる。
【0025】
前記シャフトホルダー220は、図5のように、プラスチック射出により、一体で構成される。前記シャフト223は、円滑な回転のために、ピニアンハウジング224とハンドル227にベアリング(図示せず)が設けられてもよい。
【0026】
前記ピニアンハウジング224の両側には、ピニアン222を回転させるように、対称形のワインダー接続口224a、224bが設けられる。
【0027】
前記ピニアンハウジング224は、シャフト223に結合されたピニアン222を時計方向または反時計方向に回転させるために、両側面に対称形のワインダー接続口224a、224bが設けられる。
【0028】
前記それぞれのワインダー接続口224a、224bは、側面が開放して形成されるスリット状の切開部33、33を有し、その切開部が形成された内側には、ワインダーのラックギア部分が通過可能なガイド溝34、34が設けられる。前記それぞれの切開部33、33は、上下部に段部33a、33bを有し、段部間の幅d1よりもガイド溝34、34の幅d2がさらに広くなっている。
【0029】
一方、前記ワインダー接続口224a、224bのいずれか一方に結合されるワインダー116は、図6及び図7図10のように、前記ワインダー接続口の切開部33、33の幅d1よりも小さな厚さを有する第1支持台115と、前記第1支持台の両側に翼状に突出する翼部115a、115bで構成された第1部分と、前記第1支持台115から直線状に延長する第2支持台215と、前記第2支持台の厚さよりもさらに厚く形成されるラックギア部216で構成される第2部分と、からなる。
【0030】
特に、前記ラックギア部216は、前記第1部分の翼部115a、115bが形成された面と反対方向に形成され、前記ピニアン222と噛み合うようになり、そのラックギア部の幅は、切開部33、33の幅d1よりも大きく、ガイド溝34、34の幅d2よりも小さくなっている。第1部分の外側には、取っ手80が設けられる。
【0031】
このようにワインダー接続口224a、224bとワインダー116を構成することにより、ワインダーの第1支持台115をいずれか一方の切開部33に当接させると、翼部115a、115bが切開部の外面に係止されて接触する状態で、第1支持台115のみが切開部33間に挟まれる。この状態で、取っ手80を用いて若干移動させると、図8のように、第2支持台215の一面に形成されたラックギア部216が切開部33の段部33a、33bに係止され、ワインダー接続口の外側に離脱せず、ガイド溝34内に誘導される。もちろん、前記第1支持台115と第2支持台215は、同一の形態の直線状をなす支持台であり、切開部の幅d1間を通過するようになる。
【0032】
一例として、図10のように、ワインダー116が一側のワインダー接続口224bに当接されるように、ワインダーの方向及び位置を決めた後、ワインダーの第1部分を切開部33に当接させた状態で、第2部分のラックギア部216が切開部33の段部33a、33bに係止され、ガイド溝34内に誘導されるまで側部に移動させると、ワインダーの結束が簡単に完了し、ワインダーの結束が完了した状態で、取っ手80を引っ張ると、ピニアン222に回転動力が伝達される。
【0033】
ピニアン222に加えられる回転力により、ブレード210が回転する状態でコマを床面に置くと、そのブレードの回転遠心力によりコマが回転するようになる。
【0034】
上述した本発明は、例示された図面及び説明に限定されるものではなく、本発明の技術思想及び発明の目的範囲を逸脱しない範囲内で様々な変形実施が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、玩具コマを回転させるのに用いるワインダーの結合を容易に行うことができる構造を提供する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10