特許第5941577号(P5941577)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5941577
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/56 20060101AFI20160616BHJP
【FI】
   G11C11/34 381D
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-96800(P2015-96800)
(22)【出願日】2015年5月11日
【審査請求日】2015年5月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】599092848
【氏名又は名称】力晶科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100125874
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 純市
(72)【発明者】
【氏名】木原 雄治
【審査官】 塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−291385(JP,A)
【文献】 特開平11−306771(JP,A)
【文献】 特表2009−512101(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0160331(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 11/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワード線のうちの1本のワード線に接続された選択用トランジスタと、それぞれ複数のビット線のうちの1本のビット線に上記選択用トランジスタを介して接続されかつそれぞれ複数値を記憶する第1の蓄電キャパシタとをそれぞれ備えた複数のメモリセルを有する多値DRAMである半導体記憶装置であって、
上記複数のビット線に対応してそれぞれ設けられ、第2の蓄電キャパシタを含む複数のサンプルホールド回路と、
上記複数のビット線に対応してそれぞれ上記各サンプルホールド回路の後段に設けられ、上記各メモリセルからデータを上記各サンプルホールド回路を介してそれぞれ読み出してディジタル値に変換する複数のシングルスロープ型AD変換器と、
上記変換されたディジタル値に対応する電圧を、上記各メモリセルをリフレッシュするために上記各メモリセルに印加して書き込むとともに、所定の書き込みデータのディジタル値に対応する電圧を上記各メモリセルに印加して書き込む制御手段とを備えたことを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項2】
上記変換されたディジタル値を二値データに変換して読み出しデータとして出力し、上記書き込みデータを複数値のディジタル値に変換して上記制御手段に出力するビットコンバータをさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
上記制御手段は、上記ディジタル値に対応する数の互いに異なる複数の電圧を発生する電圧発生手段を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
上記第1の蓄電キャパシタと第2の蓄電キャパシタとは同一のプロセスで形成されることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば多値のデータを1つのメモリセルで記憶するダイナミックランダムアクセスメモリ(以下、DRAMという。)などの半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、例えば特許文献1において開示された従来例1にかかるDRAMの構成を示すブロック図である。図1において、ビット線BLとワード線WLとの交点付近に選択MOSトランジスタQとデータ保持用キャパシタCとからなるメモリセルMCが接続される。メモリセルMCからデータを読み出すときは、ワード線WLをハイレベルに切り替えかつビット線BLをプリチャージしてキャパシタCの電圧をビット線BLの寄生容量を介してラッチ型センスアンプ101によりセンスすることで読み出しデータを読み出す。一方、書き込みデータはビット線BLを介してキャパシタCに書き込む。ここで、キャパシタCのデータを保持するためにリフレッシュ信号に応じてキャパシタQに対して所定値を書き込み保持する。
【0003】
図2は、例えば特許文献2において開示された従来例2にかかる多値DRAMの構成を示すブロック図である。図2において、例えば5つの異なる電圧レベルが蓄電キャパシタ131を充電するために使用される。ここで、5つの電圧レベルの差はそれぞれ0.5Vである。これは、0Vから2Vまでの範囲で1つのDRAMセルにおいて5つの異なる論理値を格納する能力をもたらす。
【0004】
マルチプレクサ回路130は、5つの電圧レベルのうちの1つの電圧レベルで蓄電キャパシタ131を充電する。当該回路はさらに、蓄電キャパシタ131を充電するための電流を供給する定電流源125と、トランジスタを備えた増幅器132と、読み出し動作を活性化するためのスイッチ133とをさらに備える。アナログ−ディジタル変換器(以下、AD変換器という。)134は、5つの異なる論理値を表す蓄電キャパシタ131の電圧レベルVcを「0」と「4」の間のディジタル値に変換する。マルチプレクサ回路130は、書き込み又はリフレッシュ動作時に5つの電圧レベルのいずれかを活性化するために5つのスイッチSW1〜SW5を備えている。図2の例では、1.0Vの電圧レベルが蓄電キャパシタ131に印加されて充電される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−008251号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0018501号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来例2では、多値DRAMが開示されているが、いまだ形成する面積が比較的大きいという問題点があった。
【0007】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、従来技術に比較して同一の記憶容量に対して小さい面積で形成することができる多値DRAMなどの半導体記憶装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る半導体記憶装置は、
複数のワード線のうちの1本のワード線に接続された選択用トランジスタと、それぞれ複数のビット線のうちの1本のビット線に上記選択用トランジスタを介して接続されかつそれぞれ複数値を記憶する第1の蓄電キャパシタとをそれぞれ備えた複数のメモリセルを有する多値DRAMである半導体記憶装置であって、
上記複数のビット線に対応してそれぞれ設けられ、第2の蓄電キャパシタを含む複数のサンプルホールド回路と、
上記複数のビット線に対応してそれぞれ上記各サンプルホールド回路の後段に設けられ、上記各メモリセルからデータを上記各サンプルホールド回路を介してそれぞれ読み出してディジタル値に変換する複数のシングルスロープ型AD変換器と、
上記変換されたディジタル値に対応する電圧を、上記各メモリセルをリフレッシュするために上記各メモリセルに印加して書き込むとともに、所定の書き込みデータのディジタル値に対応する電圧を上記各メモリセルに印加して書き込む制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
上記半導体記憶装置において、上記変換されたディジタル値を二値データに変換して読み出しデータとして出力し、上記書き込みデータを複数値のディジタル値に変換して上記制御手段に出力するビットコンバータをさらに備えたことを特徴とする。
【0010】
また、上記半導体記憶装置において、上記制御手段は、上記ディジタル値に対応する数の互いに異なる複数の電圧を発生する電圧発生手段を含むことを特徴とする。
【0011】
さらに、上記第1の蓄電キャパシタと第2の蓄電キャパシタとは同一のプロセスで形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
従って、本発明に係る半導体記憶装置によれば、従来技術に比較して同一の記憶容量に対して小さい面積で形成することができる多値DRAMなどの半導体記憶装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】従来例1にかかるDRAMの構成を示すブロック図である。
図2】従来例2にかかる多値DRAMの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる多値DRAMの構成を示すブロック図である。
図4図3のメモリアレイ10の構成を示す回路図である。
図5図3のAD変換器及び入出力ゲート回路11の詳細構成を示す回路図である。
図6図3のDRAMによるデータ保持期間及び読み出し期間の動作を示すタイミングチャートである。
図7A図5の2ビットAD変換器32の構成を示すブロック図である。
図7B図7Aの2ビットAD変換器32の動作を示す電圧波形及びバイナリカウンタ値を示すタイミングチャートである。
図8図3のビットコンバータ13のビット変換の動作を示す説明図である。
図9図3のDRAMの全体の動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0015】
図3は本発明の一実施形態にかかる多値DRAMの構成を示すブロック図である。ここでは、多値DRAMとして四値DRAMの例を以下説明するが、本発明はこれに限らず、三値以上の複数のディジタル値(多値)を各メモリセルMCに記憶する多値DRAMなどの半導体記憶装置に適用することができる。
【0016】
図3において、本実施形態にかかる多値DRAMは、メモリアレイ10と、AD変換器及び入出力ゲート回路(以下、ADC及びI/Oゲート回路という。)11と、定電圧発生回路12と、ビットコンバータ13と、データ入力バッファ14と、データ出力バッファ15と、反転入力端子付きアンドゲート16,17と、コラムアドレスストローブ(CAS)クロック発生器18と、ロウアドレスストローブ(RAS)クロック発生器19と、リフレッシュコントローラ20と、リフレッシュカウンタ21と、ロウアドレスバッファ22と、コラムアドレスバッファ23と、ロウデコーダ24と、コラムデコーダ25と、アドレス入力端子61と、データ入出力端子62とを備えて構成される。
【0017】
図4図3のメモリアレイ10の構成を示す回路図である。図4において、メモリアレイ10は、複数N本のワード線WLn(n=1,2,…,N)と、複数M本のビット線m(m=1,2,…,M)とを備える。各ワード線WLnと各ビット線BLmは格子形状に配置され、各ワード線WLnと各ビット線BLmが交差する付近において、複数のワード線のうちの1本のワード線WLnに接続されたゲートを有する選択用トランジスタQと、それぞれ複数のビット線のうちの1本のビット線WLmに上記選択用トランジスタQのソース及びドレインを介して接続されかつそれぞれ複数値を記憶する蓄電キャパシタQとをそれぞれ備えた複数のメモリセルMCが設けられる。
【0018】
図3において、データ入力バッファ14はデータ入出力端子62から入力されるディジタルデータIO0〜IOpを受信して一時的に記憶した後、ビットコンバータ13に出力する。データ出力バッファ15はビットコンバータ13からの変換後の読み出したディジタルデータIO0〜IOpを一時的に記憶してデータ入出力端子62に出力する。出力イネーブル信号/OEは反転入力端子付きアンドゲート17の第1の反転入力端子に入力される。ライトイネーブル信号/WEは反転入力端子付きアンドゲート16の第1の入力端子に入力される。コラムアドレスストローブ信号/CASは反転入力端子付きアンドゲート16の第2の入力端子及びCASクロック発生器18に入力される。アンドゲート16からの出力信号は反転入力端子付きアンドゲート17の第2の入力端子及びデータ入力バッファ14に入力される。また、アンドゲート17からの出力信号はデータ出力バッファ15に入力される。
【0019】
CASクロック発生器18はコラムアドレスストローブ信号/CASに基づいてCASクロックを発生してデータ出力バッファ15、コラムアドレスバッファ23及びリフレッシュコントローラ20に出力する。RASクロック発生器19はロウアドレスストローブ信号/RASに基づいてRASクロックを発生してCASクロック発生器18、ADC及びI/Oゲート回路11及びロウデコーダ24に出力する。リフレッシュコントローラ20はCASクロックに基づいてリフレッシュ信号を発生してリフレッシュカウンタ21に出力する。リフレッシュカウンタ21はリフレッシュ信号に基づいてリフレッシュカウンタ値をインクリメントしてカウンタ値をロウアドレスバッファ22に出力する。
【0020】
入力されるアドレスA0〜Aqはロウアドレスバッファ22及びコラムアドレスバッファ23に入力される。ロウアドレスバッファ22は入力されるアドレスA0〜Aqのうちの所定ビットのロウアドレスを一時的に記憶した後、ロウデコーダ24に出力する。ロウデコーダ24は入力されるロウアドレスに基づいて1本のワード線WLnを選択するためのワード線選択信号を発生して出力する。また、コラムアドレスバッファ23は入力されるアドレスA0〜Aqのうちの所定ビットのコラムアドレスを一時的に記憶した後、コラムデコーダ25に出力する。コラムデコーダ25は入力されるコラムアドレスに基づいて1本のビット線BLmを選択するためのビット線選択信号を発生して出力する。
【0021】
図3において、ADC及びI/Oゲート回路11はメモリアレイ10のビット線BL1〜BLM、RASクロック発生器19、コラムデコーダ25、ビットコンバータ13及び定電圧発生回路12に接続され、RASクロック発生器19からのRASクロックに基づいて、定電圧発生回路12からの定電圧を用いて、コラムデコーダ25からのコラムアドレスに対応するビット線BLmの各メモリセルMCに対してデータの読み出し、リフレッシュ、及び書き込みを行う。ここで、定電圧発生回路12は、電圧Vdd、(3/4)Vdd、(1/2)Vdd、(1/4)Vddの4つの一定電圧を発生する。また、選択用トランジスタQは例えばナチュラルトランジスタにてなるパストランジスタであって、蓄電キャパシタCのアクセス時にオンとなる。
【0022】
図5図3のAD変換器及び入出力ゲート回路11の詳細構成を示す回路図である。図5において、選択用トランジスタQ10、サンプルホールド回路31、2ビットAD変換器32等は1本のビット線BLmに対応してそれぞれ設けられる。
【0023】
図5において、ワード線Wlnは選択トランジスタQのゲートに接続され、データ記憶用蓄電キャパシタCの一端は選択用トランジスタQのドレイン・ソースを介してビット線Blmに接続される一方、その他端は例えば電圧Vdd/2の電圧源に接続される。ビット線BLmは、ビット線BLmへのアクセス時にオンとなるビット線選択用トランジスタQ10を介してサンプルホールド回路31に接続される。サンプルホールド回路31は、サンプルホールド用蓄電キャパシタCshとバッファ増幅用オペアンプA1とを備えて構成され、ビット線BLmから読み出したビット線電圧Vbをサンプルホールドした後、2ビットAD変換器32に出力する。2ビットAD変換器32は、入力されたビット線電圧を2ビットのディジタル値のデータに変換してビットコンバータ13及びメモリコントローラ30に出力する。メモリコントローラ30は上記変換されたディジタル値又はビットコンバータ13からの書き込みデータのディジタル値に基づいて、4個の選択用トランジスタQ11〜Q14のうちの1つの対応するトランジスタをオンすることで、対応する印加電圧を蓄電キャパシタCに印加して書き込み又はリフレッシュする。ここで、例えばディジタル値「11」に対応して電圧Vddを書き込み、ディジタル値「10」に対応して電圧(3/4)Vddを書き込み、ディジタル値「01」に対応して電圧(1/2)Vddを書き込み、ディジタル値「00」に対応して電圧(1/4)Vddを書き込む。
【0024】
図5において、メモリセルMCは蓄電キャパシタQと選択トランジスタQとを備えて構成しているが、本発明はこれに限らず、蓄電キャパシタQを含む構成であればこれに限られない。
【0025】
図6図3のDRAMによるデータ保持期間及び読み出し期間の動作を示すタイミングチャートである。図6において、各ディジタル値に対応する電圧がデータ保持期間において保持しかつ時間経過とともに若干低下し、その後、ワード線電圧がローレベルからハイレベルになったとき、読み出し期間において、ビット線容量の関係で各ディジタル値に対応する電圧は互いに異なるが各隣接する電圧差が小さくなることを示している。
【0026】
図5及び図6において、1つのメモリセルMCに2ビットのディジタルデータを書き込むために4つの電圧Vdd、(3/4)Vdd、(1/2)Vdd、(1/4)Vddを用いているが、本発明はこれに限らず、互いに異なる4つの電圧を用いて書き込むように構成してもよい。また、上述のように、1つのメモリセルMCに3ビット以上のディジタルデータを書き込むように構成してもよい。
【0027】
図7A図5の2ビットAD変換器32の構成を示すブロック図である。また、図7B図7Aの2ビットAD変換器32の動作を示す電圧波形及びバイナリカウンタ値を示すタイミングチャートである。
【0028】
図7Aにおいて、図5の2ビットAD変換器32は、各ビット線毎にコラムAD変換器40と、1つのメモリアレイ10に対して設けられるADCコントロール50とを備えて構成される。図7Aにおいて、ADCコントローラ50は、バイナリカウンタ51と、ランプ電圧発生器52とを備えて構成される。また、コラムAD変換器40はコンパレータ41とラッチ42とを備えて構成される。ランプ電圧発生器52はRASクロック発生器19からのタイミング制御信号に基づいて、バイナリカウンタ51からのカウント値に基づいて、図7Bに示すように所定の傾きを有するシングルスロープのランプ電圧Vrampを発生してコンパレータ41の反転入力端子に出力する。サンプルホールド回路31でサンプルホールドされたビット線電圧Vbはコンパレータ41の非反転入力端子に入力され、コンパレータ41はVramp≧Vbとなったとき(図7Bの時刻t11)ハイレベル信号をラッチ42に出力する。ラッチ42はそれに応答してそのときのカウント値B2,B1を読み出しデータとしてメモリコントローラ30に出力してリフレッシュを行う。
【0029】
図8図3のビットコンバータ13のビット変換の動作を示す説明図である。図8に示すように、例えば書き込み時において、二値8ビットを四値4ビットに変換して各ビットのディジタル値をそれぞれ各メモリセルMCに書き込む一方、読み出し時において、四値4ビットを二値8ビットに変換して読み出す。
【0030】
図9図3のDRAMの全体の動作を示すタイミングチャートである。図9に示すように、時刻t1においてロウアドレスストローブ信号/RASがローレベルになったときにロウアドレスを確定して出力した後、コラムアドレスストローブ信号/CASがローレベルになったときにコラムアドレスを確定してコラムアドレスを出力する。そして、出力イネーブル信号/OEがローレベルの最終段階で読み出しデータDoutが出力される。
【0031】
以上のように構成された実施形態によれば、複数のビット線BL1〜BLmに対応してそれぞれ各サンプルホールド回路31の後段に設けられ、各メモリセルMCからデータを各サンプルホールド回路31を介してそれぞれ読み出してディジタル値に変換する複数のシングルスロープ型AD変換器32と、変換されたディジタル値に対応する電圧を各メモリセルをリフレッシュするために印加して書き込むとともに、所定の書き込みデータに対応するデータを各メモリセルを印加して書き込むメモリコントローラ30とを備える。ここで、メモリコントローラ30は、ディジタル値に対応する数の互いに異なる4個の電圧を発生する定電圧発生回路12を含む。また、変換されたディジタル値を二値データに変換して読み出しデータとして出力し、書き込みデータを複数値のディジタル値に変換して制御手段に出力するビットコンバータ13をさらに備える。
【0032】
以上の実施形態においては、選択用トランジスタQ10、サンプルホールド回路31及び2ビットAD変換器32を含むADC及びI/Oゲート回路11の各ビット線対応部分を各ビット線幅の中に形成し、特に、サンプルホールド回路31のサンプルホールド用蓄電キャパシタCshを各ビット線幅の中にデータ記憶用蓄電キャパシタCと同一のCMOSプロセスにて形成することで、センスアンプ101を用いる従来技術に比較してその占有面積を小さくすることができ、しかも多値でメモリセルMCに記憶することで、同一の記憶容量に対して必要な面積を大幅に低減できる。
【0033】
以上の明細書において、ナチュラルトランジスタとは、そのしきい値が例えば約0Vであり、チャネルに対してしきい値調整用の不純物を注入しないことにより形成することができる。また、パストランジスタとは、ゲート電圧に応じてソース・ドレイン間をオンするかオフするかを選択的に切り替えるスイッチングトランジスタをいう。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上詳述したように、本発明に係る半導体記憶装置によれば、従来技術に比較して同一の記憶容量に対して小さい面積で形成することができる多値DRAMなどの半導体記憶装置を提供できる。
【符号の説明】
【0035】
10…メモリアレイ、
11…AD変換器及び入出力ゲート回路(ADC及びI/Oゲート回路)、
12…定電圧発生回路、
13…ビットコンバータ、
14…データ入力バッファ、
15…データ出力バッファ、
16,17…アンドゲート、
18…CASクロック発生器、
19…RASクロック発生器、
20…リフレッシュコントローラ、
21…リフレッシュカウンタ、
22…ロウアドレスバッファ、
23…コラムアドレスバッファ、
24…ロウデコーダ、
25…コラムデコーダ、
30…メモリコントローラ、
31…サンプルホールド回路、
32…2ビットAD変換器、
40…コラムAD変換器、
41…コンパレータ、
42…ラッチ、
50…ADCコントローラ、
51…バイナリカウンタ、
52…ランプ電圧発生器、
61…アドレス入力端子、
62…データ入出力端子、
A1…オペアンプ、
BL,BL1〜BLM…ビット線、
C,Csh…蓄電キャパシタ、
MC…メモリセル。
Q,Q10〜Q14…MOSトランジスタ、
WL,WL1〜WLN…ワード線。
【要約】
【課題】同一の記憶容量に対して小さい面積で形成することができる多値DRAMなどの半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】ワード線に接続された選択用トランジスタと、ビット線に選択用トランジスタを介して接続され複数値を記憶する第1の蓄電キャパシタとをそれぞれ備えた複数のメモリセルを有する多値DRAMである半導体記憶装置において、複数のビット線に対応して設けられ、第2の蓄電キャパシタを含む複数のサンプルホールド回路と、複数のビット線に対応して各サンプルホールド回路の後段に設けられ、各メモリセルからデータを各サンプルホールド回路を介して読み出してディジタル値に変換する複数のシングルスロープ型AD変換器と、ディジタル値に対応する電圧を、各メモリセルをリフレッシュするために各メモリセルに印加し、書き込みデータのディジタル値に対応する電圧を各メモリセルに印加するメモリコントローラとを備える。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9