(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記チャンネル情報は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)、RSRQ(Received Signal Received Quality)、RSRP(Received Signal Received Power)、CQI(Channel Quality Indicator)、PVI(Precoding Vector Index)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、及びRI(Rank Indicator)情報のうちの少なくとも一つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
現在は、既存の3世代及び4世代移動通信容量では収容が不可能なモバイルトラフィックの急増に備えて、5世代移動通信技術の開発が必要な時点である。5世代移動通信は、既存の移動通信方式に比べて向上した性能及び容量を提供するために広い周波数帯域を使用することによって高容量を提供し、使用可能な周波数帯域を考慮した上で、基地局と端末との間の通信の最適構造を提供しなければならない。また、Macro―CellとSmall―Cellで構成された異種網間のネットワーク技術を用いることによってカバレッジの補完及び拡大の効果があり、マルチバンドを使用することによってデータの処理容量及び速度を高めることができる。
【0003】
増加するデータトラフィックを制御するために、ネットワークを経ずにデバイス間の直接通信であるD2D(Device to Device)技術、周辺の事物をネットワークで連結し、いつでも、どこでも必要な情報を伝達または獲得できるM2M(Machine to Machine)/IoT(Internet of Things)技術が重要な技術として台頭している。
【0004】
5世代移動通信は、既存の移動通信方式に比べて向上した性能及び容量を提供するために、広い周波数帯域を使用することによって高容量を提供し、使用可能な周波数帯域を考慮した上で、基地局と端末との間の通信の構造を設計することができる。
【0005】
異種網間のネットワーク技術を用いたカバレッジ領域の拡大及びデータ容量の増大効果を期待し、D2D技術によるネットワークトラフィック節減効果とM2M技術によるサービス品質向上を期待することができる。
【0006】
現在論議されている4Gセルラー通信システムは、一つの基本フレームに基づいて設計されており、主に、低速で移動する使用者をターゲッティングし、性能を最適化できるように設計されている。このようなシステムは、350km/hの速度で高速移動する使用者もサポートできるように設計されているが、低速の使用者の性能に比べると性能が大いに低下することが事実である。このようなセルラー通信システムを高速列車にそのまま適用すると、高速列車の速度が350km/hである高い移動性のため、ネットワークと高速列車との間のリンク品質は低下し、十分なリンク容量も確保しにくい。したがって、今後、高速列車の速度が技術の発展によって500km/hを超える場合、性能劣化はより激しくなると予想され、搭乗客に対する無線データサービスの品質は相当低下し得る。また、マクロ基地局の容量を高速列車が一部使用するシナリオとなり、セル内の他の使用者達のデータ通信を阻害するようになる。
【0007】
したがって、ネットワークと高速列車との間の通信には、無線通信ではなく有線通信を用いた方式が使用されることもある。例えば、高速列車が接触している線路を用いて交流信号を通じて高速列車とネットワークとの間の通信が行われることもあるが、このようなシステムは、線路自体の容量が低いという短所を有し、同時に接続する線路の個数が2個と限定的であるという物理的な制約のため、より多くのリンクを作り出しにくいという短所を有する。同様に、パワーラインを用いて通信を行うPLC(Power Line Communication)方式もあるが、線路を用いた通信方式と同一の短所を有しており、パワーラインのない列車には適用できないという弱点を有している。
【0008】
従来の一般的な移動型端末形態は、使用者が容易に携帯するための小型の比較的低い性能の端末が主であった。しかし、通信デジタル機器の使用増大及びサービスの多様化の衰勢により、現在は、いつでも、どこでも切れることのない高速のデータ伝送に対する要求がさらに増加しており、これによって、車両、列車、飛行機などの高速移動体でも高速のデータ伝送に対する要求が増加している。
【0009】
従来のセルラーシステムの場合、一般的な車両の移動速度(例えば、120km/h)でも動作できるように設計されているが、主に低速移動端末に最適化されており、一定水準以上の速度では低いデータ伝送率を示したり、連結性(Network Connection)維持程度のみを保障している。また、周波数選択的特性(Frequency selectivity)が高い状況を考慮して設計されているので、パイロットオーバーヘッドが非常に高く設計されている。このようなシステムを高速列車などの非常に高い速度(例えば、350km/h以上)にそのまま適用すると、ネットワークと高速列車との間のリンク品質において十分な容量を確保することができない。また、一つの従来の通信技術上の問題は、高速移動端末の送受信技法の適用において、開ループ送受信技法(Open―loop Transmission)の適用にある。低速環境では、開ループ送受信技法に比べて閉ループ送受信技法(Closed―loop Transmission)の性能が遥かに高く、高速環境では、開ループ送受信技法の性能が遥かに良いことは、一般的によく知られている事実である。閉ループ送受信技法は、端末の位置による正確なチャンネル推定に基づく送受信技法であるが、高速では、速度によるドップラーシフト(Doppler Shift)により、このようなチャンネル推定が難しく、時変チャンネル特性により、チャンネル情報フィードバックに対するオーバーヘッドが非常に急増する。したがって、高速環境では、変復調レベルなどを決定するためのリンク品質(すなわち、Link Quality、Channel Qualityなど)推定を除いた送受信技法に対するチャンネル推定が不必要な開ループ送受信技法を通じて空間ダイバーシティ性能を向上させると、より良い性能を示すようになる。
【0010】
本発明では、このような通信環境で高速のデータ伝送を保障するためのチャンネル推定技法を提案し、関連するプロセスを簡素化し、資源を効果的に減少させる固定経路予測基盤の送受信技法を提案する。
【0011】
本発明では、車両及び列車のように固定されたり予測可能な経路上に沿って移動する端末に対するこのような経路予測性に基盤したチャンネル推定活用を通じて、高速環境でも、既存の閉ループ送受信技法に比べてチャンネル推定計算オーバーヘッド及びこれに対するフィードバックオーバーヘッドを著しく減少させる一方、性能は低速での閉ループ送受信技法の性能に準じる経路予測基盤の送受信技法を提案する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係る好ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。添付の図面と共に以下で開示する詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を説明するためのものであって、本発明が実施され得る唯一の実施形態を示すためのものではない。以下の詳細な説明は、本発明の完全な理解を提供するために具体的細部事項を含む。しかし、当業者であれば、本発明がこのような具体的細部事項がなくても実施され得ることが分かる。
【0033】
いくつかの場合、本発明の概念が曖昧になることを避けるために公知の構造及び装置は省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で図示することができる。また、本明細書全体にわたって同一の構成要素に対しては、同一の図面符号を使用して説明する。
【0034】
(通信システムの構成)
図1は、本発明に係る通信システムの構成を示したブロック図である。
【0035】
本発明に係る通信システムは、基地局100、中継器150、端末180、及びネットワーク(図示せず)を含むことができる。通信システムを簡略化して示すために、一つの基地局100、一つの中継器150及び一つの端末180を示したが、本発明に係る無線通信システムは、複数の基地局、中継器及び端末を含むことができる。
【0036】
図1を参照すると、基地局100は、送信(Tx)データプロセッサ105、シンボル変調器110、送信機115、送受信アンテナ120、プロセッサ125、メモリ130、受信機135、シンボル復調器140、及び受信(Rx)データプロセッサ145を含むことができる。そして、中継器150も、送信(Tx)データプロセッサ155、シンボル変調器160、送信機165、送受信アンテナ170、プロセッサ175、メモリ176、受信機177、シンボル復調器178、及び受信(Rx)データプロセッサ179を含むことができる。また、端末180は、送信(Tx)データプロセッサ182、シンボル変調器184、送信機186、送受信アンテナ188、プロセッサ190、メモリ192、受信機194、シンボル復調器196、及び受信(Rx)データプロセッサ198を含むことができる。
【0037】
アンテナ120、170及び188がそれぞれ基地局100、中継器150及び端末180にいて一つずつ図示されているが、基地局100、中継器150及び端末180は、複数のアンテナを備えている。したがって、本発明に係る基地局100、中継器150及び端末180は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)システムをサポートする。本発明に係る基地局100、中継器150及び端末180は、SU―MIMO(Single User―MIMO)、MU―MIMO(Multi User―MIMO)方式の全てをサポートすることができる。
【0038】
ダウンリンク上で、基地局100の送信データプロセッサ105は、トラフィックデータを受信し、受信したトラフィックデータをフォーマットしてコーディングし、コーディングされたトラフィックデータをインターリービングして変調し(またはシンボルマッピングし)、各変調シンボル(「各データシンボル」)を提供する。シンボル変調器110は、これら各データシンボルと各パイロットシンボルを受信及び処理し、各シンボルのストリームを提供する。
【0039】
基地局100のシンボル変調器110は、データ及び各パイロットシンボルを多重化し、これを送信機115に伝送する。このとき、それぞれの送信シンボルは、データシンボル、パイロットシンボル、またはゼロの信号値であり得る。それぞれのシンボル周期で、各パイロットシンボルが連続的に送信されることもある。各パイロットシンボルは、周波数分割多重化(FDM)、直交周波数分割多重化(OFDM)、時分割多重化(TDM)、またはコード分割多重化(CDM)シンボルであり得る。
【0040】
基地局100の送信機115は、各シンボルのストリームを受信し、これを一つ以上のアナログ信号に変換し、また、これら各アナログ信号をさらに調節し(例えば、増幅フィルタリング、及び周波数アップコンバーティング(upconverting)し)、無線チャンネルを介した送信に適したダウンリンク信号を発生させる。続いて、ダウンリンク信号は、アンテナ120を介して端末に伝送される。
【0041】
中継器150の受信アンテナ170は、基地局100からダウンリンク信号を受信することができる。中継器150のプロセッサ175は、基地局100から受信したダウンリンク信号を復調して処理した後、これを送信アンテナ170を介して端末180に伝送することができる。また、中継器150の受信アンテナ170は、端末180から受信したアップリンク信号を復調して処理した後、これを基地局100に伝送することができる。
【0042】
端末180において、アンテナ188は、基地局100または中継器150からのダウンリンク信号を受信し、受信された信号を受信機194に提供する。受信機194は、受信された信号を調整し(例えば、フィルタリング、増幅及び周波数ダウンコンバーティング(downconverting)し)、調整された信号をデジタル化することによって各サンプルを獲得する。シンボル復調器196は、受信された各パイロットシンボルを復調し、チャンネル推定のためにこれをプロセッサ190に提供する。
【0043】
また、シンボル復調器196は、プロセッサ190からダウンリンクに対する周波数応答推定値を受信し、受信された各データシンボルに対してデータ復調を行い、(送信された各データシンボルの各推定値である)データシンボル推定値を獲得し、各データシンボル推定値を受信(Rx)データプロセッサ198に提供する。受信データプロセッサ198は、各データシンボル推定値を復調(すなわち、シンボルデマッピング(demapping))し、デインターリービング(deinterleaving)してデコーディングし、伝送されたトラフィックデータを復旧する。
【0044】
シンボル復調器196及び受信データプロセッサ198による処理は、それぞれ基地局100でのシンボル変調器110及び送信データプロセッサ105による処理に対して相補的である。
【0045】
アップリンク上で、端末180の送信データプロセッサ182は、トラフィックデータを処理し、各データシンボルを提供する。シンボル変調器184は、各データシンボルを受信し、これを各パイロットシンボルと共に多重化し、変調を行い、各シンボルのストリームを送信機186に提供する。送信機186は、各シンボルのストリームを受信及び処理し、アップリンク信号を発生させ、このようなアップリンク信号は、アンテナ188を介して基地局100または中継器150に伝送される。
【0046】
基地局100において、端末180からアップリンク信号がアンテナ188を介して受信され、受信機194は、受信したアップリンク信号を処理することによって各サンプルを獲得する。続いて、シンボル復調器196は、これら各サンプルを処理し、アップリンクに対して受信された各パイロットシンボル及びデータシンボル推定値を提供する。受信データプロセッサ198は、データシンボル推定値を処理し、端末機180から伝送されたトラフィックデータを復旧する。
【0047】
以上で言及したように、端末と基地局との間には、各動作をするモジュールが構成されており、端末と基地局との間の通信手順が多くの段階にわたって行われることが分かる。本発明では、このような通信中、チャンネル状態情報を端末と基地局との間でどのように送受信するかに対する効率的な方案を検討する。このために、チャンネル状態情報は何であり、どのように獲得するものであるかを知る必要がある。
【0048】
(チャンネル状態情報の獲得―ダウンリンク/アップリンクスケジューリング)
端末と基地局との間の適切なデータ速度を選択するために、すなわち、実際には適切な変調方式とチャンネルコーディング率を選択するために、送信機は、無線リンクチャンネル状態に対する情報を知るべきである。このような情報は、チャンネルによるスケジューリングのためにも必要である。FDD基盤のシステムの場合は、受信機のみが無線リンクチャンネル状態を正確に推定することができる。
【0049】
原則的に、送信機が必要とするものは、伝送瞬間のチャンネル状態を反映する推定値である。したがって、原則的に、端末は、未来のチャンネル状態を予測する予測装置を使用し、これを通じて予測した値を基地局に報告することができる。しかし、このような方式では、細部的な予測アルゴリズムと、互いに異なる端末の移動速度によって予測アルゴリズムがどのように動作するかなどを知る必要があるので、ほとんどの実際の各システムは、単純に測定されたチャンネル状態を基地局に報告する。これは、近い未来の状態が基本的に現在の状態と類似すると仮定する非常に単純な予測装置と見なすこともできる。したがって、時間領域でのチャンネルの変化が速いほど、リンク適応の効率は低下する。
【0050】
ダウンリンクスケジューリング動作のために、端末は、時間及び周波数領域でのダウンリンク瞬時チャンネル品質を知らせるチャンネル状態報告を網に提供することができる。例えば、チャンネル状態は、ダウンリンクで伝送される基準信号(reference signal)を測定することによって得ることができるが、この基準信号は、受信信号の復調の目的で使用することもできる。チャンネル状態報告に基づいて、ダウンリンクスケジューラは、スケジューリング決定においてチャンネルの品質を考慮しながら、互いに異なる端末へのダウンリンク伝送のために資源を割り当てることができる。原則的に、端末は、1msのスケジューリング間隔で180kHzの周波数幅を有する資源ブロック(resource block)の任意の組み合わせ形態で資源の割り当てを受けることができる。
【0051】
これに対応して、LTEのアップリンクは、互いに異なるアップリンク伝送が互いに直交して分離される方式に基づいており、互いに異なる端末に時間及び周波数領域での(TDMA/FDMAが結合された)資源を割り当てることが、アップリンクスケジューラの任務である。スケジューラは、毎1ms当たりに与えられた時間区間の間セル内でどの端末が伝送を行うように選択されるかを決定し、各端末に対してどの周波数資源を使用して伝送が行われ、アップリンクデータ速度(伝送フォーマット)はどのように選択されるかを決定する。
【0052】
網が伝送に使用される適切なプリコーディング(precoding)行列を選択することを助けるために、端末は、ダウンリンクチャンネル状態に対する推定に基づいて所望のプリコーディング行列(PMI)のみならず、適当なレイヤーの個数(RI)を報告することができる。網は、該当の端末に伝送を行うとき、端末が勧告した値に従う場合もあり、端末が勧告した値に従わない場合もある。
【0053】
開ループ(Open―loop)空間多重化は、端末からの端末が望むプリコーディング行列に対する勧告に依存せず、網から該当の端末に如何なる明示的なプリコーディング情報もシグナリングされない。したがって、開ループ空間多重化は、高い移動性の環境及び閉ループ空間多重化に必要なアップリンクの追加的なオーバーヘッドが受け入れられない状況に適している。
【0054】
以上で何回も言及したように、ダウンリンクチャンネルによるスケジューリングを助ける主要部分として、端末が網に提供するチャンネル状態報告があり、網は、これに基づいてスケジューリング決定をする。
【0055】
たとえチャンネル状態報告と称されるとしても、それよりは、該当の端末への伝送を行うときに使用が望まれる伝送設定及び関連パラメーターの勧告(recommendation)である。端末のこのような勧告は、一般にダウンリンク瞬時チャンネル状態を基盤にするので、これをチャンネル状態報告と称する。
【0056】
チャンネル状態報告は、次のうち一つあるいはいくつかで構成される。
【0057】
・Rank indicator(RI):この指示子は、伝送に使用されるランクに対する勧告値、すなわち、該当の端末へのダウンリンク伝送に使用されることが望まれるレイヤーの個数に対する情報を提供する。RIは、端末が空間多重化(spatial―multiplexing)モードのうち一つに設定された場合のみに伝送する必要がある。全体の帯域幅にわたって一つのRIのみが報告される。すなわち、RIは、周波数軸上で非選択的である。LTEでは、全てのレイヤーを同一の資源ブロック集合を用いて伝送するので、周波数軸上では、他の伝送ランクは不可能である。
【0058】
・Precoding matrix indicator(PMI):この指示子は、ダウンリンク伝送に使用されることが望まれるプリコーディング行列が何かを知らせる。報告されるプリコーディング行列は、RIによって知られるレイヤーの数を基盤にして定められる。プリコーディング行列に対する勧告は、周波数選択的であり得る。すなわち、端末は、ダウンリンクスペクトルの互いに異なる部分に対して互いに異なるプリコーディング行列を勧告することができる。また、網は、端末によって勧告される各プリコーディング行列に制限を加えることができる。これを、いわゆるコードブック部分集合制約(codebook subset restriction)と称するが、これは、使用されるアンテナ設定で役に立たないプリコーディング行列に対する報告を避けるためのものである。
【0059】
・Channel quality indicator(CQI):この指示子は、勧告されたRIとPMIに基づいて10%以下のBLER(block error rate)で受信され得るPDSCH伝送に対する最も高いMCS(modulation and coding scheme)を意味する。フィードバック情報として、例えば、SINRを使用せず、CQIを使用する理由は、互いに異なる端末での受信機の具現を考慮するためである。また、フィードバックを、SINRを使用せず、CQIを基盤にして行うと、端末に対する各試験を簡素化することができる。すなわち、端末がCQIで知らせたMCS(Modulation and coding scheme)方式に対して受信したとき、10%を超えるBLERを示す場合、これは、端末が試験を通過できないことを意味し得る。
【0060】
RI、PMI及びCQIの組み合わせがチャンネル状態報告を構成する。正確に、どのような情報がチャンネル状態報告に含まれているかは、端末によって設定された伝送モードによって変わり得る。
【0061】
このようなチャンネル状態情報の獲得手順は、伝送環境ごとに測定することが好ましいが、端末の動作に負担になり得るので、このような負担を減少させるために、特別な環境、すなわち、端末が固定経路に沿って移動しているか、端末の移動経路が予測される状況に対してチャンネル状態情報を獲得する方法が要求される。以下では、このような固定経路移動端末のチャンネル情報獲得方法を説明する。
【0062】
(固定経路移動端末の特別な環境)
図2は、本発明で仮定する固定経路環境の一例を示した図である。
【0063】
図2に示したように、列車は、固定された線路に沿って移動する。上り列車の場合、基地局(またはサーバー)2の信号を受信した後、基地局(またはサーバー)1の信号を受信しながら移動する。下り列車の場合は、基地局(またはサーバー)4の信号を受信した後、基地局(またはサーバー)3の信号を受信しながら移動する。各基地局は、路辺基地局(Road side equipment)と通信することができ、路辺基地局は列車と通信することができる。
【0064】
本発明では、固定された経路または予測可能な経路上に沿って移動する端末に対して、路辺基地局がこれら端末のためにサービスする場合を仮定する。このとき、固定された経路の例としては汽車線路があり、このような経路環境が有する特徴は、次のように要約することができる。
【0065】
1)特別な場合を除いては、経路がほとんど固定されている確率が高い。
【0066】
汽車の場合、線路に沿って移動することができ、線路の変更が容易に起こらないので、定められた線路に沿って移動することを予測することができる。車両の場合、車道に沿って移動することができ、車道ではない道は、車両が移動するのに適していない環境(包装程度、道路の幅など)である可能性が高い。
【0067】
2)特別な場合を除いては、経路上での端末の速度変化が特定地点及び/または特定時間で固定されている確率が高い。
【0068】
一直線経路の場合、移動に特別な制限(例えば、信号停止など)がないと、予め定められた速度で移動することが予定されており、曲線経路の場合、力の作用(遠心力、求心力など)による揺れを防止するために、一直線経路より遅い速度で移動することが予定されている。したがって、経路の特性に応じて速度変化を予め把握することができる。
【0069】
3)端末周辺環境が特定地点及び/または特定時間で固定的であるか予測可能な場合が多い。
【0070】
毎時間変化する環境で移動する端末であるとしても、特定位置において周辺環境の固定的な条件が存在する。トンネルを通過する場合、橋を渡る場合などは、移動する端末に影響を与える部分を含むことができる。周辺が閉鎖的なトンネルを通過する場合は、端末での送受信感度が低くなり、周辺が開放されている橋を渡る場合は、より円滑な送受信が可能である。
【0071】
予測可能な経路の更に他の例としては、一般車道路があり得る。
【0072】
図3は、一般車両道路上の移動車両が路辺基地局及び路辺マクロ基地局を介して通信する例を示す。
【0073】
このような車両道路の特徴は、
1)使用者が選択できる経路のケースの数が制限的である。
【0074】
図3を参照すると、車両が四つ辻に位置している場合は、現在移動している方向での直進、左折、右折、及びUターンに限定されている。三つ辻の場合は、3つのケースに移動が可能であり、五つ辻の場合は、5つのケースに移動することができる。
【0075】
2)汽車線路と比較して端末の移動速度の変化が激しいが、相対的に速度は低い。
【0076】
車両は、汽車より重量が軽いので、加速と減速が汽車に比べて容易である。したがって、短い時間の間の移動速度変化の幅が汽車に比べて広い。また、車両は、停止信号によって移動中に移動と停止が繰り返されるので、速度が汽車に比べて遅い場合もある。
【0077】
3)端末周辺環境の変化が激しい。一例として、端末自体が停止状態であるとしても、周辺端末の移動性によるドップラースペクトルが2Hz程度になると知られている。
【0078】
車道の特性に応じても環境の変化がある。車道の幅が広い場合(例えば、往復10車線道路)は、車道の幅が狭い場合に比べて車両が速く移動することができ、反対側の車線で移動する車両の速度によって相対的な速度が変わり得る。
【0079】
ただし、本発明では、説明の便宜上、固定された経路、すなわち、汽車線路上に沿って移動する端末、すなわち、汽車自体が路辺基地局と通信する状況を主に仮定する。
【0080】
図3に示したように、本発明で仮定する路辺基地局は、路辺に一定間隔で構成された路辺基地局であるか、路辺の周辺に存在する一般的なマクロ基地局であり得る。その形態としては、一般的な基地局(例えば、セルラー基地局、APなどの形態を含む)であるか、遠隔無線ユニット(Remote Radio Unit)または分散アンテナユニット(Distributed antenna Unit)であり得る。また、一つ以上のアンテナを仮定し、アンテナ偏波特性が同一偏波(Co―polarized)であるか、交差偏波(Cross―polarized)であり得る。また、一般的な車道または線路であるので、路辺基地局のアンテナは十分にチルト(Tilt)され、反対車線または線路に対する干渉を最小化すると仮定する。
【0081】
また、本発明では、一般的な使用者端末(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピューターなど)を排除しないが、主に、アンテナ設置に対する空間的制約が少ない車両、汽車などに設置された端末を仮定する。
【0082】
図4は、予め保存されたチャンネル情報を用いて固定された経路に沿って移動する端末と通信する路辺基地局の例示図である。
【0083】
図4に示したように、汽車は、第1の位置(Pos’#1)で基地局または路辺基地局と通信する。その後、汽車は、第2の位置(Pos’#2)を経て第3の位置(Pos’#3)に移動するようになり、第1の位置での基地局と異なる基地局と通信するようになる。このとき、汽車と通信する各基地局は、ローカルサーバーにデータベースを有している場合もあり、また、ネットワークサーバーにデータベースを有している場合もある。
【0084】
固定されたりまたは予測可能な経路を有する環境で基地局と特定地点でのチャンネル環境(または変数)は、固定的であるか、予測可能であるか、制御可能であり得る。一例として、行く先が固定された汽車の場合、移動できる経路はほとんど固定されているか、非常に制約的に変更され得る。また、特別な場合を除いては、出発と到着時間は一定である。したがって、本発明では、このような特殊のチャンネル環境を活用することにする。
【0085】
(実施例1:特定位置のチャンネル情報伝送)
<移動する端末の位置把握>
端末は、固定された経路または予測可能な経路に沿って移動する。したがって、一般的な端末の位置を把握する方法に比べて、前記の特別な環境が与える位置把握が容易である。
【0086】
基地局は、端末の現在の位置を把握できるが、このためには、端末が基地局に伝送する信号または衛星に伝送する信号に基づいて端末の現在の位置を把握することができる。または、外部計測機器(気圧計、GPS、カメラ、APなど)を用いて端末の位置を把握することも可能である。実際には、端末が信号を伝送する当時の位置を把握するが、これを現在の位置として推定することができる。
【0087】
経路が定められているので、移動方向を容易に決定することができる。列車の場合は、上り列車であるか、それとも下り列車であるかのみを知ると、以後の時点の位置を把握することが容易である。一般車両の場合、分岐点(三つ辻、四つ辻など)がないと列車と同じ環境であり、分岐点があると、いくつかのケースを考慮しなければならない状況であるが、どこに移動するかを予測不可能な状況よりは位置の把握が容易である。
【0088】
端末の位置を把握するためにさらに必要な変数としては、端末の移動速度がある。以上で言及したように、移動速度及び速度の変化は、特定位置で定められている場合もある。
【0089】
現在の位置、移動方向、移動速度を知ると、近い未来の端末の位置を把握することができる。したがって、基地局は、近い未来の端末に適した情報を伝送することができる。
【0090】
<基地局のデータベース構築>
路辺基地局(Road side equipment;RSE)は、自体データベース(Local Database)または遠隔地にあるデータベース(Remote DatabaseまたはNetworking Database)などに路辺基地局カバレッジ内の特定位置(すなわち、基準位置)に対する予め測定されたチャンネル情報及び/または適用する各送受信技法を保存していなければならない。また、データベースに保存されたチャンネル情報は、予め定められた時間間隔でアップデートされ得る。このとき、予め測定して知っていなければならないチャンネル情報は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)、RSRQ(Received Signal Received Quality)、RSRP(Received Signal Received Power)、CQI(Channel Quality Indicator)、PVI(Precoding Vector Index)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、及びRI(Rank Indicator)情報のうち少なくとも一つ以上を含む。
【0091】
データベースには、保存しているチャンネル情報を端末によって適切に且つ迅速に検索できるように一定の基準で区分して保存することができる。
【0092】
データベースに保存されて基地局で活用するチャンネル情報は、基本的に端末のアンテナ構成によって区分されて保存され得る。これは、移動する端末がいくつのアンテナで構成されているか、アンテナのタイプが何であるかによって該当の端末で要求するチャンネル情報が異なり得るためである。
【0093】
また、チャンネル情報は、端末の移動速度によって区分されて保存され得る。低速では高い性能を示すが、高速で高い性能を示しにくいので、移動速度によってそのチャンネル状態が変わり得る。例えば、端末の移動速度を高速、普通、低速に区分して保存することができる。
【0094】
さらに、該当の情報は、時間領域で区分されて保存され得る。例えば、時間帯及び季節変化による交通量の変化は、チャンネル環境の変化をもたらすので、これを細分化することによってチャンネル情報を保存することができる。また、該当の情報は、気象状態と関連して区分されて保存され得る。例えば、気温、湿度、風量及び降雨/降雪量などに対してそれぞれ保存され得る。
【0095】
(実施例1―1)特定位置のチャンネル情報及び関連情報を移動端末に伝送)
本発明に適用可能な一実施例によると、路辺基地局は、端末の条件別に該当の位置でのチャンネル情報を用いて、端末が使用しなければならない送受信技法及びこれに対する情報を伝送する。
【0096】
すなわち、基地局は、第1の端末から特定位置で予め測定されているチャンネル情報に基づいて端末に対する送受信技法を決定し、第2の端末が特定位置に移動するかどうかを確認する。第2の端末が特定位置に移動する場合、特定位置に対して決定された送受信技法及び特定位置で予め測定されているチャンネル情報のうち一つ以上を特定位置に移動する第2の端末に送信するようになる。
【0097】
基地局が第2の端末に知らせる情報は、データベースに保存されたチャンネル情報自体になる場合もあり、これを用いた送受信技法及び関連情報であり得る。一例として、チャンネル情報は、該当の位置でのMCS(modulation and coding scheme)、PMI、RI、伝送モードなどになり得る。また、データベースに保存されたチャンネル情報を測定した端末(第1の端末)と基地局から情報を受信する端末(第2の端末)は、同一の端末であり得る。すなわち、端末自身(第1の端末)が以前の時点でチャンネル情報を測定した後、該当の位置に再び移動した場合、基地局から自身が測定したチャンネル情報を受信することもできる。ここで、端末の条件に該当する情報は、次のうち少なくとも一つになる。
【0098】
A.基地局報告時点の現在の位置
B.端末がチャンネル情報を用いる時点での予想位置
C.端末の移動速度または移動方向
D.端末のアンテナ構成(アンテナの個数、アンテナタイプなど)
E.現在の日付及び時間
F.端末隣近基準地点またはその周辺での気象情報
G.端末隣近基準地点またはその周辺の交通量
基地局で送信時の伝送ブロックのMCSレベルを決定するために、端末は、基準信号(Reference Signal、Pilot SignalまたはPreambleなど)からチャンネルの状態を推定し、CQIを基地局にフィードバックする。基地局は、送信時のチャンネルの状態に適したMCSレベルで伝送ブロックを生成する。
【0099】
基本的に、送信機に必要なものは、伝送瞬間時点のチャンネル状態を反映する推定値である。したがって、原則的に、端末は、未来のチャンネル状態を予測する予測装置を使用し、これを通じて予測された値を基地局に報告することができる。しかし、このような方式では、細部的な予測アルゴリズムと、互いに異なる端末の移動速度によって予測アルゴリズムがどのようにに動作するかなどを知る必要があるので、ほとんどの実際のシステムは、単純に測定されたチャンネル状態を基地局に報告する。これは、近い未来の状態が基本的に現在の状態と類似すると仮定する非常に単純な予測装置と見なすこともできる。
【0100】
第2の端末は、路辺基地局が保存されたチャンネル情報を容易に且つ正確に見出せるように端末の移動速度に対する情報を基地局にフィードバックすることができる。ここで、移動速度に対する情報は、基準信号(Reference Signal、Pilot SignalまたはPreambleなど)を通じて推定したドップラーシフト(Doppler Shift)を通じて推定した情報であるか、外部計測機器(例えば、慣性センサー、加速度計など)を通じて測定した値であり得る。更に他の形態では、GPS上の現在の位置に対する座標値または基地局を介して受信した基準信号を通じて推定した値と外部機器を通じて測定した値は、他の経路を介して基地局に報告され得る。
【0101】
(実施例1―2)特定位置のチャンネル情報を用いた送受信技法の決定)
本発明に適用可能な更に他の実施例によると、固定されたりまたは予測可能な経路上に沿って移動する端末は、特定位置に対するチャンネル情報を保存している路辺基地局を介してその地点に対する第1の端末のチャンネル情報を予め受信することによって送受信技法を決定する。
【0102】
以上で言及した実施例とは異なり、路辺基地局は、第2の端末の送受信技法を直接決定しない。ただし、端末がこれを決定するにおいて必要な、予め保存された端末の条件に合うチャンネル情報を、該当の端末が特定位置に移動する前に予め端末に伝送する。
【0103】
すなわち、第2の端末は、基地局から特定位置と関連する第1の端末のチャンネル情報を受信し、特定位置上でチャンネル推定を別途に行う。受信したチャンネル情報及び直接チャンネル推定した結果に基づいて、特定位置上での送受信技法を決定する。
【0104】
第2の端末は、従来方式どおりチャンネル推定を行う。または、従来方式どおりチャンネル推定を行いながら、その周期はより長く設定することができる。周期をより長く設定することによって、端末のチャンネル推定による負担を減少させることができる。
【0105】
第2の端末は、自身が推定したチャンネル情報と基地局が伝送した第1の端末のチャンネル情報とを比較し、チャンネル情報の差が一定範囲以内である場合、別途のチャンネル情報フィードバックを行わない。または、基地局が伝送した第1の端末のチャンネル情報が有効であること(間違っていない、または、そのまま使用してもよい)を意味する信号をフィードバックすることができる。
【0106】
その一方、第2の端末は、自身が推定したチャンネル情報と基地局が伝送したチャンネル情報とを比較し、チャンネル情報の差が一定範囲を逸脱した場合、基地局に基地局が伝送したチャンネル情報が現在のチャンネル情報と異なることをフィードバックし、チャンネル情報は、第2の端末が推定したチャンネル情報に更新させることができる。
【0107】
(実施例2:アンテナのチャンネル測定情報の再活用)
(実施例2―1:端末内の前位アンテナのチャンネル測定情報の後位アンテナでの再活用)
以下では、本発明に適用され得る更に他の実施例に対して説明する。実施例1で特定位置に対して測定したチャンネル情報を、予測可能な近い未来に適用する方法に対して説明した。後述する実施例は、前記の言及した実施例と区別されるものではなく、同時に適用可能であり、以前の時点で測定したチャンネル情報に、現在の時点で大きな変化がないと有効であるという前提下で、チャンネル情報を再活用する方法を重点的に検討する。
【0108】
図5は、前位にあるアンテナに対するチャンネル推定情報を後位にあるアンテナに対して適用する例示図である。
【0109】
端末は、一つ以上のアンテナを備えている。単一アンテナを有する場合は本ケースに該当しないので、複数のアンテナを有する場合を仮定する。端末が固定経路に沿って移動する場合、アンテナの配置が時間領域で異なり、すなわち、同一の信号に対して受信時間に差がある場合、このような時間的差を用いて前位アンテナで得たチャンネル推定情報を後位アンテナで再活用する。
【0110】
図5に示したように、説明の便宜上、端末は、3個のアンテナを有する汽車であると仮定する。このとき、アンテナの配置は、汽車の進行方向に対して同一の方向に配置されている。この場合、第1の位置(Pos’#1)で第1のアンテナ部(Ant’#1)に対してチャンネル推定を行い、チャンネル推定情報は、第2の位置(Pos’#2;すなわち、列車の前部が第2の位置に来た場合)で第2のアンテナ部(Ant’#2)に対するチャンネル情報として再活用し、また、第3の位置(Pos’#3;すなわち、列車の前部が第3の位置に来た場合)で第3のアンテナ部(Ant’#3)に対するチャンネル情報として再活用することによって、第2の位置及び第3の位置でそれぞれ第2のアンテナ部、第3のアンテナ部に対して別途のチャンネル推定を行わないとしても、該当の位置でのチャンネル情報を獲得できるようにする。同一の例として、第2の位置では第1のアンテナ部に対してチャンネルを推定し、これを第3の位置で第2のアンテナ部に対するチャンネル情報として再活用することができる。
【0111】
図6は、移動する端末の前位アンテナで推定したチャンネル情報を後位アンテナで活用する過程を示すフローチャートである。
【0112】
図7は、特定位置で時不変チャンネルと仮定する環境での端末の複数のアンテナに対するチャンネル情報再活用の例示図である。
【0113】
図7に示したように、詳細に説明するために2個のアンテナを有する端末を仮定するとき、端末は、第1の位置〜第4の位置でチャンネル推定を行い、第2の位置及び第3の位置でチャンネルを基地局にフィードバックする状況を仮定する。端末は、第1の位置(初期開始位置)において時間Tで基地局が二つのアンテナの全てに対するチャンネルを推定し、これに対する情報を第2の位置または時間T+t1で基地局にフィードバックする。端末は、再び第2の位置において時間T+t1’で第1のアンテナ部に対するチャンネル推定のみを行い、第2のアンテナ部に対する情報として以前の時間で測定した第1のアンテナ部に対する情報を用いる。この場合、端末の第1のアンテナ部と第2のアンテナ部は、互いに相関関係がないと仮定することができる。端末は、T+t2で推定した第1のアンテナ部に対するチャンネル情報を基地局にフィードバックすることができる。または、第1のアンテナ部及び第2のアンテナ部に対して推定したチャンネル情報を基地局にフィードバックすることができる。このような過程は、一定有効時間内に繰り返され得る。有効時間が過ぎると、端末は、自身が有している全てのアンテナに対するチャンネル推定を再び行うことができる。また、基地局またはネットワーク命令により、端末は、全てのアンテナに対するチャンネル推定を再び行うことができる。
【0114】
チャンネルフィードバック周期がチャンネル推定周期より遥かに長い場合、端末は、推定した情報及び保存している情報を全て含んで、最も最近に測定されたりアップデートされたチャンネル情報に対するチャンネルフィードバックを行うことができる。
【0115】
図8は、経路予測基盤のチャンネル情報を再使用する多重アンテナ構成に対する例示図である。
【0116】
すなわち、端末及び基地局は、特定位置で時間領域で先に信号を受信するアンテナまたはアンテナグループ(アンテナ部)で測定したチャンネル情報を、その位置の次の時間領域でのアンテナまたはアンテナグループで直接チャンネル測定及び推定したチャンネル情報の代わりに適用することができる。
【0117】
このとき、基準アンテナ、すなわち、チャンネル推定を直接行うべき対象アンテナに対して推定したチャンネル情報は、同一のアンテナ構成を有することが好ましい。
図7に示したように、N*Mの多重アンテナを有する端末において、時間領域でチャンネル推定を先行するアンテナは、最初の行に位置したN個のアンテナ(第1のアンテナグループ、第1のアンテナ部)であって、これらに属した各アンテナはd1の間隔だけ離れている。これらN個のアンテナが基準アンテナになる。すなわち、この場合、N個のアンテナで構成されたM個のアンテナグループに対して、アンテナグループ内のアンテナ間隔d1及びアンテナグループ間のアンテナ間隔d2は、互いに同一でなくてもよい。しかし、チャンネル再活用に対する性能低下を最小化するためには、アンテナグループ間のアンテナ間隔d2が一定であることが好ましく、この間隔d2は、チャンネル推定を直接行った後、チャンネル推定情報に対するフィードバック(例えば、CSI Feedback)または端末での直接活用(例えば、端末でアップリンク伝送方法を直接決定する場合)時間間隔と整列されなければならない。
【0118】
さらに、ここで意味したアンテナグループは、必ずしも時間領域に区分されるものではない。同一の時間領域に位置するとしても、アンテナ構成が異なるか、アンテナ間隔が他のアンテナと互いに著しく異なる場合、互いに異なるアンテナグループとして取り扱うことができる。一例として、一つのアンテナグループがS個のアンテナで構成されている場合、N個のアンテナのうちT個のアンテナが異なる性能を有するアンテナであると、T個のアンテナで構成されたアンテナグループ及びN−T個のアンテナで構成されたアンテナグループとして別途に取り扱うことができる。
【0119】
また、アンテナグループ間の間隔(d2)が十分に大きい場合、基準アンテナグループで推定したチャンネル情報がこれ以上有効でないこともある。これは、予め定められた時間を超えて基準アンテナグループの位置に到逹するので、その時間の間チャンネルに変化が発生する可能性が存在するためである。この場合、全体のアンテナグループ内の任意のアンテナグループが基準アンテナグループになり得る。
【0120】
前記端末の一部のアンテナまたはアンテナグループに対する制限的チャンネル推定及び/または制限的チャンネルフィードバックは、基地局及びネットワークによって開始され得るか、または、特定端末に対して規定された動作であり得る。
【0121】
(実施例2―2:アンテナのチャンネル測定情報の他の端末アンテナでの再活用)
本発明に適用可能な更に他の一実施例によると、基地局は、特定端末を通じて獲得したチャンネル情報を用いて、その端末のみならず、他の端末のチャンネル状態を判断し、送受信技法を決定することができる。
【0122】
固定されたり予測可能な経路に沿って移動する多数の同一のHW性能を有する各端末が存在する環境を考慮すると、同一の位置での基地局と各端末との間のチャンネル環境は、端末周辺の車両移動及び端末の移動速度などが主要な環境変化要因になり得る。すなわち、端末周辺の車両移動によるチャンネル変化が一定水準以内に安定した状態であって、各端末の移動速度も一定範囲以内で類似又は同一である場合、同一の位置で各端末の基地局とのチャンネル状態は同一であると判断することができる。この場合、基地局は、特定端末(第1の端末)で測定し、フィードバックすることによって獲得した該当の端末のチャンネル状態を、同一のHW性能を有する他の端末(第2の端末)が同一の位置にあるときにも同一のチャンネル状態であると推定することができ、報告されたチャンネル情報が測定された位置に移動する各端末により、基地局が獲得したチャンネル情報を活用し、各端末の送受信パラメーター及び各技法を決定して伝送することができる。
【0123】
図9は、基地局及び端末が他の端末によって推定されたチャンネル情報を用いて送受信する例を示す図である。
【0124】
図9に示したように、第1の端末及び第2の端末が同一の経路に対して同一の速度で移動する場合を仮定する。第1の端末は、第1の位置でチャンネルを推定(時間T)し、これに対する情報を基地局にフィードバックする(時間T+t1)。しかし、第2の端末は、第1の位置で別途のチャンネル推定を行わず、基地局が伝送した、第1の端末が推定してフィードバックしたチャンネル情報を用いる。
【0125】
基地局は、他の端末のチャンネル情報を用いる各端末にチャンネル推定が必要でないか制限的であることを知らせることができる。したがって、基地局は、他の端末のチャンネル情報を用いる各端末に対してフィードバックチャンネルを割り当てないか、制限されたチャンネルのみを割り当てることができる。
【0126】
このような過程は、一定有効時間内に繰り返される。有効時間が過ぎると、他の端末のチャンネル情報を用いる端末は、チャンネル推定を直接行う。また、一定有効時間が過ぎないとしても、基地局またはネットワークの命令により、端末は、チャンネル推定を直接行うことができる。
【0127】
上述したように開示された本発明の好ましい各実施例に対する詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では、本発明の好ましい各実施例を参照して説明したが、該当の技術分野で熟練した当業者であれば、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させ得ることを理解できるだろう。例えば、当業者は、上述した各実施例に記載した各構成を互いに組み合わせる方式で用いることができる。
【0128】
したがって、本発明は、ここに示した各実施形態を制限するものではなく、ここで開示した各原理及び新規の各特徴と一致する最広の範囲を付与するためのものである。
【0129】
本発明の特徴を逸脱しない範囲で本発明が他の特定の形態に具体化され得ることは、当業者にとって自明である。したがって、前記の詳細な説明は、全ての面で制限的に解釈してはならなく、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的解釈によって決定しなければならなく、本発明の等価的範囲内での全ての変更は本発明の範囲に含まれる。