(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5941714
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】車両用灯具の製造方法
(51)【国際特許分類】
F21S 8/10 20060101AFI20160616BHJP
【FI】
F21S8/10 373
F21S8/10 173
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-60469(P2012-60469)
(22)【出願日】2012年3月16日
(65)【公開番号】特開2013-196844(P2013-196844A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2015年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
(72)【発明者】
【氏名】水安 吉孝
(72)【発明者】
【氏名】平林 晋太郎
(72)【発明者】
【氏名】鉾田 和晃
【審査官】
石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−294013(JP,A)
【文献】
特開2001−243812(JP,A)
【文献】
特開平10−334705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10
F21V 17/00−17/10
B29C 65/16
B23K 26/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光に対して透過性を有する光透過樹脂からなるレンズに設けられた環状のリブの先端部と、レーザ光に対して吸収性を有する光吸収樹脂からなるハウジングに設けられた環状の支台部の上部とを前記レンズを透過したレーザ光により溶着接合するレーザ溶着工程に関わる車両用灯具の製造方法であって、
前記リブは先端部の両縁部に面取り部が形成され、
前記レーザ光はガウス分布からなる光エネルギー分布を有し、
前記リブの先端部の幅は、前記レーザ光のピーク光エネルギーに対する相対光エネルギーが25%以上の円状領域の直径に相当し、
前記面取り部の夫々の面取り量は、前記レーザ光のピーク光エネルギーに対する相対光エネルギーが25%以上50%未満の環状領域の幅に相当することを特徴とする車両用灯具の製造方法。
【請求項2】
前記面取り部の面取り面は、平面又は外側に凸状の湾曲面であることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具の製造方法。
【請求項3】
前記リブ先端部の前記面取り部以外の面は、平面又は所定の曲率半径のR面からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用灯具の製造方法。
【請求項4】
前記リブ先端部の幅は、1.8〜3.0mmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両用灯具の製造方法。
【請求項5】
前記レーザ光は、ガルバノスキャナ方式のレーザスキャンヘッドを用いて走査されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の車両用灯具の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具及び車両用灯具の製造方法に関するものであり、詳しくは、車両用灯具を構成するレンズとハウジングがレーザ溶着されてなる車両用灯具及びそのレーザ溶着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用灯具を構成するレンズとハウジングをレーザ照射により溶着する方法については、例えば、特許文献1に具体的な方法が開示されている。
【0003】
その溶着方法とは、
図9にあるように、一端開口を有するハウジング80の開口端面をハウジング80側の溶着面とし、レーザ透過性を有するプラスチックからなり溶着脚81を有するレンズ82の溶着脚81の先端面をレンズ82側の溶着面とし、互いの溶着面同士を接触させた状態でレーザヘッド86からのレーザ光83をレンズ82の溶着脚を通して接触部に照射することにより互いの溶着面を溶融して溶着接合するものである。
【0004】
この場合、レンズ82の溶着面とハウジング80の溶着面の一方又は両方に微細な凸凹を形成し、レーザ溶着の際に互いの溶着面同士を相対的な押圧状態とすることにより押し潰された凸部の潰れカス84、85がレーザ光83を吸収して加熱・溶融され、溶融した潰れカス84、85が溶着面同士の加熱・溶融と共に相溶融状態となって溶着面同士の溶着接合を強固なものとする、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−339989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のレーザ照射による溶着方法は、レンズ82の溶着面の全面とハウジング80の溶着面の全面の夫々の全面同時が対峙した状態でレーザ溶着を行うものである。その場合、レーザ光83は、エネルギー分布が中央部で高く外周部で低いガウス分布となるため、対峙した溶着面同士の中央部には強い光エネルギーが照射されるが端部には中央部に比較して弱い光エネルギーが照射される。
【0007】
すると、溶着面同士の中央部が相溶融状態であっても端部は一方又は両方の溶着面が未溶融状態となる可能性がある。そのため、溶着面同士を相対的な押圧状態にしてレーザ照射しても、確実な溶着接合が確保できない恐れがある。
【0008】
そこで、本発明は上記問題に鑑みて創案なされたもので、その目的とするところは、レーザ照射によってレンズとハウジングが確実に溶着接合されてなる車両用灯
具の溶着方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載された発明は、レーザ光に対して透過性を有する光透過樹脂からなるレンズに設けられた環状のリブの先端部と、レーザ光に対して吸収性を有する光吸収樹脂からなるハウジングに設けられた環状の支台部の上部とを前記レンズを透過したレーザ光により溶着接合するレーザ溶着工程に関わる車両用灯具の製造方法であって、前記リブは先端部の両縁部に面取り部が形成され、前記レーザ光はガウス分布からなる光エネルギー分布を有し、前記リブの先端部の幅は、前記レーザ光のピーク光エネルギーに対する相対光エネルギーが25%以上の円状領域の直径に相当し、前記面取り部の夫々の面取り量は、前記レーザ光のピーク光エネルギーに対する相対光エネルギーが25%以上50%未満の環状領域の幅に相当することを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載された発明は、請求項1において、前記面取り部の面取り面は、平面又は外側に凸状の湾曲面であることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項3に記載された発明は、請求項1又は請求項2において、前記リブ先端部の前記面取り部以外の面は、平面又は所定の曲率半径のR面からなることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項4に記載された発明は、請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、前記リブ先端部の幅は、1.8〜3.0mmの範囲にあることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項5に記載された発明は、請求項1〜請求項4のいずれかにおいて、前記レーザ光は、ガルバノスキャナ方式のレーザスキャンヘッドを用いて走査されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
光透過樹脂からなるレンズに設けられた環状のリブの先端部と、光吸収樹脂からなるハウジングに設けられた環状の支台部の上部とを、ガウス分布からなる光エネルギー分布を有するレーザ光により溶着接合するにあたり、リブの幅をレーザ光のピーク光エネルギーに対する相対光エネルギーが25%以上の円状領域の直径に相当する幅とし、リブの先端部の両縁部に面取り部を形成してその面取り量をレーザ光のピーク光エネルギーに対する相対光エネルギーが25%以上50%未満の環状領域の幅に相当する量とした。
【0016】
これにより、支台部の上部とリブの先端部とのレーザ照射による相溶融状態において、リブの先端部が支台部の上部に沈み込んで溶着接合が強固なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図4】レーザ光の光エネルギー分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の好適な実施形態を
図1〜
図8を参照しながら、詳細に説明する(同一部分については同じ符号を付す)。尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限られるものではない。
【0019】
車両用灯具1は、例えば、
図1(車両用灯具の縦断面説明図)に示すように、レンズ10とハウジング20とで密閉空間の灯室30が形成され、灯室30内に光源40が収容された構成とされる。
【0020】
レンズ10は
図2(レンズの断面説明図)のように、光源40からの出射光や後述するハウジング20との溶着工程で用いられるレーザ光に対して透過性を有する光透過樹脂(例えば、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)樹脂)、ポリカーボネート樹脂等)からなり、光源40からの出射光を透過して前方方向に向かって照射する意匠面部11と該意匠面部11の一方の面の環状の縁部から立ち上がって所定の方向に延設された環状のリブ12を備えている。
【0021】
一方、ハウジング20は
図3(ハウジングの断面説明図)のように、レーザ光に対して吸収性を有する光吸収樹脂(例えば、ASA(アクリロニトリルスチレンアクリレート)樹脂等)からなり、有底開口の底部21に光源40を装着する光源装着部22を有する共に開口23の環状の開口端部に環状の支台部24を備えている。
【0022】
そして、ハウジング20の環状の支台部24にレンズ10の環状のリブ12をレーザ光により溶着することで密閉空間からなる灯室30を形成し、ハウジング20の底部21の光源装着部22に光源40を装着して該光源40を灯室30内に収容する。
【0023】
そこで、ハウジング20の支台部24にレンズ10のリブ12を環状の全周に亘ってレーザ溶着するにあたっては、レーザ光の光エネルギー分布とリブ12の先端形状寸法との最適化が図られる。
【0024】
まず、レーザ溶着に用いられるレーザ光は、
図4(レーザ光の光エネルギー分布)に示すように、光エネルギー分布が中央部で高く外周部で低いガウス分布を呈するものである。そこで、溶着に際しては、レーザ光の光エネルーが強い部分を用い、光エネルギーのピーク値を100%としたときの、相対光エネルギーが100%〜25%の範囲の領域を使用する。
【0025】
つまり、
図4の光エネルギー分布において相対光エネルギーが25%以上となるレーザ光の円状領域(直径D1)が、レンズ10のリブ12の幅dと同一となるように設定する。すると、レーザ光の照射時には、リブ12にはレーザ光の相対光エネルギーの25%以上の部分が照射されることになり、相対光エネルギーが25%未満と弱く溶着に寄与しにくい部分は溶着には用いられず、これにより一定以上の溶着効率が確保される。
【0026】
ちなみに、相対光エネルギーが50%以上となる円状領域(直径D2)はD2=D1×0.7、つまりD1の70%の径となる。
【0027】
また、ハウジング20の支台部24の上面(溶着面)25とで溶着部を形成するリブ12の先端面(溶着面)13は、上記背景技術における課題として述べたように、互いの溶着面が全面において対峙接触した状態でレーザ溶着を行うと、中央部には強い光エネルギーが照射されるが端部には中央部に比較して弱い光エネルギーが照射されることになり、溶着面同士を相対的な押圧状態にしてレーザ照射しても、ハウジングの溶融部に対するレンズの溶融部の沈み込みが未溶融状態の端部によって抑制され、確実な溶着接合が確保できない恐れがある。
【0028】
そこで本発明においては、
図5(リブの断面説明図)のように、幅dのリブ12の先端両縁に環状に沿う面取りを施して面取り部14を形成し、リブ12の先端両縁から夫々幅方向の距離wの位置から立ち上がって幅方向の外側に傾斜する傾斜面15を形成している。また、リブ先端面13の幅dは、支台部上面25の幅よりも狭い。
【0029】
リブ12の傾斜面15が立ち上がるリブ12の先端両縁からの距離wは、
図4の光エネルギー分布において相対光エネルギーが25%以上で50%未満となるレーザ光の環状領域(環状幅D3)と同一となるように設定する。
【0030】
つまり、レーザ光の照射時には、リブ12の傾斜面15にはレーザ光の相対光エネルギーの25%以上で50%未満の部分が照射されることになる。言い換えると、光エネルギー分布において相対光エネルギーが50%以上となるレーザ光の円状領域(直径D2)が、レンズ10のリブ12の幅dに対して(d−2w)と同一となるように設定される。なお、レーザ光の分布パターンを示すスポット径は、リブ先端中央部(d−2w)の幅に対し1.3倍以上のものを用いる。
【0031】
この場合、ガウス分布からなるレーザ光の光エネルギー分布より、リブ12の先端部において相対光エネルギー50%以上のレーザ光が照射される領域の幅(d−2w)は、上述のようにリブ12の幅dの70%の幅の部分となる。つまり、リブ12の傾斜面15が立ち上がるリブ12の先端両縁からの距離wは、リブ12の幅の15%の距離となる。なお、リブ12の先端面13から、傾斜面15がリブ12の側面16に交差する位置までの距離vは、リブ12の傾斜面15が立ち上がるリブ12の先端両縁からの距離wと同一である。
【0032】
つまり、傾斜面15は、リブ12の先端両縁を面取り量(C)をwとする面取りで形成した面取り面である。なお、リブ12の先端中央部の、相対光エネルギー50%以上のレーザ光が照射される幅(d−2w)の部分、すなわち先端中央部は支台部24に沈み込み溶着する部分となる。この先端中央部は本実施形態のように平面に限られるものではなく、
図6(リブの断面説明図)のように、所定の曲率半径のR形状としてもよい。更に、傾斜面は本実施形態のように平面に限られるものではなく、
図7(リブの断面説明図)のように、所定の曲率半径Rの凸状の湾曲面あるいは曲率半径Rを有しない凸状の湾曲面であってもよい。
【0033】
また、リブ12の幅dは、成形時の成形樹脂量の省量化、車両用灯具を構成したときの強度等を考慮して、1.8〜3.0mmの範囲で設定される。1.8mmより小さいと溶着部の面積が小さくなり溶着強度が低下して好ましくない。2.5mmを超えると大型の車両用灯具の全周囲に対して離れた固定位置からレーザ照射を行うと、離れた溶着箇所においてはエネルギー量が低下して溶着性が低減する。3.0mmを超えるためにはレーザ光のスポット径を3.5mmφ以上と大きくしなければならない。レーザ光のスポット径をこれよりも大きくすると、レーザ発生装置の大型化によるコストアップが顕著になる。また、車両用灯具のシール幅が広くなり灯具全体の重量を重くすることになるので好ましくないからである。
【0034】
次に、レンズ10とハウジング20の溶着方法について説明する。
【0035】
まず、
図8(a)のように、上述のレンズ10とハウジング20を対向配置して夫々の溶着面13、25同士を対峙させて互いに当接させ、互いの溶着面13、25同士を相対的な押圧状態に保持する。
【0036】
次に、
図8(b)に示すように、対向配置したレンズ10とハウジング20の該レンズ10側の上方に配設された、ガルバノスキャナ方式のレーザスキャンヘッド(図示せず)からレンズ10のリブ12に向かって環状にレーザ光Lを照射する。このレーザ照射は環状のリブ12に沿って複数回繰り返して走査される。
【0037】
すると、レーザスキャンヘッドからレンズ10のリブ12に向けて出射したレーザ光Lは、レーザ光Lを透過する光透過樹脂からなるレンズ10の意匠面部11及びリブ12を透過して該リブ12の先端面13から出射し、その出射光が該先端面13に対面接触した、光吸収樹脂からなるハウジング20の支台部24の上面25に到達照射する。
【0038】
すると、ハウジング20の支台部24の上面25の、リブ12の先端面13が接触する領域近傍のレーザ光Lが照射された部分は、該レーザ光Lのエネルギーを吸収して発熱し溶融する。この溶融部は、熱膨張により体積が増加し、その体積増加分が対面接触したレンズ10のリブ12の先端面13側に膨出する。
【0039】
このとき、レンズ10のリブ12の先端面13とハウジング20の支台部24の上面25とは互いに押圧保持状態にある。そのため、レンズ10のリブ12の先端面13側に膨出した溶融部は、該溶融部の熱膨張力がそのままレンズ10のリブ12の先端面13に伝わり、その熱膨張力を受けたリブ12先端面13の近傍に溶融部の熱が伝達されてその部分が加熱溶融し、溶融部が形成される。
【0040】
すると、ハウジング20の支台部24の溶融部とレンズ10のリブ12の溶融部とが相溶融状態となり、その溶融部同士が融合して溶融接合部50を形成する。それと同時に、押圧によってレンズ10のリブ12の先端部の途中までがハウジング20の支台部24の溶融接合部50に沈み込む。
【0041】
上述の複数回の繰り返しのレーザ照射では、主にレーザ光の光エネルギーが50%以上の領域がリブ12の中央部の幅(d−2w)の範囲に照射されてその領域を含めた近傍が加熱溶融され、レーザ光の光エネルギーが25%以上で50%の未満の領域が照射されたリブ12の傾斜面(幅w)の根元側は、溶融まではいかないが余熱が蓄積される。
【0042】
そして、レーザ光Lによる次の複数回の繰り返しの照射によって、
図8(c)のように、それまでの複数回の繰り返しのレーザ照射で余熱が蓄積されたリブ12の傾斜面(幅w)15の部分も次の繰り返しのレーザ照射で加熱溶融し、レンズ10のリブ12の先端部全体の溶融部とハウジング20の支台部24の溶融部とが相溶融状態となり、その溶融部同士が融合して溶融接合部50を形成する。それと同時に、押圧によってレンズ10のリブ12の先端部全体がハウジング20の支台部24の溶融接合部50に沈み込む。
【0043】
これにより、レンズ10のリブ12とハウジング20の支台部24の夫々の溶着面13、25同士の溶着接合が強固なものとなってレンズ10とハウジング20が確実に気密固定され、高い信頼性を確保することができる。
【0044】
以上説明したように、本発明はハウジング20の支台部24とでレーザ照射による溶着接合部を形成するリブ12の先端部形状を、両縁部に面取り部14を設けた両縁部面取り形状とした。そして、リブ12に沿って環状に走査されるレーザ光による最初の複数回の繰り返し照射において、リブ12の先端部の中央部にレーザ光の相対光エネルギー50%以上の部分を照射してリブ12の先端中央部を加熱溶融し、最初の複数回の繰り返しのレーザ照射で余熱されたリブ12の両縁の面取り部14に、レーザ光の走査タイミングをずらした次の複数回の繰り返しのレーザ照射において、レーザ光の相対光エネルギー25%以上50%未満の部分を照射してリブ12の両縁部の面取り部14を加熱溶融した。
【0045】
これにより、リブ12の中央部と両縁部の面取り部14がいずれも確実に加熱溶融されると共にリブ12の先端部全体が均等に加熱溶融され、リブ12の先端部全体が、ハウジング20の支台部24との相溶融状態にある溶融接合部50を介して該支台部24内に沈み込み、レンズ10のリブ12とハウジング20の支台部24の夫々の溶着面13、25同士の溶着接合を強固なものとすることができる。
【符号の説明】
【0046】
1… 車両用灯具
10… レンズ
11… 意匠面部
12… リブ
13… 先端面(溶着面)
14… 面取り部
15… 傾斜面
16… 側面
20… ハウジング
21… 底部
22… 光源装着部
23… 開口
24… 支台部
25… 上面(溶着面)
30… 灯室
40… 光源
50… 溶融接合部