特許第5941719号(P5941719)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5941719
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】ネットワークシステム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20160616BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
   H04Q9/00 301D
   H04M11/00 301
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-68935(P2012-68935)
(22)【出願日】2012年3月26日
(65)【公開番号】特開2013-201617(P2013-201617A)
(43)【公開日】2013年10月3日
【審査請求日】2015年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183369
【氏名又は名称】住友精密工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 紅葉
【審査官】 松平 英
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−054834(JP,A)
【文献】 特開2010−028377(JP,A)
【文献】 特開2012−039182(JP,A)
【文献】 特開2005−322475(JP,A)
【文献】 特開2006−050524(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/006576(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03J 9/00−9/06
H04B 7/24−7/26
H04M 3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
H04Q 9/00−9/16
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ機器と、該ユーザ機器に有線により接続される複数のノード装置とを備え、該ノード装置間で無線通信を行うネットワークシステムであって、
前記複数のユーザ機器は、マスタ機として機能するマスタユーザ機器と、スレーブ機として機能するスレーブユーザ機器とを含み、
前記複数のノード装置は、前記マスタユーザ機器に有線により接続される基地局ノード装置と、前記スレーブユーザ機器としてのセンサに有線により接続される第1のノード装置と、別の前記スレーブユーザ機器としての電子機器に有線により接続される第2のノード装置とを含み、
前記マスタユーザ機器は、前記センサが取得した情報に基づいて前記電子機器をフィードバック制御するものであり、
前記マスタユーザ機器は、前記電子機器へ該電子機器の状態を第1の状態に変更する第1電文を送信するときに、該第1の状態に変更された該電子機器の状態を所定の待機時間経過後に第2の状態に変更する第2電文も送信し、
前記電子機器に接続された前記第2のノード装置は、前記第1電文を受信すると、該第1電文を該電子機器に送信する一方、前記第2電文を受信すると、前記待機時間経過後に該第2電文を該電子機器に送信するネットワークシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワークシステムにおいて、
前記マスタユーザ機器は、前記電子機器を前記第1の状態に維持させる場合には、該第1の状態を維持させるための電文を前記待機時間が経過する前に送信するネットワークシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のネットワークシステムにおいて、
前記第2の状態は、前記第1の状態よりも消費電力が少ない状態又はオフ状態であるネットワークシステム。
【請求項4】
複数のユーザ機器と、該ユーザ機器に有線により接続される複数のノード装置とを備え、前記複数のユーザ機器は、マスタ機として機能するマスタユーザ機器と、スレーブ機として機能するスレーブユーザ機器とを含み、前記複数のノード装置は、前記マスタユーザ機器に有線により接続される基地局ノード装置と、前記スレーブユーザ機器としてのセンサに有線により接続される第1のノード装置と、別の前記スレーブユーザ機器としての電子機器に有線により接続される第2のノード装置とを含み、前記マスタユーザ機器は、前記センサが取得した情報に基づいて前記電子機器をフィードバック制御するものであり、前記ノード装置間で無線通信を行うネットワークシステムにおいて、前記マスタユーザ機器から前記電子機器へ電文を送信して該電子機器の状態を制御する制御方法であって、
前記マスタユーザ機器が、前記電子機器の状態を変更するための電文を送信する送信工程と、
前記電子機器の接続された前記第2のノード装置が、前記マスタユーザ機器からの電文を受信して、該電文を該電子機器に送信する受信工程とを含み、
前記送信工程においては、前記電子機器の状態を第1の状態に変更する第1電文を送信するときに、該第1の状態に変更された該電子機器の状態を所定の待機時間経過後に第2の状態に変更する第2電文も送信し、
前記受信工程においては、前記電子機器に接続された前記第2のノード装置は、前記第1電文を受信すると、該第1電文を該電子機器に送信する一方、前記第2電文を受信すると、前記待機時間経過後に該第2電文を該電子機器に送信する制御方法。
【請求項5】
請求項に記載の制御方法において、
前記送信工程では、前記電子機器を前記第1の状態に維持する場合には、前記マスタユーザ機器が該第1の状態を維持させるための電文を前記待機時間が経過する前に送信する制御方法。
【請求項6】
請求項又はに記載の制御方法において、
前記第2の状態は、前記第1の状態よりも消費電力が少ない状態又はオフ状態である制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のノード装置を備えたネットワークシステム及び該ネットワークシステムにおける制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数のノード装置を備えたアドホックネットワークシステムが知られている。例えば、特許文献1には、センサ同士を無線で接続し、複数のセンサが自律的に中継処理することでネットワークを構築するセンサネットワークシステムが開示されている。このネットワークシステムの各ノードには、他のノードとの通信を可能とする無線通信部が設けられている。無線通信部は、当該ノード内のセンサ部と通信可能に接続されており、センサ部からの受信信号を他のノードと無線通信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−253359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、様々なユーザ機器をこのようなネットワークシステムに接続したいという要求がある。この要求を実現するためには、特許文献1に係るネットワークシステムにおいて、無線通信部とセンサ部とを切り離し可能に構成する必要がある。すなわち、互いにネットワークを構築する複数のノード装置を設け、ノード装置のそれぞれにユーザ機器を接続可能に構成する必要がある。この構成によれば、ノード装置に接続するユーザ機器を変えることによって、様々なユーザ機器をネットワークシステムに接続することができる。
【0005】
かかる構成においては、複数のノード装置間の通信は、無線通信であるため、通信環境によっては有線に比べて不安定となり得る。一のユーザ機器から他のユーザ機器へ電文を送信して、該他のユーザ機器の状態を制御する際に、電波が途絶してしまうと、該他のユーザ機器の状態を制御できなくなる。
【0006】
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、通信環境が悪い環境においてもユーザ機器の制御を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに開示されたネットワークシステムは、複数のユーザ機器と、該ユーザ機器に有線により接続される複数のノード装置とを備え、該ノード装置間で無線通信を行うものである。ここで、前記複数のユーザ機器は、マスタ機として機能するマスタユーザ機器と、スレーブ機として機能するスレーブユーザ機器とを含み、前記複数のノード装置は、前記マスタユーザ機器に有線により接続される基地局ノード装置と、前記スレーブユーザ機器としてのセンサに有線により接続される第1のノード装置と、別の前記スレーブユーザ機器としての電子機器に有線により接続される第2のノード装置とを含み、前記マスタユーザ機器は、前記センサが取得した情報に基づいて前記電子機器をフィードバック制御するものである。そして、前記マスタユーザ機器は、前記電子機器へ該電子機器の状態を第1の状態に変更する第1電文を送信するときに、該第1の状態に変更された該電子機器の状態を所定の待機時間経過後に第2の状態に変更する第2電文も送信し、前記電子機器に接続された前記第2のノード装置は、前記第1電文を受信すると、該第1電文を該電子機器に送信する一方、前記第2電文を受信すると、前記待機時間経過後に該第2電文を該電子機器に送信するものとする。
【0008】
前記の構成によれば、前記マスタユーザ機器は、前記センサが取得した情報に基づいて前記電子機器をフィードバック制御するものであり、前記電子機器を第1の状態に変更する第1電文を送信する際に、第1の状態に変更された該電子機器を所定待機時間経過後に第2の状態に変更する電文を前もって送信しておく。そのため、電子機器が第1の状態に変更された後に電波途絶が生じたとしても、待機時間経過後には電子機器を第2の状態に変更することができる。つまり、電子機器を第1の状態が変更されるということは、前記第1電文が電子機器に到達したことを意味し、つまりは、通信環境は良好であることを意味する。そのため、第1電文を送信するときに、電子機器を将来的に第2の状態にするための第2電文を予め送信しておく。次に変更する状態や電波途絶が生じたときに変更すべき状態が予め決まっていれば、かかる状態を第2の状態として設定すればよい。これにより、電子機器を第1の状態に変更した後に電波途絶が生じたとしても、電子機器の状態を第1の状態のままではなく、第2の状態に変更することができる。
【0009】
また、ここに開示された制御方法は、複数のユーザ機器と、該ユーザ機器に有線により接続される複数のノード装置とを備え、前記複数のユーザ機器は、マスタ機として機能するマスタユーザ機器と、スレーブ機として機能するスレーブユーザ機器とを含み、前記複数のノード装置は、前記マスタユーザ機器に有線により接続される基地局ノード装置と、前記スレーブユーザ機器としてのセンサに有線により接続される第1のノード装置と、別の前記スレーブユーザ機器としての電子機器に有線により接続される第2のノード装置とを含み、前記マスタユーザ機器は、前記センサが取得した情報に基づいて前記電子機器をフィードバック制御するものであり、前記ノード装置間で無線通信を行うネットワークシステムにおいて、前記マスタユーザ機器から前記電子機器へ電文を送信して該電子機器の状態を制御するものである。そして、この制御方法は、前記マスタユーザ機器が、前記電子機器の状態を変更するための電文を送信する送信工程と、前記電子機器の接続された前記第2のノード装置が、前記マスタユーザ機器からの電文を受信して、該電文を該電子機器に送信する受信工程とを含み、前記送信工程においては、前記電子機器の状態を第1の状態に変更する第1電文を送信するときに、該第1の状態に変更された該電子機器の状態を所定の待機時間経過後に第2の状態に変更する第2電文も送信し、前記受信工程においては、前記電子機器に接続された前記第2のノード装置は、前記第1電文を受信すると、該第1電文を該電子機器に送信する一方、前記第2電文を受信すると、前記待機時間経過後に該第2電文を該電子機器に送信するものとする。
【0010】
前記の構成によれば、前記マスタユーザ機器は、前記センサが取得した情報に基づいて前記電子機器をフィードバック制御するものであり、前記電子機器を第1の状態に変更する第1電文を送信する際に、第1の状態に変更された該電子機器を所定待機時間経過後に第2の状態に変更する電文を前もって送信しておく。そのため、電子機器が第1の状態に変更された後に電波途絶が生じたとしても、待機時間経過後には電子機器を第2の状態に変更することができる。つまり、電子機器を第1の状態が変更されるということは、前記第1電文が電子機器に到達したことを意味し、つまりは、通信環境は良好であることを意味する。そのため、第1電文を送信するときに、電子機器を将来的に第2の状態にするための第2電文を予め送信しておく。次に変更する状態や電波途絶が生じたときに変更すべき状態が予め決まっていれば、かかる状態を第2の状態として設定すればよい。これにより、電子機器を第1の状態に変更した後に電波途絶が生じたとしても、電子機器の状態を第1の状態のままではなく、第2の状態に変更することができる。
【発明の効果】
【0011】
前記ネットワークシステムによれば、電子機器を第1の状態に変更した後に電波途絶が生じたとしても、電子機器の状態を第1の状態のままではなく、第2の状態に変更することができる。
【0012】
前記制御方法によれば、電子機器を第1の状態に変更した後に電波途絶が生じたとしても、電子機器の状態を第1の状態のままではなく、第2の状態に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係るネットワークシステムの概略図である。
図2】ノード装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
−システムの概要−
図1は、本発明の例示的実施形態を用いたネットワークシステム100の概略図である。システム100は、無線アドホックネットワークである。このシステム100は、近接する小型無線端末が自律的にネットワークを構築するよう構成される。システム100は、複数のノード装置110,110,…と、ユーザ機器120,120,…とを備えている。各ノード装置110には、ユーザ機器120が接続されている。ユーザ機器としては、PC(パーソナルコンピュータ)120A、電子機器120B、センサ120C等が含まれる(以下、各ユーザ機器を区別しないときには、単に、「ユーザ機器120」と称する)。
【0016】
複数のユーザ機器においては、PC120Aがマスタ機として機能し、それ以外の電子機器120B,120B,…及びセンサ120C,120C,…がスレーブ機として機能する。つまり、PC120Aが、電子機器120B,120B,…及びセンサ120C,120C,…を一方的に制御する。以下、PC120Aをマスタユーザ機器120Aと、電子機器120Bをスレーブユーザ機器120Bと、センサ120Cをスレーブユーザ機器120Cとも称する。各ユーザ機器120は、固有の機器IDを有している。以下、特定の機器IDの電子機器120B又はセンサ120Cについて言及するときには、符号「120B」,「120C」の後に機器IDを括弧書きで付す。例えば、電子機器120Bの機器IDが「1」の場合は、電子機器120B(1)のように表す。
【0017】
複数のノード装置110,110,…間は、無線で結合される。すなわち、複数のノード装置110,110,…は、無線ネットワークを構築している。複数のノード装置110,110,…には、1つの基地局ノード装置110Aと、複数の子ノード装置110B,110B,…とが含まれている。基地局ノード装置110Aが親機であり、子ノード装置110Bが子機である。基地局ノード装置110Aには、前記マスタユーザ機器120Aが接続されている。子ノード装置110Bには、前記スレーブユーザ機器120B,120Cが接続されている。以下、各ノード装置を区別しないときには、単に、「ノード装置110」と称する。
【0018】
各ノード装置110は、固有のノードIDを有している。基地局ノード装置110AのノードIDは、「0」であり、子ノード装置110BのノードIDは、「0」以外の数字である。以下、特定のノードIDのノード装置110について言及するときには、符号「110」,「110A」,「110B」の後にノードIDを括弧書きで付す。
【0019】
複数のノード装置110,110間の無線リンクは、例えば、2.4GHz帯を用いたIEEE802.15.4に準拠する短距離無線ネットワークであり得る。このIEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network)又はWPAN(Wireless Personal Area Network)と呼ばれる無線通信規格の一つであり、低コスト・低消費電力で、高い信頼性とセキュリティを持つ。また、無線リンクは、上述の特定の無線ネットワークに限定されず、典型的にはパケットの形で情報をやりとりできる任意の適切なネットワークであり得る。
【0020】
また、ノード装置110は、自動中継機能を有し、通信環境を察知して自律的にネットワークを構成し得る。例示的なネットワークは、真メッシュであり、ホップ数も実質的に無制限である。換言すれば本発明の実施形態は、マルチホップの無線ネットワークを使用可能である。こうして、1つのノード装置110を1つの無線端末として、無線アドホックネットワークが構築される。
【0021】
ノード装置110は、基板上に取り付けられた、半導体素子を含む回路要素群によって典型的には実現され得る。典型的には、ノード装置110は、ユーザ機器からのアナログ信号、及び無線ネットワークのための高周波信号を扱うアナログ回路と、MCUを主要素とするデジタル回路との組み合わせによって実現され得る。
【0022】
ノード装置110の制御は、典型的にはソフトウェアによって実現され得る。すなわち、ノード装置110の制御は、典型的にはコンピュータで読み取り可能な媒体に記憶されたソフトウェアによって実現され得る。コンピュータで読み取り可能な媒体には、ハードディスクドライブ、半導体メモリ等がある。代替として、ノード装置110の制御は、ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせ、又はハードウェアのみによって実現され得る。
【0023】
電子機器120Bは、各種の電子機器である。例えば、電子機器120B(1)は、空調機本体121と、該空調機本体121を制御する制御部122とを有する空調機である。電子機器120B(2)は、恒温槽本体123と、該恒温槽本体123を制御する制御部124とを有する恒温槽である。電子機器120B(3)は、照明本体125と、該照明本体125を制御する制御部126とを有する照明装置である。以下、電子機器120B(1)を空調機120B(1)と、電子機器120B(2)を恒温槽120B(2)と、電子機器120B(3)を照明装置120B(3)とも称する。制御部122,124,126に、子ノード装置110B(1)が結合されている。電子機器120Bは、PC120Aからの電文を受け取って、該電文に応じた様々な処理を実行する。例えば、空調機120B(1)では、制御部122がPC120Aからの電文に応じて、空調機本体121をオン/オフしたり、空調機本体121の設定温度を変更したりする。恒温槽120B(2)では、制御部124がPC120Aからの電文に応じて、恒温槽本体123をオン/オフしたり、恒温槽本体123の設定温度を変更したりする。照明装置120B(3)では、制御部126がPC120Aからの電文に応じて、照明本体125をオン/オフしたり、照明本体125の調光を実行したりする。
【0024】
センサ120Cは、各種の物理量(温度、湿度、電流、電圧、電力等)を計測・検出するものであって、任意の適切な計測機器であり得る。例えば、センサ120C(11)は、空調機120B(1)で温度制御される部屋の温度を測定する温度センサである。センサ120C(12)は、恒温槽本体123の温度を測定する温度センサである。センサ120C(13)は、照明装置120B(3)の近傍に設けられた人感センサである。以下、センサ120C(11)を温度センサ120C(11)と、センサ120C(12)を温度センサ120C(12)と、センサ120C(13)を人感センサ120C(13)と称することもある。センサ120Cは、PC120Aからの電文を受け取って、該電文に応じた様々な処理を実行する。例えば、温度センサ120C(1),120C(3)は、PC120Aからの電文に応じて、温度の検出値を返信するように構成されている。人感センサ120C(2)は、PC120Aからの電文に応じて、人を検知しているか否かを返信するように構成されている。
【0025】
電子機器120B及びセンサ120Cはそれぞれ、子ノード装置110Bに有線で結合される。子ノード装置110B、電子機器120B及びセンサ120Cは、共通の通信規格(本実施形態では、RS485)のインタフェースを有している。すなわち、電子機器120Bは、RS485ケーブルを介して子ノード装置110Bに接続されている。尚、通信規格は、RS485に限られるものではなく、RS422、RS232C、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)等であってもよい。
【0026】
尚、PC120Aは、電子機器120B及びセンサ120Cの通信規格に対応させるべく、基地局ノード装置110Aと、USB−RS485コンバータを介して有線で接続される。尚、基地局ノード装置110Aに接続されるユーザ機器120が、他のユーザ機器120と共通の通信規格を本来的に有する場合には、USB−RS485コンバータのような変換装置をユーザ機器120に設ける必要はない。
【0027】
また、PC120A、電子機器120B及びセンサ120Cは、共通のプロトコルを有している。そのため、PC120Aと電子機器120B及びセンサ120Cとは、互いに電文のやりとりを行うことができる。詳しくは、PC120Aは、電子機器120Bに対する種々の電文を出力する。PC120Aからの電文は、ノード装置110,110,…で構築されたネットワークシステムを介して、電子機器120B及びセンサ120Cへ送信される。また、PC120Aは、ノード装置110,110,…で構築されたネットワークシステムを介して、電子機器120B及びセンサ120Cからの応答電文を受信する。
【0028】
ノード装置110は、電文を送信するときには、該電文を含むパケットを生成し、該パケットを変調して送信する。また、ノード装置110は、パケットを受信したときには、該パケットを復調して、該パケットから電文を読み出す。ノード装置110の無線信号の符号化及び変調・復調のための方式には様々なものがある。本実施形態では、上述のIEEE802.15.4に準拠した方式が用いられる。
【0029】
PC120Aは、例えば、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)を備えるソフトウェアを用いて、センサ120Cから受け取られたデータを視覚的に表示したり、統計的に処理したりできる。また、PC120Aは、例えば、ソフトウェアを用いて、電子機器120Bに様々な制御信号を送信することができる。PC120Aは、センサ120Cから受け取ったデータに基づいて、電子機器120Bへの制御信号を作成し得る。前記ソフトウェアは、例えば通信状態の確認、データの数値表示、グラフ表示、値の分布カラーマッピング、データの記録、データのエクスポート、端末設定の変更等を行うことができる。
【0030】
−ノード装置のハードウェア構成−
図2は、本発明の例示的実施形態のために用いられるノード装置110のブロック図である。
【0031】
ノード装置110は、RFユニット410及びアンテナ430を備える。RFユニット410には、ユーザ機器120からのデータが入力される。RFユニット410は、ユーザ機器120が出力した計測データを無線信号に変換して、アンテナ430から他のノード装置110、例えば上流ノード(基地局ノード装置110A等)へ送信する。
【0032】
RFユニット410は、インタフェース440、DC(直流)電源445、MCU(Micro Controller Unit)450、ROM(読み出し専用メモリ)452、RAM(ランダムアクセスメモリ)454、タイマ456、無線送受信部458、RFインタフェース460、及び切替スイッチ470を有する。インタフェース440は、ユーザ機器120によって出力された信号をMCU450が処理できる適当な信号(例えば10ビットデジタル信号)に変換する。このインタフェース440は、ユーザ機器120の通信規格と共通のインタフェースであり、本実施形態では、RS485インタフェースである。DC電源445は、RFユニット410の各機能ブロックに直流電源を供給する。DC電源445は、例えば直流3Vを供給するリチウム電池であり得る。
【0033】
MCU450は、ノード装置110の機能を実現するのに用いられるマイクロプロセッサである。ROM452又はRAM454は、ノード装置110の機能を実現するのに必要なプログラム及びデータを記憶している。タイマ456は、例えば電源をオフにするタイミングを計測し、所定時間が経過したときに、DC電源445からの電源供給を断つようMCU450をトリガする。MCU450は、ROM452、RAM454、及びタイマ456などの周辺素子をその中に含んでもよい。
【0034】
無線送受信部458は、MCU450からのデータを他のノード装置110へ送る応答パケットに変換したり、他のノード装置110から受け取られた要求パケットをデータに変換したりする。RFインタフェース460は、無線送受信部458から出力されたパケットをRF信号に変換し、アンテナに出力したり、アンテナで受け取られたRF信号からパケットを再生し、無線送受信部458に出力したりする。
【0035】
切替スイッチ470は、ノード装置110のノードIDを設定するためのダイヤル式のスイッチである。ノードIDを「0」に設定されたノード装置110が基地局ノード装置として機能する。一方、ノードIDが「0」以外に設定されたノード装置110は、子ノード装置として機能する。
【0036】
尚、機能ブロック群の一部又は全ては、適宜、結合されることによって一体化されて実現されてもよい。例えば、RFユニット410は、ハイブリッドIC(集積回路)として実現されてもよい。さらには、RFユニット410及びアンテナ430を一つの基板に一体化して実現されてもよい。
【0037】
−ネットワーク設定−
ノード装置110は、ネットワーク設定(例えば、通信仕様やプロトコル仕様)を適宜設定することによって、様々な種類のユーザ機器120,120,…に対応可能(即ち、接続可能且つ通信可能)に構成されている。具体的には、ノード装置110は、各種の設定パラメータを有しており、これらの設定パラメータを変更することによって、各種のユーザ機器120と通信が可能となるように構成されている。設定パラメータには、ユーザ機器120の通信仕様に関する通信パラメータと、ユーザ機器120のプロトコル仕様に関するプロトコルパラメータとが含まれる。通信パラメータには、ボーレート(4800bps/9600bps/19200bps/…)、データビット(8ビット/7ビット)、パリティ(なし/奇数/偶数)、ストップビット(1ビット/2ビット)等が含まれる。プロトコルパラメータには、スタートコード(01〜FF)、エンドコード(01〜FF)、エンドコードからパケット終端までのオフセット(0〜9)、先頭から送信先アドレスまでのオフセット(1〜99)、送信先アドレスの長さ(0〜6)、送信先アドレスの表現形式(10進ASCII/16進ASCII/LEバイナリ/BEバイナリ)等が含まれる。
【0038】
−タイマ機能−
ノード装置110は、タイマ機能を有している。ノード装置110は、タイマ付コマンドを受信すると、以下のタイマ処理を実行する。タイマ付コマンドには、待機時間、タイマ回数及び制御コマンドが含まれている。ノード装置110は、待機時間及びタイマ回数が設定可能となっている。待機時間は、ノード装置110がタイマ付コマンドを受信してから制御コマンドをユーザ機器120へ送信するまでの時間である。タイマ回数は、待機時間経過後に制御コマンドをユーザ機器120へ送信するという処理を繰り返して行う回数である。
【0039】
以下、タイマ処理について説明する。ノード装置110は、タイマ付コマンドを受信すると、該タイマ付コマンドに基づいて待機時間及びタイマ回数を設定する。それと共に、ノード装置110は、タイマ付コマンドに含まれる制御コマンドをRAM454に記憶させ且つタイマ456を始動させる。ノード装置110は、タイマ456による計時時間が設定した待機時間を超えると、RAM454に記憶しておいた制御コマンドを読み出し、ユーザ機器120へ送信する。このとき、ノード装置110は、タイマ456をリセットする。設定されたタイマ回数が2回以上であるときには、ノード装置110は、タイマ456を再び始動させる。そして、再び待機時間が経過すると、ノード装置110は、制御コマンドを再びユーザ機器120へ送信する。このように、ノード装置110は、待機時間だけ待機しては制御コマンドを送信するという処理をタイマ回数だけ繰り返す。
【0040】
尚、ノード装置110は、待機中、即ち、待機時間経過する前に新たなタイマ付コマンドを受信すると、タイマ456をリセットすると共に、新たなタイマ付コマンドに基づいてタイマ処理を実行する。
【0041】
−ネットワークの構築−
ノード装置110は、上述の如く、自律的にネットワークを構築する。詳しくは、ノード装置110は、電源がオンされると、ルーティングを開始する。ノード装置110は、隣接するノード装置110にビーコンメッセージ(ルーティングパケットとも呼ばれる)を送信する等して、通信状態が良好なノード装置110との間で通信経路を構築する。各ノード装置110は、それ自身と通信経路を構築する上流側と下流側のノード装置110とを記憶している。本実施形態では、PC120A側を上流とし、PC120Aとは反対側を下流としている。さらに、各ノード装置110は、下流側に結合される全てのノード装置110と該ノード装置110のそれぞれへパケットを伝達するために次に中継すべきノード装置110とを記憶している。ノード装置110は、電源をオンにした直後だけでなく、前記ビーコンメッセージを定期的に送信して、通信状態が良好な通信経路を更新している。
【0042】
−PCによる制御−
以下、PC120Aによる電子機器120Bの制御について説明する。
【0043】
PC120Aは、センサ120Cの検出結果に基づいて電子機器120Bを制御している。例えば、PC120Aは、センサ120Cの検出温度に基づいて、空調機120B(1)が設置された部屋の室温が所定の設定温度となるように、空調機120B(1)をフィードバック制御する。例えば、PC120Aは、室温が上限目標温度を越えると空調機120B(1)をオフ状態とし、室温が下限目標温度を下回ると空調機120B(1)をオン状態とする。
【0044】
詳しくは、PC120Aは、温度センサ120C(11)へ計測データを要求する要求コマンドを生成し、該要求コマンドを基地局ノード装置110Aへ送信する。基地局ノード装置110Aは、要求コマンドを含む要求パケットを生成し、該要求パケットを送信する。基地局ノード装置110Aから送信された要求パケットは、種々の子ノード装置110B(図1では、子ノード装置110B(20)を経由して、子ノード装置110B(11)に到達する。子ノード装置110B(11)は、パケットのペイロードデータの中から要求コマンドを読み出し、該要求コマンドを温度センサ120C(11)に有線で送信する。温度センサ120C(11)は、要求コマンドに応答して、計測データを電文形式の信号に符号化し、該応答コマンドを子ノード装置110B(11)へ返信する。
【0045】
子ノード装置110B(11)は、該応答コマンドを受信すると、応答パケットを生成し、該応答パケットを基地局ノード装置110Aへ送信する。応答パケットは、要求パケットとは逆の流れで、基地局ノード装置110Aまで到達する。
【0046】
基地局ノード装置110Aは、応答パケットのペイロードデータの中から応答コマンドを読み出し、該応答コマンドをPC120Aに有線で送信する。PC120Aは、応答コマンドを受信すると、該応答コマンドを復号化して、計測データを得る。
【0047】
PC120Aは、このようなセンサ120Cの計測データの取得を定期的に行って、空調機120B(1)が設置された部屋の室温を監視している。そして、PC120Aは、室温が上限目標温度を超えると、空調機120B(1)をオフ状態に制御する。一方、PC120Aは、室温が下限目標温度を下回ると、空調機120B(1)をオン状態に制御する。尚、空調機120B(1)自体も、室温を検知し、該室温に基づいて出力を制御している。つまり、PC120Aは、空調機120B(1)とは別に室温を監視し、該室温に基づいて空調機120B(1)を強制的に制御する。
【0048】
詳しくは、PC120Aは、室温が上限目標温度を超える場合には空調機120B(1)をオフ状態に変更するオフコマンドを送信する一方、室温が下限目標温度を下回る場合には空調機120B(1)をオン状態に変更するオンコマンドを基地局ノード装置110Aへ送信する。基地局ノード装置110Aは、PC120Aから送信されたコマンドを含む変更要求パケットを生成し、該変更要求パケットを無線送信する。送信された変更要求パケットは、種々の子ノード装置110B(図1では、子ノード装置110B(7))を経由して、子ノード装置110B(1)に到達する。子ノード装置110B(1)は、受信した変更要求パケットのペイロードデータからコマンドを読み出し、該コマンドを空調機120B(1)へ送信する。空調機120B(1)は、コマンドに応じて状態を変更する。すなわち、制御部122は、オフコマンドを受信したときには、空調機本体121の運転を停止する。また、制御部122は、オンコマンドを受信したときには、空調機本体121の運転を開始する。
【0049】
このように、PC120Aは、温度センサ120C(11)からの検出温度に基づいて空調機120B(1)をフィードバック制御している。
【0050】
ここで、基地局ノード装置110Aと子ノード装置110Bとの間は無線通信であるため、通信環境が悪化した場合等には電波途絶が生じ得る。電波途絶が生じると、コマンドが電子機器120Bまで届かず、PC120Aは電子機器120Bの状態を制御できなくなる。その場合、電子機器120Bは、電波途絶が生じたときの制御状態がずっと継続することになる。電子機器120Bの制御状態によっては、ずっと継続することが好ましくないものもある。例えば、空調機120B(1)をオン状態とした後にオフ状態に変更する際に電波途絶が生じると、空調機120B(1)はオン状態が継続され、電力を消費し続ける。そのため、オン状態が継続することは、省エネの観点からは好ましくない。
【0051】
そこで、PC120Aは、オンコマンドを送信するときに、タイマ付オフコマンドも送信する。詳しくは、PC120Aは、室温が下限目標温度を下回ったときに、オンコマンドに加えて、タイマ付オフコマンドを基地局ノード装置110Aへ送信する。タイマ付オフコマンドは、所定の待機時間経過後に空調機120B(1)をオフ状態に変更する制御を所定のタイマ回数だけ実行させるコマンドである。基地局ノード装置110Aは、オンコマンド及びタイマ付オフコマンドを含む変更要求パケットを生成し、該変更要求パケットを無線送信する。子ノード装置110B(1)は、変更要求パケットを受信すると、該変更要求パケットのペイロードデータからオンコマンド及びタイマ付オフコマンドを読み出す。子ノード装置110B(1)は、オンコマンドを空調機120B(1)へ送信する一方、オフコマンドをRAM454に一時的に記憶する。それと共に、子ノード装置110B(1)は、タイマ付オフコマンドに基づいて待機時間及びタイマ回数を設定し、タイマ処理を開始する。すなわち、子ノード装置110B(1)は、タイマ456の計時を開始する。空調機120B(1)は、オンコマンドを受信すると、オン状態となり、空調機本体121の運転を開始する。
【0052】
その後、PC120Aのフィードバック制御により、子ノード装置110B(1)がオフコマンドを含む変更要求パケットを受信したときには、子ノード装置110B(1)は、空調機120B(1)をオフ状態とすると共に、タイマ456の計時をリセットしてタイマ処理を終了する。
【0053】
一方、子ノード装置110B(1)は、タイマ456の計時時間が前記待機時間を経過するまで、何の変更要求パケットも受信しないときには、RAM454からオフコマンドを読み出し、該オフコマンドを空調機120B(1)へ送信する。空調機120B(1)は、オフコマンドを受信すると、オフ状態となり、空調機本体121の運転を停止する。
【0054】
つまり、子ノード装置110B(1)は、タイマ付オフコマンドを受信してから何のコマンドも受信することなく待機時間が経過したときには、空調機120B(1)を自動的にオフ状態に変更する。こうすることで、空調機120B(1)をオン状態に変更した後に電波途絶が生じて、子ノード装置110B(1)にオフコマンドが到達しない場合であっても、空調機120B(1)を確実にオフ状態とすることができる。その結果、空調機120B(1)をオフ状態にすることができずに電力を消費し続けてしまうということを防止することができる。
【0055】
尚、PC120Aは、タイマ付オフコマンドで設定した待機時間よりも長い間、空調機120B(1)のオン状態を維持させる場合には、タイマ付オフコマンドを送信してから待機時間が経過する前に、状態を維持させるコマンドを送信する。本実施形態では、PC120Aは、タイマ付オフコマンドを再び送信する。すると、基地局ノード装置110Aは、タイマ付オフコマンドを含む変更要求パケットを生成し、該変更要求パケットを無線送信する。子ノード装置110B(1)は、変更要求パケットを受信すると、該変更要求パケットのペイロードデータからタイマ付オフコマンドを読み出す。そして、子ノード装置110B(1)は、タイマ456をリセットして、読み出したタイマ付オフコマンドに基づいてタイマ処理を新たに開始する。このように、子ノード装置110B(1)は、タイマ処理中に新たなタイマ付オフコマンドを受信すると、タイマ処理を更新する。
【0056】
尚、状態を維持させるコマンドは、タイマ付オフコマンドに限られるものではない。状態を維持させるコマンドとして、オンコマンド及びタイマ付オフコマンドを送信してもよいし、オンコマンドだけを送信してもよいし、それ専用のコマンドを送信してもよい。
【0057】
このように、空調機120B(1)がオン状態に変更されるときには、所定の待機時間経過後にオフ状態に変更するタイマ処理も開始される。ここで、空調機120B(1)がオン状態に変更されるということは、オンコマンドが子ノード装置110B(1)へ到達したことを意味し、それはすなわち、電波途絶が生じていないことを意味する。そのため、PC120Aは、オンコマンドを空調機120B(1)へ送信するときには、タイマ付オフコマンドも送信する。オンコマンドが子ノード装置110B(1)に到達するのであれば、タイマ付オフコマンドも子ノード装置110B(1)に到達するからである。もし、このときに電波途絶が生じると、タイマ付オフコマンドが子ノード装置110B(1)に到達しないが、オンコマンドも子ノード装置110B(1)に到達しない。そのため、空調機120B(1)がオン状態に変更されることもなく、省エネの観点からも問題はない。また、タイマ処理は、電波途絶が生じた場合のバックアップとしての機能であるため、空調機120B(1)のオン状態を維持させる場合には、PC120Aから継続のためのコマンドを送信することによって、タイマ処理が更新される。その結果、オフコマンドが子ノード装置110B(1)へ送信されることがなく、空調機120B(1)のオン状態が維持される。
【0058】
尚、PC120Aは、空調機120B(1)へオフコマンドを送信するときには、タイマ付きコマンドを送信しない。
【0059】
以上、空調機120B(1)の例においては、オン状態が第1の状態の一例であり、オフ状態が第2の状態の一例であり、オンコマンドが第1電文の一例であり、タイマ付オフコマンドが第2電文の一例である。
【0060】
次に、恒温槽120B(2)の制御について説明する。PC120Aは、空調機120B(1)の場合と同様に、温度センサ120C(12)からの検出温度に基づいて恒温槽120B(2)をフィードバック制御している。尚、恒温槽120B(2)自体も、恒温槽本体123の温度を検知し、該温度に基づいて出力を制御している。つまり、PC120Aは、恒温槽120B(2)とは別に温度を監視し、該温度に基づいて恒温槽120B(1)を強制的に制御する。恒温槽120B(2)の場合は、電波途絶のためにオフ状態が継続すると、恒温槽本体123の温度を維持できなくなってしまう。そのため、オフ状態が継続することは、恒温槽本来の目的の観点からは好ましくない。
【0061】
そこで、PC120Aは、オフコマンドを送信するときに、タイマ付オンコマンドも送信する。詳しくは、PC120Aは、室温が上限目標温度を上回ったときに、オフコマンドに加えて、タイマ付オンコマンドを基地局ノード装置110Aへ送信する。タイマ付オンコマンドは、所定の待機時間経過後に恒温槽120B(2)をオン状態に変更する制御を所定のタイマ回数だけ実行させるコマンドである。基地局ノード装置110Aは、オフコマンド及びタイマ付オンコマンドを含む変更要求パケットを生成し、該変更要求パケットを無線送信する。子ノード装置110B(1)は、変更要求パケットを受信すると、該変更要求パケットのペイロードデータからオフコマンド及びタイマ付オンコマンドを読み出す。子ノード装置110B(1)は、オフコマンドを恒温槽120B(2)へ送信する一方、オンコマンドをRAM454に一時的に記憶する。それと共に、子ノード装置110B(1)は、タイマ付オンコマンドに基づいて待機時間及びタイマ回数を設定し、タイマ処理を開始する。すなわち、子ノード装置110B(1)は、タイマ456の計時を開始する。恒温槽120B(2)は、オフコマンドを受信すると、オフ状態となり、恒温槽本体123の運転を停止する。
【0062】
その後、PC120Aのフィードバック制御により、子ノード装置110B(1)がオンコマンドを含む変更要求パケットを受信したときには、子ノード装置110B(1)は、恒温槽120B(2)をオン状態とすると共に、タイマ456の計時をリセットしてタイマ処理を終了する。
【0063】
一方、子ノード装置110B(1)は、タイマ456の計時時間が前記待機時間を経過するまで、何の変更要求パケットも受信しないときには、RAM454からオンコマンドを読み出し、該オンコマンドを恒温槽120B(2)へ送信する。恒温槽120B(2)は、オンコマンドを受信すると、オン状態となり、恒温槽本体123の運転を開始する。
【0064】
このように、子ノード装置110B(1)は、タイマ付オンコマンドを受信してから何のコマンドも受信することなく待機時間が経過したときには、恒温槽120B(2)を自動的にオン状態に変更する。こうすることで、恒温槽120B(2)をオフ状態に変更した後に電波途絶が生じて、子ノード装置110B(1)にオンコマンドが到達しない場合であっても、恒温槽120B(2)を確実にオン状態とすることができる。その結果、恒温槽120B(2)をオン状態にすることができずに恒温槽本体123を所定の温度に維持できないということを防止することができる。
【0065】
尚、PC120Aは、タイマ付オンコマンドで設定した待機時間よりも長い間、恒温槽120B(2)のオフ状態を維持させる場合には、タイマ付オンコマンドを送信してから待機時間が経過する前に、状態を維持させるコマンドを送信する。本実施形態では、PC120Aは、タイマ付オンコマンドを再び送信する。すると、基地局ノード装置110Aは、タイマ付オンコマンドを含む変更要求パケットを生成し、該変更要求パケットを無線送信する。子ノード装置110B(1)は、変更要求パケットを受信すると、該変更要求パケットのペイロードデータからタイマ付オンコマンドを読み出す。そして、子ノード装置110B(1)は、タイマ456をリセットして、読み出したタイマ付オンコマンドに基づいてタイマ処理を新たに開始する。このように、子ノード装置110B(1)は、タイマ処理中に新たなタイマ付オンコマンドを受信すると、タイマ処理を更新する。
【0066】
また、PC120Aは、恒温槽120B(2)へオンコマンドを送信するときには、タイマ付きコマンドを送信しない。
【0067】
以上、恒温槽120B(2)の例においては、オフ状態が第1の状態の一例であり、オン状態が第2の状態の一例であり、オフコマンドが第1電文の一例であり、タイマ付オンコマンドが第2電文の一例である。
【0068】
次に、照明装置120B(3)の制御について説明する。PC120Aは、人感センサ120C(13)からの検出結果に基づいて照明装置120B(3)を制御している。詳しくは、PC120Aは、人感センサ120C(13)が人を検知すると、照明装置120B(3)をオン状態に変更する一方、人感センサ120C(13)が人を検知しないようになると、照明装置120B(3)をオフ状態に変更する。そして、照明装置120B(3)の場合は、電波途絶のためにオン状態が継続すると、電力を消費し続け、省エネの観点からは好ましくない。
【0069】
そこで、PC120Aは、オンコマンドを送信するときに、タイマ付オフコマンドも送信する。詳しくは、PC120Aは、人感センサ120C(13)が人を検知すると、オンコマンドに加えて、タイマ付オフコマンドを基地局ノード装置110Aへ送信する。タイマ付オフコマンドは、所定の待機時間経過後に照明装置120B(3)をオフ状態に変更する制御を所定のタイマ回数だけ実行させるコマンドである。基地局ノード装置110Aは、オンコマンド及びタイマ付オフコマンドを含む変更要求パケットを生成し、該変更要求パケットを無線送信する。子ノード装置110B(1)は、変更要求パケットを受信すると、該変更要求パケットのペイロードデータからオンコマンド及びタイマ付オフコマンドを読み出す。子ノード装置110B(1)は、オンコマンドを照明装置120B(3)へ送信する一方、オフコマンドをRAM454に一時的に記憶する。それと共に、子ノード装置110B(1)は、タイマ付オフコマンドに基づいて待機時間及びタイマ回数を設定し、タイマ処理を開始する。すなわち、子ノード装置110B(1)は、タイマ456の計時を開始する。照明装置120B(3)は、オンコマンドを受信すると、オン状態となり、照明本体125の運転を開始する。
【0070】
その後、PC120Aの制御により、子ノード装置110B(1)がオフコマンドを含む変更要求パケットを受信したときには、子ノード装置110B(1)は、照明装置120B(3)をオフ状態とすると共に、タイマ456の計時をリセットしてタイマ処理を終了する。
【0071】
一方、子ノード装置110B(1)は、タイマ456の計時時間が前記待機時間を経過するまで、何の変更要求パケットも受信しないときには、RAM454からオフコマンドを読み出し、該オフコマンドを照明装置120B(3)へ送信する。照明装置120B(3)は、オフコマンドを受信すると、オフ状態となり、照明本体125の運転を停止する。
【0072】
このように、子ノード装置110B(1)は、タイマ付オフコマンドを受信してから何のコマンドも受信することなく待機時間が経過したときには、照明装置120B(3)を自動的にオフ状態に変更する。こうすることで、照明装置120B(3)をオン状態に変更した後に電波途絶が生じて、子ノード装置110B(1)にオフコマンドが到達しない場合であっても、照明装置120B(3)を確実にオフ状態とすることができる。その結果、照明装置120B(3)をオフ状態にすることができずに照明本体125を所定の温度に維持できないということを防止することができる。
【0073】
尚、PC120Aは、タイマ付オフコマンドで設定した待機時間よりも長い間、照明装置120B(3)のオン状態を維持させる場合には、タイマ付オフコマンドを送信してから待機時間が経過する前に、状態を維持させるコマンドを送信する。本実施形態では、PC120Aは、タイマ付オフコマンドを再び送信する。すると、基地局ノード装置110Aは、タイマ付オフコマンドを含む変更要求パケットを生成し、該変更要求パケットを無線送信する。子ノード装置110B(1)は、変更要求パケットを受信すると、該変更要求パケットのペイロードデータからタイマ付オフコマンドを読み出す。そして、子ノード装置110B(1)は、タイマ456をリセットして、読み出したタイマ付オフコマンドに基づいてタイマ処理を新たに開始する。このように、子ノード装置110B(1)は、タイマ処理中に新たなタイマ付オフコマンドを受信すると、タイマ処理を更新する。
【0074】
また、PC120Aは、照明装置120B(3)へオフコマンドを送信するときには、タイマ付きコマンドを送信しない。
【0075】
以上、照明装置120B(3)の例においては、オン状態が第1の状態の一例であり、オフ状態が第2の状態の一例であり、オンコマンドが第1電文の一例であり、タイマ付オフコマンドが第2電文の一例である。
【0076】
尚、子ノード装置110B(1)は、電子機器120Bごとに待機時間及びタイマ回数を設定可能である。例えば、子ノード装置110B(1)は、空調機120B(1)と照明装置120B(3)とで異なる待機時間及びタイマ回数を設定することができる。
【0077】
したがって、本実施形態によれば、ネットワークシステム100は、複数のユーザ機器120,120,…と、該ユーザ機器120,120,…に有線により接続される複数のノード装置110,110,…とを備え、該ノード装置110,110,…の間で無線通信を行う。PC120Aは、空調機120B(1)へ該空調機120B(1)の状態をオン状態に変更するオンコマンドを送信するときに、該オン状態に変更された該空調機120B(1)の状態を所定の待機時間経過後にオフ状態に変更するタイマ付オフコマンドも送信する。前記空調機120B(1)に接続された子ノード装置110B(1)は、前記オンコマンドを受信すると、該オンコマンドを該空調機120B(1)に送信する一方、前記タイマ付オフコマンドを受信すると、前記待機時間経過後にオフコマンドを該空調機120B(1)に送信する。また、PC120Aは、恒温槽120B(2)へ該恒温槽120B(2)の状態をオフ状態に変更するオフコマンドを送信するときに、該オフ状態に変更された該恒温槽120B(2)の状態を所定の待機時間経過後にオン状態に変更するタイマ付オンコマンドも送信する。前記恒温槽120B(2)に接続された子ノード装置110B(1)は、前記オフコマンドを受信すると、該コマンドを該恒温槽120B(2)に送信する一方、前記タイマ付オンコマンドを受信すると、前記待機時間経過後にオンコマンドを該恒温槽120B(2)に送信する。また、PC120Aは、照明装置120B(3)へ該照明装置120B(3)の状態をオン状態に変更するオンコマンドを送信するときに、該オン状態に変更された該照明装置120B(3)の状態を所定の待機時間経過後にオフ状態に変更するタイマ付オフコマンドも送信する。前記照明装置120B(3)に接続された子ノード装置110B(1)は、前記オンコマンドを受信すると、該オンコマンドを該照明装置120B(3)に送信する一方、前記タイマ付オフコマンドを受信すると、前記待機時間経過後にオフコマンドを該照明装置120B(3)に送信する。
【0078】
換言すると、本実施形態に係るネットワークシステム100における制御方法は、複数のユーザ機器120,120,…と、該ユーザ機器120,120,…に有線により接続される複数のノード装置110,110,…とを備え、該ノード装置110,110,…の間で無線通信を行うネットワークシステム100において、一の該ユーザ機器120から他の該ユーザ機器120へ電文を送信して該他のユーザ機器120の状態を制御するものである。そして、この制御方法は、PC120Aが、電子機器120Bの状態を変更するための電文を送信する送信工程と、前記電子機器120Bの接続された子ノード装置110Bが、PC120Aからの電文を受信して、該電文を電子機器120Bに送信する受信工程とを含み、前記送信工程においては、前記電子機器120Bの状態を第1の状態に変更する第1電文を送信するときに、該第1の状態に変更された電子機器120Bの状態を所定の待機時間経過後に第2の状態に変更する第2電文も送信し、前記受信工程においては、前記電子機器120Bに接続された子ノード装置110Bは、前記第1電文を受信すると、該第1電文を該電子機器120Bに送信する一方、前記第2電文を受信すると、前記待機時間経過後に該第2電文を該電子機器120Bに送信する。
【0079】
こられの構成によれば、電子機器120Bを第1の状態に変更する電文を送信する際に、第1の状態に変更された電子機器120Bを所定待機時間経過後に第2の状態に変更する電文を前もって送信しておく。そのため、電子機器120Bが第1の状態に変更された後に電波途絶が生じたとしても、所定待機時間経過後には電子機器120Bを第2の状態に変更することができる。つまり、電子機器120Bを第1の状態が変更されるということは、前記第1電文が電子機器120Bに到達したことを意味し、つまりは、通信環境は良好であることを意味する。そのため、第1電文を送信するときに、電子機器120Bを将来的に第2の状態にするための第2電文を予め送信しておく。れにより、電子機器120Bを第1の状態に変更した後に電波途絶が生じたとしても、電子機器120Bの状態を第1の状態のままではなく、第2の状態に変更することができる。
【0080】
ここで、第1及び第2の状態は、電子機器120Bの種類によって異なる。例えば、空調機120B(1)及び照明装置120B(3)であれば、第1の状態はオン状態であり、第2の状態はオフ状態である。恒温槽120B(2)であれば、第1の状態はオフ状態であり、第2の状態はオン状態である。また、第1の状態よりも第2の状態の方が好ましい理由も、電子機器120Bの種類によって異なる。空調機120B(1)及び照明装置120B(3)の場合は、省エネが理由であり、恒温槽120B(2)の場合は、恒温槽120B(2)本来の機能の維持が理由である。つまり、空調機120B(1)及び照明装置120B(3)の場合には、所定の待機時間経過後に自動的にオフ状態とすることに
よって、エネルギの消費を抑制することができる。また、恒温槽120B(2)の場合には、所定の待機時間経過後に自動的にオン状態とすることによって、恒温槽本来の機能である、恒温槽本体123の温度を一定に保つという機能を発揮させることができる。
【0081】
また、PC120Aは、前記ユーザ機器120Bを前記第1の状態に維持させる場合には、該第1の状態を維持させるための電文を前記待機時間が経過する前に送信する。
【0082】
つまり、第2電文が予め送信されているため、ユーザ機器120Bへ何の電文も送信しなければ、待機時間経過後にはユーザ機器120Bは自動的に第2の状態に変更される。そのため、ユーザ機器120Bを第1の状態に維持したい場合には、該第1の状態を維持させるための電文を待機時間が経過する前に送信する。これにより、ユーザ機器120Bが待機時間経過後に自動的に第2の状態に変更されることを阻止し、第1の状態を維持することができる。
【0083】
また、本実施形態では、複数のユーザ機器120は、マスタ機として機能するPC120Aと、スレーブ機として機能する電子機器120Bとを含み、PC120Aは、電子機器120Bへ前記第1電文を送信するときに前記第2電文も送信する。つまり、PC120Aが電子機器120Bを一方的に制御し、その際に第1及び第2の電文を送信する。
【0084】
そして、ノード装置110は、ユーザ機器120に有線により接続されると共に、無線通信可能に構成されており、電文を無線通信を介して受信したときに、待機することなく該電文をユーザ機器120に送信する機能と、所定の待機時間経過後に該電文をユーザ機器120に送信する機能とを有する。ノード装置110をこのように構成することによって、第2の電文を予め送信しておき、ユーザ機器120への第2電文の送信を予約しておくことができる。
【0085】
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0086】
前記ネットワークシステム100における、ノード装置110の個数及びユーザ機器120の個数は、前記実施形態に限られるものではない。ノード装置やユーザ機器は、任意の個数とすることができる。また、各ノード装置110には、必ず、ユーザ機器120が接続されている必要はない。
【0087】
また、前記実施形態では、基地局ノード装置110Aは1台であるが、これに限られるものではない。例えば、複数の基地局ノード装置110Aを設け、電子機器120Bが接続される子ノード装置110B(1)と一の基地局ノード装置110Aとで無線ネットワークを構成し、センサ120Cが接続される子ノード装置110B(11)〜110B(13)と別の基地局ノード装置とで別の無線ネットワークを構成するようにしてもよい。
【0088】
また、前記ノード装置110とユーザ機器120との接続関係は、1対1のものと、1対3のものとが存在するが、これに限られるものではない。すなわち、1つのノード装置110に接続されるユーザ機器120の台数は任意に設定され得る。
【0089】
前記ユーザ機器は、PC120A、電子機器120B及びセンサ120Cを含んでいるが、これに限られるものではない。例えば、ユーザ機器120は、表示機器、電力計、湿度センサ、加速度(衝撃)センサ、光センサ等であってもよい。
【0090】
また、前記の構成では、PC120Aがマスタ機として機能しているが、これに限られるものではない。マスタ機は、必ずしも、PCである必要はなく、計測機器の何れかであってもよく、PC以外のユーザ機器であってもよい。
【0091】
さらに、前記ネットワークシステム100においては、マスタスレーブ関係が成立しているが、これに限られるものではない。
【0092】
前記実施形態では、「第1電文を送信するときに第2電文も送信する」構成の一形態として、第1電文と第2電文とを同じパケットで、即ち、同時に送信しているが、これに限られるものではない。例えば、「第1電文を送信するときに第2電文も送信する」構成のとしては、第1電文を送信する直前に第2電文を送信する構成であってもよいし、第1電文を送信した直後に第2電文を送信する構成であってもよい。第1電文と第2電文とを同時に送信しなくても、第1電文を送信する直前又は直後であれば、電波状況はあまり変化しないと考えられるため、第1電文及び第2電文の両方を子ノード装置110Bへ到達させることができる。ただし、まず、第1電文の直前に第2電文を送信する構成の方が、第1電文を送信する直後に第2電文を送信する構成よりも好ましい。つまり、第2電文を送信して、その応答を確認した後に第2電文を送信することによって、第1電文を送信するときには前もって第2電文を到達させておくことができる。より好ましくは、第1電文及び第2電文を同時に送信する。これにより、第1電文が子ノード装置110Bへ到達するときには必ず第2電文も到達し、第1電文が子ノード装置110Bへ到達しないときには必ず第2電文も到達しない。
【0093】
また、第1及び第2の状態は、前記実施形態に限られるものではない。ユーザ機器120の種類、使用状況等に応じて第1及び第2の状態は異なる。第2の状態は、フェールセーフの状態、即ち、第1の状態よりも安全側の状態であることが好ましい。例えば、空調機である空調機120B(1)は、省エネの観点から、第1の状態をオン状態とし、第2の状態をオフ状態としているが、これに限られるものではない。空調機120B(1)がサーバルーム等に使用される場合には、空調機120B(1)の本来の機能を重要視して、第1の状態をオフ状態とし、第2の状態をオン状態とすることが好ましい。つまり、電波途絶が生じても必ずオン状態に変更できるようにすることが好ましい。
【0094】
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
【0095】
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0096】
以上説明したように、本発明は、複数のノード装置を備えたネットワークシステム、該ネットワークシステムに用いられるノード装置、及び該ネットワークシステムにおける制御方法について有用である。
【符号の説明】
【0097】
100 ネットワークシステム
110 ノード装置
110A 基地局ノード装置
110B 子ノード装置
120 ユーザ機器
120A PC(マスタユーザ機器)
120B 電子機器(スレーブユーザ機器)
図1
図2