(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機が設置された遊技機島、あるいは遊技機自体には、遊技者が様々な操作を行うためのスイッチ類が設けられている。このスイッチ類の代表的なものとして、呼出ランプの呼出ボタンがある。呼出ランプは、遊技機ごとに対応して遊技機の上方位置に設けられており、一般に、遊技者が押下する呼出ボタンと、呼出ボタンが押下されると点灯する呼出ランプの他、大当たり回数やスタート回数等の遊技機に関する各種データを表示する表示器等から構成されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
遊技者は、トラブルや大当たりの発生時に呼出スイッチを押下することで呼出ランプを点灯させ、遊技場店員を呼び出すことができる。また、表示器に表示された各種データを参照して、多数の遊技機の中から任意の一台を選択することができる。ここで呼出ランプは、通路を歩行中の遊技者や遊技場店員の視点を基準とすれば、見やすい位置として前述したように遊技機の上方が適していた。
【0004】
ところが、遊技中の遊技者が着座位置から呼出スイッチを操作する時は、遊技機の上方まで手を伸ばさなければならず、特に手が届き難い場合には操作自体が難しく面倒であるという問題があった。また、遊技機において遊技球を発射するハンドル操作を行いながらの呼出スイッチの操作は、なおさら面倒であるばかりでなく、ハンドル操作に対する注意力が損なわれるという問題もあった。
【0005】
このような問題を解決し得る従来の技術として、呼出ランプの傍らの呼出ボタンの他に呼出予備スイッチを備え、この呼出予備スイッチを、パチンコ機の左側に位置するようにカウンター台に取り付けるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。ここで呼出予備スイッチは、遊技者が操作しやすいようにやや内側を向く状態に取り付けられている(段落0010参照)。呼出予備スイッチは、遊技者が手で触れることによりON/OFFが切り替わるタッチセンサ方式のものであるが、押しボタンスイッチ方式でも良い(段落0011参照)。
【0006】
さらに、呼出ランプにおける表示器の視認のしやすさを意図した従来の技術として、情報表示部の支持状態を、起立姿勢の遊技者の位置から視認容易な状態と、椅子に着座した遊技者の位置から視認容易な状態とに、相互に変換できるものが知られている(例えば、特許文献3参照)。ここで情報表示部は、その表示面を操作ダイヤルによって傾動可能である(段落0040参照)。情報表示部は、表示用開口部があるカバー部材により前方から覆われ(段落0010参照)、表示用開口部の右方である定位置にある操作部に、遊技者が操作を行う呼出スイッチ等のスイッチ類が固定されていた(段落0032参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述した特許文献2に記載された従来の技術では、呼出予備スイッチが操作しやすいようにやや内側を向く状態に取り付けられており、タッチセンサ方式であるため、遊技者は呼び出し操作を容易に行うことができるが、タッチセンサ方式の場合は、少しでも手が触れただけで呼出ランプが点灯ないし消灯してしまう。そのため、操作しやすい位置におけるタッチセンサ方式の採用は、逆に使い勝手が良くないという問題があった。
【0009】
また、押しボタンスイッチ方式の呼出予備スイッチの場合は、呼出予備スイッチがやや内側に向けて付いているので、遊技者は呼出予備スイッチを本来の進退方向に対して斜めの方向から押すことになる。そのため、呼出予備スイッチが進退途中で引っ掛かったり、押し切れない場合も想定される。このように、操作しやすい向きにおける押しボタンスイッチ方式の採用は、押下による呼び出し操作を円滑に行うことができない虞があった。
【0010】
さらに、前述した特許文献3に記載された従来の技術では、情報表示部は操作ダイヤルによって表示面が傾動可能であるが、遊技者が操作する呼出スイッチ等のスイッチ類に関してはカバー部材の定位置に固定されたままで動かない。よって、遊技中の遊技者が着座位置から操作することは面倒であり、また、遊技中にハンドル操作を行いながらの呼び出し操作は、なおさら面倒であるばかりでなく、ハンドル操作に対する注意力が損なわれるという問題があった。
【0011】
本発明は、前述したような従来の技術が有する問題点に着目してなされたものであり、操作部に対してその全域に亘る何れの位置からどの方向に押下しても、操作部の進退に関して途中で引っ掛かるような支障を来すことがなく、遊技者がいかなる姿勢においても極めて容易かつ円滑に押下げ操作を行うことができる操作装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
[1]遊技者が操作を行うための操作装置(110)において、
遊技者の操作により押下される操作部(111)と、該操作部(111)を支持するためのベース部(120)と、を少なくとも有し、
前記操作部(111)は、外面(114)の全域に亘り別々の方向より内側に向かう方向に押下可能な形状に形成され、
その内側となる基準面(112)と、該基準面(112)に交差して連なる側面(113)とを有し、前記基準面(112)および前記側面(113)は、それぞれ弓形に形成されて直線端縁において互いに交差して連なり、
前記操作部(111)の押下可能な形状の外面(114)は、前記基準面(112)および前記側面(113)のそれぞれの円弧端縁に連なる円弧形断面に湾曲したレンズ形状に形成され、
前記ベース部(120)に、前記操作部(111)が外面(114)の何れの位置から押下されても、該操作部(111)を内側の中央寄りに向かう方向に案内するガイド受けを設け、
前記操作部(111)が押下された時の内側の中央寄りの部位の変位に応じて、スイッチ回路が切り換わることを特徴とする操作装置(110)。
【0013】
[2]前記ベース部(120)側に取り付けられて、前記操作部(111)の内側の中央寄りの部位が対向する位置に配され、前記スイッチ回路を含むマイクロスイッチ(140)を備え、
前記操作部(111)は、内側の中央寄りの部位である係合部(118)が、前記マイクロスイッチ(140)の可動端子(142)より離隔した通常の待機位置と、押下された時に前記可動端子(142)に当接して押圧する作動位置とに、所定の遊び範囲内で変位可能に前記ベース部(120)に支持され、
前記可動端子(142)が押圧されることで、前記スイッチ回路が切り換わり操作信号が出力されることを特徴とする[1]に記載の操作装置(110)。
【0015】
[
3]前記ベース部(120)の前記ガイド受けは、
前記操作部(111)の側面(113)が沿うように立設された立壁部(124)と、
前記操作部(111)の基準面(112)に設けられた裏面枠(115)のうち前記立壁部(124)に沿った直線端縁を除く円弧端縁を囲むフランジ部(125)と、
前記操作部(111)の裏面枠(115)の中央より突設され前記係合部(118)を含む突出部(116)が、前記待機位置と前記作動位置とに変位可能に係合する被係合部(127)と、から成り、
前記操作部(111)の外面(114)に対する押下力は、前記立壁部(124)を介して前記操作部(111)の内側の中央寄りに向かうことを特徴とする
[1]または[2]に記載の操作装置(110)。
【0016】
[
4]前記立壁部(124)の内側面または前記操作部(111)の側面(113)に、互いの接触面積を減らすためのリブ(124a)を設けたことを特徴とする[
3]に記載の操作装置(110)。
【0017】
[
5]前記ベース部(120)に、前記操作部(111)が前記作動位置まで変位した時に当該位置で前記裏面枠(115)が当接する位置決め用のストッパ部(126)を設け、
前記ストッパ部(126)の外形を、前記裏面枠(115)の外形と同一形状に合致させたことを特徴とする[
3]または[
4]に記載の操作装置(110)。
【0018】
[
6]前記操作部(111)の基準面(112)ないし裏面枠(115)に、前記ベース部(120)側に設けられた光源(151)からの光を遮らずに前記外面(114)内側まで導くための空隙(115a)を設け、
前記外面(114)を透明ないし透光性材質で形成したことを特徴とする[
3],[
4]または[
5]に記載の操作装置(110)。
【0019】
[
7]前記操作部(111)の基準面(112)に沿って光拡散シート(112b)を設けたことを特徴とする[
6]に記載の操作装置(110)。
【0020】
[
8]前記操作部(111)の側面(113)に光を反射する凹凸(113a)を設けたことを特徴とする[
6]または[
7]に記載の操作装置(110)。
【0021】
[
9]前記操作部(111)の外面(114)における適所に、遊技者が操作を行う時の押下位置の目安となる目印(114a)を設けたことを特徴とする[1],[2],[3],[4],[5],[6],[7]
または[8]に記載の操作装置(110)。
【0022】
前記本発明は次のように作用する。
前記[1]に記載の操作装置(110)によれば、操作部(111)を、その外面(114)のどの位置ないし方向から押下しても、操作部(111)は、ベース部(120)のガイド受けによって内側中央寄りに向かう方向に導かれる。この操作部(111)の内側の中央寄りの部位の変位に応じて、スイッチ回路が切り換わる。これにより、遊技者は操作部(111)を押す位置や方向を特に気にすることなく、容易に操作部(111)を押下することができ、確実に操作を行うことができる。
前記操作部(111)の具体的な形状であるが、球体やラグビーボールのような楕円体を、それぞれ中心軸を通るように等間隔に切断したうちの一切れのような形状が適している。このような形状のうち、交差する弓形平面の間の球面部分を前記操作部(111)の外面(114)とすれば、その全域に亘り別々の方向より内側に向かう方向に押下することが可能となる。
すなわち、前記操作部(111)は、その内側となる基準面(112)と、該基準面(112)に交差して連なる側面(113)とを有し、基準面(112)および側面(113)はそれぞれ弓形に形成する。基準面(112)および側面(113)は、それぞれ直線端縁同士で互いに交差して連なり、基準面(112)および側面(113)のそれぞれの円弧端縁の間は、円弧形断面に湾曲したレンズ形状の外面(114)で閉じる。
ここでレンズ形状の外面(114)を、そのまま遊技者が押下する領域とする。なお、基準面(112)と側面(113)とが交差する角度は、直角以内の角度、好ましくは直角である。
【0023】
前記[2]に記載の操作装置(110)によれば、実際にスイッチング操作が行われるのはマイクロスイッチ(140)であり、前記操作部(111)の内側の中央寄りの部位である係合部(118)が、マイクロスイッチ(140)の可動端子(142)を押すことになる。ここで操作部(111)は、通常は係合部(118)がマイクロスイッチ(140)の可動端子(142)より離隔した待機位置に保持されているが、押下されると係合部(118)が可動端子(142)に当接して押圧する作動位置まで変位する。
【0024】
操作部(111)は、どの位置ないし方向から押下されても、所定の遊び範囲内で前記ガイド受けによって案内されつつ、待機位置ないし作動位置に変位する。マイクロスイッチ(140)の可動端子(142)が押圧されてスイッチ回路が切り換わると、操作信号が出力される。この操作信号の出力は、必ずしも操作装置(110)自体からの出力である必要はなく、マイクロスイッチ(140)に接続された外部接続機器からの出力でもかまわない。
【0027】
前記のような形状の操作部(111)とした場合、前記ベース部(120)のガイド受けとしては、具体的には例えば[
3]に記載したように形成すると良い。すなわち、ガイド受けは、前記操作部(111)の側面(113)が沿うように立設された立壁部(124)と、前記操作部(111)の基準面(112)に設けられた裏面枠(115)のうち前記立壁部(124)に沿った直線端縁を除く円弧端縁を囲むフランジ部(125)と、前記操作部(111)の裏面枠(115)の中央より突設され前記係合部(118)を含む突出部(116)が、待機位置と作動位置とに変位可能に係合する被係合部(127)とする。
【0028】
前記操作部(111)の外面(114)に対する押下力は、前記ガイド受けのうち主として立壁部(124)を介して操作部(111)の内側の中央寄りに向かうように導かれる。この時、前記ガイド受けのフランジ部(125)と被係合部(127)は、所定の遊び範囲内で操作部(111)の動きを規制することになる。このようなガイド受けによれば、立壁部(124)により操作部(111)の支持強度を高めることができるばかりでなく、立壁部(124)において操作部(111)が沿わない反対側の面は、例えば隣接する遊技機(10)側に向けることで、隣の遊技者が間違って操作しないための障壁となる。
【0029】
また、前記[
4]に記載したように、前記立壁部(124)の内側面または前記操作部(111)の側面(113)には、互いの接触面積を減らすためのリブ(124a)を設けると良い。ここで立壁部(124)の内側面と操作部(111)の側面(113)とは、操作部(111)を押下した時に互いに摺接し合うことになるが、前記リブ(124a)を設けることにより、面接触ではなくリブ(124a)にて局所的に接触しながら移動することになる。よって、摺動抵抗を減らすことができ、操作部(111)のさらなる円滑な動作が可能となる。
【0030】
また、前記[
5]に記載した操作装置(110)によれば、前記ベース部(120)に、前記操作部(111)が作動位置まで変位した時に当該位置で裏面枠(115)が当接する位置決め用のストッパ部(126)を設け、このストッパ部(126)の外形を、裏面枠(115)の外形と同一形状に合致させる。これにより、操作部(111)の押下時に作動位置にて確実に停止させることができ、また、操作部(111)の作動位置における位置ずれを防止することができる。
【0031】
また、前記[
6]に記載した操作装置(110)によれば、前記操作部(111)の基準面(112)ないし裏面枠(115)に、前記ベース部(120)側に設けられた光源(151)からの光を遮らず前記外面(114)内側まで導くための空隙(115a)を設ける。これにより、操作部(111)が変位しても、ベース部(120)側にある光源(151)からの光が外面(114)内側まで確実に到達する。
【0032】
ここで前記外面(114)は、透明ないし透光性材質で形成する。これにより、外面(114)を内側から発光させることができ、外面(114)自体も発光する表示手段として活用することができる。なお、ベース部(120)側において前記ストッパ部(126)よりも内側に光源(151)が配される場合には、このストッパ部(126)にも同様に光を通す空隙(115a)を設けることになる。
【0033】
また、前記[
7]に記載した操作装置(110)によれば、前記操作部(111)の基準面(112)に沿って光拡散シート(112b)を設ける。これにより、ベース部(120)側にある光源(151)が点灯すると、光源(151)から照射された光が光拡散シート(112b)を通過して乱反射することで、操作部(111)の外面(114)の内側全体をほぼ均等に発光させることができる。
【0034】
また、前記[
8]に記載した操作装置(110)によれば、前記操作部(111)の側面(113)に光を反射する凹凸(113a)を設ける。これにより、前記立壁部(124)の内面に外側から覆われる操作部(111)の側面(113)においても、内側に光を反射させることができ、立壁部(124)を操作部(111)の内側からは見えないように隠蔽することができると共に、操作部(111)の外面(114)の内側をよりいっそう明るく発光させることができる。
【0035】
さらに、前記[
9]に記載した操作装置(110)によれば、前記操作部(111)の外面(114)における適所に、遊技者が操作を行う時の押下位置の目安となる目印(114a)を設ける。これにより、操作部(111)の外壁はその全域において押下できるものであっても、操作部(111)が押下げ操作すべきものとの印象を遊技者に惹起させることができる。なお、目印の具体的な形態としては、成形時における凹凸や模様に限らず、印刷やシールで表現しても良い。
【発明の効果】
【0036】
本発明に係る操作装置によれば、操作部に対してその全域に亘る何れの位置からどの方向に押下しても、操作部の進退に関して途中で引っ掛かるような支障を来すことがなく、遊技者がいかなる姿勢においても極めて容易かつ円滑に押下げ操作を行うことができる。これにより、操作部を遊技機島あるいは遊技機自体に配設するにあたり、その操作部の変位方向を厳密には考慮する必要がなく、様々なスイッチ類の代価として活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機島の一部を示す正面図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る呼出操作ユニットを示す正面図(a)と斜視図(b)である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る操作装置を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る操作装置を示す正面図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る操作装置を示す右側面図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る操作装置を示す左側面図である。
【
図7】本発明の実施の形態に係る操作装置を示す平面図である。
【
図8】本発明の実施の形態に係る操作装置を示す底面図である。
【
図9】本発明の実施の形態に係る操作装置を分解した状態を斜め前方から見た分解斜視図である。
【
図10】本発明の実施の形態に係る操作装置を分解した状態を斜め後方から見た分解斜視図である。
【
図11】本発明の実施の形態に係る操作装置の操作部の一部を示す斜視図である。
【
図12】本発明の実施の形態に係る操作装置の操作部の一部を示す正面図である。
【
図13】本発明の実施の形態に係る操作装置の操作部の一部を示す右側面図である。
【
図14】本発明の実施の形態に係る操作装置の操作部の一部を示す左側面図である。
【
図15】本発明の実施の形態に係る操作装置の操作部の一部を示す背面図である。
【
図16】本発明の実施の形態に係る操作装置の操作部の一部を示す平面図である。
【
図17】本発明の実施の形態に係る操作装置の操作部の一部を示す底面図である。
【
図18】本発明の実施の形態に係る操作装置の操作部を押下していない非操作時における断面図であり、
図4中のC−C線断面図(a)と、同じく
図4中のA−A線断面図(b)である。
【
図19】本発明の実施の形態に係る操作装置の操作部を押下した操作時における断面図であり、
図4中のC−C線断面図(a)と、同じく
図4中のA−A線断面図(b)である。
【
図20】本発明の実施の形態に係る操作装置の操作部を押下していない非操作時における左側面図(a)と、この左側面図中のB−B線断面図(b)である。
【
図21】本発明の実施の形態に係る操作装置の操作部を押下した操作時における左側面図(a)と、この左側面図中のB−B線断面図(b)である。
【
図22】本発明の実施の形態に係る操作装置に接続された制御手段および関連機器を含むブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
先ず、遊技機島1および遊技機10の概要について説明する。
図1は、遊技機島1の一部を示す正面図である。遊技機島1は、遊技場のフロア上に載置するフレーム枠2内に複数のパチンコ機である遊技機10を横並び設置して成り、各種関連設備も設置されている。各遊技機10の左側に隣接して、カードや紙幣の挿入により遊技球を貸し出す球貸機(カードユニット)20が並設されている。この球貸機20のさらに左側に隣接して、操作装置110を含む呼出操作ユニット100が並設されている。呼出操作ユニット100について詳しくは後述する。
【0039】
遊技機10の下方には、天板3が前方に向けて突設されている。この天板3上には、遊技機10から払い出された遊技球を随時落下させることができる玉箱仕様の景品球計数機30が配設されている。この景品球計数機30は、前記球貸機20とユニットとして一体に組み合わされており、いわゆる各台計数機と称されるものである。景品球計数機30は、玉箱部分に貯められた遊技球を遊技機島1内部に向けて排出する時に、遊技球をセンサで計数するものである。
【0040】
遊技機島1において、各遊技機10の上方には幕板4が開閉可能に設けられている。この幕板4には、遊技機10ごとに対応する呼出ランプ40が設置されている。呼出ランプ40は、遊技者による呼び出し操作に応じた遊技場店員の呼び出しの他、遊技機10に関する各種データを表示する装置である。呼出ランプ40は、遊技者が操作する呼出スイッチ41と、点灯ないし点滅するランプ部42と、遊技機10に関する各種データを表示する表示部43とを有する。
【0041】
ランプ部42は、呼出スイッチ41や後述する操作装置110の操作部111による操作に応じて点灯ないし点滅したり、次述する遊技機10で特別遊技状態が発生した時に点灯ないし点滅し、遊技場店員を呼び出す表示を行う。ランプ部42は、具体的には例えば、複数色のLED等の光源を透明ないし透光性材質のカバーで囲んで構成される。また、表示部43は、呼出スイッチ41の操作に応じて各種データを表示するものであり、具体的には例えば、液晶ユニットや7セグメント表示器等によって構成される。なお、表示部43に表示する各種データについては後述する。
【0042】
また、遊技機島1において、幕板4で開閉される上部には補給樋5が配設されている。遊技機島1内では、遊技球は繰り返し循環使用されるようになっており、補給樋5は、遊技球を各遊技機10や球貸機20に補給するものであり、島長手方向に傾斜して延びるように配設されている。さらに、遊技機島1の内部には、遊技機10、球貸機20、景品球計数機30、呼出ランプ40を含む各種関連設備を集中管理する制御手段50(
図22参照)が設置されている。なお、遊技機島1の島端には他の関連設備として、前記球貸機20から回収された紙幣を収納する紙幣金庫6や、同じく回収された硬貨を収納する硬貨金庫7等が配設されている。
【0043】
遊技機10はパチンコ機であり、前面側にガラス板を装着した前面枠11が遊技盤を覆う状態に取り付けられている。前面枠11の下方には、遊技球の発射操作を行うためのハンドル12と、遊技球を貯留する上受け皿13および下受け皿14等が設けられている。図示省略した遊技盤上には、発射された遊技球の落下経路に変化を与える多数の障害釘の他、遊技球を受け入れる各種入賞口や、表示遊技を実行する可変表示装置等が設けられている。各種入賞口には、遊技球の入賞により表示遊技の実行権を獲得する始動入賞口、大当たり状態として開閉動作を行う大入賞口等がある。各種入賞口に遊技球が入賞すると、それぞれの入賞口に割り当てられた所定数の遊技球が払い出される。
【0044】
このような遊技機10では、始動入賞口に遊技球が入賞すると、可変表示装置において表示遊技が実行され、例えばスロットマシンにおける図柄合わせに見立てた識別情報のスクロール表示が展開される。この表示結果が予め定めた特定の組み合わせ(例えば「555」等のゾロ目)である大当たりに確定すると、大入賞口が所定回数を限度に繰り返し開閉する特別遊技状態が発生する。なお、表示遊技の結果が、識別情報のうち確変図柄で全て同一種類に揃う確率変動大当たりに確定すると、これに基づき発生した特別遊技状態が終了した後、表示遊技の結果が特定表示態様に確定する確率が高確率に変化する確率変動状態となる。
【0045】
次に、本発明の根幹を成す操作装置110について説明する。本実施の形態に係る操作装置110は、前述した呼出ランプ40の付帯設備として、呼出スイッチ41の操作とは別に遊技者が遊技場店員の呼び出し操作を行うものであり、前記球貸機20と共に各遊技機10間に並設された呼出操作ユニット100に組み込まれている。
図2は、操作装置110を含む呼出操作ユニット100の正面図(a)および斜視図(b)である。図示したように、呼出操作ユニット100は、縦長に延びるハウジング101を有して成り、その前面側の下半分が操作装置110の取付部102となっている。
【0046】
詳しく言えば取付部102は、操作装置110の縦幅と同じ大きさに区画された3つの取付部102a,102b,102cが上下に並ぶように設けられており、これらの何れにも操作装置110を装着することができる。操作装置110を装着しない取付部102は、蓋板103で閉じられる。一方、ハウジング101の前面側の上半分には、POP広告等の紙媒体を収納できる収納凹部104が背面側に突出するように設けられている。なお、収納凹部104の開口上端には、POP広告等の紙媒体に通した紐等を繋ぐ取付フック105が設けられている。
【0047】
図3〜
図8は、操作装置110の各方向から見た外観を示しており、
図9および
図10は、操作装置110を分解した内部構造も示している。各図に示すように、操作装置110は、遊技者の操作により押下される操作部111と、該操作部111を支持するベース部120と、ベース部120に組み合わせる基板ホルダ130と、該基板ホルダ130内に取り付けるマイクロスイッチ140およびLED基板150を有して成る。このような操作装置110は、本実施の形態では呼び出し操作を行うためのものであるが、遊技に関わる全ての操作に適用することができる。
【0048】
操作部111は、その外面の全域に亘り別々の方向より内側に向かう方向に押下可能な形状に形成されている。ベース部120には、操作部111が外面の何れの位置から押下されても、該操作部111を内側の中央寄りに向かう方向に案内するガイド受けが設けられている。操作装置110では、操作部111が押下された時の内側の中央寄りの部位の変位に応じて、マイクロスイッチ140のスイッチ回路が切り換わるように構成されている。以下、各構成について順に詳しく説明する。
【0049】
操作部111は、ラグビーボール様の楕円体を中心軸より4等分に切断したうちの一切れのようなレンズ形状であり、全体が透明の合成樹脂によって成形されている。詳しく言えば操作部111は、その内側の基準面をなす内レンズ112と、該内レンズ112に交差して連なる側面をなす側面壁113とを有する。内レンズ112および側面壁113は、それぞれ弓形板状に形成されており、それぞれの直線端縁同士が互いに直角に交差して連なる。これら内レンズ112および側面壁113のそれぞれの円弧端縁の間に、円弧形断面に湾曲した外面をなすレンズ114が一体に連なっている。
【0050】
このような形状の操作部111によれば、レンズ114(外面)の全域が押下する領域となり、後述するベース部120との支持関係により、レンズ114(外面)の全域に亘り別々の方向より内側に向かう方向に押下することが可能となる。また、レンズ114の上部において遊技者側を向くやや前方寄りの位置には、遊技者が操作を行う時の押下位置の目安となる目印114aが設けられている。レンズ114はその全域において押下できるものであるが、目印114aによって操作部111が押下げ操作すべきものであることを印象付けることができる。なお、目印114aの具体的な形態としては、図示した成形時のボタン状の膨らみに限らず、何らかの模様を印刷やシールで表現しても良い。
【0051】
図10に示すように、内レンズ112の裏面には、その全域に亘り後述するベース部120側に設けられた光源からの光を拡散させる無数の微細な凹凸から成るレンズカット112aが形成されている。さらに、内レンズ112の裏面上に沿って光拡散シート112bが重ね合わされている。光拡散シート112bは、光源からの光を拡散させる樹脂により内レンズ112と同一形状のシート状に形成されており、後述する光源からの光をムラなく均一な明るさに拡散させることができる。
【0052】
また、側面壁113の裏面にも、その全域に亘り後述する光源151からの光を反射する凹凸加工されたレンズカット113aが設けられている。レンズカット113aは、具体的には例えば、断面鋸歯状の多数の溝状の凸凹が密に平行に並ぶものであり、成形時に一体加工あるいは成形後に切削加工すれば良い。このようなレンズカット113aにより、後述する光源からの光は乱反射して輝くようになっており、発光時には側面壁113の外側は透視できなくなる。
【0053】
図9,
図10に示すように、前記内レンズ112の裏面側には、裏面枠115が一体に設けられている。裏面枠115は、操作部111の基準面をなす内レンズ112を補強すると共に、ベース部120に取り付ける突出部116を設ける部位となる。裏面枠115は、内レンズ112の外形と同一形状のフレーム枠からなり、内レンズ112の外周端縁(エッジ)に沿った部分以外の内側は空隙115aとなっている。このような空隙115aにより、裏面枠115が透明でなくても後述する光源151からの光を遮らずに前記レンズ114の内側まで導くことができる。なお、前記内レンズ112は透明であるため、光を透過させるための空隙を設ける必要はない。
【0054】
また、裏面枠115の中央、すなわち操作部111全体における内側の中央寄りの部位には、フレーム枠間に架設されて後方へ突出する突出部116が一体に設けられている。突出部116は略円筒状に形成されており、直径方向に対向する位置にそれぞれ軸心方向に弾性変形する一対の延出片117,117が設けられている。各延出片117の先端には、突出部116を後述するベース部120の被係合部127に遊挿した時、被係合部127の基端より外側に突出して半径方向に広がり抜け止めとなる係合部118が設けられている。この係合部118は、レンズ114が押下された時に最も大きく変位する操作部111の内側の中央寄りの部位であり、マイクロスイッチ140を作動させる。
【0055】
次に、ベース部120は、前記操作部111を支持すると共に、前記呼出操作ユニット100の取付部102に取り付けるものであり、図示したように前後面側がそれぞれ開口した枠形状に形成されている。ベース部120の外周側には、前記呼出操作ユニット100の前面に対接して操作部111全体の取付基準面を定めるフランジ状の取付面部121が設けられている。取付面部121の上下端には、それぞれ前記呼出操作ユニット100の取付部102に係脱させる係止片121a,121bが後ろ向きに突設されている。
【0056】
取付面部121の前面側には、前記操作部111を支持する部位として、レンズ114の何れの位置から押下されても、操作部111を内側の中央寄りに向かう方向に案内するガイド受けが設けられている。一方、取付面部121の後面側には、後述する基板ホルダ130を取り付けるための矩形枠状のホルダ固定部122が設けられている。なお取付面部121が定める取付基準面に対して、ベース部120に支持される操作部111の内側の基準面は、遊技者の操作性を考慮してやや上向きに傾くように設定されている。
【0057】
図9に示すように、前記ガイド受けは、操作部111の側面壁113の内側が沿うように立設された立壁部124と、操作部111の基準面に設けられた裏面枠115のうち前記立壁部124に沿った直線端縁を除く円弧端縁を囲むフランジ部125と、前記裏面枠115の後方の突出部116が変位可能に係合する被係合部127とから成る。ガイド受けにより操作部111は、前記突出部116の先にある係合部118が、後述するマイクロスイッチ140より離隔した通常の待機位置と、押下された時にマイクロスイッチ140に当接して押圧する作動位置とに、所定の遊び範囲内で変位可能に支持される。
【0058】
また、取付面部121の前面側には、前記操作部111が押下された時に、前述した作動位置にて前記裏面枠115が当接する位置決め用のストッパ部126が設けられている。ここでストッパ部126は、前記取付面部121の内側となる開口の内周縁より少し出っ張り、前記裏面枠115の外周縁(エッジ)が当接する部位である。ストッパ部126の外形は、裏面枠115の外形と同一形状に合致するように形成されている。
【0059】
詳しく言えば、立壁部124は、前記ストッパ部126の直線部分から取付面部121内側の開口面に対して直角に立ち上がり、前記操作部111の側面壁113の外形とほぼ同一形状で合致するように形成されている。前記操作部111のレンズ114に対する押下力は、主に立壁部124の内側面を介して前記操作部111の内側の中央寄りに向かって伝わる。立壁部124の内側面には、側面壁113に対する接触面積を減らすためのリブ124aが設けられている。
【0060】
リブ124aは、立壁部124に対する側面壁113の摺動抵抗を減少させるものである。このリブ124aは、具体的には
図9に示すように、側面壁113の進退方向と平行に延びる複数の線状の突条として設けられているが、その形状や数は適宜定め得る設計事項である。なお、立壁部124の内側面ではなく、操作部111の側面壁113の方にリブを設けるようにしても良い。また、立壁部124の外側面は、隣の遊技者が誤って操作しないための仕切りとなる。
【0061】
フランジ部125は、前記操作部111の基準面に設けられた裏面枠115のうち、前記立壁部124に沿った直線端縁を除く円弧端縁を囲む部位である。かかるフランジ部125は、均等な深さに突出するものではなく、上端側から下端側に向かって徐々に深くなる傾斜した形状に形成されている。フランジ部125は、操作部111全体の外周の外側方向への位置ずれを防止するものである。
【0062】
被係合部127は、前記裏面枠115の後方にある突出部116が移動(変位)可能に係合する部位である。被係合部127は、略円筒状の前記突出部116が軸方向に進退可能に内嵌する円筒状に形成され、前記取付面部121の内側開口の中央付近に配されている。この被係合部127に対して突出部116は遊挿されており、突出部116より延びる延出片117の先にある係合部118は、被係合部127の基端より外側に突出して半径方向に広がり抜け止めとなっている。突出部116の内側には、被係合部127の基端に係合する圧縮コイルバネ119が挿入されており、この圧縮コイルバネ119の付勢力により操作部111は待機位置に通常は保持される。
【0063】
また、取付面部121の後面側にあるホルダ固定部122は、前記取付面部121の内側開口を囲む矩形枠状に形成されている。このホルダ固定部122の開口周縁の4箇所には、次述する基板ホルダ130を固定するための弾性変形する取付片123が後ろ向きに突設されている。一方、基板ホルダ130は、前面側が開口した箱形状に形成された成形品であり、マイクロスイッチ140およびLED基板150を組み込んだ状態で、前記ホルダ固定部122に固定される。
【0064】
図9に示すように、基板ホルダ130の両側壁面には、前記取付片123が嵌る凹溝131が2箇所ずつ設けられており、各凹溝131内には、それぞれ前記取付片123に開設されている係止孔に嵌合するあご状の突起132が突設されている。基板ホルダ130の内側の中央部には、マイクロスイッチ140が取付ブラケット133を介してネジで固定されている。さらに、マイクロスイッチ140の前側には、光源としてLED(発光ダイオード)が実装されたLED基板150が装着されている。
【0065】
マイクロスイッチ140は、接点のわずかな動きでオン・オフする小型スイッチであり、その構成の詳細は一般的であるので省略するが、箱状筐体141の内部にオン/オフと切り換わるスイッチ回路を備えている。箱状筐体141の前面の一端寄りの位置には、押圧されることで前記スイッチ回路を切り換える可動端子142が突設されている。マイクロスイッチ140は、基板ホルダ130の内側において前記操作部111の係合部118が対向する位置に配され、操作部111が作動位置に変位した際に係合部118によって可動端子142が押圧されるように設定されている。
【0066】
マイクロスイッチ140の前方を覆うように装着されるLED基板150には、可動端子142を前方に露出させる小孔152が設けられている。詳しく言えば、小孔152は上下に一対あるが、これはマイクロスイッチ140の取り付け向きを上下逆にした場合に対応させるためである。同様の理由により、操作部111側の係合部118も、本来は一つで足りるが一対設けられている。
【0067】
マイクロスイッチ140では、前記係合部118によって可動端子142が押圧されることでスイッチ回路が切り換わり、操作信号が出力される。ここでの操作信号の出力は、操作装置110自体からの出力である必要なく、マイクロスイッチに接続された外部接続機器からの出力でもかまわない。何れにせよマイクロスイッチ140は、信号線等を介して後述する制御手段50に電気的に接続されている。
【0068】
LED基板150は、前記基板ホルダ130の開口内側にほぼ収まる大きさの矩形状に形成されており、その表面には例えばフルカラーのLED151が所定のピッチで実装されている。
図9においては、LED151を上下に5個並ぶように配置しているが、その数や配置位置は適宜定め得る設計事項である。もちろん光源として、フルカラーのLED151ではなく単色発光のLEDを用いたり、他の発光手段を採用しても良い。LED基板150も、信号線等を介して次述する制御手段50に電気的に接続されており、この制御手段50の制御により、例えば操作部111が押下された時に、前記呼出ランプ40のランプ部42とは別に発光するように制御される。
【0069】
図22に示すように、操作装置110の他、遊技機10、球貸機20、景品球計数機30、それに呼出ランプ40は、それぞれ制御手段50に信号線等を介して電気的に接続されている。制御手段50は、これら遊技機10とその関連機器を集中管理するものであり、インターフェース、CPU、RAM、ROM等から構成されたマイクロコンピュータから成る。この制御手段50の制御により、例えば、操作部111が押下された時の呼び出し表示や、表示部43における各種データの表示等が制御される。
【0070】
次に、前述した本実施の形態の作用について説明する。
図1において、遊技機島1を施工するに際して、各遊技機10の左隣りに並設する球貸機20と合わせて呼出操作ユニット100も並設する。この呼出操作ユニット100に、呼出ランプ40にある呼出スイッチ41とは別に遊技者が遊技場店員の呼び出し操作を行うことができる操作装置110を組み付ける。ここで操作装置110は予めユニット化されており、単体の部品として容易に取り扱うことができる。
【0071】
図2に示すように、呼出操作ユニット100の縦長に延びるハウジング101の前面側には、操作装置110を装着するための複数の取付部102a,102b,102cが上下に並ぶように設けられている。よって、何れか任意の位置の取付部102を選択して呼出操作ユニット100を装着することができる。例えば、遊技機島1に設置する遊技機10が、前述したパチンコ機であるか、あるいはスロットマシン等の種類により、遊技者にとって操作しやすい位置は異なるため、このような遊技機10の種類に応じて、実際に操作装置110を装着する取付部102も異ならせると良い。
【0072】
遊技者は、遊技機10においてハンドル12の回転操作により遊技盤上に遊技球を打ち出し遊技を行う。遊技球が遊技盤上にある各種入賞口に入賞すると、予め決められた数量の遊技球が上受け皿13に払い出される。このような遊技において、前述した始動入賞口に遊技球が入賞すると、
図22に示すように、遊技機10から呼出ランプ40にスタート信号が出力される。同様に、特別遊技状態が発生すると大当たり信号が出力され、確率変動状態が発生すると確率変動信号が出力される。
【0073】
遊技中に何らかのトラブルが発生したり、あるいは前記特別遊技状態が発生した場合には、遊技者は呼出操作ユニット100にある操作装置110により、呼出ランプ40にある呼出スイッチ41の操作とは別に、遊技場店員の呼び出し操作を行うことができる。ここで操作装置110は、呼出スイッチ41よりも低い位置にあるため、遊技者は遊技中の着座姿勢のままでも容易に手を伸ばして操作することができる。よって、遊技中における呼び出し操作に起因して、ハンドル12の回転操作に対する注意力が損なわれることもない。
【0074】
遊技者が操作装置110の操作を行う場合には、操作部111のレンズ114を押下する。ここでレンズ114をどの位置ないし方向から押下しても、操作部111は、ベース部120にあるガイド受けによって内側中央寄りに向かう方向に導かれる。レンズ114に対する押下力は、ガイド受けのうち主として立壁部124を介して操作部111の内側の中央寄りに向かうように導かれる。この時、ガイド受けのフランジ部125と被係合部127は、所定の遊び範囲内で操作部111の動きを規制する。
【0075】
このようなガイド受けによれば、特に立壁部124によって、操作部111全体の支持強度を高めることができる。よって、フランジ部125や被係合部127については、必要以上に補強する必要がなくなり、全体的に構造を簡素化することができる。さらに、立壁部124において操作部111の側面壁113が沿わない反対側の外側面は、隣接する遊技機10側に向くことになり、隣の遊技者が間違って操作しないための障壁となる。
【0076】
図18、
図20は、操作装置110の非操作時の状態を示し、
図19、
図21は、操作装置110の操作時の状態を示している。操作部111の高さ方向においては、
図19(b)中に示す矢印F1〜F3の何れの高さ方向からレンズ114を押下しても、ベース部120の立壁部124に側面壁113が摺接し、突出部116が内側中央寄りに向かう方向、すなわち突出部116の軸心に沿って後方へ移動する。また、操作部111の幅方向においては、
図20(b)中に示す矢印F4〜F3の何れの幅方向からレンズ114を押下しても、前記同様に立壁部124に側面壁113が摺接し、突出部116が後方へ移動する。
【0077】
以上のように、レンズ114の全域に亘る何れの方向から押下しても、突出部116は圧縮コイルバネ119の付勢力に抗して後方に移動(変位)する。よって、遊技者は操作部111におけるレンズ114を押す位置や方向を特に気にすることなく、容易に操作部111を押下することができ、確実に操作を行うことができる。なお、レンズ114には目印114aが設けられており、レンズ114はその全域において押下できるものであっても、操作部111が押下げ操作すべきものとの印象を遊技者に惹起させることができる。
【0078】
操作部111の押下げ操作に伴い突出部116が後方の作動位置まで移動(変位)すると、突出部116の先にある係合部118がマイクロスイッチ140の可動端子142を押圧する。これにより、マイクロスイッチ140の内部にあるスイッチ回路が切り換わり、
図22に示すように操作装置110から制御手段50に呼出信号(操作信号)が出力され、制御手段50の制御によって呼出ランプ40のランプ部42が点灯ないし点滅するように所定の表示制御が実行される。なお、レンズ114の押下げ操作を解除することにより、操作部111は圧縮コイルバネ119の付勢力によって通常の待機位置まで戻る。
【0079】
また、立壁部124の内側面と操作部111の側面壁113とは、面接触することはなくリブ124aにより局所的に接触しながら互いに相対的に移動する。よって、操作部111の押下げ時における摺動抵抗を減らすことができ、操作部111のさらなる円滑な操作が可能となる。また、ベース部120にはストッパ部126が設けられており、このストッパ部126の外形は裏面枠115の外形と同一形状であるため、操作部111の押下時に作動位置にて確実に停止させることができ、また、操作部111の作動位置における位置ずれを防止することができる。
【0080】
さらに、本実施の形態では、操作部111に光源としてLED151が組み込まれており、レンズ114の押下げ操作によりマイクロスイッチ140のスイッチ回路が切り換わると、前述した呼出ランプ40のランプ部42だけでなく、操作部111自体も発光する。すなわち、
図22に示す操作装置110からの呼出信号(操作信号)に応じて、制御手段50からLED制御信号が出力され、ベース部120の内部に組み込まれているLED基板150上のLED151が点灯する。これにより、遊技者は呼出ランプ40を見上げることなく、操作部111により操作が確実に行われたことを容易に確認することができる。
【0081】
詳しくは
図9において、LED基板150上のLED151が点灯すると、ホルダ固定部122や取付面部121の内側開口より操作部111の内部に光が入射する。ここでベース部120にあるストッパ部126は、内側開口をなるべく塞がない形状であり、また、操作部111の裏面枠115には光を通すための空隙115aがあり、内レンズ112は透明であるため、光源151からの光は途中で遮られることなくレンズ114の内側まで到達する。
【0082】
内レンズ112には光を拡散させる無数の微細な凹凸から成るレンズカット112aが形成されており、さらに、光拡散シート112bが重ね合わされている。これらのレンズカット112aや光拡散シート112bにより、小孔152からの光は乱反射することで、レンズ114の内側全体をほぼ均等に光が到達する。レンズ114は透明であるため、レンズ114の全域に亘り内側から発光させることができる。よって、レンズ114自体も前記呼出ランプ40のランプ部42とは別に発光する表示手段として活用することが可能となる。
【0083】
また、操作部111の側面壁113の内側には、光を反射する凹凸113aが設けられている。これにより、前記立壁部124の内面に外側から覆われる側面壁113においても、内側に光を反射させることができ、立壁部124をレンズ114を通して外側からは見えないように隠蔽することができる。さらに、レンズ114の内側全体をよりいっそう明るく発光させることができる。
【0084】
このようなレンズ114の発光による具体的な表示態様としては、単に消灯状態から点灯ないし点滅させるだけでなく、例えば、通常時は緑色に点灯させておき、呼び出し操作時に赤色に点滅する等、色々な表示態様が考えられる。かかる表示制御は前記制御手段50によって容易に実現することができる。特に、光源をフルカラーのLED151としたことにより、色々な表示色に状況に応じて変化させるような表示制御も可能となる。このような表示制御は、呼出ランプ40のランプ部42に関しても同様である。
【0085】
ところで、呼出ランプ40の表示部43においては、前述した操作装置110による呼び出し操作および発光表示とは別に、呼出スイッチ41の操作に応じて遊技機10に関する各種データを表示することができる。ここで各種データとしては、例えば、前記スタート信号を集計したスタート回数、前記大当たり信号を集計した大当たり回数、前記確率変動信号を集計した確率変動回数等が該当する。これらのデータは、制御手段50により過去数日分にわたり記憶されており、呼出スイッチ41の操作に応じて、本日分や前日分のみならず、それより前の過去の分も遡って表示させることができる。このような各種データの表示のための操作も、前記操作装置110により行えるように構成しても良い。
【0086】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、操作装置110は複数の遊技機10を並設して成る遊技機島1において、各遊技機10
に対応して設けられた呼出操作ユニット100に組み込むようにしたが、
遊技機10を並設して成る遊技機島1に限らず単体島において、遊技機10に対応して設けられた呼出操作ユニット100に組み込むようにしたり、単体島自体や遊技機10自体
(封入式遊技機も含む)に設けてもかまわない。また、呼び出し操作を行うものに限られず、遊技に関する様々な操作に適用することができる。
【0087】
また、操作装置110の操作部111のうち外壁面をなすレンズ114は、無色透明な合成樹脂により形成したが、必ずしも無色透明である必要はなく、着色透明としたり、あるいは透光性を有するが材質の向こう側を視認できないように形成しても良い。さらに、レンズ114ないし操作部111全体の形状も図示したものに限らず、レンズ114の外面を湾曲面ではなく多角形面となるように形成したり、あるいは全体的に全く異なる形状としても良い。