(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ドライブ機構は、前記エネルギー適用ツールの変位又はエネルギー適用後の前記物体の応答を測定且つ/又はセンシングするために適応され、前記ハンドピース筐体内に配置された測定且つ/又はセンシング装置を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の装置。
前記物体の前記構造的特性は、前記物体又は前記物体が取り付けられた土台の密度、骨密度又は骨結合のレベル、固有又はその他の欠陥、亀裂、欠損、微欠損、微亀裂、セメントシールの損失、セメント破損、接着層破損、微漏出、損傷、腐食、震動減衰、音響減衰、層間はく離、又はそれらの組み合わせを含む、
ことを特徴とする請求項4記載のシステム。
前記物体の前記構造的特性は、固有又はその他の欠陥、亀裂、欠損、微欠損、微亀裂、微漏出、損傷、腐食、層間はく離の位置に関する情報、歯科治療で使用する材料の適合性又は安定性の事前情報、歯構造が修復可能か否かの事前特定、復元処置が成功であるか否かの情報、任意の処置を行った歯の構造が何時再造形されるかに関する情報、歯科治療前後の歯の構造のゆるみに関する情報、又はそれらの組み合わせを含む、
ことを特徴とする請求項4記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】
図1は、本発明のシステムの実施形態の透視図を説明する。
【
図1a】
図1aは、本発明のタブの実施形態を示す。
【
図1b】
図1bは、本発明のタブの実施形態を示す。
【
図2a】
図2aは、本発明のスリーブとタブの実施形態の側面透視図を説明する。
【
図2b】
図2bは、本発明のスリーブとタブの実施形態の端透視図を説明する。
【
図2c】
図2cは、本発明のスリーブとタブの実施形態の透視断面図を説明する。
【
図2d】
図2dは、本発明のスリーブとタブの実施形態の端断面図を説明する。
【
図2e】
図2eは、本発明の
図2aのスリーブとタブの実施形態の側面断面図を説明する。
【
図3】
図3は、本発明のスリーブの実施形態の透視側面図を示す。
【
図3b】
図3bは、本発明のスリーブの他の実施形態の側面図を示す。
【
図3c】
図3cは、スリーブの端から見た
図3bのスリーブの断面図を示す。
【
図3d】
図3dは、ハンドピースに取り付けられたスリーブの端から見た
図3aのスリーブの断面図を示す。
【
図4a】
図4aは、本発明のハンドピースのスリーブの実施形態を説明する。
【
図4b】図
4bは、本発明のハンドピースのスリーブの実施形態を説明する。
【
図5】
図5は、本発明のハンドピースの実施形態の縦方向の断面図を説明する。
【
図6】
図6は、本発明の
図5の線III−IIIに沿って取られた断面図を説明する。
【
図7a】
図7aは、物体に置かれた時の
図2a〜dのいずれかのスリーブとタブの実施形態の側面図を説明する。
【
図7b】
図7bは、操作中の本発明のスリーブとタブの実施形態の上面
図の実施形態を説明する。
【
図7c】図
7cは
、操作中の本発明のスリーブとタブの実施形態
の正面図の実施形態を説明する。
【
図8】
図8は、本発明のスリーブとタブの他の実施形態を説明する。
【
図8a】
図8aは、操作中の
図8のスリーブとタブ
の実施形態を説明する。
【
図8b】図
8bは、操作中の
図8のスリーブとタブ
の実施形態を説明する。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態におけるソフトウェアプログラムのフローチャートを説明する。
【
図10】
図10は、本発明のシステム
と方法を用いる4スレッドチタンインプラントの骨密度の生体外(vitro)研究におけるグラフを示す。
【
図10a】
図10
aは、本発明のシステム
と方法を用いる4スレッドチタンインプラントの骨密度の生体外(vitro)研究におけるグラフを示す。
【
図11】
図11は、本発明のシステム
と方法を用いる4スレッドチタンインプラントの骨密度の生体外(vitro)研究におけるグラフを示す。
【
図11a】
図11aは、本発明のシステムと方法を用いる4スレッドチタンインプラントの骨密度の生体外(vitro)研究におけるグラフを示す。
【
図12】
図12は、本発明の器具の打診棒による衝突(衝撃,percussion)中に加えられる力を示す。
【
図13】
図13は、本発明の器具の打診棒による衝突(衝撃,percussion)に基づく物体の動的な応答を示す。
【
図14】
図14は、理想状態の損失係数とエネルギー還元グラフの計算において使われる式を示す。
【
図15】
図15は、理想状態の損失係数とエネルギー還元グラフの計算において使われる式を示す。
【
図16a】
図16aは、本発明の打診棒による衝突(衝撃,percussion)後に生成される損失係数とエネルギー還元グラフ及びそれが如何にして理想適合との比較が行われるかを示す。
【
図16b】
図16bは、多数の測定後の正常と異常構造のグラフ及びそれが如何にして理想適合とのと比較が行われるかを示す。
【
図17】
図17は、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる歯を描く。
【
図17a】
図17aは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる歯を描く。
【
図17b】
図17bは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる歯を描く。
【
図17c】
図17cは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる歯を描く。
【
図17d】
図17dは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる歯を描く。
【
図17e】
図17eは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる歯を描く。
【
図17f】
図17fは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる歯を描く。
【
図17g】
図17gは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる歯を描く。
【
図17h】
図17hは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる歯を描く。
【
図18】
図18は、図
17、17a〜hにおける歯とは異なる歯上での繰り返し手順を示す。
【
図18a】
図18aは、図
17、17a〜hにおける歯とは異なる歯上での繰り返し手順を示す。
【
図18b】
図18bは、図
17、17a〜hにおける歯とは異なる歯上での繰り返し手順を示す。
【
図18c】
図18cは、図
17、17a〜hにおける歯とは異なる歯上での繰り返し手順を示す。
【
図18d】
図18dは、図
17、17a〜hにおける歯とは異なる歯上での繰り返し手順を示す。
【
図18f】
図18fは、図
17、17a〜hにおける歯とは異なる歯上での繰り返し手順を示す。
【
図19】
図19は、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる3つの歯を描く。
【
図19a】
図19aは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる3つの歯を描く。
【
図19b】
図19bは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる3つの歯を描く。
【
図19c】
図19cは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる3つの歯を描く。
【
図19d】
図19dは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる3つの歯を描く。
【
図19e】
図19eは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる3つの歯を描く。
【
図19f】
図19fは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる3つの歯を描く。
【
図19g】
図19gは、本発明のシステムと方法及び他の既存方法でテストされる3つの歯を描く。
【
図20】
図20は、本発明のシステムを使用した時の歯科治療(dental work)
前のその時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
【
図20a】
図20aは
、本発明のシステムを使用した時の歯科治療(dental work)
前のその時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
【
図20b】
図20bは
、本発明のシステムを使用した時の歯科治療(dental work)
前のその時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
【
図20c】
図20cは
、本発明のシステムを使用した時の歯科治療(dental work
)後のその時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
【
図20d】
図20dは
、本発明のシステムを使用した時の歯科治療(dental work
)後のその時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
【
図20e】
図20eは
、本発明のシステムを使用した時の歯科治療(dental work
)後のその時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
【
図20f】
図20fは
、歯科治療(dental work
)後の
歯を示す。
【
図21b】
図21bは、
図21と同一
の歯
の本発明のシステムを使用した時の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
【
図22a】
図22aは、
図21と同一
の歯
の本発明のシステムを使用した時の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
【
図23】
図23は、ガラス棒を用いて歯をシミュレートする有限要素解析からのデータと有限要素モデルにおける衝突(衝撃,percussion)によって作られる曲線を示す。
【
図24】
図24は、欠陥のない合成層プレー
トを示す。
【
図24a】
図24aは、図2
4の複合物に対し、有限要素解析を用いた際の衝撃(衝突,impact)応答のグラフを示す。
【
図24b】
図24bは
、サンプルの中心において層間に欠陥を持つ合成層サンプルを示す。
【
図24c】
図24cは
、図2
4bの複合物に対し、有限要素解析を用いた際の衝撃(衝突,impact)応答のグラフを示す。
【
図26】
図26は、本発明のシステムの実施形態の写真を示す。
【
図27】
図27は、本発明のシステムと方法によって生成される時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
【
図28】
図28は、本発明のシステムと方法によって生成される時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
【
図29】
図29は、本発明のシステムと器具の実施形態の概略図を示す。
【0048】
【
図21】
図21と21a〜bは、同一歯のエックス線検査と本発明のシステムを使用した時の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
【
図21a】
図21と21a〜bは、同一歯のエックス線検査と本発明のシステムを使用した時の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
【
図21b】
図21と21a〜bは、同一歯のエックス線検査と本発明のシステムを使用した時の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
【
図22】
図22と22aは、同一歯の映像と本発明のシステムを使用した時の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
【
図22a】
図22と22aは、同一歯の映像と本発明のシステムを使用した時の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
【
図23】
図23は、ガラス棒を用いて歯をシミュレートする有限要素解析からのデータと有限要素モデルにおける衝突(衝撃,percussion)によって作られる曲線を示す。
【
図24】
図24と24bは、それぞれ欠陥のない合成層プレートとサンプルの中心において層間に欠陥を持つ合成層サンプルを示す。
【
図24b】
図24と24bは、それぞれ欠陥のない合成層プレートとサンプルの中心において層間に欠陥を持つ合成層サンプルを示す。
【
図24a】
図24aとcは、それぞれ
図24と24bの複合物に対し、有限要素解析を用いた際の衝撃(衝突,impact)応答のグラフを示す。
【
図24c】
図24aとcは、それぞれ
図24と24bの複合物に対し、有限要素解析を用いた際の衝撃(衝突,impact)応答のグラフを示す。
【
図26】
図26は、本発明のシステムの実施形態の写真を示す。
【
図27】
図27と28は、本発明のシステムと方法によって生成される時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
【
図28】
図27と28は、本発明のシステムと方法によって生成される時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。
【
図29】
図29は、本発明のシステムと器具の実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下に示される詳細な説明は、本発明の形態に一致して提供される現行の例示されるシステム、装置及び方法の説明として意図されており、本発明が、用意され又は利用され得るただ1つの形態を表すようには意図されていない。むしろ、本発明の趣旨および範囲内に包含されるように意図された様々な実施形態によって、同一かまたは同等な機能及び構成要素が達成され得ることを理解されたい。
【0050】
他に定義されない限り、本明細書に使われる全ての専門及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解すると同様の意味を有する。しかし、本明細書に述べられるものと同一か又は同等の任意の方法、装置と材料は、本発明の実践又はテストに用いられることができ、模範的方法、装置と材料は、これにより述べられる。
【0051】
本明細書に言及される全ての出版物は、記述及び開示の目的のために参照することによって本明細書に取り込められ、例えば、現行の述べられる発明に関連して用いられてもよい出版物に述べられた設計と方法論である。以前、次にそして本文の全体に渡ってリストされ又は議論される出版物は、本出願の出願日前のそれらの開示に対して単に提供される。本明細書において、発明者が以前の発明の長所によるそのような開示を先立つように権利を与えない承認として解釈されるものはない。
【0052】
本発明は、実用的な任意のサイズと形の物体をテストするために使用されてもよく、それらの構造的特性上の情報を得てもよい。そのような構造的特性は、物体又は物体が固定され得る土台の物理的特性だけでなく、それらの位置、本処置前の歯科治療で使用する材料の適合性又は安定性、本処置前に修復可能か否か、修復処置が成功かどうか、任意の処置を受けた歯構造が何時再構築されたか、歯科治療前と後の歯構造のゆるみ、そしてそれらの組み合わせとしての情報も含む。
【0053】
本明細書に定義される構造的特性は、振動緩衝能力、音響緩衝能力、固有欠陥を含む欠陥、例えば、物体を構成する骨又は材料内の亀裂、微亀裂、欠損、微欠損、セメントシールの損失、セメント破損、接着層破損、微漏出、損傷、腐食、一般の構造的インテグリティ又は一般の構造的安定性を含んでもよい。歯、自然歯、人工の歯科インプラント構造、歯構造、整形外科的構造又は整形外科インプラントのような解剖学的物体に対して、そのような特性は、物体の健全性、又は、物体が据え付けられ又は取り付けられ得る下の土台の健全性を示し得る。物体及び/又は下の土台の健全性はまた、密度又は骨密度、又は亀裂、欠損、微欠損、微亀裂、セメントシールの損失、セメント破損、接着層破損、微漏出、損傷、腐食、又はそれらの組み合わせといった任意の固有又はその他の欠陥の骨結合のレベルに相互に関連し得る。一般の物体に対して、例えば、ハニカム又は重ねたハニカムを含む重合体複合物の構造又は飛行機、自動車、船、橋、ビルの金属複合物の構造、限定するものではないが、発電施設を含む工業構造、アーチ構造、又は他の類似物理構造、そのような測定はまた、欠陥又は亀裂、ひび割れ欠損又は微亀裂などのような任意の構造的インテグリティ又は構造的安定性に相互に関連し得る。
【0054】
例えば、自然又は修復された歯、歯科インプラント構造、整形外科インプラント構造の減衰特性の測定、そして、限定しないがテスト飛行機構造、合成構造、工学材料、又は医科インプラントの安全性を含む、減衰特性の測定が用いられる様々な他の応用、そしてアクセスすることが困難である位置又は液体接触媒体が使用できない位置において特に有利である。スクリューのゆるみ、骨と同様に歯の亀裂及び骨の空所、デボンドされた修復、そして集積回路材料における損傷のような構造的インテグリティ。しかし、上述のリストは網羅的なものであるつもりはない。
【0055】
本発明は、上述の物体の構造的特性の有効かつ再現可能な測定を提供する。物体は、物体からの生きた任意のデータを収集そして解析可能なコンピュータ化されたシステムの一部を形成するハンドピースを介して提供されるエネルギー適用プロセスを受けさせてもよい。上述のように、振動緩衝能力、音響緩衝能力、機械的と解剖学的物体とそれらがその上に固定され得る任意の土台の両方の構造的インテグリティ又は構造的安定性を含む多くの異なる構造的特性は、本発明のシステムと方法を用いて決定されてもよい。自然又は修復された歯、人口の歯科インプラント構造、歯の構造、又は整形外科インプラントのような解剖学的物体に対して、本明細書に定義される構造的特性の例は、振動緩衝能力、音響緩衝能力、又は構造的安定性を含んでもよく、そして物体の健全性を示してもよい。物体の健全性は、骨密度又は骨結合のレベル、上述の欠陥又は亀裂のような構造的インテグリティにも相互に関連し得る。一般の物体に対して、そのような測定は、上述したように、欠陥又は亀裂のようなそれらの構造的インテグリティにも相互に関連し得る。飛行機、自動車、船、橋、ビル又は他の類似の物理的構造のような物理的構造又はそのような構造の建造において適切に補助する減衰材料に対して、本明細書に定義される構造的特性の例は、振動緩衝能力、音響緩衝能力、又は構造的安定性を含んでもよく、そして物体の構造的インテグリティの健全性を示してもよい。
【0056】
上述のように、本発明の器具は、そのような目的に使用されてもよく、そして、建造後のセメントシールの損失、セメント破損、接着層破損、微漏えい、腐食等を検出するのに加え、建造前に材料の適合性を予測するのに有用であろう。更に、本発明は、物体の構造を構成する材料内の固有の欠陥及び上述したように傷又は磨耗又は繰り返し負荷による亀裂又は欠損等との間の区別にも有用である。骨又はインプラントの材料構造、すなわち、物理的構造の固有の欠陥は、例えば、骨内の病変、インプラント建造又はポリマー、重合体複合物又は合金、あらゆる種類のセラミック、又は金属複合物又は合金内の類似欠陥を含みえる。
【0057】
1つの実施形態において、ハンドピース104は、
図1に例示されたように、例えば、衝撃(衝突,impact)器具の形状であってもよい。ハンドピース104は、開放端132aと閉端132bを持つ円柱型筐体132を有してもよい。開放端132aは、ここに例示されるように漸減されるが、他の構成も熟慮される。エネルギー適用ツール120、例えば、打診棒120はまた、上述のように、軸方向の移動に対して筐体132内部に取り付けられてもよい。ハンドピースはまた、操作中に引込位置128と伸長位置129との間を筐体132内の軸方向に打診棒120を駆動するために筐体132内に取り付けられるドライブ機構160を含む。示されたように、伸長位置129において、打診棒120の自由端は、筐体132の開放端132aから伸長又は突出する。
図5に示されたように、ドライブ機構160は、後述する電磁コイル156を含んでもよい。1つの形態において、打診棒120は、その全体長にわたって実質的に不変の断面構造を有してもよく、そして自由端から離れた端に取り付けられた永久磁気アンサンブル157を有する。ドライブ機構160の磁気コイル156は、打診棒120の他端の後ろに配置させられてもよく、そうすることで、ハンドピース104の外径を比較的小さくすることができる。
【0058】
図6に示されたように、エネルギー適用ツール120、例えば打診棒120のための取り付け機構は、ベアリング1003と1004によって形成されてもよく、そうすることで、ほとんど摩擦がない方法で打診棒120の支持又はサポートが可能となる。1つの例において、筐体132は、約150mmの長さと約15mmの厚さとなる。磁気又は推進コイル156は、筐体132内の永久磁石157の隣に配置させられてもよく、そして永久磁石157の軸方向後ろに配置される。磁気コイル156と永久磁石157は、打診棒120の前後方向の動きのためのドライブを形成する。ドライブコイル156は、筐体132の必須の構成要素であってもよく、そして供給ホース又は線1000に接続されてもよい。
【0059】
2つのベアリング1003と1004は、実質的に無摩擦であってもよく、そして、
図6に示されたように、軸方向の開口1400によって分離される複数の放射状に内向きに伸長するリッジを含んでもよい。ベアリング1003の軸方向の開口1400は、チャンバー1600からベアリング1003によって分離されるチャンバー1500間の空気の移動を許し、チャンバーは、筐体132の内壁表面と打診棒120との間に形成される。これらのチャンバー1500と1600間の空気移動が、打診棒120の移動を補うようにしてもよい。
【0060】
再度
図1を参照し、スリーブ108は、端132aに対向して配置され、そして端132aを越えて伸長する。スリーブ108は、筐体132aの端を包み込み、そして操作中において物体112の表面上に容易に配置できるように、その端116は平らにされている。
図2aに示されたように、スリーブ108は、その端116の部分から突出するタブ110を有し、そうすることで、スリーブ108の開放端116が測定を受ける物体112の表面と接触する時、
図6、26aと26bに示されたように、タブ110は、物体112の上部に載せられることが可能となる。タブ110とスリーブ108の両方が、物体112に対するハンドピース104の繰り返し可能な配置を補助するようにしてもよく、そして、よりよい再現性のために、タブ110は、毎回物体112の上部から実質的同一の距離で置かれてもよい。これは、
図2b、2cと2d、
図7a〜d、又は
図26aとbにて、よりよく見ることができる。但し、物体112は、
図2b〜dにおいては示されていない。上述のように、物体は、解剖学的構造又は物理的又は工業的構造を含んでもよいが、ここに言及される図においては、解剖学的構造が示されている。
【0061】
図1、2a、2b、2c、と26bに示されたように、そこから突出するタブ110を有さないスリーブ108の端116は、平ら又は実質的に平らで、そして、
図2a、2b、2c、と26bに示されたように、物体112の上部と接触するタブ110の部分も平ら又は実質的に平らである。
図2a、2b、2c、と29bに示されたように、タブ110は、スリーブ108の端から実質的に平行方向に伸長してもよい。1つの形態において、
図2bに示されたように、タブ110は、スリーブ108の端から突出前の距離に対してスリーブ108と一体であってもよく、スリーブ109の端116から突出前と後のスリーブ108の断面的外形を実質的に保っている。本実施形態において、
図2bに示されたように、タブ110の突出部分は、アーチ型の上部部分を有してもよい。他の形態において、
図2aと2cに示されたように、タブ110は、スリーブ108の上部から突出してもよく、スリーブ108の端から突出する前と後にスリーブの断面的外形を保たない。本実施形態において、
図2cと26bに示されたように、タブ110の突出部分は、長方形の断面を有してもよい。任意の実施形態において、
図1aに示されたように、それらを載せる物体112上をひっかけないようにするために、タブ110のコナーは、なめらか又は丸くされ又は実質的になめらか又は丸くされる。他の実施形態において、
図1bに示されたように、タブ110は、なめらかであってもよいが、コナーが、必ずしも丸くされる必要はない。更なる他の実施形態において、断面の
図2dに示されたように、タブ110の断面は、スリーブ108の断面の周囲の外側へと伸長しない。
【0062】
図3と3aは、本発明のスリーブ108の実施形態の透視側面と側面図を示す。本実施形態において、スリーブ108は、筐体132aの開放端への取り付けのためのスレッド部分116aを有し、自由端116に向けて漸減される。
図3dは、ハンドピース104に取り付けられるスリーブの端から見た
図3aのスリーブの断面図を示す。
【0063】
他の実施形態において、
図3bに示されたように、スリーブ108は、実質的に非先細りであってもよい。本実施形態において、
図3cに示されたように、スリーブ108の端の断面は、実質的にラウンド状である。
【0064】
これらの実施形態において、スリーブ108は、スレッド116aによってハンドピース104に取り付けられてもよい。スレッド部分116aは、確実な取り付けを可能にするための寸法を有してもよい。
【0065】
図4a〜bにおいて、ハンドピース104のスリーブ108の他の実施形態がしめされる。
図4aと4bにおいて、ハンドピース104の位置合わせを更に補助するために、ポリマースリーブ108は、物体112にほぼ垂直に接触する平らな先端部116を特徴とする。
図4bにおいて、外径は、スリーブ108の内径よりも少なくとも数倍大きい。用いる形又は形状がハンドピース104をほぼ垂直に位置合わせするのを補助し、スリーブ108を介して、高感度の測定を行うハンドピース104の筐体132内部に伝わり得る、測定過程で引き起こされる物体112からの振動を減衰するものであれば、スリーブ108は他の形と構成であってもよい。
【0066】
図7aは、操作中に物体112に置かれた時の
図1a〜bと
図2a〜dのいず
れの実施形態におけるスリーブ108とタブ110の側面図を示している。
図7bとcに示されたように、タブ110が歯112の上部に載っている間、スリーブ108は、歯のような物体112に接触している。歯112の上部により適切に配置するのために、物体112と接触するタブ110の表面は、コンター型にされてもよく、又は平らであってもよい。
図7bと2cは、それぞれ、操作中の
図1aと1bのスリーブとタブの実施形態の上面図と正面図の実施形態を示している。
【0067】
他の実施形態において、
図8に示されたように、スリーブ108は、例えば、物体112の表面に接する面においてタブ110の表面に実質的に垂直なリッジ、突出又は他の類似するフィーチャのようなフィーチャ111を含んでもよい。例えば、歯に対して、リッジ又は突出は、隣接歯又は他の垂直表面の間にネストしてもよく、そうすることで、
図8aに示されたように、物体112の表面を横切る実質的に横方向へのタブ110の動きを防止するのを助ける。また、
図8bに示されたように、テストされる歯の内部表面のような垂直表面上に載せるのを助ける。タブ110とフィーチャ111を有するスリーブ108は、物体112上に打診棒120のようなエネルギー適用ツールの配置を再現するのを更に助け得る。
図8aの実施形態に対して、リッジ又は突出111が隣接する歯の間に適切に静止させるために、タブ110は、スリーブから十分な長さで伸長してもよい。
図8bの実施形態に対して、リッジ又は突出111がテストされる歯内部表面上に適切に静止させるために、タブ110は、十分な幅であってもよい。
【0068】
1つの形態において、例えば、物体112が歯であれば、隣接歯112間に適合し得るように、フィーチャ111は、短くそして十分に小さい厚さであってもよい。他の形態において、例えば、物体112が歯であれば、フィーチャ111は、短くそして隣接歯112の上部間に適合するように形成されてもよい。また、他の形態において、例えば、物112が歯であれば、フィーチャ111は、後表面を支え、後表面の大部分をカバーするための寸法であってもよい。
【0069】
他の物体112に対して、フィーチャ111は、物体112に対して適切な寸法に従って形成されてもよい。
【0070】
ハンドピース104の操作を容易にするために、スリーブ108は、振動を減衰させる特性を有する任意の材料から作られてもよく、そして、スリーブ108を介してハンドピース104の筐体132へと伝わる任意の振動が減衰され得るような長さを有してもよい。1つの実施形態において、スリーブ108且つ/又はタブ110、そしてスリーブ108が取り付けられる筐体132bの端は、同一の材料から作られてもよい。他の実施形態において、スリーブ108且つ/又はタブ110、そしてスリーブ108が取り付けられる筐体132bの端は、類似の振動減衰特性を有する材料から作られてもよい。また他の実施形態において、スリーブ108且つ/又はタブ110、そしてスリーブ108が取り付けられる筐体132bの端は、異なる材料から作られてもよい。例えば、筐体132は、金属又は複合物から作られてもよく、一方で、スリーブ108且つ/又はタブ110は、ポリマー又は複合物から作られてもよい。更なる実施形態において、スリーブ108且つ/又はタブ110、そしてスリーブ108が取り付けられる筐体132bの端は、異なる振動減衰特性又は制振特性を有する材料から作られてもよい。上述のいずれの実施形態において、フィーチャ111はまた、突出、リッジ又は他の類似のフィーチャ又は類似機能を有するフィーチャであろうと、それが存在していれば、スリーブ108と同一の材料から作られてもよい。
【0071】
一般に、ハンドピース筐体132上又は内部に確実に適合し、使用中に破壊し得ないように十分な剛性を有するスリーブ108が望まれる。複数使用が考慮される場合には、スリーブ108は、望まれれば、オートクレーブのような滅菌処理に複数回耐え得るように構成してもよい。他の実施形態において、スリーブ108は、処分されてもよく、そうすることで、スリーブ108を形成し得るあらゆる材料で構成することが可能となる。適切な材料の例は、限定しないが、例えば、モールド、熱形成又は鋳造が可能なポリマーを含んでもよい。適切なポリマーは、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリルポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリオキシメチレン又はデルリン(Delrin)(DuPont社から入手可能)のようなアセタールポリマー、天然又は合成ゴム、ポリアミド、又はULTEM(登録商標)といったポリエーテルイミドのような他の高温ポリマー、ポリカーボネートとポリブチレンテレフタレーの混合物であるXenoy(登録商標)樹脂のようなポリメリックアロイ、ポリカーボネートとイソフタル酸塩テレフタル酸塩レゾルシノ樹脂(全てGEプラスチックから入手可能)との共重合体であるLexan(登録商標)プラスチック、芳香族ヒドロキシカルボン酸(ヒドロキシベンゾアート(剛性モノマー)、ベフェニウムヒドロキシナフトエート(軟性モノマー)、芳香族ヒドロキシ・アミンと芳香族ジアミン、(米国特許6,242,063号、6,74,242号、6,643,552号と6,797,198号に例示され、これらの内容は、参照によって本明細書に取り込められるものとする)、ターミナル無水物グループを有するポリエステルイミド無水物又はラテラル無水物(米国特許6,730,377号に例示され、これらの内容は、参照によって本明細書に取り込められるものとする)を構成するグループから選択された少なくとも1つの化合物又はそれらの組み合わせを成分として含む芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドのような液晶ポリマーを含む。これらの材料の幾つかは、再利用可能又は再利用可能になるように作ることできる。コンポスト性又は生分解性材料をまた、用いてもよく、ポリ乳酸樹脂(L−乳酸とD−乳酸を含む)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリヒドロキシ吉草酸塩/ヒドロキシブチレート樹脂(PHBV)(3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシペンタン酸(3−ヒドロキ吉草酸)のコポリマー)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)コポリマー、ポリエステ/ウレタン樹脂のような任意の生分解性又は生体コンポスト性ポリエステを含んでもよい。幾つかの非コンポスト性又は非生分解性材料はまた、特定の添加物の追加によってコンポスト性又は生分解性を有するようにできる。例えば、英国BorehamwoodのSymphony Environmentalによって供給されるD2W(登録商標)及びカナダのBristish Columbia、VancouverのEPI Environmental Products Incによって製造されるTDPA(登録商標)のような任意のオキソ生分解性添加物である。
【0072】
更に、ビグメント、酸素粒子、シリカ、グラスファイバ、又はこれらの混合物で満たされるポリマーであるエンジニアリング・プリプレグ又は複合物のような任意のポリマー複合物をまた、用いてもよい。例えば、ポリカーボネートとABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)の混ぜ合わせたものを、筐体132とスリーブ108のために用いてもよい。更なる例として、カーボン繊維且つ/又はガラス繊維強化プラスチックをまた、用いてもよい。
【0073】
合成ゴムは、例えば、ゴム状材料であってもよく、そして、限定しないが、Karaton社から入手可能な様々な共重合体又はブロック共重合体(Karaton(登録商標))、スチレンブタジエンゴム又はスチレンイソプレンエンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)ゴム、二トリル(アクリロニトリルブタジエン)ゴム、その類似物のようなポリマーを含んでもよい。
【0074】
幾つかの実施形態において、スリーブ108且つ/又は筐体132はまた、上述のポリマー又は複合物のような適切な材料で更にコーティング且つ/又は処理された金属且つ/又はセラミック材料から作られてもよい。例えば、実質的に振動を減衰/吸収/反射するような金属且つ/又はセラミック材料を用いることができる。震動且つ/又は他の機械的エネルギーがスリーブ108且つ/又は筐体132の金属且つ/又はセラミック製のコンポーネント内部に伝わらないような、粘弾性且つ/又は他のコーティングをまた、採用してもよい。
【0075】
1つの実施形態において、スリーブ108、且つ/又は筐体132、又はそれのコンポーネント/部分に対して、チタンを用いてもよい。
【0076】
他の実施形態において、圧電セラミックのような圧電材料が用いられてもよい。圧電材料は、機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換するのに一般に用いられる。
【0077】
発明の1つの特定の実施形態において、試料112と接触するポリマースリーブ108の先端部116からヘッド128を引っ込めた静止状態における打診棒120のヘッド128までの距離が、一般に、例えば、約3.5ミリメターから約5.5ミリメターまでの範囲、そしてさらなる例としては、約3.75ミリメターから約4.5ミリメターまでの範囲となるように、ハンドピース104のポリマースリーブ108は突出する。1つの実例の実施形態において、試料112と接触するポリマースリーブ108の先端部116からヘッド128を引っ込めた静止状態における打診棒120のヘッド128までの距離は、大よそ4ミリメターであってもよい。打診棒120のこれらの測定値は、単なる例示であり、限定するものではない。1つの実施形態におけるポリマースリーブ108長さは、打診棒120の長さと、打診棒120が作動時に前方への進行が摩擦と重力によって著しく低下することなく進行可能な総距離と、に依存する。
【0078】
上述のように、スリーブ108は、着脱可能であってもよく、任意のスレッド取り付け、摩擦適合、バヨネット構造、溝形構造、スナップ適合、インターネスティングピンとピンホール構造、ラッチそして他の相互接続構造で筐体132に取り付けられてもよい。1つの実例の実施形態において、スリーブと筐体は、よりよい適合のためにカスタムメードのスレッドシステムであってもよい。
【0079】
1つの実例の実施形態において、
図3に示されたように、ポリマースリーブ108の他端部136は、同様のスレッドを有するハンドピース筐体132と接合するようなスレッド116aであってもよい。ポリマースリーブ108の試料端116を含む平面は、ハンドピース筐体の軸にほぼ垂直である。また、ポリマースリーブ108の試料端116の表面面積は、十分に大きくてもよい。これとタブ110は、ハンドピース104のほぼ垂直配置と位置安定において助けとなる。1つの実施形態において、先端部116の試料端の外径は、一般に、例えば、約6ミリメターから約14ミリメターまでの範囲内であり、そして、更なる例示として、約8ミリメターから約11ミリメターまでの範囲内である。1つの実例の実施形態において、外径は、約9.5ミリメターである。先端部116の試料端の内径は、一般に、例えば、約3ミリメターから約6ミリメターまでの範囲内であり、そして、更なる例示として、約4ミリメターから約5ミリメターまでの範囲内である。1つの実例の実施形態において、内径は、約4.7ミリメターである。
【0080】
スリーブはまた、スリーブがスレッドするところからスリーブ108の試料端116に向かって減少するように変化する内径を有してもよい。
図1は、ポリマースリーブ108が3つの離散的な内径を有する実施形態を示す。他の実施形態は、3つ以上又は以下の内径を有する。この内の1つの実施形態は、ポリマースリーブがスレッドするところからポリマースリーブ108の試料端116に向かって連続的に減少する内径を有する。減少する内径は、打診棒120が、一貫した位置を一貫した傾斜角で試料112を打つようにガイドし得る。タブ110を持つスリーブ108は、物体112上への配置をより正確により精密なものとし得る。例えば、測定過程に影響を与え得る任意の応力波を減衰するような緩衝能力とそのような長さを有するポリメトリックスリーブ108は、操作中にポリマースリーブ108の先端部116を物体112に直接的に置くことが可能となる。物体112にハンドピース104のポリマースリーブ108の先端部116を直接的に配置することによって、物体112とハンドピース104のスリーブ108の先端部116との間の間隔を保つ上で利点を有し、スリーブの先端部116と、もし存在するならば、タブ110とフィーチャ111とによって更に固定される物体112の表面の位置は実質的に矛盾なく同じである。これにより、よりよいデータの再現性とより高い精度をもたらす。この可能性は、距離と配置の推測を除去し、そして、例えば、測定中の患者の頭又は操作者の手が非常にわずかに震えることによって生じる誤差を除去する。
【0081】
本発明の1つの実施形態において、ハンドピース104のタブ110を有するスリーブ108の先端部116は、試料112上に直接的に配置され、操作者の評価と、もし存在するならば、試料112のわずかな移動とは関係なく、一貫性の再現と非常に精密な測定を可能とする。
【0082】
他の実施形態において、また、ハンドピース104のタブ110とフィーチャ111を有するスリーブ108の先端部116は、試料112上に直接的に配置され、操作者の評価と、もし存在するならば、試料112のわずかな移動とは関係なく、一貫性の再現と非常に精密な測定を可能とする。
【0083】
更に、スリーブ108の先端部116とタブ110、又はタブ110とフィーチャ111を物体112上に直接的に載せることはまた、測定がなされる間に、操作者がハンドピース104を安定して持つことを容易とし、スリーブ108の先端部116と物体112との間の距離を一定に保つことを容易にする。
図1に示されたように、平ら状の先端部116を有するスリーブ108は、物体112と接触するように先端部116が配置されるときに、ハンドピース104が物体112の表面にほぼ垂直に配置することを更に助ける。先端部116、タブ120、及び物体112、又は先端部116、タブ120、及びフィーチャ111間の接触による自己位置合わせは、測定及び後続測定のいずれにおいても、打診棒120が物体112を打つ角度が一定に保たれることから、より正確そしてより精密な測定をもたらす。
【0084】
更に、ハンドピース104のスリーブ108において、震動を減衰させる特性を有するポリマー又は他の材料を使用することはまた、ハンドピース104の筐体132へと応力波が伝播することを防ぐことによってよりクリーンな信号を得ることができる。1つの実例の実施形態において、スリーブ108としてPTFEを使用してもよい。他の実施形態において、ポリオキシメチレンを、スリーブ108のために使用してもよい。PTFEとポリオキシメチレンは、オートクレーブ可能であり、そして物体112からの応力波を減衰するために十分な高緩衝能力を有する。スリーブ108材料は、一般的には、例えば約0.03から約0.2の範囲内、そして、更なる例示として、約0.06から約0.1の範囲内の損失係数として表される緩衝能力を有してもよい。1つの実例の実施形態において、損失係数は、大よそ0.08であってもよい。PTFEはまた、測定過程において、打診棒120が前後に動く時にスリーブ108と打診棒120間の摩擦を減らす固形潤滑剤となる利点を有する。
【0085】
物体112に対してそれ自体で自己位置合わせを行う平ら状の先端部116及びスリーブ108のタブ120を有することから、操作者は、ハンドピース104をグラウンドにほぼ水平にそして測定中の物体112の表面にほぼ垂直に保つのを助けられる。テスト中に操作者がハンドピース104をほぼ水平に保つのを更に助けるために、ハンドピース104は、ハンドピース104の筐体132に取り付けられるレベル表示器140を有してもよい。本発明の1つの実施形態において、レベル表示器140は、透明ケースに閉じ込められる液に挟まれる気泡144を含んでもよい。ハンドピース104がほぼ水平位置にあることを保障するために、ユーザは単に、透明ケースの中間にある2つのマーク148と152の間の中央に気泡144がくるように保てばよい。
【0086】
再び
図1に戻り、ハンドピースは、圧電力センサ160aを含むドライブ機構160と、例えば、高速データ収集ボードによってもたらされる高速データ収集性能を有するコンピュータ164といったシステムハードウェア164とを含むシステムの一部であってもよい。1つの実施形態において、コンピュータ164に収容されるデータ収集カードの16ビットアナログ/ディジタル変換チャネルを使用してもよい。他の実施形態において、純粋なディジタルチャネルを使用してもよい。
図1aにおいて、
図1と1aに示されたように、エネルギー適用の前、間及び後における、打診棒120のようなエネルギー適用ツールの変位を感知し、そして測定するために、ドライブ機構160は、線形可変差動変圧器160bを含んでもよい。線形可変差動変圧器160bは、非接触線形センサであってもよい。センサは、誘導技術を用いてもよく、そうすることで任意の金属の対象物を感知することが可能となる。
【0087】
1つの実施形態において、ハンドピース104のエネルギー適用プロセスは、スイッチ機構140によるような機械機構を通じて誘引されてもよく、例えば、
図1に示されたように、オペレータが簡単に起動できるように、ハンドピース上の便利な箇所に置かれたフィンガースイッチであってもよい。
【0088】
他の実施形態において、ハンドピース104のエネルギー適用プロセスは、フットコントロールを通じて誘引されてもよい。
【0089】
更なる実施形態において、ハンドピース104のエネルギー適用プロセスは、例えば音声コントロールを通じて誘引されてもよい。音声コントロールは、電気的制御装置に連結されてもよい。電気的制御装置は、マイクロプロセッサと電気機械式スイッチ又は固体素子スイッチのようなスイッチを含んでもよい。玩具、携帯電話、自動車と他の家電製品のような電子装置に用いられる技術に類似する電子音声コントロールの回路技術は、エネルギー適用プロセスを起動するために使用されてもよい。また更なる実施形態において、ハンドピース104のエネルギー適用プロセスは、遠隔無線制御を通じて誘引されてもよい。遠隔無線制御は、マイクロプロセッサと電気機械式スイッチ又は固体素子スイッチのようなスイッチを含んでもよいスイッチ機構140に連結されてもよい。スイッチは、赤外線放射を通じて又は無線ラジオ信号を通じて又は電磁スペクトルの可視部分からの光を通じて起動されてもよい。
【0090】
1つの実例の実施形態において、物体112のテストを開始するために、ハンドピース104のスリーブ108の先端部116が試料112に対して配置され、そしてハンドピース104内部の打診棒120は、
図1に示されたように、ハンドピース104上に配置されているフィンガースイッチ124を押すことで起動される。
【0091】
フィンガースイッチ124又はハンドピース上のフットコントロール、音声又は無線制御の他のスイッチを起動すると、可動打診棒120がスリーブ108内の開口部を通じて推進コイルによって駆動され、物体112に、例えば、4秒に16回衝突する。打診棒120が移動すると、打診棒120上に位置する磁石157は、測定コイル158に対し変位される。打診棒120の加速は、圧電力センサ160aによって計測されてもよく、又は打診棒120の変位は、線形可変差動変圧器160bによって感知され、そして計測されてもよい。
図1に示されたように、操作中に、打診棒によるタッピングのようなエネルギーの適用後に、圧電力センサ160aによって測定がされる時に、そのような衝突(衝撃,percussion)から得られる衝突波に対応する信号は、収集されそしてコンピュータ164に送られる。1つの実施形態において、圧電力センサ160aは、各々の衝突(衝撃,percussion)から得られる衝突波に対応する信号を生成するために使用されてもよい。1つの形態において、コンピュータ164内に収容されるデータ収集カード上の16ビットアナログ/ディジタル変換チャネルが使用されてもよい。そのような実施形態において、コンピュータ164は、少なくとも大よそ800kHzのサンプリングレートで動作するが、他の実施形態において、コンピュータ116は、少なくとも大よそ600kHzのサンプリングレートで動作してもよく、更なる例として、少なくとも大よそ500kHzのサンプリングレートが用いられてもよい。圧電力センサ160aによって生成される信号は、任意の器具のインターフェースを介してコンピュータ162内に収容されるデータ収集カードに提供されてもよい。1つの形態において、信号は、同軸ケーブル168を介して圧電力センサ160aからコンピュータ164の高速データ収集カードに転送されてもよい。他の形態において、器具のインターフェースは、シグナルコンディショナと独立電源供給を含んでもよい。また他の形態において、器具のインターフェースの改良された実施形態は、コンピュータ164内部に組み込まれてもよい。
【0092】
コンピュータ164に記憶されるソフトウェアは、物体112又は物体が取り作られる周辺部又は土台の例えば緩衝能力又は上に列挙した他の特性といった構造的特性を定量的に特定するために、例えば、16回の衝突(衝撃,percussion)の内の10回分を収集して解析する。一般的に、例えば与えられた物体に対する損失係数のサンプリングのために6から10回の衝突は十分に足りる。例えば、1つの実施形態において、打診棒120は、物体112に4秒間に約16回衝突する。他の実施形態において、より速い又はより遅い衝突(衝撃,percussion)繰り返しレートが用いられる。1つの実例の実施形態において、打診棒120は、フィンガースイッチ(図示されない)によって電子的に起動される1又は複数の推進コイル156によって駆動されるが、上述のように、他の実施形態において、推進コイル156は、遠隔的に起動されるようにしてもよい。
【0093】
打診棒120が物体112に衝突した時に、打診棒120の運動エネルギーの一部は、応力波として物体112を介して伝播する機械的エネルギーに変換される。物体112の損失係数と構造によって規定されるように、残りの運動エネルギーのほとんどが、熱に変換(消費)される。伝播される機械的エネルギーの部分は、打診棒120に反射され、筐体106内部に取り付けられた圧電力センサ160aによって検出されることができる。圧電力センサ160aは、打診棒120と物体112との間の衝突(衝撃,percussion)から得られる反射された機械的エネルギーに対応する信号を生成する。
【0094】
例示された実施形態において、コンピュータ164は、圧電力センサ160aから受信した信号を解析できる器具を仮想的に実現するソフトウェアを含んでもよい。圧電力センサ160aからのデータを収集するために、非常に多様な異なるタイプのデータ収集ソフトウェアが用いられることができる。1つの実施形態において、National Instruments(Austin, Tex.)から入手可能のLabVIEWプログラミング環境を用いて開発された、カスタマイズされたデータ収集ソフトウェアが使用されてもよいが、他の実施形態において、他のプログラミング環境が使用されてもよい。
【0095】
圧電力センサ160aから信号が受信された後、データ処理ソフトウェアは、例えばしばしば損失係数17として表現される物体112の緩衝能力といった、要望される特性を定量的に測定することを可能とする。上述のように、一連の衝突(衝撃,percussion)に対して、緩衝能力の計算が複数回実行されてもよい。例えば、打診棒120が物体112に16回衝突する、1つの実施形態において、物体112の緩衝能力が16回の衝突(衝撃,percussion)の内の10回に対して計算されてもよい。そのような実施形態において、緩衝能力測定の標準偏差が計算されることができ、故にユーザに測定精度の指標を提供することができる。特に、ハンドピース104が物体112に対して適切に配置されていなければ、又は他のエラーの原因が測定プロセスに存していれば、このエラーは、一連の緩衝能力測定の標準偏差が上昇する形からおそらくそのエラー自体を明らかにすることになる。事前に議論された任意の物体の任意の構造的特性の任意のテスト又は測定の実施において、上述のタブ且つ/又はフィーチャを有するスリーブのようなシステムの任意の部分の様々の実施形態が使用されてもよい。
【0096】
上述のように、本発明は、合成構造及び他の工学材料における微亀裂、破損、微破損と層間はく離のような内部損傷の検出においても応用を有する。特に材料の引張強さに近い応力下にある時に、複合物は一般に、非補強の金属より損傷が大きくなりやすい。本発明は、合成材料及び構造における非破壊テストを介して損傷を検出するのに有用である。
【0097】
図9は、ソフトウェア処理の1つの実例の実施形態のフローチャート300を示す。プログラムがロードされそして実行された後(304)、次のステップ308は、キャリブレーションが必要か否かを決定する。普通のテスト構成が実施されれば、ファイルに記憶された以前決定されたキャリブレーション値をロードする(ステップ312)。キャリブレーションファイルは、メモリに記憶された多くの以前のキャリブレーションファイルの中から選択されることができる。新しいテスト構成が使用されれば、キャリブレーション処理316が完成され、そしてステップ320において新しいキャリブレーション値が実施される前に新しいキャリブレーション値が新しいファイルに記憶される。次のステップ324において、プログラムは、圧電力センサから信号を受け取り(ステップ324)、信号をエネルギーデータに変換し(ステップ328)、コンピュータモニター上にグラフィックとテキスト形式でエネルギーデータを表示し(ステップ332)、n、例えば損失係数η、を計算し(ステップ336)、且つ/又は損失係数測定の標準偏差と正規化された理想適合誤差を計算し、そして操作者の裁量によりエネルギーデータを破棄するか又はファイルに保存する(ステップ340)。
【0098】
次に、操作者は、その一連の測定に対してより多くの測定を実行する(ステップ357)、新しい一連の測定を開始する(ステップ358)、又はプログラムを終了する(ステップ359)、の3つのオプションの中から選択する。プログラムの1つの実施形態において、グラフィカルユーザインターフェースは、ユーザが選択することができる上述の3つのオプションを表示する。このインターフェースは、そのボックスから延びる3つのパス357、358と359を有するフローチャート内に輪郭で描かれたボックス356によって反映されている。
【0099】
一連の測定に対してより多くの測定が要求される場合は(パス357)、プログラムは、プログラムが圧電力センサからの信号を受け取ったステップ324にループバックする。一連の測定に対してより多くの測定が要求されず、しかし代わりに新しい一連の測定が要求された場合は、プログラムは、プログラムが圧電力センサからの信号を受け取ったステップ324にループバックする前に、操作者の裁量によりエネルギーデータを破棄するか又はファイルに保存する(ステップ352)。一連の測定に対してより多くの測定が要求されず、且つ新しい一連の測定が要求されない場合は(パス359)、プログラムは、プログラムを終了する前に(366)、操作者の裁量によりエネルギーデータを破棄するか又はファイルに保存する(ステップ360)。
【0100】
また、自然歯に対する衝突(衝撃,percussion)に関連する機械的エネルギーは、例えば、歯周の靭帯によって大部分が消失される。より具体的には、歯が衝突力にさらされた時、応力波は、歯を介して、歯を下の骨に接続する役割を持つ歯周の靭帯内部に伝えられる。それは変形することから、歯周の靭帯は、緩衝装置として働き、衝突(衝撃,percussion)に関連するエネルギーの多くを消失する。この減衰プロセスは、結果として周辺骨へ伝えられる衝突波を都合良く減少させる。それに対して、歯科インプラント人工補綴は、使用されている材料の特性のために機械的エネルギーの量を著しく消失するメカニズムを通常有さない。そのため、機械的エネルギーは、比較的小さい減衰でインプラント構造からその下の骨へ伝わる傾向にある。機械的振る舞いにおけるこの違いは、習慣的に歯ぎしり且つ/又は歯をくいしばる人に対して特に重要になり得る。なぜならば、そのような振る舞いは、歯に比較的大きな衝突力を加えるからである。物理的構造に対して、構造内部に減衰材料が組み込まれているか否かにかかわらず、構造に対する衝突(衝撃,percussion)に関連する機械的エネルギーは、亀裂、微亀裂、破損、欠損又は任意の構造的不安定性がない時よりも、亀裂、微亀裂、破損、微破損、層間はく離、欠損又は任意の構造的不安定性がある時に、異なる応答を生成し得る。
【0101】
上述のように、材料が弾性機械的エネルギーを消失させる相対的な大きさは、損失係数を用いて特徴付けられることができる。損失係数値は、自然歯と同様に樹脂マトリックス複合物、金合成、金の積層材料に融着したポーセレン、全てのセラミック製の復元物又は口腔での使用に適した任意の他の材料でできている上部構造物のようなインプラントが支持する多種の上部構造物を含む上述の任意の物体に対して決定され得る。インプラントが支持する構造物は、一般的には、それらに対応する自然歯よりも少ない機械的エネルギーを消失する。しかしながら、インプラントが機械的エネルギーを消失する能力は、インプラント周辺の骨結合のレベルに依存し、インプラントと周辺骨との間の貧弱な骨結合は、非常に高いレベルのエネルギー消失を引き起こさせる。このように、エネルギー消失は、例えば骨のリモデリングによってインプラントを実施した後最初は増えるが、骨結合の進行に従って一般的には減少する。結局は、インプラントの消失(緩衝)能力は、骨結合進行が完了するに従って一定になる。上述のように、正常の健康な歯に対して、咀嚼によって生成された震動エネルギーは、健康な骨質歯と接合する歯周の靭帯によって減衰される。自然歯が損傷又は病害された場合、おそらくそして確実であり得るが、靭帯は一般的に損失されるので、靭帯なしでそれがインプラントで入れ替えられる。ほとんどの場合において、統合が成功したインプラントには靭帯がない。この状況において、インプラントは、骨内部に直接的に震動力を伝え得る。この消失を補うために、インプラントの橋脚歯を製造するために幾つかの複合物、金、酸化ジルコニウム等のような複数の材料の使用は、多数の研究において有効であること示している。本発明の器具は、例えばインプラントといった解剖学的構造のための建造又は製造且つ/又は材料の選択を補助するようなものであってもよい。橋脚歯の材料の負荷に対する動的応答の測定は、そのような目的に使用してもよくそして移植前又は修復前にインプラントに対する修復性材料の適合性を推測するのに有用である。
【0102】
頬側の負荷は遭遇する応力の中でより危険なタイプのものであるため、テスト結果と移植された時の実際の応答とを互いに関係つける能力は、本発明の他の形態である。一般に、咬合性の噛みしめは、比較的に低い応力を引き起こし、作業且つ/又は非作業動きは、側面負荷を引き起こし、そして内部表面とセメント−エナメル境下において最も高い応力の集中を生成する非常に大きな応力を引き起こし得る。故に、本発明のシステムを用いる定量的震動診断は、インプラントのための最良の材料選択又は構造設計において助けとなり得る。
【0103】
損失係数の決定は、米国特許6,120,466号に記載されている内容に従って実施されてもよく、これらの内容は、その全体の参照によって本明細書に取り込められるものとする。
図14と15は、損失係数を計算するために用いられる式を示し、そして
図16aは、損失係数の測定の例を示す。
【0104】
ある時間間隔の間に、タッピング又はエネルギー適用の結果として物体から反射されるエネルギーを測定するような他の測定は、米国特許6,997,887号と7,008,385号に開示されるように、時間間隔の間に物体から反射されるエネルギーに基づいて時間エネルギープロファイルを作成し、且つ/又は物体の緩衝能力を測定するために時間エネルギープロファイルを評価することを含んでもよい。米国特許6,997,887号と7,008,385号の全ての内容は、それらの全体を参照することによって本明細書に組み入れられたものとする。
【0105】
例えば、
図1でも説明されたように、コンピュータ164は、更にメモリレジスタを含んでもよく、そのようにして、例えば離散時間周期の幾つかのポイントにおける物体112から反射されるエネルギーの量といった、時間に対する衝撃(衝突,impact)応答が記録される。そのような実施形態において、物体112から反射されるエネルギーは、コンピュータ164に取り付けられたディスプレイ上に時間の関数としてプロットすることができる。この構成は、試料112から反射されるエネルギーの時間エネルギープロファイルをユーザが見て解析することを可能にする。
【0106】
時間エネルギープロファイルの生成に加えて、他の解析も、圧電力センサ160aから戻される信号に対して実施することが可能である。例えば、衝突(衝撃,percussion)に関連する仕事の量は、試料の変位に関連して打診棒120に加えられる力を積分することによって評価することが可能となる。物体112との衝突(衝撃,percussion)の間に打診棒112に加えられる力は、圧電力センサ160aを用いて測定することができる。衝突(衝撃,percussion)後、仕事の量は、物体112に存在する欠陥の量に部分的に依存する。特に、物体112内の欠陥は、打診棒120が物体112に衝突することで、その運動エネルギーを消失させる。それにより、打診棒120に戻され得る弾性エネルギーの量を減らす。
【0107】
1つの実施形態において、打診棒120に戻される弾性エネルギーの量と衝突(衝撃,percussion)に関連する全仕事量との比較は、物体112内に存在する構造的欠陥の量と性質を特定するために使用され得る。他の実施形態において、ガウシアン分布のピーク又は他の数学的に得られるピークは、エネルギー、応力又はフォースデータのような測定された衝撃(衝突,imapct)応答に適合されてもよい。残分又は平均誤差は、測定されたデータがどれほどぴったりと欠陥のない物体112を表すものであるかを決定するために用いられてもよい。
【0108】
図16bは、例えば歯上に生成された時間エネルギーのプロファイルといった時間に対する衝撃(衝突,imapct)応答の形の例を示す。正常の歯に対して、示されているように、滑らかなベル形カーブが生成される。異常の歯に対して、示されているように、例えば非対称のプロファイル又は複数ピークを有するプロファイルの様々な形を有するカーブが生成される。示されたプロファイルが歯に関連したものであるが、解剖学的又は工業的又は物理的なものであっても、上述の任意の物体に対してプロファイルが生成されてもよい。
【0109】
本発明の装置とシステムはまた、米国特許5,476,009号と5,614,674号に開示されたような、他のダンピングファクターの測定に用いられてもよいし、米国特許5,836,891号と5,402,781号に開示されたような、生物組織の別々の部分の密度における損失を非観血的に決定する際に用いてもよいし、米国特許5,652,386号に開示されたような構造の形式上のダンピングファクターに用いられてもよいし、米国特許4,231,259号に開示されたような物体の特定の緩衝能力を測定することによる初期欠陥の検出のために用いられてもよいし、米国特許4,519,245号に開示されたような非破壊テストで用いられてもよいし、米国特許5,915,292号に開示されたような震動を起こしそしてフーリエ変換による解析のために使用される器具に用いられてもよいし、米国特許6,918,736号に開示されたようなゴム内の歯又は体内のインプラントの安定性を検出するために用いられてもよいし、米国特許5,518,008号に開示されたような歯又は歯科インプラントの可動性を特定するために用いられてもよいし、又は物体内に震動を生成するための衝撃(衝突,impact)器具を用いた他の任意の測定に使用されてもよい。これら米国特許の内容は、その全体の参照によって本明細書に取り込められるものとする。
【0110】
健康な歯とよく一体化されたインプラントは、
図16bに示されたように、滑らか、対称、ベル形の時間−弾性エネルギーのプロファイルで低レベルのエネルギー消失を示す。本文脈に使われたように、“弾性エネルギー”(elastic energy)は、衝撃(衝突,imapct)器具100の打診棒120に加えられた弾性エネルギーを参照する。弾性エネルギーE
eは、E
e=kF
2によって与えられる。ここで、定数kは、打診棒120の有効弾性係数とは逆に変化し、そして力Fは、打診棒120の質量と、衝突(衝撃,percussion)から作られる応力波の結果としての打診棒120の最大減速度の両方に比例する。
【0111】
よく一体化されたインプラントとは対照的に、貧弱な骨結合、骨損失、内部欠陥、又は損傷した構造を患うインプラントは、一般的に不均一性の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを示す。例えば、
図27は、正常なインプラントに対する“正常な”時間に対する衝撃(衝突,imapact)応答のプロファイル200と同様に、良く一体化されていないインプラント構造に対する“異常な”時間に対する衝撃(衝突,imapact)応答のプロファイル210を説明する。これらのことは、正常なインプラントと異常なインプラントに対して
図16bにも示されている。説明したように、健康な歯における時間に対する衝撃(衝突,imapct)応答のプロファイル200は、滑らか、対称、ベル形を有するのに対して、異常なインプラント構造における時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイル210は、滑らかでも対称でもなく、又は第二極大212を有し得る。異常なインプラント構造における時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルの形は、ネジのゆるみ、損傷した内部構造、骨/インプラント接続部における骨損失、又は貧弱な骨結合のような欠陥が存在することを示す。第二極大に加えて、構造的欠陥を示す時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルの形状における他の異常は、散乱したデータ、非対称と不規則な形を含む。
【0112】
この原理の追加の例は、
図28に提供され、よく一体化されたインプラントに対する“正常な”時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイル300と同様に、良く一体化されていないインプラントに対する“異常な”時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイル310を説明する。これらのインプラント構造は、いずれも、例えば、機能異常(parafunctional)がひどい高齢患者の口内に配置されたものである。以前に説明したように、第二極大312は、ネジのゆるみ、損傷した内部構造、骨/インプラント接続部における骨損失、又は貧弱な骨結合のような欠陥がインプラントの箇所に存在することを示す。
【0113】
前述の例は、歯科構造における時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルの解析がその構造のインテグリティ及び安定性に関する情報を提供することができることを説明する。これらの解析技術は、臨床医に対して、観血的処置を要求せずに自然及び人工的な歯科構造の安定性についての情報を提供する、正確で、速く、そして簡易なツールを提供する。タブ且つ/又はフィーチャは、これらの測定の再現性に寄与し、標準偏差をより小さくする。
【0114】
複合物の構造に対して、上述の本発明の器具は、歯科医術以外の分野においても使用されてもよい。例えば、そのような器具は、層状のハニカム複合物又は他の構造のような複合物の構造の局所的な緩衝能力を査定するために使用されてもよい。特に、複合物の構造のテストにそのような器具を使用することは、構造を損傷させることなく、これらの構造の緩衝能力を評価することを可能にする。本明細書に開示される器具はまた、緩衝能力を評価するための従来の装置と比較して、軽く、ポータブルであり、利用しやすく、迅速でありそして安価である。
【0115】
緩衝能力は、材料が震動を吸収し分離する能力を評価するため、緩衝能力は、航空宇宙、船、橋、アーチ構造、土木工学及び自動車工学分野等において、防音のために使用される材料に関して特に関心がある。継続使用後の従来材料と同様に、開発中の新しい材料の緩衝能力をテストすることがしばしば求められる。
【0116】
1つの例として、層状のハニカム構造は、一般に比較的高い緩衝能力を有し、そのため、これらの分野において防音材としてしばしば使用される。一般的な層状のハニカム構造は、比較的薄く、高強度及び剛度を有する2つの表層を有する。表層は、比較的厚いが、軽く、表層に対し垂直方向に高強度を有するハニカムコア構造を囲む。例えば、ハニカムコア構造は、E.l. du Pont de Nemours and Company(Wilmington, Del.)から入手可能なNomex(登録商標)のハニカムコアを含んでもよい。表層とコアは、一般的に機械的に又は接着剤(例えば、フェノール樹脂又は他の構造的又は反応性の接着剤など)で接着され、構造に複合物の特性を与える。複合物の構造において、コアがせん断応力を帯びている間、表層は、曲げ応力を帯びる。長期間に渡って音響震動にさらされた時、ハニカムコアそのものと同様に、層間の結合における劣化は、層状のハニカムコア構造の防音能力を減少させ得る。
【0117】
ここで、
図29を参照し、複合物の構造の緩衝能力を評価するために構成された装置の実例の実施形態が説明される。装置は、衝撃(衝突,impact)器具100を安定させるために構成された固定されたブラケット150内部に取り付けられた本発明のシステム100の実施形態を含む。システム100は、テストされる物体又は試料112に実質的に垂直に器具100を配置するのを助けるためにレベル152を備えていてもよい。実例の実施形態において、試料112は、手で調整可能なバイスドライブ156を有するアングルバイス154内に獲りつけられる。そのため、テストの間、試料112を圧縮状態に保つことが可能になる。改正された実施形態において。システム100によって検出される可能性がある振動性ノイズの外部ソースを減少させるために、アングルバイス154は、ゴムグリップを備えていてもよい。
【0118】
まだ
図29を参照し、システム100は、器具のインターフェース168を通じてコンピュータ164に接続される。そのような実施形態において、コンピュータ164は、時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルのようなシステム100によって生成されたデータをグラフィカルに表現可能なディスプレイ180を含んでもよい。
【0119】
図29に説明されたテスト装置は、多種の材料の緩衝能力を評価するために用いられてもよい。例えば、1つの応用において、この装置は、層状のハニカム複合体の試料の緩衝能力を評価するために用いられてもよい。そのような応用において、テストされる試料112は、アングルバイス154内に取り付けられ、バイスドライブ156を用いてほぼ2765gcmのトルクで固定されるが、他の実施形態において、試料112は、異なるトルクを負荷されてもよい。
【0120】
1つの実例の実施形態において、本発明の器具は、正常の機能異常活動、繰り返し負荷を与える活動そして限定するものではないがただの異常のイベントような損害を与え得る衝突(衝撃,percussion)から口を守るための最高の生物模倣型の材料を選択するために助ける。加えて、それはまた、インプラントが支持するどのタイプの復元物(例えば、CAD/CAM複合樹脂及びCAD/CAM複合樹脂とセラミック製のアンレーとクラウンからなる酸化ジルコニウム製の橋脚歯(zirconia abutment))が、生理学的に関連のあるダイナミックな負荷に対してより生物模倣的に応答するかを評価するために用いられることができ、損失係数の測定が用いられてもよい。インプラント/橋脚歯/復元物が、選択された材料で作られた後、本発明の器具は、復元物それぞれの頬側表面の冠状第三に垂直に配置されてもよい。
図26に示されたように、プローブを水平に保つように、歯がある角度に保たれてもよい。選択された物体又は試料112に対する測定は、インプラント、復元物などに対して用いられる最適な材料を推測するために用いられてもよい。例えば、酸化ジルコニウム製のインプラント橋脚歯に接着された複合樹脂製のアンレー(onlay)は、擬態された骨対応構造における歯と比較した場合に、負荷に対して最良の生物模倣的な動的な応答を示す。
【0121】
1つの他の実例の実施形態において、本発明の器具はまた、歯科治療又は歯科移植直後の歯の構造のゆるみをテストするために用いられてもよい。歯の構造がただゆるいだけで、上述の欠陥又は亀裂がない時に、
図19b、dとf、又は
図20、20a〜bに示されたように、比較的平坦な時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイルを有し得る。歯科治療が落ち着いて、新しい構造の周りの骨が治り、そして歯列矯正するために必要な時間の後に、
図20c〜eに示された正常のベル形プロファイルとなる。もう1つの他の実例の実施形態において、歯列矯正の後に、歯科矯正医が歯の安定性を測定するために、本発明は用いられてもよい。
【0122】
更に、
図21bと22aに示されたように、異常又は複数ピークを持つ低く又は平坦なプロファイルは、極端な可動性と構造的破損に対応したものである。これは、歯が修復可能ではなかったことを示す。
【0123】
上述の任意の測定において、本発明のスリーブ108は、測定対象の物体との接触に対して適応されない他の市販のハンドピースに組み合わせてもよく、そのようにして、本発明の利点はまた、実現され得る。
【0124】
示されたように、幾つかの実施形態において、スリーブ108且つ/又は筐体のある部分は、微生物の成長を減少、防止、妨害又は最小限化することが可能なコーティングを含んでもよい。そうすることで、高温のオートクレーブ処理又は侵食性の強い化学物質の使用を最小限にとどめ、そしてそのようなツール又は器具を作るための基材として有用な材料の種類と数を増やすことが可能となる。
【0125】
コーティングは、少なくともスリーブ108の耐用年数のような期間に対して実質的に永久的な結合が可能な、化学的な抗菌性材料又は合成物を含んでもよく、又はスリーブ108の露出した表面上へのコーティング薬の助けによりそれらの抗菌性を維持するようにしてもよい。1つの例において、共有結合又は結合によって化学物質が、スリーブ108の表面上に堆積されてもよい。
【0126】
他の実施形態において、コーティングは、使用中に、分解され、浸出し、又は口のような有用なフィールドに抗菌性物質を運ぶような非永久的な方法で堆積された、化学的な抗菌性材料又は合成物を含んでもよい。
【0127】
更なる他の実施形態において、コーティングは、湿った環境において又は水分に接する際薬を浸出させ且つ/又は放出し得る抗菌性薬のソースを含んでもよい。これらのソースは、スリーブの製造のために使用された基板材料内部に取り込まれてもよく、又はスリーブ108の露出した表面上にコーティングされたコーティングに含まれてもよい。ソースの取り込みは、ポリマー基板に対して特に適する。
【0128】
化学的な抗菌性材料又は複合物は、限定しないが、抗生物質、抗かび性物質、一般の抗菌性薬、金属イオンを生成する金属、又は抗菌性効果を生成可能な任意の他の材料を含む様々な物質を含んでもよい。化学的な抗菌性材料又は複合物はまた、例えば患者への不利な効果又は不快を最小化するように選択されてもよい。
【0129】
抗菌性合成物は、限定しないが、抗生物質、第四級アンモニウムカチオン、金属イオンのソース、トリクロサン、クロルヘキシジン且つ/又はそれらの任意の他の適切な合成物又はそれらを混ぜたものを含んでもよい。
【0130】
更なる他の実施形態において、抗菌性活性は、様々な金属、特に人間への影響が少ない遷移金属の抗菌性特性を利用することによって成し遂げ得る。例はそれらの抗菌性効果と人間への生物学的影響がほとんどないことで注目されている、自由銀イオンのソースを含んでもよい。金属イオンの抗菌性活性は、様々な方法によって作られてもよく、これらの方法は、例えば、製造中に金属イオンのソースと歯科器具の材料を混合すること、プラズマ堆積のような方法で表面をコーティングすること、親和性又は結合部位を形成するために、エッチング又はコロナ放電のような方法で歯科器具の表面を破壊して金属イオンのソースをゆるく複合させること、そして電気めっき、光還元及び沈殿のような手段で表面に金属を堆積することを含んでもよい。スリーブ108の表面は、使用中に抗菌性効果を生み出す自由金属イオンをゆっくりと放出し得る。
【0131】
幾つかの実施形態において、金属イオンのソースは、イオン交換樹脂であってもよい。イオン交換樹脂は、材料の表面上の結合部位内にイオンを運ぶ物質である。イオン交換樹脂は、与えられた親和性を有するような特定のイオン種をしみ込ませたものであってもよい。イオン交換樹脂は、より高い親和性を有するような異なるイオン種を含む環境内に置かれてもよく、しみ込ませたイオンは環境内に浸出し、環境内に元々存在するイオン種によって置き換えられる。
【0132】
1つの実施形態において、スリーブは、例えば銀のような金属イオンのソースを含むイオン交換樹脂を含んでもよい。金属イオンのソースを含むイオン交換樹脂は、例えば銀を含むジルコニウムリン酸ベースのセラミックイオン交換樹脂であるAlphasan(登録商標)(Milliken Chemical)を含んでもよい。イオン交換樹脂は、スリーブ108上にコーティングされてもよく、又はスリーブ108の材料内に合体されてもよい。
【0133】
更なる他の実施形態において、スリーブ108は、固有の抗菌性活性を有する天然植物、天然材料コーティング又はそれらの混ぜ合わせから作られてもよい。そのような材料は、幾つかの新しいキシン質結合ペプチドによって抗菌性活性を有すると思われる、竹のような材料を含む。
【0134】
例
例1:骨密度の生体外研究
本研究のために用いたインプラントは4スレッドチタンインプラント形状は:
1と2.Nobel Biocare(TiO2コーティング、13mm長):Branemark Mark IV(最大直径4mm);選択したテーパード(tapered)を入れ替え(最大直径4.3mm);
3と4.Dentsply(13mm長、5.5mm最大直径);Frialit−2(stepped design);XIVE(designed for immediate loading)
からなる。
【0135】
手順:
2.5x2.5x4cmの気泡(foam)ブロックが製造された。インプラントは、製造者によって“外科的に”に配置された。穴が、模倣された骨ブロック内に手動的に空けられ、そしてインプラントは、トルクレンチで配置された。テストされる橋脚歯は、一貫した取り付け変位で万力内に置かれたインプラントとブロックに取り付けられた。各々の試料に対して3回の測定(30回の衝突)が実施された。
テスト結果は、1と2に対して
図10と10a、そして3と4に対して
図11と11a、に示された。これらのサンプルは、それら自体の材料におけるわずかな差異を調整することで類似のグラフを作るだろう。しかし、物体は、同じ様に用意されたにもかかわらず、操作者が異なったり又は同一の操作者でも、例えば、物体を取り付けるために異なるサイズの穴が空けられたといった技法においてわずかな変化があったために、グラフは、差異を示した。これらの差異は、器具によって拾い上げられ、グラフにおける差異として示された。これは、周辺環境における差異が本発明の器具によって明らかにされたことを示す。
【0136】
例2:頬側の衝撃(衝突,impact)負荷の重要性の評価
上述のように、頬側の衝撃(衝突,impact)負荷は、一般的により危険なタイプの負荷である。一般的に、咬合性負荷は、比較的に低い応力を引き起こす。作業且つ/又は非作業動きは、側面の負荷を引き起こし、そして外部表面と内部表面とふち下において高い応力の集中を生成する非常に大きな応力を引き起こし得る。このように、本発明の実施形態は次のテストの実施のために用いられた。
【0137】
手順:
本発明のシステムを用いて、
図12に示されたような負荷で、測定が実施された。1〜15ニュートンの最大力の器具が一般に使用された。最大負荷は物体又は試料に応じて選択された。打診棒は、自由に動くことができる状態にあった。運動エネルギーは、制御されていた。衝突速度は、60mm/秒であった。
【0138】
図26aに示されたように、本発明の器具は、物体上に配置された。
図13に示された計算を用いて、打診棒は、8グラムの質量を有する。入力エネルギーUは、0.5mv2、つまり、打診棒の運動エネルギーであった。最大力(F)は、消失エネルギー(D)を決定するために用いられた。減速度、aが測定され、そして帰還エネルギー、ER=U−Dが計算された。本発明の器具による物体の衝突(衝撃,percussion)後に動的な応答が測定され、そして
図16に示された。損失係数及びエネルギー帰還に対する衝撃(衝突,impact)応答のグラフは、
図14と15に示された式を用いて作られた。
図16bに示されたように、結果のグラフは、どれが正常でどれが異常であるかを示した。正常の構造に対して、なめらかでほぼベル形状グラフが得られた。上述のように、任意の欠陥又は亀裂を有する異常の構造に対して、不規則なグラフが生成された。
【0139】
例3:有限要素解析
この解析方法は、本発明のシステム及び方法を用いた実際テストを模倣するために数値モデルの使用を含んだ。
【0140】
本実験において、層状の構造が使用された。1つは、薄く切られた複合物の層に欠陥を有さない構造(
図24)であり、もう1つは、薄く切られた複合物の層に欠陥を有する構造(
図24b)である。
【0141】
図23は、物体に対する打診棒の残留時間を測定した。ガラス棒又はシリンダーは、
図23に示された測定のための歯構造を模倣するために用いられた。
図23のグラフは、時間に対する打診棒とガラス棒の相対的な位置を示した。打診棒がガラス棒の表面をたたいた時、それらそれぞれの位置は、始点において一致した。時間の進行に従って、打診棒は、ガラス棒の表面から徐々に離れて、そして250μ秒後においてそれらは分離した。これは、表面上の打診棒の残留時間が250μ秒であることを示した。
【0142】
この残留時間を用いて、
図24と24bの複合物プレートの解析が実施された。結果は、それぞれ
図24aと24cに示されている。
図24cのグラフは、複合物の層の欠陥、複合物の構造内の層間はく離を確認した。繰り返し測定が実施され、そして結果は、
図25と25bに示されている。このように、解析は、本発明のシステム及び方法を模倣するために使用されてもよい。
【0143】
例4:インプラント、復元物等におけるより生物模倣的に互換性のある材料を決定するために損失係数を評価する
抽出された人間の歯のLCを評価し、そしてインプラントが支持するどのタイプの復元物(例えば、CAD/CAM複合樹脂及びCAD/CAM複合樹脂とセラミック製のアンレーとクラウンからなる酸化ジルコニウム製の橋脚歯(zirconia abutment))が、生理学的に関連のあるダイナミックな負荷に対してより生物模倣的に応答するかを評価するために、
図27bに示されたように、幾つかの材料の損失係数(LC)を測定するために本発明の器具が使用された。より適切な材料は、
図16bの上側のグラフに類似するベル形を生成したが、あまり適切でない材料は、
図16bの下側のグラフに類似して不規則なグラフを生成し、又は自然歯におけるLC値よりも低い値を示した。そのため、試行錯誤することなく、事前に復元物の材料の選択を容易にすることができる。この試行錯誤は、再治療が必要となった場合に、時間を費やしそして高価でありながら、患者を不快にさせ、より損傷を受け得る潜在的危険に患者をさらすこととなる。
【0144】
例5:亀裂、欠陥などを測定するための本発明の器具の感度と正確さ
患者の口内の実際の人間の歯が、この研究に用いられた。
図17と17a〜hの情報は、同一の歯に基づいて生成された。
図17と17aは、病理を示さない患者の歯のレントゲン写真を示した。
図17bは、また病理を示さない、年代物の合金の復元物の画像を示している。このように、レントゲン写真と目視検査は、いずれも、歯が正常である、つまり欠陥又は亀裂がないことを示した。これらの通常のテスト方法に基づいて、対称又はベル形の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のプロファイル又はグラフが期待できる(又は、
図13、14と15内の式に基づいて計算された、
図17c内のうすい影のカーブに類似する)。
【0145】
しかしながら、同じ日に、
図1と16に示された本発明の器具を用い、
図27dに示されたタブを有するスリーブを用いて、時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のグラフが作られた。
図17cは、
図17と17aと同一の歯を示し、ある異常性を示す異常な時間に対するエネルギー帰還の衝撃(衝突,impact)応答のグラフを示した。異常のグラフは、非対称又は非ベル形のカーブを有し、
図17cにおいて矢印によって示されたように、古い充填材の構造内部の異なる箇所において歯が亀裂を持つことを示した。複数の測定が実施され、そしてこれらの全ては、測定の再現性と同様に、同一の不規則な形状を示した。このように、本発明の器具は、任意の異常を検出することができた。
図17f内の矢印によって示された異常な二次ピークはまた、亀裂を示す。
【0146】
図17dは、年代物の合金の充填物を除去している間の
図17の歯と同一の歯の画像を示し、充填物の下で微漏出及び総虫歯に発展した合金の充填物内部の著しい亀裂を示している。破損した合金の充填物は、漏れそして古い充填物の下で虫歯を発展させた。これは、本発明の器具によって検出された異常性を確認したものであった。
【0147】
図17eと17fは、合金除去前の同一の前処理時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のグラフを示した。
図17e〜fに示されたように、再検査は、亀裂測定が再現可能であることを示した。
【0148】
図17gは、古い合金及び虫歯が除去され、そして新しいよく封印された複合物の復元物が装着された後、
図17eと同じ日に取られた、時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のグラフを示した。その歯の時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のグラフはまた、正常であった。
【0149】
図17hは、年代物の合金の復元物がその日のより早い段階で置き換えられた後の、
図17gにおいて正常にテストされた新しい複合物の復元物を示す。この例のドラマは、
図17fと17gのエネルギー帰還プロファイルは同じ日の同一の歯に対するもので、差異は、古い充填物と虫歯が除去され、そして写真17hの新しく接着された複合物の復元物が装着されたことである。
【0150】
この実験は、他の歯で繰り返された。結果は、
図18、18a〜fに示された。
図18は、レントゲン写真上に病理が示されない歯を示した。
図18aは、
図18のレントゲン写真に示された歯の異常な時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のグラフを示した。
図18bは、
図18と18aにおいて評価された歯の写真であり、目視検査では著しい病理がないことを示している。しかし、充填物を除去すると、深い虫歯が存在し、そして古い充填物の下に微漏出があった。
図18cと18dと繰り返される同様グラフは、古い合金の除去前にその欠陥を示している。
図18eは、最終的な復元物が完成した後の同一の歯における正常のERGを示す。
図18fは、正常にテストされた新しい復元物をつけた
図18bに示された同一の歯を示した。これはまた、本発明の器具の正確さを示した。
【0151】
加えて、上述のように、本発明のシステムはまた、歯科治療直後の歯の構造のゆるみを検出するために使用されてもよい。
図19〜19gは、異なる3つの上部の前歯に対する前処理のレントゲン写真と時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のグラフを示す。
【0152】
図19、19a、c、eとgは、新しい充填物を用いた新しい歯科治療、つまり、充填物と金冠を表す白いスポットを示した。本発明の器具の実施形態で作られたグラフは、
図19b、dとf、と
図20に示されたように正常である。つまり、対称だが低い。歯は、ゆるくそして安定ではなかった。なぜならば、患者は、最近歯列矯正を終了したばかりだったからである。もちろん、構造的には問題はないのだが。
【0153】
図20、20aと20bはまた、治療前にゆるんでいた歯の時間に対するエネルギー帰還の衝撃(衝突,impact)応答のカーブを示した。
図20c、20d、20eは、同一歯に対する復元物における時間に対する衝撃(衝突,impact)応答のグラフであった。
図20fは、修復され、そして構造的に正常の歯の最終的な写真を示した。グラフは、治療後に歯が骨により定着したため、ここではより高くなる。骨は、歯列矯正後に再造形可能となった。そのため、歯科治療が落ち着いて、そして歯の構造がよりしっかりと取り付けられるために必要な時間の後に、正常のベル形のプロファイルがより高いプロファイルの結果となる。
【0154】
一方、
図21bと22aに示されたように、異常又は複数のピークを持つ低く又は平坦なプロファイルが作られたとき、極端な可動性と構造的破損は、歯が修復可能ではなかった事実を示す。
図21と21aは、
図21bに用いられた歯のエックス線写真であり、複数の充填物を示しており、そして
図22は、この古いクラウンの下の深い虫歯を示す。その深さは根の構造まで達し、広範な末期の虫歯によりこの歯は抜歯される必要があった。
図22aは、本発明のシステムを用いて作られた同一の歯の時間エネルギーのプロファイルを示し、形状と高さにおいて非常な異常を示している。
【0155】
上述の記述及び説明による発明の開示と共に、これらは本発明の代表的であって、そして限定として考慮されるべきではないと理解されるべきである。従って、本発明は、上述の記載によって限定されるべきではなく、しかし任意の同等物を含む。
(付記1)
開放端と縦軸を持つハンドピース筐体と、
引込形状と伸長形状を有し、前記筐体の縦軸に沿って軸上移動するために前記筐体内に取り付けられたエネルギー適用ツールと、
前記筐体の前記開放端から所定距離突出するスリーブと、
前記筐体の前記縦軸に実質的に並行する前記スリーブの部分から伸張するタブと、
前記筐体内に取り付けられたドライブ機構とを含み、前記ドライブ機構は、引込形状と伸長形状の間を前記エネルギー適用ツールを移動するために適応される、
ことを特徴とする物体の構造的特性を特定するための装置。
(付記2)
前記タブは、エネルギー適用の方向以外の任意の方向におけるエネルギーの適用後の前記物体の動きを最小化するために適応される、
ことを特徴とする付記1記載の装置。
(付記3)
前記物体は、解剖学的物体、工業的物体又は物理的物体、又はそれらの組み合わせを含む、
ことを特徴とする付記1又は2記載の装置。
(付記4)
前記タブは、前記装置の前記物体上への直接的な配置を再現可能とするために、使用中に接触する前記物体の表面の外形を実質的にミラーする接触表面を含くむ、
ことを特徴とする付記1、2又は3記載の装置。
(付記5)
前記スリーブは、振動減衰材料、音響減衰材料、振動減衰コーティングを有する材料、又は、それらの組み合わせを含む、
ことを特徴とする付記1、2、3又は4記載の装置。
(付記6)
前記タブは、前記物体上への前記装置の配置を更に補助するために適応される、前記タブに対し実質的に垂直するフィーチャを含む、
ことを特徴とする付記1、2、3、4又は5記載の装置。
(付記7)
前記スリーブとタブは、同一の材料又は同様の熱膨張特性を有する異なる材料を含む、
ことを特徴とする付記1、2、3、4、5又は6記載の装置。
(付記8)
前記ドライブ機構は、前記エネルギー適用ツールの変位又はエネルギー適用後の前記物体の応答を測定且つ/又はセンシングするために適応される、前記ハンドピース内部に配置された測定且つ/又はセンシング装置を含む、
ことを特徴とするいずれの付記1〜7記載の装置。
(付記9)
前記測定且つ/又はセンシング装置は、圧電力センサ又は線形可変差動変圧器を含む、
ことを特徴とするいずれの付記8記載の装置。
(付記10)
前記タブとフィーチャは、同一の材料又は同様の熱膨張特性を有する異なる材料を含む、
ことを特徴とする付記6記載の装置。
(付記11)
前記スリーブは、抗菌性コーティング又は抗菌性特性を有する材料を有する、
ことを特徴とする付記1〜10のいずれか記載の装置。
(付記12)
前記スリーブは、脱着可能である、
ことを特徴とする付記1〜11のいずれか記載の装置。
(付記13)
前記スリーブとタブは、使い捨て又は殺菌可能である、
ことを特徴とする付記1〜12のいずれか記載の装置。
(付記14)
前記ドライブ機構は、前記エネルギー適用ツールが前記物体に衝突した後の離散時間周期の間の前記物体から反射された時間に対する衝撃応答又は前記エネルギー適用ツールの変位を検出するために構成された感知機構を含む、
ことを特徴とする付記1〜7のいずれか記載の装置。
(付記15)
前記解剖学的物体は、歯の構造、自然歯、磨耗又は外傷による欠損を有する自然歯、少なくとも部分的に膿瘍になっている自然歯、又は骨の添加処理を受けた自然歯、人工の歯科インプラント構造、歯科構造、整形外科的構造又は整形外科インプラントを含む、
ことを特徴とする付記3記載の装置。
(付記16)
前記物理的又は工業的物体は、重合体複合物の構造、金属複合物の構造、飛行機、自動車、船、橋、ビル、発電施設、又はアーチ構造を含む、
ことを特徴とする付記3記載の装置。
(付記17)
ハンドピースを含む物体の構造的特性を特定するためのシステムであって、前記ハンドピースは、
開放端と縦軸を持つ筐体と、
前記筐体の縦軸に沿って軸上移動するための前記筐体内に取り付けられたエネルギー適用ツールと、
前記筐体の前記開放端から突出するスリーブと、
引込形状と伸長形状の間を前記エネルギー適用ツールを移動するために適応され、前記筐体内に支持されたドライブ機構と、
前記物体の構造的特性を特定するために適応され、前記ハンドピースに結合されたコンピュータとを含み、
前記スリーブは、前記物体上への前記ハンドピースの直接的な配置を再現可能にするために、その部分から前記ハンドピースに実質的に平行して伸張するタブを有する、
ことを特徴とする前記物体の構造的特性を特定するためのシステム。
(付記18)
物体の前記構造的特性の特定は、前記エネルギー適用ツールによる前記物体上にエネルギーの適用後の前記物体の時間に対する衝撃応答のグラフ又は損失係数の生成を含む、
ことを特徴とする付記17記載のシステム。
(付記19)
前記物体の前記構造的特性は、前記物体又は前記物体が取り付けられた土台の密度、骨密度又は骨結合のレベル、固有又はその他の欠陥、亀裂、欠損、微欠損、微亀裂、セメントシールの損失、セメント破損、接着層破損、微漏出、損傷、腐食、セメント破損、接着層破損、震動減衰、音響減衰、層間はく離、又はそれらの組み合わせを含む、
ことを特徴とする付記17又は18記載のシステム。
(付記20)
前記構造的特性は、固有又はその他の欠陥、亀裂、欠損、微欠損、微亀裂、微漏出、損傷、腐食、層間はく離の位置に関する情報、歯科治療で使用する材料の適合性又は安定性の事前情報、歯構造が修復可能か否かの事前特定、復元処置が成功であるか否かの情報、任意の処置を行った歯の構造が何時再造形されるかに関する情報、歯科治療前後の歯の構造のゆるみに関する情報、又はそれらの組み合わせを含む、
ことを特徴とする付記17又は18記載のシステム。
(付記21)
前記時間に対する衝撃応答のプロファイルは、前記物体の1つ又は複数の構造的特性の形状的特性を有する時間−エネルギー、時間−力、時間−応力、又は加速度のプロファイルである、
ことを特徴とする付記18記載のシステム。
(付記22)
前記コンピュータは、前記時間−エネルギー、時間−力、時間−応力、又は加速度のプロファイルの形を評価するために構成されたデータ解析プログラムを含む、
ことを特徴とする付記17〜21のいずれか記載のシステム。
(付記23)
前記データ解析プログラムは、前記エネルギー適用ツールが前記物体に衝突した後に反射されるエネルギーの最大値をカウントするようにプログラムされる、
ことを特徴とする付記22記載のシステム。
(付記24)
前記タブは、エネルギー適用の方向以外の任意の方向におけるエネルギーの適用後の前記物体の動きを最小化するために適応される、
ことを特徴とする付記17〜23のいずれか記載のシステム。
(付記25)
前記物体は、解剖学的物体、工業的物体又は物理的物体、又はそれらの組み合わせを含む、
ことを特徴とする付記17〜24のいずれか記載のシステム。
(付記26)
前記解剖学的物体は、歯の構造、自然歯、磨耗又は外傷による欠損を有する自然歯、少なくとも部分的に膿瘍になっている自然歯、又は骨の添加処理を受けた自然歯、人工の歯科インプラント構造、歯科構造、整形外科的構造又は整形外科インプラントを含む、
ことを特徴とする付記25記載のシステム。
(付記27)
前記物理的又は工業的物体は、重合体複合物の構造、金属複合物の構造、飛行機、自動車、船、橋、ビル、発電施設、又はアーチ構造を含む、
ことを特徴とする付記25記載のシステム。
(付記28)
前記ドライブ機構は、前記エネルギー適用ツールが前記物体に衝突した後の離散時間周期の間の前記物体から反射されたエネルギー、力、応力又は加速度又は前記エネルギー適用ツールの変位を検出するために構成された感知機構を含む、
ことを特徴とする付記17〜27のいずれか記載のシステム。
(付記29)
前記タブは、前記装置の前記物体上への直接的な配置を再現可能とするために、使用中に接触する前記物体の表面の外形を実質的にミラーする接触表面を含くむ、
ことを特徴とする付記17〜28のいずれか記載のシステム。
(付記30)
前記スリーブは、振動減衰材料、音響減衰材料、振動減衰コーティングを有する材料、又は、それらの組み合わせを含む、
ことを特徴とする付記17〜29のいずれか記載のシステム。
(付記31)
前記タブは、前記物体上への前記装置の配置を更に補助するために適応される、前記タブに対して実質的に垂直するフィーチャを含む、
ことを特徴とする付記17〜30のいずれか記載のシステム。
(付記32)
前記スリーブとタブは、同一の材料又は同様の熱膨張特性を有する異なる材料を含む、
ことを特徴とする付記17〜31のいずれか記載のシステム。
(付記33)
ハンドピースのスリーブから伸張するタブを有するスリーブを物体に対して直接的に配置し、前記物体の異なる表面に対して前記タブと前記スリーブを保ち、
エネルギー適用ツールで前記物体にエネルギーを適用し、
エネルギー適用の結果として前記物体から反射されたエネルギー又は前記エネルギー適用ツールの変位を所定の時間間隔の間計測して記憶し、
物体から反射された応答の時間に対する衝撃応答のプロファイル、又は又は前記エネルギー適用ツールの変位を時間の関数として生成し、そして、
前記物体の構造的特性に関する特定を行うために、前記時間に対する衝撃応答のプロファイルの形を評価する、
ことを特徴とする物体の構造的特性を特定する方法。
(付記34)
前記スリーブと接触する前記物体の表面は、前記タブと接触する前記物体の前記表面に対して実質的に垂直である、
ことを特徴とする付記33記載の方法。
(付記35)
前記タブは、繰り返される測定の間、前記物体上の前記スリーブの配置を再現可能とするために、接触する前記物体の表面の外形を実質的にミラーする接触表面を含くむ、
ことを特徴とする付記33又は34記載の方法。
(付記36)
前記タブは、前記タブに対して垂直するフィーチャを更に含み、前記フィーチャは、前記スリーブと前記タブに接触する表面とは異なる前記物体の表面と接触する、
ことを特徴とする付記33〜35のいずれか記載の方法。
(付記37)
前記エネルギー適用ツールは、打診棒である、
ことを特徴とする付記33〜36のいずれか記載の方法。
(付記38)
前記物体は、土台に固定される、
ことを特徴とする付記33〜37のいずれか記載の方法。
(付記39)
前記物体は、解剖学的物体、工業的物体又は物理的物体、又はそれらの組み合わせを含む、
ことを特徴とする付記33〜38のいずれか記載の方法。
(付記40)
前記解剖学的物体は、歯の構造、自然歯、磨耗又は外傷による欠損を有する自然歯、少なくとも部分的に膿瘍になった自然歯、又は骨の添加処理を受けた自然歯、人工の歯科インプラント構造、歯科構造、整形外科的構造又は整形外科インプラントを含む、
ことを特徴とする付記39記載の方法。
(付記41)
前記物理的又は工業的物体は、重合体複合物の構造、金属複合物の構造、飛行機、自動車、船、橋、ビル、発電施設、又はアーチ構造を含む、
ことを特徴とする付記39記載の方法。
(付記42)
前記物体の前記構造的特性は、前記物体又は前記物体が取り付けられた土台の密度、骨密度又は骨結合のレベル、固有又はその他の欠陥、亀裂、欠損、微欠損、微亀裂、セメントシールの損失、セメント破損、接着層破損、微漏出、損傷、腐食、セメント破損、接着層破損、震動減衰、音響減衰、層間はく離、又はそれらの組み合わせを含む
ことを特徴とする付記33〜41のいずれか記載の方法。
(付記43)
前記構造的特性は、固有又はその他の欠陥、亀裂、欠損、微欠損、微亀裂、微漏出、損傷、腐食、層間はく離の位置に関する情報、歯科治療で使用する材料の適合性又は安定性の事前情報、歯の構造が修復可能か否かの事前特定、復元処置が成功であるか否かの情報、任意の処置が行われた歯の構造が何時再造形されるかに関する情報、歯科治療前後の歯の構造のゆるみに関する情報、又はそれらの組み合わせを含む、
ことを特徴とする付記33〜41のいずれか記載の方法。
(付記44)
前記時間に対する衝撃応答のプロファイルの形は、対称、非対称、複合的、複数のピークを有する、又は不規則である、
ことを特徴とする付記33〜43のいずれか記載の方法。
(付記45)
前記コンピュータは、前記時間に対する衝撃応答のプロファイルの形を評価するために構成されたデータ解析プログラムを含む、
ことを特徴とする付記33〜43のいずれか記載の方法。
(付記46)
前記時間に対する衝撃応答のプロファイルの形の評価は、エネルギー適用後の前記物体から反射されるエネルギーの最大値のカウントを含む時間−エネルギー、時間−力、時間−応力、又は加速度のプロファイルの形の評価を含む、
ことを特徴とする付記33〜45のいずれか記載の方法。
(付記47)
前記タブは、エネルギー適用の方向以外の任意の方向におけるエネルギーの適用後の前記物体の動きを最小化する、
ことを特徴とする付記33〜46のいずれか記載の方法。