特許第5941978号(P5941978)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5941978-シート上に印刷するための複写装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5941978
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】シート上に印刷するための複写装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 13/26 20060101AFI20160616BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20160616BHJP
   B65H 9/00 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
   B41J13/26
   B41J2/01 305
   B65H9/00 A
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-500313(P2014-500313)
(86)(22)【出願日】2012年3月7日
(65)【公表番号】特表2014-509970(P2014-509970A)
(43)【公表日】2014年4月24日
(86)【国際出願番号】EP2012053876
(87)【国際公開番号】WO2012126730
(87)【国際公開日】20120927
【審査請求日】2015年1月20日
(31)【優先権主張番号】11159569.0
(32)【優先日】2011年3月24日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390039435
【氏名又は名称】オセ−テクノロジーズ・ベー・ヴエー
【氏名又は名称原語表記】OCE’−NEDERLAND BESLOTEN VENNOOTSHAP
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クレフエルス,エルネスト・イエー・イエー
(72)【発明者】
【氏名】フアン・ベーク,アルベルト・エム
(72)【発明者】
【氏名】スメイエルス,ヨハンネス・ハー・エル
【審査官】 冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−103773(JP,A)
【文献】 特開2009−12351(JP,A)
【文献】 特開2003−131525(JP,A)
【文献】 特開2010−680(JP,A)
【文献】 特開2007−130974(JP,A)
【文献】 特開2005−169962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J2/01、2/165−2/20、2/21−2/215、11/00−13/32
B65H9/00−9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシート上にマーキング材料の液滴を吐出するための印刷要素を備える印刷ユニットを備える複写装置にして、印刷ユニットが、複数のシートの移送方向に垂直な第1の方向に2つの端部と、印刷ユニットに向かって移送方向に複数のシートを移送するための移送手段と、第1の方向にシートを移動させるための移動手段と、印刷ユニット、移送手段、および移動手段を制御するための制御手段とを備える、複写装置であって、シートが印刷ユニットに到着する前に、少なくとも1枚のシートが印刷ユニットの一方の端部に位置合わせし、少なくとも1枚のシートが印刷ユニットの他方の端部に位置合わせするような位置に向かって、第1の方向にシートが移動するように、移動手段が構成され、第1の移動手段の方向の変更が、印刷要素の目詰まりを回避するために、印刷要素が印刷材料を吐出するために必要とされる最大時間間隔に依存して、制御手段によって制御されることを特徴とする、複写装置。
【請求項2】
第1の数の少なくとも1枚のシートを2つの端部の一方の端部に位置合わせし、第2の数の少なくとも1枚の次のシートを2つの端部の他方の端部に位置合わせすることによって、シートの位置を互い違いにするように、移動手段が構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の複写装置。
【請求項3】
一定の数の次のシート間でシートの位置を互い違いにするように、移動手段が構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の複写装置。
【請求項4】
シートごとにシートの位置を互い違いにするように、移動手段が構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の複写装置。
【請求項5】
印刷ジョブの印刷データに対応してマーキング材料の液滴が吐出される第1の数の少なくとも1枚のシートを印刷ユニットの一方の端部に位置合わせし、次の印刷ジョブの印刷データに対応してマーキング材料の液滴が吐出される第2の数の少なくとも1枚のシートを印刷ユニットの他方の端部に位置合わせするように、移動手段が構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の複写装置。
【請求項6】
印刷ジョブの第1の数の少なくとも1枚のシートを印刷ユニットの一方の端部に位置合わせし、続いて前記印刷ジョブの第2の数の少なくとも1枚のシートを印刷ユニットの他方の端部に位置合わせするように、移動手段が構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の複写装置。
【請求項7】
印刷ユニットによって上に印刷された後、シートが複写装置を離れる前に、移動されたシートを単一の位置に向かって移動するための第2の移動手段を複写装置が備えることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の複写装置。
【請求項8】
シートが印刷ユニットに到着する前に、第1の方向の印刷ユニットのサイズの垂直二等分線上にシートが配置されることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の複写装置。
【請求項9】
少なくとも1枚のシートが、第1の方向の印刷ユニットのサイズよりも小さい、第1の方向のサイズを含むことを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の複写装置。
【請求項10】
第1の移動手段による方向の変更が、シート上に印刷されるべき印刷ジョブの画像データに依存して、制御手段によって制御されることを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の複写装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の複写装置上の少なくとも1つの印刷ジョブを有するシートを印刷する方法であって、
a)制御手段によって印刷ジョブの設定を読み出すステップと、
b)少なくとも1つの印刷ジョブにつき、印刷されるべきシートの数(X)を決定するステップと、
c)移送手段、移動手段および印刷ユニットを始動するステップを含み、方法は各印刷ジョブに対して、
d)制御手段によって、移動の変更が予定されるシートの数(n)を決定するステップと、
e)印刷ジョブの印刷済みシートの数を数えるためのカウンタ(m)を規定し、起動するステップと、
f)カウンタ(m)がシートの数(X)を超えるかどうかを検査し、超える場合、もし残りの印刷ジョブがあれば、次の印刷ジョブをステップd)で続行するステップと、
g)カウンタが、移動手段の移動を決定するための移動基準に一致するかどうかを検査し、一致する場合は、移動手段を作動して移動の方向を変更させるステップと、
h)現在のシートを印刷し、カウンタを進めるステップと、
i)ステップf)を続行するステップと
を更に含むことを特徴とするステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のシート上にマーキング材料の液滴を吐出するための印刷要素を備える少なくとも1つの印刷ユニットからなる印刷ユニットを備える複写装置に関する。印刷ユニットは、複数のシートの移送方向に垂直な第1の方向に2つの端部と、印刷ユニットに向かって移送方向に複数のシートを移送するための移送手段と、第1の方向にシートを移動させるための移動手段と、印刷ユニット、移送手段、および移動手段を制御するための制御手段とを備える。以下に、便宜上の理由から印刷ユニットという用語が使用される場合があるが、しかし、印刷ユニットという用語について、複数の印刷ユニットからなる印刷ユニットと解釈され得る。複数の印刷ユニットまたは複数のページ幅のアレイ(page wide arrays)の印字バーと解釈してもよい。
【0002】
本発明は、本発明による複写装置によってシート上に印刷するための方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
複写装置は、ネットワークを介して、または複写装置の部分であるスキャナによるアナログ方式文書を介して複写装置に到着するジョブを印刷することができることで周知である。そのようなジョブは、白黒フォーマットまたはカラーフォーマットの画像ならびに/あるいはテキストを含むことができる。複写装置のジョブエントリは、例えば、複写装置内のコンピュータ、制御ユニット、および/またはプロセッサなど、制御手段によって制御可能である。更に、制御手段は、画像データおよび/またはテキストデータを印刷ユニットが印刷要素にシート上の正しい位置および正しい時間にマーキング材料を吐出させる命令に変換することもできる。ジョブは、移送方向に印刷ユニット、例えばインクジェットプリンタに沿って移送されるシート上に印刷され得る。特に、移送方向の印刷ユニットのサイズは、通常、移送手段上の2つの連続するシート間の距離よりも大きい。複写装置の高い生産性を達成するために、2つの連続するシート間の距離は小さい。印刷ユニットは、互いに位置合わせされた複数のページ幅のアレイを備えることができる。通常、ページ幅のアレイは、インクのようなマーキング材料をページ幅のアレイに移送するために、多くのケーブルおよびホースによってかなり大量に接続されている。印刷ユニット、例えば複数のページ幅のアレイが静止している場合、シートは印刷ユニットのサイズに比較して小さいフォーマットを有する場合がある。したがって、最も外側の印刷要素から吐出されるマーキング材料が、シート上ではなく、例えば、シートの下の移送手段の移送層など、移送手段上に落ちるので、印刷ユニットのすべての印刷要素がシート上にマーキング材料を吐出するために使用されるのではない。したがって、最も外側の印刷要素は、そのような小さいフォーマットのシート上に印刷する場合、通常は使用されない。それらの最も外側のノズルは簡単に詰まる場合があるので、このことは不都合である。目詰まりは、インクジェットプリンタで重要な故障メカニズムである。ノズルが詰まることを防止するために、マーキング材料の液滴を時々吐出する必要がある。印刷要素が詰まった場合、修理措置を行う必要があるが、それにより、複写装置の生産性を減少させることにつながる。シートのフォーマットが小さい場合、最も外側の印刷要素、または小さいフォーマットの各シートのどの部分も移送されない、少なくとも印刷ユニットの一方の側部の印刷要素は、マーキング材料の液滴を時々吐出することができなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、各印刷要素が、第1の方向のシートのサイズから独立して、シート上にマーキング材料の液滴を吐出することを可能にする複写装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この目的は、シートが印刷ユニットに到着する前に、少なくとも1枚のシートが印刷ユニットの一方の端部に位置合わせし、少なくとも1枚のシートが印刷ユニットの他方の端部に位置合わせするような位置に向かって、第1の方向にシートが移動するように、移動手段が構成されていることを特徴とするプリアンブルによる複写装置によって達成される。
【0006】
電子写真複写装置は、到着するシートを印刷ユニットに沿ってほんの少し、例えば、数ミリメートル移動させるために移動装置を有することが知られている。この限定的な移動は、シートが移送されるゴムベルトを備える電子写真複写機械内で加えられる。そのような機械の中の限定的な移動の目的は、通常は移送中にシートの縁部が動く地点でゴムベルトが摩耗することを回避するためである。しかし、この種の限定的な移動は、シート上に印刷するためのすべての印刷要素を使用することにはつながらない。
【0007】
本発明による移動手段は、シートが印刷ユニットに到着する前にシートを移動させることができる。本発明による移動は最大範囲に及ぶので、各印刷要素が、シートの印刷中にシート上にインクを吐出することができる。そうすることによって、目詰まりが防止され、複写装置の生産性がより高くなり、業務通話がより少なくて済むようになるであろう。印刷ユニットの寿命が延長されることも確立される。シートがそのように最大範囲に移動することは、シートの重量が相対的に軽いために実現可能である。
【0008】
一実施形態によれば、複写装置は、第1の数の少なくとも1枚のシートを2つの端部の一方の端部に位置合わせし、第2の数の少なくとも1枚の次のシートを2つの端部の他方の端部に位置合わせすることによって、シートの位置を互い違いにするように移動手段が構成されていることを更に特徴とする。第1の数の少なくとも1枚のシートを印刷している間、第1の方向の印刷ユニットの一方の端部上の印刷要素が、シート上にマーキング材料の液滴を吐出することができる。第2の数の少なくとも1枚のシートを印刷している間、第1の方向の印刷ユニットの他方の端部上の印刷要素が、シート上にマーキング材料の液滴を吐出することができる。第1の方向のシートのサイズが第1の方向の印刷ユニットの半分のサイズよりも小さい場合、印刷ユニットの中央の印刷要素もまたマーキング材料の液滴をシート上に吐出することができるように、移動手段は、前述の最大範囲の移動位置の間に第1の方向に少なくとも1つの他の位置にシートを移動することができる。第1の方向の印刷ユニットの端部間で互い違いにすることによって、印刷ユニットの両端部近傍の印刷要素が、マーキング材料をシート上に落とすことに関与する。
【0009】
一実施形態によれば、複写装置は、一定の数の次のシート間でシートの位置を互い違いにするように、移動手段が構成されていることを更に特徴とする。そうすることによって、マーキング材料の液滴をシート上に印刷する印刷ユニットの負荷が、最も外側の印刷要素に沿って概ね均等に分配される。印刷ユニットの寿命が延長され、印刷要素をふき取るための定期的保守点検間の時間間隔もまた引き伸ばされるので、このことは有利である。一定の数は1から任意の妥当な自然数、例えば、印刷ジョブの平均シート数まで変更する。
【0010】
一実施形態によれば、複写装置は、各対の次のシート間でシートの位置を互い違いにするように、移動手段が構成されていることを更に特徴とする。そうすることによって、移動手段は、各シートとその次のシートとの間でシートの位置を互い違いにする。
【0011】
一実施形態によれば、複写装置は、印刷ジョブの印刷データに対応してマーキング材料の液滴が吐出される第1の数の少なくとも1枚のシートを印刷ユニットの一方の端部に位置合わせし、次の印刷ジョブの印刷データに対応してマーキング材料の液滴が吐出される第2の数の少なくとも1枚のシートを印刷ユニットの他方の端部に位置合わせするように、移動手段が構成されていることを特徴とする。印刷ジョブのシートの移送方向に垂直な方向に非常に大きいので、印刷済みシートを寄せ集める必要がまったくない出力装置と併せて複写装置が使用され得るので、このことは有利である。次のジョブの印刷済みシートがすでに移動されるので、それらのシートは、仕上げ機で次の印刷ジョブの出力として認識することができる。
【0012】
一実施形態によれば、複写装置は、第1の数の少なくとも1枚のシートの上に印刷されるべき1組の印刷ジョブを印刷ユニットの一方の端部に位置合わせし、第2の数の少なくとも1枚のシートの上に印刷されるべき次の1組の印刷ジョブを印刷ユニットの他方の端部に位置合わせするように、移動手段が構成されていることを特徴とする。印刷ジョブが、互い違いに配列される形態で仕上げ手段に出力されなければならない複数組を備える場合、このことは有利である。次の組の移動は、移動がすでに指示されたのと同じ形態で、その組を互い違いに配列するための機会である。
【0013】
一実施形態によれば、複写装置は、印刷された後、シートが複写装置を離れる前に、シートを移送方向に垂直な単一の位置に向かって移動するための第2の移動手段を複写装置が備えることを特徴とする。シートは、最終的に同じサイズのシートを有するシートの整った積み重ねになるので、このことは有利である。
【0014】
一実施形態によれば、複写装置は、第1の方向の印刷ユニットのサイズの垂直二等分線上にシートが配置されることを特徴とする。印刷ユニットの一方の端部に移動するための移動が、印刷ユニットの他方の端部に移動するための移動と同じであるので、このことは有利である。更に、最大移動の移動は、移動手段のための移動の必要性が非対称な移動の場合ほど厳密ではないように、両方向で最小にされる。
【0015】
一実施形態によれば、複写装置は、少なくとも1枚のシートが、第1の方向の印刷ユニットのサイズよりも小さい、第1の方向のサイズを含むことを特徴とする。そのようなシートのサイズは第1の方向の印刷ユニットのサイズよりも小さいので、印刷ユニットの一方の端部との位置合わせから印刷ユニットの他方の端部との位置合わせまで小さいシートを移動することは、すべての印刷要素が小さいシート上に液滴を吐出することができるためには重要であり、必要である。
【0016】
本発明は、また、複数の印刷ユニットからなる印刷ユニットを備える複写装置の方法に関する。各印刷ユニットは、シートの移送方向に垂直な第1の方向の各サイズが、同じ第1の方向の印刷ユニットのサイズよりも小さい複数のシート上に、ある量のインクを吐出するための印刷要素と、第1の方向にシートを移動するための移動手段とを備え、移動手段の移動が極めて最大範囲に及ぶので、第1の方向のシートの位置合わせが、シートの一方の側部を第1の方向の印刷ユニットの一方の端部と位置合わせすることから、第1の方向のシートの他方の側部を第1の方向の印刷ユニットの他方の端部と位置合わせすることに変更することができる。
【0017】
本発明は、上記に説明する本発明による複写装置が、上記に説明する任意の1つの実施形態による方法を実施することができるようにするコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムを更に含む。
【0018】
ここで、本発明の好ましい実施形態が図面に関連して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明が適用可能である複写装置の概略図である。
図2a図1の複写装置のマーキング材料のパスの概略上面図である。
図2b図1の複写装置のマーキング材料のパスの概略上面図である。
図3】いくつかの位置合わせ方法を概略的に示す図である。
図4】本発明による複写装置上のシートを印刷するための方法の流れ図を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は複写装置1を示し、複写装置1では、第1の方向A(図1に図示せず)にあるサイズを有し、第1の方向Aに垂直な移送方向Bにあるサイズを有する印刷ユニット6を備えるカットシートプリンタ2を使用して印刷が達成される。小さいシート21〜28が、移送方向Bに移送可能である。複写装置1は、印刷ジョブを受信するための手段、および印刷ジョブを操作するための選択的な手段を更に備える。これらの手段は、ユーザインターフェースユニット31、および/または、例えば、カットシートプリンタ2の内部に配置されるコンピュータなどの制御ユニット11など、デジタル式入力手段であってよい。これらの手段は、複写されるべきアナログ式オリジナルの入力用アナログ式入力手段であってもよい。制御ユニット11は、複写装置1の近傍に配置されてもよく、ネットワークケーブルまたは無線接続によって接続される。
【0021】
ローカルユーザインターフェースユニット31は複写装置1に統合され、表示ユニットおよびコントロールパネルを備えることができる。別法として、コントロールパネルは、例えばタッチスクリーンコントロールパネルの形態で表示ユニットに統合され得る。ローカルユーザインターフェースユニット31は、制御ユニット11に接続されている。
【0022】
例えばコンピュータなどの制御ユニット11は、例えば印刷工程を制御するために、カットシートプリンタに命令を発するように適合されているプロセッサを備える。複写装置1は、選択的にネットワークNに接続され得る。ネットワークNへの接続は、ケーブル32の形態で図面に示されるが、しかし、やはり接続は無線であってよい。複写装置1は、ネットワークを介して印刷ジョブを受信することができる。更に、選択的に、制御ユニット11は、USBポートを備えることができ、その結果、印刷ジョブが、このUSBポートを介して複写装置1に送信可能である。
【0023】
シート21〜28は、入力ユニット33が結合され得る入口3を介して複写装置に入ることができる。入力ユニット33は、一度に1枚のシートをカットシートプリンタ2に供給することができる互換性のある任意の用紙入力モジュールであってよい。複写装置1は、複写装置1の外部からシートを受け取るための、例えば、1つのトレイ、または複数のトレイなどの内蔵型入力ユニットを更に備えることができる。オペレータは、複写装置1の外部からこれらのトレイを補充することができ、あるいはシートが別の装置から入口3に到着する。シート21〜28は、印刷ユニット6の幅よりも大きくてもよい。シート21〜28はその上に完全に印刷されることはない。例えば、切り落とされなければならない、縁部の場合、必要とされなく、また移動される必要がまったくないときがある。破線で示される移送機構4を介して、シート21〜28は、第1の方向Aの印刷ユニットの長さの垂直二等分線に沿って第1の移動手段5に到着する。シート21〜28は、シートが印刷ユニット6の下に移送されるとき、シート上のすべての地点が印刷ユニット6の印刷要素によって到達可能であるという状況下で、第2の方向Bの任意の他の線に沿って到着することができる。第1の移動手段5は、特に、シート21〜28が印刷ユニット6の長さCよりも第1の方向Aで小さい場合、シート21〜28を移動させることができる。実際、シート21〜28は第1の方向Aの印刷ユニット6の長さよりもより小さいと想定される。第1の移動手段5は、印刷産業で一般に使用される任意のシート移動モジュールであってよい。そのようなモジュールの1つの可能な形は、シートを第2の方向Bに移送する1組の移送ロールを使用する。移送ロールは、シートを移送すると同時に、第1の方向Aに全体的に移動可能である。この動きによって、シートが第1の方向Aに移動可能になる。この動きは、「ジッタリング(jittering)」とも呼ばれている。
【0024】
移動されたとき、シート21〜28は、印刷ユニット6に向かって移送される。
【0025】
図2aは、入口地点3と出口地点10との間の複写装置の内部の概略上面図である。図2aでは、第1のシート21および第2のシート22が第1の移動手段5に到着しようとしている。更に、移送方向Bに第3のシート23が印刷ユニット6の左端部Lに平行に移動され、一方、先行する第4のシート24が印刷ユニット6の右端部Rに平行に移動され、すでに印刷ユニット6の下にあり、その上に印刷する準備ができている。印刷ユニット6は、左から右に印刷要素61〜68を備える。便宜的理由から、8つの印刷要素が図示されている。実際は、印刷ユニット上の印刷要素の量は、非常により大きい場合がある。図2aに示すように、最も左外側の印刷要素61〜65からなる第1の部分6Aは、第3のシート23上にマーキング材料を吐出することができ、一方、最も右外側の印刷要素64〜68からなる第2の部分6Bは、先行する第4のシート24上にマーキング材料を吐出することができる。このようにして、すべての印刷要素61〜68が、小さいシート21〜28上にマーキング材料を実際に吐出している。
【0026】
図2bに示す複写装置の別の実施形態では、印刷ユニットを通過してしまった第6のシート26などのシートは、第2の移動手段8に移送される。第2の移送手段8は、シート21〜28が出口10に到着する前に、第1の方向Aに関して単一の位置に向かって移動済みシート21〜28を移動させるために、印刷ユニット6と複写装置1の出口10との間に配置されている。図2bでは、第7のシート27および第8のシート28が、第2の移動手段8によって、第1の方向Aで印刷ユニットの中央に相当する位置に移動されている。移動は、第2の移動手段8によって到達可能な任意の位置に可能であり、例えば、第1の移動手段の中央、左側、または右側、印刷ユニットの中央、左側、または右側、あるいは第2の移動手段の中央、左側、または右側であってよい。
【0027】
出力手段7が、シートを更に仕上げるために、出口10に接続され得る。第2の移動手段8によって移動後、シート21〜28は、出口10を介して出力手段7に到着して、第1の方向Aのシート21〜28のサイズと同じ第1の方向Aの幅を有する、シートの整った積み重ね9を出力手段7内に生成する。別の実施形態では、第2の移動手段8は、複写装置1の部分ではなく、出力手段7の中に備えられる。更に、シートがオペレータの意向通りの移動形態で出力されるべき場合、第2の移動手段8は呼び出されないことがあり、またはまったく存在しないこともある。
【0028】
制御ユニット11は、第1の移動手段5、印刷ユニット6(図1に図示せず)、および存在する場合は、第2の移動手段8に接続されている。どのシートが印刷ユニット6の左端部Lに相当する左の位置に移動されるべきか、かつどのシートが印刷ユニット6の右端部Rに相当する右の位置に移動されるべきかを決定するために、制御ユニット11は、第1の移動手段5に接続されている。印刷要素61〜68を画像データのピクセルに割り当てて、予定通り遅れずにマーキング材料を割り当てられた印刷要素から吐出するために、制御手段11は印刷ユニット6に接続されている。割り当て工程および予定工程は、各シートの位置を考慮に入れている。シート21〜28は印刷ユニット6の印刷要素に到着するとき移動されているので、このことは必要である。左端部Lおよび右端部Rに移動されるシート21〜28が、印刷ユニット6を通過した後、第1の方向Aに関して単一の位置に向かって移動されていく方法を決定するために、制御ユニット11は図2bによる第2の移動手段8に接続されている。
【0029】
図1は、互い違いの形態での移動を示す。シートを移動する方法の変形形態は、最も外側の印刷要素が時々マーキング材料を吐出している限り許容される。上に印刷されるべき小さいシートの長いバッチを必要とする次の印刷ジョブが、複写装置に到着する場合、このことは特に必要である。
【0030】
一実施形態によれば、そのような次の印刷ジョブの第1の印刷ジョブの印刷データが、印刷ユニットの一方の端部に移動される第1の数のシート上に印刷され、そのような次の印刷ジョブの次の印刷ジョブの印刷データが、印刷ユニットの他方の端部に移動される第2の数のシート上に印刷される。
【0031】
一実施形態によれば、第1の移動手段による移動方向の変更は、移動のある位置で印刷されるシートの所定の数に基づく。シート上の画像データが同じ場合、このことは功を奏する。実際、印刷ジョブは、同じ印刷データを有する多数の印刷組を要求する場合がある。
【0032】
一実施形態によれば、同じ印刷データの複数の印刷組を備える、印刷ジョブの1印刷組の印刷データは、一方の方向に移動された第1の数のシート上に印刷され、印刷ジョブの次の1印刷組は、他方の方向に移動された第2の数のシート上に印刷される。
【0033】
一般に、印刷ユニット6の任意のノズルが、材料を受け取るとすぐに、液滴を吐出することができるときがある限り、第1の移動手段による各可能な移動方法は応用可能である。
【0034】
第1の移動手段による移動方法の実施形態が、図3に示されている。図3a〜図3dに示す各シートの中では、第1の数、文字L、R、および第2の数の組み合わせが配置されている。第1の数は、印刷ジョブの数である。文字L、Rは、シートの移動方向を示す。第2の数は印刷ジョブの中のシートの順序番号である。
【0035】
図3のaでは、移動方向の変更は印刷ジョブごとに起こっている。
【0036】
図3のbでは、移動方向の変更は複数組を含む1印刷ジョブの組ごとに起こっている。
【0037】
図3のcでは、移動方向の変更は印刷ジョブごとに、かつ印刷ジョブの組ごとに起こっている。
【0038】
図3のdでは、移動方向の変更は、印刷ジョブまたは印刷ジョブの組の総数から独立して所定の数のシートの後で起こっている。
【0039】
一実施形態によれば、第1の移動手段による方向の変更は、印刷ジョブの画像データに依存して、制御手段によって制御される。第1の移動手段は、印刷ユニットの一方の端部上の印刷要素がマーキング材料を吐出するように割り当てられている場合、一方の方向にシートを移動することができ、第1の移動手段は、印刷ユニットの他方の端部上の印刷要素がマーキング材料を吐出するように割り当てられている場合、他方の方向にシートを移動することができる。
【0040】
一実施形態によれば、第1の移動手段による方向の変更は、印刷要素の目詰まりを回避するために、印刷要素が印刷材料を吐出することができるために必要とされる最大時間間隔に依存して、制御手段によって制御される。そのような時間間隔は、複写装置の実験によって事前に設定可能である。
【0041】
図4は、本発明による複写装置上のシートを印刷するための方法の流れ図を概略的に示す。方法は、デジタル式に複写装置に到着した1印刷ジョブ用複数のステップS410〜S460の中で説明されるが、その方法は、複数のステップS410〜S460を繰り返すことによって、複数の続きの印刷ジョブにも応用することができる。これは方法の一実施形態であるが、しかし、複写装置のいくつかの実施形態にしたがって、変形形態が適用されてよい。
【0042】
開始点Aは、複写装置に到着する印刷ジョブの開始である。
【0043】
第1のステップS410で、ジョブの印刷ジョブ設定が、複写装置の制御ユニットによって読み出される。コピーの数が設定され、印刷は片面または両面であるはずである。印刷工程で役割を果たす他の設定もまた決定される。全体の印刷ジョブから、印刷されなければならないシートの合計数Xが導き出され得る。
【0044】
第2のステップS420で、移動の変更が予定されるシートの数nが決定される。数nは、印刷要素の乾燥時間、シートの合計数X、印刷ジョブの各組についてのシートの数、印刷ジョブが1よりも大きい数のコピーを有する場合、最後の移動変更からの経過時間に依存する場合がある。移動がシートを第1の方向の印刷ユニットの一方の端部に位置合わせするための変更の前であった場合、移動の変更とは、変更後にシートが第1の方向の印刷ユニットの他方の端部に位置合わせされるという意味である。
【0045】
第3のステップS430で、シートを印刷ユニットに向かって移送するための移送手段が始動され、移動手段および印刷ユニットが制御ユニットによって起動される。
【0046】
第4のステップS440で、印刷ユニットに到着したシートの計数が開始される。このことは、印刷ユニットの前に、制御ユニットの記憶部分の中のカウントレジスタを起動するセンサによって、または任意の他の適切な方法で達成され得る。最初にカウントレジスタは、1である値mに設定される。
【0047】
第1の決定ステップS443で、シートを数えるカウンタmがシートの合計数Xを超えるかどうかが検査される。超える場合、印刷ジョブが準備できており、方法は終点Bに到達した。オペレータは次の印刷ジョブを続行することができる。
【0048】
第2の決定ステップS446で、カウンタmがnで割り切れるかどうかが検査される。割り切れる場合、次のステップS450で移動手段は移動方向を変更するように起動される。割り切れない場合、この次のステップS450はとばされる。
【0049】
次のステップS460で、現在のシートが、印刷材料の液滴をシート上に吐出することによって実際に印刷される。またカウンタmは、1進められる。次いで、方法は第1の決定ステップS443に戻る。
【0050】
方法は、複数の印刷ジョブを印刷することによって法則化されることができ、シートの数nが各印刷ジョブに対して同じ移動の方向の変更を決定し、カウンタが印刷されるべきすべてのシートを数えることができる。次いで、方向は、方向の変更の間に起こり得る印刷ジョブの変更から独立して、各nのシート数の後で変更される。第1の実施例では、それぞれ7枚のシートおよび8枚のシートを有する2つの印刷ジョブが印刷されなければならず、かつ方向の変更を決定されたシート数は5である。第1の印刷ジョブの最初の5枚のシートは、印刷ユニットの一方の端部に位置合わせされる。第1の印刷ジョブの最後の2枚のシート、および第2の印刷ジョブの最初の3枚のシートは、印刷ユニットの他方の端部に位置合わせされる。第2の印刷ジョブの最後の5枚のシートは、印刷ユニットの一方の端部に位置合わせされる。第2の実施例では、1枚のシート、2枚のシート、2枚のシート、および2枚のシートをそれぞれ有する4つの印刷ジョブが印刷されなければならず、かつ方向の変更を決定されたシート数は5である。第1の印刷ジョブ、第2の印刷ジョブ、および第3の印刷ジョブのシートは、すべて印刷ユニットの一方の端部に位置合わせされる。最初の3つの印刷ジョブの5枚のシートが印刷された後、第4の印刷ジョブの2枚のシートが印刷ユニットの他方の端部に位置合わせされる。
【0051】
上記に説明するように、決定されたシート数nは、移動基準の一実施形態である。しかし、本発明は、この実施形態に限定されず、実際は、印刷ユニットの移動を決定するための任意の適切な移動基準が、制御手段内の制御ソフトウェアおよび/またはハードウェアの中で使用され、実施され得る。
図1
図2a
図2b
図3
図4