【0007】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図に示すように、U字状長管屈曲機は、基台1と、フレーム2と、真円度・真直度校正装置3と、供給装置4と、切断装置5と、供給経路と、屈曲装置6と、受取装置7と、コントローラ8とを含み、供給経路が横方向に沿って配置され、受取装置7が縦方向に沿って配置され、加工済みのU字状管Xは縦方向に沿って送り出される。フレーム2は、基台1に固定されている。
真円度・真直度校正装置3は、2組の真円度・真直度校正機構3−1を含む。2組の真円度・真直度校正機構は、各自の加工経路(図における真円度・真直度校正機構において、管部材Gが示され、ここで、下層の管部材Gが加工経路に位置し、この加工経路も供給経路の一部となる)をそれぞれ備えることにより、管径が異なる2種類の管部材に対して真円度・真直度校正を行う。フレーム2には、2組の真円度・真直度校正機構の位置を調整する位置切替機構が設けられ、当該位置切替機構により、2種類の加工経路を交互に供給経路にあわせる。
供給装置4は、2種類の搬送路Sl、S2を備えることにより、管径が異なる2種類の管部材を搬送する。フレーム2には、2種類の搬送路の位置を調整する位置切替部材が設けられ、当該位置切替部材により、2種類の搬送路を交互に供給経路にあわせる。
屈曲装置6は、2種類の屈曲路を備えることにより、管径が異なる2種類の管部材を屈曲させる。基台1には、屈曲ホルダ6−1が設けられ、当該屈曲ホルダ6−1には、2本の屈曲路の位置を調整する位置切替部材が設けられ、当該位置切替部材により、2種類の屈曲路を交互に供給経路にあわせる。
2組の真円度・真直度校正機構の位置を調整する位置切替機構は、昇降案内部材10−1と、昇降駆動部材10−2と、2つの層板10−3とを含む。各層板10−3には、それぞれ一つの真円度・真直度校正機構3−1が設けられている。昇降案内部材10−1は、フレーム2に固定されている。各層板10−3は何れも昇降案内部材10−1と摺動協調し、昇降案内部材10−1に沿って上下方向にスライドされる。上層の層板10−3は、仕切部材10−4を介して下層の層板10−3に積層されている。昇降駆動部材10−2は、フレーム2と下層の層板10−3との間に装着されている。昇降駆動部材10−2は、層板10−3を駆動して昇降することにより、各層板10−3における真円度・真直度校正機構3−1の加工経路を交互に供給経路にあわせる。
昇降案内部材10−1は、フレーム2に立設された案内柱である。層板10−3は、方形状に形成されている。前記案内柱は4本設けられ、4本の案内柱がそれぞれ層板10−3の四隅を貫通している。層板10−3には、ベアリングスリーブ10−5が設けられている。前記案内柱は、案内を行うようにベアリングスリーブ10−5を貫通している。昇降駆動部材10−2は、フレーム2に立設された油圧シリンダであり、油圧シリンダのピストンロッド10−2−1が上方に延伸して最下層の層板10−3に固接される。仕切部材10−4は、仕切スリーブであって、当該仕切スリーブは案内柱に遊嵌されている。
フレーム2には、位置制限柱10−6が設けられている。下層の層板10−3が位置制限柱10−6の先端に当接するときに、上層の層板10−3における真円度・真直度校正機構3−1の加工経路が供給経路にあわせられる。
フレームには、取外し可能な支持柱10−7が設けられている。下層の層板10−3が支持柱10−7の先端に当接するときに、下層の層板10−3における真円度・真直度校正機構3−1の加工経路が供給経路にあわせられる(
図4−6を参照)。
供給装置4は、供給用基板4−1を含む。供給用基板4−1は、フレーム2において第1の作動位置と第2の作動位置とを備え、第1の作動位置と第2の作動位置との距離が2種類の搬送路の中心同士の距離に等しい。供給用基板4−1が第1の作動位置に位置するときに、一方の搬送路が供給経路にあわせられ、供給用基板4−1が第2の作動位置に位置するときに、他方の搬送路が供給経路にあわせられる。2種類の搬送路の位置を調整する位置切替部材は、案内機構40と、切替機構41と、位置決め機構42とを含む。切替機構41は、供給用基板4−1を案内機構40によって決められた方向において第1の作動位置と第2の作動位置との間で切り替える。位置決め機構42は、設定される搬送路を送料経路にあわせるように供給用基板4−1をフレーム2に位置決めする。
位置決め機構42は、フレーム2に取り付けられた前位置決め部材42−1と後位置決め部材42−2とを含む。供給用基板4−1が第1の作動位置に位置するときに(
図10、11に示す)、供給用基板4−1の前側位置決め面4−1−1がその外側の前位置決め部材42−1に当接し、供給用基板4−1の後側位置決め面4−1−2とその外側の後位置決め部材42−2との間の距離が、第1の作動位置と第2の作動位置との間の距離に等しくなる。供給用基板4−1が第2の作動位置に位置するときに、供給用基板4−1の後側位置決め面4−1−2がその外側の後位置決め部材42−2に当接する。
案内機構40は、ガイドレール40−1とスライドシート40−2とを含む。ガイドレール40−1は、前後方向に沿ってフレーム2に固定され、スライドシート40−2は、供給用基板4−1の底部に固定されている。スライドシート40−2は、ガイドレール40−1と摺動協調し、その摺動方向が縦方向である。
切替機構41は、フレーム2に螺設された前押圧部材41−1と後押圧部材41−2とを含む。供給用基板4−1が第1の作動位置に位置するときに、後押圧部材41−2の先端が供給用基板4−1の後壁(後側位置決め面4−1−2)に押圧され、供給用基板4−1が第2の作動位置に位置するときに、前押圧部材41−1の後端が供給用基板4−1の前壁(前側位置決め面4−1−1)に押圧される。前押圧部材41−1と後押圧部材41−2とは、供給用基板4−1をロックする機能を発揮する。
前述した前位置決め部材42−1、後位置決め部材42−2、前押圧部材41−1及び後押圧部材41−2は、いずれもねじである。
図10、11に示すように、供給用基板4−1が第1の作動位置に位置するときに、搬送路S1が供給経路にあわせられる。切り替えの際に、後押圧部材41−2を外方に向けて回すことで、供給用基板を緩める。そして、前押圧部材41−1を内方に向け回して、供給用基板4−1の前壁に押圧させることで、後側位置決め面4−1−2が後位置決め部材42−2に当接するまで供給用基板4−1を押し付ける。これにより、第2の作動位置に切り替えられ、搬送路S2が供給路にあわせられる。
屈曲装置6は、屈曲ホルダ6−1と、屈曲基板6−2と、屈曲金具6−3と、ねじ接続機構と(図示せず)を含む。屈曲金具6−3は、その回動中心線が縦方向に伸び、屈曲金具6−3には2種類の屈曲路が設けられる。ねじ接続機構により、屈曲基板6−2を屈曲ホルダ6−1に固定する。屈曲ホルダ6−1は、レールに沿って摺動可能に基台1に取り付けられている。
2種類の屈曲路の位置を調整する位置切替部材は、縦方向位置決め機構60と、昇降位置決め機構61と、案内機構62と、切替機構63とを含む。屈曲基板6−2は、屈曲ホルダ6−1において第1の作動位置及び第2の作動位置を備え、第1の作動位置と第2の作動位置との間には、所定の縦方向距離及び所定の高さ差が存在する。
縦方向位置決め機構60は、屈曲基板6−2に設けられた前位置決め部材60−1と後位置決め部材60−2とを含む。
屈曲基板6−2が第1の作動位置に位置するときに、屈曲ホルダ6−1の前側位置決め面6−1−1がその外側の前位置決め部材60−1に当接し、屈曲ホルダ6−1の後側位置決め面6−1−2とその外側の後位置決め部材60−2との間の距離が第1の作動位置と第2の作動位置との間の縦方向距離に等しくなる。
屈曲基板6−2が第2の作動位置に位置するときに、屈曲ホルダ6−1の後側位置決め面6−1−2が後位置決め部材60−2に当接する。
昇降位置決め機構61は、3本のフェザーキー61−1と、3本の退避溝61−2とを備える。
フェザーキー61−1は、屈曲ホルダ6−1の先部の支持面6−1−3に固設されている。また、各フェザーキーは、支持面6−1−3から突出した部分に、一つの保持平面61−1−1と一つの案内斜面61−1−2とを備える。全ての保持平面61−1−1の高さが同じであり、全ての案内斜面61−1−2が互いに平行している。そして、保持平面61−1−1と案内斜面61−1−2との交差線61−1−3が横方向に設けられ、保持平面61−1−1と支持面61−1−1との高度差が第1の作動位置と第2の作動位置との高度差に等しい。
屈曲基板6−2が第1の作動位置に位置するときに、屈曲基板6−2の底面6−2−1が屈曲ホルダ6−1の支持面6−1−3に接し、屈曲基板6−2が第2の作動位置に位置するときに、屈曲基板6−2の底面6−2−1がフェザーキー61−1の保持平面61−1−1に接する。
退避溝61−2は、屈曲基板6−2の底面に設けられている。退避溝61−2は、屈曲基板6−2が第1の作動位置に位置するときに、対応するフェザーキー61−1の突出部分を収容する。退避溝61−2は、その一方の側壁61−2−1が斜面になり、当該側壁61−2−1がフェザーキー61−1の案内斜面61−1−2に平行している。屈曲基板6−2が第1の作動位置と第2の作動位置との間で切り替えられる際に、当該側壁61−2−1が案内斜面61−1−2に接する。
切替機構63は、屈曲基板6−2を案内機構62によって決められた方向において第1の作動位置と第2の作動位置との間で切り替える。
案内機構62は、案内条62−1と、案内槽62−2とを含み、案内条62−1が支持面6−1−3に固定され、案内槽62−2が屈曲基板6−2の底面6−2−1に設けられ、案内条62−1が案内槽62−2に嵌め込まれるとともに、案内槽62−2に沿って縦方向に摺動される。
切替機構63は、ナット(図示せず)とボルト63−1とを含み、ナットが屈曲ホルダ6−1に装着され、ボルト63−1の先端にハンドル63−2が固定されている。ボルト63−1は、屈曲基板6−2における装着シート6−2−2を回動可能に貫通し、ボルト63−1の中間部と装着シート6−2−2との間は、軸受63−3により軸方向において位置決められ、ボルト63−1の後端がナットに螺合される。
図13、14、17に示すように、屈曲基板6−2は、第1の作動位置に位置している。切り替えの際には、ねじ接続機構により屈曲基板6−2と屈曲ホルダ6−1を緩め、ハンドルを回す。そして、ボルトの回動により、屈曲基板6−2を押し付けて切り替えを完了した後に、再びねじ接続機構により屈曲基板6−2を締める。
前位置決め部材60−1及び後位置決め部材60−2は、装着シート6−2−2に螺設されたねじである。
以上のように本発明の一実施形態を説明したが、本発明の技術思想に基づき、上記の実施形態に対してなされた均等的な変更、修正も本発明の保護範囲に入る。