特許第5942114号(P5942114)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5942114
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】U字状長管屈曲機
(51)【国際特許分類】
   B21D 7/00 20060101AFI20160616BHJP
   B21D 3/05 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
   B21D7/00 A
   B21D3/05 A
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-542351(P2013-542351)
(86)(22)【出願日】2011年11月23日
(65)【公表番号】特表2013-544656(P2013-544656A)
(43)【公表日】2013年12月19日
(86)【国際出願番号】CN2011082768
(87)【国際公開番号】WO2012075888
(87)【国際公開日】20120614
【審査請求日】2014年7月30日
(31)【優先権主張番号】201010592786.2
(32)【優先日】2010年12月9日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512333629
【氏名又は名称】オーエムエス マシナリー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】OMS Machinery Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ロン、シャオビン
【審査官】 矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−126268(JP,A)
【文献】 特開2001−038419(JP,A)
【文献】 特開平03−169433(JP,A)
【文献】 特開昭56−151123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 3/05
B21D 3/00
B21D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、フレームと、真円度・真直度校正装置と、供給装置と、切断装置と、供給経路と、屈曲装置と、受取装置と、コントローラとを含み、供給経路が横方向に沿って配置され、受取装置が縦方向に沿って配置されるU字状長管屈曲機において、
真円度・真直度校正装置は、2組の真円度・真直度校正機構を含み、2組の真円度・真直度校正機構は、それぞれフレームの上層と下層とに配置されており、各自の加工経路をそれぞれ備えることにより、管径が異なる2種類の管部材に対して真円度・真直度校正を行い、フレームには、2組の真円度・真直度校正機構の位置を調整する位置切替機構が設けられ、当該位置切替機構により、2組の真円度・真直度校正機構を昇降して2種類の加工経路を交互に供給経路にあわせ、
供給装置は、2種類の搬送路を備えることにより、管径が異なる2種類の管部材を搬送し、フレームには、2種類の搬送路の位置を調整する位置切替部材が設けられ、当該位置切替部材により、2種類の搬送路を交互に供給経路にあわせ、
屈曲装置は、2種類の屈曲路を備えることにより、管径が異なる2種類の管部材を屈曲させ、フレームには、屈曲ホルダが設けられ、当該屈曲ホルダには、2本の屈曲路の位置を調整する位置切替部材が設けられ、当該位置切替部材により、2種類の屈曲路を交互に供給経路にあわせる
ことを特徴とするU字状長管屈曲機。
【請求項2】
請求項1に記載のU字状長管屈曲機において、
2組の真円度・真直度校正機構の位置を調整する位置切替機構は、昇降案内部材と、昇降駆動部材と、2つの層板とを含み、各層板にはそれぞれ一つの真円度・真直度校正機構が設けられ、昇降案内部材はフレームに固定され、各層板は何れも昇降案内部材と摺動協調し、昇降案内部材に沿って上下方向にスライドし、上層の層板は仕切部材を介して下層の層板に積層され、昇降駆動部材はフレームと下層の層板との間に装着され、昇降駆動部材は、層板を駆動して昇降することにより、各層板における真円度・真直度校正機構の加工経路を交互に供給経路にあわせる
ことを特徴とするU字状長管屈曲機。
【請求項3】
請求項2に記載のU字状長管屈曲機において、
昇降案内部材は、フレームに立設された案内柱であり、
層板は方形状に形成され、前記案内柱は4本設けられ、4本の案内柱がそれぞれ層板の四隅を貫通し、
層板にはベアリングスリーブが設けられ、前記案内柱は案内を行うようにベアリングスリーブを貫通し、
昇降駆動部材はフレームに立設された油圧シリンダであり、油圧シリンダのピストンロッドが上方に延伸して最下層の層板に固接され、
仕切部材は仕切スリーブであって、当該仕切スリーブは案内柱に遊嵌されている
ことを特徴とするU字状長管屈曲機。
【請求項4】
請求項3に記載のU字状長管屈曲機において、
フレームには位置制限柱が設けられ、下層の層板が位置制限柱の先端に当接するときに、上層の層板における真円度・真直度校正機構の加工経路が供給経路にあわせられ、
フレームには取外し可能な支持柱が設けられ、下層の層板が支持柱の先端に当接するときに、下層の層板における真円度・真直度校正機構の加工経路が供給経路にあわせられる
ことを特徴とするU字状長管屈曲機。
【請求項5】
請求項1に記載のU字状長管屈曲機において、
供給装置は供給用基板を含み、供給用基板はフレームにおいて第1の作動位置と第2の作動位置とを備え、第1の作動位置と第2の作動位置との距離が2種類の搬送路の中心同士の距離に等しく、
供給用基板が第1の作動位置に位置するときに、一方の搬送路が供給経路にあわせられ、供給用基板が第2の作動位置に位置するときに、他方の搬送路が供給経路にあわせられ、2種類の搬送路の位置を調整する位置切替部材は、案内機構と、切替機構と、位置決め機構とを含み、切替機構は、供給用基板を案内機構によって決められた方向において第1の作動位置と第2の作動位置との間で切り替え、位置決め機構は、設定される搬送路を送料経路にあわせるように供給用基板をフレームに位置決めする
ことを特徴とするU字状長管屈曲機。
【請求項6】
請求項5に記載のU字状長管屈曲機において、
位置決め機構は、フレームに取り付けられた前位置決め部材と後位置決め部材とを含み、供給用基板が第1の作動位置に位置するときに、供給用基板の前側位置決め面がその外側の前位置決め部材に当接し、供給用基板の後側位置決め面とその外側の後位置決め部材との間の距離が、第1の作動位置と第2の作動位置との間の距離に等しくなり、
供給用基板が第2の作動位置に位置するときに、供給用基板の後側位置決め面がその外側の後位置決め部材に当接する
ことを特徴とするU字状長管屈曲機。
【請求項7】
請求項6に記載のU字状長管屈曲機において、
案内機構は、ガイドレールとスライドシートとを含み、ガイドレールは前後方向に沿ってフレームに固定され、スライドシートは供給用基板の底部に固定され、スライドシートは、ガイドレールと摺動協調し、その摺動方向が縦方向であり、
切替機構は、フレームに螺設された前押圧部材と後押圧部材とを含み、
供給用基板が第1の作動位置に位置するときに、後押圧部材の先端が供給用基板の後壁に押圧され、
供給用基板が第2の作動位置に位置するときに、前押圧部材の後端が供給用基板の前壁に押圧される
ことを特徴とするU字状長管屈曲機。
【請求項8】
請求項7に記載のU字状長管屈曲機において、
前記前位置決め部材、後位置決め部材、前押圧部材及び後押圧部材は、何れもねじである
ことを特徴とするU字状長管屈曲機。
【請求項9】
請求項1に記載のU字状長管屈曲機において、
屈曲装置は、屈曲ホルダと、屈曲基板と、屈曲金具と、ねじ接続機構とを含み、屈曲金具はその回動中心線が縦方向に伸び、屈曲金具には2種類の屈曲路が設けられ、ねじ接続機構により屈曲基板が屈曲ホルダに固定され、
2種類の屈曲路の位置を調整する位置切替部材は、縦方向位置決め機構と、昇降位置決め機構と、案内機構と、切替機構とを含み、
屈曲基板は、屈曲ホルダにおいて第1の作動位置及び第2の作動位置を備え、第1の作動位置と第2の作動位置との間には、所定の縦方向距離及び所定の高度差が存在し、
縦方向位置決め機構は、屈曲基板に設けられた前位置決め部材と後位置決め部材とを含み、
屈曲基板が第1の作動位置に位置するときに、屈曲ホルダの前側位置決め面がその外側の前位置決め部材に当接し、屈曲ホルダの後側位置決め面とその外側の後位置決め部材との間の距離が第1の作動位置と第2の作動位置との間の縦方向距離に等しくなり、
屈曲基板が第2の作動位置に位置するときに、屈曲ホルダの後側位置決め面が後位置決め部材に当接し、
昇降位置決め機構は、少なくとも2本のフェザーキーと、少なくとも2本の退避溝とを備え、
フェザーキーは、支持面に固設され、各フェザーキーは、支持面から突出した部分に、1つの保持平面と1つの案内斜面とを備え、全ての保持平面の高さが同じであり、全ての案内斜面が互いに平行し、保持平面と案内斜面との交差線が横方向に設けられ、保持平面と支持面との高度差が第1の作動位置と第2の作動位置との高度差に等しく、
屈曲基板が第1の作動位置に位置するときに、屈曲基板の底面が屈曲ホルダの支持面に接し、
屈曲基板が第2の作動位置に位置するときに、屈曲基板の底面がフェザーキーの保持平面に接し、
退避溝は屈曲基板の底面に設けられ、退避溝は、屈曲基板が第1の作動位置に位置するときに、対応するフェザーキーの突出部分を収容し、退避溝の一方の側壁が斜面になり、当該側壁がフェザーキーの案内斜面に平行し、屈曲基板が第1の作動位置と第2の作動位置との間で切り替えられる際に、当該側壁が案内斜面に接し、
切替機構は、屈曲基板を案内機構によって決められた方向において第1の作動位置と第2の作動位置との間で切り替える
ことを特徴とするU字状長管屈曲機。
【請求項10】
請求項9に記載のU字状長管屈曲機において、
案内機構は案内条と案内槽とを含み、案内条が支持面に固定され、案内槽が屈曲基板の底面に設けられ、案内条が案内槽に嵌め込まれるとともに、案内槽に沿って縦方向に摺動し、
切替機構は、ナットとボルトとを含み、ナットが屈曲ホルダに装着され、ボルトの先端にハンドルが固定され、ボルトは、屈曲基板における装着シートを回動可能に貫通し、ボルトの中間部と装着シートとの間は、軸受により軸方向において位置決めされ、ボルトの後端がナットに螺合される
ことを特徴とするU字状長管屈曲機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、U字状長管屈曲機に関し、特に、管径が異なる2種類の管部材を加工可能なU字状長管屈曲機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フィンチューブ式熱交換器は、コンパクト式熱交換器として、冷凍分野で幅広く応用されている。空調及び冷凍分野の技術発展、並びに環境保護法律規定による更なる制限に伴い、冷凍剤の性能の低下を補うために、熱交換手段の自身の熱交換性能に対する要求も高くなっている。したがって、熱交換器の構成(熱交換管及びフィンのタイプ)及び関連熱交換器の成形プロセスは、熱交換性能を影響する重要な要素であり、熱交換器全体の熱交換性能の向上について重要な意義を有する。熱交換器の成形プロセスは、主に管曲げ成形(U字状管を形成)、機械的拡管成形(管−フィン接続を実現)、管束屈曲成形(L型又はG型熱交換器を形成)という3つの成形工程を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のU字状長管屈曲機は、U字状長管(U字状長管はU字管であって、長U形管と称することも)を曲げる際に、管部材の管径に応じて対応する真円度・真直度校正機構、供給装置、及び屈曲装置を選択する必要がある。加工しようとする管部材として、管径が異なる2種類の管部材を含む場合、真円度・真直度校正機構、供給装置及び屈曲装置における関連要素を交換しなければならないが、このような交換操作は、とても面倒である。
本発明は、従来の技術における不都合に鑑みてなされたものであり、その目的は、管径が異なる2種類の管部材を加工可能なU字状長管屈曲機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を実現するために、本発明の一態様は、ベースと、フレームと、真円度・真直度校正装置と、供給装置と、切断装置と、供給経路と、屈曲装置と、受取装置と、コントローラとを含み、供給経路が横方向に沿って配置され、受取装置が縦方向に沿って配置されるU字状長管屈曲機において、
真円度・真直度校正装置は、2組の真円度・真直度校正機構を含み、2組の真円度・真直度校正機構は、各自の加工経路をそれぞれ備えることにより、管径が異なる2種類の管部材に対して真円度・真直度校正を行い、フレームには、2組の真円度・真直度校正機構の位置を調整する位置切替機構が設けられ、当該位置切替機構により、2種類の加工経路を交互に供給経路にあわせ、
供給装置は、2種類の搬送路を備えることにより、管径が異なる2種類の管部材を搬送し、フレームには、2種類の搬送路の位置を調整する位置切替部材が設けられ、当該位置切替部材により、2種類の搬送路を交互に供給経路にあわせ、
屈曲装置は、2種類の屈曲路を備えることにより、管径が異なる2種類の管部材を屈曲させ、フレームには、屈曲ホルダが設けられ、当該屈曲ホルダには、2本の屈曲路の位置を調整する位置切替部材が設けられ、当該位置切替部材により、2種類の屈曲路を交互に供給経路にあわせることを特徴とするU字状長管屈曲機を提供する。
また、上記の技術案は、さらに、以下のような技術手段により改善できる。
2組の真円度・真直度校正機構の位置を調整する位置切替機構は、昇降案内部材と、昇降駆動部材と、2つの層板とを含み、各層板にはそれぞれ一つの真円度・真直度校正機構が設けられ、昇降案内部材はフレームに固定され、各層板は何れも昇降案内部材と摺動協調し、昇降案内部材に沿って上下方向にスライドし、上層の層板は仕切部材を介して下層の層板に積層され、昇降駆動部材はフレームと下層の層板との間に装着され、昇降駆動部材は、層板を駆動して昇降することにより、各層板における真円度・真直度校正機構の加工経路を交互に供給経路にあわせる。
昇降案内部材は、フレームに立設された案内柱であり、層板は方形状に形成され、前記案内柱は4本設けられ、4本の案内柱がそれぞれ層板の四隅を貫通し、層板にはベアリングスリーブが設けられ、前記案内柱は案内を行うようにベアリングスリーブを貫通し、昇降駆動部材はフレームに立設された油圧シリンダであり、油圧シリンダのピストンロッドが上方に延伸して最下層の層板に固接され、仕切部材は仕切スリーブであって、当該仕切スリーブは案内柱に遊嵌されている。
フレームには位置制限柱が設けられ、下層の層板が位置制限柱の先端に当接するときに、上層の層板における真円度・真直度校正機構の加工経路が供給経路にあわせられ、フレームには取外し可能な支持柱が設けられ、下層の層板が支持柱の先端に当接するときに、下層の層板における真円度・真直度校正機構の加工経路が供給経路にあわせられる。
供給装置は供給用基板を含み、供給用基板はフレームにおいて第1の作動位置と第2の作動位置とを備え、第1の作動位置と第2の作動位置との距離が2種類の搬送路の中心同士の距離に等しく、供給用基板が第1の作動位置に位置するときに、一方の搬送路が供給経路にあわせられ、供給用基板が第2の作動位置に位置するときに、他方の搬送路が供給経路にあわせられ、2種類の搬送路の位置を調整する位置切替部材は、案内機構と、切替機構と、位置決め機構とを含み、切替機構は、供給用基板を案内機構によって決められた方向において第1の作動位置と第2の作動位置との間で切り替え、位置決め機構は、設定される搬送路を送料経路にあわせるように供給用基板をフレームに位置決めする。
位置決め機構は、フレームに取り付けられた前位置決め部材と後位置決め部材とを含み、供給用基板が第1の作動位置に位置するときに、供給用基板の前側位置決め面がその外側の前位置決め部材に当接し、供給用基板の後側位置決め面とその外側の後位置決め部材との間の距離が、第1の作動位置と第2の作動位置との間の距離に等しくなり、供給用基板が第2の作動位置に位置するときに、供給用基板の後側位置決め面がその外側の後位置決め部材に当接する。
案内機構は、ガイドレールとスライドシートとを含み、ガイドレールは前後方向に沿ってフレームに固定され、スライドシートは供給用基板の底部に固定され、スライドシートは、ガイドレールと摺動協調し、その摺動方向が縦方向であり、切替機構は、フレームに螺設された前押圧部材と後押圧部材とを含み、供給用基板が第1の作動位置に位置するときに、後押圧部材の先端が供給用基板の後壁に押圧され、供給用基板が第2の作動位置に位置するときに、前押圧部材の後端が供給用基板の前壁に押圧される。
前記前位置決め部材、後位置決め部材、前押圧部材及び後押圧部材は、何れもねじである。
屈曲装置は、屈曲ホルダと、屈曲基板と、屈曲金具と、ねじ接続機構とを含み、屈曲金具はその回動中心線が縦方向に伸び、屈曲金具には2種類の屈曲路が設けられ、ねじ接続機構により屈曲基板が屈曲ホルダに固定され、2種類の屈曲路の位置を調整する位置切替部材は、縦方向位置決め機構と、昇降位置決め機構と、案内機構と、切替機構とを含み、屈曲基板は、屈曲ホルダにおいて第1の作動位置及び第2の作動位置を備え、第1の作動位置と第2の作動位置との間には、所定の縦方向距離及び所定の高度差が存在し、縦方向位置決め機構は、屈曲基板に設けられた前位置決め部材と後位置決め部材とを含み、屈曲基板が第1の作動位置に位置するときに、屈曲ホルダの前側位置決め面がその外側の前位置決め部材に当接し、屈曲ホルダの後側位置決め面とその外側の後位置決め部材との間の距離が第1の作動位置と第2の作動位置との間の縦方向距離に等しくなり、屈曲基板が第2の作動位置に位置するときに、屈曲ホルダの後側位置決め面が後位置決め部材に当接し、昇降位置決め機構は、少なくとも2本のフェザーキーと、少なくとも2本の退避溝とを備え、フェザーキーは、支持面に固設され、各フェザーキーは、支持面から突出した部分に、1つの保持平面と1つの案内斜面とを備え、全ての保持平面の高さが同じであり、全ての案内斜面が互いに平行し、保持平面と案内斜面との交差線が横方向に設けられ、保持平面と支持面との高度差が第1の作動位置と第2の作動位置との高度差に等しく、屈曲基板が第1の作動位置に位置するときに、屈曲基板の底面が屈曲ホルダの支持面に接し、屈曲基板が第2の作動位置に位置するときに、屈曲基板の底面がフェザーキーの保持平面に接し、退避溝は屈曲基板の底面に設けられ、退避溝は、屈曲基板が第1の作動位置に位置するときに、対応するフェザーキーの突出部分を収容し、退避溝の一方の側壁が斜面になり、当該側壁がフェザーキーの案内斜面に平行し、屈曲基板が第1の作動位置と第2の作動位置との間で切り替えられる際に、当該側壁が案内斜面に接し、切替機構は、屈曲基板を案内機構によって決められた方向において第1の作動位置と第2の作動位置との間で切り替える。
案内機構は案内条と案内槽とを含み、案内条が支持面に固定され、案内槽が屈曲基板の底面に設けられ、案内条が案内槽に嵌め込まれるとともに、案内槽に沿って縦方向に摺動し、切替機構は、ナットとボルトとを含み、ナットが屈曲ホルダに装着され、ボルトの先端にハンドルが固定され、ボルトは、屈曲基板における装着シートを回動可能に貫通し、ボルトの中間部と装着シートとの間は、軸受により軸方向において位置決めされ、ボルトの後端がナットに螺合される。
以上の各技術手段は、いずれか一つを選んで使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、簡単な構成で正確に位置決めでき、操作が便利で、製造しやすい。本発明は、主要部材を変更せずに、管径が異なる2種類の管部材を加工でき、その加工範囲が広い。使用者は、2組の真円度・真直度校正機構を事前にセットして、供給ベルト及び屈曲金具において2種類の搬送路と屈曲路とを設け、位置切替機構又は部材により作動位置を切り替えて、対応する真円度・真直度校正機構、搬送路及び屈曲路を加工される管部材にあわせることで、管部材に対する屈曲加工を行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の斜視図である。
図2】本発明の正面図である。
図3図2の上面図である。
図4】フレーム、真円度・真直度校正装置及び位置切替機構の2つの異なる角度からの斜視図である。
図5】フレーム、真円度・真直度校正装置及び位置切替機構の2つの異なる角度からの斜視図である。
図6】フレーム、真円度・真直度校正装置及び位置切替機構の正面図である。
図7図6の上面図である。
図8】フレーム、供給装置及び位置切替部材の斜視図である。
図9】フレーム、供給装置及び位置切替部材の正面図である。
図10図9のA−A線断面拡大図である。
図11図10のB−B線断面拡大図である。
図12】コントローラ、屈曲装置及び位置切替部材の正面図である。
図13図12の右面図である。
図14図12のC−C線断面拡大図である。
図15】屈曲基板、フェザーキー及び屈曲ホルダの分解斜視図である。
図16】屈曲基板、フェザーキー及び屈曲ホルダの組み合わせ状態の正面図である。
図17図16の右面拡大図である。
図18図13のD部拡大図である。
図19図17のE部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図に示すように、U字状長管屈曲機は、基台1と、フレーム2と、真円度・真直度校正装置3と、供給装置4と、切断装置5と、供給経路と、屈曲装置6と、受取装置7と、コントローラ8とを含み、供給経路が横方向に沿って配置され、受取装置7が縦方向に沿って配置され、加工済みのU字状管Xは縦方向に沿って送り出される。フレーム2は、基台1に固定されている。
真円度・真直度校正装置3は、2組の真円度・真直度校正機構3−1を含む。2組の真円度・真直度校正機構は、各自の加工経路(図における真円度・真直度校正機構において、管部材Gが示され、ここで、下層の管部材Gが加工経路に位置し、この加工経路も供給経路の一部となる)をそれぞれ備えることにより、管径が異なる2種類の管部材に対して真円度・真直度校正を行う。フレーム2には、2組の真円度・真直度校正機構の位置を調整する位置切替機構が設けられ、当該位置切替機構により、2種類の加工経路を交互に供給経路にあわせる。
供給装置4は、2種類の搬送路Sl、S2を備えることにより、管径が異なる2種類の管部材を搬送する。フレーム2には、2種類の搬送路の位置を調整する位置切替部材が設けられ、当該位置切替部材により、2種類の搬送路を交互に供給経路にあわせる。
屈曲装置6は、2種類の屈曲路を備えることにより、管径が異なる2種類の管部材を屈曲させる。基台1には、屈曲ホルダ6−1が設けられ、当該屈曲ホルダ6−1には、2本の屈曲路の位置を調整する位置切替部材が設けられ、当該位置切替部材により、2種類の屈曲路を交互に供給経路にあわせる。
2組の真円度・真直度校正機構の位置を調整する位置切替機構は、昇降案内部材10−1と、昇降駆動部材10−2と、2つの層板10−3とを含む。各層板10−3には、それぞれ一つの真円度・真直度校正機構3−1が設けられている。昇降案内部材10−1は、フレーム2に固定されている。各層板10−3は何れも昇降案内部材10−1と摺動協調し、昇降案内部材10−1に沿って上下方向にスライドされる。上層の層板10−3は、仕切部材10−4を介して下層の層板10−3に積層されている。昇降駆動部材10−2は、フレーム2と下層の層板10−3との間に装着されている。昇降駆動部材10−2は、層板10−3を駆動して昇降することにより、各層板10−3における真円度・真直度校正機構3−1の加工経路を交互に供給経路にあわせる。
昇降案内部材10−1は、フレーム2に立設された案内柱である。層板10−3は、方形状に形成されている。前記案内柱は4本設けられ、4本の案内柱がそれぞれ層板10−3の四隅を貫通している。層板10−3には、ベアリングスリーブ10−5が設けられている。前記案内柱は、案内を行うようにベアリングスリーブ10−5を貫通している。昇降駆動部材10−2は、フレーム2に立設された油圧シリンダであり、油圧シリンダのピストンロッド10−2−1が上方に延伸して最下層の層板10−3に固接される。仕切部材10−4は、仕切スリーブであって、当該仕切スリーブは案内柱に遊嵌されている。
フレーム2には、位置制限柱10−6が設けられている。下層の層板10−3が位置制限柱10−6の先端に当接するときに、上層の層板10−3における真円度・真直度校正機構3−1の加工経路が供給経路にあわせられる。
フレームには、取外し可能な支持柱10−7が設けられている。下層の層板10−3が支持柱10−7の先端に当接するときに、下層の層板10−3における真円度・真直度校正機構3−1の加工経路が供給経路にあわせられる(図4−6を参照)。
供給装置4は、供給用基板4−1を含む。供給用基板4−1は、フレーム2において第1の作動位置と第2の作動位置とを備え、第1の作動位置と第2の作動位置との距離が2種類の搬送路の中心同士の距離に等しい。供給用基板4−1が第1の作動位置に位置するときに、一方の搬送路が供給経路にあわせられ、供給用基板4−1が第2の作動位置に位置するときに、他方の搬送路が供給経路にあわせられる。2種類の搬送路の位置を調整する位置切替部材は、案内機構40と、切替機構41と、位置決め機構42とを含む。切替機構41は、供給用基板4−1を案内機構40によって決められた方向において第1の作動位置と第2の作動位置との間で切り替える。位置決め機構42は、設定される搬送路を送料経路にあわせるように供給用基板4−1をフレーム2に位置決めする。
位置決め機構42は、フレーム2に取り付けられた前位置決め部材42−1と後位置決め部材42−2とを含む。供給用基板4−1が第1の作動位置に位置するときに(図10、11に示す)、供給用基板4−1の前側位置決め面4−1−1がその外側の前位置決め部材42−1に当接し、供給用基板4−1の後側位置決め面4−1−2とその外側の後位置決め部材42−2との間の距離が、第1の作動位置と第2の作動位置との間の距離に等しくなる。供給用基板4−1が第2の作動位置に位置するときに、供給用基板4−1の後側位置決め面4−1−2がその外側の後位置決め部材42−2に当接する。
案内機構40は、ガイドレール40−1とスライドシート40−2とを含む。ガイドレール40−1は、前後方向に沿ってフレーム2に固定され、スライドシート40−2は、供給用基板4−1の底部に固定されている。スライドシート40−2は、ガイドレール40−1と摺動協調し、その摺動方向が縦方向である。
切替機構41は、フレーム2に螺設された前押圧部材41−1と後押圧部材41−2とを含む。供給用基板4−1が第1の作動位置に位置するときに、後押圧部材41−2の先端が供給用基板4−1の後壁(後側位置決め面4−1−2)に押圧され、供給用基板4−1が第2の作動位置に位置するときに、前押圧部材41−1の後端が供給用基板4−1の前壁(前側位置決め面4−1−1)に押圧される。前押圧部材41−1と後押圧部材41−2とは、供給用基板4−1をロックする機能を発揮する。
前述した前位置決め部材42−1、後位置決め部材42−2、前押圧部材41−1及び後押圧部材41−2は、いずれもねじである。
図10、11に示すように、供給用基板4−1が第1の作動位置に位置するときに、搬送路S1が供給経路にあわせられる。切り替えの際に、後押圧部材41−2を外方に向けて回すことで、供給用基板を緩める。そして、前押圧部材41−1を内方に向け回して、供給用基板4−1の前壁に押圧させることで、後側位置決め面4−1−2が後位置決め部材42−2に当接するまで供給用基板4−1を押し付ける。これにより、第2の作動位置に切り替えられ、搬送路S2が供給路にあわせられる。
屈曲装置6は、屈曲ホルダ6−1と、屈曲基板6−2と、屈曲金具6−3と、ねじ接続機構と(図示せず)を含む。屈曲金具6−3は、その回動中心線が縦方向に伸び、屈曲金具6−3には2種類の屈曲路が設けられる。ねじ接続機構により、屈曲基板6−2を屈曲ホルダ6−1に固定する。屈曲ホルダ6−1は、レールに沿って摺動可能に基台1に取り付けられている。
2種類の屈曲路の位置を調整する位置切替部材は、縦方向位置決め機構60と、昇降位置決め機構61と、案内機構62と、切替機構63とを含む。屈曲基板6−2は、屈曲ホルダ6−1において第1の作動位置及び第2の作動位置を備え、第1の作動位置と第2の作動位置との間には、所定の縦方向距離及び所定の高さ差が存在する。
縦方向位置決め機構60は、屈曲基板6−2に設けられた前位置決め部材60−1と後位置決め部材60−2とを含む。
屈曲基板6−2が第1の作動位置に位置するときに、屈曲ホルダ6−1の前側位置決め面6−1−1がその外側の前位置決め部材60−1に当接し、屈曲ホルダ6−1の後側位置決め面6−1−2とその外側の後位置決め部材60−2との間の距離が第1の作動位置と第2の作動位置との間の縦方向距離に等しくなる。
屈曲基板6−2が第2の作動位置に位置するときに、屈曲ホルダ6−1の後側位置決め面6−1−2が後位置決め部材60−2に当接する。
昇降位置決め機構61は、3本のフェザーキー61−1と、3本の退避溝61−2とを備える。
フェザーキー61−1は、屈曲ホルダ6−1の先部の支持面6−1−3に固設されている。また、各フェザーキーは、支持面6−1−3から突出した部分に、一つの保持平面61−1−1と一つの案内斜面61−1−2とを備える。全ての保持平面61−1−1の高さが同じであり、全ての案内斜面61−1−2が互いに平行している。そして、保持平面61−1−1と案内斜面61−1−2との交差線61−1−3が横方向に設けられ、保持平面61−1−1と支持面61−1−1との高度差が第1の作動位置と第2の作動位置との高度差に等しい。
屈曲基板6−2が第1の作動位置に位置するときに、屈曲基板6−2の底面6−2−1が屈曲ホルダ6−1の支持面6−1−3に接し、屈曲基板6−2が第2の作動位置に位置するときに、屈曲基板6−2の底面6−2−1がフェザーキー61−1の保持平面61−1−1に接する。
退避溝61−2は、屈曲基板6−2の底面に設けられている。退避溝61−2は、屈曲基板6−2が第1の作動位置に位置するときに、対応するフェザーキー61−1の突出部分を収容する。退避溝61−2は、その一方の側壁61−2−1が斜面になり、当該側壁61−2−1がフェザーキー61−1の案内斜面61−1−2に平行している。屈曲基板6−2が第1の作動位置と第2の作動位置との間で切り替えられる際に、当該側壁61−2−1が案内斜面61−1−2に接する。
切替機構63は、屈曲基板6−2を案内機構62によって決められた方向において第1の作動位置と第2の作動位置との間で切り替える。
案内機構62は、案内条62−1と、案内槽62−2とを含み、案内条62−1が支持面6−1−3に固定され、案内槽62−2が屈曲基板6−2の底面6−2−1に設けられ、案内条62−1が案内槽62−2に嵌め込まれるとともに、案内槽62−2に沿って縦方向に摺動される。
切替機構63は、ナット(図示せず)とボルト63−1とを含み、ナットが屈曲ホルダ6−1に装着され、ボルト63−1の先端にハンドル63−2が固定されている。ボルト63−1は、屈曲基板6−2における装着シート6−2−2を回動可能に貫通し、ボルト63−1の中間部と装着シート6−2−2との間は、軸受63−3により軸方向において位置決められ、ボルト63−1の後端がナットに螺合される。
図13、14、17に示すように、屈曲基板6−2は、第1の作動位置に位置している。切り替えの際には、ねじ接続機構により屈曲基板6−2と屈曲ホルダ6−1を緩め、ハンドルを回す。そして、ボルトの回動により、屈曲基板6−2を押し付けて切り替えを完了した後に、再びねじ接続機構により屈曲基板6−2を締める。
前位置決め部材60−1及び後位置決め部材60−2は、装着シート6−2−2に螺設されたねじである。
以上のように本発明の一実施形態を説明したが、本発明の技術思想に基づき、上記の実施形態に対してなされた均等的な変更、修正も本発明の保護範囲に入る。
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