(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態に係るデジタルカメラ及び再構成画像生成装置(画像再構成装置)を、図を参照しながら説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
【0011】
(実施形態1)
実施形態1に係る画像再構成装置30は、
図1に示すデジタルカメラ1に搭載されている。デジタルカメラ1は、被写体を撮影して複数のサブ画像からなるライトフィールド画像を得て、任意の再構成画像を生成する機能を備える。画像再構成装置30は、このうち複数のサブ画像からなるライトフィールド画像から再構成画像を生成する機能を担当する。
【0012】
デジタルカメラ1は、
図1に示すように、撮像部10と、画像再構成装置30を含む情報処理部20と、記憶部40と、インターフェース部(I/F部)50と、から構成される。デジタルカメラ1は、このような構成により、外部からの光線情報を取得して、光線情報を表す画像を表示する。
【0013】
撮像部10は、光学装置110と、イメージセンサ120と、から構成され、撮像動作を行う。
【0014】
光学装置110は、
図2に示すように、シャッタ111と、メインレンズMLと、サブレンズアレイSLA(マイクロレンズアレイ)と、から構成され、外部からの光線をメインレンズMLによって捉え、サブレンズアレイSLAを構成する各サブレンズSLの光学中心を視点として得られる光学像をイメージセンサ120に投影する。なお、本実施形態ではメインレンズMLは単焦点レンズであり、その焦点距離f
MLは固定であるとする。
【0015】
イメージセンサ120は、光学装置110が投影した光学像を電気信号に変換して情報処理部20に伝達するもので、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementally Matal Oxide Semiconductor)などの撮像素子と、撮像素子が生成した電気信号を情報処理部20に伝達する伝達部と、から構成される。
【0016】
シャッタ111は、イメージセンサ120への外部光の入射と遮蔽を制御する。
メインレンズMLは、一又は複数の凸レンズ、凹レンズ、非球面レンズ等から構成され、撮影時の被写体OBの光を光学像としてメインレンズMLとサブレンズアレイSLAとの間の仮想的な結像面MIP上に結像させる。なお、撮影時の被写体OBは一個の物体に限られず、
図2に示すようにメインレンズMLからそれぞれ異なる距離だけ離れた複数の構成物であってよい。
【0017】
サブレンズアレイSLAは、平面上に格子状に配置されたM×N個のサブレンズ(マイクロレンズ)SLから構成される。サブレンズアレイSLAは、メインレンズMLが結像面MIP上に結像させた光学像を、それぞれのサブレンズSLの光学中心を視点として観測した光学像として、イメージセンサ120を構成するイメージセンサの撮像面IE上に結像する。メインレンズMLが成す平面と撮像面IEが成す平面とから構成される空間をライトフィールドと呼ぶ。
【0018】
メインレンズMLについて、最大径LDと、有効径EDと、が定義できる。最大径LDは、メインレンズMLの物理的な直径である。一方、有効径EDはメインレンズMLのうち撮影に使用できる領域の直径である。メインレンズMLのうち、有効径EDの外部は、メインレンズMLに貼り付けられた各種フィルタやメインレンズML周辺の物理構造によってメインレンズに入出力する光線が遮られるため、画像を撮影・再構成するために有効でない領域(非有効領域)である。
有効径EDは、上記フィルタ等の物理構造によって光線が遮られる部位を工場出荷時に測定することで定義できる。
【0019】
図2の例では、被写体OBのある部分POBからの光線がメインレンズMLの有効径EDをなす部分(有効部)を通過し、複数のサブレンズSL上に投影されている。このように、被写体OBの部分POBから発された光が、メインレンズMLの有効部を通過してサブレンズアレイSLA上に投影される領域を、部分POBのメインレンズブラーMLBと呼ぶ。
【0020】
メインレンズMLは鏡胴の内部に納められている。鏡胴はメインレンズMLの光学中心で被写体側(外側鏡胴)と、結像面MIP側(内側鏡胴)とに分かれる。
図2では、外側鏡胴の長さをLolb、内側鏡胴の長さをLilbとしている。また、メインレンズMLの光学中心からメインレンズの結像面MIPまでの距離をb1、結像面MIPからサブレンズアレイSLAがなす面までの距離をa2、サブレンズアレイSLAからイメージセンサの撮像面IEの距離をc2とする。
【0021】
撮像部10は、上記構成により、ライトフィールドを通過する全ての光線の情報を含んだライトフィールド画像(LFI)を撮影する。
ブロック状の被写体OBを撮影したLFIの一例を
図3(a)に示す。
このLFIは、格子状に配置されたM×N個のサブレンズSL(マイクロレンズ)のそれぞれに対応する画像(サブ画像S、S
11〜S
MN)から構成されている。例えば、左上のサブ画像S
11は、被写体OBを左上から撮影した画像に相当し、右下のサブ画像S
MNは被写体OBを右下から撮影した画像に相当する。
【0022】
第i行のサブ画像(横の一列のサブ画像)S
i1〜S
iNは、メインレンズMLが結像した像を、サブレンズアレイSLAの第i行の横に並んだサブレンズSLで結像したステレオ画像に相当する。同様に、第j列のサブ画像(縦の一列のサブ画像)S
1j〜S
Mjは、メインレンズMLが結像した像を、サブレンズアレイSLA(マイクロレンズアレイ)の第j列の縦に並んだサブレンズSLで撮影したステレオ画像に相当する。
デジタルカメラ1は、図
3(b)に示すように、LFIから本画像として被写体を再構成した再構成画像(RI)を生成する。
なお、本実施形態では各サブ画像Sはグレースケール画像であり、サブ画像を構成する各画素は画素値(スカラー値)を持つ。
【0023】
図1に示す情報処理部20は、物理的にはCPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、内部バスと、I/Oポートと、から構成され、画像処理部210、画像再構成装置30、撮像制御部220、として機能する。
【0024】
画像処理部210は、イメージセンサ120から電気信号を取得し、取得した電気信号を記憶部40の撮像設定記憶部410が記憶する撮像設定情報に基づいて画像データに変換する。画像処理部210は、画像データと、撮像設定情報に所定の情報を加えた撮影設定情報と、を画像再構成装置30に伝達する。
【0025】
撮像設定記憶部410が記憶する撮像設定情報については後述する。
【0026】
画像再構成装置30は、画像処理部210から伝達されたLFIを用いて再構成画像を生成する。画像再構成装置30が再構成画像を生成する処理については後述する。
画像再構成装置30は、生成した再構成画像を記憶部40の画像記憶部420に記憶する。
【0027】
撮像制御部220は、記憶部40の撮像設定記憶部410に記憶された撮像設定情報に基づいて撮像部10を制御し、撮像部10を用いて被写体OBを撮影する。
【0028】
記憶部40は、RAM(Random−Access Memory)等から構成される主記憶装置と、フラッシュメモリ、ハードディスク、等の不揮発性メモリから構成される外部記憶装置と、から構成される。
主記憶装置は外部記憶装置に記憶されている制御プログラムや情報をロードし、情報処理部20の作業領域として用いられる。
外部記憶装置は、後述する処理を情報処理部20に行わせるための制御プログラムと情報とをあらかじめ記憶し、これらの制御プログラムや情報を情報処理部20の指示に従って主記憶装置に伝達する。また、情報処理部20の指示に従って、情報処理部20の処理に基づく情報とインターフェース部50から伝達された情報とを記憶する。
【0029】
記憶部40は、機能的には、撮像設定記憶部410と、画像記憶部420と、から構成される。
【0030】
撮像設定記憶部410は、撮像設定情報を記憶する。撮像設定情報は、撮像時に変化しうる撮像パラメータとしてメインレンズMLとサブレンズアレイSLAとの距離、メインレンズの焦点距離f
ML、露光時間を特定する情報、F値、シャッタ速度、等を含む。
撮像設定記憶部410は、撮像パラメータを撮像制御部220に伝達する。
また、撮像設定記憶部410は、撮像部10の撮像設定情報を画像処理部210に伝達する。
【0031】
画像記憶部420は、画像再構成装置30が再構成した画像を記憶する。画像記憶部420は、インターフェース部50のI/O部510と表示部520とに、記憶した画像を伝達する。
【0032】
インターフェース部(図ではI/F部と記述する)50は、デジタルカメラ1とその使用者(ユーザ)あるいは外部装置とのインターフェースに係る構成であり、I/O部510と、表示部520と、操作部530と、から構成される。
【0033】
I/O部(Input/Output部)510は、物理的にはUSB(Universal Serial Bus)コネクタやビデオ出力端子と、入出力制御部と、から構成される。I/O部510は記憶部40に記憶された情報を外部のコンピュータに出力し、外部から伝達された情報を記憶部40に伝達する。
【0034】
表示部520は、液晶表示装置や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等から構成され、撮像設定記憶部410に記憶される撮像パラメータを入力するための画面や、デジタルカメラ1を操作するための画面を表示する。また、表示部520は、画像記憶部420に記憶された画像を表示する。
【0035】
操作部530は、例えばデジタルカメラ1に備えられた各種ボタンや表示部520に備えられたタッチパネルと、各種ボタンやタッチパネルに行われた操作の情報を検出して記憶部40と情報処理部20とに伝達する伝達部を含み、ユーザ操作の情報を記憶部40や情報処理部20に伝達する。
【0036】
デジタルカメラ1は、
図3(b)に示すように、LFIを撮影し、LFIから再構成した再構成画像RIを生成して出力する。
【0037】
次に、画像再構成装置30の構成について、
図4を参照して説明する。
画像再構成装置30は、
図4(a)に示すように情報処理部31aと、主記憶部32と、外部記憶部33と、操作部34と、表示部35と、入出力部36と、内部バス37と、から構成される。
【0038】
情報処理部31aは、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)から構成される。
【0039】
主記憶部32は、記憶部40の主記憶装置と同様の物理構成を持つ。外部記憶部33は、記憶部40の外部記憶装置と同様の物理構成を持ち、プログラム38を記憶している。操作部34は、操作部530と同様の物理構成を持つ。表示部35は、表示部520と同様の物理構成を持つ。入出力部36は、I/O部510と同様の物理構成を持つ。内部バス37は、情報処理部31aと、主記憶部32と、外部記憶部33と、操作部34と、表示部35と、入出力部36と、を接続する。
【0040】
情報処理部31aと、主記憶部32と、外部記憶部33と、操作部34と、表示部35と、入出力部36と、内部バス37と、はデジタルカメラ1の情報処理部20の内部回路と、記憶部40と、インターフェース部50と、によって実現される機能ブロックであってもよい。
【0041】
画像再構成装置30は、外部記憶部33に記憶されたプログラム38及びデータを主記憶部32にコピーして、情報処理部31aが、主記憶部32を使用してプログラム38を実行することにより、後述する画像を再構成するための処理を実行する。
【0042】
画像再構成装置30は、上記のような物理構成により、
図4(b)に示すように、I/O部300と、記憶部310と、情報処理部320と、として機能する。
【0043】
I/O部300は、ユーザの操作を受け付ける操作部3010と、画像処理部210から、LFIを取得する画像取得部3030と、そのLFIを取得したときの撮影設定情報を取得する撮影設定取得部3020と、LFIから再構成した画像を出力する出力部3040と、から構成される。
撮影設定情報は、撮像設定情報に含まれる撮像パラメータ(メインレンズMLとサブレンズアレイSLAとの距離、メインレンズの焦点距離f
ML、露光時間を特定する情報、F値、シャッタ速度)に加え、既存値としてメインレンズの有効径EDと、サブレンズアレイSLAを構成する各サブレンズSLの位置情報と、サブレンズアレイSLAとイメージセンサ120の撮像面IEとの距離とを含む。また、メインレンズMLからサブレンズアレイSLAまでの距離c1、サブレンズアレイSLAから撮像素子の表面(撮像面IE)までの距離c2、各サブレンズの径、各撮像素子のサブレンズに対する相対位置、等の情報を含む。
【0044】
記憶部310は、再構成設定記憶部3110と、MLBテーブル記憶部3120と、再構成画像記憶部3130と、から構成される。
【0045】
再構成設定記憶部3110は、操作部3010を用いてユーザが入力する、画像を再構成するための再構成設定情報を記憶する。再構成設定情報は、再構成処理の具体的内容を示す情報と再構成パラメータとから構成される。
ここでは、LFIをリフォーカスした画像を再構成する場合について説明する。このとき、再構成設定情報はリフォーカスする旨の情報と、新たな画像のフォーカス点とメインレンズMLとの距離を特定する情報と、を含む。
【0046】
MLBテーブル記憶部3120は、画像を再構成するに当たって、サブレンズSL毎に適応される重みW
MLを指定するテーブルであるMLBテーブルを記憶する。MLBテーブル記憶部3120が記憶するMLBテーブルについては後述する。
【0047】
再構成画像記憶部3130は、生成途中の再構成画像を一時記憶する作業領域であり、また情報処理部320が生成した再構成画像を記憶する。
【0048】
情報処理部320は、再構成設定記憶部3110に記憶された再構成設定に合致する再構成画像を、画像取得部3030が取得したLFIと、撮影設定取得部3020が取得した撮影設定情報と、MLBテーブル記憶部3120が記憶するMLBテーブルと、を用いて生成する。情報処理部320はこのような処理を実行するために、原型定義部3210と、注目再構成画素選択部3220と、到達点取得部3230と、MLB重みテーブル取得部3240と、サブレンズ選択部3250と、対応画素特定部3260と、画素値加算部3270と、を含む。
【0049】
情報処理部320を構成する各部の機能と、情報処理部320が実行する画像再構成処理の概要を、
図4(b)及び
図5を参照して説明する。
ここでは、メインレンズMLから距離a1だけ離れた位置に画像をリフォーカスする場合を例にとって説明する。
【0050】
情報処理部320の原型定義部3210は、再構成画像上の仮想的な被写体OBとして、メインレンズMLから距離a1だけ離れたメインレンズMLの光軸に垂直な平面(再構成面RF)に設定する。そして、被写体OBに対応する画像のひな型(原型)を、再構成設定記憶部3110が記憶する再構成設定が指定する解像度に合わせて定義する。原型の中心は光軸OAであるとする。
再構成画像の原型とは、全ての画素値が0(又は未設定)の画像である。
【0051】
次に、注目再構成画素選択部3220が、再構成画像を構成する画素(再構成画素)のうち、注目再構成画素(被写体OBの注目部位Pに対応)を順次選択する。
【0052】
さらに、到達点取得部3230が注目部位Pからの主光線がサブレンズアレイSLAに到達する部位(メインレンズブラー中心MLBC)を取得する。この処理は、被写体からレンズを通って光線がどのように投影されるか求める既知の任意の処理であって良いが、ここでは後述する方法を用いる。
【0053】
次に、MLB重みテーブル取得部3240がMLBテーブル記憶部3120から、撮影設定情報及びメインレンズブラー中心MLBCの位置に対応するMLB重みテーブルを取得する。
ここで、メインレンズブラー中心MLBCを取得する処理とMLBテーブル記憶部3120が記憶するMLBテーブルの概要を
図6及び
図7を参照して説明する。
【0054】
まず、サブレンズアレイSLA上に投影されたメインレンズブラーMLBの例を
図6(a)を参照して説明する。注目部位Pから発せられた主光線がメインレンズMLを通じてサブレンズアレイSLAに達する部位を、
図6(a)及び
図5で黒丸(●)を用いて示している。この部位をサブレンズ到達点又はメインレンズブラー中心MLBCと呼ぶ。メインレンズブラーMLBは、メインレンズMLの光軸とサブレンズアレイSLAとが垂直に交わる場合には、メインレンズブラー中心MLBCを中心とする、直径がメインレンズブラー径DMLBの円に近似できる。メインレンズブラーMLBは、
図6(a)及び
図2において網掛けで示した領域である。
【0055】
メインレンズブラー径DMLBは、
図5を参照すればわかるように、三角形の相似関係により下記式(1)で求めることが出来る。
DMLB=ED・a2/b1…(1)
ここで有効径EDは既知の数値である。未知の数値a2とb1は次のように算出する。
b1は既知の数値a1及びf
MLを用い、次の式(2)から算出することが出来る。
【0057】
また、a2は既知の数値c1から、式(2)を用いて算出したb1を減算することで求めることができる。
すなわち、メインレンズブラー径DMLBは、再構成設定が示す再構成面RFとメインレンズMLとの距離a1と、撮影設定情報が示す有効径EDと、メインレンズとサブレンズアレイとの距離c1と、メインレンズの焦点距離f
MLによって定まる数である。
【0058】
到達点取得部3230は、メインレンズブラー中心MLBCの位置(どのサブレンズSL上にあるか、そのサブレンズSL上のどの位置にあるか)を求める。
その具体的な処理については後述する。
【0059】
メインレンズブラー中心MLBCを含むサブレンズSLをサブレンズSL(0,0)とする。サブレンズSL(0,0)を中心に座標系を定義し、Y軸をY
ML、X軸をX
ML、とする(
図6(a))。
そして、サブレンズSL(0,0)を中心に、Y軸方向にy
mlX軸方向にx
ml個だけ移動したサブレンズSLをサブレンズSL(x
ml,y
ml)とする。
【0060】
サブレンズSL(0,0)を拡大し、部分領域SASLに分割した例を
図6(b)に示す。
図6(b)の例では、横軸をi
ML、縦軸をj
MLとして、左上を原点として5×5の方形に分割している。各部分領域SASLを、SASL(i
ML,j
ML)とあらわすとすると、
図6(b)でメインレンズブラー中心MLBCが存在する領域(中心領域CA)は、部分領域SASL(2,3)である。このとき(2,3)を中心領域CAの座標(中心座標CP)と表現する。
【0061】
中心座標CPとメインレンズブラー径DMLBが定まると、各サブレンズSL(x
ml,y
ml)上でメインレンズブラーMLBが占める面積が定まる。注目部位Pから発せられた光は、メインレンズブラーMLB上にほぼ均等に投影されると近似できる。そのため、メインレンズブラーMLBがあるサブレンズSL上に占める面積は、対応する注目部位Pから発せられた光がそのサブレンズ上にどの程度到達するか、その光の総和に対応すると近
似することが出来る。
そこで、本実施形態ではそのサブレンズSLに占めるメインレンズブラーMLBの面積を、各サブレンズSLと注目部位Pとの対応の強さを示す係数(重みW
ML)として定義する。重みW
ML(サブ画像重み)は、サブレンズSLに対応するサブ画像と、注目部位に対応する再構成画素と、の対応の強さに相当する。各サブレンズSLが略同一の面積を持つ場合、重みW
MLはサブレンズ上でメインレンズブラーが占める割合(0から1までの実数)として定義できる。以下、重みW
MLは0から1までの実数であるとして説明する。
なお、各サブレンズが異なる面積を持つ場合は、各レンズの位置情報から、そのサブレンズ上でメインレンズブラーMLBが占める面積を重みW
MLとすればよい。
【0062】
再構成面RFからメインレンズ中心までの距離a1が、距離b1や距離a2と比べて十分に大きい場合は、注目部位Pの位置(メインレンズMLの光軸からの距離x)に関わらず、メインレンズブラーMLBの形状はメインレンズブラー中心MLBCから見て変化しないものとみなせる。即ち、各サブレンズSLに対応する重みW
MLはメインレンズブラー中心MLBCを含むサブレンズSLの絶対的な位置に関わらず、中心座標CPを含むサブレンズからの相対位置によって定まると近似できる。
そこで、本実施形態では再構成面への距離a1を示すインデックスであるパラメータaと、中心座標CP(i
ML,j
ML)と、に対応するメインレンズブラーの重みW
MLのセットを定義したテーブル(MLBテーブル)を定義し、MLBテーブル記憶部3120に予め記憶する。
【0063】
パラメータaは、距離a1(再構成面RFとメインレンズの中心との距離)の所定の範囲を示すインデックスである。例えば、パラメータaは0から7までの整数であり、パラメータaが7であることは、距離a1が無限大〜100mでの距離に、0であることは距離a1が1〜10mまでの距離であるとして設定する。パラメータaと距離a1の対応は、実験によって求められ、予め再構成設定記憶部3110に記憶されている。あるいは、ユーザが任意に指定可能な数値であっても良い。
【0064】
MLBテーブルは、
図7に示すようにMLBインデックステーブルと、MLB重みテーブルと、から構成される。MLBインデックステーブル(
図7(a))は、中心座標CP(i
ML,j
ML)及びパラメータaと、これに対応するML重みリストを示すインデックスと、を対応付けて記憶するテーブルである。
図7(a)の例では、パラメータaが1〜NaのNa個の値を取り、中心座標CPが(0,0)〜(4,4)の何れかである場合のそれぞれの場合に対応するMLB重みテーブルを示すインデックス(インデックス#01〜インデックス#NaN)を対応付けて記憶している。
【0065】
MLB重みテーブルは、そのインデックスが対応するパラメータaの値と、中心座標CPと、について定義できる重みW
MLを、考慮すべき相対位置にあるサブレンズSLのそれぞれについて対応付けて記憶している。
図7(b)の例では、MLB重みテーブルは、考慮すべき相対位置にあるサブレンズSL、即ち中心となるサブレンズ(0,0)との相対位置が(+X
mlMax,+Y
mlMax)〜(−X
mlMax,−Y
mlMax)(ここでは(−6,−6)〜(6,6))であるそれぞれのサブレンズSL(x
ML,y
ML)について重みW
MLを登録したテーブルである。なお、X
mlMax及びY
mlMaxは予め実験により定められた自然数であり、最大ズームに対応する焦点距離で、設定上可能な最も近い被写体を撮影した場合、すなわち最もメインレンズブラー径が大きくなる場合にメインレンズブラーが覆うサブレンズの数に対応する。
【0066】
図7の例では、対象となる中心座標CPが(2,3)であり、再構成設定が示す距離a1が、パラメータa=5に対応する場合、使用されるMLB重みテーブルのインデックスは#kである。
【0067】
MLBテーブルでは、メインレンズブラー中心MLBCから所定の範囲(メインレンズブラー径DMLBに完全に収まる範囲)にあるサブレンズSLについて重みW
MLの最大値(ここでは1)が対応づけられる。また、所定の範囲外の位置(メインレンズブラー径DMLBに完全に外れる位置)にあるサブレンズSLについて重みW
MLの最小値(ここでは0)が対応付けられる。中間の位置にあるサブレンズについては、中間の値が定義される。このとき、中心座標CPがそのサブレンズよりである場合に、よりメインレンズブラーMLBが占める部分が大きくなるので、より大きい中間値が対応付けられる。
また、再構成面との距離a1が近いほど、メインレンズブラー径DMLBが大きくなるので、より遠いサブレンズSLについて大きい重みW
MLが得られる。なお、焦点距離f
MLが小さい場合、あるいはメインレンズMLの有効径EDが大きい場合にもメインレンズブラー径DMLBが大きくなるので、その他の条件が同じ場合はより遠いサブレンズSLに大きい重みW
MLが対応づけされる。
【0068】
MLB重みテーブル取得部3240は、距離a1に合致するパラメータaと、到達点取得部3230が算出した中心座標CP(i
ML,j
ML)と、に合致するMLB重みテーブルのインデックスをMLBインデックステーブルから取得する。そして、そのインデックスが示すMLB重みテーブルをMLBテーブル記憶部3120から取得する。
【0069】
そして、サブレンズ選択部3250がサブレンズSL(+X
mlMax,+Y
mlMax)〜(−X
mlMax,−Y
mlMax)までのうち一つを注目サブレンズとして選択する。
【0070】
そして、対応画素特定部3260が、注目部位Pから注目サブレンズを通って撮像面IE上に到達する部位(LFI上の対応画素に対応)を特定する。この処理は、既知の任意の光線追跡方法を用いて実行されて良いが、ここでは後述する方法を用いるとする。
【0071】
サブレンズ選択部3250と対応画素特定部3260とは、サブレンズSL(+X
mlMax,+Y
mlMax)〜(−X
mlMax,−Y
mlMax)を順次注目サブレンズとし、それらのLFI上の対応画素と、MLB重みテーブルが定義するそのサブレンズに対応する重みW
MLを抽出する。
【0072】
サブレンズSL(+X
mlMax,+Y
mlMax)〜(−X
mlMax,−Y
mlMax)の全てについて対応画素を抽出し終えると、画素値加算部3270が各サブレンズの対応画素の画素値と、各サブレンズに対応する重みW
MLと、乗算して加算平均し、注目部位Pに対応する再構成画素の画素値とする。
【0073】
画素値加算部3270は、注目再構成画素の画素値を決定すると、その画素値を一旦再構成画素記憶部3130に記憶する。そして、注目再構成画素選択部3220から画素値加算部3270が全ての再構成画素を順次注目再構成画素として画素値を決定し、再構成画像を生成する。
【0074】
次に、デジタルカメラ1及び画像再構成装置30が実行する処理について、フローチャート(
図8〜
図10)を参照して説明する。
ユーザが撮像部10を用いて被写体OBを撮影すると、デジタルカメラ1は
図8に示す画像出力処理を開始する。
【0075】
画像出力処理では、まずデジタルカメラ1の画像処理部210が撮像部10から情報を受け取り、LFIを生成する。画像処理部210は取得したLFIを画像再構成装置30の画像取得部3030に伝達する。こうして、画像取得部3030はLFIを取得する(ステップS101)。
【0076】
画像処理部210はさらに撮像設定記憶部410から、そのライトフィールド画像を撮影した撮像設定情報(焦点距離f
MLを含む)を取得する。画像処理部210は、取得した撮像設定情報に撮像部10の物理構成等の情報を加えて撮影設定情報として、画像再構成装置30の撮影設定取得部3020に伝達する。こうして、撮影設定取得部3020は撮影設定情報を取得する(ステップS102)。
【0077】
次に、画像再構成装置30が
図9に示す画像再構成処理を開始する(ステップS103)。画像再構成処理では、まず原型定義部3210が再構成設定記憶部3110に記憶されている再構成画像の生成に用いるパラメータを取得する(ステップS201)。ここでは、再構成画像のメインレンズMLからの再構成面RFとの距離a1、及び再構成画像の画素数および各画素が対応する部位(メインレンズの光軸と再構成面RF上の交点である再構成中心との相対位置)、及びリフォーカスした再構成画像を生成することを指示する情報、等が再構成設定に含まれる。
【0078】
次に、再構成設定に基づいて、原型定義部3210がメインレンズMLの光学中心から距離a1だけ離れた位置にある再構成面RF上に再構成画像の原型(再構成画素の画素値がすべて0の画像)を定義する(ステップS202)。
【0079】
次に、カウンタ変数をiとして、注目再構成画素選択部3220がi番目の再構成画素(
図5の注目部位Pに対応)に注目する(ステップS203)。
【0080】
そして、到達点取得部3230が、注目再構成画素からメインレンズMLの光学中心を通ってサブレンズアレイSLAに到達する点(メインレンズブラー中心MLBC)の位置を特定する(ステップS204)。
【0081】
具体的には、メインレンズブラー中心MLBCは、再構成面RFと光軸との交点(再構成中心)と注目部位Pとのx軸方向の距離をxとし、メインレンズMLの光軸とメインレンズブラー中心MLBCのx軸方向の距離d2を次の式(3)により算出する。
d2=x・c1/a1…(3)
y軸についても同様に計算できる。このようにして、注目部位Pの位置からマイクロレンズブラー中心MLBCの位置を特定する。
【0082】
次に、メインレンズブラー中心MLBCがどのサブレンズ上にあるかを求める。またそのサブレンズSL上のどこにあるかを、中心座標CP(i
ML,j
ML)として、撮影設定情報が示す各サブレンズの位置及び大きさの情報から求める。
【0083】
そして、MLB重みテーブル取得部3240が、MLBテーブル記憶部3120に記憶されたMLBインデックステーブルが示す、中心座標CP(i
ML,j
ML)と、再構成設定が示す距離a1に対応するパラメータaと、に合致するMLB重みテーブルを取得する(ステップS205)。
【0084】
そして、サブレンズ選択部3250から画素値加算部3270が、MLB重みテーブルを用いて注目再構成画素の画素値を決定する処理(画素値加算処理、ここでは画素値加算処理1)を実行する(ステップS206)。
【0085】
ステップS206で実行される画素値加算処理(画素値加算処理1)を、
図10を参照して説明する。画素値加算処理1では、まずサブレンズ選択部3250が、メインレンズブラーMLBを含むサブレンズSL(MLB重みテーブルの重みが0でないサブレンズ)を注目再構成画素に対応するサブレンズ(対応サブレンズ)として抽出する(
ステップS301)。
【0086】
次に、サブレンズ選択部3250が、jをカウンタ変数として抽出したサブレンズのうちj番目の対応サブレンズを注目サブレンズとして選択する(
ステップS302)。
【0087】
そして、メインレンズブラー中心MLBCを含むレンズを(0,0)としたときのとの注目サブレンズの相対位置(X
ML,Y
ML)に対して定義された重みW
MLをMLB重みテーブルから取得する(ステップS303)。
【0088】
次に、対応画素特定部3260が、注目サブレンズに対応するサブ画像を構成する画素のうち、注目再構成画素に対応する画素(対応サブ画素、到達点PEに対応する画素)を抽出し、その画素値を取得する(ステップS304)。
【0089】
具体的には、到達点PEを以下の手順で算出する。
被写体距離a1と、距離b1を以下の式(4)に用いて、注目部位PがメインレンズMLを通して結像する点(結像点PF)と光軸OAとの距離x’を算出する
x’=x・b1/a1…(4)
さらに、光軸OAからj番目のサブレンズSLの主点までの距離d、上記の式(4)を用いて算出された距離x’、サブレンズアレイSLAから撮像面IEまでの距離c2、及び結像面MIPからサブレンズアレイSLAまでの距離a2を以下の式(5)に用いて、到達点PEと光軸OAとの距離x’’を算出する。
【0091】
Y軸方向にも同様に計算し、到達点PEの位置を特定する。そして、撮像設定情報が示す撮像素子の位置情報を用いて、到達点PEに位置する対応サブ画素を特定し、その画
素値を取得する。なお、ここでは想定される再構成面との距離a1のいずれに対しても、対応サブ画素は一画素乃至一画素と同一視できるようにサブレンズアレイSLAと撮像面IEとの位置を調節しているものとする。
【0092】
次に、ステップS301で抽出した全対応サブレンズについて、対応サブ画素を抽出する処理が実行済みか判別する(ステップS305)。
未処理のサブレンズSLが存在すると判別すると(ステップS305;NO)、カウンタ変数jをインクリメントし(ステップS306)、次のサブレンズを注目サブレンズとしてステップS302から処理を繰り返す。
【0093】
一方、全ての対応サブレンズについて対応サブ画素を抽出したと判別すると(ステップS305;YES)、画素値加算部3270が、各対応サブ画素の値と、その対応サブ画素に応じた対応サブレンズに定義された重みW
MLとを用いて重み加算平均値を算出して、注目再構成画素の画素値とする(ステップS307)。
そして、画素値加算処理1は終了する。
【0094】
図9に戻って、画素値加算処理によって注目再構成画素の画素値が決定すると、次に全ての再構成画素について画素値を決定する処理が実行されたか判別する(ステップS207)。
全ての再構成画素について画素値が決定されていないと判別すると(ステップS207;NO)、カウンタ変数iをインクリメントし(ステップS208)、次の注目再構成画素についてステップS202から処理を繰り返す。
一方、全ての再構成画素について画素値を決定したと判別すると(ステップS207;YES)、出力部3040が再構成画素を画像記憶部420に出力して(ステップS209)画像再構成処理は終了する。
【0095】
図8に戻って、画像再構成処理(ステップS103)で再構成画像の生成が終わると、デジタルカメラ1は画像記憶部420に記憶された再構成画像を表示部520に出力する(ステップS104)。あるいは、I/O部510を用いて外部装置に出力しても良い。
そして、デジタルカメラ1及び画像再構成装置30は画像出力処理を終了する。
【0096】
以上説明したとおり、本実施形態の画像再構成装置30によれば、撮影時の設定(撮影パラメータ)に応じたMLB重みテーブルを用いて再構成画像を生成する。そのため、少ない計算量で高い精度で再構成した、画質の高い再構成画像を生成できる。
【0097】
このとき、複数のMLB重みテーブルからメインレンズの焦点距離
に応じたテーブルを用いて画素値を決定するので、撮影時のメインレンズの焦点距離を反映した精度の高い再構成画像を少ない計算量で生成できる。
【0098】
また、再構成面とメインレンズとの距離に応じたパラメータaに応じたMLB重みテーブルを用いて画素値を決定するので、再構成面の位置に合致する重みにより精度の高い再構成画像を少ない計算量で生成できる。
【0099】
さらに、中心座標CP(メインレンズ中心MLBCに対応)に応じたMLB重みテーブルを用いて画素値を加算平均する。そのため、再構成画素のそれぞれから発した光が、サブレンズに到達した位置に応じたより精度の高い再構成画像を少ない計算量で生成できる。
【0100】
これらのパラメータに対応するMLB重みテーブルを用いて再構成画像を生成するので、再構成画素からの光がどのサブレンズにどの程度到達しているか、その大きさに応じた重みを用いて対応サブ画素を重み付き加算して再構成画素の画素値を決定できる。そのため、メインレンズの位置・焦点距離・サブレンズの位置・到達点・等の多くのパラメータに応じた重みを少ない計算量で求めることができる。この重みを用いることで精度の高い再構成画像を少ない計算量で生成できる。
【0101】
なお、このMLB重みテーブルでは、中心座標CPから所定の距離(メインレンズブラー径に対応、メイン距離)以上遠い位置にあるサブレンズに対しては小さい重みを定義している。メインレンズブラー径は再構成面までの距離が小さくなれば、また、メインレンズの焦点距離が小さくなれば大きくなる。一方、メインレンズの有効径が大きくなれば大きくなる。このため、再構成面までの距離又はメインレンズの焦点距離の何れかが小さくなれば、あるいは有効径が大きくなれば、メインテーブル径が小さくなるようにMLB重みテーブルは設定されている。このようなMLB重みテーブルを用いることにより、メインレンズブラー径に応じた重みを用いて生成した精度の高い再構成画像を、少ない計算量で生成できる。
【0102】
また、本実施形態のデジタルカメラ1によれば、画像再構成装置30を用いて画像を再構成するため、ライトフィールド画像を撮影し、そのライトフィールド画像から精密な再構成画素を、少ない計算量で生成して表示・記録できる。
【0103】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る画像再構成装置31について説明する。画像再構成装置31は、
図11に示すデジタルカメラ2に含まれる。
デジタルカメラ2は、実施形態1に係るデジタルカメラ1と比べて、撮像部が
図12に示す構成を持つ撮像部11であること、及び画像再構成処理を画像再構成装置31が担う点が異なる。
【0104】
撮像部11の光学装置113は、
図12に示すように、注目部位Pからの光をサブレンズアレイSLAがイメージセンサ120の撮像面IEとは異なる平面(サブレンズ結像面SIP)に結像させることを特徴とする。このため、一つの注目部位Pについて、各サブレンズを通過して撮像面IEに到達する領域(サブレンズブラーSLB、
図12の白の楕円)は、一つの画素内に収まらない場合がある。そこで、サブレンズブラーSLBに含まれる各画素について重み付け加算を実行するためのテーブル(SLBテーブル)を用いて注目再構成画素の画素値を決定する。
【0105】
画像再構成装置31の物理構成は実施形態1にかかる画像再構成装置30と同様である。
【0106】
画像再構成装置31は、
図13に示すように、I/O部300と記憶部311と情報処理部321として機能する。
I/O部300は、実施形態1にかかる画像再構成装置30のI/O部300と同様である。ただし、撮影設定取得部3020が取得する撮影設定情報は、各サブレンズの径(サブレンズ径DSL)と、サブレンズアレイSLAと撮像面IEとの距離c2と、各サブレンズの焦点距離f
SBと、を示す情報をさらに含む。サブレンズSLの焦点距離f
SBは全て共通であり、デジタルカメラ2に固有の不変値とする。
【0107】
記憶部311は、実施形態1にかかる画像再構成装置30の記憶部310に対し、さらにSLBテーブル記憶部3140を含む。
SLBテーブル記憶部3140は、サブレンズに対応する対応画素に適用される重みW
SLを定義するテーブルであるSLBテーブルを記憶する。SLBテーブルについては後述する。
【0108】
情報処理部321は、再構成設定記憶部3110に記憶された再構成設定に合致する再構成画像を、画像取得部3030が取得したLFIと、撮影設定取得部3020が取得した撮影設定情報と、MLBテーブル記憶部3120が記憶するMLBテーブルと、SLBテーブル記憶部3140が記憶するSLBテーブルと、を用いて生成する。情報処理部321はこのような処理を実行するために、原型定義部3210と、注目再構成画素選択部3220と、到達点取得部3230と、MLB重みテーブル取得部3240と、サブレンズ選択部3250と、撮像面到達点取得部3280と、SLB重みテーブル取得部3290と、対応画素特定部3261と、画素値加算部3271と、を含む。
【0109】
原型定義部3210からサブレンズ選択部3250の機能は、実施形態1にかかる情報処理部320の同名の部位と同一である。
【0110】
撮像面到達点取得部3280は、注目部位Pからの主光線が注目サブレンズを通って撮像面IEに到達する到達点PEを、前述した式(5)を用いて取得する。そして、到達点PEが、撮像素子上のどの位置にあるかを示す座標(i
SL,j
SL)を、撮像設定情報に含まれる撮像素子の位置情報から特定する。
【0111】
そして、SLB重みテーブル取得部3290が、SLBテーブル記憶部3140が記憶するSLBテーブルを参照し、再構成設定が示す距離a1に対応するパラメータaと、座標(i
sL,j
sL)と、に合致するSLB重みテーブルを取得する。
【0112】
ここで、サブレンズブラーSLBと、座標(i
SL,j
SL)と、SLBテーブル記憶部3140が記憶するSLBテーブルについて、
図14及び
図15を参照して説明する。
【0113】
まず、撮像面IE上に投影されたサブレンズブラーSLBの例を
図14(a)を参照して説明する。注目部位Pから発せられた主光線がメインレンズMLと注目サブレンズを通じて撮像面IEに達する部位を、
図14(a)で黒丸(●)を用いて示している。この部位を到達点PEあるいはサブレンズブラー中心SLBCと呼ぶ。サブレンズブラーSLBは、サブレンズブラー中心SLBCを中心とする、直径がサブレンズブラー径DSLBの円に近似できる。
【0114】
サブレンズブラー中心SLBCを含む撮像素子をPS(0,0)とする。PS(0,0)を中心に座標系を定義し、Y軸をY
SL、X軸をX
SL、とする。
そして、PS(0,0)を中心に、Y軸方向にy
SlX軸方向にx
Sl個だけ移動した撮像素子PSをPS(x
sl,y
sl)とする。
【0115】
サブレンズブラー径は、次のように定義することが出来る。
まず既知の数値を変数とする下記式(6)を用いて、サブレンズアレイSLAとサブレンズ結像面SIPとの距離b2を求める。
b2=a2・f
SB/(a2−f
SB)…(6)
【0116】
そして、求めたb2と、既知の数値である距離c2と、から下記式(7)を用いてサブレンズ結像面SIPと撮像面IEとの距離c3を求める。
c3=c2−c3…(7)
【0117】
さらに、式(6)で求めた距離b2と、式(7)で用いた距離c3と、撮像設定情報が示す対応サブレンズの径(サブレンズ径DSL)と、から式(8)を用いてサブレンズブラー径DSLBを算出する。
DSLB=DSL・c3/b2…(8)
【0118】
すなわち、サブレンズブラー径DSLBは、再構成設定が示す再構成面RFとメインレンズMLとの距離a1と、メインレンズの焦点距離f
MLと、サブレンズの焦点距離f
SB等によって定まる数である。
【0119】
撮像素子PS(0,0)を拡大し、部分領域SAPSに分割した様子を
図14(b)に示す。
図14(b)の例では、撮像素子PSを、横軸をi
SL、縦軸をj
SLとして、左上を原点として5×5の方形に分割している。各部分領域SAPSを、SAPS(i
SL,j
SL)とあらわすとすると、
図14(b)でサブレンズブラー中心SLBC(到達点PEに対応)が存在する領域(到達領域EA)は、SAPS(2,1)である。このとき(2,1)を到達領域EAの座標(到達座標EP)と表現する。
【0120】
到達座標EPとサブレンズブラー径DSLBが定まると、各撮像素子PS(x
sl,y
sl)上でサブレンズブラーSLBが占める面積が定まる。本実施形態では注目部位Pから発せられた光は、サブレンズブラーSLB上に均等に投影されると近似する。そのため、サブレンズブラーSLBがある撮像素子PS上に占める面積は、対応する注目部位Pから発せられた光がその撮像素子上にどの程度到達するか、その光の総和に対応すると仮定することが出来る。
【0121】
そこで、本実施形態では、撮像素子PSに占めるサブレンズブラーSLBの面積を、各撮像素子PS(及びその撮像素子に対応するサブ画素)と、注目部位Pと、の対応の強さを示す係数(重みW
SL)とする。重みW
SLは、撮像素子PSに対応する再構成画素と、注目部位に対応する対応画素と、の対応の強さ(サブ画素重み)に相当する。各撮像素子PSが略同一の面積を持つ場合、重みW
SLは撮像素子PS上でサブレンズブラーSLBが占める割合(0から1までの実数)として定義できる。以下、重みW
SLは0から1までの実数であるとして説明する。
【0122】
再構成面への距離a1を示すインデックスであるパラメータaと、到達座標EP(i
sL,j
sL)と、に対応するサブレンズブラーの重みW
SLのセットを定義したテーブル(SLBテーブル)を定義し、SLBテーブル記憶部3140に予め記憶する。
【0123】
SLBテーブルは、
図15に示すようにSLBインデックステーブルと、SLB重みテーブルと、から構成される。SLBインデックステーブル(
図15(a))は、到達座標EP(i
sL,j
sL)と、パラメータaと、に対応するSL重みリストを示すインデックスを定義するテーブルである。
図15(a)の例では、SLBインデックステーブルはパラメータaが1〜NaのNa個の値を取り、到達座標EPが(0,0)〜(4,4)の何れかである場合のそれぞれの場合に対応するSLB重みテーブルを示すインデックス(インデックス#01〜インデックス#NaN)を対応付けて記憶している。
【0124】
SLB重みテーブルは、そのインデックスが対応するパラメータaの値と、到達座標EPと、に基づいて定まる重みW
SLを、考慮すべき相対位置にある撮像素子PS(すなわち、これに対応するサブ画素)のそれぞれについて対応付けて記憶している。
【0125】
図15(b)の例では、SLB重みテーブルは、考慮すべき相対位置にあるサブ画素、即ち到達座標EPが位置する画素(到達画素)との相対位置が(+X
slMax,+Y
slMax)〜(−X
slMax,−Y
slMax)(ここでは(−4,−4)〜(4,4))であるそれぞれのサブ画素(X
SL,Y
SL)について登録したテーブルである。なお、X
slMax及びY
slMaxは予め実験により定められた自然数であり、設定上最もサブレンズブラー径が大きくなる場合にサブレンズブラーが覆う撮像素子PSの数に対応する。
【0126】
SLB重みテーブル取得部3290は、距離a1に合致するパラメータaと、撮像面到達点取得部3280が算出した到達座標EP(i
SL,j
SL)と、に合致するSLB重みテーブルのインデックスをSLBインデックステーブルから取得する。そして、そのインデックスが示すSLB重みテーブルをSLBテーブル記憶部3140から取得する。
【0127】
対応画素特定部3261は、SLB重みテーブル取得部3290が取得したSLB重みテーブルで定義されたサブ画素を全て抽出し、重みW
SLと対応付けて一時記憶する。
【0128】
SLBテーブルでは、到達点PEから所定の範囲(サブレンズブラー径DSLBに完全に収まる範囲)にある撮像素子PSについて重みW
SLの最大値(ここでは1)が対応づけられる。また、所定の範囲外の位置(サブレンズブラー径DSLBから完全に外れる位置)にある撮像素子PSについて重みW
SLの最小値(ここでは0)が対応付けられる。中間の位置にある撮像素子PSについては、中間の値が定義される。このとき、到達位置がよりその撮像素子PSよりである場合に、よりサブレンズブラーSLBが占める部分が大きくなるので、より大きい中間値が対応付けられる。
また、再構成面との距離a1が小さいほど、メインレンズブラー径DMLBが大きくなるので、より遠いサブレンズSLについて大きい重みW
SLが得られる。なお、焦点距離f
MLが大きい場合にもサブレンズブラー径DSLBが大きくなるので、その他の条件が同じ場合はより遠い撮像素子PSに大きい重みW
SLが対応づけされる。
【0129】
サブレンズ選択部3250から対応画素特定部3261は、全ての対応サブレンズを順次注目サブレンズとして、注目部位Pに対応する全てのサブ画素について、画素値と、重みW
MLと、重みW
SLと、を対応付ける。
【0130】
そして、画素値加算部3271が、注目部位Pに対応する再構成画素の画素値を、上記処理で抽出した画素値を重みW
MLと重みW
SLとを用いて重み付き加算平均して定める。
【0131】
次に、デジタルカメラ2及び画像再構成装置31が実行する処理について、フローチャート(
図16)を参照して説明する。
【0132】
デジタルカメラ2及び画像再構成装置31は、実施形態1と同様に
図8に示す画像出力処理及び
図9に示す画像再構成処理を実行する。
【0133】
画像再構成装置31は、画像再構成処理のステップS206で、画素値加算処理として
図16に示す画素値加算処理2を実行する。
【0134】
画素値加算処理2では、まずステップS401〜ステップS403を、
図10に示す画素値加算処理1のステップS301〜ステップS303までと同様に実行する。
【0135】
次に、撮像面到達点取得部3280が、式(5)を用いて到達点PEの位置を取得する(ステップS404)。
【0136】
そして、SLB重みテーブル取得部3290が到達座標EP(i
SL,j
SL)と、再構成設定が示す距離a1に対応するパラメータaに合致するSLB重みテーブルを取得する(ステップS405)。
【0137】
そして、対応画素特定部3261が、SLB重みテーブルで定義された対応画素(対応する重みW
SLが0でない画素)の画素値と、その重みW
SLを取得する(ステップS406)。
【0138】
次に、ステップS401で抽出した全対応サブレンズについて、対応画素の画素値とその重みを取得する処理が実行済みか判別する(ステップS407)。
未処理のサブレンズSLが存在すると判別すると(ステップS407;NO)、カウンタ変数jをインクリメントし(ステップS408)、次のサブレンズを注目サブレンズとしてステップS402から処理を繰り返す。
【0139】
一方、全ての対応サブレンズについて対応サブ画素を抽出したと判別すると(ステップS407;YES)、画素値加算部3271が、各対応サブ画素の値を、その対応サブ画素に応じた対応サブレンズに定義された重みW
MLと、各サブ画素に対応する重みW
SLと、を用いて重み加算平均値を算出して、注目再構成画素の画素値とする(ステップS409)。
【0140】
以上説明したとおり、本実施形態の画像再構成装置31によれば、メインレンズブラーだけでなく、サブレンズブラーも考慮して再構成画素を構成するため、サブメンズ結像面が撮像素子と離れている場合でも精度の高い再構成画像を生成することが出来る。また、テーブルを用いてサブレンズブラーを考慮した重みを算出するため、サブレンズブラーを考慮した高画質の再構成画像を生成するための必要計算量が少なくて済む。
【0141】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されず、さまざまな変形が可能である。
たとえば、上記実施形態1乃至2では、メインレンズの焦点距離f
ML及びメインレンズの有効径EDは変化しなかった。しかし、本発明はこれに限らず、焦点距離f
ML及び有効径EDの何れか、あるいは両方が可変してもよい。
このような場合の光学装置110の構成例を
図17に示す。
図17の光学装置110は、ユーザが絞り112を操作することにより有効径EDを変化させることが出来る。
【0142】
図18(a)に、メインレンズの焦点距離f
ML及びメインレンズの有効径EDの双方が可変する場合のMLBインデックステーブルを示す。W
MLは有効径ED及び焦点距離f
MLに依存して変化するため、MLBインデックステーブルは(i
ML,j
ML)、パラメータaに加えて、パラメータED(有効径EDの所定の範囲にそれぞれ対応する自然数)、及びパラメータ#f
MLの(焦点距離f
MLの所定の範囲にそれぞれ対応する自然数)それぞれが変化した場合に対応するMLB重みテーブルのインデックスを登録している。
【0143】
一方、重みW
SLは焦点距離f
MLに依存して変化するが、メインレンズの有効径EDが変化
する場合でも一定である。そのため、SLBインデックステーブルは、
図18(b)に示すように、パラメータEDを含まない。
このような構成によれば、メインレンズがズームレンズである場合、あるいは絞りを持つ場合でも、撮影時の焦点距離や絞りを考慮して再構成画像を生成することができる。そのため、焦点距離や絞りが変化した場合でも再構成画像の精度が低下しない。
【0144】
なお、上記実施例では、重みW
ML及び重みW
SLは任意の数であるとしたが、W
ML及びW
SLは、0又は1の何れかの値をとるとしてもよい。この場合、例えばメインレンズブラーがサブレンズ上でしめる面積が所定の閾値以上(例えばサブレンズの面積の半分以上)であるばあいに重みを1とし、そうでない場合に0とする、とすることができる。重みW
SLについても同様に定義できる。このような構成によれば、再構成画像の生成のための計算量を減少させることが出来る。
【0145】
また、上記実施例では画素値を算出するにあたって、対応画素の画素値を重みを用いて加算平均した。しかし、重みW
MLや
重みW
SLを用いて画素値を算出する方法はこれに限らず、対応画素について得られた重みが大きくなればその画素の画素値が算出する画素の画素値に大きく影響を与えるような任意の方法で画素値を求めることが出来る。
【0146】
また、MLBテーブルは、上記説明で例示した構成に限られない。MLBテーブルでは、中心座標CPから近い位置にあるサブレンズSLについて大きい重みW
MLが対応づけられ、遠い位置にあるサブレンズSLについて小さい重みW
MLが対応付けられる。また、再構成面との距離a1が近いほど、メインレンズブラー径DMLBが大きくなるので、より遠いサブレンズSLについて大きい重みW
MLが得られる。また、焦点距離f
MLが小さい場合、あるいはメインレンズMLの有効径EDが大きい場合、にはその他の条件が同じ場合は、より遠いサブレンズSLに大きい重みW
MLが対応づけされることが望まれる。
MLBテーブルは、このような条件で重み係数とサブレンズSLとを対応付けた任意のテーブルで代替可能である。
【0147】
さらに、SLBテーブルも、上記説明で例示した構成に限られない。SLBテーブルでは、到達座標EPから近い位置(所定範囲)にある撮像素子PSについて大きい重みW
SLが対応づけられ、遠い位置にある撮像素子PSについて小さい重みW
SLが対応付けられる。また、再構成面との距離a1が遠いほど、サブレンズブラー径DSLBが大きくなるので、より遠いサブレンズSLについて大きい重みW
SLが得られる。なお、焦点距離f
MLが大きい場合にはその他の条件が同じ場合は、より遠い撮像素子PSに大きい重みW
SLが対応づけされる。
SLBテーブルは、このような条件で重み係数と撮像素子PSとを対応付けた任意のテーブルで代替可能である。
【0148】
また、上記実施例では、画像をグレースケール画像であるとして説明したが、本発明の処理対象となる画像はグレースケール画像に限らない。例えば、画像は各画素にR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)、の三つの画素値が定義されたRGB画像であってよい。この場合、画素値をRGBのベクトル値として同様に処理する。また、R、G、B、の各値をそれぞれ独立したグレースケール画像として、それぞれ上記処理を行っても良い。この構成によれば、カラー画像であるライトフィールド画像からカラー画像である再構成画像を生成できる。
【0149】
その他、前記のハードウェア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0150】
情報処理部31a、主記憶部32、外部記憶部33、などから構成される画像再構成のための処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROMなど)に格納して配布し、前記コンピュータプログラムをコンピュータにインストールし、画像再構成のための処理を行う中心となる部分を構成してもよい。また、インターネットなどの通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に前記コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロードなどすることで画像正構成装置を構成してもよい。
【0151】
画像再構成装置の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0152】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0153】
また、MLBテーブルまたはSLBテーブルの何れかまたは両方を外部装置に保存し、通信装置を通じてインデックス(パラメータa等)を送信して外部装置からMLB重みテーブルを取得する構成も可能である。
【0154】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0155】
(付記1)
被写体を異なる視点から撮影した複数のサブ画像から構成されるライトフィールド画像を取得するライトフィールド画像取得部と、
前記ライトフィールド画像を取得した撮影パラメータを取得する撮影パラメータ取得部と、
前記ライトフィールド画像から再構成した被写体の画像である再構成画像のひな形を定義するひな形定義部と、
前記ひな形定義部が定義した再構成画像を構成する画素である再構成画素と、前記サブ画像の少なくとも一つと、の対応の強さを示す係数である画像重みを定義したテーブルである、前記撮影パラメータ取得部が取得した撮影パラメータに応じるメインテーブルを取得するメインテーブル取得部と、
前記複数のサブ画像を構成するサブ画像画素から、前記ひな形定義部が定義した再構成画像を構成する再構成画素に対応する画素である対応画素を抽出する対応画素抽出部と、
前記再構成画素の画素値を、前記対応画素抽出部が抽出した対応画素の画素値と、前記メインテーブル取得部が取得したメインテーブルが定義する当該再構成画素と当該対応画素の属するサブ画像とに対応する画像重みと、に基づいて求めることにより、前記再構成画像を生成する再構成画像生成部と、
を有することを特徴とする再構成画像生成装置。
【0156】
(付記2)
前記ライトフィールド画像は、前記被写体からの光線を捉えるメインレンズと、前記メインレンズが捉えた光線をさらに捉える前記複数の視点のそれぞれに対応する複数のサブレンズと、を用いて撮影され、
前記撮影パラメータは、前記メインレンズの焦点距離を少なくとも含む、
ことを特徴とする付記1に記載の再構成画像生成装置。
【0157】
(付記3)
前記再構成画像を含む面と前記メインレンズとの距離を示す情報を含む再構成設定を取得する再構成設定取得部をさらに有し、
前記メインテーブル取得部は、前記撮影パラメータ取得部が取得した撮影パラメータと前記再構成設定取得部が取得した再構成設定に応じるメインテーブルを取得する、
ことを特徴とする付記2に記載の再構成画像生成装置。
【0158】
(付記4)
前記撮影パラメータ取得部が取得した撮影パラメータと前記再構成設定取得部が取得した再構成設定と、予め記憶されている前記メインレンズと前記サブレンズとの相対位置と、から前記再構成画素に対応する被写体の部分から発された光線が前記サブレンズに到達する点であるサブレンズ到達点を取得するサブレンズ到達点取得部をさらに備え、
前記メインテーブル取得部が取得するメインテーブルは、前記サブレンズ到達点取得部が取得したサブレンズ到達点から所定距離以上遠い位置にある前記サブレンズに対応するサブ画像の前記画像重みが小さい、
ことを特徴とする付記3に記載の再構成画像生成装置。
【0159】
(付記5)
前記再構成設定取得部が取得した再構成設定に含まれる前記再構成画像を含む面と前記メインレンズとの距離が小さいほど、前記メインテーブル取得部が取得するメインテーブルの画像重みに係る所定距離が大きくなる、
ことを特徴とする付記4に記載の再構成画像生成装置。
【0160】
(付記6)
前記撮影パラメータ取得部が取得した撮影パラメータに含まれる前記メインレンズの焦点距離が小さいほど、前記メインテーブル取得部が取得するメインテーブルの画像重みに係る所定距離が大きくなる、
ことを特徴とする付記4又は5に記載の再構成画像生成装置。
【0161】
(付記7)
前記撮影パラメータ取得部が取得する撮影パラメータは、前記メインレンズの有効径をさらに含み、
前記撮影パラメータ取得部が取得した撮影パラメータに含まれる前記メインレンズの有効径が大きいほど、前記メインテーブル取得部が取得するメインテーブルの画像重みに係る所定距離が大きくなる、
ことを特徴とする付記4乃至6の何れか1つに記載の再構成画像生成装置。
【0162】
(付記8)
前記ひな形定義部が定義した再構成画像を構成する画素である再構成画素と、前記サブ画像の一つである注目サブ画像に含まれるサブ画素の少なくとも一つと、の対応の強さを示す係数である画素重みを定義したテーブルである、前記撮影パラメータ取得部が取得した撮影パラメータに応じるサブテーブルを取得するサブテーブル取得部をさらに有し、
前記再構成画像生成部は、前記再構成画素の画素値を、前記対応画素抽出部が抽出した対応画素の画素値と、前記メインテーブル取得部が取得したメインテーブルが定義する当該再構成画素と当該対応画素の属するサブ画像とに対応する画像重みと、前記サブテーブル取得部が取得したサブテーブルが定義する当該再構成画素と当該対応画素とに対応する画素重みに基づいて決定する、
ことを特徴とする付記1乃至7の何れか1つに記載の再構成画像生成装置。
【0163】
(付記9)
被写体を異なる視点から撮影した複数のサブ画像から構成されるライトフィールド画像を取得する工程と、
前記ライトフィールド画像を取得した撮影パラメータを取得する工程と、
前記ライトフィールド画像から再構成した被写体の画像である再構成画像のひな形を定義する工程と、
前記定義した再構成画像を構成する画素である再構成画素と、前記サブ画像の少なくとも一つと、の対応の強さを示す係数である画像重みを定義したテーブルである、前記取得した撮影パラメータに応じるメインテーブルを取得する工程と、
前記複数のサブ画像を構成するサブ画像画素から、前記定義した再構成画像を構成する再構成画素に対応する画素である対応画素を抽出する工程と、
前記再構成画素の画素値を、前記抽出した対応画素の画素値と、前記取得したメインテーブルが定義する当該再構成画素と当該対応画素の属するサブ画像とに対応する画像重みと、に基づいて求めることにより、前記再構成画像を生成する工程と、
を含むことを特徴とする再構成画像生成方法。
【0164】
(付記10)
コンピュータに、
被写体を異なる視点から撮影した複数のサブ画像から構成されるライトフィールド画像を取得する処理、
前記ライトフィールド画像を取得した撮影パラメータを取得する処理、
前記ライトフィールド画像から再構成した被写体の画像である再構成画像のひな形を定義する処理、
前記定義した再構成画像を構成する画素である再構成画素と、前記サブ画像の少なくとも一つと、の対応の強さを示す係数である画像重みを定義したテーブルである、前記取得した撮影パラメータに応じるメインテーブルを取得する処理、
前記複数のサブ画像を構成するサブ画像画素から、前記定義した再構成画像を構成する再構成画素に対応する画素である対応画素を抽出する処理、
前記再構成画素の画素値を、前記抽出した対応画素の画素値と、前記取得したメインテーブルが定義する当該再構成画素と当該対応画素の属するサブ画像とに対応する画像重みと、に基づいて求めることにより、前記再構成画像を生成する処理、
を実行させることを特徴とするプログラム。