(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5942431
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 2/10 20060101AFI20160616BHJP
【FI】
H01M2/10 K
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-1050(P2012-1050)
(22)【出願日】2012年1月6日
(65)【公開番号】特開2013-140747(P2013-140747A)
(43)【公開日】2013年7月18日
【審査請求日】2014年11月26日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157912
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 健
(74)【代理人】
【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】濱野 晃史
(72)【発明者】
【氏名】寺西 明
(72)【発明者】
【氏名】竹村 元
(72)【発明者】
【氏名】小板橋 敬佑
【審査官】
植前 充司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−188717(JP,A)
【文献】
特開2001−155700(JP,A)
【文献】
特開平09−073890(JP,A)
【文献】
特開2008−103144(JP,A)
【文献】
特開2008−066144(JP,A)
【文献】
特開2011−238631(JP,A)
【文献】
特開2011−142104(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0398800(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具等の対象機器の取付部に対して着脱可能な電池パックであって、
前記電池パックの上面から出没するストッパ部を備えた係合部材と、
前記係合部材を操作するために前記電池パックの両側に設けられた2つの操作部材と、
前記ストッパ部が前記取付部に係合する方向に前記係合部材を付勢する付勢部材と、
を備え、
前記係合部材は、前記ストッパ部の下部に前記係合部材の摺動方向に対して垂直な面を形成する受部を備え、
前記操作部材は、押し込み操作可能な操作部と、操作部に設けられた支軸部と、前記受部に当接する位置まで延設された押下部と、を備え、前記操作部が内方へ押し込み操作されたときに前記支軸部を軸として回動し、前記押下部が前記受部の中央付近を押し下げることにより前記係合部材を没入方向へ移動させることを特徴とする、電池パック。
【請求項2】
前記操作部材は、前記操作部の下部に前記支軸部が配置され、前記支軸部の横方向に押下部が延設されており、力点である前記操作部と、支点である前記支軸部と、作用点である前記押下部と、が略L字状に配置されていることを特徴とする、請求項1記載の電池パック。
【請求項3】
前記操作部材を回動させたときの前記押下部と前記受部との接点について、当該接点が前記係合部材の出没方向に移動する距離は、当該接点が当該出没方向と直交する方向に移動する距離より大きいことを特徴とする、請求項1又は2記載の電池パック。
【請求項4】
前記操作部材は、前記操作部と前記支軸部と前記押下部とが略L字状に配置されたものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具等の電源として電動工具や充電器等の対象機器に着脱自在に設けられる電池パック
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動工具等の電源として用いられる電池パックは、電動工具のグリップ部や充電器に着脱可能となっており、装着により電池パックのプラス及びマイナスの端子が、上記電動工具や充電器等の対象機器に設けられた端子と接触するように構成されている。
【0003】
また、このような電池パックの取り付け構造としては、特許文献1に示されるように、電池パックに係止フックを設け、この係止フックを電動工具の取付部に係止させることで、作業時に電池パックが取付部から外れないようにしたものが知られている。
【0004】
そして、電池パックを取り外す際には、所定の操作によって係止フックの係合を解除するように形成する。例えば、この特許文献1記載の構造においては、係止解除ボタンを電池パックの両側部に設け、係止解除ボタンを電池パックの内側に押し込み操作したときに係止フックが係止解除方向に移動するようにしている。詳しくは、係止解除ボタンの傾斜した内側面が係止フックの受け部に当接し、これにより、傾斜係止解除ボタンが押し込み操作されたときに係止解除ボタンの内側面上を係止フックの受け部が摺動して、係止フックを係止解除方向に移動させるように形成している。
【0005】
このような電池パックの取り付け構造によれば、係止解除ボタンを内側に押し込み操作したときに、この操作荷重が係止フックを押し下げる方向の力に変換される。すなわち、電池パックを握持する自然な動作で係止解除が行えるため、電池パックの取り外しの操作性を高めることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−103144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、作業現場においては電池パックの内部に粉塵が入り込むことは避けられない。上記した特許文献1記載の構造において電池パックの内部に粉塵が入り込むと、この粉塵が前記した摺動面に入り込むおそれがある。摺動面に粉塵が入り込んだ状態で係止解除操作が行われると、粉塵を挟み込んで摺動することにより摺動面が荒れてしまうため、摩擦抵抗が大きくなるという問題が発生する。そして、摩擦抵抗が大きくなると、荷重が増大して操作性が悪くなり、最悪の場合は操作自体ができなくなる可能性もある。
【0008】
また、左右の係止解除ボタンを押す力に偏りがあると、係止フックに対して偏った力が加わることにより係止フックが傾いて引っ掛かる可能性もある。係止フックが引っ掛かってしまうと、最悪の場合係止フックの移動ができなくなり、電池パックの取り外しができなくなる可能性もある。
【0009】
そこで、本発明は、摺動面が荒れて摩擦抵抗が大きくなることの影響を最小化できるとともに、左右の操作荷重に偏りがある場合でも不具合が起きにくい電池パックの取り付け構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
【0011】
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、以下の点を特徴とする。
【0012】
すなわち、請求項1に記載の電池パックは、電動工具等の対象機器の取付部に対して着脱可能な電池パックであって、前記電池パックの上面から出没するストッパ部を備えた係合部材と、前記係合部材を操作するために前記電池パックの両側に設けられた2つの操作部材と、前記ストッパ部が前記取付部に係合する方向に前記係合部材を付勢する付勢部材と、を備え、前記係合部材は、前記ストッパ部の下部に前記係合部材の摺動方向に対して垂直な面を形成する受部を備え、前記操作部材は、押し込み操作可能な操作部と、操作部に設けられた支軸部と、前記受部に当接する位置まで延設された押下部と、を備え、前記操作部が内方へ押し込み操作されたときに前記支軸部を軸として回動し、前記押下部が前記受部の中央付近を押し下げることにより前記係合部材を没入方向へ移動させることを特徴とする。
【0013】
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
【0014】
すなわち、前記操作部材は、前記操作部の下部に前記支軸部が配置され、前記支軸部の横方向に押下部が延設されており、力点である前記操作部と、支点である前記支軸部と、作用点である前記押下部と、が略L字状に配置されていることを特徴とする
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は2記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
すなわち、前記操作部材を回動させたときの前記押下部と前記受部との接点について、当該接点が前記係合部材の出没方向に移動する距離は、当該接点が当該出没方向と直交する方向に移動する距離より大きいことを特徴とする。
【0015】
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
【0016】
すなわち、前記操作部材は、前記操作部と前記支軸部と前記押下部とが略L字状に配置されたものであることを特徴とする。
【0017】
【0018】
【発明の効果】
【0019】
本発明は上記の通りであり、係合部材を操作するために電池パックの両側に設けられた2つの操作部材を備え、前記操作部材は、押し込み操作可能な操作部と、操作部に設けられた支軸部と、係合部材の受部に当接する位置まで延設された押下部と、を備え、前記操作部が内方へ押し込み操作されたときに前記支軸部を軸として回動し、前記押下部が受部を押し下げることにより前記係合部材を没入方向へ移動させる。
【0020】
このように、ストッパ部の下方まで延設された押下部によって係合部材を移動させるため、押下部は係合部材を真下に押し下げればよく、押下部が受部の上を摺動する距離を極小化することができるので、摺動面が荒れて摩擦抵抗が大きくなることの影響を最小化できる。
【0021】
また、押下部はストッパ部の下方において係合部材を押し下げるため、仮に2つの操作部材で操作荷重に偏りがあったとしても(または、1つの操作部材のみが操作されたとしても)、係合部材を意図した方向に押し下げることができる。言い換えると、係合部材が傾くことがなく、係合部材をスムーズに押し下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】電池パックを取り付けた電動工具の外観斜視図である。
【
図7】係合部材が突出した状態の電池パックを示す断面図である。
【
図8】係合部材が没入した状態の電池パックを示す断面図である。
【
図9】押下部と受部との接点の移動距離を示す説明図である。
【
図10】電池パックを取り付けた充電器の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態について、図を参照しつつ、電動工具100としての電動打ち込み工具を例にして説明する。
【0024】
本実施形態に係る電動工具100及び電池パック10は、
図1に示すように、互いに着脱可能に形成されている。すなわち、電動工具100のグリップの下端部には、電池パック10を取り付けるための取付部101が形成されており、グリップの下端面と電池パック10の上端面とが接触するように電池パック10を取り付け可能となっている。
【0025】
電動工具100の取付部101は、
図2に示すように、グリップの下端部に設けられた底盤102と、この底盤102の両側に設けられた側下垂部103と、を備えている。
【0026】
底盤102は、下面に沿って電池パック10の上面を摺動させるためのものであり、先端部102a付近の底面には、電池パック10を掛止するための被係合部106が凹設されている。被係合部106は、断面略V字状の窪みであり、先端部102a側の面が略垂直に形成されるとともに、反先端部102a側の面が傾斜して形成されている。
【0027】
側下垂部103は、底盤102の左右両端縁から下方に突出するように設けられており、電池パック10を取り付けたときに電池パック10の上側部に対して外側から当接するように形成されている。この側下垂部103の下端縁は、内側に突出して案内凸条104を形成しており、これにより、案内凸条104の上部にスライド溝105を形成している。この案内凸条104及びスライド溝105は、電池パック10の上側部に設けられたガイドレール部21及び溝22(後述)とスライド可能に係合させるためのものである。
【0028】
一方、本実施形態に係る電池パック10は、
図3に示すように、上記した案内凸条104及びスライド溝105と係合するガイドレール部21及び溝22が上側部に形成されている。このガイドレール部21及び溝22は、電池パック10の両側面に形成されており、このガイドレール部21及び溝22が設けられていることによって電池パック10を電動工具100の取付部101に対してスライドさせて着脱可能となっている。すなわち、ガイドレール部21が外側に突出することによりガイドレール部21の下部に溝22を形成しており、この溝22の開口端側から案内凸条104を差し込むことにより、案内凸条104及びスライド溝105とガイドレール部21及び溝22とが係合した状態で電池パック10をスライドさせることができる。
【0029】
また、この電池パック10の上面には、前述した被係合部106と係合するストッパ部31が突出方向に付勢されている。このストッパ部31は、ガイドレール部21及び溝22の延設方向と直交する方向に出没するように設けられている。これにより、ストッパ部31と被係合部106とが係合する方向に電池パック10を所定の位置までスライドさせると、ストッパ部31が被係合部106に嵌り込み、電池パック10が取付部101にしっかりと固定されるようになっている。
【0030】
なお、取付部101に固定された電池パック10を取り外す際には、操作部42を電池パック10の内方に押し込み操作する必要がある。詳しくは後述するが、この操作部42は、
図3に示すように、電池パック10の両側に相対するように2つ設けられている。
【0031】
図4は、上記した電池パック10の分解図である。この
図4が示すように、電池パック10は、複数の電池13を直列、並列又は両方で接続して形成したバッテリセル12、このバッテリセル12を収容するケース本体11、前記ケース本体11の上部を覆う蓋部材20、前記したストッパ部31を有する係合部材30、前記操作部材40を付勢する付勢部材としてのバネ37、前記係合部材30を操作するために電池パック10の両側に設けられた2つの操作部材40、を備えて構成されている。
【0032】
蓋部材20は、電池パック10の上部を覆う部材であり、ケース本体11に対してネジやボルト等で固定されることによって他部材を収容するケースを形成する。この蓋部材20の両側部には、
図4に示すように、前述したガイドレール部21や溝22が形成されている。また、このガイドレール部21及び溝22の終端部の延長線上には、前述した操作部42を外部に露出させるための操作用開口23が切欠かれて形成されている。また、上面には、前述したストッパ部31を突出させるためのラッチ口24が開口している。
【0033】
係合部材30は、電池パック10の内部において摺動可能に支持された部材であり、
図4及び
図5に示すように、上部に山形に突出するストッパ部31と、ストッパ部31の下部に設けられた受部32と、を備えている。このうち、ストッパ部31は、前方が傾斜面31aを形成するとともに、後方が垂直面31bを形成している。このストッパ部31は、ラッチ口24から突出可能に配置され、電池パック10の上面から出没するようになっている。また、受部32は、係合部材30の摺動方向に対して垂直な面を形成することで、後述する操作部材40の押下部41を受けることができるようになっている。
【0034】
バネ37は、前記したストッパ部31が電動工具100の取付部101に係合する方向に係合部材30を付勢するものであり、
図7及び
図8に示すように、下部をケース本体11のバネ受け部11aに支持されており、上端が係合部材30を上方に付勢している。
【0035】
このようにバネ37に付勢された係合部材30は、電動工具100の取付部101に対して係合可能となるようにストッパ部31がラッチ口24から突出している。
【0036】
操作部材40は、
図4及び
図6に示すように、操作用開口23から押し込み操作可能に露出する操作部42と、操作部42の内側に延出するように設けられた押下部41と、操作部42の下部に設けられた支軸部43と、を備えている。この操作部材40は、ケース本体11に設けられた操作部材受け部11cに対して支軸部43が回動可能に軸支されている。
【0037】
操作部材40の押下部41は、電池パック10の内部において受部32に当接する位置まで延設されており、その先端付近が係合部材30の受部32の上面に当接している。このため、係合部材30を上方に付勢するバネ37の付勢力を間接的に受けることとなり、上方に付勢されている。
【0038】
操作部材40は、押下部41が上方に付勢されることで、通常時においては操作部42が略垂直となる姿勢を保っている(
図7参照)。この状態から操作部42を内方へと押し込み操作すれば、
図8に示すように、バネ37の付勢力に抗って操作部42の上部が内側に倒れるように支軸部43を軸として回動し、同時に押下部41が下方に変位する。そして、押下部41が係合部材30の受部32を押し下げることにより、係合部材30を没入方向へ移動させ、ストッパ部31がラッチ口24の内部に没入して退避するように形成されている。
【0039】
なお、本実施形態に係る操作部材40は、操作部42の下部に支軸部43が配置され、支軸部43の横方向に押下部41が延設されているため、力点(操作部42)と支点(支軸部43)と作用点(押下部41)とが略L字状に配置されている。このような配置とすることで、押下部41が受部32を真下に押し下げる距離に比較して、押下部41が受部32の上を摺動する距離を極小化するように形成されている。
【0040】
具体的には、
図9に示すように、ストッパ部31の突出時の押下部41と受部32との接点Pと、ストッパ部31の没入時の押下部41と受部32との接点P'と、の移動距離を見ると、係合部材30の出没方向の移動距離Vは、係合部材30の出没方向と直交する方向の移動距離Hよりも大幅に大きくなっており、5倍以上となっている。このため、操作部材40を操作したときに、押下部41は受部32の上をほとんど摺動せずに下方向に押し下げるように形成されている。
【0041】
また、押下部41は、ストッパ部31の下部に設けられた受部32の中央付近を押し下げるように配置されている。よって、電池パック10の両側に設けられた操作部材40のうちの片方の操作部材40のみが操作されたとしても、その片方の操作部材40の押下部41が係合部材30の受部32の中央付近を下方に押し下げるため、係合部材30を傾けずに下方に移動させることができる。
【0042】
このような電池パック10を電動工具100に取り付ける際には、電池パック10を取付部101に対して取り付け方向にスライドさせる。すると、取付部101の先端部102aがストッパ部31の傾斜面31aに当接し、この傾斜面31aをスライド方向に押圧する。このスライド方向に加えられた力は、ストッパ部31の傾斜面31aによってストッパ部31を退避させる方向(下向き)の力に変換され、ストッパ部31が内方へと押し込まれる。そのまま電池パック10を更に取り付け方向にスライドさせると、ストッパ部31が被係合部106に係合し、取り付けが完了する。このとき、ストッパ部31の後部は垂直面31bであるため、電池パック10を取り外し方向にスライドさせる力が働いたとしても、電池パック10が取付部101から外れることはない。
【0043】
また、このような電池パック10を電動工具100から取り外す際には、操作部42を操作して係合部材30を没入方向へ移動させ、ストッパ部31と被係合部106との係合を解除した上で、電池パック10を取付部101から取り外す方向にスライドさせればよい。
【0044】
本実施形態は上記の通りであり、係合部材30を操作するために電池パック10の両側に設けられた2つの操作部材40を備え、前記操作部材40は、押し込み操作可能な操作部42と、操作部42の下部に設けられた支軸部43と、係合部材30の受部32に当接する位置まで延設された押下部41と、を備え、前記操作部42が内方へ押し込み操作されたときに前記支軸部43を軸として回動し、前記押下部41が受部32を押し下げることにより前記係合部材30を没入方向へ移動させる。
【0045】
このように、ストッパ部31の下方まで延設された押下部41によって係合部材30を移動させるため、押下部41は係合部材30を真下に押し下げればよく、押下部41が受部32の上を摺動する距離を極小化することができるので、摺動面が荒れて摩擦抵抗が大きくなることの影響を最小化できる。
【0046】
また、押下部41はストッパ部31の下方において係合部材30を押し下げるため、仮に2つの操作部材40で操作荷重に偏りがあったとしても(または、1つの操作部材40のみが操作されたとしても)、係合部材30を意図した方向に押し下げることができる。言い換えると、係合部材30が傾くことがなく、係合部材30をスムーズに押し下げることができる。
【0047】
なお、上記した実施形態においては、電動工具100としての電動打ち込み工具を挙げ、この電動工具100に電池パック10を取り付け可能とした例について説明したが、本発明の実施形態としてはこれに限らない。例えば、電動打ち込み工具以外の電動工具(例えば、電動丸鋸や電動鋏など)でも同様に適用することができる。また、
図10に示すように、充電器200に電池パック10を取り付け可能としてもよい。
【符号の説明】
【0048】
10 電池パック
11 ケース本体
11a バネ受け部
11c 操作部材受け部
12 バッテリセル
13 電池
20 蓋部材
21 ガイドレール部
22 溝
23 操作用開口
24 ラッチ口
30 係合部材
31 ストッパ部
31a 傾斜面
31b 垂直面
32 受部
37 バネ(付勢部材)
40 操作部材
41 押下部
42 操作部
43 支軸部
100 電動工具
101 取付部
102 底盤
102a 先端部
103 側下垂部
104 案内凸条
105 スライド溝
106 被係合部
200 充電器
P ストッパ部の突出時の接点
P' ストッパ部の没入時の接点
V 接点が係合部材の出没方向に移動する距離
H 接点が係合部材の出没方向と直交する方向に移動する距離