(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物品を一列で搬送する複数の搬送コンベヤと、搬送コンベヤの搬送量を検出する搬送量検出手段と、搬送コンベヤの搬送経路の各位置に対応する複数の記憶ブロックによって構成されたセクションを設定し、搬送コンベヤ上の各位置に対応する記憶ブロックに物品の有無に関する位置データを記憶させ、搬送量検出手段が検出した搬送コンベヤの搬送量が所定の単位量に達したタイミングでシフト指令を発信して各セクションの記憶ブロックの位置データを下流側の記憶ブロックに移動させるシフトレジスタとを備えた物品搬送装置において、
上記搬送コンベヤのそれぞれに上記搬送量検出手段を設けるとともに、
上記シフトレジスタは、各搬送コンベヤのそれぞれに対応するセクションを設定するとともに、各搬送コンベヤの搬送量検出手段が検出した搬送量に基づいて各搬送コンベヤに対応するセクションの位置データを移動させ、
上流側の搬送コンベヤに対応する上流側セクションの下流端の記憶ブロックの位置データを、当該上流側セクションにおける物品の位置データおよび搬送量を参照して、下流側の搬送コンベヤに対応する下流側セクションの上流端の記憶ブロックに位置させる乗り移り判定手段を設けたことを特徴とする物品搬送装置。
上流側の搬送コンベヤと下流側の搬送コンベヤとを隣接した位置に並行に設け、これら上流側および下流側の搬送コンベヤを斜めに横切るように上記物品をガイドするガイド部材を設け、
上記乗り移り判定手段は、物品が位置していることを示す物品の位置データが上流側セクションの下流端の記憶ブロックに到達した際には、上記シフトレジスタが当該上流側セクションに対してシフト指令を発信しても、上流側セクションの下流端の記憶ブロックの物品の位置データを上記下流側セクションの上流端の記憶ブロックへと移動させずに、上流側セクションの下流端の記憶ブロックに維持することを特徴とする請求項1に記載の物品搬送装置。
上流側の搬送コンベヤと下流側の搬送コンベヤとを搬送方向に直列するように設け、これら上流側および下流側の搬送コンベヤの間に搬送コンベヤの搬送面の高さに合わせて上記物品を載置する渡し板を設け、
上記乗り移り判定手段は、上流側セクションの下流端の記憶ブロックを上記渡し板に対応する記憶ブロックとして認識し、
上記シフトレジスタによって、物品の位置データが単独で上記渡し板に対応する記憶ブロックに位置した場合、
上記乗り移り判定手段は、当該渡し板に対応する記憶ブロックの上流に隣接した位置に他の物品の位置データが位置するまで、当該渡し板に対応する記憶ブロックに位置する位置データを下流側セクションへと移動させないことを特徴とする請求項1に記載の物品搬送装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施例について説明すると、
図1は物品としての容器1に液体を充填する液体充填ライン2の一部を示し、この液体充填ライン2は、上記容器1にラベルを貼付するラベラ3と、当該ラベラ3の貼付された容器1の外観検査を行う外観検査機4とを備え、これらラベラ3と外観検査機4との間には容器1を搬送する物品搬送装置5が設けられている。
上記外観検査機4およびラベラ3は従来公知であり詳細な説明については省略するが、上記物品搬送装置5はこの容器1を一列の状態でラベラ3から外観検査機4へと搬送するようになっており、またラベラ3や外観検査機4の状況に応じて容器1をアキュームするようになっている。
【0009】
上記物品搬送装置5は、複数のコンベヤによって構成されており、上記ラベラ3に接続されたラベラ排出コンベヤ6と、上記外観検査機4に接続された外観検査機導入コンベヤ7と、これらラベラ排出コンベヤ6と外観検査機導入コンベヤ7との間に設けられた第1〜第7搬送コンベヤ8A〜8Gとによって構成されている。
これらラベラ排出コンベヤ6、外観検査機導入コンベヤ7、第1〜第7搬送コンベヤ8A〜8Gは、それぞれ上流側に位置するコンベヤの下流部分と下流側に位置するコンベヤの上流部分とが並行となるように配置されている。
そして、これらの各コンベヤには、容器1を挟んで対向して配置され、各コンベヤ上を搬送される容器1をガイドする一対のガイド部材9が設けられており、当該ガイド部材9は各コンベヤの接続部において上流側のコンベヤと下流側のコンベヤとを斜めに横切るように配置されている(
図2参照)。
そのため、上流側のコンベヤを搬送された容器1は当該上流側のコンベヤの下流側でガイド部材9の一方に接触し、その後当該容器1はガイド部材9によって斜めに移動しながら下流側のコンベヤへと乗り移るようになっている。
【0010】
次に、上記物品搬送装置5は制御手段11によって上記ラベラ3および外観検査機4と連動して作動するようになっている。
このうち上記第1〜第7搬送コンベヤ8A〜8Gはそれぞれ第1〜第7モーター12A〜12Gによって個別に駆動されるようになっており、また第1〜第7モーター12A〜12Gにはそれぞれ第1〜第7インバーター13A〜13Gが設けられている。
上記第1〜第7インバーター13A〜13Gは上記制御手段11からの指令に基づいて所定の周波数信号を第1〜第7モーター12A〜12Gへと発信して回転数を制御し、第1〜第7搬送コンベヤ8A〜8Gの搬送量を個別に制御することが可能となっている。
一方制御手段11は、上記インバーター13A〜13Gから発信される周波数信号を受信し、この周波数信号から第1〜第7モーター12A〜12Gの回転数を算出して、各コンベヤにおける容器1の搬送量を認識するようになっている。すなわちこのインバーター13A〜13Gは本発明にかかる搬送量検出手段に該当する。
そして上記制御手段11は、第1〜第7搬送コンベヤ8A〜8G上の容器1の位置を常時認識するため、上記第1〜第7搬送コンベヤ8A〜8G上の容器1の位置を仮想的に認識するシフトレジスタ14と、当該シフトレジスタ14が認識した仮想的な容器1の位置に基づいて、当該仮想的な容器1を上流側の搬送コンベヤから下流側の搬送コンベヤへと乗り移らせる乗り移り判定手段15とを備えている。
また上記第1コンベヤ8Aに隣接した位置には上記ラベラ排出コンベヤ6から排出された容器1を検出する入口センサ16が設けられ、また第7搬送コンベヤ8Gに隣接した位置には上記外観検査機導入コンベヤ7へと供給される容器1を検出する出口センサ17が設けられている。
【0011】
以下、
図2を用いて上記シフトレジスタ14および乗り移り判定手段15について説明する。ここでは図示左方から順に上記ラベラ排出コンベヤ6および第1〜第4搬送コンベヤ8A〜8Dまでを示しており、第1搬送コンベヤ8Aから第4搬送コンベヤ8Dに向かって容器1が搬送されるようになっている。
まず上記シフトレジスタ14には、第1〜第4搬送コンベヤ8A〜8Dの各位置に対応する複数の記憶ブロックBによって構成された第1〜第4セクションSA〜SDが登録されている。
第1〜第4セクションSA〜SDは、例えば第1〜第4搬送コンベヤ8A〜8Dのそれぞれの全長を容器1の直径の長さで割った数の記憶ブロックBによって構成されている。
ここで各記憶ブロックBには、容器無しの状態を示す0または容器有りを示す1のいずれかの位置データが記憶されるようになっており、以下の説明において特に容器有りを示す位置データを容器の位置データ1´と呼ぶ。
なお以下の説明において、上記記憶ブロックBは各コンベヤと同様直列的に整列されているが、これは説明を容易にするためであり、シフトレジスタ14において必ずしもこのように記憶ブロックBを整列させる必要は無い。
【0012】
まず第1搬送コンベヤ8Aに対応する第1セクションSAについて説明すると、上記ラベラ排出コンベヤ6から第1搬送コンベヤ8Aに容器1が乗り移ると、上記第1搬送コンベヤ8Aに設けた入口センサ16が当該容器1を検出する。
すると、上記シフトレジスタ14は上記第1セクションSAの上流端に位置する記憶ブロックBに容器の位置データ1´を発生させる。
一方、制御手段11は第1搬送コンベヤ8Aに設けた第1モーター12Aの第1インバーター13Aからの周波数信号を受信して、第1搬送コンベヤ8Aの搬送量を算出している。
そしてシフトレジスタ14は、第1搬送コンベヤ8Aの搬送量が容器1の1ピッチ分に達したタイミングでシフト指令を発信し、第1セクションSAにおいて、容器の位置データ1が記憶されていた記憶ブロックBの位置データをその下流側に位置する記憶ブロックBのデータとして書き換えながら移動させる。
例えば、単独で搬送される容器1が第1搬送コンベヤ8A上を1ピッチ分移動してシフト指令が発信されると、それまで容器1が位置していた部分に対応する記憶ブロックBの位置データが1から0に書き換えられ、その下流側に位置する記憶ブロックBの位置データが0から1に書き換えられることとなる。
つまり実際の第1搬送コンベヤ8Aにおいて容器1が搬送されると、上記シフトレジスタ14は第1搬送コンベヤ8Aに対応する第1セクションSAにおいて、シフト指令を発信するとともに上記容器の位置データ1を1ピッチずつ下流側に移動させ、これにより第1搬送コンベヤ8Aにおける実際の容器1の位置を、第1セクションSAにおいて上記容器の位置データ1´として仮想的に認識することが可能となっている。
【0013】
そして上記乗り移り判定手段15は、第1搬送コンベヤ8Aに対応する第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBまで容器の位置データ1´が到達すると、当該容器の位置データ1´を第2搬送コンベヤ8Bに対応する第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBに位置させるものとなっている。
具体的に説明すると、
図3(a)(b)は第1搬送コンベヤ8Aの下流端および第2搬送コンベヤ8Bの上流端近傍についての拡大図を示しており、第1搬送コンベヤ8Aの下流端に容器1が到達した状態(a)と、当該容器1が第1搬送コンベヤ8Aから第2搬送コンベヤ8Bに乗り移った状態(b)とを示している。
上記(a)の状態において、シフトレジスタ14では第1搬送コンベヤ8Aに対応する第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBに容器の位置データ1´が位置している。
その後第1、第2搬送コンベヤ8A、8Bがそれぞれ容器1の1ピッチ分だけ作動すると、(b)に示すように容器1が第2搬送コンベヤ8Bの上流端へと乗り移ることとなる。
このとき上記シフトレジスタ14と乗り移り判定手段15では、まず第1搬送コンベヤ8Aに設けた第1インバーター13Aによって第1搬送コンベヤ8Aの搬送量が容器1の1ピッチ分に達すると、シフトレジスタ14がシフト指令を発信して、第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBに位置していた容器の位置データ1´を消失させる(1から0に書き換える)。
すると、これと同時に上記乗り移り判定手段15が第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBに容器の位置データ1´を発生(0から1に書き換える)させ、シフトレジスタ14はその後第2搬送コンベヤ8Bの搬送量に基づいてこの第2セクションSBの容器の位置データ1´を下流側へと移動させる。
【0014】
このようにして、その後シフトレジスタ14は第2〜第7搬送コンベヤ8B〜8Gに対応する第2〜第7セクションSB〜SGにおいて容器の位置データ1´を移動させ、上記乗り移り判定手段15は上流側の搬送コンベヤに対応するセクションから下流側の搬送コンベヤに対応するセクションへと容器の位置データ1´を乗り移らせてゆく。
そして容器1が第7搬送コンベヤ8Gの下流端まで到達すると、当該容器1は第7搬送コンベヤ8Gに設けられた出口センサ17によって検出される。
すると制御手段11は、上記シフトレジスタ14によって認識されていた仮想的な容器1の位置と、当該出口センサ17によって認識した実際の容器1の位置とを比較して、仮想的な容器1の位置にずれがあった場合にはこれを修正するようになっている。
【0015】
このように上記乗り移り判定手段15は、上流側の搬送コンベヤに対応する上流側セクションの下流端の記憶ブロックBに容器の位置データ1´が位置すると、当該容器の位置データ1´を下流側の搬送コンベヤに対応する下流側セクションの上流端の記憶ブロックBに移動させるようになっている。
このため、これら下流側の搬送コンベヤに容器1を検出するセンサを設けずとも、容器1が上流側の搬送コンベヤから下流側の搬送コンベヤへと乗り移ったことを認識することができる。
その結果、設備コストを抑えることができるとともに、物品搬送装置5で搬送する容器1の種類を変更する毎に上記センサの位置や設定を変更する必要がなくなるなど、ランニングコストを低減することができる。
そして、上記シフトレジスタ14に各搬送コンベヤに対応するセクションを設定し、かつ各搬送コンベヤの搬送量を上記インバーターによって認識することから、各搬送コンベヤの搬送速度を変更しても、これに対応するセクションにおいて容器1の位置を正確に認識することが可能となっている。
【0016】
図4は
図3と同様、第1搬送コンベヤ8Aの下流端および第2搬送コンベヤ8Bの上流端近傍についての拡大図を示し、ここでは特に2つの容器1が連続して搬送されている状態を示している。
図4(a)は、第1搬送コンベヤ8Aの下流端に容器1が到達するとともに第2搬送コンベヤ8Bの上流端に容器1が位置している状態を示し、これに伴って第1セクションSAの下流端および第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBにそれぞれ容器の位置データ1´が位置した状態を示している。
そして
図4(b)(c)は、後述するバッファ用記憶ブロックBを備える乗り移り判定手段15によって容器の位置データ1´を乗り移らせる際の動作を示し、これに対し
図4(d)(e)はバッファ用記憶ブロックBを備えない場合における乗り移り判定手段15の動作を示している。
【0017】
図4(b)(d)は同じタイミングでの状態を示しており、具体的には第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBに容器の位置データ1´が存在し、かつ当該第1セクションSAに対してシフトレジスタ14がシフト指令を発信した際に、第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBに他の容器の位置データ1´が存在している場合を示している。
換言すると、シフトレジスタ14が第2セクションSBに対して間欠的に発信したシフト指令とシフト指令との間に、第1セクションSAに対してシフト指令が発信され、その際に第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBおよび第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBにそれぞれ容器の位置データ1´が存在している場合を示している。
このように実際の物品搬送装置5においては、上記シフトレジスタ14が上記第1、第2インバーター13A,13Bより周波数信号を受信するタイミングは異なっており、
図3で説明した場合よりも、シフトレジスタ14が異なるタイミングで第1、第2セクションSA,SBに対してシフト指令を発信する場合がほとんどとなっている。
このため、第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBに位置した容器の位置データ1´を、
図3で説明したようにそのまま第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBに移動させようとすると、
図4(d)(e)に示すような問題が発生する。
【0018】
図4(d)(e)は、バッファ用記憶ブロックBを備えない乗り移り判定手段15の動作を説明する図であり、乗り移り判定手段15は、第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBにおいて容器の位置データ1´が消失する瞬間(シフト指令が発信された瞬間)に、第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBに容器の位置データ1´を位置させようとする(
図4(d))。
一方で、第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBには第2搬送コンベヤ8Bの上流端に位置している容器1に対応する容器の位置データ1´が記憶されている。
しかしながら、第2セクションに対しては未だシフト指令が出されていないため、乗り移り判定手段15はそのまま第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBに容器の位置データ1´を位置させてしまう。
そしてその直後に第2セクションSBに対してシフト指令が発信され、これにより第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBに記憶されていた容器の位置データ1´が下流側に移動することとなる(
図4(e))。
すなわち、連続する2つの容器1のうち、下流側に位置していた容器1に対応する容器の位置データ1´は、その上流側に位置していた容器1に対応する容器の位置データ1´に上書きされてしまい、一方の容器1に対応する容器の位置データが消失してしまうこととなる。
【0019】
このような問題を防止するため、本実施例にかかる
図4(b)(c)に示す乗り移り判定手段15は、第1セクションSAと第2セクションSBとの間に、一つの容器の位置データを一時的に記憶するバッファ用記憶ブロックB’を備えている。
図4(b)においても、乗り移り判定手段15は、第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBにおいて容器の位置データ1´が消失する瞬間に、第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBに容器の位置データ1´を位置させようとする。
一方で、第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBには第2搬送コンベヤ8Bの上流端に位置している容器1に対応する容器の位置データ1´が記憶されており、かつ第2セクションに対しては未だシフト指令が出されていない。
そこで乗り移り判定手段15は、この第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBに記憶されていた容器の位置データ1´を、上記バッファ用記憶ブロックB’に一時的に記憶させる。
そしてその直後にシフトレジスタ14が第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBに位置する位置データを下流側の記憶ブロックBに移動させると、乗り移り判定手段15は上記バッファ用記憶ブロックB’の位置データを当該第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBに移動させる。
このようにすることで、実際の第2搬送コンベヤ8Bにおける容器1の位置と、第2セクションSBにおける容器の位置データ1´とが一致することとなり、容器1の位置を正確に認識し続けることが可能となる。
【0020】
逆に、第1セクションSAに対してシフトレジスタ14がシフト指令を発信した際に、第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBに他の容器の位置データ1´が存在していない場合には、
図4(d)(e)で示したような容器の位置データ1´の消失が生じないこととなる。
このような場合、乗り移り判定手段15は、第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBに位置する容器の位置データ1´を、上記バッファ用記憶ブロックB’に記憶させず、直接上記第2セクションSBの上流端に位置する記憶ブロックBへと移動させるようになっている。
換言すると
図3で説明したようにして、第1セクションSAから第2セクションSBへと直ちに容器の位置データ1´を移動させるようになっている。
【0021】
このように、上記乗り移り判定手段15に上記バッファ用記憶ブロックB’を設定することで、第1セクションSAと第2セクションSBとに対してシフト指令が発信されるタイミングが異なる場合であっても、上述したような下流側セクションにおける容器の位置データ1´の消失を防止することができる。
つまり、下流側に位置する搬送コンベヤにセンサを設けなくても、各搬送コンベヤ上における容器1の位置を正確に認識することが可能となっている。
なお、
図4では第1セクションSAと第2セクションSBとは別にバッファ用記憶ブロックB’を設定しているが、第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBにさらに追加して、上記バッファ用記憶ブロックB’のための記憶ブロックBを設定してもよく、また必ずしもバッファ用記憶ブロックB’を第1、第2セクションSA,SBに隣接して設定する必要はない。
【0022】
図5は第1搬送コンベヤ8Aを搬送される3つの容器1が上記ガイド部材9によって第1搬送コンベヤ8Aから第2搬送コンベヤ8Bへと乗り移る際の、上記シフトレジスタ14および乗り移り判定手段15の動作を説明する図となっている。
上記
図3について説明したように、上記乗り移り判定手段15は第1搬送コンベヤ8Aに対応する第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBに容器の位置データ1´が位置すると、当該容器の位置データ1´を第2搬送コンベヤ8Bに対応する第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBに位置させようとする。
しかしながら、第1搬送コンベヤ8Aから第2搬送コンベヤ8Bに容器1が乗り移る際、容器1は上記ガイド部材9に衝突することから、ガイド部材9との間に生じる摩擦により減速することがある。
このため、
図3で示したように第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBの容器1データを直ちに第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBへと移動させてしまうと、実際には減速している容器1の位置に対して第2セクションSBにおける当該容器の位置データがより下流側に進んでしまうことがある。
【0023】
そこで、実際に物品搬送装置5を作動させて、予め上記ガイド部材9によって容器1がどれだけ減速するかを測定しておき、これを上記乗り移り判定手段15に登録するようになっている。
なお、以下の説明においては、実際の第1搬送コンベヤ8Aまたは第2搬送コンベヤ8Bにおける動作についての説明を省略し、これら第1、第2搬送コンベヤ8A,8Bに対応する第1、第2セクションSA,SBを用いて説明する。
(a)に示すように、第1セクションSAには単独で搬送される一つの容器の位置データ1´と、その上流側で接触した状態で搬送される2個の容器の位置データ1´が下流側に向けて移動している。
まず、下流側で単独で搬送される容器の位置データ1´が第1セクションSAの下流端まで到達すると(b)、実際の第1搬送コンベヤ8Aでは容器1が上記ガイド部材9に接触することによって減速する。
そこで乗り移り判定手段15は、第1セクションSAの下流端に位置する容器の位置データ1´を第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBへと直ちに移動させず、上記実験で求めた減速度合いに応じて、第1セクションSAに所定回数のシフト指令が発信されるまでの間、下流端の記憶ブロックBに維持する(c)。
図5においては、第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBに容器の位置データ1´が記憶されたら、その後さらにシフト指令が1回発信される間、当該下流端の記憶ブロックBに容器の位置データ1´を維持するようになっている。
そして第1セクションSAに対して上記所定回数のシフト指令が発信されると、乗り移り判定手段15は第1セクションSAの下流端に位置する容器の位置データ1´を第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBへと移動させ(d)、その後当該容器の位置データ1´は第2搬送コンベヤ8Bの搬送速度にしたがって第2セクションSBを下流側へと移動する(e)〜(h)。
【0024】
一方、接触した状態で搬送される複数の容器の位置データ1´が第1セクションSAを下流側に到達した場合、この複数の容器1のうち下流側に位置する容器1は、上流側の容器1に押圧されることから上記ガイド部材9に接触してもほとんど減速しないこととなる。
このため、このように複数の連続する容器の位置データ1´が第1セクションSAの下流端に位置したときには(e)、乗り移り判定手段15はその下流側に位置する容器の位置データ1´については、これを直ちに第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBに移動させる(f)。
そして、複数の容器の位置データ1´のうち、上流端に位置する容器の位置データ1´については、その上流側に隣接する容器の位置データ1´が無いことから、単独で搬送される容器の位置データ1´と同様、第1セクションSAに所定回数のシフト指令が発信されるまでの間、第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBに維持され(g)、その後第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBへと移動されるようになっている(h)。
【0025】
このように、第1搬送コンベヤ8Aから第2搬送コンベヤ8Bへと容器1が乗り移る際に、当該容器1がガイド部材9によって減速するような場合であっても、上記乗り移り判定手段15が容器1の減速度合いに応じて第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBに容器の位置データ1´を維持し、その後第2セクションSBへと移動させることから、容器1の位置を正確に認識することができる。
つまり、下流側に位置する搬送コンベヤにセンサを設けなくても、各搬送コンベヤ上における容器1の位置を正確に認識することが可能となっている。
【0026】
図6は第6搬送コンベヤ8Fおよび第7搬送コンベヤ8Gにおいて、上記第7搬送コンベヤ8Gが上記外観検査機4の異常停止に伴って停止し、当該第7搬送コンベヤ8G上に容器1をアキュームする際の、上記シフトレジスタ14および乗り移り判定手段15の動作を説明する図となっている。
上記
図3について説明したように、上記乗り移り判定手段15は上流側の第6搬送コンベヤ8Fに対応する第6セクションSFの下流端の記憶ブロックBに容器の位置データ1´が位置すると、当該容器の位置データ1´を下流側の第7搬送コンベヤ8Gに対応する第7セクションSGの上流端の記憶ブロックBに位置させようとする。
しかしながら、第7搬送コンベヤ8Gは停止していることから、第6搬送コンベヤ8Fの下流端に到達した容器1は直ちに第7搬送コンベヤ8Gへと乗り移ることができず、そのまま第6搬送コンベヤ8Fの下流端に位置し続けることとなる。
そして、この容器1の上流側に第6搬送コンベヤ8Fによって搬送された少なくとも一つの容器1が衝突し、その力が下流端に位置していた容器1と上記第7搬送コンベヤ8Gとの摩擦力を上回った場合に、この下流端に位置した容器1が第7搬送コンベヤ8G上へと押し出されることとなる。
その後、この第7搬送コンベヤ8G上の容器1は移動せず、新たに第6搬送コンベヤ8Fの下流端に到達した容器1が依然として接触することとなるため、この第7搬送コンベヤ8Gの容器1についても押圧しなければならず、これらの容器1を第7搬送コンベヤ8Gの下流側へと押し出すためには、第6搬送コンベヤ8Fの下流側により多くの容器1が必要となる。
【0027】
そこで、実際に第7搬送コンベヤ8Gを停止させて、第7搬送コンベヤ8G上の容器1が何本の第6搬送コンベヤ8Fの下流側に位置する容器1によって押し出されるかを測定しておき、これを上記乗り移り判定手段15に登録するようになっている。
なお、以下の説明においては、実際の第6搬送コンベヤ8Fまたは第7搬送コンベヤ8Gにおける動作についての説明を省略し、これら第6、第7搬送コンベヤ8F、8Gに対応する第6、第7セクションSF、SGを用いて説明する。
最初に、第7搬送コンベヤ8Gが停止していることから、上記第7インバーター13Gからの周波数信号はなく、よって第7セクションSGの記憶ブロックBのデータは書き換えられていない。一方、第6セクションSFにはそれぞれ離隔した状態で複数の容器の位置データ1´が下流側へと移動している(a)。
このうち第6セクションSFの下流端の記憶ブロックBに容器の位置データ1´が到達すると、乗り移り判定手段15は第7搬送コンベヤ8Gが停止していることから、この下流端に到達した容器の位置データ1´をこの第6セクションSFの下流端に停止させる(b)。
すると、その上流側に位置していた容器の位置データ1´が後方から接近して隣接し、実際の第6搬送コンベヤ8Fでは、下流端に位置する容器1が上流側から搬送された容器1によって押圧される(c)。
【0028】
一方乗り移り判定手段15は、第7セクションSGの上流端の記憶ブロックBおよびその下流側に連続する記憶ブロックBに位置する容器の位置データ1´の数量(以下押し出され個数)と、第6セクションSFの下流端の記憶ブロックBおよびその上流側に連続する記憶ブロックBに位置する容器の位置データ1´の数量(以下押し出し個数)とを監視している。
本実施例において、(d)に示すように第7セクションSGの押し出され個数が0で、第6セクションSFの押し出し個数が2である場合、乗り移り判定手段15は第6セクションSFの下流端に位置している容器の位置データ1´を第7セクションSGの上流端の記憶ブロックBに位置させ、また第6セクションSFの下流端の上流側に隣接する記憶ブロックBの容器の位置データ1´を下流端の記憶ブロックBへと移動させる。
そしてこの間も、シフトレジスタ14はこれら第6セクションSFの下流端に位置する容器の位置データ1´の上流側に連続していない容器の位置データ1´は、第6搬送コンベヤ8Fの搬送量にしたがって下流側へと移動を継続するようになっている。
【0029】
その後、第6セクションSFの容器の位置データ1´は順次当該第6セクションSFの下流端の容器の位置データ1´の上流側に隣接することとなるが、第7セクションSGの上流端には容器の位置データ1´が位置している。
乗り移り判定手段15は上記第7セクションSGの押し出され個数と、第6セクションSFの押し出し個数とを監視しているが、押し出され個数が1の場合において、押し出し個数が1ないし3の場合には、第6セクションSFの下流端の容器の位置データ1´を第7セクションSGへと移動させない(d)〜(f)。
そして、押し出され個数が1であるのに対し、押し出し個数が4になると(g)、乗り移り判定手段15は第6セクションSFの下流端に位置している容器の位置データ1´を第7セクションSGの上流端の記憶ブロックBに位置させ、それまで第7セクションSGの上流端に位置していた容器の位置データ1´を1ピッチ分だけ下流側に移動させる(h)。
その後、乗り移り判定手段15は、さらに押し出され個数が2である場合に対して、押し出し個数が6に達すると(i)、第6セクションSFの下流端に位置している容器の位置データ1´を第7セクションSGの上流端の記憶ブロックBに位置させ、それまで第7セクションSGの上流端に位置していた容器の位置データ1´を1ピッチ分だけ下流側に移動させる(j)。
そして最終的には、第7搬送コンベヤ8Gの下流端から上流端にかけて容器1が満たされてしまい、第7セクションSGの全ての記憶ブロックBに容器の位置データ1´が位置してしまうこととなる。
すると、乗り移り判定手段15は、これ以降第6セクションSFにどれだけの容器の位置データ1´が整列したとしても、これ以上容器の位置データ1´を第7セクションSGへと移動させず、制御手段は第6搬送コンベヤ8Fを停止させて、当該第6搬送コンベヤ8F上に容器1がアキュームされることとなる。
【0030】
このように、下流側の第7搬送コンベヤ8Gが停止してアキューム動作を行う場合であっても、上記乗り移り判定手段15が第7搬送コンベヤ8Gに対応する第7セクションSGの上流側に位置する押し出され個数と、第6搬送コンベヤ8Fに対応する第6セクションSFの下流側に位置する押し出し個数とを監視して、これらの関係が所定の関係になると、第6セクションSFの下流端の記憶ブロックBの容器の位置データ1´を第7セクションSGへと移動させるため、容器1の位置を正確に認識することができる。
つまり、下流側に位置する搬送コンベヤにセンサを設けなくても、各搬送コンベヤ上における容器1の位置を正確に認識することが可能となっている。
本実施例では、このようなアキューム動作時における上流側セクションと下流側セクションとの間における容器の位置データ1´の移動を、上流側セクションにシフト指令が発信された際に以下の関係式に基づいて行うようになっている。
押し出し個数=α×(1+押し出され個数)
ここで、αは容器1の重量や容器1と搬送コンベヤとの間に発生する摩擦力等の条件によって変化する係数であり、上述した例において上記αは2となっている。
【0031】
図7は第2実施例にかかる物品搬送装置5を説明する図であり、本実施例の物品搬送装置5は上記第1実施例の物品搬送装置5と略同じ構成を有しているものの、第1〜第7搬送コンベヤ8A〜8Gは搬送方向に直列して設けられており、隣接する搬送コンベヤの間には、搬送面と略同じ高さで容器1を載置する渡し板21が設けられている。
なお以下の説明においては、第1搬送コンベヤ8Aおよび第2搬送コンベヤ8Bの拡大図と、これら第1、第2搬送コンベヤ8A,8Bに対応する第1、第2セクションSA,SBを用いて説明するものとする。
ここで本実施例における上記シフトレジスタ14は、第1〜第7搬送コンベヤ8A〜8Gに対応する第1〜第7セクションSA〜SGにおけるそれぞれの下流端に位置する記憶ブロックBを、上記渡し板21に対応する記憶ブロックBとして認識するようになっている。
まず(a)に示すように、第1セクションSAには単独で搬送される一つの容器の位置データ1´と、その上流側で接触した状態で搬送される2個の容器の位置データ1´が下流側に向けて移動している。
この(a)では、下流側の単独で搬送される容器1が第1搬送コンベヤ8Aの下流端まで搬送されており、その後この容器1は第1搬送コンベヤ8Aによって渡し板21の上部まで押し出される(b)。
しかしながら、この渡し板21上の容器1は移動することができないため(c)、乗り移り判定手段15はこの渡し板21上の容器1に対応する容器の位置データ1´を第2セクションSBに移動させず、第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBに維持させる。
そして、実際の第1搬送コンベヤ8Aにおいて上流側を搬送された容器1が上記渡し板21上の容器1に衝突すると(d)、この渡し板21上の容器1が第2搬送コンベヤ8B上へと押し出されることから、乗り移り判定手段15はこの渡し板21上の容器1に対応する容器の位置データ1´を第2セクションSBの上流端の記憶ブロックBに移動させる(e)。
【0032】
一方、(e)において渡し板21に載置された容器1に衝突した容器1は、その後渡し板21に載置されることとなり、第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBには当該容器1に対応する容器の位置データ1´が位置することとなる。
しかしながら、この新たに渡し板21に載置された容器1の上流側には隣接する容器1が存在するため、当該渡し板21上の容器1はこの上流側の容器1によって直ちに第2搬送コンベヤ8B上へと押し出されることとなる。
このため乗り移り判定手段15は、このように容器の位置データ1´が連続している場合には、そのうち下流側に位置している容器の位置データ1´については、第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBに停止させず、直ちに第2セクションSBへと移動させるようになっている(f)。
一方、この渡し板21上に位置していた容器1を押し出した容器1、すなわち最も上流側に位置していた容器1は、新たに渡し板21に載置されることとなるが、その上流側に隣接する容器1が無いことから、乗り移り判定手段15はこの新たに渡し板21上に位置した容器1に対応する容器の位置データ1´を、第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBに維持させる(g)(h)。
【0033】
このように、第1搬送コンベヤ8Aから第2搬送コンベヤ8Bへと容器1が乗り移る際に、当該容器1が第1、第2搬送コンベヤ8A、8Bの間に設けた渡し板21上に載置されるような場合であっても、上記乗り移り判定手段15が当該渡し板21上に載置された容器1の上流側に新たな容器1が位置するまで、第1セクションSAの下流端の記憶ブロックBに容器の位置データ1´を停止させるため、容器1の位置を正確に認識することができる。
つまり、下流側に位置する搬送コンベヤにセンサを設けなくても、各搬送コンベヤ上における容器1の位置を正確に認識することが可能となっている。
【0034】
なお、上記実施例においては、乗り移り判定手段15による容器1の乗り移りの判定手順を個別に説明したが、これらの判定手順を組み合わせることも可能である。
つまり、
図4で説明したバッファ用記憶ブロックB’を用いる判定手順と、
図5で説明したガイド部材9によって容器1が減速する場合の判定手順とを組み合わせることが可能であり、また第1〜第7搬送コンベヤ8A〜8Gが、
図5に示すようなガイド部材9を用いた接続方法および
図7に示すような渡し板21を用いた接続方法を組み合わせた場合には、それぞれの接続位置において上記判定手順を用いればよい。
また上記実施例における搬送量検出手段としてのインバーターとしては、上記搬送コンベヤをサーボモータによって駆動する場合には、当該サーボモータの駆動に応じてパルス信号を発信するサーボ機構を利用可能であり、またその他搬送コンベヤの搬送量に応じてパルス信号を発信するパルスジェネレータ等を利用することも可能である。
さらに、上記入口センサ16および出口センサ17については、これらを省略してラベラ3や外観検査機4に備えられた容器1を検出するセンサを利用することも可能である。