(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接続パッドの側面の全部と、前記接続パッドの上面の外周部とが前記ソルダーレジストで覆われており、且つ、前記接続パッドの上面の中央部は前記ソルダーレジストから露出していることを特徴とする請求項7に記載の半導体パッケージ。
前記接続パッドの径は、前記接続パッドの直下に位置する最上層の前記第2の導体回路の径以下の大きさであることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の半導体パッケージ。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や通信端末に代表される電気通信機器の高機能化、高性能化はめざましく、これら電気通信機器には、ICチップが基板に実装された半導体パケージが広く使用されている。ICチップを基板に実装する形態として、従来から用いられてきたリードフレームやピン、ワイヤを用いたものから、最近ではICチップを直接、基板に表面実装するフリップチップ方式の採用が進んでいる。
このような基板としては、コア基板上に形成されたビルドアップ層と、このビルドアップ層の上面に設けられた接続パッドと、を備えられたものが知られている。ICチップは、はんだバンプを介して接続パッドに接続される。また、ICチップと基板との接続性を高めるために、両者の間にアンダーフィル(封止用樹脂)が充填される。
【0003】
電気通信機器の高機能化、高性能化に伴い、ICチップの高密度化、高集積化が進行し、半導体パッケージにおいてICチップとの接続端子となる、はんだバンプ及び接続パッドの各径についても狭ピッチ化、ファイン化が加速している。
図4(a)〜(e)は、従来例に係るはんだバンプの形成方法を工程順に示す断面図である。
図4(a)は基板の最外層(即ち、最上層)である層間絶縁樹脂層101上に、接続端子となる導体回路102が形成され、これを覆うようにソルダーレジスト(SR)層103が形成された状態を示している。
【0004】
図4(b)は、接続端子となる導体回路102が露出するようにソルダーレジスト層103に開口部104が設けられた状態を示している。
図4(c)は、導体回路102に、金属被覆層105が施された状態を示している。ここでは例えば金属被覆層105は、Ni層及びAu層の順に形成され、端子接合部として用いられる。Ni層ははんだ接合部の電気的、機械的信頼性を確保するものであり、またAu層ははんだ接合終了まで、Ni層表面の酸化を防止するために設けられるものである。このような金属被覆層が形成された端子接合部の構造は半導体パッケージに限らず、はんだ接合を行う端子部構造として一般的に用いられている。
【0005】
図4(d)は、はんだペースト106をスキージ107とメタルマスク108を介して印刷し、開口部104にはんだペースト106を充填させる、一般的なはんだ印刷工程を示している。
図4(e)は、はんだペーストがリフロー工程で溶融し、Ni層と合金層を形成することで導体回路102と接合し、はんだバンプ109が形成された状態を示している。一般的にICチップとの接続に用いられるはんだバンプ109は、直径が約50〜200μmで、その数は1cm
2当たり約50個から150個程度となっている。
【0006】
ここで、上述したように、はんだバンプや接続パッドの微小化が進行しているが、これに伴いはんだバンプの高さ確保が難しくなり、実装後のICチップと基板との間隙(スタンドオフ)が低くなる傾向にある。そのため、ICチップと基板との間にアンダーフィルを充填する際に、樹脂の流動性が悪化し、樹脂封止の際にボイドが発生することが課題となっていた。
上記課題を解決するために、例えば特許文献1には、回路基板側の導体層を絶縁性樹脂層の表面よりも高くした構造が開示されている。この構造において、導体層上には、ICチップを実装するための予備はんだ層が形成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記構造では、ICチップを基板に実装する際に、はんだが導体層の側面に回り込むため、一定以上の量のはんだを電解めっきで供給する必要がある。つまり、予備はんだ層を電解めっきで厚く形成する必要があるため、製造コストが上昇し、かつ生産性が低下する可能性がある。
そこで、この発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、製造コスト及び生産性に優れ、接合信頼性に優れた半導体パッケージの製造方法及び半導体パッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る半導体パッケージの製造方法は、基板の第1の導体回路を有する面側に樹脂絶縁層を形成する工程と、前記樹脂絶縁層を貫いて前記第1の導体回路と電気的に接続する第2の導体回路を形成する工程と、前記樹脂絶縁層と前記第2の導体回路とが1層ずつ、又は交互に複数形成された後で、最上層の前記第2の導体回路に金属柱状の接続パッドを形成する工程と、最上層の前記樹脂絶縁層にソルダーレジストを塗布して
、当該最上層の前記樹脂絶縁層の上面と、前記金属柱状の接続パッドの形状に沿って当該接続パッド
の上面及び側面全面とを覆う
ソルダーレジストの層を形成する工程と、前記ソルダーレジストを部分的に除去して、前記接続パッドの側面
全面に前記ソルダーレジストを残し
たまま、前記接続パッドの上面の少なくとも一部を前記ソルダーレジストから露出させる工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、上記の半導体パッケージの製造方法において、前記接続パッドの上面にバンプを形成する工程、をさらに含むことを特徴とする。
また、上記の半導体パッケージの製造方法において、前記バンプを形成する前に、前記接続パッドの上面に金属被覆層を形成する工程、をさらに含み、前記バンプを形成する工程では、前記金属被覆層を介して前記接続パッドの上面に前記バンプを形成することを特徴とする。
【0011】
また、上記の半導体パッケージの製造方法において、前記金属被覆層をめっきにより形成することを特徴とする。
また、上記の半導体パッケージの製造方法において、前記ソルダーレジストを部分的に除去する工程では、前記ソルダーレジストのうちの前記接続パッドの上面を覆っている部分をエッチングして除去することを特徴とする。
【0012】
また、上記の半導体パッケージの製造方法において、前記ソルダーレジストを部分的に除去する工程では、前記ソルダーレジストのうちの前記接続パッドの上面を覆っている部分を研磨して除去することを特徴とする。
本発明の別の態様に係る半導体パッケージは、基板の第1の導体回路を有する面上に形成された樹脂絶縁層と、前記樹脂絶縁層を貫いて前記第1の導体回路と電気的に接続する第2の導体回路と、を備え、前記樹脂絶縁層と前記第2の導体回路とが1層ずつ、又は交互に複数形成されており、最上層の前記第2の導体回路に形成された金属柱状の接続パッドと、最上層の前記樹脂絶縁層に塗布されたソルダーレジストと、をさらに備え、
前記接続パッドは、前記最上層の前記樹脂絶縁層に塗布されたソルダーレジストの、当該最上層の樹脂絶縁層の上面部分よりも突出してなり、前記接続パッドの側面
全面は前記ソルダーレジストで覆われており、且つ、前記接続パッドの上面の少なくとも一部は前記ソルダーレジストから露出していることを特徴とする。
【0013】
また、上記の半導体パッケージにおいて、前記接続パッドの側面の全部と、前記接続パッドの上面の外周部とが前記ソルダーレジストで覆われており、且つ、前記接続パッドの上面の中央部は前記ソルダーレジストから露出していることを特徴とする。
また、上記の半導体パッケージにおいて、前記接続パッドの径は、前記接続パッドの直下に位置する最上層の前記第2の導体回路の径以下の大きさであることを特徴とする。
【0014】
また、上記の半導体パッケージにおいて、前記接続パッドの上面に形成されたバンプ、をさらに備えることを特徴とする。
また、上記の半導体パッケージにおいて、前記接続パッドの上面に形成された金属被覆層、をさらに備え、前記バンプは、前記金属被覆層を介して前記接続パッドの上面に形成されていることを特徴とする。
また、上記の半導体パッケージにおいて、前記金属被覆層が下記の材料1、材料2若しくは材料3であること特徴とする。
材料1:ニッケル/金
材料2:ニッケル/パラジウム/金
材料3:錫
【発明の効果】
【0015】
本発明は、次のような効果がある。即ち、金属柱状の接続パッドを基板上に設けることにより、ICチップと基板との間に十分なスタンドオフを確保することが可能となる。また、接続パッドの側面(側壁)は、ソルダーレジストにより一部又は全部が被覆されている。このため、接続パッドの上面にはんだバンプを形成する際に、接続パッドの側面へのはんだの濡れ広がりが発生しない。これにより、接続パッドに対するはんだの供給量を抑えることができるので、製造コストを低減すると共に、生産性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明による実施形態を、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する各図において、同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1(a)〜
図2(f)は、本発明の実施形態に係る半導体パッケージ100の製造方法を工程順に示す断面図である。また、
図3(a)〜(d)は、半導体パッケージ100の部分拡大図(はんだ形成前後)である。
【0018】
本発明の実施形態において、コア基板10が有する導体回路11は、エッチング処理を利用したサブストラクティブ法で形成されたものや、電解めっきを利用したセミアディティブ法で形成したものが挙げられ、何れの工法で形成されたものを用いてもよい。
コア基板10を構成する材料(即ち、コア基材)としては、代表的なものとして銅張積層板(CCL)がよく用いられ、絶縁層としてはガラスエポキシ材やポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、液晶フィルム、アラミド材等を用いることができる。銅張積層板としては絶縁層に接着剤層を介して銅箔を加熱圧着したものや、絶縁層そのものを銅箔に加熱圧着したもの、銅箔に絶縁素材をキャストして加熱したもの、絶縁層に表面処理を施した後、シード層としてニクロムなどシード層をスパッタした後、導電層をスパッタやめっきによって銅箔層を形成したものなどが挙げられる。
【0019】
まずはじめに、コア基板10の片面又は両面に、所望のパターン形状を有する導体回路11を形成する。そして、導体回路11が形成されたコア基板10の上に、絶縁樹脂を塗布して温度120℃程度において真空ラミネートを行い、さらに高温でポストベークすることで層間絶縁樹脂層12を形成する(
図1(a))。ここでは便宜上、コア基板10にスルーホールを図示していないが、必要に応じてコア基板10を貫通するスルーホール銅配線を形成してもよい。
層間絶縁樹脂層12には、任意の有機材料及び無機材料を使用することができる。具体的には、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂からなるが、これに限定されるものではない。また、導体回路11は金属から成るものであれば構わないが、コスト及び導電性から一般的に銅が好ましい。
【0020】
次いで、層間絶縁樹脂層12に導体回路11に達する、φ50μm程度のビアホール13を形成する(
図1(b))。その後、ビア加工時に発生する、ビアホール13内の下層に堆積した有機絶縁材料の残渣を除去するため、過マンガン酸カリウムと水酸化ナトリウムの混合液等によりデスミア処理を行う。
上述のようなデスミア処理を行うことで、ビアホールの底部における絶縁層や有機物残渣を除去することができる。なお、デスミア処理は基板全面に対して行われるため、ビアホールの底部における絶縁層や有機物残渣が除去されると共に、絶縁層の上部、及びビアホールの内部が粗化される。
【0021】
ビアホールを形成する方法については、レーザ加工が好ましい。レーザについては炭酸ガスレーザ、YAGレーザ(基本波、第2高調波、第3高調波、又は第4高調波)、或いはエキシマーレーザ等があるが、導電層、絶縁樹脂層共に加工を行うため、両者を同時に加工することのできる400nm以下の短波長レーザであるYAGレーザ(第3高調波、又は第4高調波)、或いはエキシマーレーザがより好ましい。
【0022】
その後、無電解銅めっきにて、約1μm厚の導体パターンのない無電解銅めっき層14を形成する(
図1(c))。ここでは、無電解銅めっき層14を、層間絶縁樹脂層12の表面と、層間絶縁樹脂層12から露出している導体回路11の表面とに形成する。この無電解銅めっき層14は、従来のセミアディティブ工法におけるシード層と呼ばれる層であり、後の工程において無電解銅めっき層14に給電することにより、無電解銅めっき層14の上に所定のパターンの電解銅めっきを行うためのものである。
【0023】
次に、この無電解銅めっき層14の上にドライフィルムレジストパターンを形成する。ドライフィルムレジストは、例えば、支持体フィルムと保護層で挟まれた厚み25μm程度の感光性樹脂層である。ドライフィルムレジストパターンを形成する工程では、無電解銅めっき層14へドライフィルムレジストの保護層を剥がしながら、支持体フィルムをコア基板10と逆側に向けて、ホットロールラミネーターにより、ロール温度120℃程度で基材にラミネートする。次に、ドライフィルムレジストの支持体フィルム側に所望のパターンを有するフォトマスクを設置し、フォトマスクの上から露光し、硬化レジストパターンを有するドライフィルムレジストを得る。その後、支持体フィルムを剥離して基材をNa2CO3水溶液中に浸漬して現像し、所望の形状を有するドライフィルムレジストパターン15を得る(
図1(d))。
【0024】
次に、形成したドライフィルムレジストパターン15の間隙から露出する、無電解銅めっき層14上に給電することにより、無電解銅めっき層14上に電解銅めっき層16を形成する(
図1(e))。電解銅めっき層16を形成した後、ドライフィルムレジストパターン15を剥離する。これにより、所望のパターンを有する、電解銅めっき層16からなる導体回路が得られる(
図1(f))。
【0025】
なお、本発明の実施形態では、無電解銅めっき層14からなる導体回路が多層に形成された、多層基板を作製してもよい。その場合は、電界銅めっき層16の間隙から露出している(即ち、ドライフィルムレジストパターン15で覆われていた)無電解銅めっき層14をエッチング(フラッシュエッチング)する。そして、層間絶縁樹脂層12の形成からフラッシュエッチングまで同様の工程を繰り返し行うことにより、無電解銅めっき層14からなる導体回路の積層部を形成することができる。即ち、層間絶縁樹脂層12と、無電解銅めっき層14からなる導体回路とが交互に複数積層された構造をコア基板10上に形成することができる。
【0026】
ここでは、本発明の一例として、層間絶縁樹脂層12と、無電解銅めっき層14からなる導体回路とを、コア基板の片面に1層ずつ形成する場合(即ち、単層基板を作製する場合)を想定する。このため、フラッシュエッチングは行わず、次工程へ進行する。
金属柱状の接続パッド19をコア基板の片面のみに形成する場合、反対側の面(ここではマザーボード実装面)を保護する必要がある。そのため、保護フィルム18をラミネートする(
図2(a))。ここで用いる保護フィルムは、耐熱性、耐めっき性があれば如何なるものでも使用できるため、安価なドライフィルムレジスト等が好ましい。両面に接続パッド19を形成する場合は、保護フィルム18を形成する必要はない。
図2(a)では便宜上、片面だけに接続パッド19を形成する手法について示した。
【0027】
次に、金属柱状の接続パッド19を形成する箇所に合わせて、ドライフィルムレジストパターン17を形成する(
図2(a))。ここで使用するドライフィルムレジストは、ドライフィルムレジストパターン15を得たものと同様のものを使用できるが、接続パッド19の高さに合わせた厚みを有するものを選択することが望ましい。
次に、ドライフィルムレジストパターン17の開口形状に合わせて、電解めっきにより金属柱状の接続パッド19を形成し、フラッシュエッチングにより無電解銅めっき層14を除去する(
図2(b))。接続パッド19は、通常のセミアディティブ工法と同手法により作製可能である。接続パッド19の径は、接続パッド19の直下に位置する第2の導体回路14の径以下の大きさであることが望ましい。
【0028】
金属柱状の接続パッド19を形成した後、ドライフィルムレジストパターン17及び保護フィルム18を剥離する(
図2(c))。ドライフィルムレジストパターン17、保護フィルム18の剥離には一般的なアルカリ系剥離液若しくはアミン系剥離液を用いることができる。また、保護フィルム18の材料として感光性ドライフィルムを用いた場合、レジストパターン17と同時に剥離することがコスト及び生産上の観点から望ましい。
【0029】
次に、コア基板の両面の側にソルダーレジスト層20を塗布する(
図2(d))。上記ソルダーレジスト層20は、未硬化の樹脂(樹脂組成物)をロールコータ法等により塗布したり、未硬化の樹脂フィルムを熱圧着したりすることにより形成することができる。上記ソルダーレジスト層20の厚さは、5〜70μmが望ましい。上記厚さが5μm未満では、ソルダーレジスト層の剥がれ、クラックの発生等が起こりやすく、70μmを超えると開口しにくくなる。ソルダーレジスト材料は、電気絶縁性の樹脂であれば特に制限はなく、エポキシ系、フェノール樹脂系、キシレン系、アクリル系、ポリイミド系などの一般的なレジスト材料から選択することができる。
【0030】
次に、ソルダーレジスト層20に開口部21を形成する(
図2(e))。この開口部21は、接続パッド19の上面(即ち、頭頂部)の少なくとも一部が露出するように形成する。
図2(e)を拡大した図が、
図3(a)又は
図3(c)である。
図2(e)の工程では、
図3(a)又は
図3(c)に示すように、接続パッド19における側面(側壁)の一部又は全部にソルダーレジスト層20を残すように開口部21を形成する。パターン露光、現像により開口部21を形成する場合、半導体パッケージの製造時に使用されている方法が何れも使用可能であるが、露光機の位置合わせの問題から、開口部21を接続パッド19の上面の径よりも小さく形成することが望ましい(
図3(c))。
また、本発明の実施形態では、研磨により開口部21を形成することもできる。研磨の手法にはサンドブラスト、ウエットブラスト等の物理研磨が望ましい。何れの手法においても、接続パッド19の側面の少なくとも一部にソルダーレジスト層20が残るように実施する。
【0031】
次に、接続パッド19の上面であって、ソルダーレジスト層20から露出している領域に金属被覆層23を形成する。そして、この金属被覆層23上にはんだバンプ24を形成する(
図2(f)、
図3(b)、
図3(d))。金属被覆層23は通常、ニッケル、パラジウム、金、銀、白金、錫等の耐食性金属であることが望ましく、具体的には、ニッケル−金、ニッケル−パラジウム−金、錫等の金属であることが望ましい。
金属被覆層23は、例えば、めっき、蒸着、電着等により形成することができるが、これらのなかでは、被覆層の均一性に優れるという点からめっきが望ましい。はんだバンプ24の形成は、はんだペースト印刷法だけでなく、はんだボール搭載法等により形成することもできる。はんだペーストを充填した後、加熱リフロー及びフラックス洗浄によりはんだバンプ24を形成し、所望の半導体パッケージ100が得られる。
【実施例1】
【0032】
まず、コア基板10に形成された導体回路11上に、絶縁樹脂としてABF GX−13(味の素ファインテクノ(株)製)をラミネート温度120℃で真空ラミネートした後、180℃でポストベークして層間絶縁樹脂層12を得た(
図1(a))。
次いで、レーザードリルにて、層間絶縁樹脂層12にφ50μmのビアホール13を形成した後(
図1(b))、レーザードリルで発生したスミアを除去するため、デスミア処理を行った。デスミア処理としては、公知のデスミア処理を適用することができる。例えば、市販品であるMLB211(ロームアンドハース電子材料株式会社製)を20容量%、キューポジットZ10容量%を含む膨潤浴に、60〜85℃で1〜15分間浸漬した後、MLB213A(ロームアンドハース電子材料(株)製)を10容量%とMLB213B(ロームアンドハース電子材料(株)製)を15容量%含むエッチング浴に55℃〜85℃で2〜15分間浸漬処理し、MLB216−2(ロームアンドハース電子材料株式会社製)を20容量%含む中和浴に35℃〜55℃で2〜10分間浸漬する等の公知の方法で適宜実施することができる。
【0033】
さらに無電解銅めっきにて約1μm厚の無電解銅めっき層14を形成した(
図1(c))。
さらに、ドライフィルムレジストとして、厚み15μmのサンフォートAQ‐1558(旭化成エレクトロニクス(株)製)を用いた。これは、支持体フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルムを、保護層としてポリエチレンフィルムを用いており、感光性樹脂層厚みは25μmである。約1μm厚の無電解銅めっき層14へ、ドライフィルムレジストの保護層を剥がしながら、ホットロールラミネーター(旭化成(株)製、AL−70)により、ロール温度120℃で基材にラミネートした。エアー圧力は0.3MPaとし、ラミネート速度は1.0m/min.とした。
【0034】
ドライフィルムレジストの支持体フィルム側にフォトマスクを設置し、超高圧水銀ランプ((株)オーク製作所製、HMW−201KB)により、120mJ/cm
2の露光量で露光し、硬化レジストパターンを有するドライフィルムレジストを得た。次に、支持体フィルムを剥離して基材を30℃、1質量%のNa2CO3水溶液中に50秒浸漬して現像し、ドライフィルムレジストパターン15を得た(
図1(d))。次いで、第一の無電解銅めっき層14へ電解銅めっきを行い、20μm厚の電解銅めっき層16を形成した(
図1(e))。
ここでドライフィルムレジスト剥膜液として、3質量%のNaOH水溶液を用意し、50℃、圧力0.2MPaで60秒間スプレーを行った。その後、水洗乾燥し、ドライフィルムレジストの剥離を完了した(
図1(f))。
【0035】
次いで、金属柱状の接続パッド19を形成しない面に、保護フィルム18としてドライフィルムレジストを形成した(
図2(a))。保護フィルム18の材料としては、サンフォートAQ‐1558(旭化成エレクトロニクス(株)製)を用いた。次いで、厚み40μmのサンフォートAQ‐4038(旭化成エレクトロニクス(株)製)を使用して、ドライフィルムレジストのパターニングを行い、ドライフィルムレジストパターン17を得た。
【0036】
次いで、ドライフィルムレジストパターン17に対し、電解銅めっきを行うことで、金属柱状の接続パッド19を形成した(
図2(b))。接続パッド19の径は70μm、高さは電解銅めっき層16上から35μmであった。めっき条件は以下の通りである。CuSO
4 ・5H
2O 140g/l、H
2SO
4 120g/l、Cl― 50mg/l、添加剤 300mg/l、スルホン酸アミン 100mg/l、温度 25℃、電流密度 1.5A/dm
2、めっき時間 60分。
【0037】
次いで、ドライフィルムレジストパターン17を剥離除去し、フラッシュエッチングを行うことにより、無電解銅めっき層14を除去した(
図2(c))。次いで、ソルダーレジスト(太陽インキ製造(株)製 PSR−4000 AUS−703)を厚み22μm程度となるようソルダーレジスト層20を形成した(
図2(d))、ここで、接続パッド19の上面から上方のソルダーレジスト層20の厚さは10μmであった。
【0038】
次いで、フォトリソグラフィーの手法により所定の位置にソルダーレジスト層20に開口部21を形成した(
図2(e))。ここでの開口径は50μmであった。開口部21の拡大図は
図3(a)又は、
図3(c)となっており、接続パッド19の上面の径に対して、開口部21を小径とした。また、開口部21は研磨による開口についても実施し、その拡大図は
図3(a)となり、接続パッド19の上面の径に対して、開口部21の径が同等となった。研磨としてはベルト研磨紙(三共理化学社製)を使用した、ベルトサンダー研磨を実施した。
【0039】
次いで、塩化ニッケル(30g/l)、次亜リン酸ナトリウム(10g/l)、クエン酸ナトリウム(10g/l)を含むpH=5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部21内に厚さ5μmのニッケルめっき層を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(2g/l)、塩化アンモニウム(75g/l)、クエン酸ナトリウム(50g/l)、次亜リン酸ナトリウム(10g/l)を含む無電解めっき液に93℃の条件で23秒間浸漬して、ニッケルめっき層上に、厚さ0.03μmの金めっき層を形成することにより、金属被覆層23を得た。
最後に、メタルマスクをソルダーレジスト層20上に載置し、メタルスキージを用いて、上記マスクを介して開口部21、22内にはんだペーストを充填後、200℃でリフローすることによりはんだバンプ24を形成し、所望の半導体パッケージ100を得た(
図2(f))。
【0040】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、金属柱状の接続パッド19を基板上に設けることにより、ICチップと基板との間に十分なスタンドオフを確保することが可能となる。また、接続パッド19の側面(側壁)は、ソルダーレジスト層20により一部又は全部が被覆されている。このため、接続パッド19の上面にはんだバンプ24を形成する際に、接続パッド19の側面へのはんだの濡れ広がりが発生しない。これにより、接続パッド19に対するはんだの供給量を抑えることができる。十分なはんだ高さと、高い接続信頼性を兼備した構造を実現することができる。
【0041】
また、接続パッド19の側面に貴金属被覆層を形成する必要がないため、従来構造よりもコスト面で有利である。さらに、研磨処理により、ソルダーレジスト層20に開口部21を形成することが可能である。この場合は、開口部21を形成するための露光マスクを必要としない。よって、マスク費用の削減と工程の簡略化可能となり、生産性が向上する。このように、本発明の実施形態によれば、製造コストを低減すると共に、生産性を向上させることが可能となる。