特許第5942629号(P5942629)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5942629
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】固液分離装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 21/02 20060101AFI20160616BHJP
   C02F 1/24 20060101ALI20160616BHJP
   B04B 1/06 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
   B01D21/02 J
   B01D21/02 F
   C02F1/24 A
   B04B1/06
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-138696(P2012-138696)
(22)【出願日】2012年6月20日
(65)【公開番号】特開2014-547(P2014-547A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2015年4月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100087527
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 光雄
(72)【発明者】
【氏名】磯 良行
(72)【発明者】
【氏名】加藤 真理子
(72)【発明者】
【氏名】黄 健
(72)【発明者】
【氏名】内田 博幸
【審査官】 井上 能宏
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−021713(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0055961(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3042057(JP,U)
【文献】 特開昭50−125364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 21/00〜21/34
B04B 1/00〜 1/20
C02F 1/00〜 1/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散媒と密度差を有する固体粒子を含む原液の入口と、清澄液の出口と、濃縮される固体粒子の出口を備えた分離容器内に、翼型断面を有する翼型仕切板を備え、
上記翼型仕切板を、上記分離容器の内部に、上記原液入口より連続的に供給されて上記清澄液の出口まで流れる間に該分離容器内に形成される原液の液流れの中で、該流れの方向の上流側と下流側に該翼型仕切板の前縁と後縁が位置するように設置し、且つ該翼型仕切板を、上記固体粒子が分散媒との密度差に基づいて原液中で移動する方向に対面する面側に該翼型仕切板に達するまでの上記原液の液流れよりも加速された流れを形成させる姿勢にしてなる構成を有すること
を特徴とする固液分離装置。
【請求項2】
上記翼型仕切板は、対称翼の翼型断面を有するものとし、上記分離容器の内部に、上記翼型仕切板を、分離容器内に形成される上記原液の液流れに対して、上記固体粒子が分散媒との密度差に基づいて原液中で移動する方向の上流側に傾く角を備えた姿勢で取り付けるようにした請求項1記載の固液分離装置。
【請求項3】
上記翼型仕切板は、非対称翼の翼型断面を有するものとし、上記分離容器の内部に、上記翼型仕切板を、非対称翼の翼型断面のキャンバーが設けてある側の面が、上記固体粒子が分散媒との密度差に基づいて原液中で移動する方向の上流側となる姿勢で取り付けるようにした請求項1記載の固液分離装置。
【請求項4】
上記分離容器を、一端側に上記原液の入口を備え、他端側の上部に上記清澄液の出口を備えると共に、底部に濃縮される上記固体粒子の出口を備えた沈降槽とした請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の固液分離装置。
【請求項5】
上記分離容器を、一端側に上記原液の入口を備え、他端側の下部に上記清澄液の出口を備えると共に、頂部に濃縮される上記固体粒子の出口を備えた浮上槽とした請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の固液分離装置。
【請求項6】
上記分離容器を、軸心方向の一端側に上記原液の入口を備えると共に他端側に上記清澄液の出口と濃縮される上記固体粒子の出口を備えた回転駆動可能な円筒状の遠心分離容器とし、該遠心分離容器の内側に、翼型断面を有する上記翼型仕切板を設けるようにした請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の固液分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散媒と固体粒子を含む原液中に分散されている固体粒子と、分散媒とを、密度差を利用して分離させる固液分離装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固液分離手法の1つである沈降分離装置としては、原液を収容させる沈降槽の内部に、傾斜板(傾斜姿勢の仕切板)を設置した構成のものが従来提案されている(たとえば、特許文献1(図9)、特許文献2(図1)参照)。なお、上記原液は、固体粒子として、分散媒よりも密度が大きい固体粒子を含んでいるものとする。
【0003】
上記構成としてある沈降分離装置では、上記沈降槽内で傾斜板により仕切られて形成された斜め方向に延びる領域ごとに、所謂ボイコット効果による固体粒子の沈降の促進が図られるようになる。そのため、上記傾斜板を備えた沈降槽全体では、上記固体粒子の沈降濃縮の処理能力が増加するとされている。
【0004】
又、沈降分離装置の別の形式のものとしては、横流れ式の沈降分離装置がある。これは、横方向に延びる沈降槽を備えていて、該沈降槽に一端側より連続供給する原液が他端側まで流れる(移動する)間に、該原液中の固体粒子を、上記沈降槽の底部まで沈降させることで分散媒と分離するようにしたものである。
【0005】
ところで、上記横流れ式の沈降分離装置では、固体粒子の沈降距離が大きいと、それだけ沈降に時間を要するため、上記沈降槽の原液を流す方向の寸法を大きく設定する必要が生じてしまう。
【0006】
そこで、上記横流れ式の沈降分離装置では、沈降槽の内部に、平板状の仕切板を、水平、もしくは、原液を流す方向の下流側に向けて下方傾斜する姿勢で設置した構成とすることが考えられている。このようにすれば、上記沈降槽は、その内部に、上記仕切板により仕切られた高さ寸法の小さい区画が上下に複数段形成されるようになり、該各区画では、原液中の固体粒子の沈降距離が小さくてすむようになる。このため、上記沈降槽の原液を流す方向の寸法を削減することが可能になるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−205396号公報
【特許文献2】特開2011−25233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、従来の傾斜板を備えた形式の沈降分離装置は、通常、沈降する固体粒子が傾斜板の上面に達すると、該固体粒子を傾斜板の上面の傾斜に沿わせて滑り落ちるようにさせることで、沈降槽の底部に濃縮させるようにしてある。しかし、上記固体粒子が、傾斜板の上面に残存して堆積するようになると、傾斜板の上面に付着するようになってしまい、沈降槽の底部での固体粒子の濃縮効率の低下や、傾斜板により仕切られた領域での流路が狭くなることで原液の円滑な流通が阻害されるといった問題が生じる。
【0009】
そのために、従来の傾斜板を備えた沈降分離装置では、各傾斜板上面への固体粒子の残存、堆積、付着が生じる場合は、該各傾斜板を定期的に洗浄する必要が生じる。
【0010】
又、水平な仕切板を備えた形式の横流れ式の沈降分離装置は、仕切板の上面に堆積、付着する固体粒子を除去するために仕切板を定期的に洗浄する必要がある。
【0011】
上記のような傾斜板や仕切板の洗浄は、沈降分離装置による原液の沈降分離処理を一旦停止させて行う必要があるため、頻度が高い場合は、手間と運転コストが嵩むという問題がある。そのために、上記沈降分離装置の沈降槽内に備える傾斜板や仕切板の洗浄の頻度は低くすることが望まれる。
【0012】
なお、上記沈降槽内に設けられた傾斜板や仕切板の上面への固体粒子の堆積、付着を防止するための対策としては、たとえば、上記傾斜板や仕切板の上面を機械的に掻き取ることや、上記傾斜板や仕切板を傾動させることや、上記傾斜板や仕切板の表面部に予め装備してある無端状のベルトのような表面部材を移動させることによって、該傾斜板や仕切板の上面の残留物や堆積物を強制的に落下させて除去することが考えられる。しかし、これらの対策を実施する場合は、駆動源が必要になると共に、沈降分離装置の装置構成が複雑化し、大型化するという問題が生じてしまう。
【0013】
そこで、本発明は、仕切板を備えた分離容器に供給される原液中の固体粒子を、分散媒との密度差を利用して分離処理を行う際に、上記仕切板への固体粒子の堆積や付着を抑制するようにして、該仕切板の洗浄の頻度を低減でき、手間と運転コストの削減化を図ることができる固液分離装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、分散媒と密度差を有する固体粒子を含む原液の入口と、清澄液の出口と、濃縮される固体粒子の出口を備えた分離容器内に、翼型断面を有する翼型仕切板を備え、上記翼型仕切板を、上記分離容器の内部に、上記原液入口より連続的に供給されて上記清澄液の出口まで流れる間に該分離容器内に形成される原液の液流れの中で、該流れの方向の上流側と下流側に該翼型仕切板の前縁と後縁が位置するように設置し、且つ該翼型仕切板を、上記固体粒子が分散媒との密度差に基づいて原液中で移動する方向に対面する面側に該翼型仕切板に達するまでの上記原液の液流れよりも加速された流れを形成させる姿勢にしてなる構成を有する固液分離装置とする。
【0015】
又、上記構成において、翼型仕切板は、対称翼の翼型断面を有するものとし、分離容器の内部に、上記翼型仕切板を、分離容器内に形成される原液の液流れに対して、固体粒子が分散媒との密度差に基づいて原液中で移動する方向の上流側に傾く迎角を備えた姿勢で取り付けるようにした構成とする。
【0016】
同様に、上記構成において、翼型仕切板は、非対称翼の翼型断面を有するものとし、分離容器の内部に、上記翼型仕切板を、非対称翼の翼型断面のキャンバーが設けてある側の面が、固体粒子が分散媒との密度差に基づいて原液中で移動する方向の上流側となる姿勢で取り付けるようにした構成とする。
【0017】
上述の各構成において、分離容器を、一端側に原液の入口を備え、他端側の上部に清澄液の出口を備えると共に、底部に濃縮される固体粒子の出口を備えた沈降槽とした構成とする。
【0018】
同様に、上述の各構成において、分離容器を、一端側に原液の入口を備え、他端側の下部に清澄液の出口を備えると共に、頂部に濃縮される固体粒子の出口を備えた浮上槽とした構成とする。
【0019】
同様に、上述の各構成において、分離容器を、軸心方向の一端側に原液の入口を備えると共に他端側に清澄液の出口と濃縮される固体粒子の出口を備えた回転駆動可能な円筒状の遠心分離容器とし、該遠心分離容器の内側に、翼型断面を有する翼型仕切板を設けるようにした構成とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の固液分離装置によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)分離容器内に設けた翼型仕切板では、固体粒子が分散媒との密度差に基づき原液中で移動する方向に対面する面側に形成させてある加速した液流れにより、原液中で移動して該翼型仕切板の付近に達する固体粒子を、後縁側へスムーズに送ることができる。このため、上記翼型仕切板は、上記固体粒子が残存、付着することを抑制することができる。(2)したがって、上記翼型仕切板は、洗浄の頻度を低減させることができて、手間の削減化を図ることができる。
(3)原液の連続的な固液分離処理を長期に亘り継続させることが可能になることにより、運転コストの削減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の固液分離装置の実施の一形態として、沈降分離装置とした一例を示す概略切断側面図である。
図2】本発明の実施の他の形態としての沈降分離装置とした別の例を示すもので、(a)は概略切断側面図、(b)は概略切断平面図である。
図3】本発明の実施の他の形態として、浮上分離装置とした例を示す概略切断側面図である。
図4】本発明の実施の更に他の形態として、遠心分離装置とした例を示す概略断面図である。
図5】本発明の実施の他の形態として、翼型仕切板の他の例を示す図1に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0023】
図1は本発明の固液分離装置の実施の一形態として、沈降分離装置とする場合の構成例を示すものである。
【0024】
すなわち、上記沈降分離装置は、図1に符号1で示す如く、分散媒と、該分散媒よりも密度の大きい固体粒子を含む原液7を収容するための分離容器としての沈降槽2を備える。
【0025】
上記沈降槽2は、水平方向の一端側の下部に、原液7の入口3を、又、他端側の上部に、清澄液8の出口4をそれぞれ備え、且つ水平方向他端側の底部に、沈降分離される固体粒子をスラリー状の粒子濃縮物9として取り出すための濃縮粒子出口5を備えた構成としてある。
【0026】
更に、上記沈降槽2の内側には、断面形状が翼型の翼型仕切板6が、上記原液入口3より連続的に原液7が供給されることで該沈降槽2内に形成される矢印aで示す如き液流れを横切るように水平方向に設置され、且つ翼型仕切板6は、原液7の流れ方向の上流側よりも下流側が低くなるように傾斜されている。図1では、説明の便宜上、上記翼型仕切板6は、上記沈降槽2内に、上下2段に配列させて設けた構成が示してある。
【0027】
上記沈降槽2の内側に設置された上記各翼型仕切板6は、図1に示すように、矢印aに対して下流側が下り勾配となるように傾斜させてあるので、上記固体粒子が分散媒との密度差に基づいて原液7中で移動する方向となる沈降方向(矢印xで示す)の上流側となる面側、すなわち、該各翼型仕切板6の上面側に、上記矢印aで示した液流れよりも加速された液流れ(矢印a1で示す)が形成されるようになっている。
【0028】
具体的には、図1に示すように、上記各翼型仕切板6の断面形状が対称翼としてある場合は、該各翼型仕切板6は、上記矢印aで示す液流れに対して上向きの迎角θを備えた角度姿勢で上記沈降槽2内に設置してあり、これにより、該各翼型仕切板6の上面側に、上記加速された液流れ(矢印a1)を形成させることができるようにしてある。
【0029】
なお、上記沈降槽2は、上記原液入口3より供給された原液7が該沈降槽2内を上記清澄液出口4まで流れる間に、上記固体粒子を十分に沈降させることが可能な長さ寸法を備えるものとする。
【0030】
又、上記各翼型仕切板6の断面形状の翼型や、サイズ、上記迎角θは、上記矢印aで示した液流れの中で、流れの剥離が生じないように設定してあるものとする。
【0031】
以上の構成としてある本実施の形態の沈降分離装置を使用して固液分離を行う場合は、上記原液7を、上記原液入口3より沈降槽2へ連続的に供給する。
【0032】
上記沈降槽2内に供給された上記原液7は、分散された液流れ(矢印a)となって上記清澄液出口4へ向かうようになり、この間に、該原液7に含まれている上記固体粒子が、分散媒との密度差に基づいて、上記沈降槽2の底部、又は、上記各翼型仕切板6の上面に向けて徐々に沈降するようになる。
【0033】
この際、上記沈降槽2内には、上記翼型仕切板6が、多段式に設けてあることから、該各翼型仕切板6により仕切られた各領域では、高さ寸法が制限されることで、上記原液中の固体粒子の沈降距離が小さくなるため、該固体粒子の沈降が効率よく行われるようになる。
【0034】
しかも、上記各翼型仕切板6は、上記上向きの迎角θで傾斜させて設置してあるため、上記各翼型仕切板6により仕切られて形成される各領域が斜め方向に延びた配置となる。このため、上記各領域では、上記所謂ボイコット効果による固体粒子の沈降の促進が図られるようになる。
【0035】
更に、上記各翼型仕切板6は、上記液流れ(矢印a)の中で、上面付近の液体の圧力(静圧)が、周囲に比べて低下する。このため、上記各翼型仕切板6の上面付近と、周囲との静圧差に起因して、上記各翼型仕切板6の上側には、該各翼型仕切板6の上面に向かう液体の流れが生じるようになる。このため、上記各翼型仕切板6の上側を通過する原液7では、該各翼型仕切板6の上面に向かう液体の流れにより、該原液7中の固体粒子が該各翼型仕切板6の上面に向けて沈降する速度が増加させられるようになることから、固液分離の処理能力の向上化が図られるようになる。
【0036】
上記沈降槽2内における各翼型仕切板6の上面側には、上記矢印aで示した液流れよりも加速された液流れ(矢印a1)が生じているために、上記沈降する固体粒子のうち、上記各翼型仕切板6の上面付近に達したものは、上記加速された液流れ(矢印a1)に乗せられて該各翼型仕切板6の後縁側へスムーズに送られるようになる。これにより、上記各翼型仕切板6では、上面側での上記固体粒子の残存が抑制されるようになる。したがって、本実施の形態の沈降分離装置1は、上記各翼型仕切板6の洗浄の頻度を低減させることができて、手間の削減化を図ることができる。
【0037】
その後、上記加速された液流れ(矢印a1)により搬送された固体粒子は、上記各翼型仕切板6の後縁を通り過ぎると、該各翼型仕切板6の下方へ向けて更に沈降するようになる。
【0038】
以上により、上記沈降槽2では、上記原液7に含まれていた固体粒子が、該沈降槽2の底部まで沈降させられて濃縮される。したがって、上記沈降槽2では、上記清澄液出口4より、上記固体粒子の沈降分離が行われた後の清澄液8が連続的に取り出されるようになる。
【0039】
一方、上記沈降槽2の底部に沈降した上記固体粒子によって形成されるスラリー状の粒子濃縮物9は、上記濃縮粒子出口5より、連続的または断続的に抜き出して回収するようにすればよい。
【0040】
このように、本実施の形態の沈降分離装置1によれば、原液7中に含まれる固体粒子の沈降分離処理を効率よく実施することができる。
【0041】
しかも、本実施の形態の沈降分離装置1では、原液7の連続的な沈降分離処理を長期に亘り継続させることができるため、運転コストの削減化を図ることが可能になる。
【0042】
次に、図2(a)(b)は本発明の実施の他の形態として、固液分離装置としての沈降分離装置の別の構成例を示すものである。
【0043】
すなわち、本実施の形態の沈降分離装置は、図2(a)(b)に符号10で示す如く、上下方向に斜めに延びる角筒状の沈降槽11を備える。
【0044】
上記沈降槽11は、上部の対角位置に、図1に示したと同様の原液7を供給するための原液入口3と、清澄液8の出口4が設けてある。
【0045】
上記沈降槽11の底部は、ホッパ形状としてあり、その下端に、濃縮粒子出口5が設けられている。
【0046】
上記沈降槽11の内側には、断面形状翼型の翼型仕切板12が、該沈降槽11の傾斜に対応して上下方向に斜めに延びる配置で、且つ上記原液入口3より連続的に原液7が供給されることで該沈降槽11内に形成される矢印bで示す如き液流れを横切るように設置されている。図2(a)(b)では、たとえば、上記沈降槽11内に4枚の翼型仕切板12を配列させて設けた構成が示してある。
【0047】
上記沈降槽11内に傾斜配置された上記各翼型仕切板12は、上記固体粒子が分散媒との密度差に基づいて原液7中で移動する沈降方向x1(図2(b)における図面に垂直な奥側方向)の上流側となる面側、すなわち、該各翼型仕切板12の上面側に、上記矢印bで示した液流れよりも加速された液流れ(矢印b1で示す)を形成できるような姿勢としてある。
【0048】
具体的には、図2(b)に示すように、断面形状が対称翼としてある上記各翼型仕切板12が、上記矢印bで示す液流れに対して上向きとなる迎角θ1を備える角度姿勢で上記沈降槽11内に設置してある。
【0049】
なお、上記各翼型仕切板12の断面形状の翼型や、サイズ、上記迎角θ1は、上記矢印bで示した液流れの中で、流れの剥離が生じないように設定してあるものとする。
【0050】
その他、図1に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
【0051】
以上の構成としてある本実施の形態の沈降分離装置を使用して固液分離を行う場合は、上記原液7を、上記原液入口3より沈降槽11へ連続的に供給する。
【0052】
上記沈降槽11内に供給された上記原液7は、分散された液流れ(矢印b)となって上記清澄液出口4へ向かうようになり、この間に、該原液7に含まれている上記固体粒子が、分散媒との密度差に基づいて、上記沈降槽11の底部、又は、上記各翼型仕切板12の上面に向けて徐々に沈降するようになる。
【0053】
この際、上記各翼型仕切板12は、上記沈降槽11内に傾斜させて設置してあるため、上記沈降槽11内で上記各翼型仕切板12により仕切られて形成された斜め方向に延びる領域では、所謂ボイコット効果による固体粒子の沈降の促進が図られるようになる。
【0054】
更に、上記各翼型仕切板12は、上記液流れ(矢印b)の中で、上面付近の液体の圧力(静圧)が、周囲に比べて低下するため、該各翼型仕切板12の上側には、該各翼型仕切板12の上面に向かう液体の流れが生じるようになる。このため、上記各翼型仕切板12の上面に向かう液体の流れにより、原液7中の固体粒子が該各翼型仕切板12の上面に向けて沈降する速度が増加させられるために、固液分離の処理能力の向上化が図られるようになる。
【0055】
上記各翼型仕切板12の上面側には、上記矢印bで示した液流れよりも加速された液流れ(矢印b1)を生じさせるようにしてあるため、上記沈降する固体粒子のうち、上記各翼型仕切板12の上面付近に達したものは、上記加速された液流れ(矢印b1)に乗せられて該各翼型仕切板12の後縁側へスムーズに送られるようになる。このために、上記各翼型仕切板12では、上面側での上記固体粒子の残存が抑制されるようになる。
【0056】
その後、上記加速された液流れ(矢印b1)により搬送された固体粒子は、上記各翼型仕切板12の後縁を通り過ぎると、沈降槽11の底部へ向けて更に沈降するようになる。
【0057】
したがって、本実施の形態の沈降分離装置10では、図1に示した沈降分離装置1と同様に、上記原液7中の固体粒子が、沈降槽11の底部まで沈降させられて濃縮されるようになる。このため、上記沈降槽11では、上記清澄液出口4より、上記固体粒子の沈降分離が行われた後の清澄液8が連続的に取り出されるようになる。一方、上記沈降槽11の底部に形成されるスラリー状の粒子濃縮物9は、上記濃縮粒子出口5より、連続的または断続的に抜き出して回収するようにすればよい。
【0058】
このように、本実施の形態の沈降分離装置10によれば、原液7中に含まれる固体粒子の沈降分離処理を効率よく実施することができる。
【0059】
更に、本実施の形態の沈降分離装置10は、上記沈降分離処理の際に、各翼型仕切板12の上面側に加速された液流れ(矢印b1)を形成させることができるため、図1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
次いで、図3は本発明の実施の更に他の形態として、固液分離装置としての浮上分離装置の構成例を示すものである。なお、浮上分離は、固体粒子の密度が液体の密度より小さい場合に好適に用いられる。又、浮上分離は、気泡を利用して、固体粒子を気泡に付着させて浮上させることで分離を行う場合もある。
【0061】
上記浮上分離装置は、図3に符号13で示すもので、概説すると、図1に示した沈降分離装置1の上下を反転させた構成に相当する構成を備えている。
【0062】
すなわち、本実施の形態の浮上分離装置13は、分散媒と、該分散媒よりも密度の小さい固体粒子を含む原液19を収容するための分離容器としての浮上槽14を備える。
【0063】
上記浮上槽14は、水平方向の一端側の上部に、原液19の入口15を、又、他端側の下部に、清澄液20の出口16をそれぞれ備え、且つ水平方向他端側の頂部に、浮上分離される固体粒子をスラリー状の粒子濃縮物21として取り出すための濃縮粒子出口17を備えた構成としてある。
【0064】
更に、上記浮上槽14の内側には、断面形状が翼型の翼型仕切板18が、上記原液入口15より連続的に原液19が供給されることで該浮上槽14内に形成される矢印cで示す如き液流れを横切るように水平方向に設置され、且つ液流れの上流側よりも下流側が高くなるように傾斜されている。図3では、たとえば、上記浮上槽14内に、上記翼型仕切板18を多段に配列させて設けた構成が示してある。
【0065】
上記浮上槽14の内側に設置された上記各翼型仕切板18は、上記固体粒子が分散媒との密度差に基づいて原液19中で移動する浮上方向(矢印yで示す)の上流側となる面側、すなわち、該各翼型仕切板18の下面側に、上記矢印cで示した液流れよりも加速された液流れ(矢印c1で示す)を形成できるような姿勢としてある。
【0066】
具体的には、図3に示すように、断面形状が対称翼としてある各翼型仕切板18が、上記矢印cで示す液流れに対して下向きの迎角θ2を備えた角度姿勢で上記浮上槽14内に設置してある。
【0067】
なお、上記浮上槽14は、上記原液入口15より供給された原液19が該浮上槽14内を上記清澄液出口16まで流れる間に、上記固体粒子を十分に浮上させることが可能な長さ寸法を備えるものとする。
【0068】
又、上記各翼型仕切板18の断面形状の翼型や、サイズ、上記迎角θ2は、上記矢印cで示した液流れの中で、流れの剥離が生じないように設定してあるものとする。
【0069】
以上の構成としてある本実施の形態の浮上分離装置を使用して固液分離を行う場合は、上記原液19を、上記原液入口15より浮上槽14へ連続的に供給する。
【0070】
上記浮上槽14内に供給された上記原液19は、分散された液流れ(矢印c)となって上記清澄液出口16へ向かうようになり、この間に、該原液19に含まれている上記固体粒子が、分散媒との密度差に基づいて、上記浮上槽14の天井部、又は、上記各翼型仕切板18の下面に向けて徐々に浮上するようになる。
【0071】
この際、上記浮上槽14内には、上記翼型仕切板18が、上下に多段に設けてあることから、該各翼型仕切板18により仕切られた各領域では、高さ寸法が制限されることで、上記原液中の固体粒子の浮上距離が小さくなり、このため、該固体粒子の浮上が効率よく行われるようになる。
【0072】
しかも、上記各翼型仕切板18は、上記下向きの迎角θ2で傾斜させて設置してあるため、上記各翼型仕切板18により仕切られて形成される各領域が斜め方向に延びた配置となる。このために、上記各領域では、上記固体粒子の分散媒との密度差に基づく浮上が、前述した沈降分離の際のボイコット効果と同様の分離促進効果により促進されるようになる。
【0073】
更に、上記各翼型仕切板18は、上記液流れ(矢印c)の中で、上面付近の液体の圧力(静圧)が、周囲に比べて低下するため、該各翼型仕切板18の下側には、該各翼型仕切板18の下面に向かう液体の流れが生じるようになる。このため、上記各翼型仕切板18の下面に向かう液体の流れにより、原液19中の固体粒子が該翼型仕切板18の下面に向けて浮上する速度が増加させられるために、固液分離の処理能力の向上化が図られるようになる。
【0074】
上記浮上槽14内における各翼型仕切板18の下面側には、上記矢印cで示した液流れよりも加速された液流れ(矢印c1)が生じているため、上記各翼型仕切板18の下面側での上記固体粒子の残存が抑制されるようになる。したがって、本実施の形態の浮上分離装置13は、上記各翼型仕切板18の洗浄の頻度を低減させることができて、手間の削減化を図ることができる。
【0075】
上記加速された液流れ(矢印c1)により搬送された固体粒子は、上記各翼型仕切板18の後縁を通り過ぎると、浮上槽14の頂部へ向けて浮上するようになる。
【0076】
以上により、上記浮上槽14では、上記原液19に含まれていた固体粒子が、該浮上槽14の頂部まで浮上させられて濃縮される。これにより、上記浮上槽14では、上記清澄液出口16より、上記固体粒子の浮上分離が行われた後の清澄液20が連続的に取り出されるようになる。
【0077】
一方、上記浮上槽14の頂部まで浮上した上記固体粒子によって形成されるスラリー状の粒子濃縮物21は、上記濃縮粒子出口17より、連続的または断続的に抜き出して回収するようにすればよい。
【0078】
このように、本実施の形態の浮上分離装置13によれば、原液19中に含まれる固体粒子の浮上分離処理を効率よく実施することができる。
【0079】
しかも、本実施の形態の浮上分離装置13は、原液19の連続的な浮上分離処理を長期に亘り継続させることができるため、運転コストの削減化を図ることが可能になる。
【0080】
図4は本発明の実施の更に他の形態として、図1に示したと同様の原液7を処理対象とする固液分離装置としての遠心分離装置の構成例を示すものである。なお、遠心分離は、スラリー(固−液系懸濁液)の固液分離等に用いられ、特に、重力に比べて大きな力(ここでは遠心力)が必要な場合に好適に用いられる。
【0081】
すなわち、本実施の形態の遠心分離装置は、図4に符号22で示す如く、上記原液7を収容する分離容器として、軸心Oを中心に図示しない回転駆動装置により回転駆動できるようにしてある円筒状の遠心分離容器23を備える。
【0082】
上記遠心分離容器23は、軸心方向の一端部に、上記原液7を供給するための原液入口24が設けてある。上記遠心分離容器23の軸心方向の他端部には、中心寄りに、清澄液8の出口25が設けられていると共に、外周部に、遠心分離により該遠心分離容器23の外周部に濃縮される固体粒子をスラリー状の粒子濃縮物9として取り出すための濃縮粒子出口26を備えた構成としてある。
【0083】
更に、上記遠心分離容器23の内側には、略円筒形状を有し且つ周壁の断面形状が翼型としてある翼型仕切板27が、上記原液入口24より連続的に原液7が供給されることで該遠心分離容器23内に形成される矢印dで示す如き液流れを横切るように設けられている。
【0084】
上記翼型仕切板27は、上記遠心分離容器23の回転により作用する遠心力の下で固体粒子が分散媒との密度差に基づいて原液7中で移動する径方向外向きの移動方向(矢印zで示す)の上流側となる面側、すなわち、上記翼型仕切板27の回転時の内周面側に、上記矢印dで示した液流れよりも加速された液流れ(矢印d1で示す)を形成できるように、周壁の断面形状が設定してある。
【0085】
具体的には、図4に示すように、上記翼型仕切板27の周壁の断面形状が対称翼の翼型としてある場合は、該翼型断面が、上記矢印dで示す液流れに対して軸心O側へ迎角θ3で傾斜した角度姿勢となるように形成してある。
【0086】
上記翼型仕切板27は、図示しない連結部材を介して上記遠心分離容器23に連結して、該遠心分離容器23と一体に回転するようにしてある。なお、本実施の形態の遠心分離装置22では、上記遠心分離容器23内に供給される原液7は、該遠心分離容器23と一緒に回転することで遠心力が作用するようになる。この点に鑑みて、上記翼型仕切板27は、上記したように遠心分離容器23と一体に回転するようにすることが望ましいが、上記遠心分離容器23の回転で原液7に十分な遠心力を作用させることができるようにしてあれば、該翼型仕切板27を、上記遠心分離容器23の内側に外部より挿入した図示しない固定部材(回転しない部材)に保持させるようにしてもよい。
【0087】
又、上記翼型仕切板27の断面形状の翼型や、サイズ、上記迎角θ3は、上記矢印dで示した液流れの中で、流れの剥離が生じないように設定してあるものとする。
【0088】
以上の構成としてある本実施の形態の遠心分離装置22を使用して固液分離を行う場合は、上記遠心分離容器23を、図示しない回転駆動装置により回転駆動させ、この状態で、上記原液7を、上記原液入口24より遠心分離容器23へ連続的に供給する。
【0089】
上記遠心分離容器23内に供給された上記原液7は、分散された液流れ(矢印d)となって上記清澄液出口25へ向かうようになり、この間に、該原液7に含まれている上記固体粒子が、上記遠心力の作用の下で、分散媒との密度差に基づいて上記遠心分離容器23の内周面、又は、上記翼型仕切板27の内周面に向けて径方向外向きに移動(沈降)するようになる。
【0090】
更に、上記翼型仕切板27は、上記液流れ(矢印d)の中で、内周面付近の液体の圧力(静圧)が、周囲に比べて低下するため、該翼型仕切板27の内周側には、該翼型仕切板27の内周面に向かう液体の流れが生じるようになる。よって、この翼型仕切板27の内周面に向かう液体の流れにより、原液7中の固体粒子が該翼型仕切板27の内周面に向けて移動する速度が増加させられるために、固液分離の処理能力の向上化が図られるようになる。
【0091】
この際、上記翼型仕切板27の内周面側には、上記矢印dで示した液流れよりも加速された液流れ(矢印d1)を生じさせるようにしてあるため、上記径方向外向きに移動する固体粒子のうち、上記翼型仕切板27の内周面付近に達したものは、上記加速された液流れ(矢印d1)に乗せられて該翼型仕切板27の後縁側へスムーズに送られるようになる。よって、上記翼型仕切板27では、内周面側での上記固体粒子の残存が抑制されるようになる。したがって、本実施の形態の遠心分離装置22は、上記翼型仕切板27の洗浄の頻度を低減させることができて、手間の削減化を図ることができる。
【0092】
上記加速された液流れ(矢印d1)により搬送された固体粒子は、上記翼型仕切板27の後縁を通り過ぎると、上記遠心分離容器23の内周面へ向けて更に移動するようになる。
【0093】
以上により、上記遠心分離容器23では、上記原液7に含まれていた固体粒子が、該遠心分離容器23の内周面まで移動させられて濃縮される。よって、上記遠心分離容器23では、上記清澄液出口25より、上記固体粒子の遠心分離が行われた後の清澄液8が連続的に取り出されるようになる。
【0094】
一方、上記遠心分離容器23の内周面まで移動した上記固体粒子によって形成されるスラリー状の粒子濃縮物9は、上記濃縮粒子出口26より、連続的または断続的に抜き出して回収するようにすればよい。
【0095】
このように、本実施の形態の遠心分離装置22によれば、原液7中に含まれる固体粒子の遠心分離処理を効率よく実施することができる。
【0096】
しかも、本実施の形態の遠心分離装置22は、原液7の連続的な遠心分離処理を長期に亘り継続させることができるため、運転コストの削減化を図ることが可能になる。
【0097】
なお、上記図4では、分散媒よりも密度が大きい固体粒子を含む原液7を処理対象とする遠心分離装置22の構成例を示したが、本発明の固液分離装置は、図3に示した原液19と同様に、分散媒よりも密度の小さい固体粒子を含む原液19を処理対象とする遠心分離装置に適用してもよい。
【0098】
かかる遠心分離装置では、遠心力の作用時に原液19中の固体粒子が分散媒との密度差に基づいて移動する方向が、径方向内向きとなる。このため、該遠心分離装置は、図4に示したと同様の構成において、遠心分離容器23の内部に設ける円筒状の翼型仕切板を、外周面側に加速された液流れが形成されるように、その翼型断面が、外周側へ或る迎角で傾斜した角度姿勢となる構成とすればよい。又、上記遠心分離容器23は、軸心方向の他端部の外周部に清澄液8の出口25を、又、中心寄りに濃縮粒子出口26を備えた構成とすればよい。
【0099】
又、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、翼型仕切板6,12,18,27は、断面形状が対称翼の翼型を備えるものとして示したが、図5に示すように、非対称翼の翼型の断面形状を備える形式の翼型仕切板28としてもよい。この種の翼型仕切板28を採用する場合は、非対称翼の翼型におけるキャンバーが設けてある側の面28aが、原液7,19中で分散媒との密度差に基づいて固体粒子が移動する方向の上流側に臨むように配置して、該キャンバーが設けてある側の面28aで流れが加速されるようにすればよい。
【0100】
すなわち、上記翼型仕切板28のキャンバーが設けてある側の面28aは、図5に示す沈降分離装置の場合は上面側に位置させるようにすればよく、又、浮上分離装置の場合は下面側、分散媒よりも密度が大きい固体粒子を含む原液7の遠心分離装置の場合は内周面側、分散媒よりも密度が小さい固体粒子を含む原液19の遠心分離装置の場合は外周面側に、それぞれ位置させるようにすればよい。
【0101】
又、上記翼型仕切板28は、キャンバーを備えた翼型断面であるため、沈降槽2,11、浮上槽14、遠心分離容器23の内部に形成される原液7,19の液流れ(図5では沈降槽2の内部に形成される原液7の液流れ(矢印a))に対して、迎角を備えた角度姿勢のみならず、迎角のない角度姿勢で設けるようにしてもよい。なお、図5において、図1に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
【0102】
図1の実施の形態、図2(a)(b)の実施の形態、及び、図5の実施の形態において、沈降槽2,11内に設ける翼型仕切板6,12,28の数や配列間隔は、沈降槽2,11のサイズや形状、該沈降槽2,11内における原液7の流れの速度、原液7中の固体粒子の分散媒との密度差、翼型仕切板6,12,28のサイズ等に応じて、図示した以外の数や配列間隔に変更してもよい。
【0103】
同様に、図3の実施の形態において、浮上槽14内に設ける翼型仕切板18の数や配列間隔は、浮上槽14のサイズや形状、該浮上槽14内における原液19の流れの速度、原液19中の固体粒子の分散媒との密度差、翼型仕切板18のサイズ等に応じて図示した以外の数や配列間隔に変更してもよい。
【0104】
更に、図4の実施の形態において、遠心分離容器23の内部に、複数の翼型仕切板27を、径方向又は軸心方向に配列させて設けるようにしてもよい。その場合、各翼型仕切板27の配列間隔は、遠心分離容器23のサイズや形状、該遠心分離容器23内における原液7の流れの速度、原液7中の固体粒子の分散媒との密度差、翼型仕切板27のサイズ等に応じて適宜設定すればよい。
【0105】
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0106】
1 沈降分離装置(固液分離装置)
2 沈降槽(分離容器)
3 原液入口
4 清澄液出口
5 濃縮粒子出口
6 翼型仕切板
7 原液
8 清澄液
10 沈降分離装置(固液分離装置)
11 沈降槽(分離容器)
12 翼型仕切板
13 浮上分離装置(固液分離装置)
14 浮上槽(分離容器)
15 原液入口
16 清澄液出口
17 濃縮粒子出口
18 翼型仕切板
19 原液
20 清澄液
22 遠心分離装置(固液分離装置)
23 遠心分離容器(分離容器)
24 原液入口
25 清澄液出口
26 濃縮粒子出口
27 翼型仕切板
28 翼型仕切板
θ,θ1,θ2,θ3 迎角
図1
図2
図3
図4
図5