(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、光学ドライブを持たないクライアント装置に対するプログラムの提供は実現されている。しかし、クライアント装置からインストールサーバ装置に要求を送信する必要があるため、クライアント装置側では、インストールサーバ装置のアドレス(例えばURL等)を把握すると共に、インストールサーバ装置へ接続する操作が必要とされる。従って、上記従来技術では、クライアント装置の利用者に手間をかけるという問題があった。
【0006】
なお、このような問題は、クライアント装置に対してソフトウェアなどのプログラムを提供する場合に限らず、クライアント装置に対してファームウェアなどのプログラムや、マニュアル等のドキュメントファイルを提供する場合など、クライアント装置に対してファイル全般を提供する場合に共通する問題であった。
【0007】
本発明は、ネットワーク装置において、クライアント装置からの明示的な操作を必要とせず、クライアント装置にファイルのダウンロードを案内可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、
以下の形態又は適用例として実現することが可能である。ネットワーク装置であって、前記ネットワーク装置に接続されているクライアント装置の固有情報であって、前記クライアント装置に固有の環境を特定するための固有情報を取得する装置情報取得部と、前記クライアント装置へのダウンロードが推奨される推奨ファイルであって、取得した前記固有情報に対応した推奨ファイルの情報を取得する推奨情報取得部と、前記クライアント装置が前記ネットワーク装置を介してネットワークに接続しようとした場合に、前記クライアント装置に前記推奨ファイルをダウンロードさせるための案内表示を前記クライアント装置に表示させる案内部と、を備え、前記案内部は、前記クライアント装置から取得した任意のWEBページ閲覧のための要求に対して、前記案内表示のために用いられる情報である案内表示用情報を生成し、前記要求に対する応答として前記案内表示用情報を送信する、ネットワーク装置。そのほか、本発明は、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0009】
[適用例1]
ネットワーク装置であって、前記ネットワーク装置に接続されているクライアント装置の固有情報であって、前記クライアント装置に固有の環境を特定するための固有情報を取得する装置情報取得部と、前記クライアント装置へのダウンロードが推奨される推奨ファイルであって、取得した前記固有情報に対応した推奨ファイルの情報を取得する推奨情報取得部と、前記クライアント装置が前記ネットワーク装置を介してネットワークに接続しようとした場合に、前記クライアント装置に前記推奨ファイルをダウンロードさせるための案内表示を前記クライアント装置に表示させる案内部と、を備える、ネットワーク装置。
このようにすれば、ネットワーク装置は、クライアント装置からの推奨ファイルダウンロードのための明示的な操作を必要とせず、クライアント装置にファイルのダウンロードを案内することができる。
【0010】
[適用例2]
適用例1記載のネットワーク装置であって、前記装置情報取得部は、前記クライアント装置と前記ネットワーク装置との間で行われる通信設定処理において、前記クライアント装置の前記固有情報を取得する、ネットワーク装置。
このようにすれば、ネットワーク装置は、クライアント装置からの明示的な操作を必要とせず、クライアント装置の固有情報を取得することができる。
【0011】
[適用例3]
適用例1または2記載のネットワーク装置であって、前記案内部は、前記クライアント装置から取得した任意のWEBページ閲覧のための要求に対して、前記案内表示のために用いられる情報である案内表示用情報を生成し、前記要求に対する応答として前記案内表示用情報を送信する、ネットワーク装置。
このようにすれば、ネットワーク装置は、クライアント装置が任意のWEBページ閲覧のための要求を発したことをトリガとして、クライアント装置にファイルのダウンロードを案内することができる。すなわち、ネットワーク装置は、WEBページ閲覧のための要求を、推奨ファイルダウンロードのための要求に差し替えて取り扱う。このため、ネットワーク装置は、クライアント装置からの推奨ファイルダウンロードのための明示的な操作を必要とせず、クライアント装置にファイルのダウンロードを案内することができる。
【0012】
[適用例4]
適用例1から3のいずれか一項記載のネットワーク装置であって、前記案内部は、前記推奨ファイルが複数存在する場合には、ダウンロードの対象とするファイルの選択を受付可能な態様で前記案内表示用情報を生成する、ネットワーク装置。
このようにすれば、クライアント装置の利用者は、ダウンロードの対象としたいファイルを選択することができるため、利便性を向上させることができる。
【0013】
[適用例5]
適用例1から4のいずれか一項記載のネットワーク装置であって、さらに、前記装置情報取得部が取得した前記固有情報を記憶する記憶部を備え、前記推奨情報取得部は、前記記憶部に記憶された前記固有情報に対応した前記推奨ファイルの情報を取得する、ネットワーク装置。
このようにすれば、ネットワーク装置は、記憶部に記憶された固有情報を用いてクライアント装置にファイルのダウンロードを案内することができる。従って、ネットワーク装置は、処理の都度、クライアント装置から固有情報を取得することを回避することができる。
【0014】
[適用例6]
適用例1から5のいずれか一項記載のネットワーク装置であって、前記推奨ファイルは、前記クライアント装置が前記ネットワーク装置を利用するにあたって、前記クライアント装置へのインストールが推奨されるファイルであって、ファームウェアと、ソフトウェアと、ドキュメントと、の少なくともいずれかを含む、ネットワーク装置。
このようにすれば、推奨ファイルは、ファームウェアと、ソフトウェアと、ドキュメントと、の少なくともいずれかを含むことを明確にすることができる。
【0015】
[適用例7]
適用例1から6のいずれか一項記載のネットワーク装置であって、前記固有情報は、前記クライアント装置に搭載されているデバイスの名称と、前記デバイスの仕向け先と、前記クライアント装置にインストールされているオペレーティングシステムの種類およびバージョンと、前記クライアント装置にインストールされているソフトウェアの種類およびバージョンと、のうちの少なくとも一部を含む、ネットワーク装置。
このようにすれば、固有情報を用いて推奨ファイルを決定することができる。
【0016】
[適用例8]
ネットワーク装置がクライアント装置に対してファイルのダウンロードを案内する案内方法であって、(a)前記ネットワーク装置が、前記ネットワーク装置に接続されている前記クライアント装置の固有情報を取得する工程と、(b)前記ネットワーク装置が、前記クライアント装置へのダウンロードが推奨される推奨ファイルであって、取得した前記固有情報に対応した推奨ファイルの情報を取得する工程と、(c)前記ネットワーク装置が、前記クライアント装置が前記ネットワーク装置を介してネットワークに接続しようとした場合に、前記クライアント装置に前記推奨ファイルをダウンロードさせるための案内表示用情報を生成し、前記案内表示用情報を用いて、案内表示を前記クライアント装置に表示させる工程と、を備える、案内方法。
このようにすれば、適用例1と同様の効果を得ることができる。
【0017】
[適用例9]
ネットワークシステムであって、適用例1から7のいずれか一項記載のネットワーク装置と、サーバ装置と、を備え、前記ネットワーク装置の前記推奨情報取得部は、さらに、前記クライアント装置から取得した前記固有情報を前記サーバ装置へ送信し、前記サーバ装置は、複数の前記固有情報と、最新のファイル情報とが対応付けられた更新情報を記憶する記憶部と、前記ネットワーク装置から取得した前記固有情報に基づいて前記更新情報から前記推奨ファイルの情報を決定し、決定した前記推奨ファイルの情報を、前記ネットワーク装置の前記推奨情報取得部へ送信する決定部と、を備える、ネットワークシステム。
このようにすれば、サーバ装置に決定部を備える構成としたため、ネットワーク装置は、推奨情報取得部がサーバ装置に問い合わせを行うことで、自身に接続されているクライアント装置のファイルを一元的に管理することができる。
【0018】
[適用例10]
ネットワークシステムであって、適用例1から7のいずれか一項記載のネットワーク装置と、複数の前記固有情報と、最新のファイル情報とが対応付けられた更新情報を記憶する記憶部を備えるサーバ装置と、を備え、前記ネットワーク装置は、さらに、前記クライアント装置から取得した前記固有情報のうちの少なくとも一部を前記サーバ装置へ送信し、前記更新情報を取得する更新情報取得部と、前記クライアント装置から取得した前記固有情報に基づいて、前記サーバ装置から取得した前記更新情報から前記推奨ファイルの情報を決定し、決定した前記推奨ファイルの情報を、前記推奨情報取得部へ送信する決定部と、を備える、ネットワークシステム。
このようにすれば、ネットワーク装置に決定部とを備える構成としたため、サーバ装置側の構成を簡略にすると共に、サーバ装置の負荷を軽減させることができる。
【0019】
[適用例11]
ネットワークシステムであって、適用例1から7のいずれか一項記載のネットワーク装置と、サーバ装置と、を備え、前記ネットワーク装置は、さらに、複数の前記固有情報と、最新のファイル情報とが対応付けられた更新情報を記憶する記憶部と、前記クライアント装置から取得した前記固有情報に基づいて、前記更新情報から前記推奨ファイルの情報を決定し、決定した前記推奨ファイルの情報を、前記推奨情報取得部へ送信する決定部と、を備える、ネットワークシステム。
このようにすれば、ネットワーク装置に更新情報を記憶する記憶部と、決定部とを備える構成としたため、ネットワーク装置単体で、クライアント装置にファイルのダウンロードを案内することができる。
【0020】
[適用例12]
適用例11記載のネットワークシステムであって、前記サーバ装置は、さらに、前記更新情報に変化が生じた場合に、前記変化の内容を前記ネットワーク装置に通知する変化通知部を備え、前記ネットワーク装置は、さらに、取得した前記変化の内容に基づいて、前記記憶部内の前記更新情報を更新する変化更新部を備える、ネットワークシステム。
このようにすれば、ネットワーク装置の更新情報を最新の状態に保つことができる。
【0021】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、本発明は、ネットワーク装置、ネットワーク装置がクライアント装置に対してファイルのダウンロードを案内する案内方法、ネットワークシステム、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0024】
A.第1実施例:
A−1.システムの概略構成:
図1は、本発明の一実施例としてのネットワーク装置を用いたネットワークシステムの概略構成を示す説明図である。ネットワークシステム1000は、ネットワーク装置10と、サーバ装置20と、3台のクライアント装置30、40、50とを備えている。なお、以降では、サーバ装置のことを単に「サーバ」とも呼ぶ。また、クライアント装置30を「クライアント30」と、クライアント装置40を「クライアント40」と、クライアント装置50を「クライアント50」とも呼ぶ。また、クライアント30、40、50を総称して、単に「クライアント」とも呼ぶ。
【0025】
本実施例におけるネットワーク装置10は、IEEE802.11に準拠したアクセスポイント装置である。以降、ネットワーク装置10を「AP10」とも呼ぶ。AP10は、有線ケーブルを介してインターネットINTに接続され、インターネットINTを経由してサーバ20に接続されている。また、AP10は、OSI参照モデル(OSI reference model)第3層のルータとしても機能し、クライアント30、40、50との間の無線通信および有線通信を中継することが可能である。
【0026】
本実施例におけるクライアント30、40は、IEEE802.11に準拠した無線通信インタフェースを備えるパーソナルコンピュータである。また、本実施例におけるクライアント50は、IEEE802.11に準拠した無線通信インタフェースを備える携帯端末である。
図1の例では、クライアント30はAP10と有線接続され、クライアント40、50はAP10と無線接続されている。クライアント30、40、50は、ルータとして機能するAP10により、同一のネットワークセグメント(ブロードキャストドメインBD)に所属する。クライアント30、40、50は、それぞれ、クライアントに固有の環境を特定するための情報である「固有情報」を持つ。固有情報には、例えば、クライアントに搭載されているネットワーク接続デバイス等のデバイスの名称、デバイスの仕向け先、クライアントにインストールされているオペレーティングシステムの種類やバージョン等のうちの少なくとも一部が含まれる。クライアントの固有情報は、後述の更新案内処理において、クライアントに適した推奨ファイルを案内するために使用される。
【0027】
A−2.ネットワーク装置の概略構成:
図2は、AP10およびサーバ20の概略構成を示す説明図である。
図2では、本実施例のAP10およびサーバ20の説明に必要ない構成部については図示を省略している。このことは、以降の図においても同様である。AP10は、CPU110と、無線通信インタフェース(I/F)120と、有線通信インタフェース(I/F)130と、RAM140と、フラッシュROM150とを備え、それぞれがバスにより相互に接続されている。
【0028】
CPU110は、フラッシュROM150に格納されているコンピュータプログラムをRAM140に展開して実行することにより、AP10を制御する。また、CPU110は、中継処理部111、装置情報取得部112、推奨情報取得部113、案内部114としての機能を実現する。
【0029】
中継処理部111は、受信パケットを宛先に応じて転送する中継処理を実行する。装置情報取得部112は、後述の更新案内処理において、同一のネットワークセグメントに所属するクライアントの固有情報を取得する。更新案内処理は、クライアントに推奨ファイルをダウンロードさせるための案内を行う処理である。なお、「推奨ファイル」とは、クライアントへのダウンロードが推奨されるファイルを意味する。「ファイル」には、ファームウェア等のプログラムや、マニュアル等のドキュメントファイルが含まれる。
【0030】
推奨情報取得部113は、更新案内処理において、クライアントの固有情報に対応した推奨ファイルの情報を取得する。案内部114は、更新案内処理において、推奨ファイルの情報に基づいて、推奨ファイルをクライアントにダウンロードさせるための案内を行う。本実施例における案内部114は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)を用いた案内を行う。このため、案内部114は、WEB(World Wide Web)サーバとしての機能を備えている。
【0031】
無線通信インタフェース120は、図示しない送受信回路を含み、アンテナを介して受信した電波の復調とデータの生成、および、アンテナを介して送信する電波の生成と変調を行う機能を有する。有線通信インタフェース130は、WAN側のインタフェースがインターネットINT側の回線と接続される。さらに、有線通信インタフェース130は、LAN側のインタフェースがクライアントと接続される。有線通信インタフェース130は、図示しないPHY/MACコントローラを含み、受信した信号の波形を整えるほか、受信した信号からMACフレームを取り出す機能を有する。
【0032】
フラッシュROM150には、装置情報記憶部151が含まれている。装置情報記憶部151は、更新案内処理において、装置情報取得部112が取得したクライアントの固有情報を、クライアント毎に記憶する。
【0033】
A−3.サーバの概略構成:
サーバ20は、CPU210と、有線通信インタフェース(I/F)220と、RAM230と、ハードディスク240と、ROM250とを備え、それぞれがバスにより相互に接続されている。
【0034】
CPU210は、ROM250に格納されているコンピュータプログラムをRAM230に展開して実行することにより、サーバ20を制御する。また、CPU210は、決定部211としての機能を実現する。決定部211は、更新案内処理において、AP10からの要求に基づいて推奨ファイルの情報を決定し、決定した推奨ファイルの情報をAP10へ送信する。
【0035】
有線通信インタフェース220は、インターネットINT側の回線と接続されるほか、有線ケーブルを通じて通信の相手方となるデバイスと接続されてもよい。有線通信インタフェース220は、図示しないPHY/MACコントローラを含み、受信した信号の波形を整えるほか、受信した信号からMACフレームを取り出す機能を有する。
【0036】
ハードディスク240には、更新情報データベース241と、ファームウェア(FW)セット242と、ドキュメント(DOC)セット243とが格納されている。更新情報データベース241は、複数の固有情報と、最新のファイルに関する説明とが対応付けられて格納されたデータベースである。なお、最新のファイルに関する説明を「ファイル情報」とも呼ぶ。更新情報データベース241は特許請求の範囲における「更新情報」に相当し、ハードディスク240は特許請求の範囲における「記憶部」に相当する。
【0037】
ファームウェアセット242は、クライアントに最新のファームウェアをインストールするための実行プログラムの集合である。ファームウェアセット242には、種々のデバイス毎、また、クライアントのOSおよびOSのバージョン毎、その他必要な区分に応じて、それぞれに対応する複数の実行プログラムが含まれている。なお、本実施例におけるファームウェアは、特定の機能を実現するために装置や機械等に組み込まれるプログラムを意味する。ドキュメントセット243は、マニュアル等のドキュメントファイルの集合である。ドキュメントセット243には、ファームウェアセット242毎、また、クライアントに搭載されているデバイス毎、ドキュメントファイルの作成・閲覧ソフトウェア毎、その他必要な区分に応じて、それぞれに対応する複数のドキュメントファイルが含まれている。なお、本実施例におけるドキュメントファイルは、種々の文書作成ソフトによって作成されたファイルでもよく、種々のマークアップ言語によって作成されたWEB上のドキュメントファイルでもよい。
【0038】
図3は、更新情報データベース241の一例を示す説明図である。更新情報データベース241は、複数の固有情報としての名称、仕向け、および対応OS、ならびに、最新のファイル情報としての種別、バージョン、およびファイルパスの情報が対応付けられて格納されたデータベースである。更新情報データベース241の1つのエントリが、1つのファイル情報を表している。更新情報データベース241は、サーバ20のハードディスク240内に予め格納されている。
【0039】
「名称」には、デバイスの名称が格納されている。デバイスの名称とは、デバイスの型番や、機器名等、デバイスを一意に特定可能な情報であればどのようなものでもよい。「仕向け」には、デバイスの仕向け先である国名が格納されている。「対応OS」には、当該エントリのファイルが対応している、オペレーティングシステムの種類が格納されている。換言すれば、対応OSには、当該エントリのファイルをインストール可能なオペレーティングシステムの種類が格納されている。
【0040】
「種別」には、当該エントリのファイルの用途を示す情報が格納されている。「バージョン」には、当該エントリのファイルのバージョンを示す数値が格納されている。「ファイルパス」には、サーバ20内において当該エントリのファイルが格納されている場所を示す情報が格納されている。すなわち、ファイルパスには、ファームウェアセット242内の特定ファームウェアや、ドキュメントセット243内の特定ドキュメントが格納されている場所を示す情報が格納されている。
【0041】
例えば、
図3のエントリE01のファイル情報は以下のようになる。
・A0001−Lという名称のデバイスに対応したファイル
・仕向け先が日本のデバイスに対応したファイル
・XP(Microsoft Windows XP)、および、Win7(Windows 7)に対応したファイル
・ファイルは、A機能対応ファームウェアのバージョン2.0
・ファイルの格納場所は、サーバ20の「C:\Program Files\XXX\JP\AA1」というフォルダ
・ファイルの名称は、「001.drv」
なお、「Windows」は登録商標である。また、ファイルパス中の「\」は、フォルダの階層の変化を示す記号である。
【0042】
なお、
図3では、ファイル情報として、ファームウェアとドキュメントの情報が含まれるものとしたが、その他のファイル情報が含まれてもよい。例えば、デバイスと関連する商品およびサービスの広告を表示させるためのファイル等が含まれてもよい。
【0043】
A−4.更新案内処理:
図4は、AP10で実行される更新案内処理の手順を示すシーケンス図である。以降では、AP10がクライアント30に対して更新案内処理を行う場合であって、固有情報として、(i)クライアント30に搭載されたネットワーク接続デバイスの名称と、(ii)ネットワーク接続デバイスの仕向け先と、(iii)クライアント30にインストールされているオペレーティングシステムの種類と、を使用する例について説明する。しかし、AP10は、クライアント40およびクライアント50に対しても同様の処理を行うことが可能である。また、固有情報としては、
図2で説明した種々の情報を使用することが可能である。
【0044】
本実施例における更新案内処理は、AP10の図示しない設定処理部とクライアント30との間で行われる通信設定処理が終了したことをトリガとして実行されるものとする。なお、通信設定処理は、クライアント30に対して、AP10と通信するための通信情報や暗号化情報を設定するための処理である。通信設定処理には、例えば、従来から知られたAOSS(AirStation One-Touch Secure System)や、AOSSを改良した処理や、WPS(Wi-Fi Protected Setup)等がある。また、「通信情報」とは、有線通信を確立するために必要な情報を意味する。通信情報は、有線通信においてはAP10のIPアドレス等、無線通信においてはAP10のBSSID(Basic Service Set Identifier)、ESSID(Extended Service Set Identifier)、SSID(Service Set Identifier)等がある。「暗号化情報」とは、無線LAN暗号化方式と、暗号化の際に用いられる鍵を意味する。暗号化情報は、WEP(Wired Equivalent Privacy)、WPA(Wi-Fi Protected Access)、WPA2−PSK(Wi-Fi Protected Access 2 Pre-Shared Key)等がある。
【0045】
クライアント30はAP10に対して通信設定処理の開始要求を送信する(ステップS100)。開始要求を受信したAP10の設定処理部は、通信設定処理を実行し、通信情報や暗号化情報を設定する(ステップS101)。その後、AP10の装置情報取得部112は、クライアント30からクライアントの固有情報を取得し、装置情報記憶部151に記憶させる(ステップS102)。具体的には、装置情報取得部112は、取得したクライアント30の固有情報を、クライアント30を特定可能な情報(例えばクライアント30の識別子等)と関連付けて、フラッシュROM150の装置情報記憶部151に記憶させる。
【0046】
推奨情報取得部113は、サーバ20に対して推奨ファイルの情報を取得するための問い合わせを行う(ステップS104)。具体的には、推奨情報取得部113は、サーバ20の決定部211に対して、装置情報記憶部151に記憶されているクライアント30の固有情報を含む推奨ファイル取得要求を送信する。
【0047】
推奨ファイル取得要求を受信したサーバ20の決定部211は、要求に含まれる固有情報に基づいて更新情報データベース241(
図3)に基づいて推奨ファイルの情報を決定する(ステップS105)。具体的には、決定部211は、更新情報データベース241の名称フィールドの値が要求に含まれるネットワーク接続デバイスの名称と一致し、更新情報データベース241の仕向けフィールドの値が要求に含まれるネットワーク接続デバイスの仕向け先と一致し、更新情報データベース241の対応OSフィールドの値が要求に含まれるオペレーティングシステムの種類と一致するエントリを検索する。そして、決定部211は、検索の結果一致した全てのエントリの内容を、推奨ファイルの情報としてAP10の推奨情報取得部113へ送信する(ステップS106)。
【0048】
例えば、クライアント30の固有情報に含まれるネットワーク接続デバイスの名称がA0001−Lであり、ネットワーク接続デバイスの仕向け先が日本であり、オペレーティングシステムの種類がXPであった場合、決定部211は、更新情報データベース241のエントリE01、E02、E03を推奨ファイルの情報として、推奨情報取得部113へ送信する。この場合、更新情報データベース241のエントリE01、E02、E03のバージョンフィールドの値から、全てのファイルのバージョンが2.0であることがわかる。このため、推奨ファイルの情報は、既存ファームウェアおよびドキュメントの更新を案内する情報であることがわかる。さらに、例えば、固有情報に含まれるネットワーク接続デバイスの名称がA0002−Lであり、ネットワーク接続デバイスの仕向け先が日本であり、オペレーティングシステムの種類がWin7であった場合、決定部211は、更新情報データベース241のエントリE04、E05、E06を推奨ファイルの情報として、推奨情報取得部113へ送信する。この場合、更新情報データベース241のエントリE04、E05、E06のバージョンフィールドの値から、全てのファイルのバージョンが1.0であることがわかる。このため、推奨ファイルの情報は、ファームウェアおよびドキュメントの新規ダウンロードを案内する情報となる。なお、例えば、固有情報に含まれるネットワーク接続デバイスの名称がA0001−Lであり、ネットワーク接続デバイスの仕向け先がヨーロッパであり、オペレーティングシステムの種類がXPであった場合、決定部211は、推奨ファイルの情報として空値(NULL値)を推奨情報取得部113へ送信する。
【0049】
推奨ファイルの情報を取得した推奨情報取得部113は、取得した推奨ファイルの情報を、クライアント30を特定可能な情報と関連付けてフラッシュROM150に記憶させる(ステップS107)。なお、ステップS104〜S107の一連の処理は、任意のタイミングで実行可能である。例えば、ステップS104〜S107は、上述のようにクライアントの固有情報を取得した直後(ステップS102の実行直後)に実行されてもよい。また、ステップS104〜S107は、例えば夜間等のインターネットINTやサーバ20の処理負荷が軽いと想定される時間に実行されてもよい。
【0050】
AP10の案内部114は、クライアント30がネットワークに接続しようとしたことをトリガとして、推奨ファイルの有無を判定する。具体的には、案内部114は、クライアント30から取得した任意のWEBページ閲覧のための要求(HTTPリクエスト)を受信した際に、IPアドレスやデフォルトゲートウェイ、DNS(Domain Name System)サーバアドレスを取得(自身に偽装)させる(ステップS110)。そして、案内部114は、フラッシュROM150を検索し、クライアント30に対応する推奨ファイルの情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS111)。
【0051】
対応する推奨ファイルの情報が記憶されている場合、案内部114は案内表示用情報を生成し、クライアント30へ送信する(ステップS112)。具体的には、案内部114は、クライアント30から取得したHTTPリクエストに対して、案内表示画面を含むHTTPレスポンス(案内表示用情報)を生成し、生成したHTTPレスポンスをクライアント30へ送信する。上述のように案内部114は、DNSサーバアドレスを自身に偽装させることで、クライアント30から受信したHTTPリクエストの内容には関係なく、一律に案内表示画面を含むHTTPレスポンス(案内表示用情報)を生成・送信する。
【0052】
図5は、ステップS112によりクライアント30のWEBブラウザに表示される案内表示画面の一例である。案内表示画面W1には、クライアント30に搭載されているネットワーク接続デバイスに対応した最新のファームウェアがある旨の表示MG1と、推奨ファイルの一覧LT1と、チェックボックスCK1と、キャンセルボタンB11と、インストールボタンB12とが配置されている。
【0053】
推奨ファイルの一覧LT1には、推奨情報取得部113が、
図4のステップS104において取得した推奨ファイルの情報の抜粋が表示されている。
図5の例では、推奨ファイルの情報の抜粋として、名称フィールドの値と、種別フィールドの値と、バージョンフィールドの値が表示されている。推奨ファイルの一覧LT1の各ファイルには、チェックボックスCK1が対応付けられて表示されている。
【0054】
クライアント30の利用者は、推奨ファイルの一覧LT1に表示されている各ファイルのうち、クライアント30へのダウンロードを希望するファイルのチェックボックスCK1にチェックを付し、インストールボタンB12を押下する。案内表示画面W1は、インストールボタンB12押下により、サーバ20に接続して、チェックボックスCK1にチェックが付されたファイルをクライアント30にダウンロードさせるように構成されている。このようにすれば、案内部114は、推奨ファイルが複数存在する場合には、クライアントからダウンロードの対象とするファイルの選択を受け付けることができるため、クライアントにおける利便性を向上することができる。
【0055】
なお、サーバ20からクライアント30へのファイルのダウンロードは種々の方法を利用可能である。例えば、HTTPを用いてもよいし、FTP(File Transfer Protocol)を用いてもよい。また、ダウンロードされたファイルは、ファイルの形式に応じて、自動解凍や自動インストールされてもよい。
【0056】
なお、
図4のステップS111において、対応する推奨ファイルの情報が記憶されていない場合、案内部114は更新案内処理を終了させる。なお、この場合、クライアント30から取得したHTTPリクエストに対しては、リクエスト内容に沿ったHTTPレスポンスが送信されることとなる。また、クライアント40がAP10に対して通信設定処理の開始要求を送信した場合(
図4、ステップS200)、クライアント40とAP10との間で、上述の通信設定処理(ステップS101)および更新案内処理(ステップS102〜S112)が実行される。クライアント50がAP10に対して通信設定処理の開始要求を送信した場合も同様である。
【0057】
以上のように、第1実施例によれば、案内部114はクライアント30、40、50(クライアント装置)がAP10(ネットワーク装置)を介してネットワークに接続しようとした場合に、クライアントに推奨ファイルをダウンロードさせるための案内表示画面W1(案内表示)を生成し、案内表示画面W1をクライアントに表示させる。このため、AP10は、クライアントからの推奨ファイルダウンロードのための明示的な操作を必要とせず、クライアントにファイルのダウンロードを案内することができる。
【0058】
具体的には、AP10の案内部114は、クライアント30、40、50(クライアント装置)から取得した任意のWEBページ閲覧のための要求、すなわちHTTPリクエストに対して案内表示画面W1(案内表示)を生成し、要求に対する応答として生成した案内表示画面W1を送信するため、クライアントがHTTPリクエストを発したことをトリガとして、クライアントにファイルのダウンロードを案内することができる。すなわち、AP10は、WEBページ閲覧のための要求を、推奨ファイルダウンロードのための要求に差し替えて取り扱う。このため、AP10は、クライアントからの推奨ファイルダウンロードのための明示的な操作を必要とせず、クライアントにファイルのダウンロードを案内することができる。
【0059】
また、第1実施例によれば、AP10が、AP10に接続されている他のデバイスすなわちクライアントに代行して、ファイルの更新を確認し、クライアント案内することができる。この結果、AP10が、自身に接続されている同一のネットワークセグメントに所属するクライアントのファイルを一元的に管理することができる。従って、例えば、AP10が案内部114における案内表示画面W1の内容や、案内表示画面W1の実行結果等のログをフラッシュROM150内に格納しておくこととすれば、AP10の管理者は、AP10に接続されているクライアントのファイルの状況/更新状況をまとめて把握することができる。
【0060】
さらに、第1実施例によれば、装置情報取得部112は、クライアント30、40、50(クライアント装置)とAP10(ネットワーク装置)との間で行われる通信設定処理の中においてクライアントの固有情報を取得する。このため、AP10は、クライアントからの明示的な操作を必要とせず、クライアントの固有情報を取得することができる。
【0061】
さらに、第1実施例によれば、AP10(ネットワーク装置)は、記憶部に記憶された固有情報を用いてクライアント30、40、50(クライアント装置)にファイルのダウンロードを案内することができる。従って、AP10は、処理の都度、クライアントから固有情報を取得することを回避することができる。
【0062】
なお、AP10は、
図4の手順と同様の手順でAP10自身の固有情報を取得し、AP10の固有情報に応じた推奨ファイルの情報をサーバ20から取得してもよい。この場合、AP10は、AP10用の推奨ファイルの情報を、ステップS108でクライアント30に表示される案内表示画面W1の中に含めて表示させることとしてもよい。また、AP10は、AP10用の推奨ファイルの情報を、例えばフラッシュROM150内に保存されている図示しないログに格納してもよい。また、AP10は、AP10用の推奨ファイルの情報から導かれるファイルを自動的にダウンロードすることとしてもよい。このようにすれば、AP10は、クライアントにファイルのダウンロードを案内すると共に、自身に対するファイルのダウンロードも可能とすることができる。
【0063】
B.第2実施例:
本発明の第2実施例では、クライアントにファームウェアとドキュメントのダウンロードを案内することに加えて、さらに、クライアントにソフトウェアのダウンロードを案内することが可能な構成について説明する。以下では、第1実施例と異なる構成および動作を有する部分についてのみ説明する。なお、図中において第1実施例と同様の構成部分については先に説明した第1実施例と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0064】
B−1.システムの概略構成:
第2実施例におけるネットワークシステムの概略構成は、
図1に示した第1実施例とほぼ同様である。第2実施例におけるネットワークシステムでは、AP10に代えてAP10aを、サーバ20に代えてサーバ20aを備えている。
【0065】
B−2.ネットワーク装置の概略構成:
図6は、第2実施例におけるAP10aおよびサーバ20aの概略構成を示す説明図である。第2実施例におけるAP10aについて、第1実施例のAP10との違いは、CPU110に代えてCPU110aを備える点である。CPU110aは、装置情報取得部112に代えて装置情報取得部112aを、推奨情報取得部113に代えて推奨情報取得部113aを、案内部114に代えて案内部114aを、それぞれ備えている。装置情報取得部112a、推奨情報取得部113a、および案内部114aは、更新案内処理における処理内容が第1実施例と異なる。詳細は後述する。
【0066】
B−3.サーバの概略構成:
第2実施例におけるサーバ20aについて、第1実施例のサーバ20との違いは、CPU210に代えてCPU210aを備える点と、ハードディスク240に代えてハードディスク240aを備える点である。CPU210aは、決定部211に代えて決定部211aを備えている。決定部211aは、更新案内処理における処理内容が第1実施例と異なる。詳細は後述する。ハードディスク240aは、更新情報データベース241に代えて更新情報データベース241aを備えると共に、さらに、ソフトウェア(SW)セット244を備えている。ソフトウェアセット244は、クライアントに最新のソフトウェアをインストールするための実行プログラムの集合である。ソフトウェアセット244には、種々のソフトウェア毎、また、クライアントのOSおよびOSのバージョン毎、その他必要な区分に対応した複数の実行プログラムが含まれている。なお、本実施例におけるソフトウェアは、狭義のソフトウェアを指し、コンピュータシステム(CPU,ROM,RAM)上で特定の処理を行うプログラムを意味する。
【0067】
図7は、第2実施例における更新情報データベース241aの一例を示す説明図である。更新情報データベース241aには、
図3に示した各エントリに加えてさらに、
図7に示す各エントリが含まれている。なお、図示の都合上、
図7では
図3で標記したエントリの記載を一部省略している。更新情報データベース241aの各項目の意味は、第1実施例と同様である。
【0068】
例えば、
図7のエントリE21のファイル情報は以下のようになる。
・A0001−Lという名称のデバイスに対応したファイル
・仕向け先が日本のデバイスに対応したファイル
・Me(Windows Me)、XP(Microsoft Windows XP)、および、Win7(Windows 7)に対応したファイル
・ファイルは、接続ツール(ソフトウェア)のバージョン2.0
・ファイルの格納場所は、サーバ20aの「C:\Program Files\XXX\JP\1BB」というフォルダ
・ファイルの名称は、「101.exe」
【0069】
このように、第2実施例における「ファイル」には、ファームウェア等のプログラムや、マニュアル等のドキュメントファイル、および、ソフトウェア等のプログラムが含まれる。
【0070】
B−4.更新案内処理:
第2実施例における更新案内処理の手順は、
図4で示した第1実施例と同じである。以降、各手順内における具体的な処理が異なる部分について説明する。また、以降では、AP10aがクライアント30に対して更新案内処理を行う場合であって、固有情報として、クライアント30に搭載されたネットワーク接続デバイスの名称と、ネットワーク接続デバイスの仕向け先と、クライアント30にインストールされているオペレーティングシステムの種類に加えて、さらに、クライアント30にインストールされているプログラムであってネットワーク接続デバイスに関連するプログラムの名称と、当該プログラムのバージョンと、当該プログラムの使用頻度と、を使用する例について説明する。
【0071】
第2実施例のステップS102(
図4)において、AP10aの装置情報取得部112aは、クライアントの固有情報を取得し、装置情報記憶部151に記憶させる。具体的には、装置情報取得部112aは、固有情報のうち、(i)クライアント30に搭載されたネットワーク接続デバイスの名称と、(ii)ネットワーク接続デバイスの仕向け先、および、(iii)クライアント30にインストールされているオペレーティングシステムの種類については、第1実施例と同様の手順により取得する。
【0072】
また、装置情報取得部112aは、固有情報のうち、(iv)クライアント30にインストールされているプログラムの名称と、(v)プログラムのバージョンと、(vi)プログラムの使用頻度について取得するための要求を、クライアントに予めインストールされている解析プログラムに対して送信する。クライアント30内の解析プログラムは、例えば、クライアント30のレジストリキーに作られたアプリケーションのキーの値を参照することでプログラムの名称と、プログラムのバージョンと、プログラムの使用頻度とを取得し、AP10aの装置情報取得部112aへ送信する。なお、解析プログラムは、固有情報を取得可能な限りにおいて、任意の手段を採用可能である。
【0073】
装置情報取得部112aは、上述のようにして取得したクライアント30の固有情報を、クライアント30を特定可能な情報と関連付けて、フラッシュROM150の装置情報記憶部151に記憶させる。
【0074】
第2実施例のステップS104(
図4)において、推奨情報取得部113aは、サーバ20aに対して推奨ファイル取得要求を送信する。推奨ファイル取得要求を受信したサーバ20aの決定部211aは、要求に含まれる固有情報に基づいて更新情報データベース241a(
図7)から推奨ファイルの情報を決定する(ステップS105)。具体的には、決定部211aは、更新情報データベース241aの名称フィールドの値が要求に含まれるネットワーク接続デバイスの名称と、更新情報データベース241aの仕向けフィールドの値が要求に含まれるネットワーク接続デバイスの仕向け先と、更新情報データベース241aの対応OSフィールドの値が要求に含まれるオペレーティングシステムの種類と、それぞれ一致するエントリを検索する。
【0075】
さらに、決定部211aは、検索の結果一致したエントリの中から、種別フィールドの値が要求に含まれるプログラムの名称と一致し、かつ、バージョンフィールドの値が要求に含まれるプログラムのバージョンと一致するエントリを除外する。このようにすれば、決定部211aは、クライアント30内に既にインストールされているプログラムを、推奨ファイルから除外することができる。そして、決定部211aは、上記処理の結果残ったエントリの内容を、推奨ファイルの情報としてAP10aの推奨情報取得部113aへ送信する(ステップS106)。
【0076】
例えば、クライアント30の固有情報に含まれるネットワーク接続デバイスの名称がA0001−Lであり、ネットワーク接続デバイスの仕向け先が日本であり、オペレーティングシステムの種類がXPであり、クライアント30にインストールされているプログラムの名称がA0001−L接続ツールであり、プログラムのバージョンが1.0であり、プログラムの使用頻度「低」である場合、決定部211aは、更新情報データベース241aのエントリE01、E02、E03に加えて、さらに、E21、E22、E23を推奨ファイルの情報として、推奨情報取得部113aへ送信する。この場合、各エントリのバージョンフィールドの値から、バージョンが1.0のファイルと2.0のファイルとが混在していることがわかる。このため、推奨ファイルの情報は、既存ファームウェアおよびドキュメントの更新を案内すると共に、既にクライアント30にインストールされているA0001−L接続ツールというソフトウェアおよび付属ドキュメントの更新を案内し、さらに、未だクライアント30にインストールされていないA0001−Lトラブル診断ツールというソフトウェアの新規ダウンロードを案内する情報となる。
【0077】
第2実施例のステップS104(
図4)において、推奨ファイルの情報を取得した推奨情報取得部113aは、取得した推奨ファイルの情報を、クライアント30を特定可能な情報と関連付けてフラッシュROM150に記憶させる(ステップS107)。なお、ステップS104〜S107が任意のタイミングで実行可能であることは、第1実施例と同様である。
【0078】
第2実施例のステップS110、S111(
図4)において、AP10aの案内部114aは、クライアント30がネットワークに接続しようとしたことをトリガとして、推奨ファイルの有無を判定する。詳細は第1実施例と同様である。
【0079】
図8は、第2実施例のステップS112によりクライアント30のWEBブラウザに表示される案内表示画面の一例である。案内表示画面W2には、クライアント30に搭載されているネットワーク接続デバイスに対応した最新のファームウェアがある旨の表示MG1と、推奨ファイルの一覧LT1と、キャンセルボタンB11と、インストールボタンB12とに加えて、さらに、クライアント30に搭載されているネットワーク接続デバイスに対応したソフトウェアがある旨の表示MG2と、推奨ファイルの一覧LT2と、チェックボックスCK2とが配置されている。
【0080】
推奨ファイルの一覧LT1には、推奨情報取得部113aが、第2実施例のステップS104(
図4)において取得した推奨ファイルの情報のうち、ファームウェアとこれに付随するドキュメントに関する情報の抜粋が表示されている。推奨ファイルの一覧LT1の各ファイルには、チェックボックスCK1が対応付けられて表示されている。推奨ファイルの一覧LT2には、推奨情報取得部113aが、第2実施例のステップS104(
図4)において取得した推奨ファイルの情報のうち、ソフトウェアとこれに付随するドキュメントに関する情報の抜粋が表示されている。
図8の例では、推奨ファイルの情報の抜粋として、名称フィールドの値と、種別フィールドの値と、バージョンフィールドの値と、固有情報に含まれる使用頻度とが表示されている。なお、固有情報が取得できなかったソフトウェアに関しては、使用頻度は空値である。また、推奨ファイルの一覧LT2の各ファイルには、チェックボックスCK2が対応付けられて表示されている。
【0081】
クライアント30の利用者は、推奨ファイルの一覧LT1、LT2の表示されている各ファイルのうち、クライアント30へのダウンロードを希望するファイルのチェックボックスCK1、CK2にチェックを付し、インストールボタンB12を押下する。案内表示画面W2は、インストールボタンB12押下により、サーバ20aに接続して、チェックボックスCK1、CK2にチェックが付されたファイルをクライアント30にダウンロードするように構成されている。また、ダウンロードされたファイルは、ファイルの形式に応じて、自動解凍や自動インストールされてもよい。
【0082】
以上のように、第2実施例によっても、第1実施例と同様の効果を得ることができる。さらに、第2実施例では、「ファイル」には、ファームウェア等のプログラムや、マニュアル等のドキュメントファイルに加えて、さらに、ソフトウェア等のプログラムが含まれる。従って、案内部114aは、ファームウェア、ソフトウェア、およびこれらに付随するドキュメントをダウンロードさせるための案内表示をクライアント30、40、50(クライアント装置)に表示させることができる。この結果、クライアントの利用者に対する利便性を向上させることができる。
【0083】
C.第3実施例:
本発明の第3実施例では、決定部が実行する処理をAP側にて行う構成について説明する。以下では、第1実施例と異なる構成および動作を有する部分についてのみ説明する。なお、図中において第1実施例と同様の構成部分については先に説明した第1実施例と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0084】
C−1.システムの概略構成:
第3実施例におけるネットワークシステムの概略構成は、
図1に示した第1実施例とほぼ同様である。第3実施例におけるネットワークシステムでは、AP10に代えてAP10bを、サーバ20に代えてサーバ20bを備えている。
【0085】
C−2.ネットワーク装置の概略構成:
図9は、第3実施例におけるAP10bおよびサーバ20bの概略構成を示す説明図である。第3実施例におけるAP10bについて、第1実施例のAP10との違いは、CPU110に代えてCPU110bを備える点である。CPU110bは、推奨情報取得部113に代えて推奨情報取得部113bを備え、さらに、更新情報取得部115と、決定部116とを備えている。詳細は後述する。
【0086】
C−3.サーバの概略構成:
第3実施例におけるサーバ20bについて、第1実施例のサーバ20との違いは、CPU210に代えてCPU210bを備える点である。CPU210bは、決定部211を備えない点のみ、第1実施例と異なる。
【0087】
C−4.更新案内処理:
図10は、第3実施例における更新案内処理の手順を示すシーケンス図である。
図4に示した第1実施例との違いは、ステップS104〜S106に代えてステップS300〜S304を備える点のみである。なお、固有情報の内容は第1実施例と同じである。また、
図10では、クライアント40やクライアント50に対する処理(
図4のステップS200以降に相当する部分)については、図示を省略した。
【0088】
第3実施例における更新案内処理(
図10)では、推奨情報取得部113bは、決定部116に対して推奨ファイル取得要求を送信し、推奨ファイルの情報を取得する。具体的には、推奨情報取得部113bは、決定部116に対して推奨ファイル取得要求を送信する(ステップS300)。推奨ファイル取得要求を受信した決定部116は、更新情報取得部115に対して、更新情報取得要求をサーバ20bへ送信するよう指示する。なお、「更新情報」とは、更新情報データベース241の一部または全部のエントリの内容である。更新情報は、決定部116が推奨ファイルを決定するために用いられる。
【0089】
指示を受信した更新情報取得部115は、装置情報記憶部151に記憶されているクライアント30の固有情報のうちの少なくとも一部を含む更新情報取得要求をサーバ20bへ送信する(ステップS301)。なお、更新情報取得要求に含まれる固有情報は、サーバ20bの負荷を過剰に増大させない限りにおいて、任意に設定することができる。例えば、更新情報取得要求にネットワーク接続デバイス等のデバイスの名称(固有情報)を含めることとすれば、サーバ20bから受信する更新情報をある程度絞り込むことができ、AP10bとサーバ20bとの間の通信トラフィックを抑制することができる。
【0090】
更新情報取得要求を受信したサーバ20bは、要求に含まれる固有情報に基づいて更新情報データベース241(
図3)から更新情報を決定する(ステップS302)。例えば、要求に含まれる固有情報がネットワーク接続デバイス等のデバイスの名称である場合、サーバ20bは、更新情報データベース241の名称フィールドの値が要求に含まれるネットワーク接続デバイスの名称と一致するエントリを検索する。そして、サーバ20bは、検索の結果一致した全てのエントリの内容を、更新情報としてAP10bの更新情報取得部115へ送信する。更新情報を取得した更新情報取得部115は、取得した更新情報を決定部116へ送信する(ステップS303)。
【0091】
図10のステップS303において更新情報を取得した決定部116は、取得した更新情報と、装置情報記憶部151に記憶されているクライアント30の固有情報とに基づいて推奨ファイルの情報を決定する(ステップS304)。具体的には、決定部116は、取得した更新情報の名称フィールドの値がクライアント30の固有情報のネットワーク接続デバイスの名称と一致し、取得した更新情報の仕向けフィールドの値がクライアント30の固有情報のネットワーク接続デバイスの仕向け先と一致し、取得した更新情報の対応OSフィールドの値がクライアント30の固有情報のオペレーティングシステムの種類と一致する情報を検索する。そして、決定部116は、検索の結果一致した全ての情報の内容を、推奨ファイルの情報として推奨情報取得部113bへ送信する。
【0092】
以上のように、第3実施例によっても、第1実施例と同様の効果を得ることができる。さらに、第3実施例では、AP10b(ネットワーク装置)に、サーバ20b(サーバ装置)から更新情報を取得する更新情報取得部115と、取得した更新情報から推奨ファイルの情報を決定する決定部116とを備える構成としたため、サーバ20b側の構成を簡略にすると共に、第1実施例と比較してサーバ20bの負荷を軽減させることができる。この結果、サーバ20bに代えてNAS(Network Attached Storage)やAP10bの外付けハードディスクなどを採用することもできる。
【0093】
D.第4実施例:
本発明の第4実施例では、AP単体で更新案内処理が実行可能な構成について説明する。以下では、第1実施例と異なる構成および動作を有する部分についてのみ説明する。なお、図中において第1実施例と同様の構成部分については先に説明した第1実施例と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0094】
D−1.システムの概略構成:
第4実施例におけるネットワークシステムの概略構成は、
図1に示した第1実施例とほぼ同様である。第4実施例におけるネットワークシステムでは、AP10に代えてAP10cを、サーバ20に代えてサーバ20cを備えている。
【0095】
D−2.ネットワーク装置の概略構成:
図11は、第4実施例におけるAP10cおよびサーバ20cの概略構成を示す説明図である。第4実施例におけるAP10cにおいて、第1実施例のAP10との違いは、CPU110に代えてCPU110cを備える点と、フラッシュROM150に代えてフラッシュROM150cを備える点である。CPU110cは、推奨情報取得部113に代えて推奨情報取得部113cを備え、さらに、決定部116cと、変化更新部117とを備えている。推奨情報取得部113c、および決定部116cは、更新案内処理における処理内容が第1実施例と異なる。詳細は後述する。変化更新部117は、フラッシュROM150cの内容を最新に保つ。詳細は後述する。
【0096】
フラッシュROM150cは、装置情報記憶部151に加え、さらに、更新情報データベース152と、ファームウェアセット153と、ドキュメントセット154とを備えている。更新情報データベース152には、
図2および
図3で説明した更新情報データベース241と同様の内容が格納されている。ファームウェアセット153には
図2で説明したファームウェアセット242と同様の内容が、ドキュメントセット154には
図2で説明したファームウェアセット242と同様の内容が、それぞれ格納されている。なお、本実施例においては、更新情報データベース152が許請求の範囲における「更新情報」に相当し、フラッシュROM150cが特許請求の範囲における「記憶部」に相当する。
【0097】
D−3.サーバの概略構成:
第4実施例におけるサーバ20cについて、第1実施例のサーバ20との違いは、CPU210に代えてCPU210cを備える点である。CPU210cは、決定部211に代えて変化通知部212を備えている。
【0098】
変化通知部212について説明する。サーバ20cの変化通知部212は、AP10cの変化更新部117と協働することによって、サーバ20cのハードディスク240内に格納されている更新情報データベース241、ファームウェアセット242、ドキュメントセット243の内容と、AP10cのフラッシュROM150c内に格納されている更新情報データベース152、ファームウェアセット153、ドキュメントセット154の内容との整合を図る。具体的には、変化通知部212は、更新情報データベース241と、ファームウェアセット242と、ドキュメントセット243との少なくともいずれかに変化が生じた場合に、変化が生じた旨と変化の内容とをAP10cの変化更新部117へ通知する。ここでいう「変化」とは、更新情報データベース241内のエントリの追加、削除、変更や、更新情報データベース241内のテーブル構成の変更や、ファームウェアセット242およびドキュメントセット243を構成するファイルの追加、削除、変更、フォルダ構成の変更等、あらゆる変更を意味する。変化更新部117は、受信した変化の内容に応じて、更新情報データベース152と、ファームウェアセット153と、ドキュメントセット154とのうち、必要な部分の情報を更新する。
【0099】
D−4.更新案内処理:
第4実施例における更新案内処理の手順は、
図4で説明した第1実施例と同じである。以降、各手順内における具体的な処理が異なる部分について説明する。なお、固有情報の内容は第1実施例と同じである。
【0100】
第4実施例のステップS102(
図4)は第1実施例と同じである。
【0101】
第4実施例のステップS104(
図4)において、推奨情報取得部113cは、サーバ20cに代えて決定部116cに対して、推奨ファイルの情報を取得するための問い合わせを行う。具体的には、まず、推奨情報取得部113cは、決定部116cに対して推奨ファイル取得要求を送信する。推奨ファイル取得要求を受信した決定部116cは、フラッシュROM150cの装置情報記憶部151に記憶されている固有情報に基づいて更新情報データベース152から推奨ファイルの情報を決定する(ステップS105)。詳細は、「更新情報データベース241」を「更新情報データベース152」と読み代えれば、第1実施例のステップS104と同様である。決定部116cは、検索の結果一致した全てのエントリの情報を、推奨ファイルの情報として推奨情報取得部113cへ送信する(ステップS106)。推奨ファイルの情報を取得した推奨情報取得部113cは、取得した推奨ファイルの情報を、クライアント30を特定可能な情報と関連付けてフラッシュROM150cに記憶させる(ステップS107)。
【0102】
以上のように、第4実施例によっても、第1実施例と同様の効果を得ることができる。さらに、第4実施例では、AP10c(ネットワーク装置)に、更新情報データベース152(更新情報)を記憶するフラッシュROM150c(記憶部)と、更新情報データベース152から推奨ファイルの情報を決定する決定部116cとを備える構成としたため、AP10c単体で更新案内処理を実行することができる。従って、サーバ20cが停止している場合であっても、AP10cでは更新案内処理を実行することが可能となる。
【0103】
さらに、第4実施例では、サーバ20c(サーバ装置)側に変化の内容を通知する変化通知部212を備え、AP10c(ネットワーク装置)側に変化の内容を反映する変化更新部117を備える構成としたため、AP10cのフラッシュROM150c(記憶部)内の内容(更新情報データベース152、ファームウェアセット153、ドキュメントセット154)を、最新の状態に保つことができる。また、変化通知部212と変化更新部117による「整合を図る処理」を、例えば夜間等のトラフィックの低い時間帯に行うこととすれば、AP10cとサーバ20cとの間の通信トラフィックの集中を避けることができ、さらに、AP10cとサーバ20cの負荷を分散させることができる。
【0104】
E.変形例:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。その他、以下のような変形も可能である。
【0105】
・変形例1:
上記実施例では、ネットワーク装置としてアクセスポイント(AP)を用いるとし、APの構成について説明した。しかし、上記実施例におけるネットワーク装置の構成はあくまで一例であり、任意の態様を採用することができる。例えば、構成要素の一部を省略したり、更なる構成要素を付加したり、構成要素の一部を変更したりする変形が可能である。
【0106】
例えば、ネットワーク装置には種々のデバイスを採用することができる。例えば、ネットワーク装置は、ルータ、ブリッジ、モデム等のネットワーク通信機器であってもよく、NAS(Network Attached Storage)等の記憶装置であってもよく、デジタルカメラ、プリンタ、ネットワークディスプレイ、スキャナ等の画像入出力機器であってもよい。なお、ネットワーク装置をブリッジとして構成する場合、「同一のネットワークセグメント」とは、コリジョンドメインを意味する。
【0107】
例えば、装置情報や更新情報データベース等の情報は、APのフラッシュROMに格納されるものとして説明した。しかし、これらの情報は、フラッシュROM以外の記憶媒体に格納されてもよい。例えば、APはUSB(Universal Serial Bus)インタフェースを備えるものとし、上記各テーブルは、USBメモリやUSBハードディスク等の着脱可能な記憶媒体に格納されているものとしてもよい。
【0108】
・変形例2:
上記実施例では、クライアントとしてパーソナルコンピュータ(PC)を用いるとし、PCの構成について説明した。しかし、上記実施例におけるクライアントの構成はあくまで一例であり、任意の態様を採用することができる。例えば、構成要素の一部を省略したり、更なる構成要素を付加したり、構成要素の一部を変更したりする変形が可能である。
【0109】
例えば、クライアントにはPC以外の種々のデバイスを採用することができる。例えば、クライアントは、イーサネットコンバータ(イーサネットは登録商標)、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)、ゲーム機、オーディオプレーヤー、プリンタ、テレビ等であってもよい。
【0110】
・変形例3:
上記実施例では、更新情報データベースの構成を説明した。しかし、更新情報データベースの構成はあくまで一例であり、任意の態様を採用することができる。例えば、例示したフィールドの一部を省略したり、更なるフィールドを付加したり、フィールドの一部を変更したりする変形が可能である。また、複数のテーブルに分割しても良い。
【0111】
例えば、更新情報データベースには、各ファイルの更新履歴や、各ファイルの簡単な説明を設けることとしてもよい。例えば、推奨ファイルの情報に対して各ファイルの簡単な説明を加え、これを案内表示画面に表示させることとすれば、クライアントの利用者は、ダウンロードを推奨されているファイルがどのような内容であるかを簡単に知ることができる。
【0112】
・変形例4:
上記実施例では、更新案内処理について、処理の手順の一例を挙げて説明した。しかし、上記実施例の手順はあくまで一例であり、種々の変更が可能である。一部のステップを省略してもよいし、更なる他のステップを追加してもよい。また、実行されるステップの順序を変更してもよい。
【0113】
例えば、
図4のステップS110の「クライアントがネットワークに接続しようとした」ことを判定するための方法は、種々の変更が可能である。例えば、案内部は、クライアントから取得した任意の外部デバイスに対するメール送信要求(SMTPリクエスト)を、ステップS110開始のトリガとしてもよい。なお、この場合、ステップS112において案内部は、WEBブラウザに対する案内表示に変えて、電子メール送信による案内表示を行うことができる。
【0114】
例えば、
図4のステップS112において案内部は、HTTPリクエストに対して案内表示画面を含むHTTPレスポンスを生成し、クライアント30へ送信すること、すなわち、WEB閲覧用ソフトウェアを介してクライアントにダウンロードの案内を行うものとした。しかし、案内部は、種々の方法でクライアントにダウンロードの案内を行うことができる。例えば、案内部は、クライアントに予めインストールされ、常駐している案内専用のアプリケーション(以降「案内アプリ」とも呼ぶ。)を介してダウンロードの案内をしてもよい。案内アプリを用いる場合、
図4のステップS112において案内部は、案内アプリに対して、ポップアップ表示要求と、案内表示画面W1内で説明した各項目とを送信する。要求を受信したクライアントの案内アプリは、受信した表示項目に沿ったポップアップ表示を、クライアントの図示しないディスプレイに対して表示させる。このようにすれば、ネットワーク装置からクライアントに対して、ダウンロードの案内をプッシュ通知することができる。また、例えば、案内部は、クライアントの筐体に設けられたLED(Light Emitting Diode)を点灯・点滅させることで、ダウンロードの案内をしてもよい。
【0115】
・変形例5:
上記実施例では、更新案内処理においてクライアント側に表示される画面の一例を挙げて説明した。しかし、上記実施例の画面はあくまで一例であり、種々の変更が可能である。一部の表示項目を省略してもよいし、更なる他の表示項目を追加してもよい。
【0116】
・変形例6:
上記第2実施例では、ソフトウェアセットには狭義の「ソフトウェア」をインストールするための実行プログラムの集合が含まれるものとした。しかし、第2実施例において、「ソフトウェア」を広義のソフトウェアと解釈することも可能である。この場合、ソフトウェアセットには、狭義のソフトウェアをインストールするための実行プログラムの集合と、ファームウェアをインストールするための実行プログラムの集合と、マニュアル等のドキュメントファイルの集合とが含まれることとなる。また、「ソフトウェア」を広義のソフトウェアと解釈したとき、ファームウェアセットおよびドキュメントセットについては省略可能である。
【0117】
・変形例7:
上記実施例では、第2、第3、第4実施例は、それぞれ第1実施例の変形として記載した。しかし、上記実施例の組み合わせはあくまで一例であり、種々の変形が可能である。例えば、第3実施例を第2実施例の変形として構成してもよい。また、第4実施例を第2実施例の変形として構成してもよい。また、第2実施例と、第4実施例とを組み合わせてもよい。