特許第5942728号(P5942728)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5942728
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】ショーケース
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20160616BHJP
   F25D 21/14 20060101ALI20160616BHJP
   A47F 3/04 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
   F25D11/00 101E
   F25D21/14 Q
   F25D21/14 L
   A47F3/04 M
【請求項の数】2
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2012-206557(P2012-206557)
(22)【出願日】2012年9月20日
(65)【公開番号】特開2014-62654(P2014-62654A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2015年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】510146137
【氏名又は名称】三菱電機冷熱応用システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112210
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108431
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 加奈子
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(72)【発明者】
【氏名】小倉 誠
(72)【発明者】
【氏名】保坂 貴司
(72)【発明者】
【氏名】渡久地 政幸
【審査官】 伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−099555(JP,A)
【文献】 実開平02−058680(JP,U)
【文献】 実開昭57−193194(JP,U)
【文献】 特開平05−240567(JP,A)
【文献】 特開2008−173375(JP,A)
【文献】 特開2009−109073(JP,A)
【文献】 特開2008−045833(JP,A)
【文献】 特開平08−082468(JP,A)
【文献】 特開平07−239172(JP,A)
【文献】 実開昭55−056380(JP,U)
【文献】 実開昭61−200584(JP,U)
【文献】 特開平03−291486(JP,A)
【文献】 特開2008−045834(JP,A)
【文献】 特開2008−045832(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00
F25D 21/14
A47F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱壁で形成されるショーケース本体内に、商品出し入れ用の開口を有し、商品の陳列棚を有する商品収納庫と、その外側の庫内ファンによる冷気循環ダクトとに庫内壁面板で区画し、該冷気循環ダクト内に冷却器を配設し、冷気循環ダクトの下端を空気の吸込口に、上端を冷気の吹出口に形成し、該吹出口から吹き出す冷気で開口に冷気エアカーテンを形成して商品出し入れ用の開口を閉塞させて、商品収納庫内を冷却し、前記冷却器は付着する霜を定期的に溶かす除霜工程を設けるとともに、ドレン水が多く排出される前記除霜工程後に、前記庫内ファンを一定時間停止させ、排水されたドレン水は、蒸発皿に貯水され、この蒸発皿の水位を水位検知センサーで検知し、一定水量以上になった場合は、庫内ファンを回転させることを特徴とするショーケース。
【請求項2】
前記水位検知センサーは吊子式または超音波センサーとすることを特徴とする請求項1記載のショーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にドレン水蒸発用を兼ねる庫内用ファンの制御の改善にかかる冷凍冷蔵のショーケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1にもあるが、図2に示すように、スーパーマーケットなどの店舗に設置されるオープンタイプの縦型冷凍冷蔵ショーケースは、断熱壁で形成されるショーケース本体11内の、例えば前面や上面に商品出し入れ用の開口を有し、商品の陳列棚を有する商品収納庫1と、その外側の庫内ファン9による冷気循環ダクト13とに庫内壁面板12で区画し、該冷気循環ダクト13内に冷却器10を配設し、冷気循環ダクトの13下端を空気の吸込口15に、上端を冷気の吹出口14に形成し、該吹出口14から吹き出す冷気で開口に冷気エアカーテンを形成して商品出し入れ用の開口を閉塞するとともに、商品収納庫1内を冷却する。
【0003】
ショーケース本体の下部に形成される機械室3内には、凝縮器2や圧縮機8などにより構成される冷凍装置を配設し、ショーケース本体11の背面側に設置した前記冷却器10で冷却した冷気は庫内ファン9により循環される。図中4は蒸発皿、6は凝縮器冷却用ファン、7は蒸発板による蒸発装置を示す。
【特許文献1】特開2008−180532号公報
【0004】
また、商品収納庫1内の下方は、すのこ等による底板16で冷却室18に区画され、ここに前記庫内ファン9が置かれ、さらにその区画の底にはドレン排水溝17が形成され、ここからドレン水が蒸発装置7に導かれる。
【0005】
前記蒸発装置7の下の蒸発皿4は冷凍サイクルの一部を構成する凝縮器の後方に設けられた凝縮器冷却用ファン6の背面に配置し、凝縮器冷却用ファン6を蒸発皿4上のドレン水の蒸発促進に兼用している。
【0006】
図中5は、ドレン水の満水を検知する水位検知センサーで、吊子式もしくは超音波センサを使用し、この水位検知センサーと水面との距離を測定することで蒸発皿4の水位を計測する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記庫内ファン9が回転している場合、冷却室18内に横風があり、これがドレン排水溝17を覆うので、ドレン排水溝17からドレン水が排水されにくく、ドレン水の量が多く、ドレン排水溝17から十分排出できないと、ドレン排水滞留により、冷却室18の底板の腐食が発生する危険がある。
【0008】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、ドレン排水の滞留を改善し、冷却室底板の腐食発生を抑制できるショーケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、断熱壁で形成されるショーケース本体内に、商品出し入れ用の開口を有し、商品の陳列棚を有する商品収納庫と、その外側の庫内ファンによる冷気循環ダクトとに庫内壁面板で区画し、該冷気循環ダクト内に冷却器を配設し、冷気循環ダクトの下端を空気の吸込口に、上端を冷気の吹出口に形成し、該吹出口から吹き出す冷気で開口に冷気エアカーテンを形成して商品出し入れ用の開口を閉塞させて、商品収納庫内を冷却し、前記冷却器は付着する霜を定期的に溶かす除霜工程を設けるとともに、ドレン水が多く排出される前記除霜工程後に、前記庫内ファンを一定時間停止させ、排水されたドレン水は、蒸発皿に貯水され、この蒸発皿の水位を水位検知センサーで検知し、一定水量以上になった場合は、庫内ファンを回転させることを要旨とするものである。
【0010】
請求項1記載の本発明によれば、ドレン水が多く排出される除霜後に、庫内ファンを一定時間停止させることで、横風をなくし、ドレン排水溝でのドレン排水を十分行うことができる上、排水されたドレン水は、蒸発皿4に貯水され、この蒸発皿4の水位を水位検知センサーで検知し、一定水量以上になった場合は、庫内ファンを回転させることで、ドレン水の排出を行い難くして、ドレン皿の水位の上昇を押さえ、溢れ出しを防止できる。
【発明の効果】
【0013】
以上述べたように本発明のショーケースは、ドレン排水の滞留を改善し、ドレン漏れによる冷却室底板の腐食発生を抑制できるものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明のショーケースの1実施形態を示す運転方法のフローチャートである。
【0015】
なお、本発明方法を適用する冷凍冷蔵のショーケースについては、前記図2について説明した通りであり、断熱壁で形成されるショーケース本体11内の例えば前面や上面に商品出し入れ用の開口を有し、商品の陳列棚を有する商品収納庫1と、その外側の庫内ファン9による冷気循環ダクト13とに庫内壁面板12で区画し、該冷気循環ダクト13内に冷却器10を配設し、冷気循環ダクト13の下端を空気の吸込口15に、上端を冷気の吹出口14に形成し、該吹出口14から吹き出す冷気で開口に冷気エアカーテンを形成して商品出し入れ用の開口を閉塞するとともに、商品収納庫内1を冷却する。
【0016】
ショーケース本体の下部に形成される機械室3内には、凝縮器2や圧縮機8などにより構成される冷凍装置を配設した。
【0017】
前記庫内ファン9は、商品収納庫1の底板16で区画された冷却室18に置かれ、さらにその区画の底にはドレン排水溝17が形成され、ここからドレン水が蒸発装置7に導かれる。
【0018】
前記蒸発装置7に蒸発皿4が置かれ、前記冷凍サイクルの一部を構成する凝縮器の後方に設けられた凝縮器冷却用ファン6を蒸発皿4に背面に配置し、この凝縮器冷却用ファン6を蒸発皿4上のドレン水の蒸発促進に兼用する。
【0019】
また、水位検知センサー5を設け、これで蒸発皿4の水位を計測することによりドレン水の満水を検知する。
【0020】
本発明は図1に示すように、冷却器10は付着する霜を定期的に溶かす除霜工程を設ける。この除霜工程は冷却運転を停止するもので、機械室3内の凝縮器2や圧縮機8など運転を停止する。なお、庫内ファン9の運転は継続している。
【0021】
これにより、冷却器10は付着する霜は解け、ドレン水となって多く排出され、ドレン水は、ドレン排水溝17を介して蒸発装置7に導かれ、下の蒸発皿4に溜まる。
【0022】
この除霜工程後に、前記水位検知センサー5で蒸発皿4の水位を計測し、ドレン水が一定以上でないことを検知したならば、庫内ファン9を一定時間停止させる。
【0023】
このようにドレン水が多く排出される除霜工程後に、庫内ファン9を一定時間停止させることで、冷却室18内での横風をなくし、ドレン排水溝17でのドレン排水を十分行うことができる。
【0024】
前記水位検知センサー5で蒸発皿4の水位を計測し、ドレン水が一定水量以上になった場合は、庫内ファン9を回転させる。
【0025】
蒸発皿4の水位が一定水量以上になった場合は、庫内ファン9を回転させることで、ドレン水の排出を行い難くして、蒸発皿4の水位の上昇を押さえ、溢れ出しを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明のショーケースの1実施形態を示す運転方法のフローチャートである。
図2】冷凍冷蔵ショーケースの縦断側面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 商品収納庫 2 凝縮器
3 機械室 4 蒸発皿
5 水位検知センサー 6 凝縮器冷却用ファン
7 蒸発装置 8 圧縮機
9 庫内ファン 10 冷却器
11 ショーケース本体
12 庫内壁面板 13 冷気循環ダクト
14 吹出口 15 吸込口
16 底板 17 ドレン排水溝
18 冷却室
図1
図2