特許第5942751号(P5942751)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5942751WDM/TDM−PON方式用の局側装置及び光通信ネットワークシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5942751
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】WDM/TDM−PON方式用の局側装置及び光通信ネットワークシステム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/44 20060101AFI20160616BHJP
   H04J 14/00 20060101ALI20160616BHJP
   H04J 14/02 20060101ALI20160616BHJP
   H04B 10/272 20130101ALI20160616BHJP
【FI】
   H04L12/44 200
   H04B9/00 E
   H04B9/00 272
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-214545(P2012-214545)
(22)【出願日】2012年9月27日
(65)【公開番号】特開2014-72545(P2014-72545A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】特許業務法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】更科 昌弘
【審査官】 森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−043270(JP,A)
【文献】 特開2011−135280(JP,A)
【文献】 特開2007−195227(JP,A)
【文献】 特開2011−004270(JP,A)
【文献】 特開2006−157847(JP,A)
【文献】 特許第5650866(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0098407(US,A1)
【文献】 特開2010−034877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/44
H04B 10/272
H04J 14/00
H04J 14/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
WDM/TDM−PON方式の光ネットワークシステムにおいて複数の加入者側端末を共通の光伝送路を介して接続可能な複数の外部ポートを有する局側装置であって、
前記複数の外部ポートの数分備えられ、発光素子及び受光素子によって光信号を送受信し、前記光信号の送受信波長が各々調整可能である複数の光送受信部と、
前記複数の外部ポートの数分備えられ、前記複数の光送受信部の各々の前記発光素子を送信データに応じて発光駆動しかつ前記複数の光送受信部の各々の前記受光素子の出力信号から受信データを得る複数の送受信処理部と、
前記複数の光送受信部と前記複数の送受信処理部との間に配置され、前記複数の光送受信部と前記複数の送受信処理部と間の電気的な接続を切り替える切替スイッチ回路と、
前記複数の光送受信部の各々の前記光信号の送受信端子と前記複数の外部ポートとの間に配置されたAWGルータと、
前記複数の光送受信部の前記送受信波長、前記複数の送受信処理部の処理動作及び前記切替スイッチ回路の切替動作を制御する制御手段と、を含み、
前記制御手段は、前記複数の加入者側端末のうちの未登録の加入者側端末に対する登録処理を行うディスカバリモードでは、前記複数の送受信処理部のうちのいずれか1つの送受信処理部を選択して前記1つの送受信処理部に前記登録処理の動作を可能にさせ、前記複数の光送受信部の前記送受信波長を所定のディスカバリ用波長に制御し、前記切替スイッチ回路に前記1つの送受信処理部の送受信端子と前記複数の光送受信部のいずれか1つの光送受信部との間を電気的に接続させることを特徴とする局側装置。
【請求項2】
前記ディスカバリモードでは、前記制御手段のディスカバリ指示に応じて前記1つの送受信処理部がディスカバリ駆動信号を前記切替スイッチ回路を介して前記1つの光送受信部に供給し、前記1つの光送受信部は前記ディスカバリ駆動信号に応じて加入者端末検出用の前記光信号を前記所定のディスカバリ用波長で生成してそれを自身の前記送受信端子を介して前記AWGルータに供給することにより前記加入者端末検出用の前記光信号を前記複数の外部ポートのいずれか1つの外部ポートから送信させ、
前記1つの光送受信部は、送信した前記加入者端末検出用の前記光信号に対する応答信号として前記1つの外部ポートに外部から供給された登録リクエスト用の前記光信号を前記AWGルータ及び前記自身の前記送受信端子を介して前記所定のディスカバリ用波長にて受信すると、その受信信号を前記切替スイッチ回路を介して前記1つの送受信処理部に供給し、前記1つの送受信処理部は前記受信信号に応じて前記登録処理を実行することを特徴とする請求項1記載の局側装置。
【請求項3】
前記未登録の加入者用端末は、未登録状態では前記所定のディスカバリ用波長で受信待機状態となり、前記加入者端末検出用の前記光信号を受信すると、前記登録リクエスト用の前記光信号を前記所定のディスカバリ用波長で前記局側装置に対して送信することを特徴とする請求項記載の局側装置。
【請求項4】
前記所定のディスカバリ用波長は、前記局側装置から前記加入者側端末への下りの前記光信号と前記加入者側端末から前記局側装置への上りの前記光信号とで異なることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1記載の局側装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記ディスカバリモードでは、前記複数の送受信処理部のうちの前記1つの送受信処理部以外の送受信処理部をスリープ状態に制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1記載の局側装置。
【請求項6】
複数の加入者側端末と、前記複数の加入者側端末を共通の光伝送路を介して接続可能な複数の外部ポートを有する局側装置とを有するWDM/TDM−PON方式の光通信ネットワークシステムであって、
前記局側装置は、
前記複数の外部ポートの数分備えられ、発光素子及び受光素子によって光信号を送受信し、前記光信号の送受信波長が各々調整可能である複数の光送受信部と、
前記複数の外部ポートの数分備えられ、前記複数の光送受信部の各々の前記発光素子を送信データに応じて発光駆動しかつ前記複数の光送受信部の各々の前記受光素子の出力信号から受信データを得る複数の送受信処理部と、
前記複数の光送受信部と前記複数の送受信処理部との間に配置され、前記複数の光送受信部と前記複数の送受信処理部と間の電気的な接続を切り替える切替スイッチ回路と、
前記複数の光送受信部の各々の前記光信号の送受信端子と前記複数の外部ポートとの間に配置されたAWGルータと、
前記複数の光送受信部の前記送受信波長、前記複数の送受信処理部の処理動作及び前記切替スイッチ回路の切替動作を制御する制御手段と、を含み、
前記制御手段は、前記複数の加入者側端末のうちの未登録の加入者側端末に対する登録処理を行うディスカバリモードでは、前記複数の送受信処理部のうちのいずれか1つの送受信処理部を選択して前記1つの送受信処理部に前記登録処理の動作を可能にさせ、前記複数の光送受信部の前記送受信波長を所定のディスカバリ用波長に制御し、前記切替スイッチ回路に前記1つの送受信処理部の送受信端子と前記複数の光送受信部のいずれか1つの光送受信部との間を電気的に接続させることを特徴とする光通信ネットワークシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)/TDM(Time Division Multiplexing:時分割多重)−PON(Passive Optical Network)方式を用いた光通信ネットワークシステム及びその局側装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光アクセスネットワークの一形態として受動型光加入者ネットワーク(PON:Passive Optical Network)がある。PONは、局内に設けられる1つの局側装置(OLT:Optical Line Terminal)と、加入者宅に設けられる複数の加入者側装置(ONU:Optical Network Unit)とを、光ファイバと光スプリッタを介して接続する。
【0003】
PONでは、各ONUからOLTに送られる信号(以下、上り光信号)と、OLTから各ONUに送られる信号(以下、下り光信号)は、干渉を防ぐためにそれぞれ異なる波長が割り当てられる。また、PONでは、様々な多重技術が用いられる。PONで用いられる多重技術には、時間軸上の短い区間を各加入者に割り当てる時分割多重(TDM:Time Division Multiplex)技術、異なる波長を各加入者に割り当てる波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)技術、異なる符号を各加入者に割り当てる符号分割多重(CDM:Code Division Multiplex)技術などがある。これらの多重技術の中で、TDMを利用するTDM−PONが、現在最も広く用いられている。
【0004】
TDM−PONでは、OLTが、各ONUの送信タイミングを管理して、異なるONUからの上り光信号同士が衝突しないように制御するTDMA(Time Division Multiple Access)技術が利用させている。
【0005】
PONシステムの中で、Ethernet(登録商標)技術を使用したものを、Ethernet(登録商標)−PONと称し、Gigabit Ethernet(登録商標)技術を使用したものをGE−PONと称する。GE−PONは、IEEE802.3ahで標準化されている。更に、データレートを10倍に高速化した10G−EPONは、IEEE802.3avで標準化されている。
【0006】
GE−PONシステムでは、1つのOLTが、分岐された光伝送路、及びこの光伝送路の分岐先に接続されるONUを含む1つのPONブランチを管理している。ここで、例えば1つのPONブランチに含まれるONUが少ない場合に、OLTを少ないONUで共有するためコストがかかる。そこで、PONブランチ内のONUが少ないときは、1つのOLTが複数のPONブランチを管理するのが望ましい。 そのために、TDM及びWDMを併用することによって、1つのOLTによって複数のPONブランチの管理を可能とするPONシステム(以下、TDM/WDM−PONとも称する)が提案されている。
【0007】
TDM/WDM−PONでは、光ルーティング機能が新たに追加される。波長による光ルーティングを実現するデバイスとしてAWG(arrayed wavelength grating)ルータの使用が考えられいる。このような構成のTDM/WDM−PONでは、1つのOLTが、下り光信号の送信波長を変えることにより、異なるPONブランチに対して下り光信号を送ることができる。また、ONUはOLTから指示された波長の上り光信号を送ることで、特定のOLTに上り光信号を送ることができる。これによって、PONブランチにかかわらずOLTとONUとの間の接続を自由に構成可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−103893号公報
【特許文献2】特開2011−4270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
OLTとONUとの間で通信するためにはOLTが光ファイバに接続されているONUを認識している必要があり、そのためにOLTはONUを予め登録することを行う。上記の10G−EPONには未登録のONUをOLTに登録させるためにディスカバリ処理を行うことが規定されている。このディスカバリ処理では、未登録のONUは、OLTが一定時聞間隔でフレームとして送信するdiscovery gateメッセージを受信できるまで待機し、discovery gateメッセージの受信後、それに応答してRegisterリクエストをOLTに返信することにより登録開始が開始される。このため、ディスカバリ処理ではONUがdiscovery gateメッセージを早期に確実に受信できることが重要である。
【0010】
この登録方式を基本にしてWDM/TDM−PONを用いた光通信ネットワークシステムに適用すると、ONU内のTF(Tunable Filter)の波長設定が問題となる。TFはONUの受光波長を任意に設定するために設けられており、WDM/TDM−PONでは、管理するOLTによってONUに到着するdiscovery gateメッセージの波長が異なる。また、未登録のONU自身は、discovery gateメッセージがどの波長で送信されるか分からない。そのため、未登録のONUでは例えば、特許文献2のようにTFの中心波長を時間経過に従ってスイープさせて待機する方法を用いることが考えられる。この方法では、discovery gateメッセージの波長と未登録のONUのTFの中心波長が一致したときにdiscovery gateメッセージを受信することができる。しかしながら、この方法の場合には未登録のONUのTFの波長がdiscovery gateメッセージの波長と一致するまでは登録が開始されないので、ONUの登録完了までの時間が増大してしまうことがあるという欠点がある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、WDM/TDM−PON方式の光通信ネットワークシステムにおけるディスカバリ処理で未登録の加入者側端末(ONU)を早急に検出することができる局側装置及び光通信ネットワークシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の局側装置は、WDM/TDM−PON方式の光ネットワークシステムにおいて複数の加入者側端末を共通の光伝送路を介して接続可能な複数の外部ポートを有する局側装置であって、前記複数の外部ポートの数分備えられ、発光素子及び受光素子によって光信号を送受信し、前記光信号の送受信波長が各々調整可能である複数の光送受信部と、前記複数の外部ポートの数分備えられ、前記複数の光送受信部の各々の前記発光素子を送信データに応じて発光駆動しかつ前記複数の光送受信部の各々の前記受光素子の出力信号から受信データを得る複数の送受信処理部と、前記複数の光送受信部と前記複数の送受信処理部との間に配置され、前記複数の光送受信部と前記複数の送受信処理部と間の電気的な接続を切り替える切替スイッチ回路と、前記複数の光送受信部の各々の前記光信号の送受信端子と前記複数の外部ポートとの間に配置されたAWGルータと、前記複数の光送受信部の前記送受信波長、前記複数の送受信処理部の処理動作及び前記切替スイッチ回路の切替動作を制御する制御手段と、を含み、前記制御手段は、前記複数の加入者側端末のうちの未登録の加入者側端末に対する登録処理を行うディスカバリモードでは、前記複数の送受信処理部のうちのいずれか1つの送受信処理部を選択して前記1つの送受信処理部に前記登録処理の動作を可能にさせ、前記複数の光送受信部の前記送受信波長を所定のディスカバリ用波長に制御し、前記切替スイッチ回路に前記1つの送受信処理部の送受信端子と前記複数の光送受信部のいずれか1つの光送受信部との間を電気的に接続させることを特徴としている。
【0013】
本発明の光通信ネットワークシステムは、複数の加入者側端末と、前記複数の加入者側端末を共通の光伝送路を介して接続可能な複数の外部ポートを有する局側装置とを有するWDM/TDM−PON方式の光通信ネットワークシステムであって、前記局側装置は、前記複数の外部ポートの数分備えられ、発光素子及び受光素子によって光信号を送受信し、前記光信号の送受信波長が各々調整可能である複数の光送受信部と、前記複数の外部ポートの数分備えられ、前記複数の光送受信部の各々の前記発光素子を送信データに応じて発光駆動しかつ前記複数の光送受信部の各々の前記受光素子の出力信号から受信データを得る複数の送受信処理部と、前記複数の光送受信部と前記複数の送受信処理部との間に配置され、前記複数の光送受信部と前記複数の送受信処理部と間の電気的な接続を切り替える切替スイッチ回路と、前記複数の光送受信部の各々の前記光信号の送受信端子と前記複数の外部ポートとの間に配置されたAWGルータと、前記複数の光送受信部の前記送受信波長、前記複数の送受信処理部の処理動作及び前記切替スイッチ回路の切替動作を制御する制御手段と、を含み、前記制御手段は、前記複数の加入者側端末のうちの未登録の加入者側端末に対する登録処理を行うディスカバリモードでは、前記複数の送受信処理部のうちのいずれか1つの送受信処理部を選択して前記1つの送受信処理部に前記登録処理の動作を可能にさせ、前記複数の光送受信部の前記送受信波長を所定のディスカバリ用波長に制御し、前記切替スイッチ回路に前記1つの送受信処理部の送受信端子と前記複数の光送受信部のいずれか1つの光送受信部との間を電気的に接続させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の局側装置及び光通信ネットワークシステムにおいては、WDM/TDM−PON方式の光通信ネットワークシステムの光伝送路に接続された未登録の加入者側端末は予め定められたディスカバリ用波長で受信待機すれば、局側装置から送信される未登録の加入者側端末検出用の光信号を早急に受信することができ、また、その未登録の加入者側端末は未登録の加入者側端末検出用の光信号に応答して登録リクエスト用の光信号を局側装置に対して送信することにより局側装置では登録リクエスト用の光信号に応じて登録処理を早急に開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明を適用した光通信ネットワークシステムを示すブロック図である。
図2図1のシステム内の局側装置のAWGルータの入出力特性を示す図である。
図3図1のシステム内のPONブランチのONUの内部構成を示すブロック図である。
図4図1のシステムのディスカバリ処理におけるシーケンス図である。
図5図4のディスカバリ処理における切替スイッチ回路及びAWGルータの信号経路を示す図である。
図6図4のディスカバリ処理における切替スイッチ回路及びAWGルータの信号経路を示す図である。
図7図1のシステムの他のディスカバリ処理におけるシーケンス図である。
図8図7のディスカバリ処理における切替スイッチ回路及びAWGルータの信号経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の光通信ネットワークシステムを示している。このシステムは4台のOLT11〜11を備えた局側装置1と、1PONブランチ当たりに2台のONUが備えられている。なお、局側装置1におけるOLTの数は4に限定されない。
【0018】
局側装置1はOLT11〜11の他に、切替スイッチ回路12、光送受信部13〜13、AWGルータ14、及びOLTコントローラ15を備えている。
【0019】
切替スイッチ回路12は4ブランチに対応して4×4端子を有している。切替スイッチ回路12の一方の4端子にはOLT11〜11が各々接続され、他方の4端子には光送受信部13〜13が双方向で通信可能に接続されている。切替スイッチ回路12はOLT11〜11各々を光送受信部13〜13のいずれか1と接続することができる。
【0020】
光送受信部13〜13各々は、図示しないが、光送信用の波長可変レーザーダイオード、光受信用のフォトダイオード、及びWDMフィルタを有している。その波長可変レーザーダイオードの発光波長(送信波長)及びフォトダイオードの受光波長(受信波長)は予め定めた波長範囲で任意の波長に調整可能にされている。WDMフィルタは受光信号と発光信号とを分波及び合成する。光送受信部13〜13各々はAWGルータ14の4つの内部ポート16〜16に接続されている。
【0021】
OLT11〜11各々は送信時には切替スイッチ回路12を介してその波長可変レーザーダイオードを駆動し、受信時にはフォトダイオードの出力信号を切替スイッチ回路12を介して受信する。
【0022】
AWGルータ14は、波長周回性の4×4AWGルータであり、入力ポート毎に異なる同一波長間隔の4波長λ〜λの光信号を入力し、それに対して図2に示す如きルーティングテーブルに従って出力ポートから光信号を出力することができる。例えば、入力ポート1〜4(内部ポート16〜16に対応)各々に波長λの光信号が入力されるとその光信号はそのまま対応する出力ポート1〜4(外部ポート17〜17に対応)から出力される。また、入力ポート1に波長λの光信号が入力されるとその光信号は出力ポート2から出力され、入力ポート1に波長λの光信号が入力されるとその光信号は出力ポート3から出力され、入力ポート1に波長λの光信号が入力されるとその光信号は出力ポート4から出力される。他の入力ポート2〜4についても同様に波長に応じて光信号を出力ポートに出力することが行われる。また、周回性をもつAWGルータを利用することで、λ〜λを下り通信波長とし、周回波長λ〜λを上り通信波長とすることで、上り下りで異なる波長を利用した場合でも、上り下りで同じ入出力ポートの関係をもって波長ルーティングされる。
【0023】
AWGルータ14の4つの外部ポート17〜17はPONブランチ2〜2各々と光伝送路である光ファイバ20〜20で接続されている。
【0024】
OLTコントローラ15はOLT11〜11各々の送受信の動作制御、光送受信部13〜13各々の発光波長及び受光波長、並びに切替スイッチ回路12の切替制御を行う。
【0025】
PONブランチ2〜2は複数のONU22,22を有している。本実施例では理解し易いようにPONブランチ2〜2各々が2つのONU22,22を有していることにしたが、ONUの数は限定されない。
【0026】
光カプラ21はPONブランチ2〜2毎に対応する光ファイバ20〜20に接続され、また、2つのONU22,22に接続され、光信号を分波及び合波する。すなわち、光カプラ21は光ファイバ20〜20各々で供給された光信号を分波して光ファイバ23,23を介してONU22,22に供給し、逆にONU22,22各々から光ファイバ23,23を介して供給された光信号を合成して対応する光ファイバ20〜20に出力する。なお、ONU22,22各々からの上りの光信号にはTDMA方式の制御が施されている。
【0027】
ONU22,22各々は図3に示すように、WDMフィルタ31、光送信部32、TF(Tunable Filter)33、光受信部34、ドライバ35、クロックデータリカバリ(CDR;clock data recovery )36、ONU用MAC−LSI37及びユーザネットワークインターフェース(UNI)38を備えている。WDMフィルタ31は光カプラ21からの光ファイバ23又は23を介して供給された光信号から受光帯域の光信号を分波してTF33に供給し、光送信部32からの発光信号を光ファイバ23又は23の光信号に合成してそれを光カプラ21に供給する。光送信部32は光送信用の波長可変レーザーダイオードからなり、WDMフィルタ31と光学的に接続され、ドライバ35とは電気的に接続されている。光送信用の波長可変レーザーダイオードは発光信号の波長を予め定められた波長範囲で調整可能にされている。ドライバ35は光送信部32を送信データに従って発光駆動する。
【0028】
TF33はWDMフィルタ31に光学的に接続されてWDMフィルタ31から供給される光信号のうちの特定の波長の光信号を受光信号として抽出する。光受信部34はTF33と光学的に接続され、CDR36と電気的に接続されている。光受信部34はTF33から供給される受光信号を電気信号に変換するフォトダイオードである。CDR36は光受信部34の出力電気信号から同期用のクロック信号を抽出する。
【0029】
また、ONU22,22各々にはONU用MAC−LSI37が内蔵されており、MAC−LSI37はOLTからの指示信号に従って、光送信部32の発光信号の波長を制御し、また、TF33が抽出する受光信号の特定の波長を制御する。
【0030】
UNI38はユーザネットワーク(図示せず)側の通信フォーマットに合わせるためデータのフォーマット変換を行う。
【0031】
なお、OLT11〜11、切替スイッチ回路12、及びOLTコントローラ15を1つのOLTチップとして形成しても良い。
【0032】
次に、このような構造の光通信ネットワークシステムにおけるディスカバリ処理について図4のシーケンス図を参照して説明する。なお、ここではPONブランチ2,2各々の各ONUに対してディスカバリ処理が行われる。
【0033】
ディスカバリ処理の全体的な管理は局側装置1のOLTコントローラ15が実行する。先ず、ディスカバリ処理の開始に当たってOLTコントローラ15は全てのOLT11〜11に対してデータ送信の停止を指令する(ステップS1)。OLT11〜11各々はデータ送信の停止を完了したならば、その完了を返答としてOLTコントローラ15に通知する(ステップS2)。
【0034】
OLTコントローラ15はデータ送信の停止完了の通知を受信すると、光送受信部13〜13各々に対して送受信波長をλ(所定のディスカバリ用波長)に指定する(ステップS3)。これによりディスカバリ処理で光送受信部13〜13各々から送受信される光信号の波長がλに設定される。また、OLTコントローラ15は切替スイッチ回路12に対して経路切替を指令する(ステップS4)。切替スイッチ回路12は経路切替指令に応じて図5に実線A1で示すようにOLT11と光送受信部13とを双方向に通信可能に電気的に接続する。
【0035】
OLTコントローラ15はOLT11に対してPONブランチ2のディスカバリ指示を行う(ステップS5)。ディスカバリ指示にはPONブランチ2を表す番号が含まれる。そのディスカバリ指示に応じてOLT11は電気信号であるディスカバリ駆動信号を出力する(ステップS6)。ディスカバリ駆動信号は切替スイッチ回路12を介して光送受信部13の上記した光送信用の波長可変レーザーダイオードに供給され、光送信用の波長可変レーザーダイオードはディスカバリ駆動信号に応じて駆動されて波長λで発光する。その波長λのdiscovery gateメッセージが、図5に実線A2で示したAWGルータ14のポート16,17間を介して光ファイバ20に送出され、そのdiscovery gateメッセージはPONブランチ2に供給される(ステップS7)。また、光送受信部13では受光波長をλ(λの周回波長)としてdiscoveryウインドウを開けることにdiscovery gateメッセージに対するRegisterリクエストでの応答の光信号を受信可能にする。
【0036】
PONブランチ2では、discovery gateメッセージが光カブラ21、そして光ケーブル23を介してONU22に供給され、また、光ケーブル23を介してONU22に供給される。ここで、ONU22が未登録とすると、ONU22は、そのTF33が波長λに設定されてディスカバリ処理のために待機中にある。よって、ONU22において、光信号としてのdiscovery gateメッセージはWDMフィルタ31、そしてTF33を介して光受信部34に受信される。光受信部34はdiscovery gateメッセージを電気信号に変換する。変換後、CDR36にて同期用のクロックが抽出されて、クロックと受信データはONU用MAC−LSI37に供給される。MAC−LSI37では受信データの種類を判断する。discovery gateメッセージの場合には、ONU自身がまだOLTに登録されていない場合、登録を要求するRegisterリクエスト信号をOLT11に送信するためにRegisterリクエストの送信データをドライバ35に供給する。ドライバ35はその送信データに応じて光送信部32を駆動するので、光送信部32からRegisterリクエストの光信号が波長λにてWDMフィルタ31を介してOLT11に向けて送出される。Registerリクエストの光信号はPONブランチ2の光ケーブル23及び光カプラ21、そして光ケーブル20を介して局側装置1に転送される(ステップS8)。
【0037】
局側装置1では、そのRegisterリクエストの光信号はAWGルータ14のポート17,16間を介して光送受信部13に供給される。光送受信部13では上記したようにRegisterリクエストでの応答の光信号を受信可能にしているので、ONU22から発せられたRegisterリクエストの光信号が受信される。光送受信部13はRegisterリクエストの光信号を電気信号に変換し、Registerリクエストの受信データが切替スイッチ回路12を介して時間帯のディスカバリウインドウ(discovery window)を有するOLT11に供給される。OLT11へRegisterリクエストが供給されることにより、OLT11とONU22との間で登録処理が実行される(ステップS10)。登録処理でのOLT11とONU22との間の信号経路はdiscovery gateメッセージ及びRegisterリクエストの場合と同じである。
【0038】
OLT11は登録処理を完了すると、ONU22についてのディスカバリ処理の完了をOLTコントローラ15に通知する(ステップS11)。なお、かかるONU22と同一のPONブランチ2内のONU22が未登録のONUであったならば、ONU22からのRegisterリクエストとは別のフレームでONU22からRegisterリクエストが発せられるのでそのONU22からRegisterリクエストに応じてONU22についてもOLT11とONU22との間で登録処理が実行される。
【0039】
次いで、OLTコントローラ15は切替スイッチ回路12に対して経路切替を指令する(ステップS12)。切替スイッチ回路12は経路切替指令に応じて図6に実線B1で示すようにOLT11と光送受信部13とを双方向に通信可能に電気的に接続する。
【0040】
OLTコントローラ15はOLT11に対してPONブランチ2のディスカバリ指示を行う(ステップS13)。ディスカバリ指示にはPONブランチ2を表す番号が含まれる。そのディスカバリ指示に応じてOLT11は電気信号であるディスカバリ駆動信号を出力する(ステップS14)。ディスカバリ駆動信号は切替スイッチ回路12を介して光送受信部13の上記した光送信用の波長可変レーザーダイオードに供給され、光送信用の波長可変レーザーダイオードはディスカバリ駆動信号に応じて駆動されて波長λで発光する。その波長λの発光信号がdiscovery gateメッセージとして図6に実線B2で示したAWGルータ14のポート16,17間を介して光ファイバ20に送出され、そのdiscovery gateメッセージはPONブランチ2に供給される(ステップS15)。また、光送受信部13では受光波長をλとしてdiscoveryウインドウを開けることにdiscovery gateメッセージに対するRegisterリクエストでの応答の光信号を受信可能にする。
【0041】
PONブランチ2では、discovery gateメッセージが光カブラ21、そして光ケーブル23を介してONU22に供給され、また、光ケーブル23を介してONU22に供給される。ここで、PONブランチ2のONU22,ONU22が未登録とすると、ONU2211,ONU22各々は、そのTF33が波長λに設定されてディスカバリ処理のために待機中にある。よって、ONU22,ONU22各々において、光信号としてのdiscovery gateメッセージはWDMフィルタ31、そしてTF33を介して光受信部34に受信される。これ以後の受信動作は、PONブランチ2で説明した動作と同様である。
【0042】
また、ONU用MAC−LSI37でdiscovery gateメッセージを受信後も同様である。未登録のONUは登録を要求する信号であるRegisterリクエストをOLT11に送信するためにRegisterリクエストの送信データをドライバ35に供給する。ドライバ35はその送信データに応じて光送信部32を駆動するので、光送信部32からRegisterリクエストの光信号が波長λにてWDMフィルタ31を介してOLT11に向けて送出される。Registerリクエストの光信号はPONブランチ2の光ケーブル23,23及び光カプラ21、そして光ケーブル20を介して局側装置1に転送される(ステップS16)。
【0043】
局側装置1では、そのRegisterリクエストの光信号はAWGルータ14のポート17,16間を介して光送受信部13に供給される。光送受信部13では上記したようにRegisterリクエストでの応答の光信号を受信可能にしているので、ONU22,ONU22から発せられたRegisterリクエストの光信号が受信される。光送受信部13はRegisterリクエストの光信号を電気信号に変換し、Registerリクエストの受信データが切替スイッチ回路12を介してOLT11に供給される。OLT11へRegisterリクエストが供給されることにより、OLT11とPONブランチ2のONU22,ONU22各々との間で登録処理が実行される(ステップS18)。
【0044】
OLT11はPONブランチ2のONU22,ONU22各々の登録処理を完了すると、ディスカバリ処理の完了をOLTコントローラ15に通知する(ステップS19)。
【0045】
なお、図には示していないが、PONブランチ2,2についても上記したPONブランチ2又は2と同様の方法でディスカバリ処理を実行することができる。
【0046】
このように、かかるディスカバリ処理においては、各ONUでは予め決められた波長λにTFを設定して待機するので、確実にdiscovery gateメッセージを受信することができる。これにより、未登録のONUはOLTへの登録処理を早急に開始できる。また、複数のブランチ分のOLTを備えていてもOLT1台で全てのPONブランチのONUに対してディスカバリ処理を実行することができるため、他のスリープ状態(駆動停止状態)のOLTをそのままの状態で維持することもできる。よって、局側装置の消費電力を抑えつつディスカバリ処理を実行することができる。
【0047】
なお、帯域アップグレード時は、1つのPONブランチ内の複数のONUが複数のOLTで個別に管理される。例えば、上記したONU221,ONU222の送受信波長が互いに異なり、ONU221に例えばλ1が割り当てられ、ONU222に例えば、λ2が割り当てられる。このように帯域アップグレード時には割当帯域の公平性から、その複数のOLTのうちの管理ONUの数が少ない方のOLTがそのPONブランチのディスカバリ処理を実行することが望ましい。また、局側装置内で低消費電力動作のため上記したスリー状態のOLTが存在している場合には、スリー状態のOLTに代わってPONブランチを管理しているOLTがそのPONブランチのディスカバリ処理を実行することができる。
【0048】
図7は他のディスカバリ処理のシーケンス図を示している。図7のディスカバリ処理では、OLT11がPONブランチ2を担当し、OLT11がPONブランチ2を担当し、OLT11がPONブランチ2を担当し、OLT11がPONブランチ2を担当する。
【0049】
図7のディスカバリ処理では、局側装置1のOLTコントローラ15は、先ず、全てのOLT11〜11に対してデータ送信の停止を指令する(ステップS31)。OLT11〜11各々はデータ送信の停止を完了したならば、その完了を返答としてOLTコントローラ15に通知する(ステップS32)。
【0050】
OLTコントローラ15はデータ送信の停止完了の通知をOLT11〜11各々から受信すると、光送受信部13〜13各々に対して送信波長をλに指定する(ステップS33)。これによりディスカバリ処理で光送受信部13〜13各々から出力される光信号の波長がλとなる。また、OLTコントローラ15は切替スイッチ回路12に対して経路切替を指令する(ステップS34)。切替スイッチ回路12は経路切替指令に応じて図8に実線C1〜C4で示すようにOLT11と光送受信部13とを、OLT11と光送受信部13とを、OLT11と光送受信部13とを、OLT11と光送受信部13とを各々双方向に個別に通信可能に電気的に接続する。
【0051】
OLTコントローラ15はOLT11〜11に対して対応するPONブランチ2〜2のディスカバリ指示を行う(ステップS35)。そのディスカバリ指示に応じてOLT11〜11各々は電気信号であるディスカバリ駆動信号を出力する(ステップS36)。OLT11〜11各々からのディスカバリ駆動信号は切替スイッチ回路12を個別に介して光送受信部13〜13各々の上記した光送信用の波長可変レーザーダイオードに供給され、光送信用の波長可変レーザーダイオードはディスカバリ駆動信号に応じて駆動されて波長λで発光する。その波長λの発光信号がdiscovery gateメッセージとして図8に実線D1〜D4で示したAWGルータ14のポート16,17間、ポート16,17間、ポート16,17間、ポート16,17間を個別に介して対応する光ファイバ20〜20に各々送出され、そのdiscovery gateメッセージはPONブランチ2〜2に各々供給される(ステップS37)。また、光送受信部13〜13各々では受信波長をλとしてdiscoveryウインドウを開けることにdiscovery gateメッセージに対するRegisterリクエストでの応答の光信号を受信可能にする。
【0052】
PONブランチ2〜2では、discovery gateメッセージが光カブラ21、そして光ケーブル23を介してONU22に供給され、また、光ケーブル23を介してONU22に供給される。ここで、PONブランチ2のONU22,ONU22が未登録とすると、ONU2211,ONU22各々は、そのTF33が波長λに設定されてディスカバリ処理のために待機中にある。よって、ONU22,ONU22各々において、光信号としてのdiscovery gateメッセージはWDMフィルタ31、そしてTF33を介して光受信部34に受信される。光受信部34はdiscovery gateメッセージを電気信号に変換する。discovery gateメッセージはCDRにてクロック抽出をされて、クロックと受信データはONU用MAC−LSI37に供給される。ONU用MAC−LSI37はdiscovery gateメッセージの受信データに応答してRegisterリクエストを対応するOLT11〜11のいずれか1つに送信するためにRegisterリクエストの送信データをドライバ35に供給する。ドライバ35はその送信データに応じて光送信部32を駆動するので、光送信部32からRegisterリクエストの光信号が波長λにてWDMフィルタ31を介して対応するOLT11〜11のいずれか1つに向けて送出される。Registerリクエストの光信号はPONブランチ2〜2各々の光ケーブル23,23及び光カプラ21、そして光ケーブル20〜20を個別に介して局側装置1に転送される(ステップS38)。
【0053】
局側装置1では、そのRegisterリクエストの光信号各々はAWGルータ14のポート17,16間、ポート17,16間、ポート17,16間、ポート17,16間を個別に介して光送受信部13〜13に供給される。光送受信部13〜13では上記したようにRegisterリクエストでの応答の光信号を受信可能にしているので、ONU22,ONU22から発せられたRegisterリクエストの光信号が受信される。光送受信部13〜13各々はRegisterリクエストの光信号を受信すると、それを電気信号に変換し、Registerリクエストの受信データが切替スイッチ回路12を介してOLT11〜11に各々供給される。OLT11〜11各々へRegisterリクエストが供給されることにより、OLT11とPONブランチ2のONU22,ONU22各々との間で登録処理が実行され、OLT11とPONブランチ2のONU22,ONU22各々との間で登録処理が実行され、OLT11とPONブランチ2のONU22,ONU22各々との間で登録処理が実行され、OLT11とPONブランチ2のONU22,ONU22各々との間で登録処理が実行される(ステップS40)。
【0054】
OLT11〜11各々はPONブランチ2〜2のONU22,ONU22各々の登録処理を完了すると、ディスカバリ処理の完了をOLTコントローラ15に通知する(ステップS41)。
【0055】
このように、図7のディスカバリ処理においては、複数のONUでは予め決められた波長λにTFを設定して待機するので、確実にdiscovery gateメッセージを受信することができる。また、複数のOLTが対応するPONブランチの各ONUに対して並列にディスカバリ処理を実行するので、未登録のONUに対してOLTへの登録処理を早急に完了することができる。
【0056】
また、図7のディスカバリ処理はシステムの電源投入後の初期段階に実行される場合に特に適しており、そのような場合には未登録のONUが多く存在するため、より早急にそれらのONUの登録を完了することができる。
【0057】
なお、上記した実施例においては、所定のディスカバリ用波長を通常の通信で用いる波長λ〜λのうちのλにしているが、所定のディスカバリ用波長は波長λ〜λのうちの別の波長であっても良く、また、波長λ〜λ以外の波長であっても良い。
【符号の説明】
【0058】
1 局側装置
〜2 PONブランチ
11〜11 OLT
12 切替スイッチ回路
13〜13 光送受信部
14 AWGルータ
15 OLTコントローラ
21 光カプラ
22,22 ONU
31 WDMフィルタ
32 光送信部
33 TF
34 光受信部
35 ドライバ
36 CDR
37 ONU用MAC−LSI
38 UNI
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8