特許第5942898号(P5942898)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5942898
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】電子部品及び電子制御装置
(51)【国際特許分類】
   H01G 2/06 20060101AFI20160616BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20160616BHJP
   H01H 85/10 20060101ALI20160616BHJP
   H01G 2/14 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
   H01G1/035 C
   H05K1/18 F
   H01H85/10
   H01G1/11 101A
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-38362(P2013-38362)
(22)【出願日】2013年2月28日
(65)【公開番号】特開2014-165480(P2014-165480A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2015年7月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】室脇 透
(72)【発明者】
【氏名】板橋 徹
(72)【発明者】
【氏名】三上 裕基
(72)【発明者】
【氏名】白石 亮一
(72)【発明者】
【氏名】西山 茂紀
【審査官】 田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−040455(JP,A)
【文献】 実開平01−161317(JP,U)
【文献】 実開昭57−128137(JP,U)
【文献】 特開2012−094785(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0043963(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 2/06
H01G 2/14
H01H 85/10
H05K 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板(26)に実装される電子部品であって、
少なくとも1つの素子と、該素子に対応する複数の電極(48,50)と、を有し、前記プリント基板の一面(26a)上に配置される本体部(44)と、
前記本体部を前記一面上に浮いた状態で支持するとともに、前記電極に接続されており、該電極と前記プリント基板の対応するランド(40a)とを電気的に接続する端子部(46)と、を備え、
前記端子部は、前記電極にそれぞれ接続されており、前記本体部が前記一面上に配置された状態で、前記ランド(40a)にはんだ付けされる複数の配線部(56)と、少なくとも電気絶縁材料を用いて形成され、前記本体部に接触するととともに前記一面にも接触して、前記本体部を前記一面上に浮いた状態で支持する支持部(58)と、を有し、
前記支持部は、前記本体部に接触して前記本体部を保持し、該接触部分が電気絶縁材料からなる少なくとも1つの保持部(60)と、該保持部から前記一面に向けて延び、複数の前記電極の並び方向において弾性変形可能に設けられた脚部(62)と、を有し、
前記配線部は、前記電極に電気的且つ機械的に接続された電極接続部(64)と、前記脚部に固定されており、前記ランドにはんだ付けされるランド接続部(66)と、前記電極接続部と前記ランド接続部とを繋ぐ繋ぎ部(68)と、を有し、
複数の前記配線部として、ヒューズ配線部(56a)を含み、
前記ヒューズ配線部は、前記繋ぎ部の少なくとも一部として、該ヒューズ端子部の他の部分よりも幅が狭くされ、過電流による発熱に応じて溶断し、前記過電流を遮断する遮断部(74)を有することを特徴とする電子部品。
【請求項2】
前記繋ぎ部(68)は、前記電極接続部(64)と前記ランド接続部(66)とを繋ぐ仮想直線に対して、前記本体部と反対側に凸とされていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記繋ぎ部(68)は、凸の頂点に折曲部(72)を有することを特徴とする請求項2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記本体部(44)は、前記一面(26a)に沿う平面形状が矩形状をなし、
複数の前記電極は、前記本体部の第1側面(44c)を含む端部に設けられた第1電極(48)と、前記第1側面と反対の第2側面(44d)を含む端部に設けられた第2電極(50)と、を有しており、
前記配線部(56)は、前記第1電極に接続された第1配線部(56a)と、前記第2電極に接続された第2配線部(56b)と、を有し、
前記脚部(62)は、前記第1配線部が固定された第1脚部(62a)と、前記第2配線部が固定された第2脚部(62b)と、を有し、
前記第1脚部及び前記第2脚部は、前記第1側面及び前記第2側面の並び方向において弾性変形可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の電子部品。
【請求項5】
全ての前記脚部(62)は、共通の前記保持部(60)から延設されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の電子部品。
【請求項6】
前記支持部(58)は、複数の前記保持部(60)と、各保持部から延設された脚部(62)と、を有することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の電子部品。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか1項に記載の電子部品(28a)と、
前記電子部品の端子部(46)と電気的に接続されるランド(40a)を有するプリント基板(26)と、を備えることを特徴とする電子制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板に実装される電子部品、及び、該電子部品を有する電子制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載のように、配線パターンの一部としてパターンヒューズを有するプリント基板が知られている。
【0003】
パターンヒューズは、他の配線パターンの部分よりも細く形成されている。したがって、例えば電子部品の内部で短絡が生じ、これにより過電流が流れると、発熱によりパターンヒューズが溶断され、過電流が遮断されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−311467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、パターンヒューズを用いる場合、電子部品の種類が異なったり、同じ種類の電子部品でも定格が異なると、パターンヒューズを個別に設計しなければならない。このため、異なる電子制御装置において、プリント基板の共通化(標準化)を図るのが困難である。例えばプリント基板を共通化し、電子部品のみを載せ換えてなるバリエーション製品に対応することができない。
【0006】
また、プリント基板上に、配線パターンの一部としてパターンヒューズを設けるため、プリント基板の体格、ひいては電子制御装置の体格を小型化することが困難である。
【0007】
さらには、パターンヒューズは、プリント基板の一面上に形成されており、一度溶断しても、再接続しやすいという問題がある。特にプリント基板の高密度化にともない、再接続しやすくなっている。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑み、電子部品が実装されるプリント基板の共通化及び体格の小型化を図るとともに、再接続を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、プリント基板(26)に実装される電子部品であって、
少なくとも1つの素子と、該素子に対応する複数の電極(48,50)と、を有し、プリント基板の一面(26a)上に配置される本体部(44)と、
本体部を一面上に浮いた状態で支持するとともに、電極に接続されており、該電極とプリント基板の対応するランド(40a)とを電気的に接続する端子部(46)と、を備え、
端子部は、電極にそれぞれ接続されており、本体部が一面上に配置された状態で、ランド(40a)にはんだ付けされる複数の配線部(56)と、少なくとも電気絶縁材料を用いて形成され、本体部に接触するととともに一面にも接触して、本体部を一面上に浮いた状態で支持する支持部(58)と、を有し、
支持部は、本体部に接触して本体部を保持し、該接触部分が電気絶縁材料からなる少なくとも1つの保持部(60)と、該保持部から一面に向けて延び、複数の電極の並び方向において弾性変形可能に設けられた脚部(62)と、を有し、
配線部は、電極に電気的且つ機械的に接続された電極接続部(64)と、脚部に固定されており、ランドにはんだ付けされるランド接続部(66)と、電極接続部とランド接続部とを繋ぐ繋ぎ部(68)と、を有し、
配線部として、ヒューズ配線部(56a)を含み、
ヒューズ配線部は、繋ぎ部の少なくとも一部として、該ヒューズ端子部の他の部分よりも幅が狭くされ、過電流による発熱に応じて溶断し、過電流を遮断する遮断部(74)を有することを特徴とする。
【0010】
これによれば、電子部品に端子部(46)を設け、端子部(46)を構成する複数の配線部(56)の少なくとも1つを、遮断部(74)を有するヒューズ配線部(56a)としたので、例えば異なる電子制御装置において、プリント基板(26)を共通化することができる。また、パターンヒューズを有さない分、プリント基板(26)、ひいては電子制御装置の体格を小型化することができる。
【0011】
また、ヒューズ配線部(56a)は、繋ぎ部(68)の少なくとも一部として遮断部(74)を有している。すなわち、遮断部(74)はプリント基板(26)の一面(26a)に対して浮いている。したがって、溶断した遮断部(74)が再接続してしまう、という不具合が生じるのを抑制することができる。特に本発明では、端子部(46)において、電極(48,50)とランド(40a)とを電気的に接続する配線機能と、本体部(44)を支持する支持機能とを、配線部(56)と支持部(58)として分離している。このため、遮断部(74)が溶断しても、支持部(58)により、本体部(44)を支持することができる。したがって、再接続をより効果的に抑制することができる。
【0012】
さらに、支持部(58)は、電極(48,50)の並び方向において弾性変形可能に設けられている。したがって、並び方向において、線膨張係数差によりプリント基板(26)と本体部(44)との間に伸縮差、すなわち相対的な変位、が生じると、支持部(58)は弾性変形する。これにより、配線部(56)と電極(48,50)との接続部、配線部(56)とランド(40a)との接続部、に作用する応力を低減し、接続信頼性を向上することができる。
【0013】
また、本発明のさらなる特徴は、繋ぎ部(68)が、電極接続部(64)とランド接続部(66)とを繋ぐ仮想直線に対して、本体部と反対側に凸とされていることにある。
【0014】
これによれば、使用環境温度により、例えば本体部(44)に対してプリント基板(26)が伸び、これにともなって支持部(58)の脚部(62)が弾性変形する際に、脚部(62)の変形にともなって繋ぎ部(68)も変形できる。このように、繋ぎ部(68)が、脚部(62)の変形を吸収するたわみ構造を有しているので、接続信頼性をさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る電子制御装置の概略構成を示す斜視図である。
図2図1のII-II線に沿う断面図である。
図3】回路基板の一部分を拡大した斜視図である。
図4】電子部品のうち、端子部を示す斜視図である。
図5図3のV-V線に沿う断面図である。
図6図5において、遮断部が溶断した状態を示す図である。
図7】応力低減の効果を示す断面図である。
図8】(a),(b)ともに配線部の変形例を示す断面図である。
図9】第2実施形態に係る電子制御装置において、回路基板の一部分を示す斜視図であり、図3に対応している。
図10】電子部品のうち、端子部を示す斜視図であり、図4に対応している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す各実施形態において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。
【0017】
(第1実施形態)
図1及び図2に示す電子制御装置10は、要部として、回路基板12を備えている。さらには、回路基板12以外にも、該回路基板12を収容する筐体14とシール材16を備えている。本実施形態では、電子制御装置10が、車両のエンジンを制御する防水型の電子制御装置(ECU)として構成されている。
【0018】
先ず、電子制御装置10の構成の概略を説明する。
【0019】
筐体14は、アルミニウム、鉄等の金属材料や樹脂材料からなり、その内部に回路基板12を収容して、これを保護するものである。筐体14の構成部材の個数は特に限定されるものではなく、1つの部材から構成されても良いし、複数の部材から構成されても良い。
【0020】
本実施形態では、図2に示すように、筐体14が、一面が開口された底の浅い箱状のケース18と、ケース18の開口部位を閉塞するカバー20との2つの部材を有している。そして、ケース18とカバー20とがねじ22により組み付けられ、回路基板12を収容する内部空間を備えた筐体14となっている。なお、この組み付け状態で、回路基板12の一部が、ケース18とカバー20によって直接的、若しくは、間接的に挟持され、これにより、回路基板12が筐体14内の所定位置に保持されている。
【0021】
なお、筐体14を構成するケース18とカバー20の分割方向は特に限定されるものではない。本実施形態では、回路基板12の厚み方向において筐体14が2分割され、ケース18とカバー20となっている。
【0022】
ケース18における周縁部の4隅付近には、電子制御装置10を例えばエンジンブロックに固定するための、ねじ挿通用の固定孔24が設けられている。また、筐体14には、後述するコネクタ30の一部を外部に露出させるための開口部が設けられている。
【0023】
シール材16は、筐体14の内部空間に水分が侵入するのを防止する機能を果たすものである。このシール材16は、図2に示すように、ケース18の周縁部位とカバー20の周縁部位のうち、互いに対向する部位間に配置されている。また、筐体14とコネクタ30との対向部位間にも配置されている。
【0024】
回路基板12は、プリント基板26に、マイコン、パワートランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品28が実装されて、回路が構成されたものである。電子部品28は、プリント基板26の一面26a及び該一面26aと反対の裏面26bの少なくとも一方に配置されていれば良い。本実施形態では、図2に示すように、プリント基板26の両面26a,26bに電子部品28が実装されている。また、一例として、プリント基板26の一面26aに、後述するヒューズ端子部46aを備えた電子部品28aが複数実装されている。この電子部品28aは、従来ヒューズパターンを必要とした電子部品である。便宜上、上記した電子部品28a以外の電子部品28を電子部品28bと示す。
【0025】
プリント基板26には、上記した電子部品28以外にも、回路基板12に構成された回路と外部機器などとを電気的に中継するコネクタ30が実装されている。なお、図2では、コネクタ30のピン30aがプリント基板26に挿入実装される例を示しているが、実装構造としては上記例に限定されるものではなく、表面実装構造を採用することもできる。
【0026】
なお、図2に示す符号32は、一部の電子部品28bとケース18に接して配置され、電子部品28bの熱をケース18に伝達する放熱ゲルである。
【0027】
このように構成される電子制御装置10には、コネクタ30のピン30aに図示しない外部コネクタが嵌合され、ワイヤハーネスと電気的に接続されている。そして、過電流保護用のヒューズ34を介して、バッテリ36(直流電源)と電気的に接続されている。このバッテリ36には、図示しない他の電子制御装置、例えばブレーキECU、ステアリングECU、ボディECU、ナビゲーション装置なども接続されている。
【0028】
ヒューズ34としては、電子制御装置10を含む各種電子制御装置等に対して作動に必要な電力を供給する経路に設けられるため、例えば15A用や20A用の大型ヒューズが採用される。ヒューズ34は、電子制御装置10を含む各種電子制御装置のいずれかに不具合が生じ、所定の電流値を超える過電流が発生すると、この過電流により溶断する。これにより、ヒューズ34を介した電力の供給が遮断され、他の電子制御装置への悪影響が抑制される。
【0029】
次に、図3図5を用いて、回路基板12、特に電子部品28aを、詳細に説明する。図3及び図4は、回路基板12のうち、電子部品28aの実装領域周辺を示している。また、プリント基板26の一面26aに沿い、且つ、電極48,50の並び方向をX方向とする。また、一面26aに沿い、且つ、X方向に垂直な方向をY方向とし、プリント基板26の厚み方向をZ方向とする。
【0030】
プリント基板26は、樹脂やセラミックスを主原料とする絶縁基材38と、銅などの導電材料からなり、前記絶縁基材38に配置された配線パターン40と、を有している。本実施形態では、絶縁基材38に配線パターン40が多層に配置されており、絶縁基材38の両表面に、配線パターン40がそれぞれ配置されている。
【0031】
プリント基板26の一面26aに対応する絶縁基材38の表面上には、配線パターン40を覆うように、図示しないレジストが配置されている。このレジストは、所定の位置に開口部を有しており、この開口部から露出する配線パターン40の部分が、はんだ42を介して、電子部品28が接続されるランド40aとなっている。電極48,50に対応するランド40aも、電極48,50同様、X方向に並んで配置されている。
【0032】
電子部品28aは、本体部44と端子部46を有している。
【0033】
本体部44は、少なくとも1つの素子が構成されるとともに、その外面に複数の電極48,50を有しており、プリント基板26の一面26a上に配置される。本実施形態では、回路基板12が複数の電子部品28aを有しており、そのうちの少なくとも1つとして、図5に示すセラミック積層コンデンサを有している。図5に示す電子部品28a(セラミック積層コンデンサ)の本体部44は、例えばチタン酸バリウム系の高誘電セラミックスからなる誘電層52と、導体層54が交互に配置されて構成されている。そして、導体層54に対して電極48,50が電気的に接続されている。
【0034】
また、本体部44は、X方向及びY方向により規定される面内の外形輪郭、すなわち一面26aに沿う外形輪郭が、X方向を長手とする略矩形(長方形)となっている。そして、本体部44におけるX方向の両端に電極48,50が設けられている。ここで、本体部44の外面のうち、一面26aに対向する面を対向面44a、対向面44aと反対の面を裏面44b、対向面44a及び裏面44bを除く面を側面とする。すると、電極48は、側面のうち、X方向の端面である第1側面44cを含む端部に設けられている。詳しくは、対向面44a、裏面44b、第1側面44c、及び第1側面44cの両隣に位置する側面にわたって設けられている。電極50は、側面のうち、X方向において第1側面44cと反対の側面である第2側面44dを含む端部に設けられている。詳しくは、対向面44a、裏面44b、第2側面44d、及び第2側面44dの両隣に位置する側面にわたって設けられている。なお、電極48,50の一方が、特許請求の範囲に記載の第1電極に相当し、他方が第2電極に相当する。
【0035】
一方、端子部46は、本体部44を一面26a上に浮いた状態で支持する支持機能と、電極48,50とランド40aとを電気的に接続する配線機能を有する。この端子部46は、電極48,50にそれぞれ接続されており、本体部44が一面26a上に配置された状態で、ランド40aにはんだ付けされる複数の配線部56を有している。また、端子部46は、少なくとも電気絶縁材料を用いて形成され、本体部44に接触するととともに一面26aにも接触して、本体部44を一面26a上に浮いた状態で支持する支持部58も有している。このように、1つの部材に支持機能と配線機能をもたせるのではなく、配線機能を配線部56に、支持機能を支持部58に分けている。
【0036】
本実施形態では、端子部46として、電極48側に設けられたヒューズ端子部46aと、電極50側に設けられたノーマル端子部46bと、を有している。
【0037】
支持部58は、本体部44に接触して本体部44を保持し、該接触部分が電気絶縁材料からなる少なくとも1つの保持部60と、該保持部60からZ方向において一面26a側に延び、X方向において弾性変形可能に設けられた脚部62と、を有している。
【0038】
本実施形態では、支持部58のうち、後述する固定部70を除く部分が、樹脂材料を用いて形成されている。また、ヒューズ端子部46aを構成する支持部58と、ノーマル端子部46bを構成する支持部58との、2つの支持部58を有している。保持部60は、電極48,50をそれぞれ保持するように、一面が開口する箱状をなしており、電極48,50が設けられている本体部44の5面に対向する壁面を有している。また、箱の深さは、電極48,50のX方向の長さと同程度となっている。そして、本体部44の電極48,50が、保持部60の箱内に圧入固定されるようになっている。なお、圧入固定以外の保持構造、接着、挟持、嵌合などを採用することもできる。
【0039】
さらに、ヒューズ端子部46a側の保持部60は、第1側面44cに対向する壁部に、開口部60aを有しており、この開口部60aにより、電極48が外部に露出されるようになっている。同様に、ノーマル端子部46b側の保持部60は、第2側面44dに対向する壁部に、開口部60aを有しており、この開口部60aにより、電極50が外部に露出されるようになっている。
【0040】
ヒューズ端子部46a側の支持部58は、脚部62として、保持部60から延設された第1脚部62aを有している。ノーマル端子部46b側の支持部58は、脚部62として、保持部60から延設された第2脚部62bを有している。各脚部62(62a,62b)は、対応する保持部60における対向面44a側の部分から、Z方向においてプリント基板26に近づく側に延設されている。これら脚部62a,62bは、対応する保持部60からZ方向に沿って延設された垂直部62cと、該垂直部62cにおける下端から、X方向において相手側の脚部62に向けて延設された台座部62dと、を有している。台座部62dは、プリント基板26の一面26aに配置される部分となっており、本実施形態では、ランド40aに配置される。各脚部62は、保持部60からの延設方向に直交する幅方向の長さが、延設方向において一定とされ、その厚みも一定となっている。そして、垂直部62cは、X方向において弾性変形可能に設けられている。
【0041】
配線部56は、電極48,50に電気的且つ機械的に接続された電極接続部64と、脚部62に固定されており、ランド40aにはんだ付けされるランド接続部66と、電極接続部64とランド接続部66とを繋ぐ繋ぎ部68と、を有している。本実施形態では、ヒューズ端子部46a側の配線部56として、電極48に接続されたヒューズ配線部56aを有している。また、ノーマル端子部46b側の配線部56として、電極50に接続されたノーマル配線部56bを有している。また、これら配線部56(56a,56b)は、所定厚さを有する金属板を打ち抜き、曲げ加工することで形成されている。なお、ヒューズ配線部56a及びノーマル配線部56bの一方が、特許請求の範囲の記載の第1配線部に相当し、他方が第2配線部に相当する。
【0042】
本実施形態において、電極接続部64は、保持部60の開口部60a内に配置され、開口部60aに露出する電極48,50に、図示しないはんだを介して接続されている。詳しくは、ヒューズ配線部56aの電極接続部64が、電極48の第1側面44cの部分に接続され、ノーマル配線部56b側の電極接続部64は、電極50の第2側面44dの部分に接続されている。
【0043】
ランド接続部66は、脚部62のうち、垂直部62cに固定されている。本実施形態において、脚部62は、垂直部62cのうち、X方向において相手側の脚部62と反対側の面の下端から所定の範囲に、金属製の固定部70を有している。この固定部70としては、樹脂製の垂直部62cの表面に配置された金属箔、樹脂製の垂直部62cとともに成形されたインサート部品などを採用することができる。そして、ランド接続部66は、図示しないはんだを介して脚部62の固定部70に接続されている。そして、この固定状態で、ランド接続部66は、図5に示すように、はんだ42を介してランド40aに接続されている。
【0044】
繋ぎ部68は、Z方向に延びて電極接続部64とランド接続部66を繋ぐとともに、電極接続部64とランド接続部66とを繋ぐ仮想直線(図5に示す破線)に対し、X方向において本体部44と反対側に凸とされている。特に本実施形態では、繋ぎ部68が、凸の頂点に折曲部72を有しており、X方向及びZ方向により規定される面に沿う断面形状がV字状となっている。また、繋ぎ部68と電極接続部64の境界、繋ぎ部68とランド接続部66の境界も折曲箇所となっている。
【0045】
そして、ヒューズ端子部46aのヒューズ配線部56aに遮断部74が設けられている。遮断部74は、繋ぎ部68の少なくとも一部として設けられている。そして、遮断部74は、ヒューズ端子部46aがランド40aにはんだ付けされた状態で、プリント基板26の一面26a上に浮いた状態で支持される。
【0046】
遮断部74は、ヒューズ端子部46aの他の部分よりも幅が狭くされており、これにより、過電流による発熱に応じて溶断し、過電流を遮断するようになっている。なお、幅とは、ヒューズ端子部46aにおける電流の流れ方向及びヒューズ端子部46aの板厚方向の両方向に直交する方向における長さである。本実施形態では、ヒューズ端子部46aが、所定厚の金属板を所定形状に打ち抜き、折曲することで形成されているため、遮断部74は、上記した電流の流れ方向に直交する断面積が、ヒューズ端子部46aの他の部分よりも小さくされているとも言える。また、遮断部74は、繋ぎ部68のうち、折曲部72よりも電極接続部64側の部分に設けられている。
【0047】
なお、ノーマル端子部46bは、遮断部74を有さない点を除けば、ヒューズ端子部46aと同じ構造となっている。
【0048】
このように構成される電子部品28aのヒューズ端子部46aは、図3に示すように、電源配線40bのランド40aと電気的に接続されている。電源配線40bは、複数の電子部品28(電子部品28a含む)により共用される配線パターン40となっている。そして、この電源配線40bは、上記したコネクタ30のピン30aを介してバッテリ36と電気的に接続されている。
【0049】
次に、上記した電子部品28aの製造方法及電子部品28aのプリント基板26への実装方法について説明する。
【0050】
先ず、電極48,50を有する本体部44と、支持部58と、上記した所定形状の配線部56(56a,56b)と、をそれぞれ準備する。
【0051】
次いで、本体部44に対して、支持部58を取り付ける。具体的には、ヒューズ端子部46a側の支持部58における保持部60に電極48を圧入するとともに、ノーマル端子部46b側の支持部58における保持部60に電極50を圧入する。
【0052】
次いで、保持部60の開口部60aから覗く電極48の部分に、ヒューズ配線部56aの電極接続部64をはんだ付けするとともに、第1脚部62aの固定部70に、ランド接続部66をはんだ付けする。また、保持部60の開口部60aから覗く電極50の部分に、ノーマル配線部56bの電極接続部64をはんだ付けするとともに、第2脚部62bの固定部70に、ランド接続部66をはんだ付けする。以上により、電子部品28aを得ることができる。
【0053】
そして、脚部62の台座部62dが対応するランド40a上に位置するように、電子部品28aを、プリント基板26に対して位置決めしつつ、一面26aに配置する。そして、はんだ42により、ランド接続部66とランド40aとを電気的且つ機械的に接続する。以上により、回路基板12、ひいては電子制御装置10を得ることができる。
【0054】
次に、上記した電子部品28a及び電子制御装置10の特徴部分の作用効果について説明する。
【0055】
本実施形態では、電子部品28aの電極48,50を、はんだ42を介してランド40aに接続するのではなく、電極48,50とランド40aとの間に端子部46、詳しくは配線部56(56a,56b)を設けている。また、複数の配線部56の少なくとも1つを、遮断部74を備えたヒューズ配線部56aとしている。したがって、例えば電子部品28aが短絡し、過電流(短絡電流)が生じても、幅の狭い遮断部74が過電流に応じて発熱する。そして、この発熱により所定温度以上となると遮断部74が溶断し、図6に示すように、遮断部74の部分が空隙76となる。すなわち、電極48とランド40aが電気的に遮断され、過電流が遮断される。このように、ヒューズ端子部46aのヒューズ配線部56aに過電流が流れる際には、ヒューズ配線部56aにより接続される電極48とランド40aを速やかに遮断することができる。
【0056】
また、電子部品28aの短絡故障により生じる過電流(短絡電流)を遮断する遮断機能を、プリント基板26のパターンヒューズに代えて、電子部品28aのヒューズ端子部46aに持たせている。したがって、複数種類の電子制御装置10において、プリント基板26を共通化(標準化)することができる。例えばプリント基板26を共通化し、電子部品28aのみを載せ換えてなるバリエーション製品に対応することができる。
【0057】
また、パターンヒューズを有さない分、プリント基板26、ひいては電子制御装置10の体格を小型化することができる。
【0058】
また、ヒューズ配線部56aは、電極接続部64とランド接続部66とを繋ぐ繋ぎ部68の少なくとも一部として遮断部74を有している。このため、遮断部74は、プリント基板26の一面26aに接触しておらず、一面26a対して浮いた位置にある。したがって、溶融した金属が一面26a上に広がり、溶断した遮断部74が再接続してしまう、という不具合が生じるのを抑制することができる。
【0059】
特に本実施形態では、端子部46において、電極48,50とランド40aとを電気的に接続する配線機能と、本体部44を支持する支持機能とを、配線部56と支持部58として分離している。言うなれば、本体部44は、遮断部74の溶断有無にかかわらず、支持部58により、一面26a上に支持されるようになっている。このため、ヒューズ配線部56aの遮断部74が溶断しても、支持部58により、本体部44を支持することができ、これにより、再接続をより効果的に抑制することができる。
【0060】
さらに、支持部58における脚部62、特に垂直部62cは、電極48,50の並び方向であるX方向において、弾性変形可能に設けられている。したがって、線膨張係数差により、プリント基板26と本体部44との間に伸縮差(相対的な変位)が生じると、脚部62は弾性変形する。図7では、環境温度が上昇し、本体部44に対してプリント基板26がX方向に伸びた例を示しており、脚部62の垂直部62cは弾性変形している。なお、図7に示す破線は、変形前の垂直部62cの位置を示している。このように、端子部46を構成する支持部58の脚部62により、配線部56と電極48,50との接続部、配線部56とランド40aとの接続部、に作用する応力を低減することができる。したがって、これら接続部の接続信頼性を向上することができる。
【0061】
特に本実施形態では、各配線部56において、繋ぎ部68が、電極接続部64とランド接続部66とを繋ぐ仮想直線に対して、本体部44と反対側に凸となっている。このため、上記したようにプリント基板26が伸び、これにともなって脚部62が弾性変形する際に、脚部62の変形にともなって繋ぎ部68も変形することができる。このように、繋ぎ部68が、脚部62の変形を吸収するたわみ構造を有しているので、接続信頼性をさらに向上することができる。
【0062】
また、繋ぎ部68が、凸の頂点に折曲部72を有する断面V字状となっている。このような形状とすると、繋ぎ部68を形成しやすく、また形状管理もしやすい。
【0063】
さらに本実施形態では、ランド40aに接続された状態で、遮断部74はプリント基板26の一面26a上に浮いた状態で保持される。したがって、遮断部74の熱が直接的にプリント基板26に逃げることはない。したがって、短絡してから遮断部74が溶断するまでの時間を短縮、すなわち応答性を向上することができる。また、応答性能のばらつきも低減することができるため、これにより、遮断性能の精度を向上することもできる。
【0064】
なお、パターンヒューズで応答性を向上するには、パターンヒューズを他の配線部分より厚くしたり、パターンヒューズを、他の配線部分よりも溶断しやすい材料で形成することが必要となる。したがって、製造コストが高くなる。これに対し、本実施形態では、上記の通り、遮断部74の熱がプリント基板26に逃げにくいので、応答性を向上しつつ製造コストを低減することができる。また、上記のように、プリント基板26が遮断部74の熱を受けにくいので、プリント基板26の耐熱設計を従来よりも緩和することができる。これによっても、製造コストを低減することができる。
【0065】
また、パターンヒューズの場合、周辺の電子部品の動作により生じる熱、周辺のパターンヒューズの熱が、プリント基板の絶縁基材や配線パターンを介して伝達される。このように、パターンヒューズが周辺の熱の影響を受けるため、高密度実装とすると、例えば短絡が生じる前に溶断が生じる虞がある。これに対し、本実施形態では、遮断部74がプリント基板26の一面26a上に浮いた状態で保持されるため、他の電子部品28などの熱の影響を受けにくい。したがって、高密度実装が可能であり、これによっても、プリント基板26の体格を小型化し、ひいては製造コストを低減することができる。
【0066】
また、電子部品28aの少なくとも一部は、電源配線40bに接続されている。しかしながら、上記したように、電子部品28aが短絡故障し、ヒューズ配線部56aに過電流が流れる際には、ヒューズ配線部56aにより接続される電極48とランド40aを、速やかに遮断することができる。したがって、電源配線40bに接続される他の電子部品28を上記した過電流から保護することができる。また、遮断部74を遮断する際の過電流は、ヒューズ34を遮断する程は大きくないので、過電流が、他の電子制御装置への電力供給に影響を及ぼすのを抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態では、電子部品28aとしてセラミック積層コンデンサを含んでいる。このような積層構造の電子部品28aを採用すると、電子部品28aを小型化でき、回路基板12を高密度実装とすることができる。その反面、積層構造の電子部品28aでは、車両振動や熱応力などにより、多層に配置された導体層54同士が短絡しやすいという問題がある。本実施形態では、このような電子部品28aを採用し、万が一短絡が生じても、ヒューズ配線部56aにより接続される電極48とランド40aを、速やかに遮断することができる。
【0068】
また、例えばリチウム系のバッテリ36などは、電流供給能力が鉛バッテリに較べて電力供給能力に優れが、定格を超える電流を供給するなどで急速に劣化が促進されるという問題がある。しかしながら、本実施形態では、電子部品28aに短絡が生じても、ヒューズ配線部56aにより接続される電極48とランド40aを速やかに遮断し、バッテリ36への影響を最小限に留めることができる。
【0069】
なお、配線部56を構成する繋ぎ部68の形状は、上記した断面V字状に限定されるものではない。好ましくは、上記したように、電極接続部64とランド接続部66とを繋ぐ仮想直線に対し、X方向において本体部44と反対側に凸とされた形状とすると良い。このような形状としては、図8(a)の変形例に示すように、折曲部72を2箇所有する形状、所謂断面コの字状、としても良い。また、図8(b)の変形例に示すように、繋ぎ部68として折曲部72を有さない弧状、所謂断面C字状、としても良い。
【0070】
また、脚部62が、垂直部62cと台座部62dを有する例を示したが、脚部62としては、保持部60からZ方向に延設されて、プリント基板26の一面26aに接触する部分を有せば良い。したがって、垂直部62cのみを有する脚部62を採用することもできる。
【0071】
(第2実施形態)
本実施形態において、上記実施形態に示した電子部品28a及び電子制御装置10と共通する部分についての説明は割愛する。
【0072】
図9及び図10に示すように、本実施形態では、全ての脚部62(62a,62b)が、共通の保持部60から延設されている点を特徴とする。すなわち、ヒューズ配線部56aとノーマル配線部56bが、同一の端子部46に構成されている点を特徴とする。それ以外は、第1実施形態と同じである。
【0073】
本実施形態でも、支持部58は、固定部70を除く部分が樹脂材料を用いて形成されている。保持部60は、本体部44の対向面44aに接触する基部60bと、基部60bからZ方向においてプリント基板26と反対側に延びた柱部60cと、本体部44の裏面44bに接触する爪部60dと、を有している。
【0074】
基部60bは、X方向及びY方向により規定される面内において、対向面44aとほぼ一致するように設けられた平面矩形の平板状をなしている。
【0075】
保持部60は2本の柱部60cを有しており、これら柱部60cは本体部44の相対する側面に接触するように、互いに対向して設けられている。そして、2本の柱部60cにより、Y方向において本体部44を挟んで保持するようになっている。
【0076】
また、爪部60dは、各柱部60cにおける基部60bと反対の端部から、Y方向に延設されており、Y方向において2つの爪部60dの間には、所定の空隙が設けられている。そして、爪部60dと基部60bとにより、Z方向において本体部44を挟んで保持するようになっている。
【0077】
脚部62は、第1実施形態同様、第1脚部62aと第2脚部62bを有する。第1脚部62aは、保持部60の基部60bにおけるプリント基板26との対向面のうち、電極48とオーバーラップする部分から、Z方向においてプリント基板26に近づく側に延設されている。第2脚部62bは、基部60bにおけるプリント基板26との対向面のうち、電極50とオーバーラップする部分から、Z方向においてプリント基板26に近づく側に延設されている。これら脚部62a,62bは、第1実施形態に記載の垂直部62cに相当する部分のみを有している。また、弾性変形しやすいように、各脚部62a,62bは、基部60bに対して薄肉となっている。詳しくは、各脚部62a,62bは、X方向及びY方向により規定される面に沿う断面形状がコの字状をなしている。
【0078】
なお、上記した電子部品28aを製造するには、第1実施形態同様、先ず、電極48,50を有する本体部44と、支持部58と、上記した所定形状の配線部56(56a,56b)と、をそれぞれ準備する。
【0079】
次いで、本体部44に対して、支持部58を取り付ける。具体的には、爪部60dをY方向に離反させるように、爪部60d及び柱部60cを撓ませ、本体部44を、一対の爪部60d及び柱部60cの間に配置する。そして、爪部60dを、本体部44の裏面44bに接触させる。
【0080】
次いで、電極48における第1側面44cの部分に、ヒューズ配線部56aの電極接続部64をはんだ付けするとともに、第1脚部62aの固定部70に、ランド接続部66をはんだ付けする。また、電極50における第2側面44dの部分に、ノーマル配線部56bの電極接続部64をはんだ付けするとともに、第2脚部62bの固定部70に、ランド接続部66をはんだ付けする。以上により、電子部品28aを得ることができる。
【0081】
このような電子部品28aを採用しても、第1実施形態に記載の効果を奏することができる。
【0082】
また、本実施形態では、複数の配線部56で保持部60を共通化しているため、電子部品28aを形成する際の組み付け工数を削減することもできる。
【0083】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【0084】
上記実施形態では、複数の配線部56のうち、1本のみを、遮断部74を備えたヒューズ配線部56aとする例を示した。しかしながら、1つの電子部品28aにおいて、ヒューズ配線部56aの本数は1本に限定されるものではない。例えばすべての配線部56をヒューズ配線部56aとしても良い。例えば、電極48に接続されたヒューズ配線部56aの遮断部74と、電極50に接続されたヒューズ配線部56aの遮断部74が、ともに溶断しても、支持部58により、本体部44を支持することができる。したがって、ヒューズ配線部56aの再接続を抑制することができる。
【0085】
上記実施形態では、1つの電極48,50に対して1本の配線部56が接続される例を示した。しかしながら、電極48,50に接続される配線部56の本数は上記例に限定されるものではない。例えば、1つの電極48に対して、複数本のヒューズ配線部56aが接続される構成としても良い。また、1つの電極50に対して、複数本のノーマル配線部56bが接続される構成としても良い。
【0086】
上記実施形態では、電子部品28aの例として、セラミック積層コンデンサを示した。しかしながら、上記した構成は、それ以外の電子部品にも採用することができる。例えば、積層構造の電子部品としては、積層インダクタも採用することができる。また、積層構造に限定されず、その他の電子部品にも適用することができる。例えば多連チップ抵抗など、電極を3つ以上有する電子部品にも適用することもできる。
【0087】
脚部62の本数は、電極48,50と同数でなくとも良い。例えば、第1実施形態に示す構成において、ヒューズ端子部46aが、保持部60から延設された第1脚部62aを2本有し、第1脚部62aの少なくとも一方に、ランド接続部66が固定された構成としても良い。
【0088】
支持部58として、固定部70を有する例を示したが、固定部70を有さない構成を採用することもできる。この場合、例えば樹脂製の脚部62に、ランド接続部66が接着などにより固定されることとなる。また、固定部70を除く支持部58の部分が、樹脂材料を用いて形成される例を示したが、その構成材料は上記例に限定されるものではない。支持部58としては、少なくとも電気絶縁材料を用いて形成され、本体部44との接触部分が電気絶縁材料からなり、脚部62が電極48,50の並び方向において弾性変形可能に設けられていれば良い。したがって、樹脂以外の電気絶縁材料を用いて形成されても良いし、固定部70のように、金属材料からなる部分を含んでも良い。しかしながら、支持部58を構成する主たる材料として樹脂材料を用いると、本体部44を支持する機能を持たせつつ、弾性変形可能な構成としやすい。
【0089】
上記実施形態では、バッテリ36と電気的に接続される電源配線40bに対して、電子部品28aが電気的に接続される例を示した。しかしながら、端子部46として遮断部74を有する電子部品28aが接続される配線は、電源配線40bに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0090】
10・・・電子制御装置、12・・・回路基板、14・・・筐体、16・・・シール材、18・・・ケース、20・・・カバー、22・・・ねじ、24・・・固定孔、26・・・プリント基板、26a・・・一面、26b・・・裏面、28,28a,28b・・・電子部品、30・・・コネクタ、30a・・・ピン、32・・・放熱ゲル、34・・・ヒューズ、36・・・バッテリ、38・・・絶縁基材、40・・・配線パターン、40a・・・ランド、40b・・・電源配線、42・・・はんだ、44・・・本体部、44a・・・対向面、44b・・・裏面、44c・・・第1側面、44d・・・第2側面、46・・・端子部、46a・・・ヒューズ端子部、46b・・・ノーマル端子部、48,50・・・電極、52・・・誘電層、54・・・導電層、56・・・配線部、56a・・・ヒューズ配線部、56b・・・ノーマル配線部、58・・・支持部、60・・・保持部、60a・・・開口部、60b・・・基部、60c・・・柱部、60d・・・爪部、62・・・脚部、62a・・・第1脚部、62b・・・第2脚部、62c・・・垂直部、62d・・・台座部、64・・・電極接続部、66・・・ランド接続部、68・・・繋ぎ部、70・・・固定部、72・・・折曲部、74・・・遮断部、76・・・空隙、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10