(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ホルダは、前記第1の導電部材と前記第2の導電部材を差し込み可能な差込部を有しており、かつ、前記屈曲部及び第1溶接部を挿通可能な貫通孔と、前記第2の電子部品接続部が挿通可能な挿通孔とが幅方向に隣接して形成されており、
前記貫通孔と前記挿通孔の間が薄肉になっており、
前記第1の電子部品接続部には前記挿通孔に圧入される前記ホルダ圧入部が備えられている請求項5または請求項6に記載の電子部品付きコネクタ。
第1の導電部材と、該第1の導電部材に平行に配設される第2の導電部材と、該第1の導電部材と該第2の導電部材とを保持する導電部材保持部と、を備えているホルダであって、
前記第1の導電部材は、第1の接続部を備えており、該第1の接続部は所定形状に屈曲する屈曲部と、前記導電部材保持部から突出する第1突出部とを有しており、
前記第2の導電部材は、第2の接続部を備えており、該第2の接続部が、平板状に所定形状に形成されるとともに、前記導電部材保持部に突出した姿勢で保持される第2突出部を有しており、
前記第1突出部と前記第2突出部との高さが揃っており、
前記導電部材保持部には、前記屈曲部及び第1突出部を挿通可能な貫通孔と、前記第2の接続部が挿通可能な挿通孔とが隣接して形成されており、
前記貫通孔と前記挿通孔の間が薄肉になっており、
前記第2の接続部には前記挿通孔に圧入されるホルダ圧入部が備えられているホルダ。
前記第1の導電部材及び前記第2の導電部材は、相手側端子金具に接続される複数の端子部と、前記端子部同士を連結する連結部と、を備えており、前記第1の接続部及び前記第2の接続部は、前記連結部から前記端子部とは逆側に形成されて電子部品に接続されており、
前記導電部材保持部は、前記連結部を上下二段で平行に差し込み可能な差込部を有しており、
前記第2の導電部材の連結部を差し込み可能な第2の差込穴の奥端部に前記第2の接続部を挿通可能な前記挿通孔が形成されており、
前記第1の導電部材の連結部を差し込み可能な第1の差込穴と前記第2の差込穴に亘って前記貫通孔が形成されており、
前記電子部品が保持されている請求項8または請求項9に記載のホルダ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2に開示された防水コネクタは、ホルダをハウジングに保持するためのリアホルダが必要となるため、部品点数が多くなり、またコネクタの全体構造も複雑化していた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、少ない部品点数で、構造を単純化できる電子部品付きコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電子部品付きコネクタは、電子部品と、前記電子部品を保持するホルダと、前記ホルダを挿入可能な挿入口が一方向のみに開口して設けられ、電子部品が保持されたホルダを収容してなるハウジングと、前記電子部品と相手側端子金具とを導通可能に接続する導電部材と、を備えており、前記導電部材は、前記ホルダに圧入されるホルダ圧入部と、前記ハウジングに圧入されるハウジング圧入部とを備え、前記ホルダが該導電部材によって前記ハウジングに保持されていることに特徴を有する。
【0006】
このような構成によると、導電部材に設けられたホルダ圧入部を電子部材を保持するホルダに圧入する。この導電部材を圧入したホルダを、一方向のみに開口しているハウジングに挿入する。そして、ホルダをハウジング内の所定位置に収容すると、導電部材に設けられたハウジング圧入部を、ハウジングに圧入する。導電部材が、ホルダとハウジングを圧入によって保持することで、導電部材を介して、ホルダがハウジングに保持される。このような構成により、導電部材でホルダとハウジングを保持できることから、他の部品を用いる必要がなく、部品点数を削減することができる。また孔や突起を設ける必要がないため、ハウジング内に孔等を防ぐ構造が不要となり、ハウジング内の防水が容易になる。
【0007】
本発明の電子部品付きコネクタの実施の態様として、以下の構成としてもよい。
前記導電部材は、一対の前記ハウジング圧入部が設けられた構成とされ、前記ハウジング圧入部は、前記ホルダの外側面より側方に突出した位置に設けられている構成としても良い。
このような構成によると、ハウジングへの固定を2点で行うことから、保持力を向上させることができる。また、ハウジング圧入部が、ホルダから側方に突出した位置にあるため、ホルダと導電部材をハウジング内に挿入して、ハウジング圧入部をハウジングに圧入する際に、ハウジング圧入部に力をかければ、ホルダ部分に不要な力をかける必要がなくなる。一般的にホルダは樹脂製のことが多いため、ホルダに圧入するための力をかけると力をかけたところに割れ等が生じることがある。しかし、このような構成では、導電部材(一般的に金属製)に圧入するための力をかけることができる。そのため、ホルダの樹脂に割れ等が生じ難くなる。
【0008】
前記ハウジングには、前記ハウジング圧入部が圧入される厚肉部が設けられている構成としても良い。ハウジングにおいて、ハウジング圧入部が圧入される場所には、力などがかかりやすいが、このような構成とすると、圧入される場所が厚肉になっているために、割れ・ひび等が生じ難くなる。
前記ホルダ圧入部は、前記導電部材の略中央から突出した突起形状をなしている構成としても良い。このような構成とすると、導電部材やホルダの仕上がり寸法が公差内で変動した場合に、その変動範囲による位置ずれが、ハウジング圧入部に圧入する際にハウジング圧入部の位置合わせに与える影響を減少させることができる。
【0009】
前記導電部材は、第1の導電部材と、第2の導電部材とを備え、該第1の導電部材と該第2の導電部材がホルダに対して上下段に平行に差し込み可能とされ、前記第1の導電部材と前記第2の導電部材は、前記相手側端子金具に接続される複数の端子部と、前記端子部同士を連結する連結部と、前記電子部品に接続される電子部品接続部と、を各々備えており、前記第1の導電部材の前記電子部品接続部が、所定形状に屈曲する屈曲部と、前記ホルダから突出して前記電子部品と溶接される第1溶接部とを有しており、前記第2の導電部材の前記電子部品接続部が、前記連結部と同一面上にあり、かつ前記ホルダから突出して前記電子部品と溶接される第2溶接部を有しており、前記第1溶接部と前記第2溶接部との高さが揃っている構成としても良い。
【0010】
このような構成とすると、導電部材もホルダに予め保持されてから、ハウジング内に挿入されるため、ハウジング内に挿入する際の作業性が向上できる。また、導電部材と電子部品を予め溶接する必要がある場合に、ホルダが溶接時に両部材を保持していることから、作業性の向上を図ることができる。さらに、上下段のうちの第1の導電部材は屈曲部を有し、第2の導電部材はその上下方向の高さを維持していることで、電子部品接続部の高さが揃っているため、電子部品との接続作業が行いやすくなる。
【0011】
前記ホルダは、前記第1の導電部材と前記第2の導電部材を差し込み可能な差込部を有しており、前記第1の導電部材の前記ホルダ圧入部は、前記電子部品接続部と平行に前記連結部の中央から前記端子部とは逆側に突出することで形成され、かつ、前記差込部の奥端部に形成されたホルダ圧入穴に圧入される構成としても良い。
このような構成とすると、屈曲部を有する第1導電部材は、屈曲部を有する電子部品接続部とは別に形成されたホルダ圧入部を圧入することで、ホルダに固定される。そのため、屈曲部近傍に圧入による負荷がかかることがなくなる。さらに、連結部の中央にホルダ圧入部があることで、公差による位置ずれの影響を少なくできる。
【0012】
前記ホルダは、前記第1の導電部材と前記第2の導電部材を差し込み可能な差込部を有しており、かつ、前記屈曲部及び第1溶接部を挿通可能な貫通孔と、前記第2の電子部品接続部とが挿通可能な挿通孔が幅方向に隣接して形成されており、前記貫通孔と前記挿通孔の間が薄肉になっており、前記第2の電子部品接続部には前記挿通孔に圧入される前記ホルダ圧入部が備えられている構成としても良い。
【0013】
このような構成とすると、第1の導電部材の屈曲部及び第1溶接部を挿通させるために、比較的大きな貫通孔が形成されることになる。そして、この貫通孔と貫通孔と幅方向に隣接する第2の電子部品接続部が挿通可能な挿通孔の間は、薄肉になっている。そのため、第1の導電部材のようなホルダ圧入部を設けて、そのホルダ圧入部を圧入するための穴を貫通孔と挿通孔の間の薄肉部に設けることは困難となる。そこで、第2の接続部にホルダ圧入部を設けて、このホルダ圧入部を挿通孔に圧入することで、第2の導電部材を圧入固定可能となる。このような構成とすることで、ホルダを大型化させずに第2の導電部材を圧入固定することができる。また、薄肉部に穴などを形成しなくても良くなるため、成形も容易になる。
【0014】
さらに、本発明のホルダは、第1の導電部材と、該第1の導電部材に平行に配設される第2の導電部材と、該第1の導電部材と該第2の導電部材とを保持する導電部材保持部と、を備えており、前記第1の導電部材は、第1の接続部を備えており、該第1の接続部は所定形状に屈曲する屈曲部と、前記導電部材保持部から突出する第1突出部とを有しており、前記第2の導電部材は、第2の接続部を備えており、該第2の接続部が、平板状に所定形状に形成されるとともに、前記導電部材保持部に突出した姿勢で保持される第2突出部を有しており、前記第1突出部と前記第2突出部との高さが揃っており、前記導電部材保持部には、前記屈曲部及び第1突出部を挿通可能な貫通孔と、前記第2の接続部が挿通可能な挿通孔とが隣接して形成されており、前記貫通孔と前記挿通孔の間が薄肉になっており、前記第2の接続部には前記挿通孔に圧入されるホルダ圧入部が備えられていることに特徴を有する。
【0015】
このような構成とすると、導電部材保持部に第1の導電部材の屈曲部及び第1突出部を挿通させるために、比較的大きな貫通孔が形成されることになる。一方、ホルダ(導電部材保持部)の幅は通常小型化の要請により最小限となっていることから、この貫通孔と第2の接続部が挿通可能な挿通孔の間は、薄肉になっている。そのため、貫通孔と挿通孔の間の薄肉部に圧入のための穴等を設けることは困難となる。そこで、本発明のように、第2の接続部にホルダ圧入部を設けて、このホルダ圧入部を挿通孔に圧入することで、第2の導電部材を圧入固定する。このような構成とすることで、ホルダを大型化させずに第2の導電部材を圧入固定することができる。また、薄肉部に穴などを形成しなくても良くなるため、成形も容易になる。
【0016】
また、本発明の導電部材の圧入構造の実施の態様として、以下の構成としても良い。
前記ホルダ圧入部は、前記第2の接続部の両側に設けられている構成としても良い。このような構成とすると、第2の接続部に対して均等に圧入による力がかかって良い。
【0017】
前記第1の導電部材及び前記第2の導電部材は、相手側端子金具に接続される複数の端子部と、前記端子部同士を連結する連結部と、を備えており、前記第1の接続部及び前記第2の接続部は、前記連結部から前記端子部とは逆側に形成されて電子部品に接続されており、前記導電部材保持部は、前記連結部を上下二段で平行に差し込み可能な差込部を有しており、前記第2の導電部材の連結部を差し込み可能な第2の差込穴の奥端部に前記第2の接続部を挿通可能な前記挿通孔が形成されており、前記第1の導電部材の連結部を差し込み可能な第1の差込穴と前記第2の差込穴に亘って前記貫通孔が形成されており、前記電子部品が保持されている構成としても良い。
【0018】
このような構成では、第1の導電部材と第2の導電部材がともに導電部材保持部に保持されている。そして、導電部材と電子部品を予め溶接する必要がある場合に、ホルダが溶接時に両部材を保持していることから、作業性の向上を図ることができる。さらに、第1突出部と第2突出部の高さが揃っているため、電子部品との接続作業が行いやすくなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、少ない部品点数で、構造を単純化できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態を
図1ないし
図15に基づいて説明する。
本実施形態における電子部品付きコネクタ(以後、単にコネクタCと称する)は、自動車等に搭載された電気・電子機器等のノイズを除去するためのコネクタである。コネクタCは、一方向を開口したハウジング10と、ハウジング内に収容されるホルダ20とを有している。そして、ホルダ20は、バスバー片(導電部材)40とコンデンサ(電子部品)60とを保持している。また、このコネクタCは、自動車などに搭載された電気・電子機器などから導出される図示しない複数の電線を一括して接続するジョイントコネクタである。このコネクタCは、正極側および負極側のバスバー片40を有し、この正負のバスバー片40の間に、コンデンサ60が介設されている。以下、各構成部材において、コネクタCにおける相手側コネクタ80(
図14参照)との嵌合面側を前方、その反対側を後方とし、また、
図2の上側を上方、下側を下方として、左右方向についても
図2を基準として説明する。
【0022】
ハウジング10は合成樹脂製であって、
図1に示すように、一方向のみに開口した袋状をなしており、この開口が、ホルダ20を挿入可能な挿入口11を形成している。ハウジング10は、前方から、相手側端子金具を有する相手側コネクタ80(
図14参照)と嵌合するフード部13と、ホルダ20の中間部31を収容するホルダ収容部18と、コンデンサ60を収容するコンデンサ収容部19とから形成されている。そして、フード部13とホルダ収容部18とコンデンサ収容部19とが、一体に形成され、全体として挿入口11を有する3段形状の袋状となっている。ハウジング10の構造の詳細については後述する。
【0023】
バスバー片40は、
図1に示すように、金属等の導電性の板材を打ち抜いて、曲げ加工等を施すことで成形されている。バスバー片40は、相手側コネクタ80(
図14参照)に保持された端子金具に接続される複数の端子部41と、これらを櫛歯状に連結する帯状連結部(連結部)43と、コンデンサ60に接続される電子部品接続部45とを有している。
【0024】
各端子部41はタブ状をなし、帯状連結部43の前端面に一定のピッチで並んで突設されている。電子部品接続部45は、帯状連結部43のうち端子部41とは反対の端面(後端面)に形成され、帯状連結部43から略直角方向に延出している。
各帯状連結部43の左右方向の長さは、
図10に示すように、後述するホルダ20のバスバー片保持部21の幅方向(左右方向)の長さよりも長くなっている。そのため、バスバー片40をホルダ20に組み付けた際に、各帯状連結部43が、バスバー片保持部21の左右両端部から突出した状態となる。
【0025】
正負の一対のバスバー片40は、
図8に示すように、ホルダ20の厚さ方向(高さ方向)に上下2段に並べて配置されている。なお、下段側に配置されたバスバー片40を第1バスバー片(第1の導電部材)40A、上段側に配置されたバスバー片40を第2バスバー片(第2の導電部材)40Bと称する。
第1バスバー片40Aおよび第2バスバー片40Bは、ともに端子部41を5本ずつ備え、各端子部41が上下に揃う位置に配置されている。
【0026】
第1バスバー片40Aの電子部品接続部(第1電子部品接続部45Aと称する)と、第2バスバー片40Bの電子部品接続部(第2電子部品接続部45Bと称する)とは、組み付けられた際に、
図10に示すように、ホルダ20の幅方向に一定の間隔をあけて配置されている。
【0027】
第2電子部品接続部45Bは、
図7に示すように、その帯状連結部(第2帯状連結部43Bと称する)のうち左右方向(ホルダ20の幅方向)の中心よりも左側に偏心した位置から後方に突出しており、その突出した部分が後述するコンデンサ60のリード線62と溶接される第2溶接部48Bを形成している。また、第2電子部品接続部45Bは、第2溶接部48Bを含むその全長にわたり段差がない平坦なものとされる。第2電子部品接続部45Bは、第2帯状連結部43Bとも段差がないため、第2バスバー片40B全体が平坦なものとされている。なお、第2電子部品接続部45Bの幅寸法は後述する第2圧入部53を除き全長にわたり略同一とされている。
【0028】
第2電子部品接続部45Bには、第2圧入部(ホルダ圧入部)53が形成されている。第2圧入部53は、前方に向かって幅が広がるように形成されているため、後述する第2接続部挿通孔25に圧入されるにつれて、樹脂に食い込む部分が大きくなる。すなわち、第2電子部品接続部45Bの左右両側に設けられた一対の第2圧入部53を合わせることで楔形状の圧入部が構成されている。第2圧入部53は、
図14に示すように、バスバー片保持部21の前後方向の長さの略中央に係止することで、所定位置に配された第2バスバー片40Bを抜け止めしてホルダ20に保持する役割を果たす。
【0029】
第1電子部品接続部45Aは、
図1に示すように、その帯状連結部(第1帯状連結部43Aと称する)のうち左右方向の中心よりも右側に偏心した位置から後方に突出して、その突出した部分が、後述するコンデンサ60のリード線62と溶接される第1溶接部48Aを形成している。第1電子部品接続部45Aは、その先端にある第1溶接部48Aが第2電子部品接続部45Bと略同一高さに配されるべく、長さ方向(前後方向)の途中の位置において2度直角曲げされた屈曲部47を有している。すなわち第1電子部品接続部45Aは、その長さ方向の途中の位置において上方に屈曲された後、第2電子部品接続部45Bと同一高さの位置において、さらに後方に屈曲されて屈曲部47を形成している。また、第1電子部品接続部45Aの第1溶接部48Aは、屈曲部47よりも若干幅広形状となっている。
【0030】
第1バスバー片40Aには、
図15に示すように、後述するホルダ20のバスバー片保持部21に対して、後方に押し込まれることで、ホルダ20に形成されたホルダ圧入孔29に圧入される第1圧入部(ホルダ圧入部)51が備えられている。第1圧入部51は、第一帯状連結部43Aから第1電子部品接続部45Aと同じ側に突出して設けられ、すなわち端子部41とは第1帯状連結部43Aを挟んで反対側に突出して設けられている。第1圧入部51の長さ寸法は、バスバー片保持部21の前後方向の長さ寸法よりも短くなっている。また、その先端側は、楔形状となっている。このように、屈曲している第1電子部品接続部45Aとは別の箇所に第1圧入部51が設けられることで、屈曲している場所に圧入する力がかかって、変形することを防止できる。
【0031】
また、各バスバー片40には、
図14及び
図15に示すように、ハウジング10に対して、後方に押し込まれることで、後述するハウジング10に形成されたハウジング圧入穴16に圧入されるハウジング圧入部55が備えられている。ハウジング圧入部55は、帯状連結部43から電子部品接続部45と同じ側に突出して設けられ、すなわち端子部41とは反対側に突出して設けられている。ハウジング圧入部55の長さ寸法は、第1圧入部51の長さ寸法と略同一とされており、その先端側は、楔形状となっている。また、ハウジング圧入部55は、各バスバー片40に一対ずつ備えられている。一対のハウジング圧入部55は、帯状連結部43の左右方向の両端部に位置している。ハウジング圧入部55は、ホルダ20にバスバー片40が組み付けられた場合に、バスバー片保持部21から左右両側に突出して配される。
【0032】
コンデンサ60は、アルミ電解コンデンサであって、円柱形状をなすコンデンサ本体61と、その前端面から導出された正負一対のリード線62とを備えている。リード線62は丸ピン形状をなし、コンデンサ本体61の前端面から略垂直方向(コンデンサ本体61の軸方向)に突出している。一対のリード線62は、所定の間隔をあけて配されている。一対のリード線62は、組み付けられることで、バスバー片40の電子部品接続部45の上側に配され、抵抗溶接によって電子部品接続部45に接続されている。
【0033】
次に、ホルダ20の構造について、説明する。
ホルダ20は合成樹脂製であって、
図8に示すように、全体として前後方向に細長い形状をなし、その前端側にバスバー片40を保持するバスバー片保持部21(導電部材保持部)が形成され、後端側にコンデンサ60を保持する電子部品保持部35が形成されている。そして、ホルダ20のうちバスバー片保持部21と電子部品保持部35との間に形成された中間部31において、バスバー片40とコンデンサ60との接続がなされる。なお、電子部品保持部35は、ホルダ20の幅方向(左右方向)の略中央に位置している。
【0034】
電子部品保持部35は、内側にコンデンサ本体61を収容する略円筒形状の筒状部36と、ハウジング10に挿入する際に周り止めになるリブ部37と、コンデンサ60のリード線62間に配されるスペーサ部38とを有している。筒状部36は、軸方向が前後方向になるように形成されるとともに、その後端側は開口しており、後方からコンデンサ60を収容可能とされている。また、前端側もリード線62を挿通可能にするために開口している。筒状部36の上面部の一部は、前方に延出しており、この延出した部分から下方に突出して柱状のスペーサ部38が設けられている。スペーサ部38は、リード線62同士の接触を防いでいる。
【0035】
中間部31は、
図6ないし
図8に示すように、幅方向に対向状態をなすように設けられた一対の側壁部32と、これらの側壁部32を連結する中間連結部33と、リード線62を支持するリード線支持部34とを有している。一対の側壁部32は、互いに略平行をなして対向し、その前端が、バスバー片保持部21に連結されている。中間連結部33は、側壁部32の後端部を連結するように設けられており、スペーサ部38の下部と一体に成形されることで、電子部品保持部35と連結されている。また、中間連結部33の前端には、コンデンサ60のリード線62を支持するリード線支持部34が設けられている。リード線支持部34は、中間連結部33から前方に片持ち状に突出し、上下方向に弾性変形可能とされている。中間部31においては、一対の側壁部32とバスバー片保持部21と電子部品保持部35とに囲まれた空間が、上下方向に開口しており、電子部品保持部35とリード線62を抵抗溶接するための電極(図示せず)を配置できるようになっている。
【0036】
バスバー片保持部21は、
図8に示すように、ホルダ20の幅方向に長い略方形のブロック状をなしている。バスバー片保持部21には、
図5に示すように、バスバー片40の帯状連結部43が装着される装着溝(差込部)23が形成されている。装着溝23は、前方に開口された左右方向(幅方向)に長い溝であり、バスバー片40の帯状連結部43が前方から装着可能とされている。バスバー片40は、組み付けられた際に、
図8に示すように、装着溝23の奥端部(後面)23A(
図7参照)に、帯状連結部43の後端面が当接して後止まりがなされる。また、装着溝23はバスバー片保持部21に上下2段平行に形成されている。
【0037】
上段の装着溝23の奥端部23Aには、
図7に示すように、第2バスバー片40Bの第2電子部品接続部45Bを挿通可能な第2接続部挿通孔25が貫通形成されている。第2電子部品接続部45Bは、装着溝23の前方から挿入されて、第2接続部挿通孔25を挿通して、中間部31に突出する。なお、第2接続部挿通孔25の幅は第2電子部品接続部45Bの幅と略同一とされている。装着溝23の内部には、上下一対のリブ25Lが前後方向に延びて設けられている。このリブ25Lは、第2接続部挿通孔25の幅方向略中央に位置し、装着溝23の前端から第2接続部挿通孔25の後端に亘って設けられている。第2電子部品接続部45Bが第2接続部挿通孔25に挿入されると、リブ25Lが圧潰することで、第2電子部品接続部45Bが上下方向に位置合わせされる。
【0038】
バスバー片保持部21には、
図5に示すように、上段の装着溝23と下段の装着溝23を上下方向に連通させる差入孔27が形成されている。差入孔27は、第1バスバー片40Aの第1電子部品接続部45Aを差し入れることを可能としている。差入孔27の幅寸法は、第1電子部品接続部45Aの屈曲部47の幅寸法よりも若干大きい寸法とされている。また、上段の装着溝23の奥端面23Aには、
図7に示すように、第1電子部品接続部45Aの第1溶接部48Aを挿通可能な第1接続部挿通孔28が貫通形成されている。第1電子部品接続部45Aの第1溶接部48Aは、
図14に示すように、上段の装着溝23の前方から挿入されて、第1接続部挿通孔28を挿通して、中間部31に突出する。その際に、屈曲した部分が差入孔27に差し入れられる。なお、第1接続部挿通孔28の幅寸法は、差入孔27の幅寸法より大きく、第1電子部品接続部45Aの第1溶接部48Aが挿通可能な幅とされており、第1接続部挿通孔28と差入孔27が連通して、第1電子部品接続部45Aを挿通させる貫通孔となっている。また、
図7に示すように、上段の装着溝23の奥の第1接続部挿通孔28と第2接続部挿通孔25の間は、バスバー片保持部21の樹脂の肉厚が薄くなる薄肉部24となっている。
【0039】
また、下段の装着溝23の奥端部23Aには、
図15に示すように、第1バスバー片40Aの第1圧入部51に対応する位置に、ホルダ圧入孔29が形成されている。ホルダ圧入孔29は、ホルダ20の幅方向(左右方向)の略中央に形成され、バスバー片保持部21の後側へ貫通している。下段の装着溝23の略中央には、
図5に示すように、上下一対のリブ29Lが前後方向に延びて設けられている。このリブ29Lは、装着溝23の前端からホルダ圧入孔29の後端に亘って設けられている。
【0040】
続いて、ハウジング10の構造について説明する。
フード部13には相手側コネクタ80(
図14参照)が嵌合する。相手側コネクタ80と正規の姿勢で嵌合するためのリブ部12が
図2に示すように、フード部13の外側の側面に設けられており、また、フード部13の外側の上部には、相手側コネクタ80を正規に嵌合した状態でロックするロック機構14が設けられている。また相手側コネクタ80には、O−リングなどのシール部材81(
図14参照)が設けられており、フード部13の内面にシール部材81が密着することで、液密の状態に嵌合される。また、フード部13の嵌合底面13Aが相手側コネクタ80の前面と嵌合時に対面する嵌合面となっている。
【0041】
図2及び
図4に示すように、フード部13の嵌合底面13Aから後方に凹設するように、コンデンサ収容部19が形成されている。また、嵌合底面13Aには、コンデンサ収容部19よりも大きく開口させて凹設することで、ホルダ収容部18が形成されている。フード部13の嵌合底面13Aの後方には、厚肉部17が形成されている。厚肉部17は、フード部13の後端部をホルダ収容部18の方向(後方)に延伸させてホルダ収容部18の前端部とオーバーラップするように配することで形成されており、フード部13とホルダ収容部18の連結部として構成されている。また、ホルダ収容部18のうち厚肉部17の内部に相当する位置に、ホルダ20のバスバー片保持部21が収容される。
【0042】
図2に示すように、厚肉部17には、バスバー片40の帯状連結部43の両端部を差し込むためのハウジング差込溝15がホルダ収容部18を挟んで左右両側に形成されている。差込溝15は、嵌合底面13Aから後方に延びて形成されており、上下2段に平行になるように形成されている。さらに、
図4に示すように、厚肉部17のハウジング差込溝15のそれぞれに、後面15Aから後方に延びて凹設したハウジング圧入穴16が形成されている。ハウジング差込溝15の内部には上下一対のリブ16Aが前後方向に延びて設けられている。このリブ16Aは、ハウジング差込溝15の前端から、ハウジング圧入穴16の後端にわたって設けられており、ハウジング圧入部55の位置合わせに用いられる。また、ハウジング圧入穴16は、厚肉部17に設けることで、ハウジング圧入部55による力がハウジング圧入穴16にかかっても、割れ等がおきないようになっている。
【0043】
ホルダ収容部18は、ホルダ20の中間部31(
図5参照)を収容可能としており、その大きさはホルダ20の中間部をがたつきなく収容可能な大きさとなっている。
コンデンサ収容部19は、
図14に示すように、ホルダ20の電子部品保持部35を収容可能としている。コンデンサ収容部19の長さは電子部品保持部35を所定位置に収容しても、コンデンサ収容部19の後方に空間が設けられるゆとりのある長さとされている。
【0044】
本実施形態は以上のような構成であって、続いてその取付方法について
図1及び
図8ないし
図15を用いて説明する。
まず、第1バスバー片40Aをホルダ20に取り付ける。第1帯状連結部43Aが下段の装着溝23に、第1電子部品接続部45Aの屈曲部47が差入孔27に、第1電子部品接続部45Aの幅広部分が上段の装着溝23(第1接続部挿通孔28の前方)に位置するようにして、第1電子部品接続部45Aから第1バスバー片40Aを後方に押し込む。すると、第1圧入部51が下段の装着溝23のリブ29Lに挟み込まれながら挿入され、やがてホルダ圧入孔29に圧入される。すると、第1電子部品接続部45Aの第1溶接部48Aが中間部31の中空部分に突出してくる。そして、第1帯状連結部43Aの後端面が、下段の装着溝23の奥端部23Aに突き当たると、第1バスバー片40Aの押し込みが停止される。なお、第1電子部品接続部45Aが差入孔27や第1接続部挿通孔28に挿入される際には、圧入はされておらず、第1圧入部51のみが圧入されている。こうして、第1バスバー片40Aは、第1圧入部51がホルダ圧入孔29の内周面に食い込むことにより、バスバー片保持部21に保持される。
【0045】
次に、第2バスバー片40Bをホルダ20に取り付ける。第2帯状連結部43Bが上段の装着溝23に、第2電子部品接続部45Bが第2接続部挿通孔25に設けられたリブ25Lに位置するようにして、第2電子部品接続部45Bから第2バスバー片40Bを後方に押し込む。すると、第2電子部品接続部45Bの第2圧入部53が第2接続部挿通孔25に圧入される。すると、第2電子部品接続部45Bの先端部分が中間部31の中空部分に突出してくる。そして、第2帯状連結部43Bの後端面が、上段の装着溝23の奥面に突き当たると、第2バスバー片40Bの押し込みが停止される。こうして、第2バスバー片40Bは、第2圧入部53が第2接続部挿通孔25の内面に食い込むことにより、バスバー片保持部21に保持される。
このように、バスバー片40がホルダ20に取り付けられると、ハウジング圧入部55と帯状連結部43の左右両端部は、バスバー片保持部21から左右両側に突出している。
【0046】
ここで、第2圧入部53を第1圧入部51のように、電子部品接続部45と別体にしない利点について説明する。
本実施形態のように、複数段のジョイント端子を有するコネクタに電子部品を内蔵する場合、電子部品の接続面の高さを合わせるために、端子の電子部品接続部を屈曲する必要がある。そこで、端子金具を屈曲等する前の段階で圧入し、その後、屈曲等する方法が考えられる。しかし、端子をコネクタに圧入後にこのような端子の屈曲を行う場合、屈曲前の端子がコネクタ内に収まる空間が必要となり、コネクタの全長が伸びてしまい大型化するという問題があった。また、圧入後に端子を屈曲するためには、先に端子を屈曲する場合に比べて、加工の難易度が上がり、コスト高となる問題があった。このような問題を解決するために、予め端子を所定形状に屈曲させた後、屈曲させた箇所をコネクタの底面から入れて、屈曲させた箇所とは別に端子に設けられた圧入部を圧入する技術が知られている(特開2013−45536号公報)。
【0047】
しかしながら、上記のようなコネクタでは、屈曲させた箇所を底面から入れるために製造工程が増え、また、特殊な機器での圧入となるため、コスト高になる。そこで、屈曲させた箇所を正面から挿通させることが考えられる。しかしながら、屈曲部を挿通させる孔が必要になるため、コネクタ内に薄肉な部分が発生してしまう。本実施形態においても、第1接続部挿通孔28と第2接続部挿通孔25の間は薄肉部24となっている。このような薄肉部24に仮に圧入穴を設けて圧入すると、薄肉部24にクラックなどが生じてしまう。そこで、本実施形態では、すでに孔を形成している第2接続部挿入孔25に、第2電子部品接続部45に設けた第2圧入部53を圧入することで、クラックなどを生じさせたりすることなく、圧入を行うことができる。
【0048】
バスバー片40が取り付けられると、コンデンサ60が取り付けられる。コンデンサ60は、筒状部36の後方開口から挿入され、それぞれのリード線62が電子部品接続部45に上方から当接するように、挿入される。コンデンサ60が所定位置に取り付けられると、リード線62と溶接部48(第1溶接部48A及び第2溶接部48B)とが、上下一対の抵抗溶接用の電極に挟まれて抵抗溶接される。
【0049】
続いて、バスバー片40とコンデンサ60が取り付けられたホルダ20がハウジング10に取り付けられる。挿入口11からコンデンサ60を先方にしてホルダ20が挿入される。そして、バスバー片40(帯状連結部43)のホルダ20から突出した端部が押されることで、バスバー片40が押し込まれる。バスバー片40のハウジング圧入部55が、ハウジング圧入穴16のリブ16Aに当接しながら挿入され、ハウジング圧入穴16に圧入される。そして、帯状連結部43のホルダ20から突出した端部の後端面が、ハウジング差込溝15の後面15Aに突き当たり、押し込みが停止される。バスバー片40の押し込みが停止すると、バスバー片40とともにホルダ20もハウジング10内の所定の位置に配される。こうして、バスバー片40は、ハウジング圧入部55がハウジング圧入穴16の内周面に食い込むことにより、ハウジング10に保持される。また、バスバー片40は、ホルダ20も保持されているので、バスバー片40を介して、ハウジング10とホルダ20とが固定される。
【0050】
以上説明したように本実施形態では、バスバー片40に設けられた第1圧入部51と第2圧入部53をコンデンサ60を保持するホルダ20に圧入する。第1圧入部51と第2圧入部53とが圧入されたホルダ20を一方向のみに開口しているハウジング10に挿入する。そして、ホルダ20をハウジング10内の所定位置に収容すると、バスバー片40に設けられたハウジング圧入部55を、ハウジング10に圧入する。バスバー片40が、ホルダ20とハウジング10を圧入によって保持することで、バスバー片40を介して、ホルダ20がハウジング10に保持される。このような構成により、バスバー片40でホルダ20とハウジング10を保持できることから、他の部品を用いる必要がなく、部品点数を削減することができる。またハウジング10に孔や突起を設ける必要がないため、ハウジング10内に孔等を防ぐ構造が不要となり、ハウジング10内の防水が容易になる。
【0051】
また本実施形態では、バスバー片40は、一対のハウジング圧入部55が設けられた構成とされ、ハウジング圧入部55は、ホルダ20の外面より突出した位置に設けられている。このような構成によると、ハウジング10への固定を2点で行うことから、保持力を向上させることができる。また、ハウジング圧入部55が、ホルダ20から突出した位置にあるため、ホルダ20とバスバー片40をハウジング10内に挿入して、ハウジング圧入部55をハウジング10に圧入する際に、ハウジング圧入部55の前縁を後方に押し込めばよく、ホルダ20に不要な力をかける必要がなくなる。すなわち、本実施形態では、バスバー片40(金属製)に圧入するための力をかけることができる。そのため、ホルダ20の樹脂に割れ等が生じ難くなる。
【0052】
本実施形態では、ハウジング10には、ハウジング圧入部55が圧入される厚肉部17が設けられている。ハウジング10において、ハウジング圧入部55が圧入される場所には、力などがかかりやすいが、このような構成とすると、圧入される場所が肉厚になっているために、割れ・ひび等が生じ難くなる。
本実施形態では、第1圧入部51及び第2圧入部53は、バスバー片40の略中央から突出した突起形状をなしている構成としても良い。このような構成とすると、バスバー片40やホルダ20の仕上がり寸法が公差内で変動した場合に、その変動範囲による位置ずれが、ハウジング圧入部55に圧入する際の位置合わせに与える影響を減少させることができる。
【0053】
本実施形態では、バスバー片40は、第1バスバー片40Aと、第2バスバー片40Bとを備え、第1バスバー片40Aと、第2バスバー片40Bがホルダ20に対して上下段に平行に差し込み可能とされ、第1バスバー片40Aと第2バスバー片40Bは、相手側端子金具に接続される複数の端子部41と、端子部41同士を連結する帯状連結部43と、コンデンサ60に接続される電子部品接続部45と、を各々備えており、第1電子部品接続部45が、所定形状に屈曲する屈曲部47と、ホルダ20(バスバー片保持部21)から突出してコンデンサ60のリード線62と溶接される第1溶接部48Aとを有しており、第2バスバー片40Bの第2電子部品接続部が、前記連結部と同一面上にあり、かつ前記ホルダから突出して前記電子部品と溶接される第2溶接部を有しており、前記第1溶接部と前記第2溶接部との高さが揃っている。
【0054】
このような構成とすると、バスバー片40もホルダ20に予め保持されてから、ハウジング10内に挿入されるため、ハウジング10内に挿入する際の作業性が向上できる。また、コンデンサ60とバスバー片40を予め溶接する必要がある場合に、ホルダ20が両部材を保持していることから、作業性の向上を図ることができる。さらに、電子部品接続部45のうちの一方は屈曲部47を有し、他方はその上下方向の高さを維持していることで、電子部品接続部45の高さが揃っているため、コンデンサ60との接続作業が行いやすくなる。
【0055】
本実施形態では、ホルダ20は、第1バスバー片40Aと第2バスバー片40Bを差し込み可能な装着溝23を有しており、第1バスバー片40Aの第1圧入部51は、第1電子部品接続部45Aと平行に第1帯状連結部43Aの中央から端子部41とは逆側に突出することで形成され、かつ、装着溝23の奥端部23Aに形成されたホルダ圧入穴29に圧入される。
このような構成とすると、屈曲部47を有する第1バスバー片40Aは、屈曲部47を有する第1電子部品接続部45Aとは別に形成された第1圧入部51をホルダ20に圧入することで、固定される。そのため、屈曲部47近傍に圧入による負荷がかかることがなくなる。さらに、帯状連結部43の中央に第1圧入部51があることで、公差による位置ずれの影響を少なくできる。
【0056】
本実施形態では、ホルダ20は、第1バスバー片40Aと第2バスバー片40Bを差し込み可能な装着溝23を有しており、かつ、屈曲部47及び第1溶接部48Aを挿通可能な貫通孔(第1接続部挿通孔28及び差入孔27)と、第2電子部品接続部45Bが挿通可能な第2接続部挿通孔25とが隣接して形成されており、貫通孔と第2接続部挿通孔25の間が薄肉になっており、第2電子部品接続部45Bには第2接続部挿通孔25に圧入される第2圧入部53が備えられている。
【0057】
このような構成とすると、第1バスバー片40Aの屈曲部47及び第1溶接部48Aを挿通させるために、比較的大きな貫通孔(第1接続部挿通孔28及び差入孔27)が形成されることになる。そして、この貫通孔と第2接続部挿通孔25の間は、薄肉になっている。そのため、第1バスバー片40Aの第1圧入部51のような形状のホルダ圧入部を設けて、そのホルダ圧入部を圧入するための穴を貫通孔と第2接続部挿通孔25の間の薄肉部24に設けることは困難となる。そこで、第2電子部品接続部45Bに第2圧入部53を設けて、この第2圧入部53を第2接続部挿通孔25に圧入することで、第2バスバー片40Bを圧入固定可能となる。このような構成とすることで、ホルダ20を大型化させずに第2バスバー片40Bを圧入固定することができる。また、薄肉部24に穴などを形成しなくても良くなるため、成形も容易になる。
【0058】
さらに、本実施形態のホルダ20は、第1バスバー片40Aと、第1バスバー片40Aに平行に配設される第2バスバー片40Bと、第1バスバー片40Aと第2バスバー片40Bとを保持するバスバー片保持部21を備えており、第1バスバー片40Aは、第1電子部品接続部45A(第1の接続部)を備えており、第1電子部品接続部45A(第1の接続部)は所定形状に屈曲する屈曲部47と、バスバー片保持部21から突出する第1溶接部48A(第1突出部)とを有しており、第2バスバー片40Bは、第2電子部品接続部45B(第2の接続部)を備えており、第2電子部品接続部45Bが平板状に所定形状に形成されるとともに、バスバー片保持部21に突出した姿勢で保持される第2溶接部48B(第2突出部)を有しており、第1溶接部48Aと第2溶接部48Bとの高さが揃っており、バスバー片保持部21には、屈曲部47及び第1溶接部48Aを挿通可能な貫通孔(第1接続部挿通孔28及び差入孔27)と、第2電子部品接続部45Bが挿通可能な第2接続部挿通孔25とが隣接して形成されており、貫通孔と第2接続部挿通孔25の間が薄肉になっており、第2電子部品接続部45Bには第2接続部挿通孔25に圧入される第2圧入部53を備える。
【0059】
このような構成とすると、第1バスバー片40Aの屈曲部47及び第1溶接部48Aを挿通させるために、バスバー片保持部21には比較的大きな貫通孔(第1接続部挿通孔28及び差入孔27)が形成されることになる。一方、ホルダ20(バスバー片保持部21)の幅は通常小型化の要請により最小限となっていることから、この貫通孔と第2接続部挿通孔25の間は、薄肉になっている。そのため、第1バスバー片40Aの第1圧入部51のような形状のホルダ圧入部を設けて、そのホルダ圧入部を圧入するための穴を貫通孔と第2接続部挿通孔25の間の薄肉部24に設けることは困難となる。そこで、第2電子部品接続部45Bに第2圧入部53を設けて、この第2圧入部53を第2接続部挿通孔25に圧入することで、第2バスバー片40Bを圧入固定可能となる。このような構成とすることで、ホルダ20を大型化させずに第2バスバー片40Bを圧入固定することができる。また、薄肉部24に穴などを形成しなくても良くなるため、成形も容易になる。
【0060】
本実施形態のホルダ20では、第2圧入部53は、第2電子部品接続部45Bの両側に設けられている。このような構成とすると、第2電子部品接続部45Bに対して均等に圧入による力がかかって良い。
【0061】
本実施形態のホルダ20では、第1バスバー片40Aと第2バスバー片40Bは、相手側端子金具に接続される複数の端子部41と、端子部41同士を連結する帯状連結部43と、を備えており、第1電子部品接続部45A及び第2電子部品接続部45Bは、帯状連結部43から端子部41とは逆側に形成されてコンデンサ60に接続されており、バスバー片保持部21は、帯状連結部43を上下二段で平行に差し込み可能な装着溝23を有しており、第1バスバー片40Aの第1帯状連結部43Aを差し込み可能な上段の装着溝23の奥端部23Aに第2電子部品接続部45Bを挿通可能な第2接続部挿通孔25が形成されており、第1バスバー片40Aの帯状連結部43を差し込み可能な下段の装着溝23と上段の装着溝23に亘って差入孔27が形成されており、コンデンサ60が保持されている。
【0062】
このような構成では、第1バスバー片40Aと第2バスバー片40Bがともにホルダ20に保持されている。そして、バスバー片40とコンデンサ60を予め溶接する必要がある場合に、ホルダ20が溶接時に両部材を保持していることから、作業性の向上を図ることができる。さらに、第1溶接部48Aと第2溶接部48Bの高さが揃っているため、コンデンサ60のリード線62との接続作業が行いやすくなる。
【0063】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、コンデンサ60のリード線62は丸ピン形状をなしているが、これに限らず、例えば、コンデンサのリード線は角柱状等であってもよい。
(2)上記実施形態では、電子部品がコンデンサ60である場合について説明したが、これに限らず、電子部品は、例えば抵抗、ダイオード、トランジスタ等、各種の電子部品であってもよい。
【0064】
(3)上記実施形態では、バスバー片40がホルダ20に保持されていたが、ホルダ圧入部のみが圧入され、導電部材自体は保持されていなくてもよい。
(4)上記実施形態では、多極の端子部41を有するバスバー片40を用いていたが、電子部品を接続する導電部材であれば、他のものを用いることができる。例えば、1極の端子に、ハウジング圧入部とホルダ圧入部を有するものでもよいし、連結部の形状が帯状でなく柱状などでもよい。
(5)上記実施形態では、バスバー片40は第1バスバー片40Aと第2バスバー片40Bの2つから構成されていたが、1つでもいいし、3つ以上であってもいい。
【0065】
(6)上記実施形態では、第1電子部品接続部45Aのみに突起状のホルダ圧入部(第1圧入部51)を設けたが、第2電子部品接続部45Bにも設けてもよい。また、第1圧入部51の位置は、帯状連結部43の略中央付近に設けられていたが、他の位置に設けてもよい。
(7)上記実施形態では、ハウジング圧入部として、突起形状のものの先端が丸みを帯びた三角形状をなしているものとしたが、圧入して保持することができれば、他の形状でもよい。また、圧入穴に圧入する以外の方法でもよい。
【0066】
(8)上記実施形態では、ホルダ圧入孔29は貫通していたが、貫通していなくてもよい。
(9)上記実施形態では、相手側コネクタ80にシール部材81を設けたが、本発明のコネクタにシール部材を設けるようにしてもよい。また、上記実施形態では、シール部材の一例としてO−リングを挙げたが、ゴム栓等他のシール部材でも良い。
(10)上記実施形態では、コネクタCは雄コネクタであったが、雌コネクタとしても良い。
【0067】
(11)上記実施形態では、ハウジング10を用いていたが、ホルダの発明においては、ハウジング10が無くても良い。また、ホルダとハウジングが一体のコネクタであっても良い。
(12)上記実施形態では、コンデンサ60を用いていたが、ホルダの発明においては、コンデンサなどの電子部品が無くても良い。
(13)上記実施形態では、バスバー片40は第1バスバー片40Aと第2バスバー片40Bの2つから構成されていたが、ホルダの発明においては、バスバー片が3つ以上であってもいい。