(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5943182
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】LEDシーリングライト
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20160616BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20160616BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20160616BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20160616BHJP
【FI】
F21S8/02 400
H01L33/00 H
F21V29/70
F21Y115:10
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2012-43127(P2012-43127)
(22)【出願日】2012年2月29日
(65)【公開番号】特開2013-179010(P2013-179010A)
(43)【公開日】2013年9月9日
【審査請求日】2015年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】山田 明知
【審査官】
當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−165506(JP,A)
【文献】
特開2008−153152(JP,A)
【文献】
特開2010−153244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に設けられた開口に取り付けられ、室内に向かって照明光を射出するLEDが実装されているLED基板と、LED基板での発熱を放熱すると共に、LED基板上のLEDに電力を供給するための電源基板を内部に収納する上方に開口した金属製の放熱部材とを備えたLEDシーリングライトにおいて、上記放熱部材の内側に挿入されるカップ状であって樹脂製の収納部材と、この収納部材の開口を閉塞する樹脂製の蓋部材とを備え、この収納部材の内側に段部を形成して上記電源基板をこの段部上に載置すると共に、上記蓋部材に爪部を突設し、蓋部材で収納部材の開口を閉塞した状態で爪部の先端と上記段部とで電源基板を挟んで電源基板を収納部材内で移動しないように保持し、この電源基板に電力を供給する導線を蓋部材に設けた穴を通して配線したことを特徴とするLEDシーリングライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井に形成した開口に取り付けられるLEDシーリングライトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のLEDシーリングライトとしては、室内を照明するための照明光を射出する複数個のLEDを基板上に実装したLED基板を設け、そのLED基板のLED実装面を室内側に望むようにして天井に取り付けられる。LEDは発光時に多量の熱を発熱するので、LEDの個数が多くなると発熱量も多くなる。そのため、発生する多量の熱を放熱する必要がある。そこで、LEDの上部に金属製の放熱器を取り付けることが望ましい。一方、LED基板上の各LEDに電力を供給するための電源部はLEDよりも大きいため、LED基板に電源部を設けるのではなく、LED基板とは別体に設けてLED基板よりも上方に、視界から隠れるように取り付けている。
【0003】
上記放熱器および電源部は共にLED基板の上方に取り付けられるので、上方に開口したカップ状に放熱器を形成し、その放熱器の内部に電源部を収納したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−129424号公報(段落0027,0028,
図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のLEDシーリングライトでは、電源部を放熱器内に収納しているが、放熱器は金属製であるため、漏電故障の発生を可及的に低下させるためには、放熱器と電源部との間に絶縁材を介在させ、更に電源部をその絶縁材で囲うことが望ましい。ただし、その絶縁材に電源部を金属製のビスで固定したのでは、絶縁性が損なわれるばかりか組み付け工数が増加する。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、組み付け工数が多くなることなく電源部と放熱器との絶縁性を確保することのできるLEDシーリングライトを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明によるLEDシーリングライトは、天井に設けられた開口に取り付けられ、室内に向かって照明光を射出するLEDが実装されているLED基板と、LED基板での発熱を放熱すると共に、LED基板上のLEDに電力を供給するための電源基板を内部に収納する上方に開口した金属製の放熱部材とを備えたLEDシーリングライトにおいて、上記放熱部材の内側に挿入されるカップ状であって樹脂製の収納部材と、この収納部材の開口を閉塞する樹脂製の蓋部材とを備え、この収納部材の内側に段部を形成して上記電源基板をこの段部上に載置すると共に、上記蓋部材に爪部を突設し、蓋部材で収納部材の開口を閉塞した状態で爪部の先端と上記段部とで電源基板を挟んで電源基板を収納部材内で移動しないように保持し
、この電源基板に電力を供給する導線を蓋部材に設けた穴を通して配線したことを特徴とする。
【0008】
金属製の放熱部材に対して電源基板を絶縁するため、電源基板を樹脂製の収納部材内に収納した。また、電源基板の保持は収納部材内の段部と、同じく樹脂製の蓋部材の爪部とで挟むことによって行うこととした。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明から明らかなように、本発明は、電源基板が樹脂製の収納部材内に収納されるので、収納部材の外側に位置する金属製の放熱部材に対して電源基板を確実に絶縁することができる。また、電源基板を固定するためにビスを用いず、蓋部材の爪部と収納部材の段部とで電源基板を挟むので、組み立て工数が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】LEDシーリングライトの組み立て状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照して、1は本発明によるLEDシーリングライト(以下、シーリングライトという)である。このシーリングライト1は天井CLに開設された図示しない開口に下方から挿入して取り付けられるものであり、環状のリフレクタ部材11の中央にLED基板2が、室内側に露出するように取り付けられている。このLED基板2には図示しないチップ型のLEDが複数個実装されており、それらLEDに通電して発光させると、射出される光が室内を照明するように構成されている。
【0012】
図2および
図3を参照して、リフレクタ部材11の上部には上述のLED基板2が配置されており、そのLED基板2の上方には金属製の放熱部材12が配置されている。この放熱部材12はリフレクタ部材11との間にLED基板2を挟んだ状態でリフレクタ部材11に対してねじ止めされるもので、LED基板2で発生した熱を放熱部材12に伝達させ、この放熱部材12から外部に放熱させるためものである。また、放熱部材12は上方に開口したカップ形状に成形されており、放熱部材12の内側には同じくカップ状に成形された樹脂製の収納部材3が差し込まれる。
【0013】
この収納部材3の内側には、内周面のほぼ全域にわたって段部31が形成されており、その段部31に電源基板5が載置される。そして、放熱部材12に収納部材3を挿入し、更に収納部材3内に電源基板5をセットした状態で樹脂製の蓋部材4を上方から合わせる。この蓋部材4は放熱部材12に対してビスで固定されるので、蓋部材4が放熱部材12に固定された状態では、収納部材3および電源基板5は放熱部材12から外部に出ることはない。
【0014】
また、蓋部材4の下面には3本の脚部41が形成されており、
図4に示すように、蓋部材4を放熱部材12に固定した状態で、脚部41の先端と段部31との間に電源基板5が挟まれるようにした。このように構成したので、蓋部材4を放熱部材12に固定するだけで収納部材3および電源基板5が保持され、放熱部材12内で両者が移動することが防止される。また、電源基板5の保持に金属製のビスなどが直接用いられていないので、電源基板5と放熱部材12との間の絶縁が確保される。
【0015】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0016】
1 (LED)シーリングライト
12 放熱部材
2 LED基板
3 収納部材
4 蓋部材
5 電源基板