【実施例】
【0176】
以下、実施例に基づいてさらに詳述するが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。
【0177】
実施例で使用する略号は以下のとおりである。
(テトラカルボン酸二無水物)
BODA:ビシクロ[3, 3, 0]オクタン−2, 4, 6, 8−テトラカルボン酸二無水物
CBDA:1, 2, 3, 4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
TCA:下記式で表される2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸―1,4:2,3−二無水物
【0178】
【化58】
【0179】
(ジアミン)
m-PDA:m−フェニレンジアミン
p-PDA:p−フェニレンジアミン
PCH:1, 3−ジアミノ−4−[4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)フェノキシ]ベンゼン
DBA:3, 5−ジアミノ安息香酸
3AMPDA:3,5-ジアミノ−N−(ピリジン−3−イルメチル)−ベンズアミド
DA−1:下記式で表される2−(メタクリロイロキシ)エチル 3,5−ジアミノベンゾエート
DA−2:下記式で表されるN
1,N
1−ジアリルベンゼン−1, 2, 4−トリアミン
DA−3:下記式で表される3, 5−ジアミノ安息香酸コレスタニル
【0180】
【化59】
【0181】
(アミン化合物)
3−AMP:3−アミノメチルピリジン
【0182】
(有機溶媒)
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BCS:ブチルセロソルブ
【0183】
<重合性化合物>
(重合性化合物(RM1)の合成)
冷却管付き300mlナスフラスコに、4、4’−ビフェノール 6.7g(35.9mmol)、2−(4−ブロモブチル)−1,3−ジオキソラン 15.0g(71.7mmol)、炭酸カリウム19.8g(143mmol)、およびアセトン150mlを加えて混合物とし、60℃で48時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し、黄色の湿潤固体を得た。その後、この固体と水200mlを混合し、クロロホルム80mlを加えて抽出した。抽出は3回行った。
【0184】
分液した有機層に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、濾過した後に減圧下で溶媒を留去し、黄色の固体を得た。この固体を再結晶(ヘキサン/クロロホルム=4/1(体積比))で精製することにより、白色固体14.6gを得た。得られた白色固体をNMRで測定した結果を以下に示す。なお、得られた固体を重水素化クロロホルム(CDCl
3)に溶解し、核磁気共鳴装置(ジオール社製)を用いて300MHzで測定した。この結果から、この白色固体が、下記の反応式に示される化合物(RM1−A)であることが確認された。収率は92%であった。
1H-NMR(CDCl
3) δ:1.65(m, 4H), 1.74(m, 4H), 1.87(m, 4H), 3.86(m, 4H), 3.97(m, 8H), 4.89(t, 2H), 6.92(m, 4H), 7.44(m, 4H).
【0185】
【化60】
【0186】
次に、冷却管付き500mlナスフラスコに、上記で得られた化合物(RM1−A)13.3g(30mmol)、2−(ブロモメチル)アクリル酸11.6g(70mmol)、10%塩酸(aq)50ml、テトラヒドロフラン(THF)160ml、塩化スズ(II)13.2g(70mmol)を加えて混合物とし、70℃で20時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を減圧濾過して純水200mlと混合し、そこにジクロロホルム100mlを加えて抽出した。抽出は3回行った。
【0187】
分液した有機層に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧濾過した後の溶液から溶媒を留去し白色固体を得た。この固体を再結晶(ヘキサン/クロロホルム=2/1)で精製することにより、白色固体9.4gを得た。得られた白色固体を上記と同様にしてNMRで測定した結果、この白色の固体が目的の下記反応式に示される重合性化合物(RM1)であることが確認された。収率は64%であった。
1H-NMR(CDCl
3) δ:1.69(m, 12H), 2.61(m, 2H), 3.09(m, 2H), 4.00(t, 4H), 4.57(m, 2H), 5.64(m, 2H), 6.24(m, 2H), 6.92(d, 4H), 7.45(m, 4H).
【0188】
【化61】
【0189】
(重合性化合物(RM2)の合成)
冷却管付き300mlナスフラスコに、4,4’−ビフェニルジカルボキシアルデヒド5.0g(23.8mmol)、2−(ブロモメチル)アクリル酸7.9g(47.6mmol)、10%塩酸(aq)33ml、テトラヒドロフラン(THF)100ml、塩化スズ(II)9.5g(50mmol)を加えて混合物とし、70℃で20時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を純水300mlに注ぎ、白色固体を得た。得られた固体を分離し、再結晶(ヘキサン/クロロホルム=2/1)で精製した後、白色固体3.5gを得た。この固体をNMRで測定した結果、この白色の固体が目的の下記反応式に示される重合性化合物(RM2)であることが確認された。収率は72%であった。
1H-NMR(CDCl
3) δ:2.99(m, 2H), 3.42(m, 2H), 5.60(m, 2H), 5.74(m, 2H), 6.36(m, 2H), 7.42(m, 4H), 7.60(m, 4H).
【0190】
【化62】
【0191】
(重合性化合物(RM3)の合成)
冷却管付き500mlナスフラスコに、4、4’−ビフェノール 11.2g(60mmol)、2−(2−ブロモエチル)−1,3−ジオキソラン25.0g(138mmol)、炭酸カリウム35.9g(260mmol)、およびアセトン200mlを加えて混合物とし、60℃で48時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し、黄色の湿潤固体を得た。その後、この固体と水200mlを混合し、クロロホルム100mlを加えて抽出した。抽出は3回行った。
【0192】
分液した有機層は、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、濾過した後に減圧下で溶媒を留去し、黄色の固体を得た。この固体をクロロホルムに溶解させ、ヘキサンを用い(ヘキサン/クロロホルム=2/1)沈殿した後、白色固体17.6gを得た。この固体をNMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この白色固体が、下記反応式に示される化合物(RM3−A)であることが確認された。収率は76%であった。
1H-NMR(CDCl
3) δ:2.19(m, 4H), 3.89(m, 4H), 4.01(m, 4H), 4.16(m, 4H), 5.11(m, 2H), 6.95(m, 4H), 7.45(m, 4H).
【0193】
【化63】
【0194】
次に、冷却管付き500mlナスフラスコに、上記で得られた化合物(RM3−A)10.0g(26mmol)、2−(ブロモメチル)アクリル酸10.0g(60.6mmol)、10%HCl(aq)32ml、テトラヒドロフラン(THF)140ml、塩化スズ(II)11.4g(60.6mmol)、を加えて混合物とし、70℃で20時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を減圧濾過して純水200mlと混合し、そこにクロロホルム100mlを加えて抽出した。抽出は3回行った。
【0195】
抽出後の有機層に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧濾過した後の溶液から溶媒を留去し白色固体を得た。この固体をクロロホルムに溶解させ、ヘキサンを用い(ヘキサン/クロロホルム=2/1)沈殿し白色固体を得た。この固体をメタノールで洗浄した後、白色固体4.7gを得た。この固体をNMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この白色の固体が目的の下記反応式に示される重合性化合物(RM3)であることが確認された。収率42%であった。
1H-NMR(CDCl
3) δ: 2.18(m, 4H), 2.76(m, 2H), 3.16(m, 2H), 4.18(m, 4H), 4.84(m, 2H), 5.67(m, 2H), 6.27(m, 2H), 6.95(d, 4H), 7.46(m, 4H).
【0196】
【化64】
【0197】
(重合性化合物(RM4))
公知の下記式で表される重合性化合物を、重合性化合物(RM4)とした。
【0198】
【化65】
【0199】
(重合性化合物(RM5)の合成)
冷却管付き200mlナスフラスコに、4−ヒドロキシ安息香酸メチル7.61g(50.0mmol)、6−ブロモ−1−ヘキサノール9.1g(50.0mmol)、炭酸カリウム13.8g(100mmol)、およびアセトン70mlを加えて混合物とし、64℃で24時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、反応液を減圧ろ過して減圧下で溶媒を留去し、黄色の湿潤固体を得た。この固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(カラム:シリカゲル60,0.063−0.200mm,メルク製,溶出液:へキサン/酢酸エチル=1/1(v/v))により精製した。得られた溶液から溶媒を留去し、白色の固体11.3gを得た。この固体のNMR測定結果を以下に示す。この結果から、この白色固体が、下記反応式に示される化合物(RM5−A)であることが確認された。収率は90%であった。
1H-NMR(CDCl
3) δ:1.3-1.7 (m, 8H), 3.67 (m, 2H), 3.88 (s, 3H), 4.03 (t, 2H), 6.91 (d, 2H), 7.99 (d, 2H).
【0200】
【化66】
【0201】
次に、冷却管付き100ml三口フラスコに、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)2.2g(10.0mmol)、およびCH
2Cl
215.0mlを入れて撹拌混合した状態で、上記で得られた化合物(RM5−A)2.5g(10.0mmol)をCH
2Cl
215.0mlに溶解した溶液を滴下し、室温で6時間さらに撹拌した。その後、フラスコの壁に付着したオイル状物を除いた溶液に、ジエチルエーテル90mlを加えて減圧ろ過した後、減圧下で溶媒を留去し、濃緑色の湿潤固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(カラム:シリカゲル60,0.063−0.200mm,メルク製,溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1(v/v))で精製した。得られた溶液の溶媒を留去し、無色の固体1.3gを得た。この固体をNMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この無色の固体が、下記反応式に示される化合物(RM5−B)であることが確認された。収率は50%であった。
1H-NMR(CDCl
3) δ:1.3-1.8 (m, 6H), 2.49 (t, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.99 (t, 2H), 6.87 (d, 2H), 7.99 (d, 2H), 9.78 (s, 1H).
【0202】
【化67】
【0203】
次に、冷却管付き50mlナスフラスコに、上記で得られた化合物(RM5−B)1.25g(5.0mmol)、2−(ブロモメチル)アクリル酸0.83g(5.0mmol)、Amberlyst(登録商標)15(ロームエンドハース社 商品名)0.8g、THF8.0ml、塩化スズ(II)0.95g(5.0mmol)、および純水2.0mlを加えて混合物とし、70℃で5時間撹拌して反応させた。反応終了後、反応液を減圧ろ過して純水40mlと混合し、そこにジエチルエーテル50mlを加えて抽出した。抽出は3回行った。
【0204】
抽出後の有機層に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧ろ過した後の溶液から溶媒を留去し、無色固体1.5gを得た。この固体のNMR測定結果を以下に示す。この結果から、この無色固体が、下記反応式に示される化合物(RM5−C)であることが確認された。収率は94%であった。
1H-NMR(DMSO-d6) δ:1.3-1.8 (m, 8H), 2.62 (m, 1H), 3.04 (s, 1H), 3.81 (s, 3H), 4.05 (t, 2H), 4.54 (m, 1H), 5.70 (s, 1H), 6.01 (s, 1H), 7.03 (d, 2H), 7.89 (d, 2H).
【0205】
【化68】
【0206】
冷却管付き100mlナスフラスコに、エタノール35ml、上記で得られた化合物(RM5−C)1.5g(4.7mmol)、および10%水酸化ナトリウム水溶液5mlを加えて混合物とし、85℃で3時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、500mlのビーカーに水300mlと反応液とを加えて、30分間室温で撹拌した後、10%HCl水溶液5mlを滴下した後、ろ過して白色固体1.3gを得た。
【0207】
次に、冷却管付き50mlナスフラスコに、得られた白色固体1.1g、Amberlyst(登録商標)15(ロームエンドハース社 商品名)1.0g、およびTHF20.0mlを加えて混合物とし、70℃で5時間撹拌して反応させた。反応終了後、反応液を減圧ろ過した後の溶液から溶媒を留去し、黄色固体を得た。この黄色固体を再結晶(ヘキサン/酢酸エチル=1/1(v/v))で精製した後、白色固体0.9gを得た。この固体のNMR測定結果を以下に示す。この結果から、この白色固体が、下記反応式に示される化合物(RM5−D)であることが確認された。収率は71%であった。
1H-NMR(DMSO-d6) δ:1.2-1.8 (m, 8H), 2.60 (m, 1H), 3.09 (m, 1H), 4.04 (m, 2H), 4.55 (m, 1H), 5.69 (s, 1H), 6.02 (s, 1H), 6.99 (d, 2H), 7.88 (d, 2H), 12.5 (s, broad, 1H).
【0208】
【化69】
【0209】
上記で得られた化合物(RM5−D)21.1g(69.3mmol)、1,4−シクロヘキサンジメタノール5.0g(34.7mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)0.35gおよび少量の2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)を室温にて撹拌下、塩化メチレン100mlに懸濁させ、それに塩化メチレン50mlに溶解させたジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)15.5g(75.0mmol)を加えて48時間撹拌して反応させた。反応終了後、析出したDCCウレアをろ別し、そのろ液を、順次、各60mlの0.5N−HClと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水にて2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、エタノールによる再結晶操作で、下記反応式に示される重合性化合物(RM5)を20.1g得た。NMRで測定した結果を以下に示す。また、収率は81%であった。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.15 (m, 4H), 1.50 (m, 8H), 1.66 (m, 2H), 1.79 (m, 8H), 1.92 (m, 4H), 2.60 (m, 2H), 3.08 (m, 2H), 4.01 (m, 4H), 4.12 (m, 4H), 4.53 (m, 2H), 5.63 (d, 2H), 6.24 (d, 2H), 6.89 (d, 4H), 7.97 (d, 4H).
【0210】
【化70】
【0211】
(重合性化合物(RM6)の合成)
上記方法で得られた化合物(RM5−D)6.1g(20.0mmol)、4−[(6―アクリルオキシ)ヘキシルオキシ]フェノール(SYNTHON Chemicals社)5.3g(20.0mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)0.1g、および少量のBHTを室温にて攪拌下、塩化メチレン100mlに懸濁させ、それにジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)5.1g(25.0mmol)を溶解させた溶液を加えて終夜攪拌した。析出したDCCウレアをろ別し、そのろ液を、0.5N−HCl 100ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100ml、飽和食塩水150mlにて順次2回ずつ洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去して、黄色固体を得た。この固体をシリカカラムクロマトグラフィー(カラム:シリカゲル60 0.063−0.200mmメルク社製、溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製した。ここで得られた溶液の溶媒を留去して、下記反応式に示される重合性化合物(RM6)4.3gを得た。NMRで測定した結果を以下に示す。また、収率は39%であった。
1H NMR (CDCl3) δ:1.53 (m, 10H), 1.72 (m, 2H), 1.79 (m, 4H), 2.58 (m, 1H), 3.07 (m, 1H), 3.96 (t, 2H), 4.05 (t, 2H), 4.18 (t, 2H), 4.54 (m, 1H), 5.64 (d, 1H), 5.81 (d, 1H), 6.14 (m, 1H), 6.24 (d, 1H), 6.40 (d, 1H), 6.97 (m, 4H), 7.09 (d, 2H), 8.14 (d, 2H).
【0212】
【化71】
【0213】
(重合性化合物(RM7)の合成)
下記反応式に示される化合物(RM7−A)2.1g(7.3mmol)、化合物(RM7−B)2.5g(7.3mmol)、DMAP 0.015g及び少量BHTを室温にて攪拌下、塩化メチレン30mlに懸濁させ、それに塩化メチレン5mlに溶解させたDCC 1.8g(9.0mmol)を加えて終夜攪拌後、析出したDCCウレアをろ別しそのろ液を順次各50mlの0.5N−HClと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水にて2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、エタノールによる再結晶操作で、下記反応式に示される重合性化合物(RM7)1.3gを得た。NMRで測定した結果を以下に示す。また、収率は30%であった。
1H NMR (CDCl3)): δ 1.40-1.90 (m, 14H), 2.64 (m, 1H), 3.07 (m, 1H), 4.00 (t, 2H), 4.05 (t, 2H), 4.18 (t, 2H), 4.54 (m, 1H), 5.83 (d, 1H), 6.14 (m, 1H), 6.25 (d, 1H), 6.37 (d, 1H), 6.97 (d, 2H), 7.26 (d, 2H), 7.50 (d, 2H), 7.57 (d, 2H), 8.17 (d, 2H).
【0214】
【化72】
【0215】
(重合性化合物(RM8)の合成)
冷却管付き100mlナスフラスコに、4−ヒドロキシベンズアルデヒド6.1g(50mmol)、6−ブロモ−1−ヘキサノール9.1g(50mmol)、炭酸カリウム13.8g(100mmol)、及びアセトン100mlを加えて混合物とし、64℃で24時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し黄色の湿潤固体を得た。その後、この固体と水70mlを混合し、ジエチルエーテル50mlを加えて抽出した。抽出は3回行った。
【0216】
分液した有機層は、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、濾過した後に減圧下で溶媒を留去し、黄色の固体を得た。この固体を酢酸エチル5mlに溶解し、カラムクロマトグラフィー(カラム:シリカゲル60 0.063−0.200mm メルク製、溶出液:へキサン/酢酸エチル=2/1)により精製した。ここで得られた溶液から溶媒を留去し、白色の固体を7.4g得た。この固体をNMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この白色固体が、下記反応式に示される化合物(RM8−A)であることが確認された。収率は67%であった。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.55 (m, 4H), 1.62 (m, 2H), 1.84 (m, 2H), 3.67 (t, 2H), 4.05 (t, 2H), 4.20 (t, 2H), 7.00 (d, 2H), 7.84 (d, 2H), 9.88 (s, 1H).
【0217】
【化73】
【0218】
50ml三口フラスコに、化合物(RM8−A)2.2g、トリエチルアミン1.7ml、BHT0.2mg及びTHF10mlを混合して溶解した。この溶液の撹拌下に、アクリル酸クロリド(acryloyl chloride)0.8mlをTHF10mlに溶解した溶液を15分間かけて滴下した。その際、三口フラスコを水浴(水温20℃)して冷却した。滴下した後、そのままの状態で30分間撹拌した後、フラスコを水浴から出して、窒素置換し、更に室温で3時間撹拌して反応させた。この反応液をろ過し、ろ液を3/4の容量まで減圧濃縮してから塩化メチレン100mlを加えた。この溶液を、飽和炭酸ナトリウム溶液100ml、0.5Nの塩酸100ml、飽和食塩水100mlの順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去して黄色の固体を得た。この固体を酢酸エチル3mlに溶解し、カラムクロマトグラフィー(カラム:シリカゲル60 0.063−0.200mm メルク製、溶出液:へキサン/酢酸エチル=2/1)により精製した。ここで得られた溶液から溶媒を留去し、白色の固体を2.0g得た。この固体をNMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この白色固体が、下記反応式に示される化合物(RM8−B)であることが確認された。収率は72%であった。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.48 (m, 4H), 1.75 (m, 2H), 1.85 (m, 2H), 4.05 (t, 2H), 4.18 (t, 2H), 5.81 (d, 1H), 6.14 (m, 1H), 6.37 (d, 1H), 6.99 (m, 2H), 7.82 (m, 2H), 9.88 (s, 1H).
【0219】
【化74】
【0220】
次に、冷却管付き50mlのナスフラスコに、上記と同様にして得られた中間体化合物(RM8−B)2.0g(7mmol)、2−(ブロモメチル)アクリル酸1.2g(7.0mmol)、Amberlyst(登録商標)15(ローム エンド ハース社 商品名)1.2g、THF8.0ml、塩化スズ(II)1.4g(7mmol)、純水2.0mlを加えて混合物とし、温度70℃で24時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を減圧ろ過して純水60mlと混合し、そこにジエチルエーテル50mlを加えて抽出した。抽出は3回行った。抽出後の有機層に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧濾過した後の溶液から溶媒を留去し淡い褐色の固体を得た。
【0221】
この固体を酢酸エチル3mlに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(カラム:シリカゲル60 0.063−0.200mm メルク製、溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)により精製した。ここで得られた溶液から溶媒を留去して、白色の固体を1.0g得た。この固体をNMRで測定した結果、この白色の固体が、下記反応式に示される重合性化合物(RM8)であることが確認された。収率は40%であった。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.48 (m, 4H), 1.75 (m, 4H), 2.94 (m, 1H), 3.39 (m, 1H), 3.95 (t, 2H), 4.17 (t, 2H), 5.45 (t, 1H), 5.68 (m, 1H), 5.83 (m, 1H), 6.13 (m, 1H), 6.30 (m, 1H), 6.40 (d, 1H), 6.88 (d, 2H), 7.26 (m, 2H).
【0222】
【化75】
【0223】
(重合性化合物(RM9)の合成)
上記と同様の方法で得られた化合物(RM5−D)22.0g(72.4mmol)、1,4−フェニルジメタノール5.0g(36.2mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)0.35gおよび少量のBHTを室温にて撹拌下、塩化メチレン100mlに懸濁させ、それに塩化メチレン50mlに溶解させたジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)17.0g(80.0mmol)を加えて48時間撹拌して反応させた。反応終了後、析出したDCCウレアをろ別し、そのろ液を、順次、各60mlの0.5N−HClと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水にて2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、エタノールによる再結晶操作で、下記反応式に示される重合性化合物(RM9)16.6gを得た。NMRで測定した結果を以下に示す。また、収率は65%であった。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.46 (m, 12H), 1.80 (m, 4H), 2.60 (m, 2H), 3.08 (m, 2H), 4.01 (m, 4H), 4.56 (m, 2H), 5.34 (s, 4H), 5.63 (d, 2H), 6.23 (d, 2H), 6.90 (d, 4H), 7.46 (s, 4H),8.00 (d, 4H).
【0224】
【化76】
【0225】
(重合性化合物(RM10)の合成)
上記と同様の方法で得られた化合物(RM5−D)6.1g(20.0mmol)、4,4’−ビフェニルジメタノール2.1g(10.0mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)0.15gおよび少量のBHTを室温にて撹拌下、塩化メチレン50mlに懸濁させ、それに塩化メチレン25mlに溶解させたジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)5.3g(25.0mmol)を加えて48時間撹拌して反応させた。反応終了後、析出したDCCウレアをろ別し、そのろ液を、順次、各60mlの0.5N−HClと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水にて2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、エタノールによる再結晶操作で、下記反応式に示される重合性化合物(RM10)6.4gを得た。NMRで測定した結果を以下に示す。また、収率は81%であった。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.48 (m, 12H), 1.75 (m, 4H), 2.60 (m, 2H), 3.08 (m, 2H), 4.01 (m, 4H), 4.55 (m, 2H), 5.38 (s, 4H), 5.63 (d, 2H), 6.23 (d, 2H), 6.89 (d, 4H), 7.51 (d, 4H),7.62 (d, 4H),8.05 (d, 4H).
【0226】
【化77】
【0227】
(重合性化合物(RM11)の合成)
上記と同様の方法で得られた化合物(RM5−D)6.1g(20.0mmol)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン2.1g(10.0mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)0.1g、および少量のBHTを室温にて攪拌下、塩化メチレン80mlに懸濁させ、それにジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)5.2g(24.0mmol)を溶解させた溶液を加えて終夜攪拌した。析出したDCCウレアをろ別し、そのろ液を、0.5N−HCl 50ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50ml、飽和食塩水100mlにて順次2回ずつ洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去して、黄色固体を得た。この固体をエタノールを用いた再結晶により精製し、白色の固体6.2gを得た。この固体をNMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この白色の固体が、下記反応式に示される重合性化合物(RM11)であることが確認された。収率は79%であった。
1H NMR (CDCl3) δ:1.45-1.95 (m, 16H), 2.58 (m, 2H), 3.07 (m, 2H), 4.05 (t, 4H), 4.54(m, 2H), 5.64 (s, 2H), 6.24 (s, 2H), 6.98 (d, 4H), 7.32 (d, 4H), 7.91 (d, 4H), 8.18 (d, 4H).
【0228】
【化78】
【0229】
(重合性化合物(RM12)の合成)
冷却管付き500mlのナスフラスコに、4−ヒドロキシベンズアルデヒド12.2g(100mmol)、1、6−ジブロモヘキサン12.2g(50mmol)、炭酸カリウム16.0g(116mmol)、アセトン150mlを加えて混合物とし、温度64℃で48時間攪拌しながら反応させた。反応溶液をろ過した後に減圧下で溶媒を留去し、淡い褐色の湿潤な固体を15.4g得た。この固体をNMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この固体が、下記反応式に示される化合物(RM12−A)であることが確認された。収率は94%であった。
1H-NMR(CDCl
3) δ:1.49 (m, 4H), 1.77 (m, 4H), 4.12 (t, 4H), 7.10 (d, 2H), 7.86 (d, 2H), 9.87 (s, 2H).
【0230】
【化79】
【0231】
次に、冷却管付き100mlのナスフラスコに、上記と同様にして得られた化合物(RM12−A)3.3g(10.0mmol)、2−(ブロモメチル)アクリル酸3.3g(20.0mmol)、Amberlyst(登録商標)15(ローム エンド ハース社 商品名)3.0g、THF32.0ml、塩化スズ(II)3.8g(20.0mmol)、純水8.0mlを加えて混合物とし、温度70℃で24時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を減圧ろ過して純水60mlと混合し、そこにジエチルエーテル70mlを加えて抽出した。抽出は3回行った。抽出後の有機層に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧濾過した後の溶液から溶媒を留去し淡い褐色の固体を得た。
【0232】
この固体を酢酸エチル10mlに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(カラム:シリカゲル60 0.063−0.200mm メルク製、溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製した。ここで得られた溶液から溶媒を留去して、白色の固体を2.6g得た。この固体をNMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この白色の固体が、下記反応式に示される重合性化合物(RM12)であることが確認された。収率は55%であった。
1H-NMR(CDCl
3) δ:1.54 (m, 4H), 1.80 (m, 4H), 2.94 (m, 2H), 3.35 (m, 2H), 3.97 (t, 4H), 5.47 (m, 2H), 5.68 (m, 2H), 6.30 (m, 2H), 6.88 (d, 4H), 7.26 (d, 4H).
【0233】
【化80】
【0234】
(重合性化合物(RM13)の合成)
冷却管付き300mlナスフラスコに、テレフタルアルデヒド酸7.5g(50.0mmol)、2−(ブロモメチル)アクリル酸9.1g(55.0mmol)、THF80.0ml、塩化スズ(II)10.5g(110.0mmol)、および塩酸水溶液(10%)35.0mlを加えて混合物とし、70℃で24時間撹拌して反応させた。反応終了後、純水200mlと混合し、そこにジエチルエーテル100mlを加えて抽出した。抽出は3回行った。
【0235】
抽出後の有機層に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧ろ過した後の溶液から溶媒を留去し、無色固体8.3gを得た。この固体のNMR測定結果を以下に示す。この結果から、この無色固体が、下記反応式に示される化合物(RM13−A)であることが確認された。収率は76%であった。
1H-NMR(DMSO-d6) δ: 2.85 (m, 1H), 3.50 (m, 1H), 5.75 (m, 1H), 5.80 (s, 1H), 6.18 (s, 1H), 7.45 (d, 2H), 7.98 (d, 2H), 13.08(s, 1H).
【0236】
【化81】
【0237】
上記で得られた化合物(RM13−A)2.4g(11.0mmol)、1,6−ヘキサンジオール0.6g(5.0mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)0.05gおよび少量のBHTを室温にて撹拌下、塩化メチレン10mlに懸濁させ、それに塩化メチレン5mlに溶解させたジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)2.5g(12.0mmol)を加えて48時間撹拌して反応させた。反応終了後、析出したDCCウレアをろ別し、そのろ液を、順次、各60mlの0.5N−HClと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水にて2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、エタノールによる再結晶操作で、下記反応式に示される重合性化合物(RM13)1.3gを得た。NMRで測定した結果を以下に示す。また、収率は50%であった。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.53 (m, 4H), 1.80 (m, 4H), 2.85 (m, 2H), 3.45 (m, 2H), 4.36 (m, 4H), 5.60 (t, 2H), 6.72 (d, 2H), 6.34 (d, 2H), 7.40 (d, 4H), 8.06 (d, 4H).
【0238】
【化82】
【0239】
(重合性化合物(RM14)の合成)
冷却管付き300ml三口フラスコにPCC6.2g(28.7mmol)、およびCH
2Cl
2100.0mlを入れて撹拌混合した状態で、下記反応式に示される化合物(RM14−A)8.0g(28.7mmol)をCH
2Cl
2(30.0ml)に溶解した溶液を滴下し、室温で2時間さらに撹拌した。その後、フラスコの壁に付着したオイル状物を除いた溶液に、ジエチルエーテル150mlを加えて減圧濾過した後、減圧下で溶媒を留去して、濃緑色の湿潤な固体を得た。
【0240】
この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(カラム:シリカゲル60,0.063−0.200mm,メルク社製,溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製した。得られた溶液の溶媒を留去して、無色の固体5.7gを得た。この固体をNMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この無色の固体が、下記反応式に示される化合物(RM14−B)であることが確認された。収率は72%であった。
1H NMR (CDCl3) δ:1.50 (m, 2H), 1.70 (m, 2H), 1.85 (m, 2H), 2.45 (m, 2H), 3.80 (s, 3H), 4.00 (t, 2H), 6.25 (d, 1H), 6.83 (d, 2H),7.45 (d, 2H), 7.84 (d, 1H), 9.80 (s, 1H).
【0241】
【化83】
【0242】
次に、冷却管付き100mlナスフラスコに、上記で得られた化合物(RM14−B)5.7g(20.6mmol)、2−(ブロモメチル)アクリル酸3.4g(20.6mmol)、10%塩酸水溶液16ml、THF50ml、および塩化スズ(II)3.9g(20.6mmol)を加えて混合物とし、温度70℃で20時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を減圧ろ過して純水100mlと混合し、そこにジエチルエーテル150mlを加えて抽出した。抽出は3回行った。
【0243】
抽出後の有機層に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧濾過した後の溶液から溶媒を留去し、再結晶(ヘキサン/酢酸エチル、1/1)を行い、無色固体4.6gを得た。この固体をNMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この無色固体が、下記反応式に示される重合性化合物(RM14)であることが確認された。収率は65%であった。
1H NMR (CDCl3) δ:1.40-1.90 (m, 8H), 2.60 (m, 1H), 3.05 (m, 1H), 3.80(s, 3H), 4.02 (t, 2H), 4.55 (m, 1H), 5.63(s, 1H), 6.25 (s, 1H), 6.33 (d, 1H),6.90(d, 2H), 7.45 (d, 2H), 7.65 (d, 1H).
【0244】
【化84】
【0245】
(重合性化合物(RM15)の合成)
冷却管付き200mlナスフラスコに、4−ブロモブチル−1,3−ジオキソラン 5.0g(24.0mmol)、2−(ブロモメチル)アクリル酸4.5g(27.0mmol)、10%塩酸水溶液19ml、THF60ml、および塩化スズ(II)4.7g(27.0mmol)を加えて混合物とし、温度70℃で20時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を減圧ろ過して純水100mlと混合し、そこにジエチルエーテル100mlを加えて抽出した。抽出は3回行った。
【0246】
抽出後の有機層に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧濾過した後の溶液から溶媒を留去し、無色液体5.2gを得た。この液体をNMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この無色液体が、下記反応式に示される化合物(RM15−A)であることが確認された。収率は93%であった。
1H NMR (CDCl3) δ:1.64 (m, 4H), 1.96 (m, 2H), 2.06 (m, 1H), 3.07 (m, 1H), 3.44 (t, 2H), 4.55 (m, 1H), 5.65(s, 1H), 6.25 (s, 1H).
【0247】
【化85】
【0248】
冷却管付き100mlナスフラスコに、上記で得られた化合物(RM15−A)4.7g(20.0mmol)、4−メトキシけい皮酸3.6g(20.0mmol)、炭酸カリウム5.1g(40.0mmol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)50mlを加えて混合物とし、110℃で48時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、純水200mlと混合し、そこに酢酸エチル50mlを加えて抽出した。抽出は3回行った。抽出後の有機層に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧濾過した後の溶液から溶媒を留去し、固体を得た。この固体を酢酸エチル10mlに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(カラム:シリカゲル60 0.063−0.200mm メルク製、溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製した。ここで得られた溶液から溶媒を留去して、白色の固体を2.8g得た。この固体のNMR測定結果を以下に示す。この結果から、この固体が、下記反応式に示される重合性化合物(RM15)であることが確認された。収率は43%であった。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.50 (m, 2H), 1.75 (m, 4H), 2.63 (m, 1H), 3.05 (m, 1H), 3.85 (s, 3H),4.20 (t, 2H), 4.55 (m, 1H), 5.65(s, 1H), 6.23 (s, 1H), 6.50 (d, 1H), 6.90 (d, 2H), 7.45 (d, 2H) , 7.66 (d, 1H).
【0249】
【化86】
【0250】
(重合性化合物(RM16)の合成)
冷却管付き200mlナスフラスコに、4−ブロモブチル−1,3−ジオキソラン 9.4g(45.0mmol)、トランス−4−フェニルけい皮酸10.0g(45.0mmol)、炭酸カリウム12.0g(90.0mmol)、およびDMF100mlを加えて混合物とし、110℃で48時間撹拌しながら反応させた。反応終了後、純水100mlと混合し、固体を得た。その固体をろ過し、エタノール50ml加えて混合物とし、ろ過した。減圧ろ過した後の溶液から溶媒を留去し、固体6.2gを得た。この固体のNMR測定結果を以下に示す。この結果から、この固体が、下記反応式に示される化合物(RM16−A)であることが確認された。収率は40%であった。
1H NMR (CDCl3) δ:1.55 (m, 2H), 1.75 (m, 4H), 3.83 (m, 2H), 3.98 (m, 2H), 4.24 (t, 2H), 4.85 (m, 1H), 6.45 (d, 1H),7.36(m, 1H), 7.46 (m, 2H), 7.60 (m, 6H) , 7.75 (d, 1H).
【0251】
【化87】
【0252】
次に、冷却管付き100mlナスフラスコに、上記で得られた化合物(RM16−A)6.2g(18.0mmol)、2−(ブロモメチル)アクリル酸3.3g(20.0mmol)、10%塩酸水溶液16ml、THF32ml、および塩化スズ(II)3.8g(20.0mmol)を加えて混合物とし、温度70℃で20時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を純水100mlと混合し、そこにジエチルエーテル50mlを加えて抽出した。抽出は3回行った。
【0253】
抽出後の有機層に、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、減圧濾過した後の溶液から溶媒を留去し、再結晶(ヘキサン/酢酸エチル、2/1)を行い、固体3.6gを得た。この固体をNMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この固体が、下記反応式に示される重合性化合物(RM16)であることが確認された。収率は53%であった。
1H NMR (CDCl3) δ:1.68 (m, 6H), 2.63 (m, 1H), 3.07 (m, 1H), 4.24 (t, 2H), 4.55 (m, 1H), 5.64(s, 1H), 6.25 (s, 1H), 6.50 (d, 1H),7.36(m, 1H), 7.46 (m, 2H), 7.65 (m, 6H) , 7.75 (d, 1H).
【0254】
【化88】
【0255】
(重合性化合物(RM17)の合成)
上記方法で得られた化合物(RM5−D)7.6g(25.0mmol)、エチル4−ヒドロキシシナメート4.8g(25.0mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)0.1g、および少量のBHTを室温にて攪拌下、塩化メチレン100mlに懸濁させ、それにジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)6.7g(32mmol)を溶解させた溶液を加えて終夜攪拌した。析出したDCCウレアをろ別し、そのろ液を、0.5N−HCl 50ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50ml、飽和食塩水100mlにて順次2回ずつ洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去して、黄色固体を得た。この固体をエタノールを用いた再結晶により精製し、白色の固体7.1gを得た。この固体をNMRで測定した結果を以下に示す。この結果から、この白色の固体が、下記反応式に示される重合性化合物(RM17)であることを確認した。収率は59%であった。
1H NMR (CDCl3) δ:1.35 (t,3H),1.40-1.90 (m, 8H), 2.60 (m, 1H), 3.08 (m, 1H), 4.05(t, 2H), 4.25 (m, 2H), 4.55(m, 1H), 5.64 (s, 1H), 6.22 (s, 1H), 6.40 (d, 1H), 6.97 (d, 2H), 7.22 (d, 2H), 7.60 (d, 2H), 7.70 (d, 1H), 8.15 (d, 2H).
【0256】
【化89】
【0257】
(重合性化合物(RM18)の合成)
上記方法で得られた化合物(RM5−D)7.3g(24.0mmol)、メチル4−ヒドロキシ−3−メトキシシナメート5.0g(24.0mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)0.1g、および少量のBHTを室温にて攪拌下、塩化メチレン100mlに懸濁させ、それにジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)6.4g(31.0mmol)を溶解させた溶液を加えて終夜攪拌した。析出したDCCウレアをろ別し、そのろ液を、0.5N−HCl 100ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100ml、飽和食塩水150mlにて順次2回ずつ洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去して、黄色固体を得た。この固体を再結晶(エタノール)で精製して、下記反応式に示される重合性化合物(RM18)を6.1g得た。NMRで測定した結果を以下に示す。また、収率は51%であった。
1H NMR (CDCl3) δ:1.40-1.90 (m, 8H), 2.58 (m, 1H), 3.08 (m, 1H), 3.80 (m, 6H), 4.05 (t, 2H), 4.55(m, 1H), 5.62 (s, 1H), 6.22 (s, 1H), 6.42 (d, 1H), 6.97 (d, 2H), 7.18 (m, 3H), 7.65 (d, 1H), 8.18 (d, 2H).
【0258】
【化90】
【0259】
<ポリイミド分子量測定>
ポリイミドの分子量はセンシュー科学社製 常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(SSC−7200)、Shodex社製カラム(KD−803、KD−805)を用い以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N’−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H2O)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量約900,000、150,000、100,000、30,000)、および、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(分子量 約12,000、4,000、1,000)。
【0260】
<イミド化率の測定>
ポリイミドのイミド化率は次のようにして測定した。ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(草野科学社製 NMRサンプリングチューブスタンダード φ5)に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d
6、0.05%TMS混合品)1.0mlを添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液を日本電子データム社製NMR測定器(JNW−ECA500)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5〜10.0ppm付近に現れるアミック酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
上記式において、xはアミック酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミック酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミック酸のNH基のプロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
【0261】
(実施例1)
BODA(28.15g、112.5mmol)、m−PDA(4.86g、45mmol)、PCH(11.42g、30mmol)、DBA(11.41g、75mmol)をNMP(187.8g)中で混合し、80℃で5時間反応させたのち、CBDA(6.77g、36mmol)とNMP(62.6g)を加え、40℃で10時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液(313g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(79.1g)、およびピリジン(30.7g)を加え、100℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(4000ml)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(A)を得た。このポリイミドのイミド化率は70%であり、数平均分子量は18000、重量平均分子量は59000であった。
【0262】
得られたポリイミド粉末(A)(6.0g)にNMP(40.2g)を加え、50℃にて12時間攪拌して溶解させた。この溶液に3−AMPの5.0重量%NMP溶液(6.0g)(3−AMPとして0.3g)、NMP(27.9g)、およびBCS(20.0g)を加え、50℃にて5時間攪拌することにより液晶配向剤(A1)を得た。
【0263】
また、上記の液晶配向剤(A1)10.0gに対してRM1を0.06g(固形分に対して10wt%)添加し、室温で3時間攪拌溶解させ、液晶配向剤(A2)を調製した。同様に、液晶配向剤(A1)10.0gに対してRM1を0.18g(固形分に対して30wt%)添加し、室温で3時間攪拌溶解させ、液晶配向剤(A3)を調製した。
【0264】
(実施例2)
BODA(8.76g、35.0mmol)、p−PDA(3.78g、35.0mmol)、PCH(5.33g、14.0mmol)、DA−1(5.55g、21.0mmol)をNMP(90.0g)中で混合し、80℃で5時間反応させたのち、CBDA(6.59g、33.6mmol)とNMP(30.0g)を加え、40℃で10時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液(140.0g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(20.0g)、およびピリジン(25.8g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(1800ml)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(B)を得た。このポリイミドのイミド化率は50%であり、数平均分子量は22000、重量平均分子量は77000であった。
【0265】
得られたポリイミド粉末(B)(6.0g)にNMP(74.0g)を加え、50℃にて12時間攪拌して溶解させた。この溶液にBCS(20.0g)を加え、50℃にて5時間攪拌することにより液晶配向剤(B1)を得た。
【0266】
また、上記の液晶配向剤(B1)10.0gに対してRM1を0.06g(固形分に対して10wt%)添加し、室温で3時間攪拌溶解させ、液晶配向剤(B2)を調製した。
【0267】
(実施例3)
BODA(3.13g、12.5mmol)、p−PDA(1.08g、10mmol)、PCH(1.90g、5mmol)、DA−1(2.64g、10mmol)をNMP(33.3g)中で混合し、80℃で5時間反応させたのち、CBDA(2.35g、12mmol)とNMP(11.1g)を加え、40℃で10時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液(55.5g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(7.7g)、およびピリジン(9.9g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(710ml)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(C)を得た。このポリイミドのイミド化率は48%であり、数平均分子量は26000、重量平均分子量は102000であった。
【0268】
得られたポリイミド粉末(C)(6.0g)にNMP(74.0g)を加え、50℃にて12時間攪拌して溶解させた。この溶液にBCS(20.0g)を加え、50℃にて5時間攪拌することにより液晶配向剤(C1)を得た。
【0269】
また、上記の液晶配向剤(C1)10.0gに対してRM1を0.06g(固形分に対して10wt%)添加し、室温で3時間攪拌溶解させ、液晶配向剤(C2)を調製した。
【0270】
(実施例4)
BODA(3.13g、12.5mmol)、p-PDA(0.81g、7.5mmol)、PCH(1.90g、5mmol)、DA-1(3.30g、12.5mmol)をNMP(34.5g)中で混合し、80℃で5時間反応させたのち、CBDA(2.35g、12mmol)とNMP(11.5g)を加え、40℃で10時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液(57.5g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(7.7g)、およびピリジン(9.9g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(730ml)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(D)を得た。このポリイミドのイミド化率は50%であり、数平均分子量は23000、重量平均分子量は63000であった。
【0271】
得られたポリイミド粉末(D)(6.0g)にNMP(74.0g)を加え、50℃にて12時間攪拌して溶解させた。この溶液にBCS(20.0g)を加え、50℃にて5時間攪拌することにより液晶配向剤(D1)を得た。
【0272】
また、上記の液晶配向剤(D1)10.0gに対してRM1を0.06g(固形分に対して10wt%)添加し、室温で3時間攪拌溶解させ、液晶配向剤(D2)を調製した。
【0273】
(実施例5)
BODA(5.00g、20mmol)、p-PDA(0.87g、8mmol)、PCH(3.05g、8mmol)、DA-1(6.34g、24mmol)をNMP(57.1g)中で混合し、80℃で5時間反応させたのち、CBDA(3.77g、19.2mmol)とNMP(19.0g)を加え、40℃で10時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液(95.5g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(12.3g)、およびピリジン(15.9g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(1200ml)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(E)を得た。このポリイミドのイミド化率は51%であり、数平均分子量は31000、重量平均分子量は111000であった。
【0274】
得られたポリイミド粉末(E)(6.0g)にNMP(74.0g)を加え、50℃にて12時間攪拌して溶解させた。この溶液にBCS(20.0g)を加え、50℃にて5時間攪拌することにより液晶配向剤(E1)を得た。
【0275】
また、上記の液晶配向剤(E1)10.0gに対してRM1を0.06g(固形分に対して10wt%)添加し、室温で3時間攪拌溶解させ、液晶配向剤(E2)を調製した。
【0276】
(実施例6)
BODA(5.00g、20.0mmol)、p-PDA(2.16g、20.0mmol)、PCH(3.04g、8.0mmol)、DA-2(2.44g、12.0mmol)をNMP(49.2g)中で混合し、80℃で5時間反応させたのち、CBDA(3.77g、19.2mmol)とNMP(16.4g)を加え、40℃で10時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液(75.0g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(9.33g)、およびピリジン(14.6g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(950ml)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(F)を得た。このポリイミドのイミド化率は47%であり、数平均分子量は20100、重量平均分子量は106000であった。
【0277】
得られたポリイミド粉末(F)(6.0g)にNMP(74.0g)を加え、50℃にて12時間攪拌して溶解させた。この溶液にBCS(20.0g)を加え、50℃にて5時間攪拌することにより液晶配向剤(F1)を得た。
【0278】
また、上記の液晶配向剤(F1)10.0gに対してRM1を0.06g(固形分に対して10wt%)添加し、室温で3時間攪拌溶解させ、液晶配向剤(F2)を調製した。
【0279】
(実施例7)
BODA(5.00g、20.0mmol)、p−PDA(0.87g、8.0mmol)、PCH(3.04g、8.0mmol)、DA−2(4.88g、24.0mmol)をNMP(52.7g)中で混合し、80℃で5時間反応させたのち、CBDA(3.77g、19.2mmol)とNMP(17.56g)を加え、40℃で10時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液(75g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(8.7g)、およびピリジン(13.5g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(950ml)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(G)を得た。このポリイミドのイミド化率は50%であり、数平均分子量は20000、重量平均分子量は86000であった。
【0280】
得られたポリイミド粉末(G)(6.0g)にNMP(74.0g)を加え、50℃にて12時間攪拌して溶解させた。この溶液にBCS(20.0g)を加え、50℃にて5時間攪拌することにより液晶配向剤(G1)を得た。
【0281】
また、上記の液晶配向剤(G1)10.0gに対してRM1を0.06g(固形分に対して10wt%)添加し、室温で3時間攪拌溶解させ、液晶配向剤(G2)を調製した。
【0282】
(実施例8)
BODA(6.01g、24.0mmol)、p−PDA(2.60g、24.0mmol)、PCH(6.85g、18.0mmol)、DA-1(4.76g、18.0mmol)をNMP(81.5g)中で溶解し、80℃で5時間反応させたのち、CBDA(6.94g、35.4mmol)とNMP(27.2g)を加え、40℃で10時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液(135g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(18.3g)、およびピリジン(23.6g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(1700ml)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(H)を得た。このポリイミドのイミド化率は60%であり、数平均分子量は12000、重量平均分子量は39000であった。
【0283】
得られたポリイミド粉末(H)(6.0g)にNMP(74.0g)を加え、50℃にて12時間攪拌して溶解させた。この溶液にBCS(20.0g)を加え、50℃にて5時間攪拌することにより液晶配向剤(H1)を得た。
【0284】
また、上記の液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM1を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H2)を調製した。
【0285】
(実施例9)
液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM2を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H3)を調製した。
【0286】
(実施例10)
液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM3を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H4)を調製した。
【0287】
(比較例1)
液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM4を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H5)を調製した。
【0288】
(実施例11)
液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM5を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H6)を調製した。
【0289】
(実施例12)
液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM6を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H7)を調製した。
【0290】
(実施例13)
液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM7を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H8)を調製した。
【0291】
(実施例14)
液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM8を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H9)を調製した。
【0292】
(実施例15)
液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM9を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H10)を調製した。
【0293】
(実施例16)
液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM10を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H11)を調製した。
【0294】
(実施例17)
液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM11を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H12)を調製した。
【0295】
(実施例18)
液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM12を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H13)を調製した。
【0296】
(実施例19)
液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM13を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H14)を調製した。
【0297】
(実施例20)
液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM14を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H15)を調製した。
【0298】
(実施例21)
液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM15を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H16)を調製した。
【0299】
(実施例22)
液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM16を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H17)を調製した。
【0300】
(実施例23)
液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM17を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H18)を調製した。
【0301】
(実施例24)
液晶配向剤(H1)10.0gに対して重合性化合物RM18を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(H19)を調製した。
【0302】
(実施例25)
BODA(4.38g、17.5mmol)、m−PDA(2.65g、24.5mmol)、PCH(4.00g、10.5mmol)、をNMP(42.8g)中で溶解し、80℃で5時間反応させたのち、CBDA(3.22g、16.5mmol)とNMP(14.2g)を加え、40℃で10時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液(70.0g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(17.6g)、およびピリジン(5.44g)を加え、100℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(900ml)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(I)を得た。このポリイミドのイミド化率は73%であり、数平均分子量は15000、重量平均分子量は47000であった。
【0303】
得られたポリイミド粉末(I)(6.0g)にNMP(74.0g)を加え、50℃にて12時間攪拌して溶解させた。この溶液にBCS(20.0g)を加え、50℃にて5時間攪拌することによりポリイミド溶液(I1)を得た。
【0304】
また、ポリイミド溶液(I1)10.0gに対して重合性化合物RM1を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(I2)を調製した。
【0305】
(実施例26)
3AMPDA(2.54g、10.5mmol)、PCH(4.00g、10.5mmol)、DA−1(3.70g、1.4mmol)をNMP(34.1g)中で溶解し、水浴中でCBDA(6.79g、35.0mmol)とNMP(34.1g)を加え、23℃で10時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液(84.0g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(10.6g)、およびピリジン(4.51g)を加え、40℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(1000ml)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(J)を得た。このポリイミドのイミド化率は41%であり、数平均分子量は13000、重量平均分子量は47000であった。
【0306】
得られたポリイミド粉末(J)(6.0g)にNMP(54.0g)を加え、40℃にて12時間攪拌して溶解させた。この溶液にBCS(40.0g)を加え、40℃にて5時間攪拌することによりポリイミド溶液(J1)を得た。
【0307】
また、ポリイミド溶液(J1)10.0gに対して重合性化合物RM1を0.06g(固形分に対して10質量%)添加し、室温で3時間攪拌して溶解させ、液晶配向剤(J2)を調製した。
【0308】
(実施例27)
TCA(3.36g、15.0mmol)、p−PDA(1.30g、12.0mmol)、DA−3(3.14g、6.0mmol)、DA−1(3.17g、12.0mmol)をNMP(41.6g)中で混合し、60℃で5時間反応させたのち、CBDA(2.88g、14.7mmol)とNMP(13.9g)を加え、40℃で10時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液(68g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(6.0g)、およびピリジン(11.7g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(850ml)に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(K)を得た。このポリイミドのイミド化率は50%であり、数平均分子量は18000、重量平均分子量は58000であった。
【0309】
得られたポリイミド粉末(K)(6.0g)にNMP(74.0g)を加え、50℃にて12時間攪拌して溶解させた。この溶液にBCS(20.0g)を加え、50℃にて5時間攪拌することにより液晶配向剤(K1)を得た。
【0310】
また、上記の液晶配向剤(K1)10.0gに対してRM1を0.06g(固形分に対して10wt%)添加し、室温で3時間攪拌溶解させ、液晶配向剤(K2)を調製した。
【0311】
(実施例28)
実施例1で得られた液晶配向剤(A2)を用いて下記に示すような手順で液晶セルの作製を行った。
【0312】
[液晶セルの作製]
液晶配向剤(A2)を、画素サイズが100μm×300μmでライン/スペースがそれぞれ5μmのITO電極パターンが形成されているITO電極基板のITO面にスピンコートし、80℃のホットプレートで90秒間乾燥した後、200℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの液晶配向膜を形成した。
【0313】
また、液晶配向剤(A2)を電極パターンが形成されていないITO面にスピンコートし、80℃のホットプレートで90秒乾燥させた後、200℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの液晶配向膜を形成した。
【0314】
上記の2枚の基板について一方の基板の液晶配向膜上に6μmのビーズスペーサーを散布した後、その上からシール剤(溶剤型熱硬化タイプのエポキシ樹脂)を印刷した。次いで、もう一方の基板の液晶配向膜面を内側にして、先の基板と貼り合せた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルにMLC−6608を減圧注入法によって注入し、120℃のオーブン中でIsotropic処理(加熱による液晶の再配向処理)を行い液晶セルを作製した。
【0315】
得られた液晶セルの作製直後の応答速度を、後述する方法により測定した。その後、この液晶セルに20Vp−pの電圧を印加した状態で、この液晶セルの外側から313nmのバンドパスフィルターを通したUVを20J照射した。その後、再び応答速度を測定し、UV照射前後での応答速度を比較した。液晶セルの作製直後(初期)、及び、UVを20J照射した後(UV20J後)の応答速度の結果は、後述する表2〜4に示す。
【0316】
(実施例29)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(A3)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0317】
(比較例2)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(A1)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0318】
(実施例30)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(B2)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0319】
(比較例3)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(B1)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0320】
(実施例31)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(C2)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0321】
(比較例4)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(C1)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0322】
(実施例32)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(D2)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0323】
(比較例5)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(D1)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0324】
(実施例33)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(E2)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0325】
(比較例6)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(E1)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0326】
(実施例34)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(F2)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0327】
(比較例7)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(F1)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0328】
(実施例35)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(G2)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0329】
(比較例8)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(G1)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0330】
(実施例36)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H2)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0331】
(実施例37)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H2)に変更し、焼成温度を140℃に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0332】
(実施例38)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H3)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0333】
(実施例39)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H3)に変更し、焼成温度を140℃に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0334】
(実施例40)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H4)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0335】
(実施例41)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H4)に変更し、焼成温度を140℃に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0336】
(比較例9)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H5)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0337】
(比較例10)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H5)に変更し、焼成温度を140℃に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0338】
(比較例11)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H1)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0339】
(比較例12)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H1)に変更し、焼成温度を140℃に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0340】
(実施例42)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(I2)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0341】
(実施例43)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(I2)に変更し、焼成温度を140℃に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0342】
(比較例13)
液晶配向剤(A2)をポリイミド溶液(I1)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0343】
(比較例14)
液晶配向剤(A2)をポリイミド溶液(I1)に変更し、焼成温度を140℃に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0344】
(実施例44)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H6)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0345】
(実施例45)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H7)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0346】
(実施例46)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H8)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0347】
(実施例47)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H9)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0348】
(実施例48)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H10)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0349】
(実施例49)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H11)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0350】
(実施例50)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H12)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0351】
(実施例51)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H13)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0352】
(実施例52)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H14)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0353】
(実施例53)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H15)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0354】
(実施例54)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H16)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0355】
(実施例55)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H17)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0356】
(実施例56)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H18)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0357】
(実施例57)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(H19)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0358】
(実施例58)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(J2)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0359】
(実施例59)
液晶配向剤(A2)を液晶配向剤(K2)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0360】
(比較例15)
液晶配向剤(A2)をポリイミド溶液(J1)に変更した以外は実施例28と同様に液晶セルを作製しUV照射前後での応答速度を比較した。
【0361】
「応答速度の測定方法」
バックライト、クロスニコルの状態にした一組の偏光版、光量検出器の順で構成される測定装置において、一組の偏光版の間に液晶セルを配置した。
このときライン/スペースが形成されているITO電極のパターンがクロスニコルに対して45°の角度になるようにした。上記の液晶セルに電圧±4V、周波数1kHzの矩形波を印加し、光量検出器によって観測される輝度が飽和するまでの変化をオシロスコープにて取り込んだ。電圧を印加していない時の輝度を0%、±4Vの電圧を印加し、飽和した輝度の値を100%として、輝度が10%から90%まで変化するのにかかる時間を応答速度とした。結果を表2〜4に示す。
【0362】
【表2】
【0363】
表2の結果から末端にα−メチレン−γ−ブチルラクトン基を有する重合性化合物RM1を添加することでUV照射後の応答速度が著しく向上することが確認された。また重合性化合物の添加量を増やした方が応答速度の向上率は高い傾向を示したが、光反応性の側鎖を持つポリマーを使用した場合は重合性化合物の添加量が少なくても応答速度の向上率を維持できることが確認された。
【0364】
【表3】
【0365】
表3の結果より、200℃という高温で焼成を行った場合、末端にα−メチレン−γ−ブチルラクトン基を有するRM1〜RM3の重合性化合物を含む液晶配向剤を使用した場合は、末端にα−メチレン−γ−ブチルラクトン基を持たずメタクリル構造を持つRM4よりも応答速度の向上率が著しく高い傾向を示した。このことはα−メチレン−γ−ブチルラクトン構造が高温でも安定であり、反応基がメタクリル基よりも熱重合を起こしにくい構造であることを示している。
【0366】
【表4】
【0367】
表4の結果より重合性化合物として種々の末端にα−メチレン−γ−ブチルラクトン基を有する重合性化合物を用いた場合でも応答速度が著しく向上することが確認された。また応答速度を向上させるためのα−メチレン−γ−ブチルラクトン基を有する重合性化合物としては、この構造を1つ以上含んでいれば同様な効果を期待でき、その他の構造としてアクリル基などの重合性基やシンナモイル基など光二量化による光架橋性基などを含んでいても応答速度が向上できることが確認された。