(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の理解に際して次の術語を明らかにしておく。
本発明において、主制御基板とは、始動口への入賞を検出した信号が入力される基板又は入賞検出信号に基づいて所定の抽選を行う基板をいう。
また、中継基板とは、例えば、可変入賞装置用中継基板(主制御基板と可変入賞装置とを繋ぐ)、音声用中継基板(主制御基板と音声制御基板との間に設けられている)、払い出し用中継基板(主制御基板と払い出し制御基盤との間に設けられている)、その他の中継基板を含む。
そして、この中継基板を介して主制御基板に接続される各種電気部品としては、表示制御基板、図柄表示装置、状態感知装置(通常・時短・確変状態、又は特別図柄・普通図柄の報知、特別図柄保留ランプ、普通図柄保留ランプ)、音声制御基板、スピーカ、ランプ制御基板、払出制御基板、払出モータ、等が含まれる。
又、本発明において、「封止する」とは、封止部材を封止部に挿入若しくは取り付けることにより、遊技機の所定箇所、例えば、取付台座から中継基板を、痕跡を残すことなく、取り外すことが出来ないようにすることを意味する。
更に、封止部とは、封止カバーに形成されている封止カバー側ネジ孔と、該ネジ孔の周囲に設けられて破断ネジの頭部の周囲を囲うリブと、取付台座に形成されている取付台座側ネジ孔により構成され、破断ネジにより封止されるものであるが、そのリブについては、必ずしも、必須要件とされない。また、封止カバーが取付台座に取り付けられるために分割されている場合には、前記封止部は、前記取付台座側ネジ孔に代わって、断面コの字形の分割封止カバー部分に形成されている断面コの字形の分割封止カバー部分側ネジ孔がその必須要件になる。又は取付台座に形成されている取付台座側ネジ孔により構成され、破断ネジにより封止されるものを言う。
尚、前記リブについては、封止カバーの壁体から突出形成されたリブでなく、封止カバーの壁体自体が変形されて破断ネジの頭部を囲うようにしたものも含まれる。
又、取付台座とは、中継基板を取り付けるものを意味し、実施例におけるテーブル状の形態のものを指すほか、中継基板を直接遊技盤に取り付けるブラケットの如き部材等を含むものである。
本発明に言う封止部材とは、実施例の破断ネジ(所定圧を超える羅合により頭部が捩子切れるネジ)を言うが、他に、同様の作用を成すワンウエイネジ、或いは、ネジに対する締め付け力によりピンに塑性変形(カシメのように)を招き、一旦塑性変形を生じた後は、その変形が回復不能となるピン等を含むものである。
【0011】
手段1:本発明にかかる遊技機は、
基板ユニットに収容された所定の遊技を制御する主制御基板と、取付台座に取り付けられる中継基板とを遊技盤の裏面側に配置し、前記主制御基板と複数の各種電気部品とを前記中継基板を介して接続してなる遊技機において、
前記中継基板には、複数のコネクタ接続部が設けられ、
少なくとも一つの前記コネクタ接続部について、ハーネスのコネクタが容易に外されないように該ハーネスのコネクタとコネクタ接続部の少なくとも一部を覆う封止カバーが設けられ、
該封止カバーにより前記中継基板を前記取付台座に封止する封止部が設けられている、ことを特徴とする。
このように、上記封止カバーを取付台座に対して、一旦封止が行われた後は解除痕跡を残すことなく封止解除が不能な封止部により封止したことにより、中継基板のコネクタ接続部に接続したハーネスのコネクタを容易に中継基板から外せなくなると共に万一取り外し出来たとしてもその破壊痕跡が残るので、不正基板の設置(例えば、擬似主制御基板)或いは不正配線を未然に回避することができる。
そして、ハーネスのコネクタとコネクタ接続部は、全部を覆うことが好ましいが、少なくも一部を覆えば、例えば、コネクタの引き抜き方向を阻害する様な封止カバーとすれば目的は達成できるのである。
特に、中継基板は、主制御基板と複数の各種電気部品とを接続するための重要な構成要素であり、そこには元来配線が集中するところから、不正基板等の敷設がなされても容易に発見し難いという状況があるところ、本発明によれば、封止カバーの取付台座に対する封止により、他の不正基板の敷設(例えば、擬似主制御基板)や不正配線を不能にすることができるのである。
【0012】
手段2:手段1の遊技機において、
前記封止カバーが、前記コネクタ接続部に接続される前記ハーネスのコネクタの引き抜き方向に対応する位置から外れた箇所に該ハーネスの導出口を備えている、ことを特徴とする。
このように、前記コネクタの引き抜き方向に封止カバーの壁が存在することで、外部に導出されているハーネスを引っ張っても、それがコネクタの引き抜き方向と異なる故にコクタを簡単に外すことができないのである。
【0013】
手段3:手段1又は手段2の遊技機において、
被覆対象となる少なくとも一つの前記コネクタ接続部は、当り信号用ハーネスのコネクタが接続されるものである、ことを特徴とする。
このように、封止カバーにより最も不正が行われる虞が高い当り信号用ハーネスのコネクタが接続されるコネクタ接続部を被覆対象とすることで、重大な不正を防止出来ると共に他のコネクタ接続部については随時簡単に着脱を行い得て便利である。
【0014】
手段4:手段1又は手段2の遊技機において、
前記封止カバーが、前記コネクタ接続部の大型及びその他のハーネスのコネクタを覆い、前記封止封止カバーが封止された状態で、最も大型のハーネスのコネクタの引き抜きを規制する高さのカバー天井を有する、
ことを特徴とする。
このように、中継基板の略全域を覆うようにすることで、全てのコネクタ接続部とそれらに接続されるハーネスのコネクタが被覆できて、大型のハーネスのコネクタ(特に配線数の多い、主制御基板に接続)については、前記カバー天井部に近接することになるので、容易に取り外しができないようにすることができながら、小型のコネクタ接続部とそれらに接続されるハーネスのコネクタについては、前記カバー天井部までには距離があるので、着脱が可能となり便利である。
【0015】
手段5:手段1乃至手段4の遊技機において、
前記封止カバーが、前記中継基板を上下の方向から挟むように構成されたカバー本体部と断面コの字形の分割封止カバー部とから成り、少なくとも一つの前記封止部が、前記カバー本体部と分割カバー部両部材に設けた各ネジ孔から成り、前記取付台座の一部を挟み込んだ状態で、前記封止部材により封止されるように構成されている、ことを特徴とする。
このように、前記封止カバーが二分割されて、それらカバー本体部と断面コの字形の分割封止カバー部同士が連結されることで封止が行われる構成により、何らかの事情によってその封止カバーを取り外さなければならないときに、封止カバーが取付台座に対して直接連結封止されている場合には、封止カバーのみならず取付台座自体も破壊しなければならないところ、この構成によれば、この封止カバーのみを破壊して封止を解除できるができるのであり、従って、その後に、取付台座はそのままで、新たな封止カバーを取り付けて封止を行うことができるのである。
【0016】
手段6:手段5の遊技機において、
少なくとも一つの前記封止部を構成する各ネジ孔が、前記カバー本体部と断面コの字形の分割封止カバー部の一側に設けられ、且つ、前記カバー本体部と断面コの字形の分割封止カバー部の対向部には、その一方に封止位置を保持する係合フックが設けられ、その他方にフック受け部が設けられている、ことを特徴とする。
このように、前記係合フックとフック受け部とを、前記カバー本体部と断面コの字形の分割封止カバー部の一方の対向部に夫々設けたことで、封止に際して、この封止カバーを、取付台座に対して仮り止めすることができ、その安定した仮り止め状態において、封止部材により封止作業を行い得る。
尚、実施例においては、この係合フックとフック受け部は、前記封止部が設けられた前記カバー本体部と断面コの字形の分割封止カバー部の両側に設けているが、一側のみに設けてもよい。
【0017】
手段7:手段5乃至手段6の遊技機において、
前記封止部材が破断ネジであり、前記封止部が、前記封止カバーに形成されている封止カバー側ネジ孔、破断ネジの頭部の周囲を囲うリブ、取付台座に形成されている取付台座側ネジ孔により構成され、それらネジ孔に破断ネジを相通することによって前記封止カバーが前記取付台座に封止されるように構成されている、ことを特徴とする。
このように、封止部としての別体部品は、封止カバーだけであり、部品点数を最小限とすることができながら、その封止カバー側ネジ孔と取付台座側ネジ孔とに破断ネジを羅合させるだけで、一旦封止が行われた後は解除痕跡を残すことなく封止解除が不能となるように封止を行い得るのであり、この構造はシンプルで、敷設スペースが殆ど確保出来難い遊技盤裏面においては、このように省スペース化を図れることは有益である。
そして、破断ネジの頭部の周囲を囲うリブを設けたことによって、前記破断ネジの頭部がリブで囲われ、この破断ネジの頭部を把持して抜こうとしても、リブが邪魔になって容易にアタックでき難いのである。
【0018】
手段8:手段5乃至手段7の遊技機において、
前記封止カバーが、前記中継基板の略全部を覆う底無しの箱型状に構成され、該封止カバーの対向する側壁部に、長孔のハーネス導出口が形成されている、ことを特徴とする。
このように、封止カバーの対向する側壁部にハーネス導出口が形成されていることで、前記中継基板に連結されたコネクタの引き抜き方向が、前記封止カバーの天井方向であるから、側方から外部に導出されたハーネスを横方向に引っ張っても、中継基板からは抜けないのである。
【0019】
手段9:手段5及び手段8の遊技機において、
前記封止カバーに、その箱型の前記ハーネス導出口が設けられていない対向する側壁に夫々封止部の封止カバー側ネジ孔が設けられ、前記取付台座の前記ネジ孔に対応する位置に取付台座側ネジ孔が夫々設けられている、ことを特徴とする。
このように、封止カバーが、対向する両側部において、封止部により封止されるもので、封止カバーの強固な封止が可能である。
【0020】
手段10:手段5、手段8及び手段9の遊技機において、
前記封止カバーの箱型の側壁の底辺部が、前記取付台座の壁体の内側に位置する内側底辺部分と、該取付台座の壁体の上面に接当する接当底辺部とを有し、該内側底辺部分が前記中継基板に近接又は接当するように構成されている、封止カバーは、前記接当底辺部と前記取付台座の壁体の上面との接当により強固に一体化され、前記内側底辺部分が前記中継基板に近接又は接当する状態であるために、中継基板を不正に持ち上げようとすると、この内側底辺部分が邪魔になり、阻止されることになるのである。
【0021】
手段11:手段5、手段8乃至手段10の遊技機において、
前記封止カバーの封止部が設けられている側壁に、前記取付台座の一部に弾性係合する係止フックが延設されている、ことを特徴とする。
このように、前記係止フックを設けたことで、封止にさいして、この封止カバーを、取付台座に対して仮り止めすることができ、その安定した仮り止め状態において、封止部材により封止作業を行い得る。
手段12:手段1乃至手段11の遊技機において、前記封止部が、破壊容易なリブを介して封止カバー又は取付台座に設けられている、ことを特徴とする。
このように、破壊容易なリブを介して封止部が設けられることで、廃棄にさいして、封止部材(破断ネジ等)を簡単に分離させることができて、リサイクルさせ易い利点がある。
【0022】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る遊技機の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、便宜上、パチンコ機を挙げて説明するが、本発明は、パチンコ機以外の弾球遊技機(例えばアレンジボール機や雀球遊技機など)、その他、遊技球を用いる種々の形態の遊技機に適用することができる。
【0023】
(パチンコ機の正面構成)
図1は本実施形態のパチンコ機10の正面図であり、
図2は、パチンコ機10の左側面図であり、
図3は、その平面図である。
図4は、外枠11に対して内枠12と前面枠(セット)14と、セット板400を開放した状態を示す斜視図である。(但し、
図4では便宜上、遊技盤30面上の遊技領城内の構成〔釘、センター役物等〕を空白で示しているが、アウト口36は描いてある)。
【0024】
図1乃至
図4に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、軽量化を図るために、樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
前記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側(
図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
【0025】
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24(内枠12の左右上端部位置)が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿19が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を
図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。
【0026】
そして、遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38(
図4参照)によって遊技球が遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と後述するセットハンドルと発射モーターなどで構成されている。音出力口24は、内枠12の左右上端部位置に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は、
図1に示すように、下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように支持されている。
【0027】
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿15の奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃えにくくなっている。
【0028】
また、前面枠14は、
図4に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠14は内枠12の外側壁(リブ)12B内に嵌まり込むようにして取り付けられている。
つまり、この前面枠14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12B内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のものであって、具体的には針金、ピアノ線、セルロイド板等)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
【0029】
一方、前面枠14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19(
図1参照)が前面枠14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
【0030】
図4に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓部孔21が形成されている。そして、樹脂ベース20の後側には、
図4及び
図5に示す遊技盤30が着脱可能に装着されている。
図5に示すように、遊技盤30は四角形状の合板よりなり、上部一方のコーナーが肩落ちされており(後に述べる)、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。
【0031】
従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓部孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている(
図4では遊技盤30のアウト口36が示されている)。そして、ここでは、遊技盤30の前記内枠12の外枠11に対する枢着部(パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にした枢着)に近いコーナー(隅)が、
図5に示すように、略三角形状に角落ち(切り欠き)720されている。
【0032】
次に、
図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。
図5は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30の左右やや下方位置には、2組一対の一般入賞口31、31が階段状に配置され、中央下方には、始動口33が配置されている。これら一般入賞口31、31および始動口33は、遊技領域から裏面へ向けて貫通する開口となっており、これらの開口に対応して入賞装置が取り付けられている。即ち、此れらに対応した入球検出センサが、遊技盤30の背面に設けられており、これらのセンサは、図示しない電気配線を通じて後述する主制御基板(主制御装置)に接続されている。
そして、この一般入賞口31、31及び始動口33に遊技球が入球した場合には、上記各検出センサで検出され、この検出センサの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出されると共に、始動口33に遊技球が入球した場合には、後述する抽選が開始されることになる。
【0033】
尚、上記入賞感知センサにて各々検出された検出結果は、後述する主制御基板に取り込まれ、該主制御基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
【0034】
また、遊技盤30の中央には液晶パネルを用いた装飾図柄表示装置42が配置されており、その左右横側部には、スルーゲート34,34が配置されている。これらのスルーゲートは、遊技球の通過によって、後述の始動口33の羽根物を開閉作動させる。その他に、遊技盤30の左右下方位置には、上記一般入賞口31、31を備えた装飾部材35が設けられ、また、遊技盤30の下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って、遊技盤30裏面の図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。さらに、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の誘導釘が植設されているとともに、同様の機能を有する風車が配設されている。
【0035】
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。
【0036】
なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。
かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
【0037】
内レール51の先端部分(
図5の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(
図5の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレートが取着されている。
【0038】
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
【0039】
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路に導くための役目をなす。
なお、遊技盤30の右下隅部および左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(
図5のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(
図7のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
【0040】
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されている。本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51および外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
【0041】
前記樹脂ベースにおいて、窓部孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レールが取り付けられている。発射レールは、その後方の金属板を介して樹脂ベースに取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レールに沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
【0042】
また、発射レールとレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路を介して下皿15に排出される。
【0043】
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路に誘導される、これにより、ファール球の全てがファール球通路に確実に案内されるようになり、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
【0044】
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
【0045】
図4中の符号67は、上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。この排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタが取り付けられている、前面枠14を内枠12から開放した状能(
図4の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタが略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。
【0046】
また、前面枠14を閉鎖した状態では、当該前面枠14の裏面に設けられた球通路樋69(
図4参照)によりシャッタが押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、本パチンコ機10においては、前面枠14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
【0047】
図4に示すように、内枠12の上側には、前面枠14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、前面枠14が閉じられると、前面枠14の金属製の補強板が、内枠12の一対の金具に接触するようになっており、前面枠14のアースが確保されている。
【0048】
ここで、前述した前面枠14について、
図1乃至
図4を参照しつつより詳細に説明する。
前面枠14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、ベース部材が窓部101を形成する開口を備えており、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲して細化した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。
【0049】
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に、演出装置700の一つとして、各種ランプ等の発光部が設けられている。これら発光部は、大当たり遊技状態時や羽根開放時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光部を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光部を内蔵した中央電飾部103が設けられている。
本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光部を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。
【0050】
その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ810、813(LED:後に言及)とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓部107が設けられている。この小窓部107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓部107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。更に、遊技領域内にも、入賞口用等の電飾ランプ、LEDが存在するが、こうした発光部も演出装置700の一部を構成する。
【0051】
また、
図1に示すように、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
【0052】
そして、度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
【0053】
(パチンコ機の背面構成)
図6及び
図7は、パチンコ機10の背面図と、セット板400を一部開いた斜視図である。先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)等が取り付けられている。
【0054】
本実施形態では、各種制御基板を3つの制御基板にユニット化し、これら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。ここでは便宜上、これらのユニットを「第1制御基板ユニット201」、「第2制御基板ユニット202」および「第3制御基板ユニット203」と称することとする。この場合、第1制御基板ユニット201および第2制御基板ユニット202として、主制御基板と音声ランプ制御基板とがそれぞれ取付台に搭載してユニット化され、第3制御基板ユニット203として、払出制御基板、発射制御基板および電源基板が、セット板400の第2パーツを構成する排出通路盤にユニット化されている。
【0055】
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202および第3制御基板ユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。かかる構成については後に詳述する。これは、各ユニット201、202、203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
【0056】
図5に示す一般入賞口31、始動口33に入賞した遊技球は何れも前記裏枠セットの回収通路を介して集合し、さらに排出通路盤の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(
図5参照)も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
【0057】
その他、
図6に示すように、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構部352より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、または排出通路の何れかに振り分けるための遊技球分配部が設けられている。
【0058】
第1制御基板ユニット201は、遊技盤30の裏面側に配設され、略L字状をなす取付台を有し、この取付台に主制御装置261が搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる遊技の制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主制御基板を具備しており、この主制御基板が透明樹脂材料等よりなる後述の第1基板ケースに収容された構成とされる。
【0059】
第2制御基板ユニット202は、取付台座に音声ランプ制御装置が搭載された構成を有し、装飾図柄表示装置42の裏面側を覆う位置に配置され、遊技盤30に取り付けられている。音声ランプ制御装置は、音声ランプ基板を具備している。
【0060】
第3制御基板ユニット203は、払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314が含まれる。払出制御装置311、発射制御装置312および電源制御装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311により、賞品球や貸出球の払出が制御される。
【0061】
また、発射制御装置312により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モーターの制御が行われ、電源制御装置313により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(
図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
【0062】
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ケース315(この内側に位置するもう一つの基板ケース),316,318にそれぞれ収容された構成とされ、セット板400の上部から側部にかけて配置された概略逆L字状をなす払出ユニットならびに下部に配置された排出通路盤とともに、第3制御基板ユニット203を構成している。
【0063】
図6に示すように、払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モーター部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モーターが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。また、電源制御装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。
【0064】
そして、
図4に示す通り、前記内枠12の外枠11に対する枢着部725に近い前記遊技盤30のコーナーが、
図5に示すように、略三角形状(遊技盤の中心側は円弧状)に角落ち720されている。前記枢着部725は、
図4に示すように、外枠11に固定のブラケット726(上端部)(下端部は図外)に、内枠12に固定の取り付け金具を枢着することで構成されている。
【0065】
ここで、上述したエラー状態などの状態報知について
図1及び
図6に基づいて述べる。[遊技球の払い出しに関するエラー報知]
(タンク球無し)
タンク球無しの報知は、タンクとタンクレールに遊技球が無いことを報知するもので、
図1に示す右コーナーLED810が点灯し、
図6に示すモニターLED811が消灯し、状態表示812が「1」を点滅表示する。
【0066】
(下受け皿満タン)
下受け皿満タンの報知は、
図1に示す右コーナーLED813が点灯し、
図6に示すモニターLED811が消灯する。そして、状態表示812が「2」を点滅表示する。
【0067】
(払出ユニット異常)
払出モーター駆動中にも関わらず払出カウントスイッチに遊技球の通過がない状態を示すもので、右コーナーLED810が点灯し、モニターLED811が消灯し、状態表示812が、「3」を点滅表示する。
【0068】
[電源に関するエラー報知]
(ヒューズ切れ1及びヒューズ切れ2)
ヒューズ切れ1は、
図6に示す第1ヒューズ814に定格以上の電流が流れたとき、ヒューズ切れ2は、第2ヒューズ815に以上の定格以上の電流が流れたときに飛んでしまった状態であるが、このエラー状態報知は、表示されない。
【0069】
[その他のエラー報知]
その他のエラーとしては、「ガラス枠開放」、「内枠開放」、「遊技球等貸出装置未接続」、「遊技球等貸出装置通信異常」、「コマンド異常」、「コネクタ未接続」がある。そのうち、遊技球等貸出装置が未接続の場合は、
図6に示すモニターLED816及びモニターLED817が消灯する。そして、遊技球等貸出装置通信異常は、前記状態表示812が「U」を点滅表示する。
また、コマンド異常は、ハーネスの破損等によるコマンド不良を示すもので、前記状態表示812が「C」を点滅表示する(電源投入時にコマンド異常になった場合は点灯表示)。更に、コネクタ未接続は、モニターLED818が消灯する(ただし、発射動作中は点滅する)。
尚、
図6において、819は、遊技機電源コードを示し、820は、電源スイッチを示し、821は、外部接続アース線を示す。
【0070】
次に、第1制御基板ユニット201について説明する。第1制御基板ユニット201には、主制御装置261が搭載され、該主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を収容してなるものである。
【0071】
前記第1制御基板ユニット201は、第1第1制御基板ユニット201A、後述の開閉機構410および連結取付台座部材430を含み、第1第1制御基板ユニット201Aは、第1制御基板ユニット201の主要部をなす部材であり、
図8乃至
図16に示すように、外側ケース70および内側ケース85を含む。この実施例では、外側ケース70が主制御装置261の制御基板80を収容する容積のある方であり、内側ケース85がその蓋体に相当する方である。
この第1第1制御基板ユニット201Aは、前記外側ケース70側に設けられる外側封印部71と、前記内側ケース85側に設けられる内側封印部86と、その外側封印部71と内側封印部86とを連結する封印部材87とを有し、その封印部材87によって前記外側封印部71と内側封印部86とが連結されている場合に前記制御基板80を取り出すときには第1第1制御基板ユニット201Aを破壊するか或いは所定の部位を切断することを必要とするものである。
【0072】
前記外側ケース70の外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86とは対を成すもので、この実施例では、個別に使用することのできる4個の封印部(封印、開封の再使用不可)から構成されており、それぞれを、封印部材87を用いて封印するよう構成されたものであり、こうした封印構造は、公知に属するものと変わらないものであるから、ここでの詳細説明は省略する。
【0073】
図8は、遊技球が流下する遊技領域を前面側に形成してある遊技盤30の裏面の斜視図である。
図9は、第1第1制御基板ユニット201Aを開閉機構410から取り外した状態を示す。
【0074】
上記開閉機構410は、第3部材としての回動連結のための軸411を備え、一端側、即ち、コの字形に折り曲げられた一枚の支持板(約2mm厚の鋼板)からなる第1部材としての支持体412が、
図16に示すようにそのコの字の底板部分で遊技盤30の裏面側にネジで固定され、他端側は、その軸411を基点にして回動するように枢着された第2部材としてのブラケット413で構成されている。前記軸411は、リベット構造であり、その両端部を変形させることよって容易に抜き取り出来ないようにされている。
【0075】
前記第1部材としての支持体412のコの字の底板部分にはネジ孔が設けられ、
図16に示すように、遊技盤30の裏面と球集合板460(入賞装置に入球した遊技球を受けて下方へ誘導する排出通路が形成されているもの)との間でネジ固定され、球集合板460の開口部461(又は切り欠き部)を介して遊技機の裏面側に向かう方向に突出する。そして、このブラケット413は、板状体で構成されて第1係合部414(後述の連結取付台座部材430に対する)に構成され、その第1係合部414には、
図17に示す切り欠き係合部415が形成されている。この切り欠き係合部415は、切り欠き部分の両側の先端部が互いに対向する方向に鉤状に突出し、全体として概略C字形状となるように形成されている。
【0076】
上記構造とすることにより、球集合板460を遊技盤30に取り付けた後は支持体412が外側から取り外せない状態となるので、例えば後述する第1第1制御基板ユニット201Aを不正に取り外したりすることがより困難となる。
【0077】
上記球集合板460については、その外周部の複数個所を遊技盤30の裏面に対して固定するが、そのうちの少なくとも一つが固定解除できないように、破断ネジ等でするか、ビス留めしたあと、ビス頭部を覆うキャップを取り付けるようにする等して、球集合板460が遊技盤30から容易に外されるのを防止する構造としてもよい。
【0078】
破断ネジは、螺合させて締結(本締め)するのに必要な程度のトルクで回転させて締結した後、さらに大きい所定の高トルクで回転させると破断する破断部を備えるネジであり、具体的には例えば
図15に示す破断ネジKのように、頭部K10および軸部K20で構成され、頭部K10が、外側頭部K11および内側頭部K12が軸方向に並置するように形成された構成を有し、外側頭部K11と内側頭部K12との間に、くびれるようにテーパ状に細径化した形状を有する破断部K13が設けられたものとなっている。使用時には、ドライバを外側頭部K11の溝に嵌合し必要なトルクで回転させて軸部K20を締結対象部材のネジ孔に螺入し本締めした後、外側頭部K11をさらに高トルクで回転させると破断部K13で破断して外側頭部K11が離脱し、以降はドライバにより破断ネジKを回転させることができずその取り外しが不可能となる。
【0079】
上記切り欠き係合部415は、後述の第2係合部433とでもって、第1係合部414の抜け出し防止の規制機構440を構成する。前記ブラケット413(約2mm厚の鋼板)には、
図17に示すように、前記支持体412に枢支連結される一枚の支持板からなる支持部413Aが形成されており、その支持部413Aは、ブラケット本体部から直角に折り曲げられて側面視で門型に形成されている。
【0080】
尚、前記第1第1制御基板ユニット201Aは、既述の通り、外側封印部71を備える外側ケース70と内側封印部86を備える内側ケース85を有し、主に外側ケース70の内部に遊技を制御する制御基板を収容する構成のものである。
【0081】
次に、
図9乃至
図20に基づいて、連結取付台座部材430について述べる。
この連結取付台座部材430は、前記開閉機構410と前記第1第1制御基板ユニット201Aとにそれぞれ連結されるものであり、言わば従来から用いられていた基板ケースを取り付けるための取付台座に相当するものであって、合成樹脂で成型されており、ここでは、幅は、前記第1第1制御基板ユニット201Aの幅と実質的に同じ幅(約150mm)で、長さが約48mm(第1第1制御基板ユニット201Aの長手方向に向かう長さ)、厚みが13mm、肉厚は、2mmのものであり、第1第1制御基板ユニット201Aの内側ケース85の側面に接当する側が開放され、リブが多数設けられ、破断ネジ439を収容する収容部431が、ここでは3個形成されており、そこに破断ネジ439がそれぞれ1本づつセットされるようになっているが、周壁、リブの端面は同じレベルに形成され、内側ケース85の側面に密着接当可能にされており、反対側の側面(遊技盤30側)は、平坦に形成されている。
【0082】
前記第1第1制御基板ユニット201Aのうち、前記連結取付台座部材430と連結封止される部位である第1取付台座封止部450が、その内側ケース85の端部に設けられており、ここでは該第1第1制御基板ユニット201Aの幅方向に、所定の間隔を隔てて4個突設されている。この第1取付台座封止部450は、外側ケース70の外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86との位置と平面視で位相がずれるように変位して配置されており
、従って、第1第1制御基板ユニット201Aを背面から(遊技機の背面から)見たときに、前記外側封印部71と内側封印部86に重なることなく、視認できる状態にある。即ち、前記外側封印部71と内側封印部86の位置する側に前記第1取付台座封止部450が配置され、且つ、前記第1第1制御基板ユニット201Aの背面視(正面)において、前記第1取付台座封止部450が見えるように前記外側および内側封印部71、86と平面位相をずらせて配置されているのである。
【0083】
そして、前記連結取付台座部材430には、前記第1第1制御基板ユニット201Aの前記第1取付台座封止部450と連結封止される部位である第2取付台座封止部432が、ここでは、4個が、前記4個の第1取付台座封止部450と対応する位置に突設されている。この1個の第2取付台座封止部432の構造は、この連結取付台座部材430の本体に繋がるリブに、有底のネジ止め凹部を有する突起体が一体成型されており、そのリブの底面と有底板分の底面は面一で、且つ、前記収容部431のリブ及び周壁のレベルと面一とされている。
そして、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432は、破断ネジを用いて連結封止される。
【0084】
前記連結取付台座部材430の内部に、前記開閉機構410の前記第1係合部414と係合する部位である第2係合部433C、433D(
図18参照)が設けられる。この第2係合部433C、433Dは、この実施例では、前記連結取付台座部材430の本体とは別体成型の後述する第2被覆部材430Bに取り付けられる。勿論、別体の第2被覆部材430Bが存在せず、第2係合部433が連結取付台座部材430の樹脂成型時に埋め込まれたり、或いは、それ自体の弾性変形を利用して、連結取付台座部材430に形成された挿入部434の内部に挿入設置されるように構成されてもよいものである。
【0085】
前記第2係合部433C、433Dは、ここでは、弾性を備えた一枚の薄い板体(鋼板)で構成され、その所定箇所をコの字に打ち抜いて舌片433d(図示、但し他方の舌片は対象位置にあるが図では示されていない)を形成し、該舌片433dをコの字の付け根部で曲げることで弾性係合爪を形成し、且つ、前記第1係合部414を金属製の平板状体で構成し、そこに切り欠き係合部415を形成することによって、該切り欠き係合部415に前記舌片433dの係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構440Dを構成しているのである。そして、前記開閉機構410の前記第1係合部414を挿入して前記連結取付台座部材430の内部の前記第2係合部433C、433Dに係合させるために前記連結取付台座部材430に、挿入部434が形成されている。
【0086】
このように、前記規制機構440Dは、前記第1係合部414と前記第2係合部433C、433Dとの係合において、前記開閉機構410の第1係合部414が前記挿入部434に挿入されて前記第2係合部433C、433Dと係合されたあとにその挿入方向とは逆の抜き出す方向への移動を規制するものである。
【0087】
なお
図10には、図示を明確化するため、第1係合部414を前記挿入部434に挿入した状態で、第2部材すなわちブラケット413ごと第1第1制御基板ユニット201Aが球集合板460から分離した状態が示されているが、実際のパチンコ機10においては、ブラケット413は第1第1制御基板ユニット201A側(連結取付台座部材430)よりも先に、球集合板460側(第1部材すなわち支持体412)に取り付けられた構造となっている。
【0088】
ここで、更に、前記連結取付台座部材430について詳述する。前記第2係合部433C、433Dを被覆するべく前記連結取付台座部材430には、第1被覆部材430Aと第2被覆部材430Bが備えられている。第1被覆部材430Aが前記連結取付台座部材430に一体形成されたもので、第2被覆部材430Bは、前記連結取付台座部材430に組み合わせるよう別体構成とされ、且つ、その少なくとも一方、ここでは第1被覆部材430Aに凹面が形成され、他方、即ち、第2被覆部材430Bに対向するよう組み合わせることで前記第1係合部を挿入するための前記挿入部434を形成している。具体的には、前記挿入部434は、その入口が、入口側から内部に向かって幅狭となるようにテーパ状に形成され、且つ、挿入方向に沿って複数、ここでは4本の案内リブが形成されている。
【0089】
そして、この第2被覆部材430Bに、前記第2係合部433C、433Dが設けられるが、その第2係合部433C、433Dの薄板を、第2被覆部材430Bに形成した係止突片430Cに、その入口の側からスライド挿入して係止させ、且つ、ネジ止めされる。
前記第2被覆部材430Bは、前記第1被覆部材430Aよりも小さく構成され、前記連結取付台座部材430と前記第1第1制御基板ユニット201Aとが連結した状態においては、前記第2被覆部材430Bの取り外し方向側に前記第1第1制御基板ユニット201Aが位置された状態となり、前記第1第1制御基板ユニット201Aと前記第1被覆部材430Aとにより被覆された状態となるように構成されているものである。
【0090】
また、前記連結取付台座部材430は、前記第1第1制御基板ユニット201Aよりも小さく構成され、前記第1第1制御基板ユニット201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結されるように構成されているものである。
【0091】
更に、上述した通り、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433C、433Dを金属製の係合部材により構成してある。
前記第1第1制御基板ユニット201Aの側面に、係止リブ420、420、420が前記連結取付台座部材430の略周部に沿って配置されて突出するように備えられ、該係止リブ420、420、420に所定の方向、即ち、第1第1制御基板ユニット201Aの裏面に沿って第1、第2取付台座封止部や第1連結部の位置する側から第1第1制御基板ユニット201Aの中央側に向けてスライド移動させることによって、係合するリブ係合部435が前記連結取付台座部材430の側部に設けられると共にその一つの係止リブ420が、前記連結取付台座部材430の収容部431の周壁の内側に形成されたリブ係合部436に係合するように設けられている。
【0092】
前述の別体構成の前記第2被覆部材430Bの両側部にカム面を備えた係合片430D、430Dが突設され、前記連結取付台座部材430の内部に前記係合片430D、430Dに係合する門型の係合部430E、430Eがそれぞれ設けられ、前記第2被覆部材430Bを前記連結取付台座部材430に対して押し付けることで前記カム面作用により前記係合部430D、430Dの素材の弾性変形を利用して門型の係合部430E、430Eへの係合が行われるように構成されている。
【0093】
本実施形態のパチンコ機10においては、遊技機に取り付けられた第1制御基板ユニット201が遊技盤30の裏面に対して開閉することにより、遊技盤裏面の設置物に対しての検査、メンテナンスが容易に行い得るのである。
そして、封印部により封印されることにより、制御基板に対して不正な改変を行ったり、不正品に交換されることを防止でき、また、第1、第2取付台座封止部450、432により連結封止することによって、第1制御基板ユニット201を不正品に交換されることを防止できる。
【0094】
更に、連結取付台座部材430に対して開閉機構410を簡単な操作により装着できるので、作業性が向上するのであり、そして、第1係合部414と第2係合部433とを一度係合させるとその解除が規制機構440Dによって規制され、係合部分は被覆されているので、連結状態の第1第1制御基板ユニット201Aおよび開閉機構410、即ち第1制御基板ユニット201ごと不正に持ち去ることを防止できるのである。
【0095】
次に、第1被覆部材430Aが前記連結取付台座部材430に一体形成されるのに対し、第2被覆部材430Bが前記連結取付台座部材430に組み合わせるよう別体構成とされることで、第2係合部433C、433Dを被覆することを行い得ながら、第2係合部433C、433Dを第2被覆部材430Bに備えておいて、これを後に組み合わせるという作業で、この、第2係合部433C、433Dを前記連結取付台座部材430の内部に備えることができる。
【0096】
また、前記連結取付台座部材430と前記第1第1制御基板ユニット201Aとが連結した状態においては、第2被覆部材430Bが前記第1第1制御基板ユニット201Aの側に位置して、前記第1被覆部材430Aとで挟まれた状態となって第2係合部433C、433Dの被覆が行われ、その被覆が容易に外れない。
【0097】
更に、連結取付台座部材430は、前記第1第1制御基板ユニット201Aよりも小さく構成され、前記第1第1制御基板ユニット201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結される構成であるので、従来のような基板ケースと同等の大型の取付台座を必要とすることがない状態で、その第1第1制御基板ユニット201Aの開閉を行い得るのである。
【0098】
更に、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433C、433Dを金属製の係合部材により構成してあることで、第1係合部414と第2係合部433C、433Dの係合状態が確実におこなわれているかどうか外部から視認でき、また、強固な係合がされていることが視認されることで、安易な取り外しが行われないようにすることができる。
【0099】
また、前記第2係合部433C、433Dを板金で構成してその一部を変形させることで第1係合部414に対する係合を行う構成であるので、極めて構造が簡単であり、同時に、係合状態の解除が容易に行われないものである。
【0100】
更に、挿入部434の入口をテーパ状として、且つ、案内リブを設けることで、第1係合部414の挿入を容易にすることができると共に内部への侵入がガイドされてスムースに行い得るのである。
【0101】
また、外側ケース70の前記外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86の位置する側に前記第1取付台座封止部450及び第2取付台座封止部432が配置されるものの、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が見えるように前記外側および内側封印部と平面位相をずらせて配置されていることで、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が前記第1第1制御基板ユニット201Aの背面視(正面)において、視認可能となり、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が不正に解除されているかどうか容易に分かるのである。
【0102】
また、第1第1制御基板ユニット201Aの側面に、係止リブ420を突出するように設け、前記連結取付台座部材430を係止させて位置決めすることができ、その後の前記第1取付台座封止部450及び第2取付台座封止部432の連結が行い易いのである。
【0103】
更に、前記第2被覆部材430Bを連結取付台座部材430に取り付けるに、第2被覆部材430Bのカム面を備えた係合片430Dと、連結取付台座部材430の前記係合片430Dに係合する係合部430Eの存在によって、第2被覆部材430Bを連結取付台座部材430に向けて押圧するだけで、素材の弾性変形でもって係合が行われることになり、簡単に組み付けができる。
【0104】
また、連結取付台座部材430に、破断ネジ439を収容する収容部431を設けることで、第1第1制御基板ユニット201Aの定期検査等で封止を解いた後に、そこから破断ネジ439をとり出して、再び新たな第1取付台座封止部450と第2取付台座封止部432との封止を行うことができる。
【0105】
(開閉機構の一部変形例)
上記開閉機構410の他端側である第2部材、第1、第2取付台座封止部450,432を、破断ネジで連結させてもよい。
例えば、製造時において開閉機構端部を連結取付台座部材挿入口に挿入して連結する操作に際し、第1、第2取付台座封止部の間に、前記開閉機構410の他端側である第2部材の一部が入り込む(挟まれる)ように構成されており、次回以降の連結封止では、これら3部品を一つの破断ネジで留めるようにする。この開閉機構410の他端側である第2部材は、第3取付台座封止部を構成するもので、前記ブラケット413の本体部の両側部から、前記支持部413Aとは反対側に向けて延設され、且つ、その後にブラケット本体部と平行になるように曲折された細幅の取り付け板416からなり、その取り付け板416に2個一対のネジ孔(後述の連結取付台座部材430と第1第1制御基板ユニット201Aに対する)が形成されている(ネジ孔ではあるがネジ切りはされていない;
図20参照)。
【0106】
また、第1取付台座封止部450に形成された切断部450A(
図9他参照)を切断して、破断ネジは第2取付台座封止部及び第2部材に残すようにすれば連結封止を解除できる。 更に、別の変形例として、第1、第2連結部の両方に切断部を形成し、破断ネジを第2部材に残すようにしてもよい。
【0107】
また、この例では、第1係合部414を構成する金属製の平板状体を方形状に打ち抜いて開口係合部417が形成されており、該開口係合部417に前記第2係合部433C、433Dの舌片433dの係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構440Dが構成されている。
【0108】
遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間には、カバー部材501が介装されている。
図14及び
図16に示すように、遊技盤30の裏面には球集合板460が設けられ、第1制御基板ユニット201はこの球集合板460に外側から取り付けられる構成となっているが、該球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の間隙が形成されている。パチンコ機10の機種によっては、遊技盤30の裏面の設計に応じて、当該部位の寸法(奥行)が異なる。このため、この寸法の変動に対応できるように、球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の余裕、すなわち間隙が形成されているのである。前記カバー部材501は、この球集合板460と第1制御基板ユニット201との間の間隙を補填するためのものであり、当該間隙にほぼ対応した寸法を有するものとなっている。
【0109】
上記カバー部材501を設けた主たる目的は、球集合板460の裏面に設けられた種々の電気部品、例えば、遊技盤30の表面に設けられた電飾用の基板等の電気部品、配線などを保護することになる。即ち、この球集合板460の裏面に露出された状態に配置されているものであるから、裏面側からアタック(多の部品の組み付け時、或いは基板ケースの開閉時)に際して、破損、破断が生じる虞がある。
【0110】
この他に、球集合板460の裏面中央には、中継基板470、これにつながるコネクタ、配線が設けられている。ここでは、中継基板470は、表裏2段配置に構成されており、裏面側(外側)では、第1制御基板ユニット201からの入力を、大入賞口作動のための中継とし、また一部の電飾に中継し、また、入球を検知するセンサーの出力を中継している。同様に、内側の中継基板については、電飾等の中継を行う。
また、球集合板460の裏面に露出されている基板としては、大当たりに際して開く大入賞口装置471(
図5参照)のための制御(ソレノイド、センサー)を行う中継基板473がある。これらの中継基板470、中継基板473については、この実施例では、前記カバー部材501の被覆対象外となっている。即ち、これらの中継基板470、中継基板473を覆いから外すように、即ち、その中継基板470に対しては、このカバー部材501の一部を凹ませた形状とし、その中継基板473については、中抜き形状(窓)として、そのカバー部材501の形状が採られている。そして、上記中継基板470については、後に詳述する。
【0111】
上記カバー部材501は、球集合板460に対向する面が開放された概略横長で中空体(箱形)に形成され、その上端部にはほぼ矩形状の切欠部511が形成されている。この切欠部511は、球集合板460と第1制御基板ユニット201とを電気的に接続するスペースを確保するためのものである。
【0112】
上記カバー部材501の内部には、
図14に示すように、複数のリブ512が形成されている。このリブ512は、カバー部材501の補強の機能だけでなく、該カバー部材501の内部に不正基板を設置し得るスペースが形成されないようにするという機能も奏するものである。また、このリブ512は、球集合板460側に設けた電気部品等に接当しないように区画配置されると共にその高さが部分的に変えられている(リブの外縁面が同じレベルではない)。
【0113】
上記カバー部材501は透明樹脂よりなるものであり、これにより、内部での不正行為の有無等が外側から容易に視認することができ、したがって不正をより効果的に防止し得るようになっている。
【0114】
上記カバー部材501の一方端部には、上下1対の板状のブラケット513が突設されている。該ブラケット513の先端部には孔または切欠が形成されており、一方、前記球集合板460における前記開閉機構410形成側端部とは反対側の端部(
図14および
図16では右側端部)には、上下1対の軸462がそれぞれ上方に突出するように設けられており、この軸462に前記カバー部材501のブラケット513が挿通されている。これにより、上記カバー部材501は一方端部で軸462を中心として水平面上で回動可能に軸支され開閉可能となっている。即ち、該カバー部材501の開閉軸線はパチンコ機10の背面からみて前記開閉機構410形成側端部の反対側(
図14および
図16の右側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にしてカバー部材501が後方側に十分に開放できるようになっている。
【0115】
前記第1第1制御基板ユニット201Aは、
図13に示すように開閉機構410により該開閉機構410形成側端部(
図13では左側端部)で回動させて一方側へ(
図13では左方に)開放し得るようになっているが、上記のようなカバー部材501の支持構造とすることにより、該カバー部材501は
図14に示すように第1第1制御基板ユニット201Aとは逆方向に(
図14では右方に)開放し得るようになっている。すなわち、該カバー部材501と第1第1制御基板ユニット201Aとが、左右逆方向に開閉し得る構造、さらに具体的にいえば、左右から折り重ねるようにして閉じ得るとともに、その閉じた状態からそれぞれ左右に開放し得る構造となっている。
【0116】
上記カバー部材501の自由端部側(
図9及び
図11では左端部側)およびこれに対応する球集合板460上の位置には、カバー部材501と球集合板460とを封止するための封止手段が設けられている。この封止手段は、第1封止部520Aと第2封止部520Bとを有している。この第1封止部520Aおよび第2封止部520Bについて以下順次説明する。
【0117】
図21に示すように、第1封止部520Aは、球集合板460に遊技盤30側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底板に有する凹部465と、カバー部材501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されている。
【0118】
カバー部材501の自由端において球集合板460に当接する上下2箇所のコーナー部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、カバー部材501の長さ方向に沿って延出し、上下1組の延出片のうち内側に位置する延出片の先端部が外方に屈曲して外側の延出片に向かって延び、これら上下の延出片の先端部分が、カバー部材501の奥行方向に沿って延びる円筒状部を支持するような形状となるように、カバー部材501のコーナー部が成形されている。上記円筒状部の内部にはネジ溝が形成されてネジ519が螺入し得るようになっており、この円筒状部が挿入部514となっている。また、上記上下1組の方形状の延出片は、ネジ519による固定状態を保持するのに十分な強度を有するとともに、ニッパ等の適宜手段により容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、この延出片が切断部514Aとなっている。
【0119】
一方、球集合板460において上記カバー部材501の上下のコーナー部に対応する位置にはそれぞれ、凹部465が設けられている。下側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から円形の平面形状をなして陥入し、その底板にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から、下側の一隅を部分円状に角落ちさせた概略方形状の平面形状をなして陥入し、その底板にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上下の凹部465のネジ挿通孔にはそれぞれ、遊技盤30側からネジ519が挿通され、該ネジ519の頭部が凹部465内に収容されるとともに、軸部が前記カバー部材501の挿入部514に螺合し、これによりカバー部材501の自由端部が球集合板460に固定されるようになっている。
【0120】
球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では、球集合板460の凹部465がネジ519のネジ頭を収容して遊技盤30により閉塞された状態、すなわちネジ519のネジ頭が球集合板460と遊技盤30との間に挟まれた状態となるため、外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、カバー部材501と球集合板460とが封止されるようになっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合には、前記切断部514Aを切断することにより、カバー部材501と球集合板460との封止状態を外側から(パチンコ機10の背面側から)、痕跡を残しながら解除することができる。
【0121】
なお、固定手段として、ネジにかえてナイラッチ等を用いるようにしてもよい。ナイラッチは、頭部から延出する軸部の先端部が径方向に拡張するように成形されたナイロン製の締結具であり、締結対象の部材に設けた孔部に押し込んで弾性的に係合させることにより当該部材を締結するものである。
【0122】
第2封止部520Bは、カバー部材501に背面側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、カバー部材501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底板に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されている。
【0123】
カバー部材501の自由端は、高さ方向における中段をなす帯域部分が内側に陥入して、正面視概略コ字状の形状を有しており、その陥入部分の底板から、高さ方向に長く延びる概略直方体状の基台部515Bが外側(カバー部材501の自由端側)に突出し、さらに該基台部515Bの外側端面から、破断ネジ挿通部515が外側に突出した形状となっている。基台部515Bの外側端面の上端部および下端部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、カバー部材501の長さ方向に沿って延出し、上下の延出片の先端部同士がたがいに近接し合う方向に円弧状に湾曲するように延びて接合し、正面視半円状の周壁部515Cが形成されている。この周壁部515Cを含む上下の延出片は全体として正面視U字状に形成され、その先端部分の内側における奥行方向中央付近には、奥行方向に対し垂直となるように、即ち、例えば遊技盤30の裏面に対し平行となるように、底壁515Dが設けられ、該底壁515Dにはネジ挿通孔(図示せず)が穿設されている。
【0124】
上記周壁部515Cを含む上下の延出片および底壁515Dにより、破断ネジ挿通部515が構成されている。上記上下の延出片は、前記第1封止部520Aの切断部514Aと同様に、十分な強度を有するとともに容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、また、前記底壁515Dは上下の延出片の先端部の間の空間のみを閉塞しこれより内側の脚部(立ち上がり部)の間の空間は閉塞しないように設けられていて、この脚部は奥行方向に貫通する形状となっている。このように構成されることにより、上記上下の延出片の脚部が第2封止部520Bの切断部515Aとなっている。
【0125】
一方、
図16に示すように、球集合板460において上記上下の破断ネジ挿通部515に対応する位置にはそれぞれ、螺入部463が設けられている。上下の螺入部463は、球集合板460における前記支持体412挿通用の上下の開口部461の間の位置から、背面側(カバー部材501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。
【0126】
図21に示すように、カバー部材501を閉じて球集合板460に当接させた状態では、破断ネジ挿通部515の周壁部515Cの球集合板460側端縁も球集合板460に当接し、螺入部463の全体が該周壁部515Cにより包囲されるようになっている。この状態で、破断ネジ522が破断ネジ挿通部515に背面側(カバー部材501側)から挿通されて螺入部463に螺入され、これによりカバー部材501が球集合板460に固定される。破断ネジ522は所定の高トルクで回転させることにより外側頭部522Aと内側頭部522Bとの間で破断して外側頭部522Aが分離し、内側頭部522Bが破断ネジ挿通部515の内部に収容された状態で残留する。この状態では、ドライバによって破断ネジ522を回転させることはできず、しかも内側頭部522Bは破断ネジ挿通部515の周壁部515Cで包囲されているため、痕跡を残さずに破断ネジ522を取り除くことは不可能である。これにより、カバー部材501と球集合板460とが封止された状態となる。一方、前記切断部515Aを切断することにより、カバー部材501と球集合板460との封止状態を痕跡を残しながら解除することができる。
【0127】
カバー部材501の自由端は、前記したように中段をなす帯域部分が内側に陥入した正面視概略コ字状の形状を有しているが、その陥入部分を挟む上段および下段の突出部分の先端面には、それぞれ前記第1封止部520Aが設けられている。さらに、下段の突出部分の先端面において、第1封止部520Aの上方の位置に、破断ネジ挿通部516が設けられている。この破断ネジ挿通部516は、前記陥入部分の底板に設けられた破断ネジ挿通部515とほぼ同様の上下の延出片(周壁部を含む)および底壁を有する構成となっている。
【0128】
また、
図16に示すように、球集合板460において上記カバー部材501の下段の突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516に対応する位置には螺入部464が設けられており、この螺入部464は前記螺入部463と同様に、背面側(カバー部材501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。本実施形態に示す第2封止部520Bは、カバー部材501の陥入部分の底板に設けられた上下の破断ネジ挿通部515および突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516と、これら破断ネジ挿通部515、516にそれぞれ対応するように球集合板460に設けられた螺入部463、464と、破断ネジ挿通部515、516のそれぞれに設けられた切断部515A、516Aと、破断ネジ522とで構成され、高さ方向に並ぶ3点でカバー部材501と球集合板460との封止がなされ得るようになっている。
【0129】
上記カバー部材501の陥入部分の底板に設けられた上下の破断ネジ挿通部515は、
図9および
図11に示すように、前記開閉機構410におけるブラケット413の上下の支持部413Aの間に挟持されるような位置に形成され、これら支持部413Aの間のスペースをほぼ閉塞し、第1第1制御基板ユニット201Aを枢着する軸411であるリベットの頭部に近接している。
【0130】
図9乃至
図11ならびに
図22に示すように、上記カバー部材501の外側面(第1第1制御基板ユニット201A側面)における固定端部(
図9、
図11及び
図22では右側端部)には、先端に係止爪が形成された矩形状の係止片517が後方に(第1第1制御基板ユニット201A側に)突出するように配設され、一方、第1第1制御基板ユニット201Aの内側ケース85の自由端部には、矩形状の突起部851が側方に(
図22では右方に)突出するように配設されており、
図23に示すように該係止片517が突起部851に弾性的に係止し得るようになっている。この係止片517は、カバー部材501に一体成型されている。
【0131】
また、上記カバー部材501の外側面における自由端部には、
図11に示すように、矩形状凹部518が形成されている。この矩形状凹部518は、前記連結取付台座部材430の長さ(約48mm)および厚み(約13mm)にそれぞれほぼ等しい長さ(カバー部材501の長手方向に沿った長さ)および深さを有し、
図9に示すように、内部に連結取付台座部材430をほぼ隙間なく収容することができ、収容状態で該連結取付台座部材430の外側面(開放側面)とカバー部材501の外側面とが面一となるようになっている。これにより、第1第1制御基板ユニット201Aとの間にできる限り間隙が形成されないようになっている。
【0132】
(カバー部材の一部変形例)
図25に示すように、上記カバー部材501の内部に形成するリブの数を少なくするようにしてもよい。
図25に示す例では、リブの形成が前記実施例の場合よりも大幅に少なく、これに応じて区画された室数も少なくなっている。さらには、カバー部材501の内部にリブを形成せず、内部空間を区画しないようにしてもよく、あるいは、カバー部材の内部に適宜な材料を充填して内部空間を実質的になくすようにしてもよい。
【0133】
また、上記
図25に示す例では、カバー部材501内の壁面に、第2封止部520B用の破断ネジ522を収容する破断ネジ収容部521が、ここでは3個形成されており、そこに破断ネジ522がそれぞれ1本づつセットされるようになっている。これにより、カバー部材501の封止を解除して開放するごとに、破断ネジを1本ずつ取り出し第2封止部520Bの3箇所の破断ネジ挿通部515、516に挿通・螺合して次の封止を行うようにすることができ、未使用の破断ネジ522は封止した状態のカバー部材501の内部に確実に保持しておくことができる。この破断ネジ収容部521は、例えば、1本の破断ネジのみを収容する構成としてもよく、この場合にも、破断ネジを未使用の段階ではカバー部材の内部に保持しておくことができる。
【0134】
また、上記パチンコ機10においては、カバー部材501の一方端部およびこれに対応する球集合板460の位置に、第1および第2封止部520A、520Bで構成される封止手段を設けた構造としていたが、これと同様のまたは異なる封止手段を他方端部にも設け、これにより、カバー部材501の両端部を封止した状態で固定する構造とするようにしてもよい。この場合、前記カバー部材501の開閉構造(回動可能に軸支した構造)を設けた端部にさらに封止手段を設けるようにしてもよいが、両端部が封止手段により固定されるため、開閉構造は省略することができる。
【0135】
上記パチンコ機10においては、遊技盤30の裏面の球集合板460の裏面を覆うようにカバー部材501が設けられていることにより、球集合板460の裏面に配置された中継基板、配線等の電気部品を保護することができ、他の電気部品の組み付け、或いは外部からの他物の接触による電気部品の破損、断線が防止できるのである。即ち、パチンコ機10の組立てにおいては、例えば、球集合板460に中継基板、LED基板、スイッチ、配線等の電気部品を取り付け、この球集合板460にカバー部材501を取り付けてこれらをユニットとして構成し、このユニットを遊技盤30に取り付け、この後第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程にすると、作業性が良好となるが、このような場合に、電気部品も少なくとも一部がカバー部材501で覆われるようにすることで、電気部品がカバー部材501によって保護され、取り付け作業時に電気部品が破損されることが防止される。
【0136】
又、遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間の間隙が補填され、これによって、不正行為を行い得るようなスペースが形成されないようになっている。
さらに、このカバー部材501が封止手段520により封止した状態で固定されていることにより、不正に取り外すことが困難となっており、もしこの封止が不正に破られたとしても、痕跡が残るため、封止が破られたことが一目瞭然であり、これにより不正行為が容易に発覚する。
【0137】
さらに、封止手段が第1封止部520Aと第2封止部520Bとを有し、第1封止部520Aが、球集合板460に遊技盤30側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底板に有する凹部465と、カバー部材501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されているため、球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、カバー部材501が封止した状態で固定され、これを痕跡を残すことなく不正に取り外そうとすると球集合板460を遊技盤30から取り外すことが必要となり、したがって不正行為を行うことが困難となっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合に、切断部514Aを切断することによって痕跡を残しながらカバー部材501の封止状態を解除することができる。また、球集合板460が遊技盤30に取り付けられていない状態ではカバー部材501を自在に開放し得るため、作業性が良好である。
【0138】
さらに、第2封止部520Bが、カバー部材501に背面側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、カバー部材501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底板に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されているため、カバー部材501を破断ネジ522により球集合板460に外側から固定することができ、これにより、容易にカバー部材501を封止した状態で固定することができる。このとき、前記球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態であっても、カバー部材501を破断ネジ522により球集合板460に外側から封止・固定することができるので、たとえば前記第1封止部520Aによる封止状態を解除した後に、第2封止部520Bによって再度カバー部材501と球集合板460とを封止することができる。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合には、切断部515A、516Aを切断することによって痕跡を残しながらカバー部材501の封止状態を解除することができる。
【0139】
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、破断ネジ挿通部515が、第1制御基板ユニット201を枢着する軸411に近接していることにより、第1制御基板ユニット201を枢着部分から不正に取り外そうとしても、破断ネジ挿通部515が障害となって枢着部分を取り外すことが困難となっており、またカバー部材501は封止した状態で固定されているため、破断ネジ挿通部515を取り除こうとしても痕跡を残さずにこれを取り除くことは困難となっている。したがって不正行為がさらに効果的に防止される。
【0140】
さらに、カバー部材501の内部に、第2封止部520B用の破断ネジ522を1本またはそれ以上収容する破断ネジ収容部521が配設されていることにより、破断ネジ収容部521に破断ネジ522を収容しておくようにすれば、カバー部材501の封止を解除して開放するごとに、破断ネジ522を1本ずつ取り出して次の封止を第2封止部520Bで行うようにすることができ、未使用の破断ネジ522がある段階ではこれを封止した状態のカバー部材501の内部に確実に保持しておくことができる。
【0141】
さらに、カバー部材501のコーナー部に第1封止部520Aが設けられ、コーナー部以外に第2封止部520Bが設けられていることにより、第1封止部520Aによってカバー部材501をコーナー部で容易かつ確実に封止することができるとともに、このカバー部材501の封止を第2封止部520Bによってさらに確実に行うことができる。また、複数個所に第1および第2封止部が設けられているので、封止および解除を行う行程の1回につき1箇所ずつで封止および解除を行うようにすれば、封止および解除の行程を複数回行うことができ、その行程ごとに開封履歴を残すことができる。
【0142】
さらに、カバー部材501が中空体に成形され、内部がリブ512により多数の室に区画された構成としたことによって、カバー部材501の内部に不正基板を設置するのに十分なスペースが形成されておらず、したがって不正行為を効果的に防止することができる。
【0143】
さらに、カバー部材501が、球集合板460に対向する面が開放された構成としたことにより、カバー部材501を閉じた状態では上記開放された面も球集合板460に当接して閉塞されるため、カバー部材501の内部に不正基板を設置する等の不正行為は困難となっている。このとき、前記したようにカバー部材501の内部がリブ512により多数の室に区画されていても、カバー部材501の開放部分が外部に露出しておればそこからリブ512を切断して不正行為のためのスペースを確保されるおそれがあるが、上記のようにカバー部材501の開放面を球集合板460に対向させることにより、リブ512を切断することも困難となっている。
【0144】
さらに、カバー部材501と第1制御基板ユニット201とが、たがいに左右逆方向に開閉される開閉構造を有する構成としたことにより、カバー部材501および第1制御基板ユニット201のそれぞれを開放した状態における荷重が左右いずれか一方の端部に集中せず、左右両端部に分散することとなる。よって、たとえば点検などに際してカバー部材501および第1制御基板ユニット201を開放する場合等に、これらカバー部材501および第1制御基板ユニット201の荷重により球集合板460に変形が生じるといった不具合が防止される。球集合板460に変形が生じると、遊技球の排出に不具合をきたすおそれがある。
【0145】
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、カバー部材501に、第1制御基板ユニット201の他方端部(自由端部)に係止する係止片が一体成型された構成としたことにより、第1制御基板ユニット201の自由端部を保持するための部材(例えばナイラッチ等)を別に用意する必要がなく、部品点数を少なくすることができる。また、カバー部材501が不正に取り外されたとした場合、第1制御基板ユニット201の自由端部が保持されずに遊離した状態となるため、不正行為が容易に発覚することとなり、したがって不正を行うことがより困難となる。
【0146】
また、パチンコ機10の組み立てにおいては、例えば、球集合板460に中継基板、LED基板、スイッチ、配線等の電気部品を取り付け、この球集合板460にカバー部材501を取り付けてこれらをユニットとして構成し、このユニットを遊技盤30に取り付け、この後第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程にすると作業性が良好となるが、このような場合に、電気部品の少なくとも一部がカバー部材501で覆われるようにすることで、電気部品がカバー部材501によって保護され、取り付け作業時に電気部品が破損されることが防止される。
なお、
図23には、球集合板460にカバー部材501および第1制御基板ユニット201を取り付けた状態が示されており、このように、球集合板460、カバー部材501および第1制御基板ユニット201を一体とした状態で遊技盤30に取り付けるという工程も可能であり、パチンコ機10の組み立て方法は特定のものに限定されないが、前記のように球集合板460およびカバー部材501をユニットとして遊技盤30に取り付けた後に第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程がとりわけ作業性が良好である。
【0147】
(特徴構成)
次に、上記中継基板470と取付台座475及び封止部492の構成について、実施形態1及び実施形態2を示す
図26乃至
図38に基づいて、その共通構成部分を主として詳述する。
この遊技機は、基板ユニット201に収容された主制御基板(図外)と、取付台座475に取り付けられた中継基板470とを遊技盤30の裏面側に配置している。
この中継基板470は、第1制御基板ユニット201からの入力を、可変入賞装置である大入賞口作動のための中継とし、また一部の電飾に中継し、また、入球を検知するセンサの出力を中継しており、大入賞口用中継基板と呼称することもある(他の中継基板には、音声用中継基板を呼称されるもの等もある)。
そして、後に詳述するが、前記中継基板470を前記取付台座475に対して、一旦封止が行われた後は解除痕跡を残すことなく封止解除が不能な封止部492により、封止部材488、即ち、ここでは破断ネジKを用いて封止してある。この破断ネジ488については後に言及する。
前記封止部492は、封止カバー(500、503)に形成されている封止カバー側ネジ孔(492A)と、該ネジ孔(492A)の周囲に設けられて破断ネジの頭部の周囲を囲うリブ(492B)と、封止カバー本体部502側のネジ孔492C又は取付台座475に形成されている取付台座側ネジ孔492Eにより構成され、破断ネジKにより封止されるものであるが、前記リブ(492B)については、必ずしも、必須要件とされない。
【0148】
前記中継基板470は、
図26、
図28、
図32及び
図34等に示すように、平面視で略矩形状を成す平板状体であり、前記取付台座475は、ここでは、その矩形の長辺の一側部分(略中間位置)において僅かに内側に凹んだ形状の凹部493に構成されている。そして、前記中継基板470は、取付台座475に設けられる。
この取付台座475は、平面視で矩形状をなし、上記中継基板470の矩形状に対応する形状とされ、そのサイズは、非常に緊密な状態での中継基板470の嵌め込みが成されるように、精密に設計されている。
【0149】
そして、前記中継基板470には、その上面に複数のコネクタ接続部が設けられ、ここでは、コネクタ接続部482Aは、一般入賞言口の検出信号を主制御基板に出力し、大入賞口への入賞検出信号を主制御基板に入力するハーネスのコネクタが接続されるものであり、コネクタ接続部482Bは、大入賞口の検出信号を該中継基板470に入力し、大入賞口の開閉を行う信号を出力するためのハーネスのコネクタが接続されるものであり、コネクタ接続部482C、482D、482F、482Gの4個は、4個の一般入賞口からの検出信号を該中継基板470に入力するためのハーネスのコネクタが接続されるものであり、コネクタ接続部482Eは、始動入賞口の羽根を開閉する信号を出力するためのハーネスのコネクタを接続するためのものである。
【0150】
また、取付台座475には、前記中継基板470を収容する凹みが、形成されている。因みに、ここでは、その長辺が138mm、短辺が37mm、厚みが約1mm、前記凹みが約10mmである。そして、上面が開放された略箱形状に構成されており、更に、遊技盤30に取り付けられる脚部506を備え、正面視では門型をなし、上部に、前記凹部の底板476を有し、全体としては、合成樹脂の射出成形により成型されている。そして、脚部506は、その背面視で分かるように、板体で形成されるが、その両側部が短い側壁を有する断面コの字を呈する形状に構成されており、強度が出るようにされている。
【0151】
上記取付台座475は、前記中継基板470の外側面に沿って壁体476を備えており、この壁体476は、対向する長辺側壁体476Aと、対向する短辺側壁体476Bとから成り、前記中継基板470の外側面よりも外側に延設され、上述した凹みの取付台座475の凹部493を形成している。換言すると、前記中継基板470が取付台座475の凹部493の内側に嵌まり込む状態とされていることを意味する。因みに、この実施例では、その延設部は、約3mmである。
【0152】
次に、上記封止部材488について詳述する。
この封止部材488は、ここでは、
図15に基づいて説明した、上述の破断ネジKと同じ構造の破断ネジの小型のものが用いられている。即ち、この破断ネジKは、既述の通り、螺合させて締結(本締め)するのに必要な程度のトルクで回転させて締結した後、さらに大きい所定の高トルクで回転させると、その頭部が破断する破断部を備えるネジである。
この破断ネジKが、前記中継基板470の4隅を貫通して、取付台座475である前記台座475のネジ孔ボス部484に羅合され、固定される。一旦、羅着がなされ、その頭部が破断されると、再びこの破断ネジKをドライバで外すことは出来ない。
【0153】
上記封止部材488として、破断ネジKに代え、封止ピン、例えば、
図9において示す封印部材87の構造のものを用い得るが、その他に、
図39(A)乃至(E)に示す構造の封止ピン487を用いてよい。この封止部ピン487は、座屈容易な円筒状体487Aとネジ487Bとから構成され、その円筒状体487Aが中継基板470の4隅を貫通して、取付台座475のネジ孔ボス部484A(板状体)の孔484Bの挿通され(
図39A)、しかる後にネジ487Bが羅合され(
図39B)、羅合終了時に更に回動を続けることで(
図39D)、円筒状体487の下端部を引きつけ、座屈させることによりカシメ部分487Cを形成し(
図39E)、中継基板470と取付台座475のネジ孔ボス部484Aの座屈を用いるので、一旦連結が行われると、解除不能となる。
【0154】
その他、前記取付台座475を構成する取付台座475を、そのネジ止め部485を介して遊技盤30又は球集合板460に対して、一旦封止が行われた後は解除痕跡を残すことなく封止解除が不能となるように封止部材488により封止してもよい。
また、前記取付台座475と球集合板460とが一体化されている構造のものであっても、実施可能である。
【0155】
次いで、封止カバー500による中継基板470(コネクタ接続部を含む)の封止について詳しく述べる。
(実施形態1)
ここでは、
図26乃至
図31に基づいて述べる。
この遊技機は、基板ユニットに収容された主制御基板と、取付台座475に取り付けられる中継基板470とを遊技盤30の裏面側に配置し、前記主制御基板と複数の各種電気部品とを前記中継基板470を介して接続してなるものである。
前記取付台座475の短辺側の壁体476Bの下方に延びる左右の脚部506には、ネジ止め部485が横方向に延設されており、ここにネジを通して遊技盤30裏面の球集合板460に羅着される。
【0156】
前記中継基板470には、既述の通り、多数のコネクタ接続部(482A、482B、482C、482D、482E、482F、482G)が設けられているが、ここでは、その二つの前記コネクタ接続部482A、482Bについて、ハーネスのコネクタ(図外)が容易に外されないように該ハーネスのコネクタとコネクタ接続部482A、482Bを覆う封止カバー500が設けられているのである。
前記コネクタ接続部482Aは、最も大型で配線数が多く、主制御基板に繋がるハーネスのコネクタの接続用であり、コネクタ接続部482Bは、次に大きなもので、可変入賞装置に繋がるハーネスのコネクタが接続されるものである。
【0157】
そして、前記封止カバー500と前記取付台座475とを封止状態にする封止部492が設けられており、該封止部492に封止部材488、ここでは、破断ネジKが用いられて、一旦封止が行われた後は解除痕跡を残すことなく封止解除が不能となるように封止するよう構成されている。
図26、
図28、その他において、538は、取付台座475の底部に収納されたスペーサーであり、その上に中継基板470が載置される。また、539は、取付台座475の側壁に設けられたハーネス係止用のフックである。
【0158】
このように、上記封止カバー500を取付台座475に対して、一旦封止が行われた後は解除痕跡を残すことなく封止解除が不能な封止部492により封止したことにより、中継基板470のコネクタ接続部482A、482Bに接続したハーネスのコネクタを容易に中継基板470から外せなくなると共に万一取り外し出来たとしてもその破壊痕跡が残るので、不正基板の設置(例えば、擬似主制御基板)或いは不正配線を未然に回避することができる。
尚、ハーネスのコネクタとコネクタ接続部482A、482Bは、全部を覆うことが好ましいが、少なくも一部を覆えば、例えば、コネクタの引き抜き方向を阻害する様な構造、即ち、接続されたコネクタを覆う幅のカバー状体の封止カバー500とすれば、コネクタの引き抜きを阻止でき、同時に中継基板470の取り外しも阻止できるので、目的は達成できることになるのである。
【0159】
そして、前記封止カバー500が、前記コネクタ接続部482A、482Bに接続される前記ハーネスのコネクタの引き抜き方向に対応する位置から外れた箇所であって、コネクタの嵌合爪の位置する箇所(側)の反対側の箇所、即ち、ここでは、前記封止カバー500の天井部500Aに、前記コネクタ接続部482A、482Bの直上から変位した位置で、矩形状のハーネスの導出口501が開口されている。
このように、前記コネクタの引き抜き方向に封止カバー500の壁、即ち、天井部500Aが存在することで、外部に導出されているハーネスを引っ張っても、それがコネクタの引き抜き方向と異なる故にコクタを簡単に外すことができないのである。又、封止カバー500により最も不正が行われる虞が高い当り信号用ハーネスのコネクタが接続されるコネクタ接続部482A(及びコネクタ接続部482B)を被覆対象とすることで、重大な不正を防止出来ると共に他のコネクタ接続部482C、482D、482E、482F、482Gについては随時簡単に着脱を行い得て便利である。
【0160】
そして、この実施形態では、前記封止カバー500が、前記中継基板を上側から被せるように構成されたカバー本体部502と、取付台座475を下側から挟むようにされたコの字形の分割封止カバー部503とから成る。従って、前記封止部492は、前記カバー本体部502と断面コの字形の分割封止カバー部503の両部材に設けた前記各ネジ孔492A、492Cと、前記カバー本体部502のネジ孔492Aの周囲を囲うリブ492Bから成る。
これらのカバー本体部502と断面コの字形の分割封止カバー部503により、それらネジ孔492A、492Cに破断ネジKを相通することによって前記取付台座475の一部を挟み込んだ状態で、前記封止部材488により封止されるように構成されているのである。
更に、前記封止カバー本体部502の延出壁500Bが、前記取付台座475の壁体476Aの外側に沿って略底部まで伸び、又、該封止カバー500の両側壁には、前記取付台座475の壁体476Aの有端縁を挟み込む溝部500Cが設けられている。これによって、前記両側壁の延出壁500Bが取付台座475の壁体476Aと断面コの字形の分割封止カバー部503とに挟まれる状態で封止が成されることになり、これらの三層によるカバー本体部502の止めにより安定良く封止できる。
【0161】
また、前記封止部492が、破壊容易なリブ536、537を介してカバー本体部502及び断面コの字形の分割封止カバー部503に設けられている。このように、破壊容易なリブ536、537を介して封止部492が設けられることで、廃棄にさいして、封止部材488(破断ネジK等)を簡単に分離させることができて、リサイクルさせ易い利点がある。
このように、前記封止カバー500が二分割されて、それらカバー本体部502と分割カバー部503同士が連結されることで封止が行われる構成により、何らかの事情によってその封止カバー500を取り外さなければならないときに、封止カバー500が取付台座475に対して直接連結封止されている場合には、封止カバー500のみならず取付台座475自体も破壊しなければならないところ、この構成によれば、この封止カバー500のみを破壊して封止を解除できるができるのであり、従って、その後に、取付台座475はそのままで、新たな封止カバー500を取り付けて封止を行うことができる。
【0162】
また、前記封止部492を構成する各ネジ孔492A、492Cが、前記カバー本体部502と断面コの字形の分割封止カバー部503の一側に設けられ、且つ、前記カバー本体部502と分割カバー部503の対向部には、その一方に封止位置を保持する係合フック504が設けられ、その他方にフック受け部505が設けられている。
このように、前記係合フック504とフック受け部505とを、前記カバー本体部502と断面コの字形の分割封止カバー部503の一方の対向部に夫々設けたことで、封止に際して、この封止カバー500を、取付台座475に対して仮り止めすることができ、その安定した仮り止め状態において、封止部材488により封止作業を行い得るのである。
尚、実施例においては、この係合フック504を封止カバー500の両側において、各々2個設け、此れに対応させてフック受け部505を設けているが、少なくとも一側に設けれればよく、また、各1個設けられるようにしてもよい。
【0163】
(実施形態2)
次に、前記封止カバー500による中継基板470(コネクタ接続部)の封止を別構成の封止カバー530に基づいて行う実施形態ついて、
図32乃至
図38に基づいて述べる。上述した基本構成を備えた遊技機において、封止カバー530が、前記中継基板470の略全部を覆う底無しの箱型状に構成され、該封止カバー530の対向する側壁部531(長辺側)に、長孔のハーネス導出口532、532が夫々形成されている。
ここでは、実施形態1に示す取付台座475の底部の脚部506にネジ止め部485が存在せず、その下端部が切断された状態に描かれているが、これは、球集合板460と一体形成される箇所であるが、便宜上、その一体化構成の図示を省略している。
このように、前記封止カバー530の対向する側壁部531にハーネス導出口532、532が形成されていることで、前記中継基板470に連結されたコネクタの引き抜き方向が、前記封止カバー530の天井方向であるところから、側方から外部に導出されたハーネスを横方向に引っ張っても、コネクタは中継基板470からは抜けないのである。
【0164】
そして、前記封止カバー530に、その箱型の前記ハーネス導出口532、532が設けられていない対向する側壁533、533(短辺側)に夫々封止部492の封止カバー側ネジ孔492Aが設けられ、前記取付台座475の前記ネジ孔492Aに対応する位置に取付台座側ネジ孔492Eが夫々設けられている。
このように、封止カバー530が、対向する両側部において、封止部492により封止されるもので、封止カバー530の強固な封止が可能である。
【0165】
更に、前記封止カバー530の箱型の延出壁534が、前記取付台座475の壁体476Aの内側に位置する内側延出壁534Aと、該取付台座475の他側の壁体476Bの上面に接当する接当延出壁534Bとを有し、該内側延出壁534Aが前記中継基板470に近接(接当してもよい)するように構成されている。
これにより、前記封止カバー530は、前記接当底辺部514Bと前記取付台座475の壁体476Bの上面との接当により強固に一体化され、前記内側底辺部分534Aが前記中継基板470に近接する状態であるために、中継基板470を不正に持ち上げようとすると、この内側延出壁534Aが邪魔になり、阻止されることになるのである。
【0166】
また、前記封止カバー530の封止部492が設けられている側壁に、前記取付台座475の一部、ここでは、取付台座475の底部(脚部506の付け根)に弾性係合する係止フック535が延設されている。これにより、前記係止フック535を設けたことで、封止に際して、この封止カバー530を、取付台座475に対して仮り止めすることができ、その安定した仮り止め状態において、封止部材488により封止作業を行い得る。
更に、前記封止カバー530が、前記コネクタ接続部482A、482B、482C、482D、482E、482Fの内、最も大型のハーネスのコネクタ前記コネクタ接続部482Aに対応)が上方に抜き取られない高さのカバー天井部500Aを有し、前記中継基板470の略全域を覆うように構成されている。
このように、中継基板470の略全域を覆うようにすることで、全てのコネクタ接続部とそれらに接続されるハーネスのコネクタが被覆できて、高のある大型のコネクタ(前記コネクタ接続部482Aに対応し、特に配線数の多い、主制御基板に接続)については、前記カバー天井部500Aに近接することになるので、容易に取り外しができないようにすることができながら、高さが低い小型のコネクタ接続部(482B、482C、482D、482E、482F)とそれらに接続されるハーネスのコネクタについては、前記カバー天井部500Aまでには距離があるので、着脱が容易となる。
【0167】
以上のように、上記中継基板470を取付台座475に対して、一旦封止が行われた後は解除痕跡を残すことなく封止解除が不能な封止部492により封止したことにより、容易に取付台座475から外せなくなると共に万一取り外し出来たとしてもその痕跡が残るので、不正基板の設置或いは不正配線を未然に回避することができる。
そして、前記中継基板470自体は、従来ようにネジで取付台座475に取り付けられるのではなく、その特定のコネクタ接続部(或いは中継基板の全域が封止カバーによって封止状態とされ、ることで、ハーネスのコネクタが抜き取られて不正が行われることを防止できるのである。
特に、中継基板は、主制御基板と複数の各種電気部品とを接続するための重要な構成要素であり、そこには元来配線が集中するところから、不正基板等の敷設がなされても容易に発見し難いという状況があるところ、本発明によれば、中継基板の取付台座に対する封止とこれに接続されるハーネスのコネクタの不正取り外し不能にし、不正を防止ができるのである。