(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したようなクランプ装置では、自動組立ラインにおいてワークをクランプした状態で溶接作業を行った際、溶接時に発生するスパッタ(微小な金属粒)がボディの内部へと侵入して堆積することで、例えば、下方に向かって変位するベースの変位を妨げたり、クランプアームの回動動作を妨げる原因となる。そのため、クランプ装置では、一般的に、定期的なメンテナンス作業を行うことで内部に堆積したスパッタを除去する必要があるが、このスパッタがボディに対して固着していることがあり、その除去作業が非常に煩雑であるという問題がある。
【0006】
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、ボディの内部に侵入したスパッタを容易且つ確実に外部へと排除可能なクランプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するために、本発明は、一組のクランプアームを回動させることで、一方のクランプアームと他方のクランプアームとの間にワークをクランプするクランプ装置において、
ボディと、
前記ボディに設けられ、軸方向に沿った駆動力を出力する駆動部と、
前記ボディに対して回動自在に支持され、互いに対向するように配置された一組のクランプアームと、
前記駆動部の駆動力を前記クランプアームへと伝達し、該クランプアームを回動させる駆動力伝達機構と、
前記ボディに対して着脱自在に設けられ、前記駆動部及び前記クランプアームの一部を覆うカバー部材と、
前記カバー部材の内部において、前記クランプアームの重力方向下方となる位置に設けられ、前記ボディに対して着脱自在に設けられる搬出用トレーと、
を備え
、
前記搬出用トレーは、前記カバー部材において、前記クランプアームの一部が挿通される一組の開口部に臨むように配置されることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、クランプ装置において、そのボディには駆動部及びクランプアームの一部を覆うカバー部材が着脱自在に設けられ、カバー部材の内部において、クランプアームの重力方向下方となる位置に搬出用トレーを設けることにより、クランプアームによってクランプされたワークの溶接を行う際、溶接に伴って発生したスパッタがクランプアームとカバー部材との間から内部へと侵入した場合でも、搬出用トレーによって好適に受け止めて堆積させることができる。
【0009】
従って、ボディに対して着脱自在なカバー部材を取り外し、スパッタの堆積した搬出用トレーを取り出すことで、該スパッタを容易且つ確実にボディの外部へと排除することができる。その結果、スパッタの堆積による駆動部、駆動力伝達機構及びクランプアームの動作不良が防止され、常に円滑に作動させワークのクランプを行うことができると共に、スパッタの除去作業を短時間で確実に行うことができるためメンテナンス性の向上を図ることも可能となる。
【0011】
さらに、搬出用トレーを、ボディに対して固定部材で固定するとよい。
【0012】
さらにまた、駆動力伝達機構は、駆動部の駆動方向に対して所定角度傾斜した押圧面を有し、クランプアームの端部に対して着脱自在に設け、駆動力伝達機構の押圧部を押圧面に当接させ、該押圧部によって押圧されるカム部材を備えるとよい。
【0013】
またさらに、駆動力伝達機構は、駆動部の端部に設けられた変位体とクランプアームの端部に対してそれぞれ軸支されたリンクアームを有し、駆動部の駆動力をリンクアームを介してクランプアームへと伝達させるとよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0015】
すなわち、クランプ装置において、そのボディには駆動部及びクランプアームの一部を覆うカバー部材が着脱自在に設けられ、前記カバー部材の内部において、クランプアームの重力方向下方となる位置に搬出用トレーを設けることにより、クランプアームによってクランプされたワークの溶接を行う際、溶接に伴って発生したスパッタがクランプアームとカバー部材との間から内部へと侵入した場合でも、搬出用トレーによって好適に受け止めることができるため、ボディに対してカバー部材を取り外し、スパッタの堆積した搬出用トレーを取り出すことで、該スパッタを容易且つ確実にボディの外部へと排除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係るクランプ装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1において、参照符号10は、本発明の第1の実施の形態に係るクランプ装置を示す。
【0018】
このクランプ装置10は、
図1〜
図3に示されるように、ボディ12と、該ボディ12に対して回動自在に軸支される第1及び第2クランプアーム14、16と、前記ボディ12に固定される駆動部18と、前記駆動部18の駆動力を前記第1及び第2クランプアーム14、16へとそれぞれ伝達する駆動力伝達機構20と、前記ボディ12の内部に収納され該内部に侵入したスパッタS等を排出する搬出用トレー22とを含む。
【0019】
ボディ12は、例えば、平板状に形成され水平方向に沿って配置されるベース24と、前記ベース24の両側面に対してそれぞれ連結され、互いに所定間隔離間して配置された一組の第1及び第2プレート体26、28とからなり、前記第1及び第2プレート体26、28は前記ベース24に対して直交し、上方(矢印A方向)に向かって所定高さで形成される。また、ベース24は、例えば、床面等に載置され、図示しないボルト等によって固定されることにより、クランプ装置10が固定される。
【0020】
一方、ボディ12の上部には、一組の第1及び第2プレート体26、28の端部同士を接続するように天井部30が設けられ、該天井部30は、前記第1及び第2プレート体26、28の延在方向(矢印A、B方向)に対して直交し、且つ、ボディ12における幅方向(矢印C方向)の略中央部に配置される。すなわち、天井部30は、ベース24と略平行に設けられる。
【0021】
この天井部30の側部には、
図2及び
図3に示されるように、後述する第1及び第2クランプアーム14、16と対向する側面にそれぞれ断面略V字状に窪んだキャッチ溝32が形成され、第1及び第2クランプアーム14、16に形成された位置決め部34が係合される。そして、クランプ装置10によってワークWを把持する際、天井部30の上面に該ワークW(
図3参照)が載置される。
【0022】
また、ボディ12は、
図1に示されるように、第1プレート体26と第2プレート体28との間を覆うように設けられたカバー36を備え、前記カバー36は、前記第1及び第2プレート体26、28の上部を覆う一組のアッパーカバー部38a、38bと、前記第1及び第2プレート体26、28の幅方向端部を覆う一組のサイドカバー部40a、40bとを含む。
【0023】
このアッパーカバー部38a、38bは、例えば、薄板をプレス成形することで断面U字状に形成され、一対の側壁部42と、該側壁部42の端部同士を接続する上壁部44とを有している。そして、アッパーカバー部38a、38bは、一方の側壁部42が第1プレート体26の端部に固定され、他方の側壁部42が第2プレート体28の端部に固定されると共に、上壁部44が天井部30の端部に隣接するように配置され固定される。
【0024】
また、上壁部44には、第1及び第2クランプアーム14、16の他端部が挿通される開口部46がそれぞれ長方形状に開口し、該開口部46を通じて前記第1及び第2クランプアーム14、16の把持部68が上方(矢印A方向)へと突出している。換言すれば、クランプ装置10において、第1及び第2クランプアーム14、16の一部がカバー36の外側に露呈している。
【0025】
サイドカバー部40a、40bは、例えば、薄板をプレス成形することで断面U字状に形成され、一対の側壁部48と、該側壁部48の端部同士を接続する背面部50とを有する。そして、クランプ装置10の側部において、一方の側壁部48が第1プレート体26の端部に固定され、他方の側壁部48が第2プレート体28の端部に固定されると共に、背面部50が複数の締結ボルト52を介してアッパーカバー部38a、38bに対してそれぞれ固定される。
【0026】
第1及び第2クランプアーム14、16は、
図2及び
図3に示されるように、略対称形状に形成され、ボディ12における第1プレート体26と第2プレート体28との間に設けられ、その長手方向に沿った略中央部に挿通されたアームピン54を介してそれぞれボディ12に回動自在に支持される。
【0027】
この第1及び第2クランプアーム14、16は、ベース24側(矢印B方向)に配置される一端部には、互いに向かい合う側面に一対のカム部材56がそれぞれ装着される。
【0028】
このカム部材56は、例えば、ブロック状に形成され、第1及び第2クランプアーム14、16の一端部の側面に形成された凹部に取付面を介して装着され、該取付面の反対側に形成され、第1及び第2クランプアーム14、16の他端部側(矢印A方向)に向かって徐々に幅狭状となるように所定角度で傾斜したカム面(押圧面)60を有する。なお、カム部材56には、カム面60と隣接して取付面と略平行に形成された保持面(図示せず)を備える。
【0029】
また、カム部材56には、取付面側に開口した一組のねじ穴に、第1及び第2クランプアーム14、16の一端部に挿通された取付ボルト66が螺合される。これにより、カム部材56は、その取付面が凹部内に挿入され、カム面60がクランプ装置10の中央側に臨むように配置された状態で、取付ボルト66を介して第1及び第2クランプアーム14、16の一端部に対して着脱自在に設けられる。
【0030】
すなわち、一方のカム部材56と他方のカム部材56とが、それぞれのカム面60が互いに対向するように駆動部18を挟んで略対称に配置される。
【0031】
一方、第1及び第2クランプアーム14、16の他端部には、ワークWをクランプするための把持部68が形成され、前記把持部68は、断面略長方形状で互いに向かい合う把持面が該第1及び第2クランプアーム14、16の長手方向と略平行な鉛直面となるように形成される。
【0032】
また、アームピン54は、軸状に形成され、その両端部が第1及び第2プレート体26、28に対してそれぞれ支持されると共に、第1及び第2クランプアーム14、16における一端部と他端部との間となる位置において、該第1及び第2クランプアーム14、16の長手方向と直交するようにそれぞれ挿通される。これにより、第1及び第2クランプアーム14、16は、略中央部に挿通されたアームピン54を介してボディ12に回動自在に支持される。
【0033】
さらに、第1及び第2クランプアーム14、16において、把持部68の下方には、該第1及び第2クランプアーム14、16の長手方向と直交するように突出した位置決め部34がそれぞれ形成される。そして、第1及び第2クランプアーム14、16の把持部68が互いに接近してワークWを把持したクランプ時において、位置決め部34がそれぞれ天井部30のキャッチ溝32にそれぞれ係合される。
【0034】
駆動部18は、
図3に示されるように、第1プレート体26と第2プレート体28との間に配置され、且つ、天井部30の中央に対して固定され、該天井部30の下面に対して固定される有底筒状のシリンダチューブ70と、該シリンダチューブ70の内部に変位自在に設けられるピストン72と、前記ピストン72に連結されるピストンロッド74と、前記シリンダチューブ70の開口
部に設けられ、該ピストンロッド74を変位自在に支持するロッドカバー76とを含む。
【0035】
シリンダチューブ70の側面には、該シリンダチューブ70の軸方向(矢印A、B方向)と直交方向に貫通した第1及び第2ポート78、80が形成され、前記第1及び第2ポート78、80を通じて前記シリンダチューブ70の内部と外部とが連通する。第1ポート78は、シリンダチューブ70の底部側となる一端部側(矢印A方向)に設けられ、第2ポート80は、ロッドカバー76側(矢印B方向)となる前記シリンダチューブ70の他端部側に設けられる。
【0036】
そして、第1及び第2ポート78、80には、それぞれ継手を介して図示しない圧力流体供給源に接続された配管が接続され、図示しない切換装置による切換作用下に第1ポート78、第2ポート80のいずれか一方に選択的に圧力流体が供給される。
【0037】
ピストン72は、例えば、円盤状に形成され、その外周面には環状溝を介してピストンパッキン82が装着され、該ピストンパッキン82がシリンダチューブ70の内壁面に摺接することで、前記ピストン72と前記シリンダチューブ70との間を通じた圧力流体の漏出が防止される。また、シリンダチューブ70の一端部に臨むピストン72の端面には、該端面から突出するように環状のダンパ84が設けられ、前記ピストン72が天井部30側(矢印A方向)へと変位した際、ゴム等の弾性材料からなるダンパ84がシリンダチューブ70に当接することで衝撃が緩衝される。
【0038】
ピストンロッド74は、その一端部がピストン72の中心に挿通され一体的に加締められることで連結され、他端部はロッドカバー76を通じてシリンダチューブ70の外部へと突出している。このピストンロッド74の他端部には、一旦縮径した後に再び拡径した接続部が形成され、該接続部には、駆動力伝達機構20を構成するブロック体86が接続される。
【0039】
ロッドカバー76は、シリンダチューブ70の内部に挿入され係止リングを介して固定されると共に、その中心に貫通したロッド孔にピストンロッド74が変位自在に挿通されている。
【0040】
駆動力伝達機構20は、ピストンロッド74の他端部に連結されるブロック体86と、該ブロック体86の両端部近傍にそれぞれ軸支される一対のローラ(押圧部)88a、88bと、前記ローラ88a、88bを軸支するローラピン90と第1及び第2クランプアーム14、16のリンクピン92との間に支持される二対のリンクアーム94a、94bとを含む。
【0041】
ブロック体86は、ピストンロッド74の軸方向(矢印A、B方向)と直交方向(矢印C方向)に延在し、その中心部には前記ピストンロッド74の接続部が係合される。これにより、ブロック体86が、ピストンロッド74の軸方向と直交した状態で連結され、前記ピストンロッド74と共に一体的に変位する。
【0042】
また、ブロック体86は、長手方向(矢印C方向)に所定長さを有し、その両端部がピストンロッド74の軸線を中心として均等な距離となるように形成されると共に、前記両端部には、該ブロック体86の延在方向と直交するように設けられたローラピン90を介して一対のローラ88a、88bが回転自在に軸支される。
【0043】
このローラ88a、88bは、二股状に形成されたブロック体86の両端部の間となるように配置され、前記両端部に対して第1及び第2クランプアーム14、16側に突出するように設けられる(
図3参照)。そして、一方のローラ88aが、第1クランプアーム14のカム部材56に当接し、他方のローラ88bが、第2クランプアーム16のカム部材56に当接する。
【0044】
さらに、リンクアーム94a、94bは、軸方向に所定長さを有し、その一端部には長手方向に沿って長尺な長円状に開口したリンク溝(図示せず)が形成され、それぞれローラピン90が挿通されている。一方、リンクアーム94a、94bの他端部は、第1及び第2クランプアーム14、16の一端部に軸支されたリンクピン92が孔部(図示せず)を介して挿通される。これにより、リンクアーム94a、94bは、図示しない孔部に挿通されたリンクピン92を介して
他端部側が回動自在に設けられると共に、リンク溝に挿通されたローラピン90を介してブロック体86の長手方向に所定距離だけ移動可能に設けられる。
【0045】
また、リンクアーム94a、94bは、ローラ88a、88bを挟んで略平行となるようにブロック体86の両端部に一対ずつ設けられる。
【0046】
そして、駆動部18の駆動作用下にブロック体86が下降することにより、
図3に示されるように、ローラ88a、88bがカム部材56のカム面60に当接した状態で回転し、且つ、前記カム面60を介して第1及び第2クランプアーム14、16の一端部を所定の押圧力で互いに離間させる方向(矢印C方向)に押圧する。
【0047】
一方、ブロック体86が上昇した場合には、リンクアーム94a、94bによって第1及び第2クランプアーム14、16の一端部が互いに接近する方向に引張される。
【0048】
また、ブロック体86には、第1及び第2プレート体26、28に臨む側面には、凹状に窪んだガイド溝98が形成され、例えば、断面矩形状で鉛直方向(矢印A、B方向)に延在するガイド溝98には、前記第1及び第2プレート体26、28に形成されたガイドレール(図示せず)がそれぞれ挿入される。これにより、ブロック体86が駆動部18の駆動作用下に変位する際、鉛直方向(矢印A、B方向)に沿って案内される。
【0049】
搬出用トレー22は、
図1〜
図3に示されるように、例えば、長方形状に形成された本体部102と、該本体部102の四辺に対してそれぞれ直角に折曲された4つの壁部104とを有する。そして、搬出用トレー22は、ベース24の略中央となり、且つ、第1及び第2クランプアーム14、16の重力方向下方(矢印B方向)となる位置に載置され、壁部104が上方に延在するようにベース24の上面に設置されると共に、第1クランプアーム14側となる本体部102の一端部が固定ボルト(固定部材)106を介して前記ベース24に固定される(
図3参照)。これにより、搬出用トレー22は、第1及び第2クランプアーム14、16の重力方向下方(矢印B方向)となる位置に載置された状態で固定される。また、搬出用トレー22は、上述した固定ボルト106によってベース24に固定される場合に限定されるものではなく、例えば、ベース24に爪状の係止部を設け、該係止部に搬出用トレー22の端部を引っ掛けることで固定するようにしてもよいし、前記ベース24が水平且つ平面状に形成された床面等に載置される場合には固定ボルト106等の固定手段を設けずに前記搬出用トレー22を載置するだけでもよい。
【0050】
なお、この搬出用トレー22は、例えば、一組のアッパーカバー部38a、38bの開口部46の間の幅方向(矢印C方向)に沿った距離より大きな幅寸法で形成される。
【0051】
本発明の第1の実施の形態に係るクランプ装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、以下の説明においては、第1及び第2クランプアーム14、16の把持部68が互いに離間したアンクランプ状態を初期位置として説明する。この初期位置においては、第2ポート80に圧力流体が供給され、ピストン72が上昇することで駆動力伝達機構20のブロック体86、リンクアーム94a、94bを介して第1及び第2クランプアーム14、16が、アームピン54を支点として把持部68同士が互いに離間する方向(矢印D1方向)に回動した状態にある。
【0052】
先ず、ワークWが天井部30に載置された状態で、図示しない切換装置の切換作用下に駆動部18の第2ポート80へと供給されていた圧力流体を第1ポート78へと供給する。これにより、シリンダチューブ70内に導入された圧力流体によってピストン72がロッドカバー76側(矢印B方向)へと押圧され、該ピストン72と共にピストンロッド74及びブロック体86が一体的に下降する。
【0053】
これにより、ブロック体86と共に一対のローラ88a、88bが下降し、該ローラ88a、88bは当接しているカム部材56のカム面60に沿って下降することで、該カム面60を介して第1及び第2クランプアーム14、16の一端部を互いに離間する方向(矢印C1方向)へと押圧し、それに伴って、第1クランプアーム14の把持部68と第2クランプアーム16の把持部68とが互いに接近する方向(矢印D2方向)へと回動し始めワークWをクランプしていく。
【0054】
そして、ピストン72がさらに下降し、ローラ88a、88bがカム面60における保持面(図示せず)まで到達することで、第1及び第2クランプアーム14、16の把持部68によってワークWが所定のクランプ力でクランプされたクランプ状態となる。なお、この際、ピストン72は、その端部がロッドカバー76に当接することで下方(矢印B方向)へのさらなる変位が規制される。
【0055】
このクランプ状態で、例えば、図示しない溶接装置によってワークWを構成する第1及び第2フレームW1、W2の側壁同士が溶接される。
【0056】
次に、上述したクランプ装置10において、ワークWの溶接作業を行った際にアッパーカバー部38a、38bの開口部46から内部へとスパッタSが侵入し、堆積した前記スパッタSを搬出用トレー22を介して排除する場合について説明する。
【0057】
先ず、
図1に示されるように、クランプ装置10の側部を覆っており、第2クランプアーム16側となるサイドカバー部40bを取り外す。これには、複数の締結ボルト52を螺回させ取り外すことで、アッパーカバー
部38bの側部に対するサイドカバー部40bの固定状態が解除され、該サイドカバー
部40bを前記第1及び第2プレート体26、28から離間させる方向に移動させる。これにより、クランプ装置10の側部が開口し、搬出用トレー22が外部から視認できる状態となる。
【0058】
次に、搬出用トレー22を固定している固定ボルト106を螺回して固定状態を解除した後、ベース24に沿って開口した側部側へと移動させることで、前記搬出用トレー22がボディ12の外部へと取り出される。
【0059】
そして、ボディ12の外部へと取り出された搬出用トレー22に堆積したスパッタSを取り除いた後、該搬出用トレー22を再びベース24の所定位置へと戻して固定ボルト106で固定した後、サイドカバー部40bを締結ボルト52によって再び第1及び第2プレート体26、28へと固定して閉塞する。これにより、ボディ12の内部に堆積したスパッタSの除去作業が完了する。
【0060】
なお、搬出用トレー22に堆積したスパッタSを取り除いて再び設置する代わりに、新たな別の搬出用トレーと交換するようにしてもよい。これにより、搬出用トレー22に堆積したスパッタSを取り除くための時間が不要となり、より迅速にメンテナンス作業を完了させることができる。
【0061】
以上のように、第1の実施の形態では、クランプ装置10を構成するボディ12の内部において、第1及び第2クランプアーム14、16及び/又はアッパーカバー部38a、38bの開口部46に対して重力方向下方(矢印B方向)となる位置に搬出用トレー22を設けることにより、ワークWの溶接作業を行う際に前記開口部46を通じてスパッタSが重力方向下方へと落下した場合でも、前記スパッタSが前記搬出用トレー22に好適に堆積される。そのため、カバー36のサイドカバー部40bを取り外し、前記搬出用トレー22をクランプ装置10の外部へと取り出すことで、前記スパッタSを容易且つ確実にボディ12の内部から外部へと排除することができる。
【0062】
その結果、ボディ12内に堆積したスパッタSによって第1及び第2クランプアーム14、16の回動動作やブロック体86のストローク変位が阻害されることがなく、常に円滑に作動させワークWのクランプ動作を行うことができると共に、該搬出用トレー22を設けていない場合と比較し、スパッタSの除去作業を短時間で確実に行うことができるためメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0063】
また、スパッタSだけでなくボディ12の内部に侵入した他の塵埃等も搬出用トレー22を介して好適に前記ボディ12の外部へと排除することができる。
【0064】
さらに、ボディ12内におけるスパッタSの堆積状況に応じて搬出用トレー22の形状を変更することで、前記スパッタSのボディ12に対する堆積や固着等を確実に防止できる。すなわち、搬出用トレー22の形状は、長方形状に限定されるものではなく、スパッタSを確実に受け止め取り出すことが可能な形状であればよい。
【0065】
次に、第2の実施の形態に係るクランプ装置150を
図4及び
図5に示す。なお、上述した第1の実施の形態に係るクランプ装置10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0066】
この第2の実施の形態に係るクランプ装置150では、ブロック体86に設けられたローラ88a、88bでカム部材56を押圧して第1及び第2クランプアーム14、16を回動させる代わりに、
図4及び
図5に示されるように、駆動力伝達機構152を構成するブロック体(変位体)154に設けられたリンクアーム156を介して第1及び第2クランプアーム14、16を回動させている点で、第1の実施の形態に係るクランプ装置10と相違している。
【0067】
このクランプ装置150を構成する駆動力伝達機構152は、ピストンロッド74の他端部に連結されたブロック体154の両端部近傍にそれぞれ挿通される一対の第1リンクピン158と、前記第1リンクピン158と第1及び第2クランプアーム14、16の一端部に設けられた第2リンクピン160との間に支持される一対のリンクアーム156とを含む。
【0068】
そして、駆動部18の駆動作用下にブロック体154が上昇することにより、第1リンクピン158を介してリンクアーム156の一端部が上方へと移動し、それに伴って、前記リンクアーム156の他端部が互いに接近するように移動するため、第1及び第2クランプアーム14、16の一端部がボディ12の中央側に向かって引張され、把持部68が互いに離間するように回動したアンクランプ状態となる。
【0069】
一方、駆動部18の駆動作用下にブロック体154が下降することにより、第1リンクピン158を介してリンクアーム156の一端部が下方へと移動し、それに伴って、前記リンクアーム156の他端部が互いに離間するように移動するため、第1及び第2クランプアーム14、16の一端部が互いに離間する方向へと押圧され、把持部68が互いに接近する方向(矢印D2方向)へと回動したクランプ状態となる。
【0070】
このような第2の実施の形態に係るクランプ装置150において、搬出用トレー22をカバー36の内部に設け、第1及び第2クランプアーム14、16の重力方向下方(矢印B方向)へと設置しておくことで、クランプされたワークWの溶接作業時において、前記カバー36の開口部46を通じて内部へと侵入したスパッタSを好適に搬出用トレー22で受け、該搬出用トレー22を介して容易且つ確実に外部へと取り出し排除することが可能となる。すなわち、スパッタの除去作業を容易に行うことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
【0071】
上述した第1及び第2の実施の形態に係るクランプ装置10、150のように、駆動力伝達機構20、152の構成にかかわらず、搬出用トレー22を内部に設けることで侵入したスパッタSの除去作業を容易且つ確実に行うことが可能となる。
【0072】
なお、本発明に係るクランプ装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。