特許第5943248号(P5943248)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5943248
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】ポリカーボネート多層構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09D 11/00 20140101AFI20160621BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20160621BHJP
   B41M 5/00 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   C09D11/00
   B41J2/01 501
   B41M5/00 A
   B41M5/00 E
【請求項の数】26
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2010-530271(P2010-530271)
(86)(22)【出願日】2008年10月29日
(65)【公表番号】特表2011-503249(P2011-503249A)
(43)【公表日】2011年1月27日
(86)【国際出願番号】DE2008001751
(87)【国際公開番号】WO2009056110
(87)【国際公開日】20090507
【審査請求日】2011年10月18日
【審判番号】不服2014-9482(P2014-9482/J1)
【審判請求日】2014年5月21日
(31)【優先権主張番号】102007052947.5
(32)【優先日】2007年10月31日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510053097
【氏名又は名称】ブンデスドルクレイ ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】510050270
【氏名又は名称】ベイヤー マテリアル サイエンス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】ムス,オリバー
(72)【発明者】
【氏名】マセア,アーサー
(72)【発明者】
【氏名】ペルホエッフト,マルテ
(72)【発明者】
【氏名】エウレケ,ジェンス
(72)【発明者】
【氏名】パエシュケ,マンフレッド
(72)【発明者】
【氏名】プドレイネル,ハインツ
(72)【発明者】
【氏名】イェシルダグ,ツェンギズ
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー,クラウス
【合議体】
【審判長】 國島 明弘
【審判官】 菅野 芳男
【審判官】 橋本 栄和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−36167(JP,A)
【文献】 特開2001−19885(JP,A)
【文献】 特開2004−322501(JP,A)
【文献】 特開2007−136679(JP,A)
【文献】 特開2007−23265(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/007626(WO,A1)
【文献】 特開平8−3502(JP,A)
【文献】 特開2007−35347(JP,A)
【文献】 特開2007−44926(JP,A)
【文献】 特開2002−372613(JP,A)
【文献】 特開2006−306783(JP,A)
【文献】 特開2007−51278(JP,A)
【文献】 特開2006−290950(JP,A)
【文献】 特開2007−21925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)0.1〜20重量%の、シクロアルカンの環上の一つの炭素に2つのヒドロキシフェニル基が結合しているビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカンをベースとするポリカーボネート誘導体を含む結合剤、
B)30〜99.99重量%の溶媒又は溶媒混合物、
C)乾燥質量を基準にして10重量%以下の色素又は色素混合物、
D)0〜10重量%の機能材料又は機能材料の混合物、
E)0〜30重量%の添加剤及び/又は補助物質若しくはこのような物質の混合物を含み、
成分A)〜E)の相対量が常に合計100重量%である調製品であって、
前記ポリカーボネート誘導体が、少なくとも10,000の平均分子量(重量平均)を有し、かつ、
式(I)
【化1】
(式中、R及びRは、お互いに独立して水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリール及びC−C12アラルキルから選択され、
mは4又は5であり、
及びRは各Xについて個々に選択され、独立して水素又はC−Cアルキルを表わし、
Xは炭素であり、
nは20を超える整数であり、
ただし、1〜2個の原子Xにおいて、R及びRが両方ともアルキルであって、ジフェニル置換されたC原子(C1)に対するアルファ位におけるX原子がジアルキル置換されていない官能性カーボネート構造単位を含む、
調整品の、インクジェット印刷色素としての使用。
【請求項2】
及びRが両方ともメチルである、請求項記載の使用。
【請求項3】
C1に対するベータ位におけるX原子がアルキルで二置換されている、請求項1または2記載の使用。
【請求項4】
ポリカーボネート誘導体が、
4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1,1−ジイル)ジフェノール、
4,4’−(3,3−ジメチルシクロヘキサン−1,1−ジイル)ジフェノール、又は
4,4’−(2,4,4−トリメチルシクロペンタン−1,1−ジイル)ジフェノール
をベースとする、請求項1〜3のいずれか1項記載の使用。
【請求項5】
成分B)がハロゲンを含まない、請求項1〜のいずれか1項記載の使用。
【請求項6】
成分B)が、液状の脂肪族、脂環式、及び/又は芳香族炭化水素、液状の有機エステル及び/又はこれらの物質の混合物からなる、請求項1〜のいずれか1項記載の使用。
【請求項7】
炭化水素及び/又は有機エステルが、「メシチレン、1,2,4−トリメチルベンゼン、クメン、ソルベントナフサ、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸、酢酸メトキシプロピル、エチル−3−エトキシプロピオネート」からなる群から選択される、請求項記載の使用。
【請求項8】
成分B)が、
L1)0〜10重量%のメシチレン、
L2)10〜50重量%の1−メトキシ−2−プロパノールアセテート、
L3)0〜20重量%の1,2,4−トリメチルベンゼン、
L4)10〜50重量%のエチル−3−エトキシプロピオネート、
L5)0〜10重量%のクメン、及び
L6)0〜80重量%のソルベントナフサからなり、成分L1)〜L6)の相対量が常に合計100重量%である、請求項記載の使用。
【請求項9】
調製品が
A)0.1〜10重量%の、シクロアルカンの環上の一つの炭素に2つのヒドロキシフェニル基が結合しているビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカンをベースとするポリカーボネート誘導体を含む結合剤、
B)40〜99.9重量%の有機溶媒又は溶媒混合物、
C)0.1〜6重量%の色素又は色素混合物、
D)0.001〜6重量%の機能材料又は機能材料の混合物、
E)0.1〜30重量%の添加剤及び/又は補助物質、若しくはこのような物質の混合物を含む、請求項1〜のいずれか1項記載の使用。
【請求項10】
下記工程を含む、少なくとも1層の第一のポリマー層、場合により第二のポリマー層を有し、それぞれがビスフェノールAをベースとするポリカーボネートポリマーから製造され、第一のポリマー層上にインクジェット印刷層が配置される構造体の製造方法:
a)第一のポリマー層の少なくとも一部の領域に、請求項1〜のいずれか1項記載の調製品からのインクジェット印刷層を塗布する工程、
b)場合により、前記インクジェット印刷層を乾燥する工程、
c)場合により工程a)又は工程b)の後に、第一のポリマー層上に第二のポリマー層を配置し、インクジェット印刷層を覆い、第一のポリマー層及び第二のポリマー層を、圧力をかけて、120℃〜230℃の温度で所定時間、お互いに積層する工程。
【請求項11】
工程c)における温度が140℃〜200℃の範囲である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
第一のポリカーボネート層及び第二のポリカーボネート層が、145℃を超えるガラス温度Tgを有する、請求項10又は11記載の方法。
【請求項13】
第一のポリカーボネート層の厚み及び第二のポリカーボネート層の厚みが1,000μm以下である、請求項10〜12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
インクジェット印刷層のポリカーボネート層の主な面に対して直角方向に測定した厚みが、0.01〜10μmである、請求項10〜13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
請求項10〜14のいずれか1項記載の方法により得られる構造体。
【請求項16】
少なくとも1層の第一のポリカーボネート層と、第一のポリカーボネート層上に配置された請求項1〜のいずれか1項記載の調製品からのインクジェット印刷層とを含み、場合により、印刷層上に第二のポリカーボネート層が配置されている構造体。
【請求項17】
構造体の製造の、場合により同時、前又は後に、第一のポリカーボネート層及び/又は第二のポリカーボネート層を、少なくとも1層の追加の層、キャリア層と、直接又は間接的に積み重ねて連結する、安全及び/又は重要な書類を製造するための、請求項10〜14のいずれか1項記載の方法の使用。
【請求項18】
請求項17により得られる、安全及び/又は重要な書類。
【請求項19】
請求項15又は16記載の構造体を含む、安全及び/又は重要な書類。
【請求項20】
少なくとも1層のポリマー層と、ポリマー材料から射出成型された部分とを有する構造体であって、ポリマー層と射出成型された部分との間にインクジェット印刷層が配置されている構造体の製造方法であって、下記工程を含む方法。
a)ポリマー層の少なくとも一部の領域に、請求項1〜のいずれか1項記載の調製品からのインクジェット印刷層を塗布する工程、
b)場合により、インクジェット印刷層を乾燥する工程、
c)工程a)又は工程b)の後に、ポリマー層を射出成型金型内に配置し、インクジェット印刷層を内側に向かって設置する工程、
d)少なくとも60℃の温度で、射出成型金型内にポリマー材料を注入する工程、及び
e)工程d)の温度より少なくとも20℃低い温度まで冷却した後、射出成型金型から構造体を取り出す工程。
【請求項21】
工程d)における温度が80℃〜200℃の範囲であり、及び/又は工程e)における温度が工程d)における温度より少なくとも40℃低い、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記ポリマー層が、145℃を超えるガラス温度Tgを有するポリカーボネート層である、請求項20又は21記載の方法。
【請求項23】
前記ポリマー層の厚みが、10〜1,000μmの範囲であり、前記ポリマー層がポリカーボネート層である、請求項20〜22のいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
インクジェット印刷層のポリマー層の主な面に対して直角方向に測定した厚みが、0.01〜10μmであり、前記ポリマー層がポリカーボネート層である、請求項20〜23のいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
請求項20〜24のいずれか1項記載の方法により得られる構造体。
【請求項26】
少なくとも1層のポリカーボネート層と、射出成型部分と、ポリカーボネート層と射出成型部分との間に配列された請求項1〜のいずれか1項記載の調製品からのインクジェット印刷層とを含む構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、A)0.1〜20重量%の有機ポリマー、B)30〜99.9重量%の溶媒、C)乾燥質量を基準にして0〜10重量%の色素又は色素混合物、D)0〜10重量%の機能材料又は機能材料の混合物、E)0〜30重量%の添加剤及び/又は補助物質若しくはこのような物質の混合物を含み、成分A)〜E)の相対量が常に合計100重量%である調製品の、インクジェット印刷色素としての使用に関する。
【0002】
本発明は、更に、2層のポリカーボネートの間に配置されたインクジェット印刷層を有する構造体の製造方法、このような方法により得ることができる構造体、安全及び/又は重要な書類の製造方法のためのこのような方法の使用、並びにそのようにして製造された安全及び/又は重要な書類に関する。
【背景技術】
【0003】
インクジェット印刷のためのインクとして用いられる調製品は、例えば文献、EP1690903Aから公知である。そこでは、例えば手紙の封筒として、物質の吸収において水溶性のインクが用いられている。有機ポリマーが供給される場合、それはバインダー物質としての役目を果たすのではなく、粘度調整のための添加剤としての役目を果たす。このようなインクは、紙をベースとする安全及び/又は重要な書類に関する以下の理由から、ポリカーボネート上での印刷のために用いることができない。
【0004】
安全及び/又は重要な書類をベースとするPC(ポリカーボネート)のパーソナライゼーション(Personalisierung)は、安全及び/又は重要な書類の材料のレーザー照射との光学的/熱相互作用によって、いわゆるレーザー彫刻法により実施され、局所的に非常に分解された熱分解工程が引き起こされ、その結果、炭素の発生による局所的な黒色化が起こる。この方法の不利な点は、白黒又はよくてもグレースケール表現に対する限界である。
【0005】
インクジェット印刷における紙をベースとする書類について確立された、着色されたパーソナライゼーションは、今までPCをベースとする安全及び/又は重要な書類については広く用いられていなかった。これの1つの理由は、用いられるポリマー/バインダー(色素、添加剤、溶媒のような他のインク成分に関連して)とポリカーボネートとの親和性の欠如である。これは、例えば、ニトロセルロース、セルロースエステル(酪酸酢酸セルロース、CBA)、ポリアクリレート、ポリエステル、エポキシド等の、文献、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Electronic Release 2007,Wiley Verlagの「画像技術、インクジェットインク」の章、及びUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Electronic Release 2007,Wiley Verlagの「塗料及びコーティング」の章から公知のバインダーに適用される。第二に、このようなインクで印刷されたPCフィルムは容易に積層することができない。表面全体にわたって印刷されたPCフィルムは、バリア層を表わす染料層について、実質的に積層することができない。唯一の部分的印刷法の場合、局所的な層間剥離のリスクがある。第三に、ポリカーボネートは吸収性基剤ではない。インクジェット印刷用の通常のインクは、紙上で良好な吸収時間に調整されており、非吸収性PCフィルム上に印刷された場合、それらは表面に残り、色彩が材料中に浸透しないので、しばしば、乾燥した後でさえ、残留物なしで完全の除去することができる。第四に、インクジェット印刷層を公知のインクで製造する限りは温度安定性を欠く。安全及び/又は重要な書類の領域においては、印刷されたPCフィルムは、通常、圧力(>2バール)及び温度(>160℃)の作用の下、お互いに積層され、インクジェット印刷層の変色のリスクがある。
【0006】
EP0688839B1から、二置換ジヒドロキシジフェニルシクロアルケンをベースとするシルクスクリーン印刷が公知である。この書類は、このようなポリカーボネートの製造方法をも利用することができる。その完全な内容が本明細書に含まれる開示の範囲は、本願明細書の開示の範囲に包含される。しかし、通常、インクジェットプリントは、印刷ヘッドのノズル技術のために、用いられるインクの特殊の必要条件を提示するので、インクジェット印刷の代わりにシルクスクリーン印刷を容易に用いることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】EP1690903A
【特許文献2】EP0688839B1
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Electronic Release 2007,Wiley Verlag
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の技術的な目的は、ポリカーボネートポリマー層をベースとする安全及び/又は重要な書類を製造するためのインクジェット印刷の適用を可能にする手段を提供し、全ての光学的要求を満たす、特に着色されていてもよく、積層の際に光学的特性が損傷されず、積層の際にバリア層として作用しないが、ポリマー層からの一体構造の形成に寄与さえする、このような層上のインクジェット印刷層を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この技術的目的を達成するため、本発明は、A)0.1〜20重量%の1個の原子に同種原子が2個結合した、二置換ジヒドロキシジフェニルシクロアルケンをベースとするポリカーボネート誘導体を含む結合剤、B)30〜99.99重量%の好ましい有機溶媒又は溶媒混合物、C)乾燥質量を基準にして0〜10重量%の色素又は色素混合物、D)0〜10重量%の機能材料又は機能材料の混合物、E)0〜30重量%の添加剤及び/又は補助物質若しくはこのような物質の混合物を含み、成分A)〜E)の相対量が常に合計100重量%である調製品の、インクジェット印刷色素としての使用を教示する。
【0011】
まず第一に、本発明は、本発明により用いられるポリカーボネート誘導体が、フィルム用のポリカーボネート材料、特に例えばMacrofol(登録商標)フィルムのようなビスフェノールAをベースとするポリカーボネートと非常に相溶性であるという発見に基づく。高度な相溶性は、一体構造を形成するためのフィルムのポリカーボネート材料と混合したポリカーボネートを含む本発明により提供されるインクジェット印刷層により示される。積層後に、それ以上、光学的に材料間の層の境界を検出することはできない。更に、用いられるポリカーボネート誘導体は高温で安定であり、200℃以下の温度では変色を示さず、積層についてはより典型的である。更に、シルクスクリーン印刷のために公知のインク組成物も、インクジェット印刷のために用いられるバインダーに関して安定である(粘度調整下に)ことは意外である。最終的に、ポリマー層の表面に塗布された印刷層が非破壊的方法で除去することができないように、組成物の色素が印刷されたポリマー層に浸透することが有利な特性であることがわかった。従って、本発明で用いられる組成物は、例えば、ポリマー層上に印刷した時にインテグラル構造が形成されるので、安全及び/又は重要な書類の表面パーソナライゼーションのためにも適切である。
【0012】
結果として、本発明は、ポリカーボネートフィルムをベースとする、安全及び/又は重要な書類が、例えば、パスポートの写真としてのパーソナライゼーションの際に着色された重ね刷りを備えることを達成し、インクジェット印刷層はバリア層として作用するのみでなく、むしろ積層の際に一体化構造の形成を促進する。この構造体は、完全性及び耐久性に関して全ての要求を満たす。
【0013】
詳細には、ポリカーボネート誘導体は、式(I)
【0014】
【化1】
【0015】
(式中、R及びRは、お互いに独立して水素、ハロゲンであり、好ましくは塩素又は臭素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−C10アリールであり、好ましくはフェニル及びC−C12アラルキルであり、好ましくはフェニル−C−Cアルキルであり、特にはベンジルであり、mは4〜7の整数、好ましくは4又は5であり、R及びRは各Xについて個々に選択され、独立して水素又はC−Cアルキルを表わし、Xは炭素であり、nは20を超える整数であり、ただし、少なくとも1個の原子Xにおいて、R及びRは両方ともアルキルである)の官能性カーボネート構造単位を含み得る。
【0016】
1〜2個の原子Xにおいて、特に1個の原子Xにおいて、R及びRは両方ともアルキルである。R及びRは特にメチルであってもよい。ジフェニル置換されたC原子(C1)に対するアルファ位におけるX原子はジアルキル置換され得ない。C1に対するベータ位におけるX原子はアルキルで二置換されていてもよい。好ましくはm=4又は5である。ポリカーボネート誘導体は、例えば、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1,1−ジイル)ジフェノール、4,4’−(3,3−ジメチルシクロヘキサン−1,1−ジイル)ジフェノール又は4,4’−(2,4,4−トリメチルシクロペンタン−1,1−ジイル)ジフェノールをベースとして精製することができる。
【0017】
本発明で用いられるポリカーボネート誘導体は、例えば、DE3832396.6に従い、式(Ia)のジフェノールから製造することができ、その完全な内容が本明細書に含まれる開示の範囲は、本願明細書の開示の範囲に包含される。
【0018】
ホモポリカーボネートの生成における式(Ia)のジフェノール、並びにコポリカーボネートの生成における式(Ia)の数種のジフェノールを用いることができる(置換基、グループ、パラメータの意味は、式Iにおけるのと同じである)。
【0019】
【化2】
【0020】
更に、式(Ia)のジフェノールは、高分子量の熱可塑性芳香族ポリカーボネート誘導体を製造するために、他のジフェノール類、例えば、式(Ib)のジフェノールとの混合物で用いることもできる。
HO−Z−OH (Ib)
【0021】
式(Ib)の適切な他のフェノールは、Zが、1〜数個の芳香核を含み得る、5〜30個のC原子を有する芳香族基であり、式(Ia)の化合物よりも脂肪族基又は他の脂環式基と置換されるか含み、又は架橋メンバーとしてヘテロ原子を含み得る化合物である。
【0022】
式(Ib)のジフェノールの例は:ヒドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシジフェニル、ビ−(ヒドロキシフェニル)−アルカン、ビス−(ヒドロキシフェニル)−シクロアルカン、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルフィド、ビス−(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス−(ヒドロキシフェニル)−ケトン、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルホン、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルホキシド、アルファ,アルファ’−ビス−(ヒドロキシフェニル)−ジイソプロピルベンゼン、並びにそれらの核アルキル化及び核ハロゲン化化合物である。
【0023】
これら、及びその他の適切なジフェノール類は、例えば、その完全な内容が本願明細書の開示の範囲に包含される、以下の文献、米国特許第3028365号、第2999835号、第3148172号、第3275601号、第2991273号、第3271367号、第3062781号、第2970131号及び第2999846号、以下の文献、DE−A1570703、2063050、2063052、2211956、FR−A 1561518及びモノグラフ「H.Schnell,Chemistry and Physics of Polycarbonates,Interscience Publishers,New York 1964」に開示されている。
【0024】
他の好ましいジフェノール類は、例えば:4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、アルファ,アルファ−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スルホン、2,4−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、アルファ,アルファ−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,2−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン及び2,2−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパンである。
【0025】
式(Ib)の特に好ましいジフェノール類は、例えば:2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン及び1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサンである。特に、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンが好ましい。他のジフェノール類は、個々に、並びに混合物中で用いることができる。
【0026】
妥当な場合、同様に用いられる式(Ib)の他のジフェノール類に対する式(Ia)のジフェノール類のモル比は、100モル%(Ia)〜0モル%(Ib)と2モル%(Ia)〜98モル%(Ib)との間、好ましくは100モル%(Ia)〜0モル%(Ib)と10モル%(Ia)〜90モル%(Ib)との間、特に好ましくは100モル%(Ia)〜0モル%(Ib)と30モル%(Ia)と70モル%(Ib)との間であるべきである。
【0027】
妥当な場合、他のジフェノール類と組み合わせる、式(Ia)のジフェノール類からの高分子量ポリカーボネート誘導体は、公知のポリカーボネート製造方法により製造することができる。種々のジフェノール類は統計的な方法、並びにブロックワイズにより結合し得る。
【0028】
本発明において用いられるポリカーボネート誘導体は、それ自体公知の方法で分岐していてもよい。分岐が望ましいなら、これは、少量、好ましくは0.05〜2.0モル%(用いられるジフェノール類を基準にして)の、3個以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物のような三官能性又はより多官能性の化合物の縮合によりそれ自体公知の方法により達成することができる。3個以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する分岐剤のいくつかは:フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゼン、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、2,2−ビス−[4,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキシル]−プロパン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル−イソプロピル)−フェノール、2,6−イズ−(2−ヒドロキシ−5−メチル−ベンジル)−4−メチルフェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−プロパン、ヘキサ−(4−(4−ヒドロキシフェニル−イソプロピル)−フェニル)−オルトテレフタル酸エステル、テトラ−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、テトラ(4−(4−ヒドロキシフェニル−イソプロピル)−フェノキシ)−メタン及び1,4−ビス−[4’,4’’−ジヒドロキシトリフェニル)−メチル]−ベンゼンである。いくつかの他の三官能性化合物は、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、塩化シアヌル及び3,3−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールである。
【0029】
ポリカーボネート誘導体の分子量を調整するために、それ自体公知の連鎖停止剤として、単官能性化合物が通常の濃度で用いられる。適切な化合物は、例えば、フェノール、tert−ブチルフェノール又は他のアルキル置換フェノールである。
分子量を調整するためには、特に、少量の式(Ic)
【0030】
【化3】

(式中、Rは分岐したC及び/又はC−アルキル基である)
【0031】
のフェノールが適切である。
【0032】
好ましくは、アルキル基R中のCHプロトンの割合は47〜89%であり、CH及びCHプロトンの割合は53〜11%であり;また、好ましくはRはOH基のo及び/又はp位にあり、特に好ましくはオルトの割合の上限は20%である。連鎖停止剤は、一般に、用いられるジフェノール類を基準にして0.5〜10、好ましくは1.5〜8モル%である。
【0033】
ポリカーボネート誘導体は、好ましくは界面法(H.Schnell Chemistry and Physics of Polycarbonates,Polymer Reviews,Vol.IX,page 33,Interscience Publ.1964)により、それ自体公知の方法で製造される。
【0034】
ここで、式(Ia)のジフェノールはアルカリ性の水相中に溶解される。他のジフェノール類とのコポリカーボネートを製造するために、式(Ia)のジフェノール類と他のジフェノール類、例えば、式(Ib)の化合物との混合物を用いる。分子量を調整するために、例えば、式(Ic)の連鎖停止剤を加えてもよい。次いで、反応は、界面縮合法に従い、不活性な、好ましくは、ホスゲンを含む、ポリカーボネートを溶解する有機層の存在下で実施される。反応温度は0℃〜40℃である。
【0035】
妥当な場合、用いられる分岐剤(好ましくは0.05〜2.0モル%)は、アルカリ性水相中にジフェノール類と一緒に存在してもよく、又はホスゲン化の前に有機溶媒中に加えられて溶解してもよい。更に、式(Ia)のジフェノール類、妥当な場合、他のジフェノール類(Ib)、従って、それらのモノ及び/又はビス−クロロカルボン酸エステルを用いてもよく、後者は有機溶媒に加えて溶解される。次いで、連鎖停止剤及び分岐剤の量は、式(Ia)、妥当な場合は式(Ib)に対応するジフェノラート基のモル量に依存し;クロロカルボン酸エステルをも用いる場合、ホスゲンの量は公知の方法において、ホスゲンの量は対応して減少し得る。
【0036】
妥当な場合、連鎖停止剤及びクロロカルボン酸エステルのための適切な有機溶媒は、例えば、塩化メチレン、クロロベンゼン、特には塩化メチレンとクロロベンゼンとの混合物である。妥当な場合、用いられる連鎖停止剤及び分岐剤は、同じ溶媒に溶解し得る。
【0037】
界面重縮合のための有機相として、例えば、塩化メチレン、クロロベンゼン及び塩化メチレンとクロロベンゼンとの混合物が供給される。
【0038】
アルカリ性水相として、例えばNaOH溶液が供給される。界面法によるポリカーボネートの製造は、三級アミン、特に、三級脂肪族アミン、例えば、トリブチルアミン又はトリエチルアミンのような触媒により触媒され得る:触媒は、用いられるジフェノール類のモルを基準にして0.05〜10モル%の量で用いることができる。触媒は、ホスゲン化の前又は最中に、また、ホスゲン化の後にも加えることができる。
【0039】
ポリカーボネート誘導体は、均一相内において公知の方法、いわゆる「ピリジン法」により、また例えば、ホスゲンの代わりに炭酸ジフェニルを用いることにより、溶融した塊のエステル交換のための公知の方法により製造することができる。
【0040】
ポリカーボネート誘導体は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、それらは、式(Ia)のジフェノール類をベースとするホモポリカーボネート又はコポリカーボネートである。
【0041】
他のジフェノール類、特に式(Ib)の化合物との任意の組成により、ポリカーボネートの特性を、有利な様式に変えることができる。このようなコポリカーボネートにおいては、式(Ia)のジフェノール類は、ジフェノール単位の100%の量を基準にして、100モル%〜2モル%の量、好ましくは100モル%〜10モル%、特には100モル%〜30モル%の量で含まれる。
【0042】
本発明の特に有利な実施態様は、ポリカーボネート誘導体が、特に、式(Ib)をベースとするモノマー単位M1、好ましくはビスフェノールAと、1個の原子に同種原子が2個結合した、二置換ジヒドロキシジフェニルシクロアルケンをベースとするモノマー単位M2、好ましくは、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1,1−ジイル)ジフェノールとからなる、コポリマーを含み、モル比M2/M1が好ましくは0.3より大きく、特に0.4より大きく、例えば0.5より大きいことにより特徴づけられる。すなわち、意外にも、このようなコポリマーについて、最初の加熱サイクル後の150℃未満のガラス温度Tgが第二の加熱サイクルにおいて上昇し、それが、得られる構造体の安定性を相当に改善することを見いだした。
【0043】
ポリカーボネート誘導体は、少なくとも10,000、好ましくは20,000〜300,000の平均分子量(重量平均)を有することが好ましい。
【0044】
原則として、成分Bは実質的に有機又は水性であり得る。実質的に水性とは、20重量%以下の成分Bが有機溶媒であり得ることを意味する。実質的に有機とは、5重量%以下の水が成分B中に存在し得ることを意味する。好ましくは、成分Bは、液状の脂肪族、脂環式、及び/又は芳香族炭化水素、液状の有機エステル及び/又はこれらの物質の混合物を含むか、それらからなる。用いられる有機溶媒は、好ましくはハロゲンを含まない有機溶媒である。それらは、特に、メシチレン、1,2,4−トリメチルベンゼン、クメン及びソルベントナフサ、トルエン、キシレンのような、脂肪族、脂環式、芳香族炭化水素;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシプロピル、エチル−3−エトキシプロピオネートのような(有機)エステルであってもよい。好ましくは、メシチレン、1,2,4−トリメチルベンゼン、クメン及びソルベントナフサ、トルエン、キシレン、酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、酢酸メトキシプロピル、エチル−3−エトキシプロピオネートである。特に好ましくは:メシチレン、(1,3,5−トリメチルベンゼン)、1,2,4−トリメチルベンゼン、クメン(2−フェニルプロパン)、ソルベントナフサ及びエチル−3−エトキシプロピオネートである。
【0045】
適切な溶媒混合物には、L1)0〜10重量%、好ましくは1〜5重量%、特には2〜3重量%のメシチレン、L2)10〜50重量%、好ましくは25〜50重量%、特には30〜40重量%の1−メトキシ−2−プロパノールアセテート、L3)0〜20重量%、好ましくは1〜20重量%、特には7〜15重量%の1,2,4−トリメチルベンゼン、L4)10〜50重量%、好ましくは25〜50重量%、特には30〜40重量%のエチル−3−エトキシプロピオネート、L5)0〜10重量%、好ましくは0.01〜2重量%、特には0.05〜0.5重量%のクメン、及びL6)0〜80重量%、好ましくは1〜40重量%、特には15〜25重量%のソルベントナフサからなり、成分L1〜L6の相対量は常に合計100重量%である。
【0046】
通常、第一のポリカーボネート層及び第二のポリカーボネート層は、145℃を超える、特には147℃を超えるガラス温度Tgを有する。
【0047】
ポリカーボネート誘導体は、通常、少なくとも10,000、好ましくは20,000〜300,000の平均分子量(重量平均)を有する。
【0048】
調整品は、詳細には:A)0.1〜10重量%、特には0.5〜5重量%の、1個の原子に同種原子が2個結合した二置換ジヒドロキシジフェニルシクロアルカンをベースとするポリカーボネート誘導体を含む結合剤、B)40〜99.9重量%、特には45〜99.5重量%の有機溶媒又は溶媒混合物、C)0.1〜6重量%、特には0.5〜4重量%の色素又は色素混合物、D)0.001〜6重量%、特には0.1〜4重量%の機能材料又は機能材料の混合物、E)0.1〜30重量%、特には1〜20重量%の添加剤及び/又は補助物質、若しくはこのような物質の混合物を含む。
【0049】
色素が供給されるべき場合、原則として、色素又は色素混合物は成分Cとして用いられ得る。色素は、全ての着色物質である。これは、それらが色素(色素の概説は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Electronic Release 2007,Wiley Verlagの「色素、一般的概説」の章に与えられる)、並びに顔料(有機及び無機顔料の概説は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Electronic Release 2007,Wiley Verlagの「顔料、有機」及び「顔料、無機」の章に与えられる)であり得ることを意味する。色素は、成分Bの溶媒中で可溶性、又は(安定に)分散性又は懸濁性であるべきである。更に、色素が、160℃の温度で5分以上の時間、安定、特に色安定であることが有利である。色素が、製造条件下で既知の再現可能な色変化に供されることも可能であり、相対的に選択される。温度安定性に加え、特に微粒子細部分布で顔料が存在すべきである。インクジェット印刷の実施において、これは、そうでなければ印刷ヘッドの閉塞が引き起こされるだろうから、粒子サイズが1.0μmを超えるべきでないことを意味する。通常は、ナノスケールの固体顔料自体が実証されている。
【0050】
色素は、カチオン性、アニオン性、また中性であってもよい。インクジェット印刷において用いられる色素の具体例は:ブリリアントブラックCI No.28440、クロモゲンブラックC.I. No.14645、Direkttiefschwarz E C.I. No.30235、Echtschwarzsalz B C.I. No.37245、Echtschwarzsalz K C.I. No.37190、スダンブラックHB C.I. 26150、ナフトールブラックC.I. No.20470、Bayscript(登録商標)Schwarz flussig、C.I. ベーシックブラック11、C.I.ベーシックブルー154、Cartasol(登録商標)ターキスK−ZL flussig、Cartasol(登録商標)ターキスK−RL flussig(C.I.ベーシックブルー140)、Cartasol Blau K5R flussigである。更に、適切なものは、例えば、市販されている色素、Hostafine(登録商標)Schwarz TS flussig(Clariant GmbH、ドイツにより販売)、Bayscript(登録商標)Schwarz flussig(C.I.混合物、Bayer AG、ドイツにより販売)、Cartasol(登録商標)Schwarz MG flussig(C.I.ベーシックブルー11、Clariant GmbH、ドイツの登録商標)、Flexonylschwarz(登録商標)PR 100(E CI.No.30235、Hoechst AGにより販売)、ローダミンB、Cartasol(登録商標)Orange K3 GL、Cartasol(登録商標)Gelb K4 GL、Cartasol(登録商標)K GL又はCartasol(登録商標)Rot K−3Bである。更に、可溶性色素として、アントラキノン、アゾ、キノフタロン、クマリン、メチン、ペリノン及び/又はピラゾール色素、例えば、商品名Macrolex(登録商標)で得られるものを用いることができる。
更に適切な色素は、文献、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Electronic Release 2007,Wiley Verlagの「インクジェットインクにおいて用いられる着色剤」の章に開示されている。十分に溶解性の色素は、マトリクス又は印刷層のバインダーにおける最も有利な一体化をもたらすであろう。色素は、色素として又は顔料として又はペーストとして直接に、若しくは色素及び顔料の混合物を追加のバインダーと一緒に加えることができる。この追加のバインダーは本発明のバインダーとは異なる(例えば、ポリエステルであってもよい)が、本発明により用いられる調製品の追加成分と化学的に相溶性であるべきである。色素として、このようなペーストを用いる場合、成分Bの量は、ペーストの他の成分を含まない色素を意味する。次いで、ペーストのこれらの他の成分は、成分Eの下で包含されるべきである。いわゆる着色顔料、シアン−マゼンタ−イエロー及び好ましくはブラック(スート(soot−))をカラースケールで用いる場合、フルカラーの画像が可能である。
【0051】
成分Dは、技術手段を用いることにより、又は適切な検出器を用いることにより、ヒトの目で速やかに見ることができる物質を含む。重要かつ安全な書類の保護のために用いられる、当業者によく知られた物質(van Renesse,Optical Document Secunty,第三版,Artech House,2005をも参照されたい)である。発光物質(有機又は無機の顔料)、例えば、フォトルミノフォア、エレクトロルミノフォア、反ストークスルミノフォア、フルオロフォアは、それに属するが、磁化可能な光音響性のアドレス可能な、又は圧電性物質も属する。更に、ラマン活性又はラマン増幅物質を用いることができ、いわゆるバーコード材料も同様である。ここで、また、好ましい基準は、成分B中での溶解性、若しくは成分Cに関する説明の意味において、<1μmの粒径及び>160℃の温度についての温度安定性を有する顔料システムについてのいずれかである。機能材料は、直接加えることができ、又はペーストによって、すなわち追加のバインダー(本発明で用いられる成分Eの構成物質又は成分Aのバインダー)との混合物として加えることができる。
【0052】
成分Eは、消泡剤、セットアップ剤(Stellmittel)、湿潤剤、テンシド(Tenside)、流動剤、乾燥剤、触媒、(光)安定剤、保存剤、殺生物剤、テンシド、粘度調整用有機ポリマー、バッファーシステムのような、インクジェット印刷におけるインクに通常に用いられる物質を含む。セットアップ剤は、例えば従来のセットアップ塩である。具体例は乳酸ナトリウムである。殺生物剤としては、インクに用いられる、全ての市販の保存剤を用いることができる。具体例は、Proxel(登録商標)GXL及びParmetol(登録商標)A26である。テンシドは、インクに用いられる、全ての市販のテンシドを用いることができる。好ましくは両性又は非イオン性テンシドである。しかし、当然に、色素の特性を変えない、特別なアニオン性又はカチオン性テンシドの使用が可能である。適切なテンシドの具体例は、ベタイン、エトキシル化ジオール等である。具体例は、製品シリーズSurfynol(登録商標)及びTergitol(登録商標)である。テンシドの量は、例えば、25℃で測定したインクの表面張力が、10〜60mN/m、好ましくは25〜45mN/Nとなるように選択される。バッファーシステムは、pHを2.5〜8.5の範囲、特には5〜8の範囲に安定するように提供される。適切なバッファーシステムは、酢酸リチウム、ホウ酸バッファー、トリエタノールアミン又は酢酸/酢酸ナトリウムである。バッファーシステムは、特に、実質的に水性成分Bの場合に適用される。インクの粘度を調整するために、(妥当な場合は)水溶性ポリマーを供給することができる。これらは、従来のインク調製品に適切な全てのポリマーである。例えば、特に平均分子量3,000から7,000の水溶性デンプン、特に平均分子量25,000から250,000のポリビニルピロリドン、特に平均分子量10,000から20,000のポリビニルアルコール、キサンタンガム、カルボキシルメチルセルロース、特に平均分子量1,000から8,00のエチレンオキシド/酸化プロピレンブロックコポリマーである。前記ブロックコポリマーの具体例は、製品シリーズPluronic(登録商標)である。殺生物剤の割合は、インクの全量を基準にして0〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.3重量%の範囲である。テンシドの量は、インクの全量を基準にして0〜0.2重量%の範囲である。セットアップ剤の割合は、インクの全量を基準にして0〜1重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%である。
【0053】
例えば、酢酸、ギ酸又はn−メチルピロリドン又は用いられる色素溶液又はペーストからの他のポリマーのような全ての成分も、補助剤に属する。
【0054】
成分Eとして適切な物質に関して、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Chemical Industry,Electronic Release 2007,Wiley Verlagの「塗料及びコーティング」の章、「塗料添加剤」の項に述べられている。
【0055】
本発明は、更に、下記工程を含む、少なくとも1層の第一のポリマー層、場合により第二のポリマー層を有し、それぞれがビスフェノールAをベースとするポリカーボネートポリマーから製造され、第一のポリマー層上にインクジェット印刷層が配置される構造体の製造方法に関する。a)第一のポリマー層の少なくとも一部の領域に、本発明で用いられる調製品からのインクジェット印刷層を塗布する工程、b)場合により、前記インクジェット印刷層を乾燥する工程、c)場合により工程a)又は工程b)の後に、第一のポリマー層上に第二のポリマー層を配置し、インクジェット印刷層を覆い、第一のポリマー層及び第二のポリマー層を、圧力をかけて、120℃〜230℃の温度で所定時間、お互いに積層する工程。
【0056】
言い換えれば、本発明の構造体は、ポリマー層、及び本発明において用いられる調製品により適用される印刷層のみからだけでなく、妥当な場合には、追加の層を含む他の構造体中に他のポリマー層を含んでいてもよい。例えば、構造体中の最上層(妥当な場合、追加の層)として印刷層を供給することが可能である。更に、印刷層は、オーバーレイフィルムとして適用されるポリマー層上に他の覆いなしで直接印刷することができる。
【0057】
インクジェット印刷層は、第一のポリマー層の表面全体を覆って供給され得る。しかし、多くのケースにおいて、インクジェット印刷層は、第一のポリマー層の表面の一部の領域にのみ供給されるであろう。
【0058】
工程d)における特定の圧力(加工対象物における直接的な圧力)は、通常、1バール〜10バールの範囲であり、特には3バール〜7バールである。工程d)における温度は、好ましくは140℃〜200℃の範囲、特には150℃〜180℃の範囲である。工程d)の時間は、0.5秒〜120秒、特には5秒〜60秒の範囲である。
【0059】
工程b)においては、乾燥は、20℃〜120℃の範囲、特に20℃〜80℃の範囲、好ましくは20℃〜60℃で、少なくとも1秒、好ましくは5秒〜6,000秒で実施することができる。
【0060】
第一のポリカーボネート層及び第二のポリカーボネート層は、お互いに独立して145℃を超えるガラス温度Tgを有する。
【0061】
第一のポリカーボネート層及び第二のポリカーボネート層の厚みは同一であっても異なっていてもよく、10〜1,000μm、特には20〜200μmの範囲である。
【0062】
乾燥の前又は後に、インクジェット印刷層のポリカーボネート層の主な面に対して直角方向に測定した厚みは、0.01〜10μm、特には0.05〜5μm、好ましくは0.02〜1μmである。
【0063】
本発明の対象は、本発明の方法を用いて得ることのできる構造体でもある。このような構造体は、通常、少なくとも1層の第一のポリカーボネート層、第二のポリカーボネート層、及び第一のポリカーボネート層と第二のポリカーボネート層との間に配置される、本発明において用いられる調製品からのインクジェット印刷層を含む。
【0064】
構造体の製造の前又は後に、第一のポリカーボネート層及び/又は第二のポリカーボネート層を、少なくとも1層の追加の層、例えばキャリア層と積層させて直接又は間接的に連結させる、構造体を製造するための本発明の方法は、安全及び/又は重要な書類を作成するために用いられる。
【0065】
安全及び/又は重要な書類の具体例は:身分証明書、パスポート、IDカード、アクセスコントロールカード、ビザ、納税証明(Steuerzeichen)、チケット、運転免許証、自動車の書類、紙幣、預かり札、郵便切手、クレジットカード、あらゆるマイクロチップ付きカード及び接着ラベル(例えば、防御のための製品)である。このような安全及び/又は重要な書類は、通常、少なくとも1層の基材、印刷層及び場合により透明なカバー層を含む。基材及びカバー層自体は、複数の層からなる。基材は、その上に、情報、画像、パターン等が塗布された印刷層を有するキャリア構造である。基材のための材料としては、紙及び/又は(有機)ポリマー原料における全ての従来の材料を用いることができる。このような安全及び/又は重要な書類は、全体の多数層の構造体中に、本発明の構造体を含む。本発明の構造体に加え、構造体の外部表面上又は構造体に連結する追加の層上に塗布される、少なくとも1層の(追加の)印刷層を供給してもよい
【0066】
最終的に、本発明は、本発明の構造体により製造されるか、又は含む、安全及び/又は重要な書類に関する。
【0067】
しかし、本発明は、他の技術的分野においても用いられ得る。射出成型部分の耐摩耗装飾は、フィルムのインモールド積層により製造することができる。先行技術によれば、PCフィルムは、シルクスクリーン印刷により印刷され、塑性的に変形(例えば、深絞り)され、射出成型金型内に配置され、熱可塑性材料と共にインモールド積層される。この方法において、例えば、携帯電話又は装飾的な筐体のためのケースが製造される。多色装飾は、いくつかの印刷フォーム/印刷スクリーンを必要とし、それ故、大量のために経済的である。しかし、本発明で用いられるインクにより、部分的な製品又はユニークな主題が可能であり、その結果、例えば、特徴づけられ、携帯電話(例えば写真を用いた)又は個人化したタコメーターディスク(例えば、所有者のイニシャル)のための高度な耐摩耗のケースを製造することができる。
【0068】
従って、本発明は、下記工程を含む、少なくとも1層のポリマー層と、ポリマー材料からの射出成型部品とを含み、ポリマー層と射出成型部分との間のインクジェット印刷層が配置された構造体の製造方法にも関する。a)少なくとも1層のポリマー層の部分的領域上に、本発明で用いられる調製品からのインクジェット印刷層を塗布する工程、b)場合により、インクジェット印刷層を乾燥する工程、c)工程a)又は工程b)の後に(必要であれば、射出成型金型の壁に適合するために印刷ポリマー層の塑性変形後)、ポリマー層を射出成型金型内に配置し、インクジェット印刷層を内側に向かって放出する工程、d)少なくとも60℃の温度で、射出成型金型内にポリマー材料を注入する工程、及びe)工程d)の温度より少なくとも20℃低い温度まで冷却した後、射出成型金型から構造体を取り出す工程。
【0069】
ポリマー層は、好ましくは、ビスフェノールAをベースとするポリカーボネート層であってもよい。ポリマー材料として、原則として、プラスチック射出成型の分野において通常の全ての熱可塑性材料を用いることができる。
【0070】
工程d)における温度は、80℃〜200℃の範囲、特には100℃〜180度の範囲である。工程e)における温度は、工程d)における温度よりも少なくとも40℃低い。
【0071】
原則として、安全及び/又は重要な書類のための構造体に関して与えられた全ての説明は、特に規定しない限り、同様の方法で適用されるであろう。
【0072】
従って、本発明は、少なくとも1層のポリマー層、射出成型部分、及びポリカーボネート層と射出成型部分との間に配置された、本発明を用いた調製品からのインクジェット印刷層を含む構造体をも含む。
【0073】
以下において、非限定的な実施態様を参照して、本発明を更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1】試験印刷領域を表す。
図2】本発明の方法により製造された、人間の肖像写真の詳細。
【発明を実施するための形態】
【0075】
実施例1:本発明により用いられるポリカーボネートの製造
実施例1,1:第一のポリカーボネート誘導体の製造
205.7g(0.90モル)のビスフェノールA(2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン)、30.7g(0.10モル)の1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、336.6g(6モル)のKOH及び2,700gの水を、撹拌しながら、不活性ガス雰囲気で溶解した。次いで、1.88gのフェノールの2,500mLの塩化メチレン中の溶液を加えた。十分に撹拌した溶液中に、pH13〜14、21〜25℃で、198g(2モル)のホスゲンを導入した。次いで、1mLのエチルピペリジンを加え、更に45分間撹拌した。ビスフェノールを含まない水相を分離し、リン酸で酸性化した後、有機層を水を用いて中性に洗浄し、溶媒から解放した。
【0076】
ポリカーボネート誘導体は、1.255の相対溶液粘度を有していた。ガラス温度は、157℃と測定された(DSC)。
【0077】
実施例1.2:第二のポリカーボネート誘導体の製造
実施例1と同様の方法で、181.4g(0.79モル)のビスフェノールA及び63.7g(0.21モル)の1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを反応させ、ポリカーボネート誘導体を得た。
【0078】
ポリカーボネート誘導体は、1.263の相対溶液粘度を有していた。ガラス温度は、167℃と測定された(DSC)。
【0079】
実施例1.3:第三のポリカーボネート誘導体の製造
実施例1と同様の方法で、149.0g(0.65モル)のビスフェノールA(2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン)及び107.9g(0.35モル)の1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを反応させ、ポリカーボネート誘導体を得た。
【0080】
ポリカーボネート誘導体は、1.263の相対溶液粘度を有していた。ガラス温度は、183℃と測定された(DSC)。
【0081】
実施例1.4:第四のポリカーボネート誘導体の製造
実施例1と同様の方法で、91.6g(0.40モル)のビスフェノールA及び185.9g(0.60モル)の1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを反応させ、ポリカーボネート誘導体を得た。
【0082】
ポリカーボネート誘導体は、1.251の相対溶液粘度を有していた。ガラス温度は、204℃と測定された(DSC)。
【0083】
実施例1.5:第五のポリカーボネート誘導体の製造
実施例1と同様の方法で、44.2g(0.19モル)のビスフェノールA及び250.4g(0.81モル)の1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを反応させ、ポリカーボネート誘導体を得た。
【0084】
ポリカーボネート誘導体は、1.248の相対溶液粘度を有していた。ガラス温度は、216℃と測定された(DSC)。
【0085】
実施例2:インクジェット印刷色素を製造するのに適切な液状調製品の製造
液状調製品は、実施例1.3からのポリカーボネート誘導体 17.5重量部、及び表Iの溶媒混合物 82.5重量部から製造した。
【0086】
(表)
【0087】
室温で800mPa・sの溶液粘度を有する、無色で非常に粘性の溶液が得られた。
【0088】
実施例3:本発明で用いられる、第一のインクジェット印刷色素の製造。
50mLのねじ山つきのガラス製の口径の大きいびん中で、実施例2のポリカーボネート溶液 4g及び実施例2の溶媒混合物 30gを、磁気撹拌棒を用いて均質化した。室温で1.67mPa・sの溶液粘度を有する、無色で低粘度の溶液が得られた。
【0089】
この基礎的インクの表面張力は、ペンダント・ドロップ法に従い、OEGサーフテンス(Surftens)測定システムを用いて測定し、21.4±1.9mN/mであった。
【0090】
このインクのみで実施例6の試験印刷において用いるのに役立つので、顔料又は色素の追加は行わなかった。
【0091】
実施例4:本発明で用いられる、第二のインクジェット印刷色素の製造
実施例3と同様の方法で、実施例2のポリカーボネート溶液 10g及び実施例2の溶媒混合物32.5gを、磁気撹拌棒を用いて均質化した(4% PC溶液)。20℃で5.02mPa・sの溶液粘度を有する、無色で低粘度の溶液が得られた。ここでも、このインクのみで実施例7の試験印刷において用いるのに役立つので、顔料又は色素の追加は行わなかった。
【0092】
実施例5:本発明で用いられる、第三のインクジェット印刷色素の製造
実施例4に従い、ポリカーボネート溶液を調製し、約2%のピグメントブラック28と更に反応させた。インクが得られ、これを用いて白黒の画像をポリカーボネートフィルム上に印刷し、実施例8について参照する。
【0093】
実施例6:実施例3のインクを用いて印刷した時の滴径
実施例3の溶液を、ろ過によりプリンターカートリッジ内に移し、種々の印刷パラメータを変化させながら、インクジェットプリンタFUJIFILM−Dimatrix DMP2800を用いて印刷した。用いたプリンタは、液滴の形成が圧電印刷ヘッドによりなされる、いわゆるドロップオンデマンドシステムである。DMP2800は、ストロボ画像記録システムを有しており、これを用いて、液滴形成及び液滴の経路を調べることができる。印刷物は、100℃で30分間乾燥した。表1に示すように、基剤に依存し、種々の滴径を得ることができる。
【0094】
【表1】
【0095】
予想通り、吸収性の基剤においては、ガラス又はプラスチックのような非吸収性基剤よりも液滴は多く吸収されるであろう。
【0096】
実施例7:インクジェット印刷層の層厚みの測定
実施例4のインクをガラス基剤上に印刷した。いわゆる液滴の間隔(ピッチ、図1も参照されたい)は10〜45μmで変化した。印刷物を、再度100℃で30分間乾燥した。層厚みの測定を表面形状測定装置(Dektak 6M;12.5μm Stylus)を用いて測定し(計算上のステップ高=ASH)、結果を表2に示す。
【0097】
【表2】
【0098】
液滴の間隔のみにより、層の厚みを広範囲で調整することができる。
【0099】
実施例8:画像の作成及び積層後の光学的品質の証明
実施例5のインクを用いて、ヒトの肖像写真をMakrofol(登録商標)4−4上に印刷した。このようにして得られた肖像写真を、>180℃の温度、>5バールの圧力及び>10分の時間で透明なMakrofol(登録商標)6−2フィルムに積層し、約800μm厚の構造体を作成した。個々のピクセルのエッジ解像力を評価するために、積層の前後に光学顕微鏡試験を実施した。結果を図2に示す。図2の上部に着色された印字画像(トップ)が、その下に同じであるが白黒に変換した後の印字画像が示される。左側に、積層前に本発明により作成したインクジェット印刷層の詳細な肖像を示す。右側に、積層後の同様の詳細な肖像を示す。ピクセルパターンは、積層後でも、ほぼ同じ解像度を維持することが示される。水平の線は、印刷ヘッドの個々のインクジェットノズルの重複する部分に起因し、従って、本発明インクによりなされたことではない。
【0100】
そこから離れ、構造体の光学的試験は、あらゆる認識可能な相限界を示さない。構造体は、層剥離に対して優れた抵抗性を有する一体化されたブロックである。
図1
図2