特許第5943309号(P5943309)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5943309
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20160621BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   B65G1/04 555A
   B65G1/00 501F
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-82338(P2013-82338)
(22)【出願日】2013年4月10日
(65)【公開番号】特開2014-205524(P2014-205524A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2015年2月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120352
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149331
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 昌人
(72)【発明者】
【氏名】山崎 資央
【審査官】 藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−120317(JP,A)
【文献】 特開2003−112810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00−1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品収納用の物品収納棚から物品を貯留する中継箇所に物品を搬送する複数の第1搬送装置と、
前記複数の第1搬送装置の夫々に対応する複数の前記中継箇所から搬送先箇所に物品を搬送する第2搬送装置と、
前記複数の第1搬送装置及び前記第2搬送装置の作動を制御する制御装置と、が設けられている物品搬送設備であって、
前記制御装置が、
前記物品収納棚から前記中継箇所に物品を搬送するべく、前記中継箇所に対応する前記第1搬送装置の作動を制御する第1出庫制御と、前記中継箇所から前記搬送先箇所に物品を搬送するべく、前記第2搬送装置の作動を制御する第2出庫制御と、を搬送情報に基づいて実行するように構成され、且つ、
前記中継箇所に貯留されている物品数が当該中継箇所について設定された最大貯留物品数未満の場合は、前記搬送情報に基づいて前記第1出庫制御を実行し、
前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数に達している場合において、予め設定された搬送許可条件を満たす場合は、前記搬送情報に基づいて前記第1出庫制御を実行し、
前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数に達している場合において、前記搬送許可条件を満たしていない場合は、前記搬送許可条件を満たす又は前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数未満となるまで、前記搬送情報に基づく前記第1出庫制御を実行しないように構成され
前記第1出庫制御を実行した場合に当該第1出庫制御により物品が前記中継箇所に搬送されると予測されるタイミングを第1タイミングとし、
貯留されている物品数が前記最大貯留物品数に達している前記中継箇所が前記第2出庫制御により物品が前記中継箇所から搬出されて前記中継箇所に貯留されている物品数が前記最大貯留物品数未満になると予測されるタイミングを第2タイミングとして、
前記搬送許可条件が、前記第1タイミングが前記第2タイミングより遅いことを条件としている物品搬送設備。
【請求項2】
物品収納用の物品収納棚から物品を貯留する中継箇所に物品を搬送する複数の第1搬送装置と、
前記複数の第1搬送装置の夫々に対応する複数の前記中継箇所から搬送先箇所に物品を搬送する第2搬送装置と、
前記複数の第1搬送装置及び前記第2搬送装置の作動を制御する制御装置と、が設けられている物品搬送設備であって、
前記制御装置が、
前記物品収納棚から前記中継箇所に物品を搬送するべく、前記中継箇所に対応する前記第1搬送装置の作動を制御する第1出庫制御と、前記中継箇所から前記搬送先箇所に物品を搬送するべく、前記第2搬送装置の作動を制御する第2出庫制御と、を搬送情報に基づいて実行するように構成され、且つ、
前記中継箇所に貯留されている物品数が当該中継箇所について設定された最大貯留物品数未満の場合は、前記搬送情報に基づいて前記第1出庫制御を実行し、
前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数に達している場合において、予め設定された搬送許可条件を満たす場合は、前記搬送情報に基づいて前記第1出庫制御を実行し、
前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数に達している場合において、前記搬送許可条件を満たしていない場合は、前記搬送許可条件を満たす又は前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数未満となるまで、前記搬送情報に基づく前記第1出庫制御を実行しないように構成され、
前記搬送許可条件は、前記第1出庫制御を実行した場合に前記中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数未満になった後に当該第1出庫制御による前記第1搬送装置での物品の前記中継箇所への搬送が完了し、且つ、予め設定された設定時間以内に前記中継箇所に貯留されている部品数が最大貯留物品数未満になると予測されることを条件としている物品搬送設備。
【請求項3】
物品収納用の物品収納棚から物品を貯留する中継箇所に物品を搬送する複数の第1搬送装置と、
前記複数の第1搬送装置の夫々に対応する複数の前記中継箇所から搬送先箇所に物品を搬送する第2搬送装置と、
前記複数の第1搬送装置及び前記第2搬送装置の作動を制御する制御装置と、が設けられている物品搬送設備であって、
前記制御装置が、
前記物品収納棚から前記中継箇所に物品を搬送するべく、前記中継箇所に対応する前記第1搬送装置の作動を制御する第1出庫制御と、前記中継箇所から前記搬送先箇所に物品を搬送するべく、前記第2搬送装置の作動を制御する第2出庫制御と、を搬送情報に基づいて実行するように構成され、且つ、
前記中継箇所に貯留されている物品数が当該中継箇所について設定された最大貯留物品数未満の場合は、前記搬送情報に基づいて前記第1出庫制御を実行し、
前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数に達している場合において、予め設定された搬送許可条件を満たす場合は、前記搬送情報に基づいて前記第1出庫制御を実行し、
前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数に達している場合において、前記搬送許可条件を満たしていない場合は、前記搬送許可条件を満たす又は前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数未満となるまで、前記搬送情報に基づく前記第1出庫制御を実行しないように構成され、
前記搬送許可条件が、前記第1出庫制御を実行した場合に前記中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数未満になった後に当該第1出庫制御による前記第1搬送装置での物品の前記中継箇所への搬送が完了し、且つ、次に搬送する物品についての前記搬送先箇所への出庫順序が前記中継箇所に貯留されている物品の次であることを条件としている物品搬送設備。
【請求項4】
物品収納用の物品収納棚から物品を貯留する中継箇所に物品を搬送する複数の第1搬送装置と、
前記複数の第1搬送装置の夫々に対応する複数の前記中継箇所から搬送先箇所に物品を搬送する第2搬送装置と、
前記複数の第1搬送装置及び前記第2搬送装置の作動を制御する制御装置と、が設けられている物品搬送設備であって、
前記制御装置が、
前記物品収納棚から前記中継箇所に物品を搬送するべく、前記中継箇所に対応する前記第1搬送装置の作動を制御する第1出庫制御と、前記中継箇所から前記搬送先箇所に物品を搬送するべく、前記第2搬送装置の作動を制御する第2出庫制御と、を搬送情報に基づいて実行するように構成され、且つ、
前記中継箇所に貯留されている物品数が当該中継箇所について設定された最大貯留物品数未満の場合は、前記搬送情報に基づいて前記第1出庫制御を実行し、
前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数に達している場合において、予め設定された搬送許可条件を満たす場合は、前記搬送情報に基づいて前記第1出庫制御を実行し、
前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数に達している場合において、前記搬送許可条件を満たしていない場合は、前記搬送許可条件を満たす又は前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数未満となるまで、前記搬送情報に基づく前記第1出庫制御を実行しないように構成され、
搬送元箇所から複数の入庫用箇所に物品を搬送する第3搬送装置が設けられ、
前記複数の第1搬送装置の夫々が、前記複数の第1搬送装置の夫々についての前記入庫用箇所から前記物品収納棚に物品を搬送するように構成され、
前記制御装置が、
前記第1出庫制御及び前記第2出庫制御に加えて、前記搬送元箇所から前記入庫用箇所に物品を搬送するべく、前記第3搬送装置の作動を制御する第1入庫制御と、前記入庫用箇所から前記物品収納棚に物品を搬送するべく、前記入庫用箇所に対応する前記第1搬送装置の作動を制御する第2入庫制御と、を実行するように構成され、
前記第1搬送装置が物品を前記中継箇所に搬送したときに当該第1搬送装置に対応する前記入庫用箇所に物品が存在する場合は、前記搬送許可条件が満たされていないとして前記第2入庫制御を実行するように構成され、
前記搬送許可条件が、前記第1出庫制御を実行した場合に前記中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数未満になった後に当該第1出庫制御による前記第1搬送装置での物品の前記中継箇所への搬送が完了し、且つ、前記入庫用箇所に物品が貯留されていないことを条件としている物品搬送設備。
【請求項5】
搬送元箇所から複数の入庫用箇所に物品を搬送する第3搬送装置が設けられ、
前記複数の第1搬送装置の夫々が、前記複数の第1搬送装置の夫々についての前記入庫用箇所から前記物品収納棚に物品を搬送するように構成され、
前記制御装置が、
前記第1出庫制御及び前記第2出庫制御に加えて、前記搬送元箇所から前記入庫用箇所に物品を搬送するべく、前記第3搬送装置の作動を制御する第1入庫制御と、前記入庫用箇所から前記物品収納棚に物品を搬送するべく、前記入庫用箇所に対応する前記第1搬送装置の作動を制御する第2入庫制御と、を実行するように構成され、
前記第1搬送装置が物品を前記中継箇所に搬送したときに当該第1搬送装置に対応する前記入庫用箇所に物品が存在する場合において、前記搬送許可条件が満たされている場合は前記第1出庫制御を実行し、前記搬送許可条件が満たされていない場合は前記第2入庫制御を実行するように構成されている請求項1〜のいずれか1項に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
前記複数の中継箇所の夫々について、前記最大貯留物品数が1に設定されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の物品搬送設備。
【請求項7】
前記搬送情報が、前記物品収納棚に収納されている複数の物品を所定の順序通りに前記搬送先箇所に搬送するための情報である請求項1〜6のいずれか1項に記載の物品搬送設備。
【請求項8】
前記複数の第1搬送装置の夫々が、上下方向に並ぶ複数段の走行経路を前記物品収納棚の棚横幅方向に沿って走行する搬送台車にて構成され、
前記第2搬送装置が、昇降経路を上下方向に沿って昇降する昇降台を備えて構成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収納用の物品収納棚から物品を貯留する中継箇所に物品を搬送する複数の第1搬送装置と、前記複数の第1搬送装置の夫々に対応する複数の前記中継箇所から搬送先箇所に物品を搬送する第2搬送装置と、前記複数の第1搬送装置及び前記第2搬送装置の作動を制御する制御装置と、が設けられている物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品搬送設備は、第1搬送装置と中継箇所との夫々が複数設けられており、複数の第1搬送装置が、それぞれ異なる中継箇所に物品を搬送し、その複数の中継箇所に搬送された物品を、第2搬送装置にて搬送先箇所に纏めるように搬送して、物品収納棚に収納されている物品を搬送先箇所に出庫するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このような物品搬送設備では、第1搬送装置にて中継箇所に物品が搬送されてから当該物品が第2搬送装置にて搬出されるまで、物品は中継箇所に貯留されることになる。そして、中継箇所では、物品を貯留できる物品数が限られており、中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数(特許文献1の物品搬送設備では1)に達している場合では、中継箇所が物品を受け入れられないため、第1搬送装置にて物品を中継箇所に搬送しようとしても、物品を中継箇所に搬送することができない。
そのため、上記物品搬送設備において、従来では、中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数に達している場合は、中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数未満となるまで、搬送情報に基づく第1出庫制御は実行しないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−178549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の物品搬送設備では、上述のように、中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数に達している場合は、中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数未満となるまで、搬送情報に基づいて第1出庫制御を実行しない。そのため、最大貯留物品数に達している中継箇所から物品が搬出されて、当該中継箇所が新たな物品を貯留できるようになってから、次の物品が中継箇所に搬送されるまでに、長い時間を要していた。
一般に、第2搬送装置の物品処理能力は、複数の中継箇所から物品を滞りなく搬出できるように、各中継箇所の数に応じた物品処理能力となっている。そのため、中継箇所が複数存在すると第2搬送装置の処理能力はそれ相応に高い処理能力となる。一方、第1搬送装置は、それに対応する1つの中継箇所への物品を搬送すればよいので、第2搬送装置ほど高い物品処理能力を備えさせないのが一般的である。その為、上述のように、中継箇所が新たな物品を貯留できるようになってから、次の物品が中継箇所に搬送されるまでに長い時間を要する場合、同じ中継箇所からの物品の搬出が集中すると、第2搬送装置に待ち時間が発生して物品を搬送できない事態が発生する。例えば、最大貯留物品数に達している中継箇所から物品を第2搬送装置にて搬出した後、同じ中継箇所から物品が続けて第2搬送装置にて搬出されることが続くと、第2搬送装置の処理能力が比較的高いために、第1搬送装置による中継箇所への物品の出庫が追い付かず、中継箇所に物品が存在しない状態となることにより第2搬送装置に長い待ち時間が発生して、物品を効率よく搬送先箇所に出庫できない。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数未満になった後、短時間で第1搬送装置による次の物品の中継箇所への搬送を完了させることができる物品搬送設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる物品搬送設備は、物品収納用の物品収納棚から物品を貯留する中継箇所に物品を搬送する複数の第1搬送装置と、前記複数の第1搬送装置の夫々に対応する複数の前記中継箇所から搬送先箇所に物品を搬送する第2搬送装置と、前記複数の第1搬送装置及び前記第2搬送装置の作動を制御する制御装置と、が設けられているものであって、その第1特徴構成は、
前記制御装置が、前記物品収納棚から前記中継箇所に物品を搬送するべく、前記中継箇所に対応する前記第1搬送装置の作動を制御する第1出庫制御と、前記中継箇所から前記搬送先箇所に物品を搬送するべく、前記第2搬送装置の作動を制御する第2出庫制御と、を搬送情報に基づいて実行するように構成され、且つ、前記中継箇所に貯留されている物品数が当該中継箇所について設定された最大貯留物品数未満の場合は、前記搬送情報に基づいて前記第1出庫制御を実行し、前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数に達している場合において、予め設定された搬送許可条件を満たす場合は、前記搬送情報に基づいて前記第1出庫制御を実行し、前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数に達している場合において、前記搬送許可条件を満たしていない場合は、前記搬送許可条件を満たす又は前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数未満となるまで、前記搬送情報に基づく前記第1出庫制御を実行しないように構成され、前記第1出庫制御を実行した場合に当該第1出庫制御により物品が前記中継箇所に搬送されると予測されるタイミングを第1タイミングとし、貯留されている物品数が前記最大貯留物品数に達している前記中継箇所が前記第2出庫制御により物品が前記中継箇所から搬出されて前記中継箇所に貯留されている物品数が前記最大貯留物品数未満になると予測されるタイミングを第2タイミングとして、前記搬送許可条件が、前記第1タイミングが前記第2タイミングより遅いことを条件としている点にある。
【0008】
すなわち、制御装置により第1出庫制御が実行されることで、第1搬送装置にて物品収納棚から中継箇所に物品が搬送される。また、制御装置により第2出庫制御が実行されることで、第2搬送装置にて中継箇所から搬送先箇所に物品が搬送される。
そして、中継箇所に貯留されている物品数が最大貯留物品数未満の場合は、中継箇所が物品を受け入れる余裕があり、第1搬送装置にて物品を中継箇所に搬送できる状態であるため、第1出庫制御を実行して物品を中継箇所に搬送するようになっている。
中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数に達している場合は、予め設定された搬送許可条件を満たすか否かにより、第1出庫制御を実行するか否かが決定される。
そして、搬送許可条件として、第1タイミングが第2タイミングより遅いことを条件とすることで、中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数に達している場合でも、予め設定された搬送許可条件を満たす場合は、第1搬送制御により物品を中継箇所に搬送するときには、中継箇所に貯留されている物品数が最大貯留物品数未満となることが期待できるため、第1出庫制御を実行して物品を中継箇所に搬送するようになっている。
このように、第1搬送制御により物品を中継箇所に搬送するときでも搬送許可条件を満たす場合は、先行して第1搬送制御の開始することで、中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数未満になった後、短時間で第1搬送装置による次の物品の中継箇所への搬送を完了させることができる。
【0009】
本発明にかかる物品搬送設備は、物品収納用の物品収納棚から物品を貯留する中継箇所に物品を搬送する複数の第1搬送装置と、前記複数の第1搬送装置の夫々に対応する複数の前記中継箇所から搬送先箇所に物品を搬送する第2搬送装置と、前記複数の第1搬送装置及び前記第2搬送装置の作動を制御する制御装置と、が設けられているものであって、その第2特徴構成は、
前記制御装置が、前記物品収納棚から前記中継箇所に物品を搬送するべく、前記中継箇所に対応する前記第1搬送装置の作動を制御する第1出庫制御と、前記中継箇所から前記搬送先箇所に物品を搬送するべく、前記第2搬送装置の作動を制御する第2出庫制御と、を搬送情報に基づいて実行するように構成され、且つ、前記中継箇所に貯留されている物品数が当該中継箇所について設定された最大貯留物品数未満の場合は、前記搬送情報に基づいて前記第1出庫制御を実行し、前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数に達している場合において、予め設定された搬送許可条件を満たす場合は、前記搬送情報に基づいて前記第1出庫制御を実行し、前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数に達している場合において、前記搬送許可条件を満たしていない場合は、前記搬送許可条件を満たす又は前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数未満となるまで、前記搬送情報に基づく前記第1出庫制御を実行しないように構成され、前記搬送許可条件は、前記第1出庫制御を実行した場合に前記中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数未満になった後に当該第1出庫制御による前記第1搬送装置での物品の前記中継箇所への搬送が完了し、且つ、予め設定された設定時間以内に前記中継箇所に貯留されている部品数が最大貯留物品数未満になると予測されることを条件としている点にある。
【0010】
すなわち、制御装置により第1出庫制御が実行されることで、第1搬送装置にて物品収納棚から中継箇所に物品が搬送される。また、制御装置により第2出庫制御が実行されることで、第2搬送装置にて中継箇所から搬送先箇所に物品が搬送される。
そして、中継箇所に貯留されている物品数が最大貯留物品数未満の場合は、中継箇所が物品を受け入れる余裕があり、第1搬送装置にて物品を中継箇所に搬送できる状態であるため、第1出庫制御を実行して物品を中継箇所に搬送するようになっている。
中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数に達している場合は、予め設定された搬送許可条件を満たすか否かにより、第1出庫制御を実行するか否かが決定される。
【0011】
本発明にかかる物品搬送設備は、物品収納用の物品収納棚から物品を貯留する中継箇所に物品を搬送する複数の第1搬送装置と、前記複数の第1搬送装置の夫々に対応する複数の前記中継箇所から搬送先箇所に物品を搬送する第2搬送装置と、前記複数の第1搬送装置及び前記第2搬送装置の作動を制御する制御装置と、が設けられているものであって、その第3特徴構成は、
前記制御装置が、前記物品収納棚から前記中継箇所に物品を搬送するべく、前記中継箇所に対応する前記第1搬送装置の作動を制御する第1出庫制御と、前記中継箇所から前記搬送先箇所に物品を搬送するべく、前記第2搬送装置の作動を制御する第2出庫制御と、を搬送情報に基づいて実行するように構成され、且つ、前記中継箇所に貯留されている物品数が当該中継箇所について設定された最大貯留物品数未満の場合は、前記搬送情報に基づいて前記第1出庫制御を実行し、前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数に達している場合において、予め設定された搬送許可条件を満たす場合は、前記搬送情報に基づいて前記第1出庫制御を実行し、前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数に達している場合において、前記搬送許可条件を満たしていない場合は、前記搬送許可条件を満たす又は前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数未満となるまで、前記搬送情報に基づく前記第1出庫制御を実行しないように構成され、前記搬送許可条件が、前記第1出庫制御を実行した場合に前記中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数未満になった後に当該第1出庫制御による前記第1搬送装置での物品の前記中継箇所への搬送が完了し、且つ、次に搬送する物品についての前記搬送先箇所への出庫順序が前記中継箇所に貯留されている物品の次であることを条件としている点にある。
【0012】
すなわち、制御装置により第1出庫制御が実行されることで、第1搬送装置にて物品収納棚から中継箇所に物品が搬送される。また、制御装置により第2出庫制御が実行されることで、第2搬送装置にて中継箇所から搬送先箇所に物品が搬送される。
そして、中継箇所に貯留されている物品数が最大貯留物品数未満の場合は、中継箇所が物品を受け入れる余裕があり、第1搬送装置にて物品を中継箇所に搬送できる状態であるため、第1出庫制御を実行して物品を中継箇所に搬送するようになっている。
中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数に達している場合は、予め設定された搬送許可条件を満たすか否かにより、第1出庫制御を実行するか否かが決定される。
【0013】
本発明にかかる物品搬送設備は、物品収納用の物品収納棚から物品を貯留する中継箇所に物品を搬送する複数の第1搬送装置と、前記複数の第1搬送装置の夫々に対応する複数の前記中継箇所から搬送先箇所に物品を搬送する第2搬送装置と、前記複数の第1搬送装置及び前記第2搬送装置の作動を制御する制御装置と、が設けられているものであって、その第4特徴構成は、
前記制御装置が、前記物品収納棚から前記中継箇所に物品を搬送するべく、前記中継箇所に対応する前記第1搬送装置の作動を制御する第1出庫制御と、前記中継箇所から前記搬送先箇所に物品を搬送するべく、前記第2搬送装置の作動を制御する第2出庫制御と、を搬送情報に基づいて実行するように構成され、且つ、前記中継箇所に貯留されている物品数が当該中継箇所について設定された最大貯留物品数未満の場合は、前記搬送情報に基づいて前記第1出庫制御を実行し、前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数に達している場合において、予め設定された搬送許可条件を満たす場合は、前記搬送情報に基づいて前記第1出庫制御を実行し、前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数に達している場合において、前記搬送許可条件を満たしていない場合は、前記搬送許可条件を満たす又は前記中継箇所に存在している物品数が前記最大貯留物品数未満となるまで、前記搬送情報に基づく前記第1出庫制御を実行しないように構成され、搬送元箇所から複数の入庫用箇所に物品を搬送する第3搬送装置が設けられ、前記複数の第1搬送装置の夫々が、前記複数の第1搬送装置の夫々についての前記入庫用箇所から前記物品収納棚に物品を搬送するように構成され、前記制御装置が、前記第1出庫制御及び前記第2出庫制御に加えて、前記搬送元箇所から前記入庫用箇所に物品を搬送するべく、前記第3搬送装置の作動を制御する第1入庫制御と、前記入庫用箇所から前記物品収納棚に物品を搬送するべく、前記入庫用箇所に対応する前記第1搬送装置の作動を制御する第2入庫制御と、を実行するように構成され、前記第1搬送装置が物品を前記中継箇所に搬送したときに当該第1搬送装置に対応する前記入庫用箇所に物品が存在する場合は、前記搬送許可条件が満たされていないとして前記第2入庫制御を実行するように構成され、前記搬送許可条件が、前記第1出庫制御を実行した場合に前記中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数未満になった後に当該第1出庫制御による前記第1搬送装置での物品の前記中継箇所への搬送が完了し、且つ、前記入庫用箇所に物品が貯留されていないことを条件としている点にある。
【0014】
すなわち、制御装置により第1出庫制御が実行されることで、第1搬送装置にて物品収納棚から中継箇所に物品が搬送される。また、制御装置により第2出庫制御が実行されることで、第2搬送装置にて中継箇所から搬送先箇所に物品が搬送される。
そして、中継箇所に貯留されている物品数が最大貯留物品数未満の場合は、中継箇所が物品を受け入れる余裕があり、第1搬送装置にて物品を中継箇所に搬送できる状態であるため、第1出庫制御を実行して物品を中継箇所に搬送するようになっている。
中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数に達している場合は、予め設定された搬送許可条件を満たすか否かにより、第1出庫制御を実行するか否かが決定される。
【0015】
本発明にかかる物品搬送設備の第5特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つにおいて、搬送元箇所から複数の入庫用箇所に物品を搬送する第3搬送装置が設けられ、前記複数の第1搬送装置の夫々が、前記複数の第1搬送装置の夫々についての前記入庫用箇所から前記物品収納棚に物品を搬送するように構成され、前記制御装置が、前記第1出庫制御及び前記第2出庫制御に加えて、前記搬送元箇所から前記入庫用箇所に物品を搬送するべく、前記第3搬送装置の作動を制御する第1入庫制御と、前記入庫用箇所から前記物品収納棚に物品を搬送するべく、前記入庫用箇所に対応する前記第1搬送装置の作動を制御する第2入庫制御と、を実行するように構成され、前記第1搬送装置が物品を前記中継箇所に搬送したときに当該第1搬送装置に対応する前記入庫用箇所に物品が存在する場合において、前記搬送許可条件が満たされている場合は前記第1出庫制御を実行し、前記搬送許可条件が満たされていない場合は前記第2入庫制御を実行するように構成されている点にある。
例えば、第1搬送制御により物品を中継箇所に搬送するときに、無条件で第1搬送制御を先行して開始した場合では、第1搬送制御により物品を中継箇所に搬送するときに、未だ中継箇所に貯留されている物品数が最大貯留物品数であるため、第1搬送装置は物品を中継箇所に搬送できず、物品を保持した状態で第1搬送装置を待機させる状態が生じる。このような状態では、第1搬送装置は出庫対象の物品を保持しているため、第2出庫制御も実行することができず、円滑に物品を物品収納棚に入庫できない。
しかし、中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数に達している場合において、搬送許可条件を満たしていない場合は、搬送許可条件を満たす又は中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数未満となるまで、搬送情報に基づく第1出庫制御を実行しない。この状況では、第2入庫制御を実行することができ、第2入庫制御を実行することで、入庫用箇所から物品収納棚に物品を搬送して、円滑に物品を物品収納棚に入庫できる。
【0016】
本発明にかかる物品搬送設備の第6特徴構成は、第1〜第5特徴構成のいずれか1つにおいて、前記複数の中継箇所の夫々について、前記最大貯留物品数が1に設定されている点にある。
すなわち、中継箇所の大きさとしては物品を1つ貯留できる大きさに構成すればよく、中継箇所に複数の物品を貯留できるように構成する場合に比べて、中継箇所を小さくでき、設備のコンパクト化を図ることができる。
【0017】
本発明にかかる物品搬送設備の第特徴構成は、第1〜第特徴構成のいずれか1つにおいて、前記搬送情報が、前記物品収納棚に収納されている複数の物品を所定の順序通りに前記搬送先箇所に搬送するための情報である点にある。
【0018】
すなわち、例えば、搬送先箇所に搬送する物品の順序が決まっていない場合では、複数の中継箇所のうちの既に物品が貯留されている中継箇所を選択して、第2搬送装置にて物品を搬送するようにすることで、第2搬送装置に待ち時間を生じなくできる。しかし、所定の順序通りに物品を搬送先箇所に搬送する必要がある場合、同じ中継箇所からの搬出が集中することが起こり得る。このような場合、次に搬送先箇所に搬送すべき物品が中継箇所に搬送されていない場合は、当該物品が中継箇所に搬送されるまで第2搬送装置は第2出庫制御を実行できず、第2搬送装置の待ち時間が長くなってしまう。
そこで、本発明によれば、中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数に達している場合でも、予め設定された搬送許可条件を満たす場合は、搬送情報に基づいて第1出庫制御を実行して、次に搬送先箇所に搬送する物品を迅速に中継箇所に搬送することができるため、第2搬送装置の待ち時間を短くすることができる。
【0019】
本発明にかかる物品搬送設備の第特徴構成は、第1〜第特徴構成のいずれか1つにおいて、前記複数の第1搬送装置の夫々が、上下方向に並ぶ複数段の走行経路を前記物品収納棚の棚横幅方向に沿って走行する搬送台車にて構成され、前記第2搬送装置が、昇降経路を上下方向に沿って昇降する昇降台を備えて構成されている点にある。
【0020】
すなわち、第1出庫制御が実行されることで、走行経路に沿って搬送台車が走行移動して搬送台車にて物品収納棚から中継箇所に物品が搬送される。また、第2出庫制御が実行されることで、昇降台が昇降経路に沿って昇降移動して中継箇所から搬送先箇所に物品が搬送される。
そして、中継箇所に貯留されている物品数が最大貯留物品数に達している場合でも、搬送許可条件を満たす場合は、先行して第1搬送制御を開始して搬送台車を走行移動させることで、中継箇所に存在している物品数が最大貯留物品数未満になった後、短時間で第1搬送装置による次の物品の中継箇所への搬送を完了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】物品搬送設備の一部拡大斜視図
図2】物品搬送設備が備える制御装置の制御ブロック図
図3】物品の搬送を示す物品搬送設備の平面図
図4】第1出庫制御及び第2出庫制御のタイムチャート
図5】第1出庫制御及び第2出庫制御のタイムチャート
図6】制御装置の制御内容を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品搬送設備には、物品Wを収納する物品収納用の物品収納棚1と、物品収納棚1の前方を物品収納棚1の棚横幅方向に沿って走行する搬送台車2と、入庫用箇所としての入庫用中継コンベヤ3と、中継箇所としての出庫用中継コンベヤ4と、が設けられている。
【0023】
搬送台車2は、上下方向に並ぶ状態で複数設けられており、複数の搬送台車2は、上下方向に並ぶ複数段の走行経路を棚横幅方向に沿って走行するように構成されている。物品収納棚1には、複数の搬送台車2のそれぞれに対応して複数段の棚板10が設けられており、複数段の棚板10上の夫々には、物品収納用の収納部11が棚横幅方向に複数並設されている。また、入庫用中継コンベヤ3と出庫用中継コンベヤ4は、複数の搬送台車2のそれぞれに対応して複数段設けられている。尚、複数の搬送台車2の夫々が、本発明の第1搬送装置に相当する。
【0024】
このように、搬送台車2、物品収納棚1の収納部11、入庫用中継コンベヤ3及び出庫用中継コンベヤ4が同じ段数(本実施形態では5段)設けることで、複数の搬送台車2のそれぞれに対応して、収納部11、入庫用中継コンベヤ3及び出庫用中継コンベヤ4が設けられている。
そして、各段それぞれにおいて、搬送台車2にて入庫用中継コンベヤ3から収納部11に物品Wを搬送し、また、搬送台車2にて収納部11から出庫用中継コンベヤ4に物品Wを搬送するように構成されている。
尚、本実施形態において、搬送台車2、入庫用中継コンベヤ3、出庫用中継コンベヤ4及び収納部11について、「対応する」とは同じ段に設けられていることを意味している。具体的には、例えば、上から1段目の搬送台車2に対応する出庫用中継コンベヤ4とは、上から1段目の出庫用中継コンベヤ4である。搬送台車2は、対応する出庫用中継コンベヤ4には物品Wを搬送できるが、別の段の対応しない出庫用中継コンベヤ4には物品Wを搬送できないようになっている。
【0025】
搬送台車2には、車輪を備えた台車本体13と、この台車本体13に支持された移載装置14と、が備えられている。そして、台車本体13の走行作動と移載装置14の移載作動とにより、入庫用中継コンベヤ3から収納部11に物品Wを搬送し、収納部11から出庫用中継コンベヤ4に物品Wを搬送するように構成されている。
【0026】
複数の入庫用中継コンベヤ3及び複数の出庫用中継コンベヤ4の夫々は、ローラコンベヤにて構成されており、ローラコンベヤ上に物品Wを載置支持することで1個の物品Wを貯留できるように構成されている。このように、複数の入庫用中継コンベヤ3の夫々及び複数の出庫用中継コンベヤ4の夫々は、1個の物品Wを貯留可能なことから、最大貯留物品数が1に設定されている。
【0027】
また、物品搬送設備には、搬送元箇所としての入庫用コンベヤ5と、搬送先箇所としての出庫用コンベヤ6と、入庫用コンベヤ5から複数の入庫用中継コンベヤ3に物品Wを搬送する入庫用リフト装置7と、複数の出庫用中継コンベヤ4から出庫用コンベヤ6に物品Wを搬送する出庫用リフト装置8と、が設けられている。尚、出庫用リフト装置8が、本発明の第2搬送装置に相当し、入庫用リフト装置7が、本発明の第3搬送装置に相当する。
【0028】
入庫用リフト装置7には、昇降経路を上下方向に沿って昇降する昇降台としての昇降コンベヤ16が備えられている。そして、昇降コンベヤ16の昇降作動及び搬送作動により、入庫用コンベヤ5から複数の入庫用中継コンベヤ3に物品Wを搬送するように構成されている。
また、出庫用リフト装置8には、入庫用リフト装置7と同様に、昇降コンベヤ16が備えられており、昇降コンベヤ16の昇降作動及び搬送作動により、複数の出庫用中継コンベヤ4から出庫用コンベヤ6に物品Wを搬送するように構成されている。
【0029】
図2に示すように、物品搬送設備には、搬送情報に基づいて、複数の搬送台車2、複数の入庫用中継コンベヤ3、複数の出庫用中継コンベヤ4、入庫用コンベヤ5、出庫用コンベヤ6、入庫用リフト装置7、及び、出庫用リフト装置8の作動を制御する制御装置Hが設けられている。
搬送情報には、入庫用コンベヤ5にて搬送されてきた物品Wを物品収納棚1に搬送するための入庫搬送情報と、物品収納棚1に収納されている複数の物品Wを所定の順序通りに出庫用コンベヤ6に搬送するための出庫搬送情報とがある。
【0030】
以下、制御装置Hの制御内容について説明するが、例えば、物品Wを上から1段目の収納部11に入庫する場合は、上から1段目の搬送台車2及び上から1段目の入庫用中継コンベヤ3を、それぞれ入庫対象の搬送台車2及び入庫対象の入庫用中継コンベヤ3と称して説明する。また、例えば、物品Wを上から1段目の収納部11から出庫する場合は、上から1段目の搬送台車2及び上から1段目の出庫用中継コンベヤ4を、それぞれ出庫対象の搬送台車2及び出庫対象の出庫用中継コンベヤ4と称して説明する。
【0031】
制御装置Hは、入庫搬送情報に基づいて、入庫用コンベヤ5から入庫対象の入庫用中継コンベヤ3に物品Wを搬送(図3の矢印(1)参照)するべく、入庫用コンベヤ5、入庫用リフト装置7及び入庫対象の入庫用中継コンベヤ3の作動を制御する第1入庫制御と、入庫対象の入庫用中継コンベヤ3から物品収納棚1に物品Wを搬送(図3の矢印(2)参照)するべく、入庫対象の搬送台車2の作動を制御する第2入庫制御と、を実行するように構成されている。
また、制御装置Hは、出庫搬送情報に基づいて、物品収納棚1から出庫対象の出庫用中継コンベヤ4に物品Wを搬送(図3の矢印(3)参照)するべく、出庫対象の搬送台車2の作動を制御する第1出庫制御と、出庫対象の出庫用中継コンベヤ4から出庫用コンベヤ6に物品Wを搬送(図3の矢印(4)参照)するべく、出庫用コンベヤ6、出庫用リフト装置8及び出庫対象の出庫用中継コンベヤ4の作動を制御する第2出庫制御と、を実行するように構成されている。
【0032】
制御装置Hは、第1入庫制御では、第1−1入庫処理、第1−2入庫処理、第1−3入庫処理、第1−4入庫処理、の順で処理を実行するように構成されている。このような順で第1の入庫処理が実行されることで、入庫用コンベヤ5から入庫用中継コンベヤ3に物品Wが搬送されるようになっている。
第1−1入庫処理では、入庫用コンベヤ5に対して設定された昇降停止位置に昇降コンベヤ16を昇降移動させるべく、入庫用リフト装置7の作動が制御される。第1−2入庫処理では、入庫用コンベヤ5から昇降コンベヤ16に物品Wを搬送するべく、入庫用コンベヤ5及び入庫用リフト装置7の作動が制御される。第1−3入庫処理では、入庫対象の入庫用中継コンベヤ3に対して設定された昇降停止位置に昇降コンベヤ16を昇降移動させるべく、入庫用リフト装置7の作動が制御される。第1−4入庫処理では、昇降コンベヤ16から入庫対象の入庫用中継コンベヤ3に物品Wを搬送するべく、入庫用リフト装置7及び入庫対象の入庫用中継コンベヤ3の作動が制御される。
【0033】
制御装置Hは、第2入庫制御では、第2−1入庫処理、第2−2入庫処理、第2−3入庫処理、第2−4入庫処理、の順で処理を実行するように構成されている。このような順で第2の入庫処理が実行されることで、各段において入庫用中継コンベヤ3から収納部11に物品Wが搬送されるようになっている。
第2−1入庫処理では、入庫用中継コンベヤ3に対して設定された走行停止位置に搬送台車2を走行移動させるべく、入庫対象の搬送台車2の作動が制御される。第2−2入庫処理では、入庫用中継コンベヤ3から搬送台車2に物品Wを移載するべく、入庫対象の搬送台車2の作動が制御される。第2−3入庫処理では、物品Wを入庫する収納部11に対して設定された走行停止位置に搬送台車2を走行移動させるべく、入庫対象の搬送台車2の作動が制御される。第2−4入庫処理では、搬送台車2から収納部11に物品Wを移載するべく、入庫対象の搬送台車2の作動が制御される。
【0034】
制御装置Hは、第1出庫制御では、第1−1出庫処理、第1−2出庫処理、第1−3出庫処理、第1−4出庫処理、の順で処理を実行するように構成されている。このような順で第1の出庫処理が実行されることで、各段において収納部11から出庫用中継コンベヤ4に物品Wが搬送されるようになっている。ちなみに、出庫搬送情報による出庫対象の物品Wが、物品収納棚1における1つの段に複数存在する場合は、出庫順序の早い物品Wから順に出庫用中継コンベヤ4に搬送するようになっている。
第1−1出庫処理では、出庫対象の物品Wが収納された収納部11に対して設定された走行停止位置に搬送台車2を走行移動させるべく、出庫対象の搬送台車2の作動が制御される。第1−2出庫処理では、収納部11から搬送台車2に物品Wを移載するべく、出庫対象の搬送台車2の作動が制御される。第1−3出庫処理では、出庫用中継コンベヤ4に対して設定された走行停止位置に搬送台車2を走行移動させるべく、出庫対象の搬送台車2の作動が制御される。第1−4出庫処理では、搬送台車2から出庫用中継コンベヤ4に物品Wを移載するべく、出庫対象の搬送台車2の作動が制御される。
【0035】
制御装置Hは、第2出庫制御では、第2−1出庫処理、第2−2出庫処理、第2−3出庫処理、第2−4出庫処理、の順で処理を実行するように構成されている。このような順で第2の出庫処理が実行されることで、出庫用中継コンベヤ4から出庫用コンベヤ6に物品Wが搬送されるようになっている。ちなみに、出庫搬送情報が示す出庫対象の物品Wを出庫順序の順に出庫用コンベヤ6に搬送するようになっている。
第2−1出庫処理では、出庫対象の出庫用中継コンベヤ4に対して設定された昇降停止位置に昇降コンベヤ16を昇降移動させるべく、出庫用リフト装置8の作動が制御される。第2−2出庫処理では、出庫用中継コンベヤ4から昇降コンベヤ16に物品Wを搬送するべく、出庫用リフト装置8及び出庫対象の出庫用中継コンベヤ4の作動が制御される。第2−3出庫処理では、出庫用コンベヤ6に対して設定された昇降停止位置に昇降コンベヤ16を昇降移動させるべく、出庫用リフト装置8の作動が制御される。第2−4出庫処理では、昇降コンベヤ16から出庫用コンベヤ6に物品Wを搬送するべく、出庫用コンベヤ6及び出庫用リフト装置8の作動が制御される。
【0036】
搬送台車2を走行移動させる第1−1出庫処理及び第1−3出庫処理については、搬送台車2の走行距離に応じた処理時間が予め設定されている。具体的には、第1−1出庫処理及び第1−3出庫処理について、第1出庫制御を実行した後に第1−1出庫処理を実行する場合を想定した出庫用中継コンベヤ4と収納部11との距離や、第2入庫制御を実行した後に第1−1出庫処理を実行する場合を想定した収納部11同士の距離に応じた処理時間が予め設定されている。
移載装置14にて物品Wを移載する第1−2出庫処理及び第1−4出庫処理については、移載装置14にて物品Wを移載するのに要する時間に基づいて処理時間が予め設定されている。
また、第2−1出庫処理については、出庫用中継コンベヤ4から昇降コンベヤ16に物品Wを搬送するのに要する時間に基づいて処理時間が予め設定されている。第2−3出庫処理については、昇降コンベヤ16から出庫用コンベヤ6に物品Wを搬送するのに要する時間に基づいて予め設定されている。第2−2出庫処理及び第2−4出庫処理については、昇降コンベヤ16の昇降距離に応じた処理時間が予め設定されている。
そして、このように設定された処理時間は、制御装置Hに記憶されている。
【0037】
制御装置Hは、搬送情報と記憶された処理時間とから、第1タイミングT1と第2タイミングT2を算出して、予め設定された搬送許可条件を満たすか否かを判別するように構成されている。
第1タイミングT1は、第1出庫制御を実行した場合に当該第1出庫制御により物品Wが出庫用中継コンベヤ4に搬送されると予測されるタイミングをとしている。具体的には、図4及び図5に示すように、第1タイミングT1は、第1出庫制御又は第2入庫制御が完了した後、次に第1出庫制御を実行すると想定した場合において、当該第1出庫制御における第1−3出庫処理が完了すると予測されるタイミング(搬送台車2が出庫用中継コンベヤ4に対して設定された走行停止位置に停止するタイミング)に設定されている。ちなみに、この第1タイミングT1は、第1出庫制御又は第2入庫制御が完了したタイミングを基準タイミングT0として、実行しようとする第1出庫制御の第1−1出庫処理、第1−2出庫処理、第1−3出庫処理に要する処理時間を基準タイミングT0に加算したタイミングを第1タイミングT1に設定される。
【0038】
また、第2タイミングT2は、貯留されている物品数が最大貯留物品数(1個)に達している出庫用中継コンベヤ4が第2出庫制御により物品Wが出庫用中継コンベヤ4から搬出されて出庫用中継コンベヤ4に貯留されている物品数が最大貯留物品数未満(0個)になると予測されるタイミングとしている。具体的には、図4及び図5に示すように、第2タイミングT2は、基準タイミングT0に出庫対象の出庫用中継コンベヤ4に物品Wが存在する場合において、当該物品Wを出庫用コンベヤ6に搬送するために実行する第2出庫制御における第2−2出庫処理が完了すると予測されるタイミング(出庫用中継コンベヤ4から昇降コンベヤ16への物品Wの搬送が完了するタイミング)に設定されている。
【0039】
そして、搬送許可条件は、第1タイミングT1が第2タイミングT2より遅いことを条件としている。つまり、図4に示すように、第1タイミングT1が第2タイミングT2より遅い場合は、搬送許可条件を満たしており、図5に示すように、第1タイミングT1が第2タイミングT2より早い場合は、搬送許可条件を満たしていない。
尚、図4及び図5において、矢印の長さが直接に処理時間の長さを示しているものではなく、例えば、第1−1出庫処理と第1−2出庫処理とを表す矢印の長さは同じものの、これらの処理に設定された処理時間は異なっている。
【0040】
制御装置Hは、第2入庫制御又は第1出庫制御が完了したとき、次に第2入庫制御を実行するか第1出庫制御を実行するかを選択して実行する。
次に、図6に示すフローチャートに基づいて制御装置Hによる制御内容について説明を加えるが、複数の搬送台車2のそれぞれに対して同様に処理されるため、上から1段目の搬送台車2を例に挙げて説明する。尚、以下の説明において、搬送台車2、出庫用中継コンベヤ4及び収納部11について特に説明がない場合は、出庫対象である上から1段目の搬送台車2、出庫用中継コンベヤ4及び収納部11について説明している。
【0041】
制御装置Hは、第2入庫制御又は第1出庫制御が完了したとき、収納部11に出庫対象の物品Wが存在しており、出庫用中継コンベヤ4に入庫対象の物品Wが貯留されていない場合(出庫用中継コンベヤ4に物品Wが存在していない場合)は、入庫用中継コンベヤ3に物品Wが貯留されているか否かに関わらず、次に第1出庫制御を選択して実行する。
このように、出庫用中継コンベヤ4に物品Wが存在しない場合は、出庫対象の物品Wを出庫用中継コンベヤ4に搬送できるとして、次に第1出庫制御が実行される。
【0042】
制御装置Hは、収納部11に出庫対象の物品Wが存在しており、出庫用中継コンベヤ4に入庫対象の物品Wが貯留されている場合(出庫用中継コンベヤ4に物品Wが存在している場合)において、予め設定された搬送許可条件を満たす場合(第1タイミングT1が第2タイミングT2より遅い場合)は、搬送情報に基づいて第1出庫制御を実行する。
このように、出庫用中継コンベヤ4に物品Wが存在する場合でも、搬送許可条件が満たされている場合は、次に第1出庫制御を実行しても当該第1出庫制御の第1−3出庫処理が完了するまでに、第2出庫制御の実行により出庫用中継コンベヤ4に物品Wが存在しなくなる。そのため、出庫対象の物品Wを出庫用中継コンベヤ4に搬送できるとして、次に第1出庫制御が実行される。
【0043】
制御装置Hは、収納部11に出庫対象の物品Wが存在しており、出庫用中継コンベヤ4に物品Wが貯留されている場合において、搬送許可条件を満たさない場合(第1タイミングT1が第2タイミングT2より早い場合)は、搬送許可条件を満たして出庫用中継コンベヤ4に物品Wが貯留されなくなると想定されるまで、第1出庫制御を実行しない。
このように、出庫用中継コンベヤ4に物品Wが存在する場合において、搬送許可条件が満たされていない場合は、第1出庫制御の第1−3出庫処理が完了するときに出庫用中継コンベヤ4に未だ物品Wが存在していることになる。そのため、出庫対象の物品Wを出庫用中継コンベヤ4に搬送できないとして、第1出庫制御は実行されない。
【0044】
制御装置Hは、上述のように、収納部11に出庫対象の物品Wが存在しており、出庫用中継コンベヤ4に物品Wが貯留されている場合で且つ搬送許可条件を満たさない場合において、入庫用中継コンベヤ3に入庫対象の物品Wが存在する場合は、搬送情報に基づく第2入庫制御を実行する。このように、第1出庫制御が実行できない状況下で第2入庫制御が実行される。
【0045】
上述の如く、収納部11に出庫対象の物品Wが存在しており、出庫用中継コンベヤ4に出庫対象の物品Wが貯留されている場合でも、予め設定された搬送許可条件を満たす場合は、搬送情報に基づいて第1出庫制御を実行するため、搬送台車2にて次の物品Wを出庫用中継コンベヤ4に迅速に搬送することができる。
【0046】
〔別実施形態〕
(1) 上記実施形態では、入庫用コンベヤ5と出庫用コンベヤ6とを各別に設けたが、入庫用コンベヤ5と出庫用コンベヤ6とを兼用するコンベヤを設けてもよい。
また、入庫用リフト装置7と出庫用リフト装置8とを各別に設けたが、入庫用リフト装置7と出庫用リフト装置8とを兼用するリフト装置を設けてもよい。
また、入庫用中継コンベヤ3と出庫用中継コンベヤ4とを各別に設けたが、入庫用中継コンベヤ3と出庫用中継コンベヤ4とを兼用する中継コンベヤを設けてもよい。
【0047】
(2) 上記実施形態では、搬送許可条件を、第1出庫制御を実行した場合に当該第1出庫制御により物品Wが中継箇所に搬送されると予測されるタイミングが、中継箇所に貯留されている物品数が最大貯留物品数未満になると予測されるタイミングより遅いことを条件としたが、搬送許可条件は適宜変更してもよい。
例えば、搬送許可条件を、予め設定された設定時間以内に出庫用中継コンベヤ4に貯留されている物品数が最大貯留物品数未満になると予測されることを条件としてもよく、また、搬送許可条件を、次に搬送する物品Wについての出庫用コンベヤ6への出庫順序が出庫用中継コンベヤ4に貯留されている物品Wの次であることを条件としてもよく、また、搬送許可条件を、入庫用中継コンベヤ3に物品Wが貯留されていないことを条件としてもよい。
【0048】
(3) 上記実施形態では、複数の中継箇所の夫々について、最大貯留物品数を1に設定したが、複数の中継箇所の夫々について、最大貯留物品数を2以上に設定してもよい。また、複数の中継箇所の最大貯留物品数を同じ値を設定したが、各中継箇所において最大貯留物品数を異なる値に設定してもよい。
【0049】
(4) 上記実施形態では、複数の第1搬送装置の夫々を、上下方向に並ぶ複数段の走行経路を棚横幅方向に沿って走行する搬送台車にて構成したが、複数の第1搬送装置を、棚前後方向に並ぶ複数の走行経路を棚横幅方向に沿って走行する搬送台車(例えばスタッカークレーン)にて構成してもよい。
また、第2搬送装置を、昇降経路を上下方向に沿って昇降する昇降台を備えて構成したが、第2搬送装置を、走行経路を棚前後方向に沿って走行する搬送台車にて構成してもよい。
ちなみに、第1搬送装置や第2搬送装置を、同時に2つ以上の物品を搬送できるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 物品収納棚
2 第1搬送装置
3 入庫用箇所
4 中継箇所
5 搬送元箇所
6 搬送先箇所
7 第3搬送装置
8 第2搬送装置
16 昇降台
H 制御装置
T1 第1タイミング
T2 第2タイミング
W 物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6