(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
高圧流体発生手段から供給される高圧流体を噴射流として噴射するノズルと、このノズルを備えたウォータージェット噴射装置本体と、このウォータージェット噴射装置本体と前記高圧流体発生手段との間に介在されたドレン弁ユニットと、を備えたウォータージェット噴射装置において、
前記ウォータージェット噴射装置本体は、作業者が一方の手で把持する基端側把手と、
前記作業者が他方の手で把持する先端側把手と、
前記基端側把手に設けられた手元スイッチと、
前記先端側把手に設けられたグリップスイッチと、を備え、
前記高圧流体発生手段から供給される高圧流体が、前記手元スイッチと前記グリップスイッチの両方が押されてONになったときに前記ノズルから噴射されることを特徴とするウォータージェット噴射装置。
前記グリップスイッチは、3ポジションスイッチからなり、未操作の第1操作ポジションのときにOFF、前記第1操作ポジションから一段押して第2操作ポジションに操作したときにON、前記第2ポジションからさらに一段押して第3ポジションに操作したときにOFFとなることを特徴とする請求項1に記載のウォータージェット噴射装置。
前記ドレン弁ユニットは、エア供給源の圧縮空気が供給されて、前記受信器からの駆動信号で作動して前記ドレン弁を閉弁させるエア自動弁が、前記ドレン弁の近傍位置に設置されていることを特徴とする請求項3に記載のウォータージェット噴射装置。
高圧流体発生手段から供給される高圧流体を噴射流として噴射するノズルと、このノズルを備えたウォータージェット噴射装置本体と、前記ウォータージェット噴射装置本体に設けられた基端側把手に設置され、作業者が一方の手で前記基端側把手を把持しながら操作する手元スイッチと、を備えたウォータージェット噴射装置に適用するウォータージェット噴射用スイッチ装置において、
前記ウォータージェット噴射装置本体に設けられた先端側把手に設置され、作業者が他方の手で前記先端側把手を把持しながら操作するグリップスイッチと、
前記グリップスイッチからの開閉信号を送信する信号送信部と、
前記信号送信部からの信号を受信する受信器と、
前記信号送信部からの駆動信号を前記受信器で受信したときに、前記高圧流体発生手段から前記ウォータージェット噴射装置本体に前記高圧流体を供給する高圧ホースを流路開放状態と流路遮断状態とに切り換えるドレン弁を閉弁させて、前記高圧流体発生手段から前記ウォータージェット噴射装置本体に高圧流体を供給可能にするドレン弁ユニットと、を備え、
前記手元スイッチと前記グリップスイッチは、その両方が押されてONになったときに、前記ノズルから前記噴射流を噴射させるように出力することを特徴とするウォータージェット噴射用スイッチ装置。
高圧流体発生手段から供給される高圧流体を噴射流として噴射するノズルと、このノズルを備えたウォータージェット噴射装置本体と、前記ウォータージェット噴射装置本体に設けられた基端側把手に設置され、作業者が一方の手で前記基端側把手を把持しながら操作する手元スイッチと、を備えたウォータージェット噴射装置に適用するウォータージェット噴射用スイッチ装置において、
前記ウォータージェット噴射装置本体に設けられた先端側把手に設置され、作業者が他方の手で前記先端側把手を把持しながら操作するグリップスイッチと、を備え、
前記手元スイッチと前記グリップスイッチは、その両方が押されてONになったときに、前記ノズルから前記噴射流を噴射させるように出力することを特徴とするウォータージェット噴射用スイッチ装置。
高圧流体発生手段から供給される高圧流体を噴射流として噴射するノズルと、このノズルを備えたウォータージェット噴射装置本体と、前記ウォータージェット噴射装置本体に設けられた基端側把手に設置され、作業者が一方の手で前記基端側把手を把持しながら操作する手元スイッチと、を備えたウォータージェット噴射装置に適用するウォータージェット噴射用スイッチ装置において、
前記ウォータージェット噴射装置本体に設けられた先端側把手に設置され、作業者が他方の手で前記先端側把手を把持しながら操作するグリップスイッチと、
前記グリップスイッチからの開閉信号を送信する信号送信部と、
前記信号送信部からの信号を受信する受信器と、
前記信号送信部からの駆動信号を前記受信器で受信したときに作動するエア自動弁と、を備え、
前記高圧流体発生手段から前記ウォータージェット噴射装置本体に前記高圧流体を供給する高圧ホースを流路開放状態と流路遮断状態とに切り換えるドレン弁を、前記エア自動弁を介してエア供給源から供給される圧縮空気により閉弁させて、前記高圧流体発生手段から前記ウォータージェット噴射装置本体に高圧流体を供給可能にする、ことを特徴とするウォータージェット噴射用スイッチ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1,2のウォータージェット噴射装置は、高圧流体を噴射及び停止させるためのスイッチが1つであるので、1つの噴射制御スイッチを誤操作した場合、いきなり高圧流体が噴射されるという問題点があった。
【0007】
特許文献2に記載のウォータージェット噴射装置は、2つの把手を備え、作業者が両手で安定した状態に把持することができるものの、不注意により片手で基端側把手側のみを持ちながら噴射制御スイッチを誤操作した場合、不安定な状態で携帯ノズル装置を持っているときに高圧流体が噴射されるので、高圧流体が対象物の方向とは相違する予期せぬ方向に噴射されるという問題点があった。
【0008】
また、特許文献2のウォータージェット噴射装置の基端側把手には、上端部前側に噴射制御スイッチが設けられ、その上端部後側に圧力制御スイッチが設けられているので、その両方のスイッチを同時に操作する場合、片手操作になるため、携帯ノズル装置を把持する手が不安定な状態にあるという問題点がある。
【0009】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、作業者がウォータージェット噴射装置本体を両手で持った状態でスイッチを押したときに高圧流体を噴射させることができるウォータージェット噴射装置及びウォータージェット噴射用スイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明に係るウォータージェット噴射装置は、高圧流体発生手段から供給される高圧流体を噴射流として噴射するノズルと、このノズルを備えたウォータージェット噴射装置本体と、このウォータージェット噴射装置本体と前記高圧流体発生手段との間に介在されたドレン弁ユニットと、を備えたウォータージェット噴射装置において、前記ウォータージェット噴射装置本体は、作業者が一方の手で把持する基端側把手と、前記作業者が他方の手で把持する先端側把手と、前記基端側把手に設けられた手元スイッチと、前記先端側把手に設けられたグリップスイッチと、を備え、前記高圧流体発生手段から供給される高圧流体が、前記手元スイッチと前記グリップスイッチの両方が押されてONになったときに前記ノズルから噴射されることを特徴とする。
【0011】
かかる構成によれば、ウォータージェット噴射装置は、高圧流体発生手段から供給される噴射流が、手元スイッチとグリップスイッチの両方がONになったときにノズルから噴射されるので、作業者がウォータージェット噴射装置本体をしっかりと持っているときにのみ高圧流体が噴射されるようにすることができる。このため、ウォータージェット噴射装置から噴射される高圧流体は、作業者がウォータージェット噴射装置本体を安定した状態に両手でしっかりと持っているときに、作業者の意思に反して高圧流体が予期せぬ方向に噴射されるのを防止することができる。その結果、ウォータージェット噴射装置本体は、対象物に向けて正確に高圧流体を噴射させることができるので、操作性及び作業性を向上させることができる。
また、ウォータージェット噴射装置は、作業者がウォータージェット噴射装置本体を手で持って操作する場合、一方の手で基端側把手を把持し、他方の手で先端側把手を把持して、必ず、両手でしっかりとそれぞれの把手を持った安定した状態で洗浄作業等が行われるので、長期時間の作業にも対応することができる。
【0012】
また、前記グリップスイッチは、3ポジションスイッチからなり、未操作の第1操作ポジションのときにOFF、前記第1操作ポジションから一段押して第2操作ポジポジションに操作したときにON、前記第2ポジションからさらに一段押して第3ポジションに操作したときにOFFとなることが好ましい。
【0013】
かかる構成は、非常事態において人間はものを強く握る、という人間工学的知見を考慮したもので、第3ポジションに操作したときにOFFとなるように構成されている。このため、誤って高圧流体が対象物の方向と相違する方向に噴射されるのを防止することができる。
【0014】
また、前記ウォータージェット噴射装置本体は、一端が前記高圧流体発生手段に接続され、他端が前記基端側把手に接続された高圧ホースと、基端側が前記基端側把手に取り付けられて前記ホースに連通し、先端側が前記ノズルに接続されたランス部と、前記グリップスイッチに接続されて前記グリップスイッチからの開閉信号を送信する信号送信部と、を備え、前記ドレン弁ユニットは、前記高圧流体発生手段から前記高圧ホースを介してウォータージェット噴射装置本体に高圧流体を供給する前記高圧ホースを流路開放状態と流路遮断状態とに切り換えるドレン弁と、前記信号送信部からの信号を受信する受信器と、を備え、前記信号送信部からの駆動信号を受信したときに前記ドレン弁を閉弁させて、前記高圧流体発生手段からウォータージェット噴射装置本体に高圧流体を供給可能にし、さらに、前記ドレン弁ユニットから供給される高圧流体は、前記手元スイッチをON状態にしたときに、前記ノズルから高圧流体が噴射されることが好ましい。
【0015】
かかる構成によれば、ウォータージェット噴射装置は、作業者がグリップスイッチをON状態に操作したときに、信号送信部からドレン弁ユニットの受信器を介してドレン弁を閉弁させて高圧流体発生手段からの高圧流体をウォータージェット噴射装置本体側に供給可能にし、さらに、手元スイッチがONになったときにのみ、ノズルから高圧流体が噴射されるようになっている。
このようにグリップスイッチと手元スイッチとの両方のスイッチがON状態のときにのみ、高圧流体がノズルから噴射されるようにしたことで、作業者の意思に伴わない誤操作を防止することができる。
【0016】
また、前記ドレン弁ユニットは、エア供給源の圧縮空気が供給されて、前記受信器からの駆動信号で作動して前記ドレン弁を閉弁させるエア自動弁が前記ドレン弁の近傍位置に設置されていることが好ましい。
【0017】
かかる構成によれば、ドレン弁ユニットは、エア自動弁が、高圧流体が供給されるドレン弁の近傍位置に設置されていることにより、ウォータージェットの噴射及び停止の作動反応を速くすることができる。
【0018】
本発明に係るウォータージェット噴射用スイッチ装置は、高圧流体発生手段から供給される高圧流体を噴射流として噴射するノズルと、このノズルを備えたウォータージェット噴射装置本体と、前記ウォータージェット噴射装置本体に設けられた基端側把手に設置され、作業者が一方の手で前記基端側把手を把持しながら操作する手元スイッチと、を備えたウォータージェット噴射装置に適用するウォータージェット噴射用スイッチ装置において、前記ウォータージェット噴射装置本体に設けられた先端側把手に設置され、作業者が他方の手で前記先端側把手を把持しながら操作するグリップスイッチと、前記グリップスイッチからの開閉信号を送信する信号送信部と、前記信号送信部からの信号を受信する受信器と、前記信号送信部からの駆動信号を前記受信器で受信したときに、前記高圧流体発生手段から前記ウォータージェット噴射装置本体に前記高圧流体を供給する高圧ホースを流路開放状態と流路遮断状態とに切り換えるドレン弁を閉弁させて、前記高圧流体発生手段から前記ウォータージェット噴射装置本体に高圧流体を供給可能にするドレン弁ユニットと、を備え、前記手元スイッチと前記グリップスイッチは、その両方が押されてONになったときに、前記ノズルから前記噴射流を噴射させるように出力することを特徴とする。
【0019】
かかる構成によれば、ウォータージェット噴射用スイッチ装置は、作業者が一方の手で基端側把手を把持しながら操作する手元スイッチと、作業者が他方の手で前記先端側把手を把持しながら操作するグリップスイッチは、その両方が押されてONになったときに、高圧流体発生手段からの高圧流体がドレン弁ユニットを介してウォータージェット噴射装置本体に供給されて、ノズルから噴射流を噴射させるように出力するので、作業者のどちらか
の手が基端側把手または先端側把手を把持していないときはノズルから噴射流が噴射されないようにすることができる。
【0020】
また、本発明に係るウォータージェット噴射用スイッチ装置は、高圧流体発生手段から供給される高圧流体を噴射流として噴射するノズルと、このノズルを備えたウォータージェット噴射装置本体と、前記ウォータージェット噴射装置本体に設けられた基端側把手に設置され、作業者が一方の手で前記基端側把手を把持しながら操作する手元スイッチと、を備えたウォータージェット噴射装置に適用するウォータージェット噴射用スイッチ装置において、前記ウォータージェット噴射装置本体に設けられた先端側把手に設置され、作業者が他方の手で前記先端側把手を把持しながら操作するグリップスイッチと、を備え、前記手元スイッチと前記グリップスイッチは、その両方が押されてONになったときに、前記ノズルから前記噴射流を噴射させるように出力することを特徴とする。
【0021】
かかる構成によれば、ウォータージェット噴射用スイッチ装置は、作業者が一方の手で基端側把手を把持しながら操作する手元スイッチと、作業者が他方の手で前記先端側把手を把持しながら操作するグリップスイッチは、その両方が押されてONになったときに、ノズルから噴射流を噴射させるように出力するので、作業者のどちらか
の手が基端側把手または先端側把手を把持していないときはノズルから噴射流が噴射されないようにすることができる。
【0022】
また、本発明に係るウォータージェット噴射用スイッチ装置は、高圧流体発生手段から供給される高圧流体を噴射流として噴射するノズルと、このノズルを備えたウォータージェット噴射装置本体と、前記ウォータージェット噴射装置本体に設けられた基端側把手に設置され、作業者が一方の手で前記基端側把手を把持しながら操作する手元スイッチと、を備えたウォータージェット噴射装置に適用するウォータージェット噴射用スイッチ装置において、前記ウォータージェット噴射装置本体に設けられた先端側把手に設置され、作業者が他方の手で前記先端側把手を把持しながら操作するグリップスイッチと、前記グリップスイッチからの開閉信号を送信する信号送信部と、前記信号送信部からの信号を受信する受信器と、前記信号送信部からの駆動信号を前記受信器で受信したときに作動するエア自動弁と、を備え、前記高圧流体発生手段から前記ウォータージェット噴射装置本体に前記高圧流体を供給する高圧ホースを流路開放状態と流路遮断状態とに切り換えるドレン弁を、前記エア自動弁を介してエア供給源から供給される圧縮空気により閉弁させて、前記高圧流体発生手段から前記ウォータージェット噴射装置本体に高圧流体を供給可能にする、ことを特徴とする。
【0023】
かかる構成によれば、ウォータージェット噴射用スイッチ装置は、高圧流体発生手段からウォータージェット噴射装置本体に高圧流体を供給する高圧ホースを流路開放状態と流路遮断状態とに切り換えるドレン弁を、エア自動弁を介してエア供給源から供給される圧縮空気により閉弁させることによって、高圧流体発生手段からウォータージェット噴射装置本体に高圧流体を供給可能にしている。このため、ノズルから噴射される噴射流は、手元スイッチとグリップスイッチの両方をONにしたときにだけ、信号送信部から受信器を介してエア自動弁及びドレン弁を駆動させて、噴射流を噴射させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のウォータージェット噴射装置及びウォータージェット噴射用スイッチ装置によれば、作業者がウォータージェット噴射装置本体を両手で持った状態でスイッチを押したときに高圧流体を噴射させることができるので、安定した状態で作業することができる。また、作業者の誤操作を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係るウォータージェット噴射装置を説明する。
【0027】
図1に示すように、ウォータージェット噴射装置Sは、化学プラント、建築現場、土木現場等において、ワーク等の対象物に高圧流体を噴き付けて洗浄、剥離、はつり、切断等の種々の作業を行う場合に使用される高圧水噴射装置である。ウォータージェット噴射装置Sは、高圧流体を発生させるための高圧流体発生手段Pと、圧縮空気を発生させるためのエア供給源APと、このエア供給源AP及び高圧流体発生手段Pから圧縮エア及び高圧流体が供給されるドレン弁ユニット2と、高圧流体発生手段Pから供給された高圧流体を噴射流として噴射するためのウォータージェット噴射装置本体1と、高圧流体発生手段Pとウォータージェット噴射装置本体1とをドレン弁ユニット2を介して連結して高圧流体を送るための高圧ホース3と、高圧流体発生手段Pから供給される高圧流体を噴射流としてノズル11から噴射させるためのウォータージェット噴射用スイッチ装置7と、を主に備えている。
【0028】
ウォータージェット噴射装置Sは、作業者が一方の手(右手)で基端側把手12を把持し、他方の手(左手)で先端側把手13を把持して、手元スイッチ5とグリップスイッチ6との2つのスイッチがONになったときにのみ、ノズル11から高圧水を噴射流として噴射させることが可能な装置である。このため、ウォータージェット噴射装置Sは、ウォータージェット洗浄作業等において、ウォータージェット噴射装置本体1を両手でしっかりと把持しているときにのみ、効率的に高圧水を噴射させて洗浄等の作業ができるようになっている。
【0029】
基端側把手12は、作業者が後側(一方)の手で把持するグリップ部位であり、ウォータージェット噴射装置本体1の基端側寄りの位置にある接続部15に取り付けられている。基端側把手12には、後記する手元スイッチ5と、トリガーガード12aと、が設けられている。基端側把手12のトリガーガード12aは、手元スイッチ5の前側周辺を覆う側面視して略L字形状の厚板部材からなるガードである。トリガーガード12aは、下端部が基端側把手12の下端面に固定され、上端部が接続部15の下面に固定されている。
【0030】
手元スイッチ5は、接続部15を流れる噴射流の噴射及び停止を行うためのバルブスイッチであり、基端側把手12の前面部側に設けられている。手元スイッチ5は、例えば、作業者の利き腕の手(右手)で握る基端側把手12に取り付けられ、レバー形状等のノブを手前側に一段押すとONし、その手と緩めると自動戻りしてOFFする自動復帰式レバースイッチからなる。
【0031】
高圧流体発生手段Pは、高圧流体発生させる高圧ポンプ(例えば、プランジャーポンプ等)からなり、トラック等の作業車の荷台に設置され、作業車の動力等を利用して駆動される。高圧流体発生手段Pは、例えば、200MPa以上の超高圧流体(以下「高圧水」という)をドレン弁ユニット2を介してウォータージェット噴射装置本体1に供給する。この高圧流体発生手段Pは、作業車に搭載され水道水等の液体を貯留した給水タンク(図示省略)に接続されており、高圧ポンプの駆動によって給水タンク内の液体を供給及び加圧して供給流路内の液体を加圧する。
【0032】
エア供給源APは、圧縮空気を発生させるコンプレッサからなり、高圧流体発生手段Pが搭載された作業車の荷台に設置されている。エア供給源APは、圧縮空気の流量を調整可能な流量制御弁24と、予め設定した圧力になると開閉する圧力スイッチ25と、受信器22からの駆動信号を受信したときに作動するエア自動弁23を介在してドレン弁21に接続されている。なお、エア供給源APは、例えば、0.5MPa以上の圧縮空気を発生させることが可能になっている。
【0033】
ウォータージェット噴射用スイッチ装置7は、手元スイッチ5とグリップスイッチ6が、その両方が押されてONになったときに、ノズル11から噴射流を噴射させるように出力するスイッチ装置である。このウォータージェット噴射用スイッチ装置7は、ウォータージェット噴射装置本体1に設けられた先端側把手13に設置され、作業者が他方の手で先端側把手13を把持しながら操作するグリップスイッチ6と、グリップスイッチ6からの開閉信号を送信する信号送信ユニット4(信号送信部)と、信号送信ユニット4からの信号を受信する受信器22と、信号送信ユニット4からの駆動信号を受信器22で受信したときに作動するエア自動弁と、高圧流体発生手段Pからウォータージェット噴射装置本体1に高圧流体を供給する高圧ホース3を流路開放状態と流路遮断状態とに切り換えるドレン弁21を閉弁させて、高圧流体発生手段Pからウォータージェット噴射装置本体1に高圧流体を供給可能するドレン弁ユニット2と、を備えている。
【0034】
グリップスイッチ6は、未操作の第1操作ポジションのときにOFF、第1操作ポジションから一段押して第2操作ポジポジションに操作したときにON、第2ポジションからさらに一段押して第3ポジションに操作したときにOFFとなる3ポジションスイッチからなる。換言すると、グリップスイッチ6は、ノブを手前側に一段押すとONし、二段押すとOFFになる二段式レバースイッチからなる。グリップスイッチ6は、作業者の利き腕でない方の手(左手)で握る先端側把手13に取り付けられている。
グリップスイッチ6は、接点端子(図示省略)が電線ケーブル13aによって信号送信ユニット4に接続されて、ON、OFF信号が信号送信ユニット4に送られるように配線されている。グリップスイッチ6は、いわゆる安全スイッチであって、このグリップスイッチ6をONにすると、エア自動弁23が開いてドレン弁21が閉弁されて高圧流体発生手段Pからウォータージェット噴射装置本体1へ高圧水が供給される状態となる。また、OFFのときは、ドレン弁21は開放され、高圧流体発生手段Pから貯留タンク26に高圧水が排出される。
【0035】
信号送信ユニット4(信号送信部)は、グリップスイッチ6からの開閉信号を受信器22に送信するための信号送信装置である。信号送信ユニット4は、グリップスイッチON信号を電波信号に変換する不図示の小電力無線モジュールと、小電波信号を発信するアンテナと、電力無線モジュールに電力を供給するための電池と、電線ケーブル13a等を接続するための接続端子と、簡易防滴ボックスからなる筐体と、を備えている。この信号送信ユニット4は、筐体に設けた接続端子が、電線ケーブル13aによってウォータージェット噴射装置本体1のグリップスイッチ6に接続されている。信号送信ユニット4は、作業中、この信号送信ユニット4の筐体をベルト(図示省略)によって作業者の腰等に取り付けられている。
【0036】
ドレン弁ユニット2は、信号送信ユニット4からの駆動信号を受信器22で受信したときに作動して、高圧水が高圧流体発生手段Pからウォータージェット噴射装置本体1に供給されるようにするポータブル式の装置である。ドレン弁ユニット2は、ウォータージェット噴射装置本体1と高圧流体発生手段Pとの間に介在されて、前記作業車の荷台に設置されている。
ドレン弁ユニット2には、それぞれ後記する高圧ホース3と、ドレン弁21と、受信器22と、エア自動弁23と、を備えている。ドレン弁ユニット2は、信号送信ユニット4からの駆動信号を受信したときに、エア自動弁23を開いてドレン弁21を閉弁させて、高圧流体発生手段Pからウォータージェット噴射装置本体1に高圧流体を供給可能にする。このため、ウォータージェット噴射装置Sにおいて、ウォータージェット噴射装置本体1に設けられたグリップスイッチ6は、作業車等に搭載されたドレン弁ユニット2との間の電気配線を省略できるようになっている。
【0037】
ドレン弁21は、高圧流体発生手段Pによって加圧されて高圧ホース3内を通って貯留タンク26に排出されている高圧流体を、流路開放状態から流路遮断状態に切り換えて、ウォータージェット噴射装置本体1が高圧噴射可能な状態にするバルブである。ドレン弁21は、配管21aによってエア自動弁23に接続されると共に、上流側の配管21bが高圧ホース3を介して高圧流体発生手段Pに接続され、下流側の配管21cの下流端が貯留タンク26に設置されている。このため、ドレン弁21は、エア自動弁23からの圧縮空気によって作動し、開くと高圧流体発生手段Pからの高圧水を貯留タンク26に放出したり、閉じるとウォータージェット噴射装置本体1に流したりする機能がある。
【0038】
受信器22は、信号送信ユニット4からのグリップスイッチON信号を受信してエア自動弁23を開閉させる無線受信器である。この受信器22は、作業車に搭載された電源(図示省略)に電線22bを介して接続するコンセント22aと、エア自動弁23に接続した配管22cと、信号送信ユニット4からの電波を受信するアンテナ22dと、を備えている。
【0039】
エア自動弁23は、エア供給源APから作動用の圧縮空気が供給されて、受信器22からのグリップスイッチON信号で作動してドレン弁21を閉弁させるバルブであり、ドレン弁21の近傍に設けられている。エア自動弁23は、配管23aによって圧力スイッチ25及び流量制御弁24を介してエア供給源APに接続されている。
貯留タンク26は、不図示の配管を介して高圧流体発生手段Pに接続されて、高圧流体発生手段Pから供給された高圧流体が、その配管と高圧ホース3とにより循環するように構成されている。
【0040】
高圧ホース3は、作業車に搭載された高圧流体発生手段Pで生成した高圧水を、作業場にあるウォータージェット噴射装置本体1に供給するための配管である。この高圧ホース3は、上流側が高圧流体発生手段Pに接続され、下流側が前記基端側把手12及びドレン弁21に接続されている。
【0041】
先端側把手13は、作業者が前側(他方)の手で把持するグリップ部位であり、ウォータージェット噴射装置本体1の前寄り中央部位に取り付けられている。先端側把手13には、先端側把手13の前面側に設置されたグリップスイッチ6と、先端側把手13の下端に接続された電線ケーブル13aと、この電線ケーブル13aの接続箇所に設けられた円筒コイル部材13bと、グリップスイッチ6のノブの前側周辺を囲むように設置されたトリガーガード13cと、先端側把手13の上端部に設けられた把手取付部13dと、が設けられている。
【0042】
電線ケーブル13aは、基端部を先端側把手13に固定した円筒コイル部材13b内に挿通されていることにより、絡んだり、揺動したりし難くなっている。
先端側把手13のトリガーガード13cは、グリップスイッチ6の前側周辺を覆う側面視して略コ字形状の厚板部材である。このトリガーガード13cは、下端部が先端側把手13の下端面に固定され、上端部が先端側把手13の上面に固定されている。
把手取付部13dは、先端側把手13を円筒管状のランス部14に固定する部材である。
【0043】
図2に示すように、ウォータージェット噴射装置本体1は、いわゆるウォータージェットガンであり、作業者が手で持ち運び可能な銃形タイプの噴射装置本体である。ウォータージェット噴射装置本体1は、高圧ホース3が接続される接続部15と、接続部15から先端側に向けて延設された直管状のランス部14と、ランス部14の先端に設けられたノズル11と、を備えている。その他、このウォータージェット噴射装置本体1には、肩掛けバンド(図示省略)を取り付けてもよい。
ウォータージェット噴射装置本体1は、手元スイッチ5とグリップスイッチ6との両方がONになったときに、高圧流体発生手段Pから供給される噴射流を、ノズル11から噴射するように構成されている。
【0044】
ノズル11は、高圧流体発生手段Pから供給される高圧水を噴射流として噴射する噴射口であり、円筒管状のランス部14の先端に装着された略キャップ形状の部材からなる。ノズル11の口径は、例えば、0.4mm程度に形成されている。
【0045】
ランス部14は、略円筒管形状の本体を形成する鋼管であり、ウォータージェット噴射装置本体1の基端部から先端部に亘って真っすぐな状態に配置されている。ランス部14は、基端側が基端側把手12に取り付けられて高圧ホース3に連通し、先端側がノズル11の噴射口に連通して、高圧水の流路を形成している。
【0046】
接続部15は、高圧ホース3の先端とランス部14とを連結すると共に、基端側把手12、手元スイッチ5のトリガー及びトリガーガード12aの上端部をランス部14に固定するための部材である。
【0047】
ガード部材16は、ランス部14において、先端側把手13よりも先端のノズル11寄りの位置に設置されている。これは、作業者が誤って自分の足に向かって高圧水を噴射し損傷させてしまうことを防止する部材である。また、噴射した高圧水の跳ね返りから作業者を保護する目的もある。
【0048】
このように、ウォータージェット噴射装置Sは、例えば、ノズル11を銃口、基端側把手12及び先端側把手13をそれぞれの把手とした銃型形状に形成されている。このため、作業者は、両手でウォータージェット噴射装置本体1の前後部位を保持し、安定した状態で高圧水を噴射させることができる。
【0049】
≪作用≫
次に、
図1及び
図2を主に参照しながら本発明の実施形態にウォータージェット噴射装置の作用を作業工程順に説明する。
【0050】
まず、
図1に示すウォータージェット噴射装置Sを使用する場合は、ウォータージェット噴射装置S全体を作業車に積載して作業現場に移動する。その作業車が現場に着いたら、エア供給源AP及び高圧流体発生手段Pを駆動させ、ドレン弁ユニット2のコンセント22aを作業車の電源に接続する。エア供給源APで生成された圧縮空気は、配管23aから流量制御弁24及び圧力スイッチ25を介してOFF状態のエア自動弁23に送られる。また、高圧流体発生手段Pで生成された高圧水は、高圧ホース3から配管21b、開弁状態のドレン弁21、貯留タンク26及び不図示の循環ホースを介して高圧流体発生手段Pに戻る循環を行う。
【0051】
また、作業者は、信号送信ユニット4のベルトを腰に巻き付けて取り付け、高圧ホース3を引回しながら、ウォータージェット噴射装置本体1を作業場所へ移動させる。このような場合、ウォータージェット噴射装置Sは、手元スイッチ5とグリップスイッチ6の両方のスイッチが、ON状態になることがないので、ノズル11から高圧水が噴射されることがない。
【0052】
例えば、対象物に高圧水を噴射して洗浄する場合、まず初めに作業者は、右手(利き手)で基端側把手12を握り、左手で先端側把手13を握り、ノズル11の噴射口を対象物に向ける。次に、先端側把手13にあるグリップスイッチ6を押してONさせる。すると、グリップスイッチ6のON信号が電線ケーブル13aを通って信号送信ユニット4に送られる。信号送信ユニット4は、そのON信号を電波で受信器22に送る。受信器22は、エア自動弁23に駆動信号を送って、エア自動弁23を駆動させる。すると、エア自動弁23は、開弁してエア供給源APからの圧縮空気をドレン弁21に供給させて、ドレン弁21を閉弁させる。このため、高圧流体発生手段Pの高圧水が高圧ホース3を通ってウォータージェット噴射装置本体1の接続部15に供給される。
なお、エア自動弁23とドレン弁21は、互いに近傍位置にあるので、エア自動弁23が作動すると直ぐにドレン弁21が駆動するため、作業者がグリップスイッチ6を操作してから高圧水が噴射及び停止される反応時間を短縮させることができる。
【0053】
作業者は、さらに、右手で手元スイッチ5をON状態にする。すると、接続部15内のトリガーが開弁され、高圧水がノズル11から噴射されて対象物を洗浄する。このとき、作業者は、右手で基端側把手12を握り、左手で先端側把手13を握っているので、しっかりとウォータージェット噴射装置本体1を保持することができるため、高圧水を洗浄する対象物を目掛けて安定した状態に噴射して洗浄作業を行うことができる。
【0054】
高圧水の噴射を停止させる場合は、手元スイッチ5とグリップスイッチ6の少なくとも何れか一方をOFF状態にすれば、噴射が停止される。例えば、手元スイッチ5がOFFになった場合は、接続部15内のトリガーが閉弁になるので、高圧水の噴射が停止される。
また、グリップスイッチ6をOFFにすると、グリップスイッチ6のOFF信号が電線ケーブル13aを通って信号送信ユニット4に送られる。信号送信ユニット4は、そのOFF信号を電波で受信器22に送る。受信器22は、エア自動弁23にOFF信号を送って、エア自動弁23を閉じる。すると、ドレン弁21を開弁する。このため、高圧流体発生手段Pの高圧水がドレン弁21から貯留タンク26側へ流れ、ウォータージェット噴射装置本体1側への供給が停止する。
【0055】
このように、本実施形態に係るウォータージェット噴射装置Sは、高圧水が、手元スイッチ5とグリップスイッチ6の両方のウォータージェット噴射用スイッチ装置7がONになったときにノズル11から噴射されるように出力するので、作業者がウォータージェット噴射装置本体1を両手でしっかりと持っているときにのみ高圧水が噴射される。このため、作業者の意思に反して高圧水が予期せぬ方向に噴射されるのを防止することができる。その結果、ウォータージェット噴射装置本体1は、対象物に向けて正確に高圧水を噴射させることができるので、操作性及び作業性を向上させることができる。
また、必ず、両手でしっかりと持った安定した状態で洗浄作業等が行われるので、長期時間の作業にも対応することができる。
【0056】
[第1変形例]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論であり、
図3及び
図4を主に参照して第1変形例を説明する。なお、すでに説明した構成は同じ符号を付してその説明を省略する。
図3は、本発明の実施形態に係るウォータージェット噴射装置の第1変形例を示す概略図である。
図4は、
図3に示すウォータージェット噴射装置本体の拡大図である。
【0057】
前記実施形態で説明した
図1に示すウォータージェット噴射装置Sは、手元スイッチ5とグリップスイッチ6の2つのスイッチがON状態になったときに高圧水がノズル11から噴射されればよく、ウォータージェット噴射装置本体1及びドレン弁ユニット2の構成は適宜変更しても構わない。
例えば、
図3に示すように、ウォータージェット噴射装置SAのドレン弁ユニット2Aは、それぞれ後記する高圧ホース3Aと、ドレン弁21Aと、リークノズル27Aと、エアコントロールユニット28Aと、受信器22Aと、エア自動弁23Aと、エアバルブ25Aと、を備えて構成されている。
【0058】
高圧ホース3Aは、高圧流体発生手段Pからウォータージェット噴射装置本体1Aの接続部15に接続され、ドレン弁21Aが閉弁状態になったときに、高圧水がウォータージェット噴射装置本体1Aに流れるようになっている。
ドレン弁21Aは、受信器22Aが駆動し、手元スイッチ5Aから圧縮空気が供給され、エア自動弁23A及びエアバルブ25Aが開弁状態になったときに、ウォータージェット噴射装置本体1Aへ高圧水が流れるように切り換える。
リークノズル27Aは、上流側がドレン弁21Aに接続され、下流側が不図示の配管によって高圧流体発生手段Pに接続されて高圧水が循環するように構成されている。
【0059】
エアコントロールユニット28Aは、エア供給源APからの圧縮空気を基端側把手12Aに送るスイッチ作動エア供給流路29Abと、エアバルブ25Aを駆動させるバルブ駆動用エア供給流路29Acとを形成するものであり、電磁弁29Aを主に備えている。電磁弁29Aは、上流側がエア供給源APに接続され、下流側が手元スイッチ5Aに接続されて、手元スイッチ5Aに圧縮空気を供給する。
【0060】
受信器22Aは、信号送信ユニット4からのグリップスイッチ6のON信号を受けてエア自動弁23Aを作動させる無線電波受信機である。
エア自動弁23Aは、上流側が手元スイッチ5Aに接続され、下流側がエアバルブ25Aに接続されており、受信器22Aからのグリップスイッチ6のON信号を受けたときに駆動し、手元スイッチ5AをONにしたときの圧縮空気によってエアバルブ25Aを作動させる。
エアバルブ25Aは、エア供給管29Aa及びバルブ駆動用エア供給流路29Acとエア配管5Acを介して圧縮空気が供給され、手元スイッチ5AがONになって圧縮空気がエア配管5Acに供給された際に作動し、ドレン弁21Aをウォータージェット噴射装置本体1A側に切換させる。
【0061】
図4に示すように、基端側把手12Aは、手元スイッチ5Aと、セーフティロック5Aaと、セーフティロック5Aa及び手元スイッチ5Aの前側周囲に設けられたセーフティガード12Aaと、を備えている。
手元スイッチ5Aは、基端側把手12Aに設けられたスイッチであり、スイッチ作動エア供給流路29Abを介して圧縮空気が供給される圧縮空気供給配管5Abと、手元スイッチ5AがONしたときに圧縮空気をエア自動弁23Aに送るエア配管5Acと、手元スイッチ5AがOFF状態のときに供給された圧縮エアを排出する圧縮空気排出管5Adと、を備えている。
【0062】
つまり、手元スイッチ5Aは、作業者が操作してON状態になると、圧縮空気をドレン弁ユニット2Aに供給してエア自動弁23Aに送る。そして、エア自動弁23Aは、グリップスイッチ6のON信号で信号送信ユニット4及び受信器22Aを介して駆動信号がこのエア自動弁23Aに伝達されると作動して、エアバルブ25A及びドレン弁21Aを駆動させ、高圧流体発生手段Pから高圧ホース3Aを介してウォータージェット噴射装置本体1Aに高圧水を供給してノズル11Aから噴射流を噴射させる。
【0063】
このように、ウォータージェット噴射装置SAの場合も、前記実施形態と同様、作業者がウォータージェット噴射用スイッチ装置7Aの基端側把手12Aの手元スイッチ5Aと、先端側把手13のグリップスイッチ6の両方のスイッチをON状態にすると、ノズル11Aから噴射されるようになっている。
【0064】
[第2変形例]
図5は、本発明の実施形態に係るウォータージェット噴射装置の第2変形例を示す概略図である。
前記第1変形例の1つからなるドレン弁ユニット2A(
図3参照)は、例えば、
図5に示すように、ドレン弁ユニット2Bと無線受信ユニット2Baとの2つに分けて構成しても構わない。
つまり、ドレン弁ユニット2Bは、前記第1変形例のドレン弁ユニット2Aからコンセント22Aaと受信器22Aとエア自動弁23Aを取り除いて、無線受信ユニット2Baとして別にして、エア供給源APとドレン弁ユニット2Bの電磁弁29Aとの間に設けてもよい。
【0065】
この場合、ドレン弁ユニット2Bは、ドレン弁21Aとリークノズル27Aと電磁弁29Aとエアバルブ25Aとを備えている。エアバルブ25Aは、エア配管5Acによって手元スイッチ5Aに接続されると共に、上流側がバルブ駆動用エア供給流路29Ac及びエア供給管29Aaを介してエア自動弁23Bに接続され、下流側がドレン弁21Aに接続されている。
【0066】
また、無線受信ユニット2Baは、信号送信ユニット4からのグリップスイッチONの電波信号を受信して作動する受信器22Bと、受信器22Bからの駆動信号を受けると作動するエア自動弁23Bと、から主に構成されている。受信器22Bは、コンセント22Baを有し、受信器22Bに電気的に接続されている。エア自動弁23Bは、上流側がエア供給源APに接続され、下流側がドレン弁ユニット2Bに接続されている。
【0067】
ウォータージェット噴射装置SBは、グリップスイッチ6をONさせて、信号送信ユニット4を介して無線受信ユニット2Baの受信器22Bが、グリップスイッチON信号を受信すると、エア自動弁23Bを駆動させて、エア供給源APからの圧縮空気をドレン弁ユニット2Bに供給する。このため、グリップスイッチ6がONしなければ、エア供給源APからの圧縮空気がドレン弁ユニット2Bに供給されないようになっている。
前記ドレン弁ユニット2Bは、エア供給管29Aa及びバルブ駆動用エア供給流路29Acを介してエアバルブ25Aに供給すると共に、電磁弁29A及びスイッチ作動エア供給流路29Abを介して手元スイッチ5Aに圧縮空気を供給する。
【0068】
そして、作業者が手元スイッチ5AをONすると、エア配管5Acを介してエアバルブ25Aに圧縮空気が供給されて開弁状態になり、エア自動弁23Bからの圧縮空気がドレン弁21Aに流れて駆動させ、高圧ホース3Aを介してウォータージェット噴射装置本体1Bに高圧水を供給してノズル11Aから噴射流を噴射させる。
【0069】
ウォータージェット噴射装置SBは、このように構成しても、前記実施形態と同様、作業者が左手で先端側把手13を握ってグリップスイッチ6をONにし、さらに、基端側把手12Aを右手で握って手元スイッチ5AをONにして、ウォータージェット噴射用スイッチ装置7Bの両方のスイッチをON状態にすると、ノズル11Aから噴射されるようになっている。
【0070】
[第3変形例]
図6は、本発明の実施形態に係るウォータージェット噴射装置の第3変形例を示す概略図である。
図7は、
図6に示すウォータージェット噴射装置本体の拡大図である。
図6に示すように、ウォータージェット噴射装置本体1Cは、作業者の肩に担ぎながら作業を行うようにしたタイプのものである。
【0071】
図7に示すように、ウォータージェット噴射装置本体1Cは、高圧ホース3が接続される接続部15Cと、基端部の接続部15Cから先端部のノズル11Cに亘って延設された直管状のランス部14Cと、ランス部14Cの基端側に設けられた基端側把手12Cと、ランス部14Cの先端に設けられたノズル11Cと、ランス部14Cの先端部寄りに取り付けられた先端側把手13Cと、基端側把手12Cに設けられた手元スイッチ5Cと、先端側把手13Cに設けられたグリップスイッチ6Cと、を備えている。
【0072】
基端側把手12Cは、ランス部14Cに外嵌された円筒状の部材からなり、後側の手(右手)で握る部位である。この基端側把手12Cは、上面側に手元スイッチ5Cのセーフティレバー5Caと、このセーフティレバー5Caの上側上方を囲むように配置されたセーフティガード5Cbと、を備えている。なお、基端側把手12Cは、作業者の肩に載せる部位にもなっているので、前後方向に長い長尺形状をしている。
【0073】
先端側把手13Cは、ランス部14Cの先端部の下側に側面視して略コ字形状に形成されたグリップからなり、前側の手(左手)で握る部位である。先端側把手13Cは、下端部上面部にグリップスイッチ6Cが設けられた把持部13Caと、把持部13Caの後端部をランス部14Cに固定するための後側取付部13Cbと、把持部13Caの前端部をランス部14Cに固定するための前側取付部13Ccと、を備えている。把持部13Caは、この把持部13Caとランス部14Cとの間に、操作する指を挿入できるようにランス部14Cから離間して配置されている。
【0074】
手元スイッチ5Cは、基端側把手12Cを握った手で下側に引くことによって、高圧水の流路を形成するランス部14C内を開閉状態にするレバースイッチ型の手動切換弁からなる。手元スイッチ5Cは、後端部の支軸をランス部14Cに軸支し、その支軸を支点をして回動する前記セーフティレバー5Caと、前記セーフティガード5Cbと、を備えている。手元スイッチ5Cは、セーフティレバー5Caから手を離せば、戻しばね(図示省略)で元のOFFに自動復帰して、ランス部14Cに内設された手動切換弁(図示省略)を閉弁させ、セーフティレバー5Caをランス部14C側に引く操作を行えば、ランス部14C内の手動切換弁(図示省略)が開弁されるように構成されている。
グリップスイッチ6Cは、先端側把手13の把持部13Caを握った手で握る方向(下方向)に押圧操作するとONする押釦スイッチからなり、ランス部14Cの下面に対向して配置されている。
【0075】
ウォータージェット噴射用スイッチ装置7Cの手元スイッチ5C及びグリップスイッチ6Cは、このように形成することによって、作業者がウォータージェット噴射装置本体1Cを肩に担いだ状態のときに、操作し易い状態に形成されたスイッチからなる。
ウォータージェット噴射装置本体1Cは、基端側把手12Cの後端側を肩の載せて、運んだり、操作して洗浄作業等を行ったりすることにより、両手と肩とでウォータージェット噴射装置本体1Cを支持することができるため、作業が行い易い。
【0076】
[その他の変形例]
また、前記実施形態においては、手元スイッチ5は、レバースイッチを例に挙げて説明したが、作業者が指でノブを押したときに作動すればよく、自動復帰式の押釦スイッチタイプ等のものであってもよい。
また、グリップスイッチ6は、二段式押釦スイッチでもよい。
また、本発明は、ウォータージェット噴射装置にかかわらず、ブラスト装置に適用することもできる。
また、信号送信ユニット4(信号送信部)は、無線送信を例に挙げて説明したが、電線を使用した有線送信装置であってもよい。その場合は、電線で信号送信ユニット4と受信器22を接続する。