(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザに操作される端末にネットワークを介して接続され、振込先口座への振込依頼を受け付ける振込受付システムと、前記振込受付システムにネットワークを介して接続され、振込処理を行う勘定系システムと、前記勘定系システムの負荷を監視する監視システムと、を備える振込集中回避システムであって、
前記振込受付システムは、
前記振込先口座の口座名義を示す口座名義情報に基づき、振込処理の繰り延べが可能か否かを判定する振込処理繰り延べ判定手段と、
前記口座名義情報と、前記振込処理繰り延べ判定手段における当該口座名義情報に基づく判定の結果を示す繰り延べ判定情報と、を含む振込処理依頼情報を生成する振込処理依頼情報生成手段と、を備え、
前記勘定系システムは、前記振込処理依頼情報を前記振込受付システムから受信し、当該振込処理依頼情報に基づき振込処理を行い、
前記監視システムは、前記振込処理依頼情報に含まれる前記繰り延べ判定情報に応じて、前記振込処理依頼情報を一時的に蓄積する振込蓄積手段に記憶させ、前記勘定系システムが実行する当該振込処理依頼情報の前記振込処理を保留させることを特徴とする振込集中回避システム。
前記振込受付システムは、前記端末におけるユーザの操作により、振込処理の繰り延べを承認することを示す振込繰り延べ承認情報を受け付ける振込繰り延べ承認受付手段を、更に、備え、
前記振込処理依頼情報生成手段は、前記振込繰り延べ承認情報を、更に、含む前記振込処理依頼情報を生成し、
前記監視システムは、前記振込処理依頼情報に含まれる前記振込繰り延べ承認情報に応じて、前記振込処理依頼情報を前記振込蓄積手段に記憶させることを特徴とする請求項2に記載の振込集中回避システム。
前記監視システムは、前記勘定系システムが前記振込受付システムから受信した前記振込処理依頼情報の件数が、所定の閾値以上となった場合に、前記振込処理依頼情報を、前記振込蓄積手段に記憶させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の振込集中回避システム。
ユーザに操作される端末にネットワークを介して接続され、振込先口座への振込依頼を受け付ける振込受付システムと、前記振込受付システムにネットワークを介して接続され、振込処理を行う勘定系システムと、前記勘定系システムの負荷を監視する監視システムと、を備える振込集中回避システムが実行する振込集中回避方法において、
前記振込受付システムが実行する方法は、
前記振込先口座の口座名義を示す口座名義情報に基づき、振込処理の繰り延べが可能か否かを判定する振込処理繰り延べ判定段階と、
前記口座名義情報と、前記振込処理繰り延べ判定段階における当該口座名義情報に基づく判定の結果を示す繰り延べ判定情報と、を含む振込処理依頼情報を生成する振込処理依頼情報生成段階と、を含み、
前記勘定系システムが実行する方法は、前記振込処理依頼情報を前記振込受付システムから受信し、当該振込処理依頼情報に基づき振込処理を行う段階を含み、
前記監視システムが実行する方法は、前記振込処理依頼情報に含まれる前記繰り延べ判定情報に応じて、前記振込処理依頼情報を一時的に蓄積する振込蓄積手段に記憶させ、前記勘定系システムが実行する当該振込処理依頼情報の前記振込処理を保留させる段階を含むことを特徴とする振込集中回避方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のコンピュータシステムでは、振込データを送信する振込側において、振込データの送信に制限をかけておくことで、振込データを処理する勘定系システムの負荷を軽減できるものの、振込側において、振込の制限をかけていない場合には勘定系システムの負荷を軽減できない。
【0006】
銀行の口座には、義援金や寄付金名義のものがある。このような名義の口座には、通常、不特定多数の者から振込が行われ、このような不特定多数の者に対して、振込の制限をかけるのは困難である。また、このような名義の口座には、例えば、大災害の後、不特定多数の者からの振込依頼が集中する。このような場合、勘定系システムは、処理容量をオーバーし、不具合が生ずるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記のような課題に鑑み、なされたものであり、不特定多数の者からの振込依頼であっても、振込先の口座名義に応じて、当該振込依頼を保留することで、振込が集中するのを回避できる振込集中回避システム及び振込集中回避システムの振込集中回避方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような課題を解決するため、本発明の振込集中回避システム及び振込集中回避方法は、以下のような特徴を備える。
【0009】
本発明の振込集中回避システムは、ユーザに操作される端末にネットワークを介して接続され、振込先口座への振込依頼を受け付ける振込受付システムと、前記振込受付システムにネットワークを介して接続され、振込処理を行う勘定系システムと、前記勘定系システムの負荷を監視する監視システムと、を備える振込集中回避システムであって、前記振込受付システムは、前記振込先口座の口座名義を示す口座名義情報に基づき、振込処理の繰り延べが可能か否かを判定する振込処理繰り延べ判定手段と、前記口座名義情報と、前記振込処理繰り延べ判定手段における当該口座名義情報に基づく判定の結果を示す繰り延べ判定情報と、を含む振込処理依頼情報を生成する振込処理依頼情報生成手段と、を備え、前記勘定系システムは、前記振込処理依頼情報を前記振込受付システムから受信し、当該振込処理依頼情報に基づき振込処理を行い、前記監視システムは、前記振込処理依頼情報に含まれる前記繰り延べ判定情報に応じて、前記振込処理依頼情報を一時的に蓄積する振込蓄積手段に記憶させ、前記勘定系システムが実行する当該振込処理依頼情報の前記振込処理を保留させることを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、振込集中回避システムは、ユーザに操作される端末にネットワークを介して接続され、振込先口座への振込依頼を受け付ける振込受付システムと、振込受付システムにネットワークを介して接続され、振込処理を行う勘定系システムと、勘定系システムの負荷を監視する監視システムと、を備える。振込受付システムにおいて、振込処理繰り延べ判定手段は、振込先口座の口座名義を示す口座名義情報に基づき、振込処理の繰り延べが可能か否かを判定する。振込処理依頼情報生成手段は、口座名義情報と、振込処理繰り延べ判定手段における当該口座名義情報に基づく判定の結果を示す繰り延べ判定情報と、を含む振込処理依頼情報を生成する。勘定系システムは、振込処理依頼情報を振込受付システムから受信し、当該振込処理依頼情報に基づき振込処理を行う。監視システムは、振込処理依頼情報に含まれる繰り延べ判定情報に応じて、振込処理依頼情報を一時的に蓄積する振込蓄積手段に記憶させ、勘定系システムが実行する当該振込処理依頼情報の振込処理を保留させる。
【0011】
本発明によれば、ある振込依頼における振込先口座の口座名義によって、振込処理の繰り延べが可能か否かを判定し、この判定結果に応じて、勘定系システムが実行する振込処理依頼情報の振込処理を保留できる。したがって、不特定多数の者からの振込依頼であっても、振込先の口座名義に応じて、当該振込依頼を保留することで、振込が集中するのを回避できる振込集中回避システムを提供できる。
【0012】
また、上記振込集中回避システムの発明は、さらに以下の特徴を備えることができる。前記振込受付システムの前記振込処理繰り延べ判定手段は、前記口座名義情報に予め設定されたキーワードが含まれるか否かを判定し、前記キーワードが含まれると判定した場合には、当該判定の結果を示す前記繰り延べ判定情報として繰り延べ可能情報を生成し、前記監視システムは、前記振込処理依頼情報に前記繰り延べ可能情報が含まれていた場合に、当該振込処理依頼情報を、前記振込蓄積手段に記憶させ、前記勘定系システムが実行する当該振込処理依頼情報の前記振込処理を保留させることを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、ある振込依頼における振込先の口座名義に予め設定されたキーワードが含まれていた場合に、勘定系システムが実行する当該振込処理依頼の振込処理を保留させることができる。
【0014】
ここで、例えば、義援金や寄付金等の語句が名義に含まれる口座には、例えば、大災害の後に、振込が集中する可能性がある。一方、このような義援金や寄付金の振込は、通常、振込処理が即時に行われることを要求されない。本発明によれば、例えば、時事の事情等により、予め設定した義援金や寄付金等の語句が名義に含まれる口座に振込依頼が集中したとしても、即時の処理が要求されない当該口座への振込を一時的に保留させる。これにより、勘定系システム全体におけるある期間において、振込が集中するのを回避し、勘定系システムの振込処理を実行する制御負担を軽減できる。
【0015】
また、上記振込集中回避システムの発明は、さらに以下の特徴を備えることができる。前記振込受付システムは、前記端末におけるユーザの操作により、振込処理の繰り延べを承認することを示す振込繰り延べ承認情報を受け付ける振込繰り延べ承認受付手段を、更に、備え、前記振込処理依頼情報生成手段は、前記振込繰り延べ承認情報を、更に、含む前記振込処理依頼情報を生成し、前記監視システムは、前記振込処理依頼情報に含まれる前記振込繰り延べ承認情報に応じて、前記振込処理依頼情報を前記振込蓄積手段に記憶させることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、振込受付システムによる、振込先の口座名義に予め設定されたキーワードが含まれるか否かの判定に加え、ユーザ自身に振込処理の繰り延べの承認を得て、勘定系システムが実行する、この承認を得た振込依頼の振込処理を保留させることができる。これにより、勘定系システム全体におけるある期間において、振込が集中するのを回避し、勘定系システムの振込処理を実行する制御負担を軽減できる。
【0017】
また、上記振込集中回避システムの発明は、さらに以下の特徴を備えることができる。前記監視システムは、前記勘定系システムが前記振込受付システムから受信した前記振込処理依頼情報の件数が、所定の閾値以上となった場合に、前記振込処理依頼情報を、前記振込蓄積手段に記憶させることを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、例えば、所定の閾値を勘定系システムの処理能力の8割の件数に設定し、振込依頼の件数がこの設定した件数に達するまでは全ての振込依頼を順次振込処理する。そして、振込依頼の件数がこの設定した件数に達した場合に、振込先の口座名義に予め設定されたキーワードが含まれる振込依頼を振込蓄積手段に記憶させる。これにより、勘定系システム全体におけるある期間において、振込が集中していない場合には順次振込処理を行い、振込が集中しそうな場合に振込が集中するのを回避し、勘定系システムの振込処理を実行する制御負担を軽減できる。
【0019】
また、上記振込集中回避システムの発明は、さらに以下の特徴を備えることができる。前記監視システムは、前記勘定系システムが前記振込受付システムから受信した前記振込処理依頼情報の件数が、第1閾値以上となった場合に、前記繰り延べ判定情報を含む前記振込処理依頼情報を、前記振込蓄積手段に記憶させ、更に、第1閾値以上となった後、前記振込処理依頼情報の件数が、第2閾値以下となった場合に、前記振込蓄積手段に記憶させた前記振込処理依頼情報を読み出し、前記勘定系システムに送信することを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、例えば、振込依頼の件数が第1閾値(例えば、勘定系システムの処理能力の8割の件数)に達するまでは全ての振込依頼を順次振込処理する。そして、振込依頼の件数がこの第1閾値に達した場合に、振込先の口座名義に予め設定されたキーワードが含まれる振込依頼を振込蓄積手段に記憶させる。そして、更に、振込依頼の増加が落ち着き、振込依頼の件数が第2閾値(例えば、勘定系システムの処理能力の5割の件数)以下となった場合に、振込蓄積手段に記憶させた振込依頼を読み出し、振込処理する。これにより、振込が集中しそうな場合に振込が集中するのを回避し、振込の集中が回避できた後に、一時的に保留した振込処理を行うので、勘定系システムの振込処理を安定させることができる。
【0021】
また、本発明は、以下のように、振込集中回避方法と捉えることも可能である。ユーザに操作される端末にネットワークを介して接続され、振込先口座への振込依頼を受け付ける振込受付システムと、前記振込受付システムにネットワークを介して接続され、振込処理を行う勘定系システムと、前記勘定系システムの負荷を監視する監視システムと、を備える振込集中回避システムが実行する振込集中回避方法において、前記振込受付システムが実行する方法は、前記振込先口座の口座名義を示す口座名義情報に基づき、振込処理の繰り延べが可能か否かを判定する振込処理繰り延べ判定段階と、前記口座名義情報と、前記振込処理繰り延べ判定段階における当該口座名義情報に基づく判定の結果を示す繰り延べ判定情報と、を含む振込処理依頼情報を生成する振込処理依頼情報生成段階と、を含み、前記勘定系システムが実行する方法は、前記振込処理依頼情報を前記振込受付システムから受信し、当該振込処理依頼情報に基づき振込処理を行う段階を含み、前記監視システムが実行する方法は、前記振込処理依頼情報に含まれる前記繰り延べ判定情報に応じて、前記振込処理依頼情報を一時的に蓄積する振込蓄積手段に記憶させ、前記勘定系システムが実行する当該振込処理依頼情報の振込処理を保留させる段階を含むことを特徴とする振込集中回避方法。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、不特定多数の者からの振込依頼であっても、振込先の口座名義に応じて、当該振込依頼を保留することで、振込が集中するのを回避できる振込集中回避システム及び振込集中回避システムの振込集中回避方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ構成には同じ番号(符号)を付している。
【0025】
まず、本発明の実施形態に係る振込集中回避システム1の概要について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る振込集中回避システム1の概要を示す図である。振込集中回避システム1は、ユーザの振込に関する操作を受け付ける端末10と、端末10とネットワークを介して接続され、振込先口座への振込依頼を受け付ける振込受付システム20と、振込受付システム20にネットワークを介して接続され、振込処理を行う勘定系システム30と、勘定系システム30の負荷を監視する監視システム40と、振込依頼の内容を示す情報である振込処理依頼情報を一時的に蓄積する振込蓄積データベース(以降、振込蓄積DBとも言う)45と、を備える。
【0026】
ここで、本実施形態の「端末」には、銀行や店舗に設置されるATM(Automated Teller Machine;現金自動預払機または自動取引装置)の他、ネットワークに接続可能な一般的な携帯端末やパーソナルコンピュータが含まれる。すなわち、本実施形態は、ユーザが端末の操作により、銀行のホームページ等で、自分の口座から他人の口座へ振り込むことができる、所謂インターネットバンキングにも適用することができる。
【0027】
図2は、本発明の実施形態に係る振込集中回避システム1が実行する振込集中回避処理の概要を示す図である。端末10は、ステップS1において、ユーザの操作により振込依頼を受け付ける。振込受付システム20は、ステップS2において、端末10より振込依頼を受け付け、当該振込依頼における振込先口座の口座名義に、予め設定されたキーワード(例えば、「義援金」)が含まれるか否かを判定する。
【0028】
振込受付システム20は、ステップS2で、振込先口座の口座名義に予め設定されたキーワードが含まれていた場合には、振込に関する情報を示す振込処理依頼情報に繰り延べ可能フラグをセットする。ここで、本実施形態において、振込処理依頼情報には、振込先の口座番号を示す振込先口座番号情報、振込先の口座名義を示す口座名義情報、振込金額を示す金額情報、振込人の名前を示す振込人情報等の振込処理に必要な情報に加え、ステップS2における振込受付システム20の判定の結果を示す繰り延べ判定情報が含まれる。また、繰り延べ判定情報とは、上記繰り延べ可能フラグがセットされているか否かの情報である。また、振込処理依頼情報には、ユーザの操作により、振込処理の繰り延べを承認することを示す振込繰り延べ承認フラグがセットされているか否かの情報である振込繰り延べ承認情報を含めることができる。
【0029】
勘定系システム30は、ステップS2で、振込先口座の口座名義に予め設定されたキーワードが含まれていない場合には、振込処理依頼情報を振込受付システム20から受信し、当該振込処理依頼情報に基づき振込処理を行う。
【0030】
監視システム40は、ステップS5において、繰り延べ可能フラグや振込繰り延べ承認フラグがセットされている振込処理依頼情報を、振込蓄積DB45に一時的に蓄積させ、勘定系システム30が実行する当該振込処理依頼情報の振込処理を保留させる。
【0031】
また、監視システム40は、例えば、勘定系システム30が振込受付システム20から受信した振込処理依頼情報の件数が、第1閾値(例えば、勘定系システム30の処理能力の8割の件数)以上となった場合に、繰り延べ可能フラグや振込繰り延べ承認フラグがセットされている振込処理依頼情報を、振込蓄積DB45に記憶させてもよい。そして、更に、第1閾値以上となった後、振込処理依頼情報の件数が、第2閾値(例えば、勘定系システム30の処理能力の5割の件数)以下となった場合に、振込蓄積DB45に記憶させた振込処理依頼情報を読み出し、勘定系システム30に送信してもよい。
【0032】
これにより、振込集中回避システム1は、ある振込依頼における振込先口座の口座名義によって、振込処理の繰り延べが可能か否かを判定し、この判定結果に応じて、勘定系システム30が実行する当該振込処理依頼情報の振込処理を一時的に保留できる。したがって、不特定多数の者からの振込依頼であっても、振込先の口座名義に応じて、当該振込依頼を保留することで、振込が集中するのを回避できる込集中回避システムを提供できる。
【0033】
次に、本発明の実施形態に係る振込集中回避システム1の機能構成について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る振込集中回避システム1の機能ブロックを示す図である。
【0034】
端末10は、入出力手段101と、端末制御手段102と、を備える。入出力手段101は、例えば、タッチパネルで構成され、端末制御手段102に制御され、振込に関する情報を入力する振込依頼画面を表示し、当該振込依頼画面において、ユーザの操作(例えば、振込先口座名義の入力)を受け付ける。
【0035】
端末制御手段102は、入出力手段101に振込依頼画面を表示する制御を行う。
図4は、本発明の実施形態に係る入出力手段101に表示される振込依頼画面の一例を示す図である。
図4に示す振込依頼画面は、振込に関する基本情報である、振込先口座番号、振込先口座名義、振込金額、振込人等の入力を、ユーザに促す画面である。
【0036】
図3に戻って、端末制御手段102は、入出力手段101において入力された振込先の口座番号、口座名義、振込金額、振込人の名前等の情報を含む振込処理依頼情報を振込受付システム20に送信する。
【0037】
振込受付システム20は、振込依頼受付手段201と、振込処理繰り延べ判定手段202と、振込繰り延べ承認受付手段203と、振込処理依頼情報生成手段204と、振込処理依頼情報送信手段205と、キーワードデータベース(以降、キーワードDBとも言う)210と、を備える。振込依頼受付手段201は、端末10の端末制御手段102から振込処理依頼情報を受信する。
【0038】
振込処理繰り延べ判定手段202は、振込依頼受付手段201が受信した振込処理依頼情報に含まれる口座名義情報に基づき、振込処理の繰り延べが可能か否かを判定する。詳細には、振込処理繰り延べ判定手段202は、振込依頼受付手段201が受信した振込処理依頼情報に含まれる口座名義情報に予め設定されたキーワードが含まれるか否かを判定する。具体的には、振込処理繰り延べ判定手段202は、予め設定されたキーワードが記憶されたキーワードDB210を参照し、キーワードDB210に記憶されたキーワードが口座名義情報に含まれるか否かを判定する。
【0039】
図5は、本発明の実施形態に係るキーワードDB210を説明する図である。
図5に示すように、キーワードDB210には、あるテーマに関連する複数のキーワードが記憶されている。例えば、
図5に示す例では、災害からの復興を支援する義援金に関連するキーワードが記憶されている。なお、本実施形態において、キーワードDB210には義援金に関連するキーワードが記憶されているが、これに限らず、キーワードDB210には振込が集中するおそれがある口座名義に関連するキーワードであれば、任意のキーワードを記憶しておくことができる。また、キーワードDB210に記憶されたキーワードは、随時変更可能である。
【0040】
図3に戻って、振込処理繰り延べ判定手段202は、振込依頼受付手段201が受信した振込処理依頼情報に含まれる口座名義情報に、キーワードDB210に記憶されたキーワードが含まれると判定した場合には、当該判定の結果を示す繰り延べ判定情報として繰り延べ可能情報を生成する。
【0041】
また、振込処理繰り延べ判定手段202は、振込依頼受付手段201が受信した振込処理依頼情報に含まれる口座名義情報に、キーワードDB210に記憶されたキーワードが含まれると判定した場合には、所定キーワード含有情報を端末10に送信する。
【0042】
端末10の端末制御手段102は、所定キーワード含有情報を受信した場合、入出力手段101に、振込が所定のテーマ(例えば、義援金)に関する振込であることをユーザに確認するユーザ確認画面を表示する制御を行う。
図6は、本発明の実施形態に係る入出力手段101に表示されるユーザ確認画面の一例を示す図である。
図6に示すユーザ確認画面は、
図4に示す例においてユーザが入力した「お振込先口座名義」の「×××ギエンキン」に、
図5に示すキーワードDB210の「ギエンキン」が含まれていると振込処理繰り延べ判定手段202が判定したことにより、ユーザに義援金として振り込むことを確認するための画面として表示されている。
また、ユーザ確認画面には、所定のテーマとしての「義援金」であることを了解することを入力する了解ボタン110と、了解しないことを入力する拒否ボタン120と、が表示されている。
【0043】
端末制御手段102は、ユーザにより了解ボタン110が操作された場合、入出力手段101に、振込処理の繰り延べを承認するか否かをユーザに確認する繰り延べ承認画面を表示する制御を行う。
図7は、本発明の実施形態に係る入出力手段101に表示される繰り延べ承認画面の一例を示す図である。
図7に示すように、繰り延べ承認画面には、所定のテーマとしての「義援金」として振り込んだ場合、振込先に口座への入金が遅れる、即ち、振込処理が繰り延べする可能性があることが示されるとともに、振込処理の繰り延べを承認することを入力する承認ボタン130と、振込処理の繰り延べを承認しないことを入力する戻るボタン140と、が表示されている。
【0044】
端末制御手段102は、ユーザにより承認ボタン130が操作された場合、振込受付システム20に、振込処理の繰り延べを承認することを示す振込繰り延べ承認情報を送信する。
【0045】
また、端末制御手段102は、ユーザにより戻るボタン140が操作された場合、再度、
図6に示すユーザ確認画面を入出力手段101に表示する制御を行う。そして、端末制御手段102は、ユーザにより
図6に示す拒否ボタン120が操作された場合、振込受付システム20に、振込処理の繰り延べを承認しないことを示す振込繰り延べ拒否情報を送信する。
【0046】
図3に戻って、振込繰り延べ承認受付手段203は、端末10の端末制御手段102から、振込処理の繰り延べを承認することを示す振込繰り延べ承認情報又は振込繰り延べ拒否情報を受け付ける。
【0047】
振込処理依頼情報生成手段204は、振込先口座番号情報、口座名義情報、金額情報、振込人情報と、振込処理繰り延べ判定手段202における当該口座名義情報に基づく判定の結果を示す繰り延べ判定情報と、振込繰り延べ承認受付手段203が受け付けた振込繰り延べ承認情報を含む振込処理依頼情報を生成する。具体的には、振込処理依頼情報生成手段204は、振込処理繰り延べ判定手段202が繰り延べ可能情報を生成した場合には、繰り延べ判定情報として、繰り延べ可能フラグをセットする。また、振込処理依頼情報生成手段204は、振込繰り延べ承認受付手段203が振込繰り延べ承認情報を受け付けた場合には、振込繰り延べ承認フラグをセットする。
【0048】
振込処理依頼情報送信手段205は、振込処理依頼情報生成手段204が生成した振込処理依頼情報を勘定系システム30に送信する。
【0049】
勘定系システム30は、振込依頼情報受信手段301と、振込処理実行手段302と、振込依頼格納データベース(以降、振込依頼格納DBとも言う)310と、を備える。振込依頼情報受信手段301は、振込受付システム20の振込処理依頼情報送信手段205から送信された振込処理依頼情報を受信し、振込依頼格納DB310に順次格納する。振込処理実行手段302は、振込依頼格納DB310から振込処理依頼情報を読み出し、当該振込処理依頼情報に基づき、振込先の口座に入金する処理を実行する。
【0050】
監視システム40は、振込依頼監視手段401と、保留可能振込依頼抽出手段402と、保留可能振込依頼蓄積手段403と、蓄積振込依頼呼出手段404と、を備える。
【0051】
振込依頼監視手段401は、勘定系システム30の処理負荷を監視する。具体的には、振込依頼監視手段401は、勘定系システム30の振込依頼格納DB310に格納された振込処理依頼情報の件数を監視する。詳細には、振込依頼監視手段401は、振込依頼格納DB310に格納された振込処理依頼情報の件数が、第1閾値(例えば、勘定系システム30の処理能力の8割の件数)以上か否かを、例えば、所定間隔で判定する。また、振込依頼監視手段401は、振込依頼格納DB310に格納された振込処理依頼情報の件数が、第1閾値以上と判定した後、第2閾値以下となったか否かを判定する。
【0052】
保留可能振込依頼抽出手段402は、振込依頼監視手段401において、振込依頼格納DB310に格納された振込処理依頼情報の件数が第1閾値以上と判定された場合に、振込依頼格納DB310に格納された振込処理依頼情報のうち、振込繰り延べ承認フラグや繰り延べ可能フラグがセットされている振込処理依頼情報を抽出する。なお、保留可能振込依頼抽出手段402は、例えば、振込繰り延べ承認フラグがセットされている振込処理依頼情報を優先的に抽出し、その後、繰り延べ可能フラグのみがセットされている振込処理依頼情報を抽出してもよい。
【0053】
保留可能振込依頼蓄積手段403は、保留可能振込依頼抽出手段402が抽出した振込処理依頼情報を振込依頼格納DB310から削除し、当該振込処理依頼情報を一時的に蓄積する振込蓄積DB45に記憶させる。
【0054】
蓄積振込依頼呼出手段404は、振込依頼監視手段401において、振込依頼格納DB310に格納された振込処理依頼情報の件数が、第1閾値以上と判定した後、第2閾値以下となったと判定された場合に、振込蓄積DB45に記憶させた振込処理依頼情報を読み出し、勘定系システム30に送信する。勘定系システム30の振込依頼情報受信手段301は、蓄積振込依頼呼出手段404から送信された振込処理依頼情報を受信し、振込依頼格納DB310に順次格納する。
【0055】
なお、この場合、振込依頼監視手段401は、振込依頼格納DB310に格納された振込処理依頼情報の件数が、第2閾値以下と判定した後、第3閾値(例えば、勘定系システム30の処理能力の7割の件数)以上となったか否かを判定してもよい。そして、蓄積振込依頼呼出手段404は、振込依頼監視手段401において、振込依頼格納DB310に格納された振込処理依頼情報の件数が、第3閾値以上と判定された場合に、振込蓄積DB45に記憶させた振込処理依頼情報を読み出し、勘定系システム30に送信するのを停止してもよい。また、振込依頼格納DB310に格納された振込処理依頼情報は、例えば、勘定系システム30の処理負荷が低減したときに、全件、バッチ処理してもよい。
【0056】
なお、
図3に示した機能ブロックは、あくまでも一例であり、一つの機能部を分割したり、複数の機能部をまとめて一つの機能部として構成してもよい。端末や各システムも一台とは限らず、複数台であってもよい。各機能部は、端末や各システムに内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only
Memory)またはハードディスク等の記憶装置に格納されたコンピュータ・プログラムを読み出し、CPUにより実行されるコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わない。
【0057】
次に、本発明の実施形態に係る振込集中回避システム1における振込集中回避処理について説明する。
図8は、本発明の実施形態に係る振込集中回避システム1が実行する振込集中回避処理のうち、振込受付システム20が実行する処理を説明する図である。
【0058】
ステップS21において、振込依頼受付手段201は、端末10の端末制御手段102から振込処理依頼情報を受信する。
【0059】
ステップS22において、振込処理繰り延べ判定手段202は、キーワードDB210を参照し、キーワードDB210に記憶された所定のキーワードが、ステップS21で受信した振込処理依頼情報の口座名義情報に含まれるか否かを判定する。振込受付システム20は、所定のキーワードが含まれていた場合にはステップS23に処理を移し、所定のキーワードが含まれていない場合にはステップS27に処理を移す。
【0060】
ステップS23において、振込処理繰り延べ判定手段202は、ステップS22の判定の結果を示す繰り延べ判定情報として繰り延べ可能情報を生成する。また、本ステップにおいて、振込処理繰り延べ判定手段202は、所定キーワード含有情報を端末10に送信する。
【0061】
ステップS24において、振込受付システム20は、振込繰り延べ承認受付手段203において、端末10の端末制御手段102から、振込処理の繰り延べを承認することを示す振込繰り延べ承認情報を受け付けた場合には、ステップS25に処理を移し、振込繰り延べ拒否情報を受け付けた場合には、ステップS26に処理を移す。
【0062】
ステップS25において、振込処理依頼情報生成手段204は、繰り延べ可能フラグ及び振込繰り延べ承認フラグをセットする。ステップS26において、振込処理依頼情報生成手段204は、繰り延べ可能フラグのみをセットする。
【0063】
ステップS27において、振込処理依頼情報生成手段204は、振込処理依頼情報を生成する。ステップS28において、振込処理依頼情報送信手段205は、ステップS27で振込処理依頼情報生成手段204が生成した振込処理依頼情報を勘定系システム30に送信する。そして、勘定系システム30は、振込処理依頼情報送信手段205から送信された振込処理依頼情報を受信し、振込依頼格納DB310に順次格納し、振込処理を実行する。
【0064】
図9は、本発明の実施形態に係る振込集中回避システム1が実行する振込集中回避処理のうち、監視システム40が実行する処理を説明する図である。
【0065】
ステップS41において、振込依頼監視手段401は、振込依頼格納DB310に格納された振込処理依頼情報の件数が、第1閾値以上か否かを判定する。監視システム40は、当該振込処理依頼情報の件数が、第1閾値以上と判定した場合には、ステップS42に処理を移し、第1閾値以上と判定しない場合には、ステップS41に処理を戻す。
【0066】
ステップS42において、保留可能振込依頼抽出手段402は、振込依頼格納DB310に格納された振込処理依頼情報のうち、振込繰り延べ承認フラグや繰り延べ可能フラグがセットされている振込処理依頼情報を抽出する。
ステップS43において、保留可能振込依頼蓄積手段403は、ステップS42で保留可能振込依頼抽出手段402が抽出した振込処理依頼情報を振込依頼格納DB310から削除し、当該振込処理依頼情報を一時的に蓄積する振込蓄積DB45に記憶させる。
【0067】
ステップS44において、振込依頼監視手段401は、振込依頼格納DB310に格納された振込処理依頼情報の件数が、第2閾値以下となったか否かを判定する。監視システム40は、当該振込処理依頼情報の件数が、第2閾値以下と判定した場合には、ステップS45に処理を移し、第2閾値以下と判定しない合には、ステップS42に処理を戻す。
【0068】
ステップS45において、蓄積振込依頼呼出手段404は、振込蓄積DB45に記憶させた振込処理依頼情報を読み出し、勘定系システム30に送信する。そして、勘定系システム30は、蓄積振込依頼呼出手段404から送信された振込処理依頼情報を受信し、振込依頼格納DB310に順次格納し、振込処理を実行する。
【0069】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。