特許第5943360号(P5943360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5943360手持ち式の工作機械と、研削ディスクとを備えたアッセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5943360
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】手持ち式の工作機械と、研削ディスクとを備えたアッセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B24B 23/02 20060101AFI20160621BHJP
【FI】
   B24B23/02
【請求項の数】16
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-240355(P2014-240355)
(22)【出願日】2014年11月27日
(65)【公開番号】特開2015-104802(P2015-104802A)
(43)【公開日】2015年6月8日
【審査請求日】2014年11月27日
(31)【優先権主張番号】10 2013 113 202.2
(32)【優先日】2013年11月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514303776
【氏名又は名称】ロディウス シュライフヴェアクツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】RHODIUS Schleifwerkzeuge GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【復代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ゲラルト リヒター
【審査官】 小川 真
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−504136(JP,A)
【文献】 実公昭47−002467(JP,Y1)
【文献】 特開昭57−144661(JP,A)
【文献】 英国特許出願公告第325155(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 23/02
B24B 49/12
B24D 5/00
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ち式の工作機械(1)と、研削ディスク(9)とを備えたアッセンブリであって、工作機械(1)が、
ハウジング(2)と、
該ハウジング(2)に支承部材を介して支承された駆動軸(3)と、
該駆動軸(3)を駆動するための駆動ユニット(4)と、
それぞれハウジング(2)に固く取り付けられた複数のグリップ(6,7)と、
駆動軸(3)に研削ディスク(9)を取り付けるための取付け手段と
を有しており、
前記アッセンブリが、さらに、
研削ディスク(9)の目下の直径または直径変化を検知するために適した少なくとも1つのディスク特性(E)を検出するためのセンサ手段(10)と、
検出されたディスク特性(E)に関連して回転数目標値(U)を発生させるために調整された評価手段(5)と
を備えているアッセンブリにおいて、
ディスク特性(E)として、研削ディスク(9)に、縮径によって変化するコード化されたマーキング(11)が設けられていることを特徴とする、手持ち式の工作機械と、研削ディスクとを備えたアッセンブリ。
【請求項2】
センサ手段が、光学式のセンサ(10)または画像検出ユニットである、請求項1記載のアッセンブリ。
【請求項3】
マーキング(11)が、光学的に検出可能である、請求項1または2記載のアッセンブリ。
【請求項4】
光学的に検出可能なマーキング(11)が、研削ディスク(9)に二次元的に被着されている、請求項記載のアッセンブリ。
【請求項5】
マーキング(11)が、半径方向に整列させられたバーコードである、請求項1からまでのいずれか1項記載のアッセンブリ。
【請求項6】
マーキング(11)が、研削ディスク(9)の半径方向のそれぞれ異なる位置に設けられた複数の要素を有している、請求項1からまでのいずれか1項記載のアッセンブリ。
【請求項7】
前記手持ち式の工作機械(1)がアングルグラインダである、請求項1から6までのいずれか1項記載のアッセンブリ。
【請求項8】
手持ち式の工作機械(1)の回転数を制御する方法であって、該方法が、
手持ち式の工作機械(1)に組み付けられた研削ディスク(9)の目下の直径の検知を可能とする少なくとも1つのディスク特性(E)を検出する方法ステップと、
検出されたディスク特性(E)に関連して回転数目標値(U)を発生させる方法ステップと
を有している、手持ち式の工作機械の回転数を制御する方法において、
ディスク特性(E)として、センサ(10)を用いて、研削ディスク(9)に被着された、該研削ディスク(9)の摩滅による縮径によって変化するコード化されたマーキング(11)を検出することを特徴とする、手持ち式の工作機械の回転数を制御する方法。
【請求項9】
ディスク特性(E)を研削ディスク(9)から直接認知する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
ディスク特性(E)として、光学式のセンサ(10)を用いて、研削ディスク(9)の外側輪郭の位置を検知する、請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
マーキング(11)を光学式のセンサ(10)を用いて検出する、請求項8から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
直径の検知時にかつ/または目標回転数(U)の算出時にユーザ入力を考慮する、請求項8から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
組み付けられた研削ディスク(9)の種類をセンサ(10)を用いて検知して、直径(D)の検知時にかつ/または目標回転数(U)の算出時に考慮する、請求項8から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
研削ディスク(9)の種類をマーキング(11)に基づき識別する、請求項8から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
研削ディスク(9)の規定通りの使用によって、半径方向外側に位置するマーキング(11)の要素を消失させる、請求項8から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
請求項1から7までのいずれか1項記載のアッセンブリの工作機械(1)を制御するための、請求項8から15までのいずれか1項記載の方法の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手持ち(案内)式の工作機械、特にアングルグラインダと、研削ディスク(研削砥石)、特に切断ディスクまたは荒削りディスクとを備えたアッセンブリであって、工作機械が、ハウジングと、該ハウジングに支承部材を介して支承された駆動軸と、該駆動軸を駆動するための駆動ユニットと、それぞれハウジングに固く取り付けられた複数のグリップと、駆動軸に研削ディスクを取り付けるための取付け手段とを有しているアッセンブリに関する。
【0002】
さらに、本発明は、手持ち式の工作機械、特にアングルグラインダの回転数を制御する方法、特に前述したアッセンブリを制御する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
このようなアッセンブリによって、ワークピースを切削加工することができる。このためには、工作機械、特にアングルグラインダに、たとえば切断ディスクまたは荒削りディスクが取り付けられる。各ディスクには、このディスクを運転すべき最適な回転数がそれぞれ規定されている。この最適な回転数は、研削ディスクの最適な周速度と直径とから求められる。理想的には、これまでは、一定に保たれたディスク直径が起点となっている。しかしながら、実際のところ、ある程度摩滅して、これに付随して縮径した後では、正確に調整された回転数にもかかわらず、最適な周速度はもはや得られない。
【0004】
この根本的な問題は、すでに、解決手段の対象であった。ドイツ民主共和国特許出願公開第142308号明細書には、研削ディスクの周速度を調整するための切換装置が記載されている。使用時に生じる研削ディスクの縮径は、冷却のために働くウォータノズル追動部材の位置を介して検出される。したがって、周速度の調整は、ウォータノズル追動部材に関連している。しかしながら、この方法は手持ち式の工作機械に適していない。なぜならば、この手持ち式の工作機械がウォータノズル追動部材を有していないからである。また、ドイツ民主共和国特許出願公開第104745号明細書でも、研削ディスク直径を補償するための解決手段が提供されている。この解決手段は、確かに、定置の工作機械には適用可能であるが、しかしながら、手持ち式の工作機械、特にアングルグラインダには適用不能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ民主共和国特許出願公開第142308号明細書
【特許文献2】ドイツ民主共和国特許出願公開第104745号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の根底にある課題は、周速度の調整を、研削ディスクの摩耗を考慮して、手持ち式の工作機械、特にアングルグラインダにも適用することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明に係るアッセンブリでは、該アッセンブリが、さらに、研削ディスクの目下の直径または直径変化を検知するために適した少なくとも1つのディスク特性を検出するためのセンサ手段と、検出されたディスク特性に関連して回転数目標値を発生させるために調整もしくは構成された評価手段とを備えている。
【0008】
本発明に係るアッセンブリの好ましい態様では、センサ手段が、光学式のセンサ、特に光スキャナまたは画像検出ユニットである。
【0009】
本発明に係るアッセンブリの好ましい態様では、ディスク特性として、研削ディスクに、縮径によって変化する、特に光学的に検出可能なコード化されたマーキングが設けられている。
【0010】
本発明に係るアッセンブリの好ましい態様では、光学的に検出可能なマーキングが、研削ディスクに二次元で被着されている。
【0011】
さらに、前述した課題を解決するために、本発明に係る方法では、該方法が、手持ち式の工作機械に組み付けられた研削ディスクの目下の直径を検知することができる少なくとも1つのディスク特性を検出する方法ステップと、検出されたディスク特性に関連して回転数目標値を発生させる方法ステップとを有している。
【0012】
本発明に係る方法の好ましい態様では、ディスク特性を研削ディスクから直接認知する。
【0013】
本発明に係る方法の好ましい態様では、ディスク特性として、光学式のセンサを用いて、研削ディスクの外側輪郭の位置を検知する。
【0014】
本発明に係る方法の好ましい態様では、ディスク特性として、特に光学式のセンサを用いて、研削ディスクに被着された、該研削ディスクの摩滅により併せて変化するマーキング、特にバーコードを検出する。
【0015】
本発明に係る方法の好ましい態様では、直径の検知時にかつ/または目標回転数の算出時にユーザ入力を考慮する。
【0016】
本発明に係る方法の好ましい態様では、組み付けられた研削ディスクの種類をセンサを用いて検知して、直径の検知時にかつ/または目標回転数の算出時に考慮する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の骨子は、特に主として研削ディスクそれ自体をセンサで検出し、その際に検出された(1つ以上の)ディスク特性を目下のディスク直径の検知のために利用することにある。これにより検知されたディスク直径から、公知の形式で、最適な回転数、つまり、回転数目標値を算出することができる。すなわち、公知の方法と異なり、目下のディスク直径を検知するために、定置の工作機械の、縮径から間接的にしか得られない調整量は利用されない。むしろ、ディスクそれ自体の、このディスクがそれ自体に自己支持している特性が検査される。この特性によって、ディスク直径もしくは摩滅の所要の推測が可能となる。したがって、センサ機構はディスクに直に向けられていて、すでに公知の解決手段のように、工作機械の部材(たとえばウォータノズル追動部材)には向けられていない。
【0018】
好ましくは、センサ手段として、光学式のセンサ、特に光スキャナまたは画像検出ユニットが設けられている。このようなセンサは、研削ディスクの外側の輪郭の位置を検知することができ、その際、たとえばフォトインタラプタに類似して作用することができる。この場合、センサに対する外側の輪郭の相対位置と、回転軸線に対するセンサの相対位置とから、ディスクの直径を検知することができる。しかし、多少なりとも複雑な画像検出が提供されてもよい。この画像検出では、少なくとも研削ディスクの、ディスクの直径を検知する領域から、1つ以上の写真が撮影される。
【0019】
しかし、基本的には、目下の直径を明確に数値として算出しかつ提供することは不要である。検知されたディスクの特性から縮径を導き出すことができれば十分である。
【0020】
好適な態様では、センサ手段によって検出されるディスク特性として、研削ディスクに、縮径によって変化するコード化されたマーキング、特に光学的に検出可能なマーキングが設けられている。このマーキングは、ディスクの半径方向のそれぞれ異なる位置に設けられた複数の要素を有していてよい。特に規定通りの使用に基づくディスクの摩滅によって、その後、このディスクと共に、半径方向外側に位置するマーキングの要素が消え失せ、もはや、マーキングの要素が、半径方向内側に位置する領域にしか残っていない。外側に位置する要素の消失によって、マーキングそれ自体の完全状態が変化している。これによっても、ディスク直径の検知が可能となる。
【0021】
このような光学的に検出可能なマーキングは、研削ディスクに二次元でかつ/または三次元で被着されていてよい。二次元のマーキングに対する例として、半径方向に整列させられたバーコードを使用することができる。三次元のマーキングも、たとえばバーコードによって形成されていてよい。付加的には、コードのバーが、軸方向のそれぞれ異なる位置に存在している。この場合には、バーが、ディスク平面に対して、それぞれ異なる高さ位置に位置している。こうして、研削ディスクの表面にレリーフが形成される。
【0022】
しかし、最適な回転数の算出またはその他の確定のためには、直径だけが重要ではない。むしろ、原則として、それぞれ異なる種類の研削ディスクに対して、算出の根底に置かれなければならないそれぞれ1つの最適な速度値が割り当てられている。1つには、ユーザ入力によって定格回転数を入力することが可能となる。定格回転数とは、たとえば製造者により記載された最適な呼び回転数を意味している。この回転数は、特に新品のディスクの場合に利用することができる。上述した方法による調整は、検知されたディスク特性に基づき、ディスク直径が摩耗によって縮径されたことが明らかとなった場合、必要に応じて、定格回転数を起点として機械の目標回転数を増加させる。
【0023】
別の好適な態様では、組み付けられた研削ディスクの種類が、センサを用いて検知される。こうして検知された種類は、その後、直径の検知時にかつ/または目標回転数の算出時に考慮される。この場合、特に光学式のセンサを介して、特にディスクに被着されたバーコードを検出することが適している。このバーコードはディスクの種類を一義的に識別することができる。工作機械のメモリユニットには、種々異なる研削ディスクに対して、それぞれ1つの定格回転数が割り当てられていてよい。特にバーコードを介して、1つには、研削ディスクの種類の識別が実現され、もう1つには、上述した方法により、摩滅もしくは縮径の検知が実施される。
【0024】
好ましくは、工作機械は、特に研削ディスクの側の高い負荷が研削ディスクを制動する場合でも、駆動軸を回転数目標値に相応して回転させるために働く回転数調整装置を有している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】研削ディスクが組み付けられた市販の工作機械を示す図である。
図2a】新しい研削ディスクを備えた本発明の第1の実施の形態に係るアッセンブリの構造を概略的に示す図である。
図2b】摩滅した研削ディスクを備えた本発明の第1の実施の形態に係るアッセンブリの構造を概略的に示す図である。
図3a】二次元のマーキングが印刷された新しい状態の研削ディスクを示す図である。
図3b】二次元のマーキングが印刷された摩滅した状態の研削ディスクを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明を実施するための形態を図面につき詳しく説明する。
【0027】
図1には、アングルグラインダ1の形態の公知の工作機械が示してある。この公知の工作機械は、複数のグリップ6,7を備えたハウジング2を有している。作業過程の間、使用者は両手でグリップ6,7において工作機械1を案内する。さらに、この工作機械1は、ハウジング2内に支承された駆動軸3を有している。この駆動軸3には、荒削りディスク9が取り付けられている。工作機械1は給電線路8を介して電気的なエネルギを獲得する。しかし、このような工作機械は別のエネルギ担体によって、たとえば空圧式にまたは液圧式に駆動されてもよい。「ハウジング」という概念は広義に解釈することができ、工作機械の内部の支持構造も含めることができる。
【0028】
図2には、工作機械1を備えた本発明の第1の実施の形態に係るアッセンブリの概略的な構造が示してある。この実施の形態において使用されている工作機械1は、概ね図1に示した公知のアングルグラインダ1で形成されてよい。給電線路8を介して電気的なエネルギが供給され、駆動軸3と、この駆動軸3に組み付けられた研削ディスク9とを、設定された回転数Uで駆動する駆動モータ4を認めることができる。研削ディスク9、特に切断ディスクおよび荒削りディスクは、原則として、規定された回転数である定格回転数(定格速度)に対して最適化されている。確かに、最適な運転状態は、たいてい単位「回転数」で記載される。しかし、この運転状態は、ディスクの外周において測定される最適な周速度から明らかとなる。ディスクの直径が変化すれば、厳密に言うと、ディスクを使用することができる最適な回転数も変化することになる。このことは、従来、アングルグラインダでは特に考慮されなかった。
【0029】
駆動ユニット4は制御ユニット5によって制御される。この制御ユニット5は回転数目標値Uを駆動ユニット4に送出する。この駆動ユニット4は、万が一の負荷変化に左右されずに駆動軸を回転数目標値Uで回転させるために働く回転数調整装置を有している。目標回転数Uの算出には、ディスクのディスク特性Eを検出するセンサ10によって大きな影響が与えられる。本形態では、このセンサが、光スキャナのようにディスク9の外側輪郭を走査する光学式のセンサ10として形成されている。図2aには、ディスク9が新品の状態で示してある。光学式のセンサ10から出射された光線は全てディスク9に衝突する。また、光線は全て反射されてディスク9から再び戻され、センサ10によって認識される。すなわち、このセンサ10は、主として、完全な研削ディスク9を認識する。つまり、外周面に摩耗は存在していない。回転数の適合はまだ不要である。
【0030】
図2bには、研削ディスク9の直径が、図2aに比べて縮径されていることを認めることができる。もはや、全ての光線が研削ディスク9に衝突して、この研削ディスク9によって反射されるわけではない。したがって、ディスク9の外側輪郭が、より内側に配置されていることが認識される。その後、相応の情報Eが制御ユニット5に送出され、この制御ユニット5が評価を行う。次いで、周速度が再び最適な値に調整されるように、制御ユニット5が、増加させられた目標回転数Uを駆動ユニット4に送出する。こうして、摩滅にもかかわらず、研削ディスクの外周における周速度が一定に保たれる。
【0031】
図3に基づき、研削ディスクに設けられた可能なマーキングを説明する。このマーキングは、たとえば図2にも示したような光学式のセンサによって認識することができる。研削ディスク9は、半径方向内側から外側に向かって延在するバーコード11を有している。このバーコード11は周縁部12にまで延在している。図3aには、新品のディスクが示してある。図3bには、直径が縮径された摩耗したディスクが示してある。この摩耗したディスクの場合、バーコード11の一番外側のバーは、研削ディスク9の外側の領域と共に消え失せていて、全体的に変化したバーコード11’が生じている。このバーコード11’は光学式のセンサ10によって検出することができ、相応に評価することができる。
【0032】
さらに、図3に示したバーコード11を介して、研削ディスクの種類を検知することができる。この場合、工作機械1のメモリユニットには、ディスク特性の変化が回転数の変化にどのように換算されなければならないのかが格納されていてよい。
【符号の説明】
【0033】
1 アングルグラインダ
2 ハウジング
3 駆動軸
4 駆動ユニット
5 制御ユニット
6 第1のグリップ
7 第2のグリップ
8 給電線路
9 研削ディスク
10 光学式のセンサ
11 バーコード
12 周縁部
U 目標回転数
E ディスク特性
図1
図2a
図2b
図3a
図3b