(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記シャッター手段は、上記開口部の上辺側に設置した巻取り用ドラムと、この巻取り用ドラム内に収納され、この巻取り用ドラムから開口部の下辺側へ展開することが可能に設けられた遮蔽シートとで構成され、
上記吹出し口は、少なくとも開口部の下辺又は遮蔽シートの下縁部の長手方向両側に配置されたことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の虫侵入阻止機能付きシャッター機構。
【背景技術】
【0002】
建物等の出入口からその内部への昆虫等虫類の侵入を阻止する技術として次のようなものが知られている。その1は、シャッター部と、吸込口と吹出口を有し相対向する水平方向のエアカーテン流を形成するエアカーテン装置とを備え、シャッターの閉鎖時にシャッター部に付着した昆虫類を払い落とすために、吹出口からの噴流をシャッター面に吹き付け、その後、吹出口を水平方向に旋回させて、水平方向に互いに対向する平行なエアカーテン流を形成してシャッターを開放し、終業時のシャッター閉鎖時には、吹出口を初期位置に移動させるというものである(特許文献1)。
その2は、出入口の遮蔽シート等の間仕切りと、間仕切り上方のエア吹出し装置とを備え、間仕切り開放に先立ち、間仕切りへ虫侵入阻止用エアを吹き付けることで、間仕切り外面およびその外面周辺にとまっている昆虫を排除した後、間仕切り外方へエアカーテンを形成し、次いで間仕切りを開放するよう設けたものである(特許文献2)。
その3は、室内空間への出入口に通路空間を形成し、この通路空間の左右側壁の一方の上下両部にエア吹出口を、他方の上下両部にエア吸引口を、それぞれ設けて、通路空間を左右に横断するエアカーテン気流で遮蔽することにより虫等の侵入を阻止するというものである(特許文献3)。
なお、遮蔽シートやエアカーテンを使用するものではないが、虫類を排除するその他の技術として、虫類誘引能力を有する発光体と、室内側から室外側へ向かうエア流を形成するための送風機とを備え、送風機の作動により発光体周囲の飛翔虫を室外へ排除するものがある(特許文献4、5、6)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来技術のその1およびその2では、たしかに人や物の出入に際し、遮蔽シートを開放する際の昆虫等の侵入は阻止できるが、遮蔽シートの閉塞時には昆虫等の侵入を阻止することは困難である。シートシャッターに限らず一般に遮蔽部材を用いた開閉設備では必ず遮蔽部材の下端、特に遮蔽部材下端の左右両側と開口側面との間に隙間が生じるが、この隙間は外部からの昆虫の建物内部への侵入経路となりやすいからである。なお、このような開閉設備では、遮蔽部材下端の左右両側と開口側面との隙間についで遮蔽部材の開閉用のレール部分や、巻き取り後の遮蔽部材を格納するシャッターボックスも昆虫の通過箇所となりやすい。
また、従来技術のその3では、エアカーテンの稼働中は出入口から室内空間内への虫等の侵入を阻止することができるとしてもエアカーテン非稼働時には侵入を阻止し得ない。これを防止すべくあらかじめ出入口に遮蔽シートを設けておき、エアカーテンの非稼働時にこれを使用する場合にはその1及びその2と同様の課題が生じる。
なお、遮蔽シートやエアカーテンを使用することなく虫類を排除する上記従来技術は、室内に入った飛翔虫を室外に排除するためのもので、送風機は換気扇程度のものであり、製造現場での建物の出入口を介しての飛翔虫や歩行虫の建物内部への侵入は阻止し得ない。
【0005】
本発明の第1の目的は、建物等内部への昆虫等の侵入を阻止して、食品・医薬品の製造現場における昆虫異物等の製品への混入を防止する虫侵入阻止機能付きシャッター機構を提供することである。
【0006】
本発明の第2の目的は、吹出し口を給気ラインで構成することにより昆虫等の侵入阻止効果をより大にして、吹出し口への加圧エアの供給が簡素な構成で行える虫侵入阻止機能付きシャッター機構を提供することである。
【0007】
本発明の第3の目的は、屋内に開口する吸込み口から虫を吸い込こんで捕獲する昆虫捕獲用の誘引光源を備えた装置から排出するエアを有効利用できるとともに、この装置から排出するエアが昆虫捕獲の妨げとなることや建物等内部床面の埃や菌類を巻き上げたりすることを防止可能な虫侵入阻止機能付きシャッター機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
まず本発明の
基本的構成を説明する。基本的構成は、
隔壁で囲まれた閉鎖区画の出入口である開口部と、
この開口部内に展開することが可能に設置されたシャッター手段と、
この開口部の周辺部又は展開状態のシャッター手段の縁部のうち少なくとも一辺に設置された吹出し口を有し、この吹出し口から閉鎖区画の外方側へエアを噴出するように構成
されたエア噴出手段とを具備する虫侵入阻止機能付きシャッター機構である。
【0009】
本構成は、閉鎖区画3の開口部1を開閉自在に遮蔽するシャッター手段10の周辺部付近に閉鎖区画の外方側へエアを吹き出す吹出し口15bを設けたので、シャッター手段10の周辺部付近には閉鎖区画3外方へのエアの風圧が作用することとなって、この風圧により、シャッター手段10と開口部1との隙間から建物等内部へ入ろうとする飛翔性や歩行性の虫は開口部へ接近できない。
【0010】
第1の手段は、上記基本的構成を有し、かつ、上記開口部の側辺部の閉鎖区画の内方側に、虫を引き寄せる誘引光源と、この
誘引光源の近傍に設置された吸込み口及び当該吸込み口からエアとともに吸い込まれた虫を捕獲するための捕獲フィルタを備えた装置を有し、
この装置から排出するエアを、上記エア噴出手段に供給するように設け
られ、
上記誘引光源は開口部とシャッターの隙間から外部に光が漏れないように配置
されたことを特徴とする。
【0011】
本手段は、
図19に示すように、エアとともに虫を吸い込み捕獲フィルタ30aで捕獲する装置30から排出するエアを、閉鎖区画3の外方側へエアを噴出するエア噴出手段14に供給するように設けたから、装置30から排出するエアの処理が問題となることがない。
【0012】
第
2の手段は、
前記基本的構成を有し、かつ上記展開状態の遮蔽シートの真下の開口部分に、当該開口部分の下辺に沿って、上記吹出し口を有する給気ライン
が形成
されたことを特徴とする。
【0013】
本手段は、
図2に示すように、吹出し口15bは開口部1の下辺の両側以外の部分にも形成されることとなり、したがって、昆虫等の侵入阻止効果がより大である。
【0014】
第
3の手段は、
第1の手段又は第2の手段を有し、かつ上記シャッター手段は、上記開口部の上辺側に設置した巻取り用ドラムと、この巻取り用ドラム内に収納され、この巻取り用ドラムから開口部の下辺側へ展開することが可能に設け
られた遮蔽シートとで構成され、上記吹出し口は、少なくとも開口部の下辺又は遮蔽シートの下縁部の長手方向両側に配置されたことを特徴とする。
【0015】
本手段は、
図2、
図9、
図16、
図18および
図23に示すように、吹出し口15bは、少なくとも開口部1の下辺1b又は遮蔽シート12の下縁部の長手方向両側に配置されたから、特に遮蔽シート12と開口部1との間の長手方向両側の隙間gが生じ易い部分に風圧が作用するため、虫の侵入を効果的に阻止することができる。
【発明の効果】
【0016】
第1の手段
又は第2の手段に係る発明によれば、開口部の周辺部又は展開状態のシャッター手段の縁部のうち少なくとも一辺に設置された吹出し口を有し、この吹出し口から閉鎖区画の外方側へエアを噴出するように構成したから、外部からシャッター手段に接近する昆虫等は、吹出し口から噴出するエアの風圧によりシャッター手段と開口部との間に生じる隙間、シャッター手段の開閉用のレール部分およびシャッター手段巻取りドラムの通過箇所に侵入することができず、したがって、食品・医薬品の製造現場における昆虫異物等の製品への混入が防止される。
第
1の手段に係る発明によれば、エアとともに虫を吸い込んで捕獲フィルタで捕獲する装置から排出するエアを、閉鎖区画の外方側へエアを噴出するエア噴出手段に供給するように設けたから、装置から排出するエアを有効利用できるとともに、装置から排出するエアが昆虫捕獲の妨げとなることや建物等内部床面の埃や菌類を巻き上げたりすることが防止される。
第
2の手段に係る発明によれば、上記展開状態の遮蔽シートの真下の開口部分に、当該開口部分の下辺に沿って、上記吹出し口を有する給気ラインを形成したので、吹出し口は開口部の下辺の両側以外の部分にも形成されることとなり、したがって、昆虫等の侵入阻止効果がより大であるとともに、給気ラインは上下動する遮蔽シートではなく、開口部に固定されるため、給気ラインへのエアの供給が容易であり、したがって、構成を簡素にすることができる。
第
3の手段に係る発明によれば、吹出し口は、開口部の下辺の長手方向の少なくとも両側又は遮蔽シート下縁部の長手方向の少なくとも両側に配置されたから、特に昆虫等の内外通過路が生じ易い開口部の下辺の両側又は遮蔽シート下縁部の両側からエアが噴出することとなって、建物等内部への昆虫等の侵入阻止効果が大である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明に係る虫侵入阻止機能付きシャッター機構の概略を示すもので、開口部1と、シャッター手段10と、エア噴出手段14とから構成されている。なお、以下において、左右とは屋外正面(
図1(b))から見た方向を指すものとする。
【0020】
開口部1は、隔壁2(図面では正面側のみを示す)で囲まれた閉鎖区画3の出入口を形成するもので、その上辺1a側には後述の巻取りドラム11が設置され、下辺1bは床面と連続し、またその左右両側辺1c、1dにはガイドレール1eが設置されている。ガイドレール1eは横断面コ字状に形成されていて、その上端は
図2に示すように後述のシャッターケース11a下面に連結され、また下端は開口部1の下辺1bに達している。
【0021】
シャッター手段10は、
図2にも示すように、開口部1の上辺1aに設置された巻取りドラム11と、巻取りにより巻取り用ドラム11内に収納されるとともに、巻出しにより開口部1内の下辺1b側へ展開可能な遮蔽シート12とから構成されている。
【0022】
巻取りドラム11は、開口部1の左右両側辺1c、1d間に横架された、縦断面矩形状でかつ下面に遮蔽シート12の挿通口Pが形成されたシャッターケース11aと、シャッターケース11a内に回動自在に横架された左右方向(長手方向)への巻取りシャフト11bと、巻取りシャフト11bから巻き出された遮蔽シート12を摺動自在に支持する支持杆11cとから構成されている。上述のガイドレール1eはその上端が遮蔽シート12の挿通口Pの内外両側に連結されている。
【0023】
上述のシャッター手段10を構成する遮蔽シート12は巻取りシャフト11bに巻出し自在に巻き掛けられている。遮蔽シート12は可撓性を有する柔軟な材質からなり、その下端は
図2に示すように折り返されて中空部12aに形成されており、この中空部12aの底部に左右方向(長手方向)へ長い棒状の錘材12bが固着されている。棒状の錘材12bの左右両端部は中空部12aの左右両端から突出して開口部1の左右両側辺1c、1dに設置されたガイドレール1eへ摺動自在に嵌合されている。錘材12bは床面に対する遮蔽シート12の下端の密着性を高めるものであり、したがって遮蔽シート12下端を床面の形状に倣って追従するように着地させることができる材質、例えば鎖状の部材またはゲルないし粘土等の可塑性の素材がより好ましい。このように錘材12bとして棒状の部材を使用しない場合には、棒状部材のように中空部12aから突出させてガイドレール1eへ係合させるものがないため、遮蔽シート12下端の左右両端から係合片を突出させてガイドレール1eへ摺動自在に嵌合させる。なお遮蔽シート12の素材としては柔軟性を有するものに限らず、金属製で比較的重量の重いものでも使用可能である。
【0024】
本発明に係る虫侵入阻止機能付きシャッター機構の要素のうちの1つである上述のエア噴出手段14は床に設けられた給気ライン15で構成される。すなわち、給気ライン15は、開口部1の下辺1b上に床材16を設けて、この床材16の内外中央部を上方へ凸の弯曲状にすることで隆起部15a(モール部)に形成し、この隆起部15a(モール部)の屋外側の傾斜壁の左右両端部に、
図4にも示すような吹出し口15bを形成する。
【0025】
遮蔽シート12を閉鎖時に下方へ展開すると、
図5および
図6に示すように中空部12aの下部は吹出し口15bを含む隆起部15a(モール部)を覆うようにして着地するため、虫の侵入経路とはなりにくい。一方、遮蔽シート12の左右両側と開口部1の左右両辺1c、1dとの間には隙間が存在し、特に遮蔽シート12下端の左右両側と開口部1との間の隙間gは虫の侵入経路となりやすいが、隆起部15a(モール部)の左右両端部に設けられた吹出し口15bからエアが外方へ噴出するため、虫Mは風圧を受けて遮蔽シート12へ接近することができない。
【0026】
隆起部15a(モール部)内へは加圧エアが供給されるため、
図7に示すように、その左右両端は気密に閉塞される必要があり、そのため隆起部15a(モール部)の左右両端を開口部1の左右両側辺1c、1dに気密に接触させると共に、隆起部15a(モール部)の左右両端をシール材15fで閉塞させる。隆起部15a(モール部)内へのエアの供給は、開口部1を囲む隔壁2内に設置された加圧供給源(図示せず)に給気パイプ15eを連結して、これを隆起部15a(モール部)の一方のシール材15fへ貫通させて隆起部15a(モール部)内へ挿入することにより行う。なお、隆起部15a(モール部)を形成する床材16の素材としては耐荷重性を有する金属、硬質の合成樹脂等を用いる。
【0027】
上記では吹出し口15bは隆起部15a(モール部)の左右両端部に設けられているが、これに限定されることなく、
図8に示すように隆起部15a(モール部)の左右方向(長手方向)全長にわたって設けてもよい。なお、隆起部15a(モール部)の形状は弯曲状に限らず、上方へ凸であれば三角形状でも可能である。この場合も上記同様に遮蔽シート12の中空部12aの下部は隆起部15a(モール部)に接触してその形状(三角形状)に倣うように、いわばそれに追従するように変形して隆起部15a(モール部)を覆うため、中空部12aと隆起部15a(モール部)との間には殆ど隙間が生じない。このようにエア噴出手段14を給気ラインで構成する場合には、長手方向全長にわたって吹出し口を設けるにもかかわらず加圧供給源を隆起部15a(モール部)の一端ないし両端へ連結するだけであるから構成を簡素化することができる。
【0028】
次に作用について説明する。生産設備の稼働中には
図1、
図5および
図6に示すように、遮蔽シート12を下方へ展開して開口部1を閉鎖状態にしておき、隆起部15a(モール部)に加圧エアを供給して吹出し口15bからエアを常時噴出させておく。すると遮蔽シート12下端の左右両側と開口部1との間および遮蔽シート12下端と隆起部15a(モール部)との間に隙間が生じていても外部から開口部1に接近する虫は吹出し口15bから噴出するエアの風圧を受けて開口部1に接近できない。なお、搬出入時には遮蔽シート12は開放されるが、その際には開口部1に公知のエアカーテン装置を設けることで虫の侵入を阻止することができる。
【0029】
図9から
図15は第2実施形態を示す。
図2から
図8に示す第1実施形態ではエアを噴出する吹出し口15bを開口部1における下辺1bの床材16の隆起部15a(モール部)に設けたが、本実施形態では吹出し口15bを遮蔽シート12自体に設けた点で第1実施形態と異なる。すなわち、遮蔽シート12の下端部を中空部12aとし、かつ中空部12a内に錘材12bを設ける点は第1実施形態と同様であるが、中空部12a下端は平坦な床面に直接着地するため、床面への密着性向上の観点から中空部12aは上下に細長の縦断面楕円形状にして下端部に線荷重がかかるようにする。第1実施形態では遮蔽シート12は隆起部15a(モール部)に着地するため、着地前の中空部12aの形状を楕円形状にすることは任意であるが、本実施形態では上記観点からできるだけ楕円形状にすることが望まれる。
【0030】
さらに、本実施形態では、吹出し口15bは屋外側の中空部12a部分であって、中空部12a下端と床面(開口部1の下辺1b)との接触部にできるだけ近い位置で、かつ錘材12bによりエアの噴出が妨げられない位置に設ける。また吹出し口15bは
図10に示すように中空部12aの左右両端にのみ設けてもよく、または
図11に示すように中空部12aの長手方向(左右方向)全長にわたって設けてもよい。
【0031】
遮蔽シート12の中空部12a内には加圧エアが供給されるが、これは次のようにして行う。すなわち
図12に示すように、開口部1の左右両側辺1c、1dの下端部内に設置された加圧供給源15dに給気パイプ15eを連結して、その先端がガイドレール1eを貫通して中空部12aの左右両端面に対向するように配置しておき、給気パイプ15eからの加圧エアが中空部12a内へ噴出されるようにする。なお上記では給気パイプ15eは左右一対設けられているが、一方を省略してもよい。この場合には給気パイプ15eが省略された側の中空部12aの開口面を閉塞する。
【0032】
図12に示す上記加圧エアの供給手段は、給気パイプ15eからの加圧エアのすべてが中空部12a内に供給されることなく中空部12a外に漏れるため、これを防止する必要がある場合には、
図13に示すように中空部12aの開口面をシール材15fで閉塞して、給気パイプ15eをシール材15fへ貫通させることにより中空部12a内に挿入する。この場合には給気パイプ15eの先端部は遮蔽シート12の中空部12aに固定されるため、
図14に示すように給気パイプ15eを蛇腹等の伸縮自在な材料で適当な長さに形成して遮蔽シート12の上下動に追従させることが必要であり、また隔壁2内に給気パイプ15eが上下動するための空間を形成することが必要である。
【0033】
図12、
図13および
図14では、加圧エアを中空部12aの左右の端面から供給するようにしたが、これに限らず中空部12aの左右両端面を閉塞して中空部12aの屋内側部分の左右両端部に供給孔20を設けて、ここから中空部12a内に加圧エアを供給することも可能である。この場合には
図15に示すように、開口部1の左右両側辺1c、1dに設けられた図示しない加圧供給源に給気パイプ15eを連結してその先端を着地した遮蔽シート12の中空部12aの供給孔20に近接可能に設けておき、中空部12a内に供給した加圧エアを吹出し口15bおよび中空部12aの左右両端から噴出させる。中空部12a内に入らない漏れた加圧エアは中空部12a下端と床面との隙間から外部へ噴出するため虫に対する風圧となる。
【0034】
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、遮蔽シート12の閉鎖時に、遮蔽シート12下端の左右両側と開口部1との間および遮蔽シート12下端と開口部1の下辺1bとの間に隙間が生じていても、吹出し口15bから噴出するエアの風圧を受けて虫Mは開口部1に接近することができない。
【0035】
図16および
図17は第3実施形態を示す。
図2に示す第1実施形態ではエアを噴出する吹出し口15bを開口部1における下辺1bの床材16の隆起部15a(モール部)に設け、また
図9に示す第2実施形態では吹出し口15bを遮蔽シート12自体に設けたが、本実施形態では吹出し口15bを給気パイプ15eの噴口で構成して、図示しない加圧供給源に連結された給気パイプ15eの噴口を隙間gに向けて配置する。
【0036】
上記構成であるから遮蔽シート12の閉鎖時には、吹出し口15bからのエアが遮蔽シート12下端の左右両側と開口部1の左右両辺1c、1dとの間の隙間gを介して遮蔽シート12外方へ噴出するため、その風圧により虫Mは隙間gから屋内へ侵入することができない。その他の構成は
図9に示す第2実施形態と同様であるから説明を省略する。
【0037】
図18は第4実施形態を示す。
図16および
図17に示す第3実施形態では吹出し口15bを給気パイプ15eの噴口で構成したが、本実施形態では吹出し口15bを床面(開口部1の下辺1b)に設ける点で異なる。すなわち、開口部1の下辺1bの左右両側部の床内に屋内外方向への埋込管25を埋設し、その外方側の一端部を斜め上外方へ屈曲して、中空部12aが接触する床面部分に開口させて吹出し口15bに構成すると共に、その内方側の他端部を図示しない加圧供給源に連結された給気パイプ15eに連結する。
【0038】
上記構成であるから遮蔽シート12の閉鎖時に、吹出し口15bからのエアが中空部12aと開口部1の下辺1bとの間の隙間から遮蔽シート12外方へ噴出するため虫Mは開口部1に接近することができない。その他の構成は
図9に示す第2実施形態と同一であるから説明を省略する。
【0039】
図19は第5実施形態を示す。本実施形態は屋内に開口した吸込み口からエアとともに虫を吸い込んで捕獲フィルタで捕獲する装置30を
図2に示す第1実施形態に適用した例を示す。この装置30は開口部1の左右両側辺1c、1dの一方または双方の隔壁2の下方内部に設けた空間S内に設けられており、捕獲フィルタ30aが収納された捕獲ケース30bと、加圧供給源としてのファン31とから構成されている。
【0040】
ファン31は捕獲ケース30b内を吸引するためのもので、これらは管路32を介して連結されており、捕獲ケース30bの吸込み口30cは開口部1の左側辺1cに開口するとともに、ファン31は
図7に示すように給気パイプ15eを介して給気ライン15を構成する隆起部15a(モール部)の一端に連結されている。なお、開口部1の左側辺1cを形成する隔壁2の屋内側には虫を引き寄せる紫外線発光源等の誘引光源33が設置されている。誘引光源33は開口部1と遮蔽シート12との隙間から外部に光が漏れないように配置する。
【0041】
誘引光源33により誘引された虫Mは吸込み口30cからエアとともに吸い込まれて捕獲フィルタ30aで捕獲される。これにより隔壁2で囲まれた閉鎖区画3内の虫が捕獲される。一方、ファン31から排気される加圧エアは給気パイプ15eを介して給気ライン15の隆起部15a(モール部)内に供給されて吹出し口15bから噴出する。
図1において、矢印Aはファン31によって吸引・排気されるエアの流れを示す。
【0042】
上記では装置30を
図2に示す第1実施形態に適用したが、
図9に示す第2実施形態に適用する場合には中空部12a内へ、
図16に示す第3実施形態に適用する場合には中空部12aの屋内側下縁へ、
図18に示す第4実施形態に適用する場合には埋込管25へ、それぞれ上記装置30から排出するエアを供給する。
【0043】
上述した実施形態では、吹出し口15bを開口部1の下辺1b又は展開状態のシャッター手段の中空部12aに設けたが、これに加えて開口部1の上辺1a又は左右両側辺1c、1d又はシャッター手段の上縁又は左右両縁に設けることにより、巻取りドラム11及びガイドレール1eの一方又は双方を通過路とする虫の侵入も防止することができる。
【0044】
図20から
図26は第6実施形態を示す。上記いずれの実施形態も
図19に示す装置30、すなわち屋内に開口する吸込み口からファン31による吸引力でエアとともに虫を吸い込んで捕獲フィルタ30aで捕獲すると共に、ファン31に連結された給気パイプ15eからエアを排気する装置30は、開口部1の左右両側辺1c、1dを形成する隔壁2の下方内部に設けた空間S内に設けられているが、本実施形態では装置30を隔壁2とは独立の筐体40内に収納すると共に、給気パイプ15eの排気口を吹出し口15bとして構成し、この吹出し口15bを、開口部1を介して外部から見える位置に配置させる点で相違する。すなわち開口部1の左右両側の屋内側に、開口部1の開口面積を小さくする方向へ出っ張るように上記筐体40を配置することにより吹出し口15bが開口部1から見える位置に位置させることが可能で、このようにすることにより吹出し口15bを後述の隙間gに対向して配置させることができる。
【0045】
開口部1から隠れた筐体40部分と隔壁2との間には
図23に示すように遮蔽シート12の左右両側が摺動自在に嵌合されたガイドレール1eと、床面から立設してガイドレール1eを保持する保持部材41とが配置される。保持部材41は
図23に示すように柱状板41aと、柱状板41aの左右の側面から左右方向へ突設した前後(内外)一対の突出板41bとから形成されていて、ガイドレール1eは一対の突出板41b内に設けられる。
【0046】
遮蔽シート12の下端部は、床面への着地時に屋内側へ屈曲して中空部12aの屋外側の側面が床面に接触し易いように、その左右の角部を切除して幅狭部12wに形成すると共に、幅狭部12wより上方の遮蔽シート12部分の左右両側をガイドレール1eに摺動自在に係合させている。すなわちガイドレール1eを
図26に示すように断面四角形状にして、その一側面に上下両端開口の割溝を縦設し、この割溝を介して遮蔽シート12の左右両側をガイドレール1e内へ上下動自在に挿入する。遮蔽シート12のガイドレール1eからの左右方向への抜出しを防止すると共に、遮蔽シート12の上下動を円滑にするためガイドレール1e内の遮蔽シート12部分の内外両面に硬質樹脂等の拡幅材12yを接着しておく。このように遮蔽シート12の左右両側をガイドレール1eへ摺動自在に係合させる場合には、遮蔽シート12をガイドレール1eへ係合させるための上述した係合片を別途設けることなく棒状材以外の鎖状の部材またはゲルないし粘土等の可塑性の素材を錘材12として使用することができる。
【0047】
上記のように遮蔽シート12の下端部を幅狭にすると、幅狭部12wと保持部材41の柱状板41aとの間に隙間gが生じるため、ここから虫が侵入するおそれがある。そこでこれを阻止すべく上述のように筐体40を配置して吹出し口15bからのエアが隙間gを介して外部へ流出するようにしておく。なお、突出板41bの下端から床面に達する長さのシート片42を垂下して隙間gの左右の幅を減少させるようにすることで虫の侵入阻止効果をより高めることができる。
【0048】
上記では筐体40を開口部1内へ出っ張らせることで給気パイプ15eの排気口からのエアを直接隙間gへ向けて噴出させるようにしたが、このように独立の筐体40を設けることなく、
図16および
図17に示すように装置30を開口部1の左右両側辺1c、1dを形成する隔壁2の下方内部に設けた空間S内に配置した状態で給気パイプ15eの排気口を吹出し口15bとしてエアを隙間gへ向けて噴出させることも可能である。本実施形態におけるその他の構成は
図2に示す第1実施形態および
図16および
図17に示す第3実施形態と同様であるから説明を省略する。
【0049】
本発明は、昆虫異物等の製品への混入防止が要請される食品・医薬品の製造現場における工場等の建物やその内部の部屋等の閉鎖空間の出入口に設置される虫侵入阻止装置の分野に利用することができる。