(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5943385
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】三角形の架台を備えたラック設置ベース
(51)【国際特許分類】
H05K 7/18 20060101AFI20160621BHJP
H02B 1/015 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
H05K7/18 Q
H02B1/02 B
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-195428(P2012-195428)
(22)【出願日】2012年9月5日
(65)【公開番号】特開2014-53377(P2014-53377A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2015年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】植村 俊彦
【審査官】
石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−013041(JP,A)
【文献】
実開昭59−041002(JP,U)
【文献】
特開平11−251758(JP,A)
【文献】
特開平11−340663(JP,A)
【文献】
米国特許第06273533(US,B1)
【文献】
米国特許第06095482(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/00−1/015
1/04−1/044
1/06−1/20
1/22−1/24
1/28−1/38
1/54−7/08
H05K 5/00−5/06
7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックを支持する架台を備え、架台に平面三角形の支持枠と脚部とを設け、複数の架台を、支持枠の底辺部が一列に並び、支持枠の頂点部が互いに離間する状態で、ラックの配列方向に連設したことを特徴とするラック設置ベース。
【請求項2】
一つの架台が隣接する2台のラックを掛け持ちするように配置される請求項1記載のラック設置ベース。
【請求項3】
前記支持枠の2本の斜辺部が隣接する2台のラックの底枠に対して斜めに配置される請求項2記載のラック設置ベース。
【請求項4】
前記支持枠の頂点部が隣接する2台のラックの前端を支持し、支持枠の底辺部が隣接する2台のラックの後端を支持する請求項3記載のラック設置ベース。
【請求項5】
前記脚部が支持枠の頂点部に設けられた第1脚部と、底辺部の両端に設けられた第2、第3脚部とを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のラック設置ベース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラックを支持する複数の架台を備えたラック設置ベースに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のラック設置ベースとして、従来、
図4に示すように、床面上に複数の架台51を並べ、各架台51の上に電気機器収納用のラック1を支持する技術が知られている。特許文献1、2には、架台51の支持枠52を平面四角形に形成し、複数の架台51をラック1の配列方向に連設したラック設置ベースが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4442874号公報
【特許文献2】特開2002−291116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来のラック設置ベースによると、
図5に示すように、架台51(実線で示す)の支持枠52がラック1(鎖線で示す)の底枠2と同じ四角形に形成されているため、底枠2の前端に入出線用の通線穴3が設けられていたり、底枠2の左右両側に床板5の下側から冷気を取り入れるための通気穴4が設けられていたりした場合に、これらの穴3,4が支持枠52によって塞がれ、機能しなくなるという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ラック底部の通線穴や通気穴を塞いでしまうことがないラック設置ベースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は次のようなラック設置ベースを提供する。
(1)ラックを支持する架台を備え、架台に平面三角形の支持枠と脚部とを設け、複数の架台が支持枠の底辺部を一列に並べ、支持枠の頂点部を互いに離間させた状態でラックの配列方向に連設されたことを特徴とするラック設置ベース。
【0007】
(2)一つの架台が隣接する2台のラックを掛け持ちするように配置されることを特徴とするラック設置ベース。
【0008】
(3)支持枠の2本の斜辺部が隣接する2台のラックの底枠に対して斜めに配置されることを特徴とするラック設置ベース。
【0009】
(4)支持枠の頂点部が隣接する2台のラックの前端を支持し、支持枠の底辺部が隣接する2台のラックの後端を支持することを特徴とするラック設置ベース。
【0010】
(5)脚部が支持枠の頂点部に設けられた第1脚部と、底辺部の両端に設けられた第2、第3脚部とを含むことを特徴とするラック設置ベース。
【発明の効果】
【0011】
本発明のラック設置ベースによれば、架台の支持枠を平面三角形に形成したので、ラック底部の通線穴や通気穴を塞いでしまうおそれがなく、床下からの通線や冷気取り入れを支障なく行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態を示すラック設置ベースの斜視図である。
【
図2】
図1のラック設置ベースの架台を示す斜視図である。
【
図3】架台の支持枠とラックの底枠とを示す平面図である。
【
図4】従来のラック設置ベースを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すラック設置ベース11は、ラック1を支持する複数の架台12を備えている。各架台12は、ラック1の配列方向に連続するように床面上に並設されている。ラック1の前面扉6側に位置する架台12の前端は前連結杆13によって相互に連結され、ラック1の背面側に位置する架台12の後端が後連結杆14によって相互に連結されている。
【0014】
図2に示すように、架台12には、ラック1を載せる支持枠15と、支持枠15を床面の上方に水平に保持する3本の脚部16,17,18とが設けられている。支持枠15は平面二等辺三角形に形成され、その頂点部15aに第1脚部16が設けられ、底辺部15bの両端に第2、第3脚部17,18が設けられている。脚部16,17,18の下端にはアンカー穴19が形成され、ここを通るアンカーボルト(図示略)によって架台12が床面に固定される。
【0015】
図3に示すように、ラック設置ベース11の使用状態では、一つの架台12(実線で図示)が隣接する2台のラック1(鎖線で図示)を掛け持ちするように配置される。そして、複数の架台12が、支持枠15の底辺部15bを一列に並べ、支持枠15の頂点部15aを互いに離間させた状態で、ラック1の配列方向に連設される。また、支持枠15の頂点部15aは隣接する2台のラック1の前端を支持し、支持枠15の底辺部15bが両方のラック1の後端を支持し、支持枠15の2本の斜辺部15c,15dが両方のラック1の底枠2に対して斜めに配置される。
【0016】
したがって、この実施形態のラック設置ベース11によれば、架台12の支持枠15を平面三角形に形成したので、支持枠15の頂点部15aがラック1の底枠2の前端に開設された通線穴3を塞ぐおそれがなく、また、支持枠15の斜辺部15c,15dが底枠2の左右に開設された通気穴4を塞ぐおそれもない。このため、ラック1の床板5下側からの通線や冷気の取り入れを支障なく行うことができる。また、この実施形態の架台12は、従来の架台51(
図4参照)と比較し、1本少ない脚部16,17,18を備えているため、アンカーボルトによる床面固定工事の工数を削減できるという利点もある。
【0017】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するように、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、アクチュエータ部の構成を適宜に変更して実施することも可能である。
(1)
図1に示すラック設置ベース11において、両端に位置する架台12の支持枠15を平面直角三角形に形成し、ラック列両端からの飛び出し部分をなくすこと。
(2)
図3に示すラック1とは異なり、通線穴3が底枠2の後部に設けられているラックの場合に、支持枠15の頂点部15aがラックの後側に位置するように、複数の架台12を前後逆向きに連設すること。
(3)必要に応じて、前後の連結杆13,14を省略すること。
【符号の説明】
【0018】
1 ラック
2 底枠
3 通線穴
4 通気穴
11 ラック設置ベース
12 架台
15 支持枠
15a 頂点部
15b 底辺部
15c,15d 斜辺部
16,17,18 脚部