特許第5943400号(P5943400)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5943400-二本ベルト式の受動ローラの箱回転装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5943400
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】二本ベルト式の受動ローラの箱回転装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/244 20060101AFI20160621BHJP
【FI】
   B65G47/244
【請求項の数】15
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-503672(P2014-503672)
(86)(22)【出願日】2012年3月19日
(65)【公表番号】特表2014-511808(P2014-511808A)
(43)【公表日】2014年5月19日
(86)【国際出願番号】US2012029632
(87)【国際公開番号】WO2012138468
(87)【国際公開日】20121011
【審査請求日】2015年3月13日
(31)【優先権主張番号】13/083,171
(32)【優先日】2011年4月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508181663
【氏名又は名称】レイトラム,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】フォーニー,マシュー,エル.
【審査官】 大野 明良
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/056494(WO,A1)
【文献】 米国特許第4676361(US,A)
【文献】 特表2010−534177(JP,A)
【文献】 特開2004−026444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 13/00−13/12
B65G 15/00−15/28
B65G 15/60−15/28
B65G 47/22−47/32
B65G 47/52
B65G 47/56−47/62
B65G 47/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の速度で搬送方向に前進する第1コンベアベルトであって、前記搬送方向と平行な軸上を自由に回転可能な受動的な物品支持ローラを有する第1コンベアベルトと、
前記第1コンベアベルトに隣接し、前記第1の速度と異なる第2の速度で前記搬送方向に前進する第2コンベアベルトであって、前記搬送方向と平行な軸上を自由に回転可能な受動的な物品支持ローラを有する第2コンベアベルトと、を含み、
前記第1コンベアベルトが第1の面を画定し、前記第2コンベアベルトが180°未満の交差角度で前記第1の面と交差する第2の面を画定することを特徴とする箱回転装置。
【請求項2】
請求項1に記載の箱回転装置において、前記交差角度が約176°〜約178°であることを特徴とする箱回転装置。
【請求項3】
請求項1に記載の箱回転装置において、前記第1の面が第1の傾斜角度で水平面と交差し、前記第2の面が前記第1の傾斜角度と同じ大きさを有する第2の傾斜角度で前記水平面と交差することを特徴とする箱回転装置。
【請求項4】
請求項3に記載の箱回転装置において、前記第1および第2の傾斜角度が約1°〜約2°であることを特徴とする箱回転装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の箱回転装置において、前記第1および第2コンベアベルトの前記物品支持ローラの外面が、高摩擦特性を有することを特徴とする箱回転装置。
【請求項6】
請求項5に記載の箱回転装置において、前記第1および第2コンベアベルトの前記物品支持ローラの外面が、ゴムまたはエラストマー材料から作製されることを特徴とする箱回転装置。
【請求項7】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の箱回転装置がさらに、前記第1および第2コンベアベルト間で異なる速度で前記第1および第2コンベアベルトを前進させる駆動システムを含むことを特徴とする箱回転装置。
【請求項8】
搬送方向に並行して前進し、かつ互いに向き合わせて下方へ傾けられた一対のコンベアベルトであって、各コンベアベルトが前記搬送方向と平行な軸上を自由に回転可能な受動的な物品支持ローラを有する一対のコンベアベルトと、
各コンベアベルト間で異なる速度で前記一対のコンベアベルトを前進させる駆動システムと、
を含むことを特徴とする箱回転装置。
【請求項9】
請求項8に記載の箱回転装置において、前記物品支持ローラの外面が高摩擦材料から作製されることを特徴とする箱回転装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の箱回転装置において、前記駆動システムが、前記一対のコンベアベルトの長さに応じて前記速度差を設定することを特徴とする箱回転装置。
【請求項11】
請求項8又は9に記載の箱回転装置において、前記駆動システムが、前記一対のコンベアベルトによって搬送される物品の物理的特性に応じて前記速度差を設定することを特徴とする箱回転装置。
【請求項12】
請求項8に記載の箱回転装置において、前記一対のコンベアベルトのそれぞれが、約1°〜約2°の傾斜角度で水平面から傾けられることを特徴とする箱回転装置。
【請求項13】
搬送される物品を回転させる方法であって、
互いに向き合わせて下方へ傾けられた一対の並行コンベアベルトを搬送方向に前進させるステップと、
前記一対の並行コンベアベルト間に架かる物品を、前記搬送方向に平行な軸上を自由に回転可能な前記コンベアベルトの受動的な物品支持ローラ上で搬送するステップと、
前記一対のコンベアベルトを前記各コンベアベルト間で異なる速度で前進させて、前記物品を前記搬送方向に搬送される間に回転させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法がさらに、前記一対の並行コンベアベルトの長さに応じて前記速度差を設定するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法がさらに、前記物品の物理的特性に応じて前記速度差を設定するステップを含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して動力駆動式コンベアに関し、詳細には、選択的に作動される箱支持ローラを備えたコンベアベルトを使用して箱を回転させるベルトコンベアおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来式の箱回転コンベアは、異なる速度で互いに平行に移動する2つの並行コンベアベルトを使用する。容器が2つのベルト上に送られ、それらの間に架かると、速い方のベルトが容器の片側を前方へ引き、容器を回転させ、その前縁が遅い方のベルトに向かって移動する。容器はコンベアに沿って搬送されるにつれて回転を続け、最後には大部分が遅い方のベルトに乗り、90°に若干満たないくらい回転する。その後容器は、コンベアを横切って延びるレールによって、最終的な向きおよび横方向位置に誘導される。
【発明の概要】
【0003】
従って、誘導の必要なく短い距離で容器を完全に90°回転させることができる箱回転装置に対する必要性がある。
【0004】
この必要性および他の必要性は、本発明の特徴を具体化する箱回転コンベアによって取り組まれる。箱回転装置などの1つの形態は、第1コンベアベルトと、隣接する第2コンベアベルトとを含み、それらはともに搬送方向に前進する。第1コンベアベルトは第1の速度で前進し、第2コンベアベルトは第1の速度と異なる第2の速度で前進する。第1および第2コンベアベルトはともに、搬送方向と平行な軸上を自由に回転可能な物品支持ローラを有する。第1コンベアベルトは第1の面を画定し、第2コンベアベルトは180°未満の交差角度で第1の面と交差する第2の面を画定する。
【0005】
本発明の特徴を具体化する箱回転装置の別の形態は、搬送方向に並行して前進する一対のコンベアベルトを含む。コンベアベルトは互いに向き合わせて下方へ傾けられる。各コンベアベルトは、搬送方向に平行な軸上を自由に回転可能な物品支持ローラを有する。駆動システムが、一対のコンベアベルトを各コンベアベルト間で異なる速度で前進させる。
【0006】
本発明の別の態様では、搬送される物品を回転させる方法は、(a)互いに向き合わせて下方へ傾けられた一対の並行コンベアベルトを搬送方向に前進させるステップと、(b)一対の並行コンベアベルト間に架かる物品を、搬送方向に平行な軸上を自由に回転可能なコンベアベルトの物品支持ローラ上で搬送するステップと、(c)一対のコンベアベルトを、各コンベアベルト間で異なる速度で前進させて、物品を搬送方向に搬送される間に回転させるステップとを含む。
【0007】
本発明のこれら特徴および態様を、以下の記載、添付の請求項および添付の図面において、より詳細に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の特徴を具体化する箱回転コンベアの一部の等角図である。
図2図2は、図1の線2−2に沿って見られる図1の箱回転コンベアの断面図である。
図3図3は、図1の箱回転コンベアの運搬経路部分の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
箱回転コンベア、または箱回転装置の1つの形態が図1〜3に示される。エンドレスベルト経路(戻り経路は示されていない)の運搬経路部分12に沿って移動する箱回転装置10が示される。箱回転装置は、搬送方向18に並行して前進する一対のコンベアベルト14、16を含む。コンベアベルトはそれぞれ、一連のローラ20の列を有し、ローラ20は搬送方向18と平行な回転軸22を規定するローラ車軸上を自由に回転可能である。ローラは能動的に回転されない。すなわち、それらは受動的に作動し、搬送される物品との接触によってのみ回転する。各ベルトはフラットベルト、スラットベルト、またはローラの側面に位置しかつそれを支持する一対のローラチェーンであってもよい。またはベルトは、INTRALOX(登録商標)シリーズ7000ベルトまたはINTRALOX(登録商標)シリーズ400TRTベルトなど、モジュール式プラスチックコンベアベルトであってもよい。ベルトは互いに当接するか、コンベアの中心線に沿った間隙によって分離される。ベルトはレール26の上に取り付けられる摩耗ストリップ24上に支持される。摩耗ストリップは、ローラが摩耗ストリップと接触することなくそれらの軸上を自由に回転できるように、ローラ間に間隔を空けて位置付けられる。
【0010】
摩耗ストリップ24がコンベアベルト14、16を運搬経路において非同一平面関係で支持するように、レール26がコンベアの中心線から離れるにつれ高さを増す。各コンベアベルトは水平面から傾斜する面28、30を画定する。図2に示されるように、2つの面28、30は、180°未満の鈍角である頂点角度32、すなわち交差角度32を有するVを形成する。例えば、約176°〜約178°の交差角度32が上手く機能する。示される面は、傾斜角度36で水平面34とも交差する。例えば、約1°〜約2°の傾斜角度が上手く機能する。
【0011】
平底の箱38などの物品が、物品支持ローラ20の上に乗る。図2に示されるように、2つのベルト14、16間に架かる平底の物品は、中心線において互いに向き合うベルトの下方への傾斜により、物品の縁部でのみ支持される。ローラの外面39は、物品を上手く把持するために、粗い表面、または高摩擦ゴム、エラストマー、もしくは他の弾性材料から作製された高摩擦表面などの高摩擦特性を有してもよい。
【0012】
図3に示されるように、コンベアベルトは、駆動シャフト42、43上のプーリまたはスプロケット(不図示)を駆動するモータ40、41によって別々に駆動される。この例では、左側のコンベアベルト14は右側のコンベアベルト16のより遅い速度45より速い速度44で駆動される。物品38が送込みコンベア46によって2つのローラトップコンベアベルト14、16に供給される。左側のコンベアベルト14は右側のコンベアベルト16より速く前進しているので、物品は、運搬経路に沿って搬送されるにつれて湾曲矢印48によって示されるように垂直軸の周りを時計回りに回転する。自由に回転可能なローラが、物品との回転接触を提供することによって、回転を促進する。2つのコンベア間の速度差は、物品が2つのコンベアベルト14、16から下流コンベア50に出るとき、90°、または所望のどんな回転度でも回転することを保証するように設定される。
【0013】
遅い方の速度45は、全体的な箱の速度、すなわち送込みコンベア46および下流コンベア50上の物品の流れ速度と調和するように設定される。速度差、すなわち速い方の速度44と遅い方の速度45との間の差は、所望の回転度を提供するように設定され、それは運搬経路12に沿った2つのコンベアベルト14、16の長さに依存する。速度差は、物品の底面形状、重量、および物品底面とローラとの間の摩擦係数など、物品の物理的特性にも依存し得る。2つのベルトの速度は、所望の回転度および知られている2つのベルトの長さに基づき所定の速度に設定されてもよい。しかし速度は、制御器54によって制御ライン52、53を介して自動的に制御されてもよく、制御器54は、2つのモータ40、41、シャフト42、43、およびプーリまたはスプロケットを備える駆動システムの一部を形成する。流れ速度、入ってくる物品の向き、および出ていく物品の向きは、光学センサシステムまたは監視システムなどの送込みセンサ56および出口センサ57によって検出されてもよい。センサ信号は信号線58、59を介して制御器54に送信される。制御器はセンサ信号を使用してコンベアベルトの速度を自動的に計算および調節し、全体的な流れ速度を調和させて所望の物品回転度を達成することができる。
図1
図2
図3