(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る有機EL照明パネル及びその製造方法並びに有機EL照明装置について、添付の図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0013】
[実施の形態1]
まず、本発明の実施の形態1に係る有機EL照明装置、有機EL照明パネル及びその製造方法について、
図1乃至
図5を参照して説明する。
【0014】
図1(a)に示されるように、本実施の形態1に係る有機EL照明装置1は、12個の有機EL照明パネル10,10A,10Bが組み合わされることによって構成される。以下に述べるように、有機EL照明パネル10と、有機EL照明パネル10Aと、有機EL照明パネル10Bとは、全体的な構成はほぼ同一であるが、僅かな相違点がある。
【0015】
有機EL照明装置1に用いられる有機EL照明パネル10の構成について、
図2(a)及び
図2(b)を参照して説明する。有機EL照明パネル10は、素子基板11と、透明電極13と、第1給電部としての正電極給電部20と、第1電極取り出し部としての正電極取り出し部11aと、負電極取り出し部11bと、層間絶縁膜14と、有機EL発光層15と、金属電極16と、第2給電部としての負電極給電部21と、封止シール部17と、トランスファー部18と、封止基板12と、第2電極取り出し部としての負電極取り出し部12aとを備えている。
【0016】
素子基板11は、長方形の透明な無機アルカリガラス板からなり、その全面にITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫)からなる透明電極13が形成されている。透明電極13の上には、透明電極13の外縁に沿って、Cr(クロム)からなる正電極給電部20が形成されている。封止基板12に覆われずに露出した正電極給電部20の一部が、正電極取り出し部11aとなる。正電極給電部20の上に、アクリル系フォトレジストからなる層間絶縁膜14が形成されている。
【0017】
層間絶縁膜14に囲まれた透明電極13の中央部分に、有機EL発光層15が積層されている。有機EL発光層15は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層から構成されている。各層の材料としては、正孔注入層には銅フタロシアニンやスターバースト型芳香族アミンのようなアリールアミン誘導体等、正孔輸送層には、ビス(ジ(p−トリル)アミノフェニル)−1,1−シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(α−NPD)、TPD等のトリフェニルジアミン類や、スターバースト型芳香族アミン等、発光層には、トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体(Alq3)、ビスジフェニルビニルビフェニル(BDPVBi)、1,3−ビス(p−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾールイル)フェニル(OXD−7)、1,4ビス(N−p−トリル−N−4−(4−メチルスチリル)フェニルアミノ)ナフタレン等、さらにそれらをホストに、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)、2,3−キナクリドンや、クマリン誘導体をドーピングしてもよい。正孔ブロック層には、2,9‐ジメチル‐4,7‐ジフェニル‐1,10‐フェナントロリン(BCP)、トリフェニルジアミン誘導体、トリアゾール誘導体等、電子輸送層には、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(Bu−PBD)、OXD−7等のオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、キノリノール系の金属錯体等を用いることができる。電子注入層には、リチウムやセシウム等のアルカリ金属、若しくは、カルシウム等のアルカリ土類金属のフッ化物や酸化物等を用いることができる。発光材料は赤緑青や黄色に発光し、照明として白色を得る場合は、これらの中から選択して素子を作製し、加法混色して所望の色温度の白色を得る。層間絶縁膜14及び有機EL発光層15の上には、Al(アルミニウム)からなる金属電極16が形成されている。金属電極16の外縁が厚く形成されて、負電極給電部21が構成されている。
【0018】
金属電極16の上には、有機EL発光層15を囲むように、封止シール部17が設けられている。封止シール部17の上には、ガラス製の封止基板12が積層されている。封止基板12の下側に、導電性の負電極取り出し部12aが形成されている。負電極取り出し部12aと負電極給電部21との間に、銀ペーストからなるトランスファー部18が設けられている。金属電極16は、トランスファー部18を介して負電極取り出し部12aと接続されている。また、封止基板12の裏側には、吸湿材30が設けられている。なお、吸湿材30は本発明に必須の要素ではなく、設けなくてもよい。
【0019】
上述の構成を有する有機EL照明パネル10の製造方法について、
図3を参照して説明する。無機アルカリガラス製の素子基板11の表面全面に、ITO膜を真空蒸着法で積層し、透明電極13を形成する(
図3(a))。次に、シャドーマスクを用いてクロムをスパッタリングすることによって、素子基板11の四辺に沿って正電極給電部20を形成する。同時に、素子基板11の中央部分に、補助電極20aを設ける(
図3(b))。なお、補助電極は本発明に必須の要素ではなく、設けなくてもよい。
【0020】
正電極給電部20の上に、アクリル系フォトレジストを用いて塗膜・パターン形成を行い、層間絶縁膜14を形成する。塗膜・塗布方法はスリットコートによる方法でも、スピンコートによる方法でもよく、パターニング手法はフォトリソグラフィによる方法でも、スクリーン印刷等の印刷法でもよい。補助電極20aの上も、同じフォトレジストを用いて、層間絶縁膜となるレジストパターン22を同時に形成する(
図3(c))。このとき、正電極給電部20(正電極取り出し部11a)の上には、フォトリソグラフィによってパターニングし、レジストがかからないようにする。
【0021】
続いて、各有機層やフッ化リチウムからなる電子注入層等を積層し、有機EL発光層15を形成する(
図3(d))。ここで、レジストパターンとしての層間絶縁膜14及びレジストパターン22がマスクの役割を果たすため、従来必須であったアライメント精度の高いシャドーマスクを用いる必要はない。さらに、アルミニウムを真空蒸着して金属電極16を形成する際にも、レジストパターンとしての層間絶縁膜14及びレジストパターン22がマスクの役割を果たす。金属電極16の四辺に沿ってアルミニウム膜を厚く積層することによって、負電極給電部21を形成する(
図3(e))。
【0022】
金属電極16の上に、ガラス製の長方形の封止基板12を積層する。封止基板12からせり出した正電極給電部20が、正電極取り出し部11aとなる。また、封止基板12からせり出した負電極給電部21が、素子基板11側の負電極取り出し部となる(
図3(f))。最後に、素子基板11からせり出した封止基板12の裏側に、負電極取り出し部12aを形成し、この負電極取り出し部12aと負電極給電部21とを、銀ペースト(トランスファー部)18で電気的に接続する(
図2(b))。
【0023】
以上説明したように、有機EL照明パネル10が製造される。有機EL照明パネル10の正電極取り出し部11aと負電極取り出し部12aとの間に数ボルト程度の電圧を印加すると、有機EL発光層15内で燐光または蛍光が発生する。発生した光は、透明電極13と透明な素子基板11を透過して、
図2(b)の下方に出射する。
【0024】
有機EL照明パネル10においては、正電極給電部20が素子基板11側に、負電極給電部21が封止基板12側に、設けられている。したがって、光が透過しない正電極給電部20を素子基板11の四辺全てに設けることができる。この結果、素子基板11における光が透過しない部分の面積を小さくでき、開口部の面積を大きくすることができる。
【0025】
また、素子基板11の四方向から給電することによって、発光ムラが少なくなるという効果が得られる。この発光ムラが少なくなるという効果は、負電極給電部21も封止基板12側の四方向に設けられていることによって、さらに増大する。
【0026】
また、透明電極13をパターニングすることなく素子基板11の全面に形成できることから、有機EL照明パネル10を容易に製造することができる。さらに、有機EL発光層15を形成する際や、金属電極16を形成する際に、従来必須であったシャドーマスクを用いる必要がない。このため、製造工程がより簡単になり、装置の製造コストを削減することができる。
【0027】
有機EL照明装置1に用いられる有機EL照明パネル10Aの構成について、
図4(a),
図4(b)を参照して説明する。
図4(b)の縦断面図に示されるように、有機EL照明パネル10Aの構成は、有機EL照明パネル10の構成とほぼ同一である。異なるのは、
図4(a)に示されるように、素子基板11Aから図の上方にせり出した封止基板12Aの裏側にも負電極取り出し部12Aaが設けられている点である。これによって、有機EL照明パネル10の素子基板11側に設けられた負電極取り出し部11bと、負電極取り出し部12Aaを接続して、有機EL照明パネル10と有機EL照明パネル10Aとを容易に並列接続することができる。
【0028】
有機EL照明装置1に用いられる有機EL照明パネル10Bの構成について、
図5(a),
図5(b)を参照して説明する。
図5(b)の縦断面図に示されるように、有機EL照明パネル10Bの構成も、有機EL照明パネル10の構成とほぼ同一である。異なるのは、
図5(a)に示されるように、封止基板12Bから図の下方に素子基板11Bがせり出しておらず、素子基板11B側に負電極取り出し部が設けられていない点である。
【0029】
有機EL照明パネル10A及び10Bの製造方法は、
図3に示される有機EL照明パネル10の製造方法と同様である。
【0030】
以上説明した4つの有機EL照明パネル10と、4つの有機EL照明パネル10Aと、4つの有機EL照明パネル10Bが組み合わされることによって、
図1(a)に示されるように、本実施の形態1に係る有機EL照明装置1が構成されている。
図1(b)に示されるように、有機EL照明パネル10は、素子基板11と、素子基板11の上側に形成される正電極取り出し部11aと、封止基板12と、封止基板12の下側に形成される負電極取り出し部12aとを有する。なお、
図1(b)は
図1(a)のA−A断面を示す略図であり、素子基板11と封止基板12との間に存在する透明電極、正電極給電部、層間絶縁膜、有機EL発光層、金属電極、負電極給電部等は、図示省略されている。
【0031】
図1(b)に示されるように、有機EL照明パネル10の素子基板11と封止基板12とは、
図1の左右方向にずれて積層される。露出する正電極取り出し部11aの上に、負電極取り出し部12aが重ね合わされることによって、4個の有機EL照明パネル10が、
図1の横方向に沿って直列に接続される。
【0032】
同様に、有機EL照明パネル10Aの素子基板11Aと封止基板12Aとは、
図1の左右方向にずれて積層される。露出する正電極取り出し部11Aaの上に、負電極取り出し部12Aaが重ね合わされることによって、4個の有機EL照明パネル10Aが、
図1の横方向に沿って直列に接続される。
【0033】
同様に、有機EL照明パネル10Bの素子基板11Bと封止基板12Bとは、
図1の左右方向にずれて積層される。露出する正電極取り出し部11Baの上に、負電極取り出し部12Baが重ね合わされることによって、4個の有機EL照明パネル10Bが、
図1の横方向に沿って直列に接続される。
【0034】
また、有機EL照明パネル10,10A,10Bを構成する素子基板11,11A,11Bと封止基板12,12A,12Bとは、
図1(a)の上下方向にもずれて積層される。露出する素子基板11,11A側の負電極取り出し部11b,11Abの上に、負電極取り出し部12Aa,12Baが重ね合わされることによって、有機EL照明パネル10,10A,10Bは、
図1(a)の上下方向に沿って並列に接続される。すなわち、有機EL照明パネル10,10A,10Bは、それぞれ
図1の左右方向に沿って直列に接続され、直列接続された有機EL照明パネル10,10A,10Bが、互いに
図1(a)の上下方向に沿って並列に接続される。
【0035】
上述したように、これらの有機EL照明パネル10,10A,10Bは、
図1(a)の左右方向には直列に、上下方向には並列に接続されている。したがって、
図1(a)で左端に位置する有機EL照明パネル10の正電極取り出し部11a,有機EL照明パネル10Aの正電極取り出し部11Aa,有機EL照明パネル10Bの正電極取り出し部11Baのいずれかと、
図1(a)で右端に位置する有機EL照明パネル10の負電極取り出し部12Ba,有機EL照明パネル10Aの負電極取り出し部12Aa,有機EL照明パネル10Bの負電極取り出し部12Baのいずれかとの間に電圧を印加すると、12個のパネル全てが発光して、
図1(b)に矢印で示されるように、光が出射される。
【0036】
図1(a)に示されるように、マトリクス状に配置された有機EL照明パネル10,10A,10Bそれぞれの素子基板11,11A,11Bに設けられた正電極取り出し部11a,11Aa,11Baと、封止基板12,12A,12Bに設けられた負電極取り出し部12a,12Aa,12Baとが重ね合わされ、銀ペーストによって接続される。これにより、隣り合う有機EL照明パネル10,10A,10B同士が密着した状態で接続される。この結果、有機EL照明装置1の単位面積当たりの発光量が大きくなる。
【0037】
以上説明したように、本実施の形態1に係る有機EL照明装置1においては、正電極給電部20,20A,20Bが素子基板11,11A,11Bの周囲に設けられ、負電極給電部21,21A,21Bが封止基板12,12A,12Bの周囲に設けられる。このため、素子基板11,11A,11Bの周囲に設けられる給電部の総面積を小さくすることができる。したがって、有機EL照明パネル10,10A,10Bの透明電極13に形成される開口部の割合が大きくなる。
【0038】
また、直列接続された有機EL照明パネル10,10A,10Bが、互いに
図1(a)の上下方向(列方向)に沿って並列に接続されていることから、12個のパネルのうちのどれかが短絡状態で故障した場合も、短絡したパネルを含む列とは別の列のパネル(他の並列接続群)は点灯を維持することができ、開放状態で故障した場合も、故障したパネル以外のパネルは発光を維持することができる。本例のように、直列接続と並列接続を組み合わせることで、駆動電圧の上昇と駆動電流の増加のバランスをとることができる。
【0039】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2に係る有機EL照明装置について、
図6乃至
図11を参照して説明する。なお、実施の形態1と同一の部分については、同一の符号を付して、その説明を省略または簡略化する。
【0040】
図6(a)に示されるように、本実施の形態2に係る有機EL照明装置2は、実施の形態1に係る有機EL照明装置1と同様に、12個の有機EL照明パネル10C,10D,10E,10F,10Gが組み合わされることによって構成される。有機EL照明パネル10Cと、有機EL照明パネル10Dと、有機EL照明パネル10Eと、有機EL照明パネル10Fと、有機EL照明パネル10Gとは、全体的な構成はほぼ同一であるが、僅かな相違点がある。
【0041】
本実施の形態2に係る有機EL照明装置2は、
図6(a)に示されるように、3つの有機EL照明パネル10Cと、2つの有機EL照明パネル10Dと、2つの有機EL照明パネル10Eと、2つの有機EL照明パネル10Fと、3つの有機EL照明パネル10Gが組み合わされることによって、構成されている。これらの12個のパネルは直列に接続されている。
図6(a)の左上の正電極取り出し部11Caと、
図6(a)の右下の負電極取り出し部12Gaとの間に電圧を印加すると、12個のパネル全てが発光して、
図6(b)に矢印で示されるように、光が出射される。なお、
図6(b)は
図6(a)のB−B断面を示す略図であり、素子基板11C,11Dと封止基板12C,12Dとの間に存在する透明電極、正電極給電部、層間絶縁膜、有機EL発光層、金属電極、負電極給電部等は、図示省略されている。
【0042】
12個のパネルのうちのどれかが短絡状態で故障した場合でも、他のパネルは発光を維持することができる。12個のパネルのうちのどれかが開放状態で故障した場合には、他のパネルも全て消灯してしまうことになるが、有機EL照明パネルにおける故障モードは、ほぼ100%短絡モードであるため、実際には殆ど問題にならない。
【0043】
有機EL照明装置2に用いられる有機EL照明パネル10C乃至10Gの構成について、
図7乃至
図11を参照して説明する。
図7に示されるように、有機EL照明パネル10Cの構成は、
図2に示される有機EL照明パネル10の構成とほぼ同一である。有機EL照明パネル10Cが有機EL照明パネル10と異なる点は、封止基板12Cから
図7(a)の下方にせり出した素子基板11Cの表側に、負電極取り出し部が設けられていない点のみである。
【0044】
図8に示されるように、有機EL照明パネル10Dの構成も、
図2に示される有機EL照明パネル10の構成とほぼ同一である。有機EL照明パネル10Dにおいては、素子基板11Dから
図8(a)の下方にせり出した封止基板12Dの裏側に負電極取り出し部12Daが設けられている。負電極取り出し部12Daは、図示しない銀ペーストによって、負電極給電部21と電気的に接続されている。
【0045】
図9に示されるように、有機EL照明パネル10Eの構成は、
図4に示される有機EL照明パネル10Aの構成とほぼ同一である。但し、有機EL照明パネル10Eにおいては、有機EL照明パネル10Aとは逆に、封止基板12Eが、
図9(a)の左方及び上方に素子基板11Eからせり出している。また、素子基板11Eが、
図9(a)の右方及び下方に封止基板12Eからせり出している。
【0046】
素子基板11Eから左方にせり出した封止基板12Eの裏側に、負電極取り出し部12Eaが設けられている。負電極取り出し部12Eaは、銀ペースト(トランスファー部18)を介して、金属電極16と接続されている。封止基板12Eから右方にせり出した素子基板11Eの表側が、正電極取り出し部11Eaとなっている。
【0047】
図10に示されるように、有機EL照明パネル10Fの構成は、
図9に示される有機EL照明パネル10Eの構成とほぼ同一である。但し、有機EL照明パネル10Fにおいては、封止基板12Fが、
図10(a)の上方及び下方に素子基板11Fからせり出している。また、素子基板11Fが、
図10(a)の右方のみに封止基板12Fからせり出している。
【0048】
図10(a)における素子基板11Fから下方にせり出した封止基板12Fの裏側に、負電極取り出し部12Faが設けられている。負電極取り出し部12Faは、図示しない銀ペーストによって、負電極給電部21と電気的に接続されている。
図10(a)における封止基板12Fから右方にせり出した素子基板11Fの表側が、正電極取り出し部11Faとなっている。
【0049】
図11に示されるように、有機EL照明パネル10Gの構成は、
図5に示される有機EL照明パネル10Bの構成とほぼ同一である。有機EL照明パネル10Gが有機EL照明パネル10Bと異なる点は、素子基板11Gから
図11(a)の上方にせり出した封止基板12Gの裏側に、負電極取り出し部が設けられていない点のみである。
【0050】
有機EL照明パネル10C乃至10Gの製造方法は、
図3に示される有機EL照明パネル10の製造方法と同様である。以上説明した構成を有する有機EL照明パネル10C乃至10Gが、
図6(a)に示されるように密着して配置され、有機EL照明装置2が構成されている。
【0051】
図6(a)に示されるように、マトリクス状に配置された有機EL照明パネル10C乃至10Gそれぞれの素子基板11C乃至11Gに設けられた正電極取り出し部11Ca乃至11Gaと、封止基板12C乃至12Gに設けられた負電極取り出し部12Ca乃至12Gaとが重ね合わされ、銀ペーストによって接続される。これにより、隣り合う有機EL照明パネル10C乃至10G同士が密着した状態で接続される。この結果、有機EL照明装置2の単位面積当たりの発光量が大きくなる。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態2に係る有機EL照明装置2においては、正電極給電部20C乃至20Gが素子基板11C乃至11Gの周囲に設けられ、負電極給電部21C乃至21Gが封止基板12C乃至12Gの周囲に設けられる。このため、素子基板11C乃至11Gの周囲に設けられる給電部の総面積を小さくすることができる。したがって、有機EL照明パネル10C乃至10Gの透明電極13に形成される開口部の割合が大きくなる。
【0053】
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3に係る有機EL照明装置について、
図12及び
図13を参照して説明する。なお、実施の形態1と同一の部分については、同一の符号を付して、その説明を省略または簡略化する。
【0054】
図12に示されるように、本実施の形態3に係る有機EL照明装置3は、4個の有機EL照明パネル10Hが、直列に接続されてなるものである。
【0055】
有機EL照明装置3に用いられる有機EL照明パネル10Hの構成について、
図13を参照して説明する。
図13(b)に示されるように、有機EL照明パネル10Hの構成は、
図2に示される有機EL照明パネル10の構成とほぼ同一である。異なるのは、素子基板11Hと封止基板12Hとが、
図13(a)の左右方向にのみずれて積層されている点である。
【0056】
図13(a)において、封止基板12Hから左方にせり出した素子基板11Hの表側が、正電極取り出し部11Haとなっている。
図13(a)において、素子基板11Hから右方にせり出した封止基板12Hの裏側に、負電極取り出し部12Haが形成されている。負電極取り出し部12Haは、銀ペースト(トランスファー部18)によって、負電極給電部21と電気的に接続されている。
【0057】
有機EL照明パネル10Hの製造方法は、
図3に示される有機EL照明パネル10の製造方法と同様である。以上説明した構成を有する有機EL照明パネル10Hが、
図12(a)に示されるように密着して配置され、有機EL照明装置3が構成されている。
【0058】
図6(a)に示されるように、直線状に配置された有機EL照明パネル10Hの素子基板11Hに設けられた正電極取り出し部11Haと、封止基板12Hに設けられた負電極取り出し部12Haとが重ね合わされ、銀ペーストによって接続される。これにより、隣り合う有機EL照明パネル10H同士が密着した状態で接続される。この結果、有機EL照明装置3の単位面積当たりの発光量が大きくなる。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態3に係る有機EL照明装置3においては、正電極給電部20Hが素子基板11Hの周囲に設けられ、負電極給電部21Hが封止基板12Hの周囲に設けられる。このため、素子基板11Hの周囲に設けられる給電部の総面積を小さくすることができる。したがって、有機EL照明パネル10Hの透明電極13に形成される開口部の割合が大きくなる。
【0060】
上記各実施の形態においては、有機EL照明パネルの素子基板及び封止基板として、長方形の基板を使用した例について説明した。これに限られるものではなく、正方形、平行四辺形、台形、多角形、円形、楕円形等の種々の形状の素子基板及び封止基板を用いることができる。
【0061】
上記各実施の形態においては、有機EL照明パネルの素子基板及び封止基板として、ガラス板を用いた例について説明した。これに限られるものではなく、素子基板としては、透明な材質であれば、熱可塑性合成樹脂、熱硬化性合成樹脂を始めとする様々な材質の基板を用いることができる。また、封止基板は、透明な材質である必要はなく、様々な材質の基板を用いることができる。
【0062】
上記各実施の形態においては、正電極給電部の材料としてCr(クロム)を用いた場合について説明した。これに限られるものではなく、Mo−Nd(モリブデン−ネオジム)、Mo−Al−Mo(モリブデン−アルミニウム−モリブデン)等を始めとして、種々の導電材料を用いることができる。
【0063】
上記各実施の形態においては、正電極給電部の形成方法として、シャドーマスクを用いてスパッタリングする例について説明した。これに限られるものではなく、フォトリソグラフィ/フォトエッチングプロセス等の他の形成方法を用いることができる。
【0064】
上記各実施の形態においては、層間絶縁膜の材料としてアクリル系フォトレジスト材料を用いた例について説明した。これに限られるものではなく、ノボラック、ポリイミド系材料などを始めとするフォトレジスト材料を用いてもよい。また、シリコン窒化膜(SiNx)やシリコン酸化膜(SiOx)などの無機材料を用いることもできる。
【0065】
上記各実施の形態においては、層間絶縁膜の形成方法として、フォトリソグラフィを用いてパターニング、成膜する例について説明した。パターニング、成膜方法はこれに限られるものではなく、スクリーン印刷法やインクジェット法、フレキソ印刷法等を用いてもよい。さらに、上記無機膜を用いる場合、化学気相成長法(CVD)や真空蒸着法を用いて成膜時にシャドーマスクでパターニングする方法や、積層させた後にフォトエッチングプロセスでパターニングする方法、真空蒸着法で積層させた後にフォトエッチングプロセスでパターニングする方法等の他の形成方法を用いることができる。
【0066】
上記各実施の形態においては、金属電極及び負電極給電部の材料としてAl(アルミニウム)を用いた場合について説明した。これに限られるものではなく、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)等を始めとして、種々の金属材料を用いることができる。
【0067】
上記各実施の形態においては、負電極給電部と負電極取り出し部を接続するトランスファー部として、銀ペーストを用いた場合について説明した。これに限られるものではなく、負電極給電部と負電極取り出し部をレーザ溶着してもよい。
【0068】
上記各実施の形態においては、隣り合う有機EL照明パネル同士の正電極取り出し部と負電極取り出し部を接続する方法として、銀ペーストを塗布する例について説明した。これに限られるものではなく、正電極取り出し部と負電極取り出し部をレーザ溶着してもよい。また、基板にコネクタピンを設置し、フレキシブルケーブルで接続してもよいし、フレキシブルケーブルをACF接続してもよい。
【0069】
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した各実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0070】
上記各実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0071】
(付記1)
透明な素子基板と、
該素子基板に設けられた透明電極と、
前記素子基板の周囲に設けられた前記透明電極と電気的に接続される第1給電部と、
前記透明電極の上に設けられた有機EL発光層と、
該有機EL発光層の上に設けられた金属電極と、
該金属電極の上に設けられた封止基板と、
該封止基板の周囲に設けられた前記金属電極と電気的に接続される前記第1給電部とは逆の極性の第2給電部と、
を有する有機EL照明パネル。
【0072】
(付記2)
前記素子基板に設けられた、前記第1給電部と電気的に接続される第1電極取り出し部と、
前記封止基板に設けられた、前記第2給電部と電気的に接続される第2電極取り出し部と、
を有する付記1に記載の有機EL照明パネル。
【0073】
(付記3)
前記素子基板と前記封止基板とは、前記第1電極取り出し部が前記封止基板の外側に露出するとともに前記第2電極取り出し部が前記素子基板の外側に露出するように、積層方向に垂直な方向にずれている付記2に記載の有機EL照明パネル。
【0074】
(付記4)
前記透明電極は、前記素子基板の表面全体に設けられた付記1乃至3のいずれか1つに記載の有機EL照明パネル。
【0075】
(付記5)
前記透明電極と前記有機EL発光層との間に、開口部を有する層間絶縁膜が設けられた付記1乃至4のいずれか1つに記載の有機EL照明パネル。
【0076】
(付記6)
透明な素子基板の表面に透明電極を形成する工程と、
前記素子基板の周囲に前記透明電極と電気的に接続するように第1給電部を形成する工程と、
前記透明電極の上に有機EL発光層を形成する工程と、
前記有機EL発光層の上に金属電極を形成する工程と、
前記金属電極の周囲に前記金属電極と電気的に接続するように前記第1給電部とは逆の極性の第2給電部を形成する工程と、
前記金属電極の上に封止基板を積層する工程と、
を含む有機EL照明パネルの製造方法。
【0077】
(付記7)
付記1乃至5のいずれか1つに記載の有機EL照明パネルが同一平面上に一次元的または二次元的に複数配置され、
隣り合う有機EL照明パネル同士の前記第1給電部と前記第2給電部とが電気的に接続されてなる有機EL照明装置。
【0078】
(付記8)
前記複数の隣り合う有機EL照明パネル同士が直列に接続された付記7に記載の有機EL照明装置。
【0079】
(付記9)
前記複数の隣り合う有機EL照明パネル同士が1つの方向には直列に、他の方向には並列に接続された付記7に記載の有機EL照明装置。