特許第5943423号(P5943423)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5943423
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】発電装置
(51)【国際特許分類】
   H02N 2/00 20060101AFI20160621BHJP
【FI】
   H02N2/00 D
【請求項の数】5
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2012-155041(P2012-155041)
(22)【出願日】2012年7月10日
(65)【公開番号】特開2014-18006(P2014-18006A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2015年6月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】504160781
【氏名又は名称】国立大学法人金沢大学
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】上野 敏幸
【審査官】 三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/158473(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/150866(WO,A1)
【文献】 特開2008−036586(JP,A)
【文献】 特開2006−291842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 2/00
B06B 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁歪材料で構成された磁歪棒を有する発電素子と、
前記発電素子の一端に設けられた弾性棒と、
前記弾性棒に設けられた複数の錘と
を備え、
前記発電素子の他端が固定され、複数の共振周波数で振動することにより発電する
発電装置。
【請求項2】
前記発電素子は、
前記磁歪棒に一様な圧縮力又は引張力を加えるための剛性及び形状を有し、前記磁歪棒と平行に配置された磁性棒と、
前記磁歪棒に巻かれたコイルと、
前記磁歪棒および前記磁性棒のそれぞれの両端に、前記磁歪棒と前記磁性棒とを連結するように設けられた2つの連結ヨークと
を有し、
前記弾性棒は、前記発電素子の一端側の前記連結ヨークに設けられている
請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記複数の錘のそれぞれは、板状の部材を前記弾性棒との接触部分で所定の角度に屈曲した形状を有している
請求項1または2に記載の発電装置。
【請求項4】
前記連結ヨークは、前記磁歪棒の軸方向に垂直な方向に屈曲されている
請求項2に記載の発電装置。
【請求項5】
前記弾性棒は、平行に2本配置され、
前記複数の錘は、前記2本の弾性棒に共通して配置されている
請求項1または2に記載の発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動を利用した発電装置に関し、特に、磁歪材料を使用した発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、身近な振動から発電を行うための技術の開発が盛んに行われており、その技術の1つとして圧電素子を用いた発電方法や永久磁石の磁束密度の変化を利用した発電方法が知られている。
【0003】
圧電素子を利用した発電方法の多くは、圧電素子に何らかの方法で外部から力を加えることにより、圧電素子を変形させて発電するものである。圧電素子を変形させるには、例えば、圧電素子に振動を加えて変形させる方法、風圧や音圧などの圧力を間接的に与える方法、錘などの物体を圧電素子に衝突させる方法、圧電素子を変形する物体に取り付ける方法などがある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
特許文献1では、複数の振動圧電体B1を備えた振動発電装置1000が記載されている。振動圧電体B1は、筐体内に配設された複数の振動圧電体B1、B2、B3を備えている。振動圧電体B1、B2、B3はそれぞれの振動周波数に対応して振動するため、振動発電装置1000は、複数の振動周波数に対応して発電する。
【0005】
また、特許文献2には、少なくとも一端が固定され、空間または媒質を伝播する波動を受信して共振する共振部1121と、共振部1121に結合して形成され、共振部1121の共振に応じて電圧を発生する圧電素子(図示せず)と、圧電素子の対向する面にそれぞれ形成され、圧電素子で発生した電圧を取り出す第1電極および第2電極と、を含む発電装置1100が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−152004号公報
【特許文献2】特開2010−273408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された振動発電装置1000は、図15に示すように、筐体と、この筐体内に配設された複数の振動圧電体B1、B2、B3を備えている。振動圧電体B1は、筐体への入力に応じて振動する振動板P1と、振動板P1に接合され該振動板P1の変位に応じた電圧を出力する圧電素子E1とを備えている。同様に、振動圧電体B2は、筐体への入力に応じて振動する振動板P2と、振動板P2に接合され該振動板P2の変位に応じた電圧を出力する圧電素子E2とを備えている。振動圧電体B3は、筐体への入力に応じて振動する振動板P3と、振動板P3に接合され該振動板P3の変位に応じた電圧を出力する圧電素子E3とを備えている。また、振動圧電体B1、B2、B3は、それぞれ、重さの異なる錘W1、W2、W3を備えていることで、複数の共振周波数に対応した振動により発電する。
【0008】
したがって、発電を行うことができる振動周波数が、複数の振動圧電体の共振周波数に限定されるため、幅広い周波数領域の振動に対応して発電することが難しかった。
【0009】
また、図16に示すように、特許文献2に記載された発電装置1100では、共振部1121は、長さの異なる複数の電力ユニット(発電機構)1121A〜1121Eを有している。これにより、発電装置1100は、電力ユニット1121A〜1121Eそれぞれの共振周波数に対応した振動により発電する。
【0010】
したがって、発電を行うことができる振動周波数が、電力ユニットの共振周波数に限定されるため、幅広い周波数領域の振動に対応して発電することが難しかった。
【0011】
上記課題を鑑み、本発明は、幅広い周波数領域の振動に対応して発電することができる発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を達成するため、本発明の一態様に係る発電装置は、磁歪材料で構成された磁歪棒を有する発電素子と、前記発電素子の一端に設けられた弾性棒と、前記弾性棒に設けられた複数の錘とを備え、前記発電素子の他端が固定され、複数の共振周波数で振動することにより発電する。
【0013】
この構成によれば、発電装置は1または複数の共振モードで共振することができる。これにより、低い周波数の振動であっても、高次共振モードの振動を発生することができるので、幅広い共振周波数の振動に対応して発電することができる。
【0014】
また、前記発電素子は、前記磁歪棒に一様な圧縮力又は引張力を加えるための剛性及び形状を有し、前記磁歪棒と平行に配置された磁性棒と、前記磁歪棒に巻かれたコイルと、前記磁歪棒および前記磁性棒のそれぞれの両端に、前記磁歪棒と前記磁性棒とを連結するように設けられた2つの連結ヨークとを有し、前記弾性棒は、前記発電素子の一端側の前記連結ヨークに設けられていてもよい。
【0015】
この構成によれば、磁歪棒の伸張及び収縮を利用して、効率よく発電を行うことができる。
【0016】
また、前記複数の錘のそれぞれは、板状の部材を前記弾性棒との接触部分で所定の角度に屈曲した形状を有していてもよい。
【0017】
この構成によれば、錘の形状が風等により抵抗を受けやすい形状であるため、自然の力を利用して容易に発電することができる。
【0018】
また、前記連結ヨークは、前記磁歪棒の軸方向に垂直な方向に屈曲されていてもよい。
【0019】
この構成によれば、発電装置の形状がコの字型であるため、上下方向および左右方向のいずれの振動に対しても曲げモーメントが加わるため、発電することができる。
【0020】
また、前記弾性棒は、平行に2本配置され、前記複数の錘は、前記2本の弾性棒に共通して配置されていてもよい。
【0021】
この構成によれば、発電装置において、発電を引き起こす方向に磁歪棒を湾曲させるための振動が生じやすくなり、発電に関与しない方向に磁歪棒を湾曲させるための振動が抑制される。したがって、効率よく発電することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、幅広い共振周波数の振動に対応した発電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】発電素子の構成を示す概略図である。
図1B】発電素子の他の構成を示す概略図である。
図2A】実施の形態1に係る発電装置の構成を示す概略図である。
図2B】実施の形態1に係る発電装置の動作を示す概略図である。
図2C】実施の形態1に係る発電装置の動作を示す概略図である。
図2D】実施の形態1に係る発電装置の動作を示す概略図である。
図3A】1次共振モードについて説明するための原理図である。
図3B】2次共振モードについて説明するための原理図である。
図3C】3次共振モードについて説明するための原理図である。
図4A】1次共振モードにおける発電装置の変位を示す図である。
図4B】2次共振モードにおける発電装置の変位を示す図である。
図4C】3次共振モードにおける発電装置の変位を示す図である。
図4D】4次共振モードにおける発電装置の変位を示す図である。
図4E】5次共振モードにおける発電装置の変位を示す図である。
図4F】6次共振モードにおける発電装置の変位を示す図である。
図5A】1次共振モードにおける発電装置の変位を示す拡大図である。
図5B】2次共振モードにおける発電装置の変位を示す拡大図である。
図5C】3次共振モードにおける発電装置の変位を示す拡大図である。
図5D】4次共振モードにおける発電装置の変位を示す拡大図である。
図5E】5次共振モードにおける発電装置の変位を示す拡大図である。
図5F】6次共振モードにおける発電装置の変位を示す拡大図である。
図6A】実施の形態1の変形例に係る発電装置の構成を示す概略図である。
図6B】実施の形態1の変形例に係る発電装置の共振周波数と発生電圧の関係を示す図である。
図7A】実施の形態2に係る発電装置の構成を示す概略図である。
図7B】実施の形態2に係る発電装置の構成を示す概略図である。
図7C】実施の形態2に係る発電装置の構成を示す概略図である。
図8】関連技術に係る発電装置の構成を示す概略図である。
図9】関連技術に係る発電装置の構成を示す概略図である。
図10】実施の形態3に係る発電装置の構成を示す概略図である。
図11】実施の形態3に係る発電装置の構成を示す概略図である。
図12】実施の形態3に係る発電装置の構成を示す概略図である。
図13】実施の形態4に係る発電装置の構成を示す概略図である。
図14】実施の形態4の変形例に係る発電装置の構成を示す概略図である。
図15】従来の発電装置の構成を示す図である。
図16】従来の発電装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(本発明の基礎となった知見)
まず、本発明の基礎となった関連技術について図1A及び図1Bを参照して説明する。
【0025】
図1Aは、本発明の関連技術に係る発電素子900Aの構成を示す。また、図1Bは、本発明の関連技術に係る発電素子900Bの構成を示す。
【0026】
図1Aに示されるように、発電素子900Aは、固定ヨーク912と、可動ヨーク914と、コイル916A及びコイル916Bと、磁歪材料からなる磁歪棒918A及び磁歪棒918Bとを備えている。
【0027】
磁歪棒918A及び磁歪棒918Bは、平行梁構造を有する。磁歪棒918A及び磁歪棒918Bの一端は、固定ヨーク912により機械的に連結されている。また、磁歪棒918A及び磁歪棒918Bの他端は、可動ヨーク914により機械的に連結されている。
【0028】
磁歪棒を構成する磁歪材料は、一例として鉄ガリウム合金であるGalfenolである。大きさは、例えば、断面が2mm×0.5mmで軸方向の長さが20mm程度の角柱状として形成してもよい。なお、磁歪材料はGalfenolに限らずその他の材料であってもよい。例えば、鉄コバルト合金であるパーメンジュールであってもよいし、その他の材料であってもよい。
【0029】
磁歪棒918Aには、コイル916Aが巻かれている。また、磁歪棒918Bには、コイル916Bが巻かれている。
【0030】
ここで、磁界中において、磁歪棒918A及び磁歪棒918Bの一方が伸張し、他方が圧縮されるように可動ヨーク914を振動させることにより、磁歪棒918A及び磁歪棒918Bに逆磁歪効果が生じる。その結果、コイル916A及びコイル916Bの周囲の磁束が変化する。したがって、コイル916A及びコイル916Bに起電力が生じる。こうして、発電素子900Aは振動により発電することができる。
【0031】
図1Bは、磁歪棒918Bの代わりに、連結ヨーク920と一体形成された梁を使用して平行梁を構成する発電素子900Bの構成を示す。
【0032】
発電素子900Bにおいても、磁界中において、連結ヨーク920を振動させることにより、磁歪棒918Cに逆磁歪効果が生じる。その結果、コイル916C周囲の磁束が変化する。したがって、コイル916Cに起電力が生じる。こうして、発電素子900Bは振動により発電することができる。
【0033】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明について、以下の実施の形態および添付の図面を用いて説明を行うが、これは例示を目的としており、本発明がこれらに限定されることを意図しない。
【0034】
(実施の形態1)
はじめに、本実施の形態に係る発電装置10の構成について説明する。図2Aは、実施の形態1に係る発電装置10の構成を示す概略図である。
【0035】
図2Aに示すように、発電装置10は、発電素子100と、弾性線130と、錘140とを備えている。
【0036】
発電素子100は、図1Bに示した発電素子900Bと同様、連結ヨーク120と、コイル116と、磁歪材料からなる磁歪棒118とを備えている。磁歪棒118は、連結ヨーク120と一体形成された梁と、平行梁を構成している。
【0037】
磁歪棒118は、例えば、鉄ガリウム合金であるGalfenolで構成され、断面が2mm×0.5mmで軸方向の長さが20mm程度の角柱状の形状を有している。また、発電素子100の、連結ヨーク120も含めた全体の大きさは、幅2mm程度、長さ50mm程度である。
【0038】
なお、連結ヨーク120と一体形成された梁は、本発明における磁性棒に相当する。この梁は、図1Bに示すように連結ヨーク120と一体に形成されていても良いし、例えば、適度な弾性を有する磁性材料等で連結ヨーク120とは別に形成されていてもよい。また、発電素子100の構成は、上記した構成に限らず、磁歪棒118を少なくとも1つ備える構成であれば他の構成であってもよい。
【0039】
弾性線130は、本発明の弾性棒であり、例えば、バネ鋼、リン青銅、超弾性材料などで構成される。弾性線130は、例えば、直径1mm程度、長さ50mm程度の細線である。弾性線130は、2つの連結ヨーク120の一方に設けられ、磁歪棒118の軸方向に長尺な形状を有している。なお、弾性線130は、弾性を有する細線であってもよいし、棒状または板状のものであってもよい。また、弾性線130は、上記したように、磁歪棒118の軸方向に長尺な形状であってもよいし、その他の方向に長尺な形状であってもよい。また、屈曲した形状や湾曲した形状であってもよい。
【0040】
錘140は、所定の間隔ごとに弾性線130に複数個配置されている。錘140は、例えば、図2Aに示すように、1辺が20mm程度の立方体の形状を有しており、5mmの間隔で弾性線130に5個配置されている。なお、弾性線130と複数の錘140とを合わせた構成を多自由度励振機構と呼ぶ。
【0041】
また、発電装置10は、振動体150に固定され片持ち梁となっている。これにより、発電装置10は、振動体150の振動により振動される。
【0042】
次に、発電装置10の動作について説明する。図2B図2Dは、本実施の形態に係る発電装置10の動作を示す概略図である。図3A図3Cは、発電装置10の共振モードについて説明するための原理図である。
【0043】
図2Bにおいて、振動体150が上下に振動すると、錘140の慣性力により発電装置10全体が湾曲する。発電装置10は、図3Aに示すように、1つの振動の腹を生じる1次共振モードで振動する。振動体150の振動周波数を増加すると、発電装置10全体は一方向に湾曲し共振する。このとき、発電装置10の根元に配置されている発電素子100は一方向に湾曲するため、発電を行うことができる。
【0044】
さらに、振動体150の振動周波数を増加すると、図2Cに示すように、発電装置10には2次共振モードの振動が発生する。発電装置10は、図3Bに示すように、1つの振動の腹と1つの振動の節を生じる2次共振モードで振動する。このとき、発電素子100は1次共振モードのときと同様一方向に湾曲するため、発電を行うことができる。
【0045】
さらに、振動体150の振動周波数を増加すると、発電装置10には3次共振モードの振動が発生する。発電装置10は、図3Cに示すように、2つの振動の腹と2つの振動の節を生じる3次共振モードで振動する。このとき、発電素子100は1次共振モードのときと同様一方向に湾曲するため、発電を行うことができる。
【0046】
このように、発電装置10全体としては複数の振動の節と振動の腹が存在することで高次共振モードで振動するが、発電素子100は一様に湾曲するため磁歪効果により発電をすることができる。したがって、発電装置10は、高次の共振周波数を発生させることで効率よく発電することができる。
【0047】
なお、図2Dに示すように、発電装置10は、自発的に高次共振モードで振動する構成であってもよいし、発電装置10の一部(例えば、先端に配置された錘140)を床等に衝突することにより、強制的に高次の共振振動を発生して高次共振モードで振動する構成であってもよい。
【0048】
図4A図4Fは、1次〜高次(例えば6次)共振モードにおける発電装置10の変位を示す図であり、発電素子100に弾性線130と、10個の錘140を配置したときの発電装置10の共振状態を有限要素数値解析で計算した結果である。また、図5A図5Fは、図4A図4Fにおける発電素子100部分の拡大図である。
【0049】
図4A図4Fに示す発電装置10は、左端が振動体150に固定されている。また、発電素子100は、図4A図4Fに示すように、発電装置10において振動体150側から1/4程度の長さの位置に配置されている。図4A図4Fでは、この発電装置10に振動体150から振動を与え、共振が生じたときの発電装置10の外形形状である。
【0050】
解析結果によると、発電装置10は、3.5、21.5、58.0、110、275、399Hzの周波数で共振し、図4A図4Fに示すように、3.5Hzは1次の共振周波数(1次共振モード)、21.5Hzは2次の共振周波数(2次共振モード)、58.0Hzは3次の共振周波数(3次共振モード)、110Hzは4次の共振周波数(4次共振モード)、275Hzは5次の共振周波数(5次共振モード)、399Hzは6次の共振周波数(6次共振モード)により振動していることがわかる。
【0051】
また、1次〜6次共振モードのそれぞれにおいて、発電装置10全体としてはそれぞれの高次共振モードで共振しているにもかかわらず、図5A図5Fに示すように、発電素子100は一方向にのみ湾曲していることが分かる。したがって、発電素子100において、磁歪棒118は伸張または収縮することになり発電を行うことができる。
【0052】
また、一般に、磁歪による発電素子は、2次以上の高次の共振周波数に対しても効率よく発電できる。しかし、発電素子を構成する連結ヨークの剛性が高い場合、2次以上の高次の共振周波数は数百Hzから数千Hzと高い周波数領域で発生する。本実施の形態に係る発電装置10によると、3.5Hz〜399Hz程度の低い周波数領域であっても高次の共振周波数を発生させることができる。したがって、低い周波数領域における振動発電にも有効である。
【0053】
ここで、発電装置10において、低い周波数領域における振動であっても共振振動を生じやすい理由は以下のとおりである。
【0054】
一般に、発電装置10においては、弾性線130のバネ定数が低くなるほど共振振動を生じやすい周波数領域が低くなり、錘140の質量が大きくなるほど共振周波数が低くなる。発電装置10においては、弾性線130の直径を細くすることで弾性線130のバネ定数を低くすることができ、錘140の質量を重くすることによりバネ定数を低くすることができる。したがって、発電装置10において共振周波数を低くすることができる。弾性線130は、例えば、バネ鋼、リン青銅、超弾性材料等の高い引張強度を有する材料で構成されることが好ましい。
【0055】
以上、本実施の形態に係る発電装置10によると、発電装置10は、弾性線130と複数の錘140で構成された多自由度励振機構を発電素子100に連結した構成により、低い周波数領域で複数の共振周波数を発生させることができる。また、各共振周波数において発電素子100が一方向に湾曲することで、効率よく発電を行うことができる。
【0056】
なお、発電装置10の構成において、全ての錘140は必ずしも同じ質量である必要はなく、また、弾性線130に等間隔に配置する必要はない。また、発電装置10が所望の共振周波数の分布を有するように、適時、錘140の大きさや個数、配置を調整してもよい。各共振モードにおいて発電素子100が一方向に湾曲するのであれば任意の構成でもよい。
【0057】
また、弾性線(または、弾性板)は、必ずしも直線である必要はなく、直角に折れ曲がっていたり、円弧状や波状など湾曲していたりしてもよい。
【0058】
また、多自由度励振機構を構成する弾性線130と錘140とは、SUS430(ステンレス鋼)などの同一材料で一体に成形されていてもよい。同様に、多自由度励振機構と連結ヨーク120も一体に成形されていてもよい。
【0059】
また、磁歪棒118の形状は、直方体の棒状の形状に限らず、例えば円柱状の棒状の形状、板状、薄帯状等その他の形状であってもよい。
【0060】
(実施の形態1の変形例)
次に実施の形態1の変形例について説明する。
【0061】
図6Aは、本変形例に係る発電装置の構成を示す概略図である。図6Bは、発電装置の共振周波数と発生電圧との関係を示す図である。図6Bでは、1次〜4次共振モードにおける共振周波数と発生電圧との関係を示している。
【0062】
図6Aに示すように、実施の形態1に係る発電装置10は、弾性線130の周囲にダンパ部160を備えていてもよい。ダンパ部160は、ゴムまたはスポンジ等の弾性材料で構成され、弾性線130の周囲を覆うように配置されている。
【0063】
また、図6Bに示すように、ダンパ部160を備えた発電装置10とダンパ部160を備えない発電装置10において、いずれも1次〜4次共振モードそれぞれの共振周波数での発生電圧は大きくなっているが、ダンパ部160を備えた発電装置10のほうが、ダンパ部160を備えない発電装置10よりも共振のQ値(共振の鋭さ)を下げることができ、かつ、発電を行うことができる周波数領域(例えば、定格値の1/2以上の電圧を出力することができる周波数領域)を拡大することができる。したがって、ダンパ部160を設けることにより、発電装置10は、過大な振幅によって発電素子100が破壊されるのを抑制することができるとともに、広い周波数領域の振動に対応して発電することができる。
【0064】
(実施の形態2)
次に、本発明の一態様に係る実施の形態2について説明する。上記した実施の形態1では、発電素子の磁歪棒と多自由度励振機構は、同一方向に連続して配置された構成となっていたが、本実施の形態では、発電素子の磁歪棒と多自由度励振機構とは平行となるように配置されている点が、実施の形態1と異なる。
【0065】
図7A図7Cは、本実施の形態に係る発電装置20の構成を示す概略図である。
【0066】
図7Aに示すように、発電装置20は、発電素子200と、弾性線230と、錘240とを備えている。
【0067】
発電素子200は、連結ヨーク220と、コイル216と、磁歪材料からなる磁歪棒218とを備えている。磁歪棒218は、連結ヨーク220と一体形成された梁と、平行梁を構成している。また、連結ヨーク220は、磁歪棒218が配置された位置を挟んで両側が磁歪棒218の軸方向に対して垂直な方向に屈曲された構成をしている。そして、連結ヨーク220の屈曲された一方は振動体(図示せず)に配置され、屈曲された他方には、弾性線230が配置されている。弾性線230と磁歪棒218は平行に配置されている。なお、連結ヨーク220と一体形成された梁は、本発明における磁性棒に相当する。
【0068】
弾性線230には、複数の錘240が所定の間隔で配置されている。錘240は、例えば、図7Aに示すように、10mm×10mm×5mm程度の直方体の形状を有しており、5mmの間隔で弾性線230に3個配置されている。なお、弾性線230と複数の錘240とを合わせた構成を多自由度励振機構と呼ぶ。
【0069】
弾性線230が配置された連結ヨーク220の上記した一方と反対側の、連結ヨーク220の上記した他方は振動体に固定され、振動体の振動による力(錘240の慣性力)が作用する。ここで、この連結ヨーク220の他方に対して磁歪棒218の軸方向の力、または、磁歪棒218の軸方向と垂直な方向のいずれの力が作用しても、磁歪棒218には曲げモーメントが作用する。したがって、磁歪棒218は湾曲し、磁歪発電が行われる。
【0070】
例えば、図7Bに示すように、振動体が上下に振動するときは、発電装置20は、磁歪棒218の軸方向と平行な方向に振動し、複数の共振周波数で大きく伸縮する。この時、伸縮に伴う弾性線230の弾性力は連結ヨーク220に垂直に作用し、同時に磁歪棒218には曲げモーメントが作用する。この場合、複数のいずれの共振周波数においても磁歪棒218は一方向に湾曲し、磁歪発電を行うことができる。
【0071】
一方、図7Cに示すように、振動体が左右に振動するときは、発電装置20は、磁歪棒218の軸方向と垂直な方向に振動し、複数の共振周波数で大きく湾曲する。この時、湾曲に伴う弾性線230の変形は、磁歪棒218に曲げモーメントを作用させる。この場合、複数の共振周波数において、磁歪棒218は一方向に湾曲し、発電を行うことができる。
【0072】
以上、本実施の形態に係る発電装置20によると、磁歪棒218の軸方向に対して垂直な方向に屈曲された連結ヨーク220の上記した他方に、弾性線230と複数の錘240とで構成される多自由度励振機構を連結することで、上下左右のいずれの振動によっても、磁歪棒218が伸縮または湾曲するため、複数の方向および複数の共振周波数で効率よく発電を行うことができる。
【0073】
なお、多自由度励振機構は、磁歪棒218の軸方向に対して垂直な方向に屈曲された連結ヨーク220の上記した他方に片持ち梁の構成で固定されているが、多自由度励振機構は、屈曲された連結ヨーク220の上記した一方にも固定されている両持ち梁の構成でもよい。また、弾性線230は、屈曲された連結ヨーク220と平行な方向に長尺な構成であってもよい。つまり、発電装置20は、コの字型の構成に限らず、連結ヨーク220がL字型の形状やその他の角度に屈曲された形状であってもよい。
【0074】
(実施の形態3)
次に、本発明の一態様に係る実施の形態3について説明する。上記した実施の形態1に示した発電装置は、風力発電用の発電装置としても応用できる。以下にその例について説明する。
【0075】
図8及び図9は、本発明の関連技術に係る発電装置30の構成を示す概略図であり、図8及び図9のそれぞれにおいて、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は右側面図を示している。
【0076】
発電装置30は、風力発電用の発電装置であり、図8及び図9に示すように、発電素子300と、台形板340とを備えている。
【0077】
発電素子300は、連結ヨーク320と、コイル316と、磁歪材料からなる磁歪棒318とを備えている。磁歪棒318は、連結ヨーク320と一体形成された梁と、平行梁を構成している。
【0078】
台形板340は、例えばCFRP(carbon fiber reinforced plastics:炭素繊維強化プラスチック)、やジュラルミン(アルミニウムと亜鉛とマグネシウムによるアルミニウム合金)等、軽量で変形しにくい材料で構成された板状の部材により形成されている。台形板340は、図8の(a)に示すように、連結ヨーク320に接続された側の幅が小さく、連結ヨーク320から遠ざかるにつれて幅が大きくなる台形形状の板で構成されている。例えば、台形板340は、磁歪棒318の軸方向と同じ方向の長さが100mm程度であり、連結ヨーク320に近い側の幅が10mm程度、連結ヨーク420から遠い側の幅が30mm程度の長さを有している。
【0079】
また、台形板340は、図8の(c)に示すように、右側面からみたときに所定の角度(例えば、直角)に屈曲された形状をしている。例えば、台形形状の板を線対称の対称線において所定の角度に屈曲した形状を有している。
【0080】
また、台形板340は、連結ヨーク320に、発電素子300が発電することができる湾曲方向(図8の(b)に示す上下方向)と垂直の方向(図8の(b)に示す奥から手前方向)に、屈曲した台形板340の角度が開いた開口部を有するように配置されている。
【0081】
台形板340の開口部に図9の(b)に示す奥から手前方向に風が作用すると、台形板340の開口部の後方にカルマン渦が発生する。このカルマン渦により、台形板340は、発電素子300が発電することができる湾曲方向(図9の(b)に示す上下方向)に自励する。この振動により、発電素子300は湾曲し発電が行われる。
【0082】
ここで、台形板340が変形しにくい弾性体(剛体と見なせる弾性体)で構成されている場合には、発電装置30は1次の共振周波数で大きく振動することはあるが、発電装置30において2次以上の共振周波数は生じにくく、高次の共振周波数による振動で効率よく発電を行うことは難しい。
【0083】
そこで、例えば、台形板を複数に分割し、これを弾性線に間隔を空けて配置した多自由度励振機構を構成し、これを発電素子に連結した構成とすることにより、高次の共振周波数でも発電を行うことができる。以下にその構成について説明する。
【0084】
図10図12は、本実施の形態に係る発電装置40の構成を示す概略図である。図10は静止状態、図11は1次共振モードによる振動状態、図12は2次共振モードによる振動状態を示す。
【0085】
図10に示すように、発電装置40は、発電素子400と、弾性線430と、複数の台形板440とを備えている。
【0086】
発電素子400は、連結ヨーク420と、コイル416と、磁歪材料からなる磁歪棒418とを備えている。磁歪棒418は、連結ヨーク420と一体形成された梁と、平行梁を構成している。なお、連結ヨーク420と一体形成された梁は、本発明における磁性棒に相当する。
【0087】
弾性線430は、例えば、バネ鋼、リン青銅、超弾性材料などで構成される。弾性線430は、例えば、直径1mm程度の細線である。なお、弾性線430は、針金のような細線であってもよいし、板状のものであってもよい。
【0088】
台形板440は、所定の間隔ごとに弾性線430に複数個配置されている。台形板340は、例えばCFRPやジュラルミン等、軽量で変形しにくい材料で構成された板状の部材により形成されている。また、台形板440は、例えば、図10の(b)に示すように、弾性線430の軸方向に20mm程度の長さを有している。台形板440は、5mmの間隔で弾性線430に4個配置されている。連結ヨーク420に最も近い位置に配置された台形板440は、連結ヨーク420側の軸方向と垂直の方向の幅が10mm程度であり、連結ヨーク420から最も遠い位置に配置された台形板440は、連結ヨーク420と反対側の軸方向と垂直の方向の幅が30mm程度の長さを有している。なお、台形板440は、板状の部材により形成されていれば、台形の形状に限らず、長方形または正方形、その他の形状であってもよい。この場合、板状の部材の大きさは、連結ヨーク420から遠ざかるにつれて大きくなる形状であってもよいし、連結ヨーク420からの距離にかかわらず同じ大きさであったり異なる大きさであったりしてもよい。
【0089】
また、台形板440は、図10の(c)に示すように、右側面からみたときに弾性線430との接触部分で所定の角度(例えば、直角)に屈曲された形状をしている。例えば、各台形板440は、台形形状の板を線対称の対称線において所定の角度に屈曲した形状を有している。なお、弾性線430と複数の台形板440とを合わせた構成を多自由度励振機構と呼ぶ。
【0090】
発電装置40は、変形しやすく、また、低い周波数領域において複数の共振周波数により共振する。例えば、実施の形態1に示した発電装置10と同様、図11に示すように、発電装置40は、1次共振モードによって振動する。また、発電装置40は、図12に示すように、2次共振モードによっても振動する。また、3次以上の高次共振モードによっても振動する。よって、風速の変化でカルマン渦の発生する周波数が変化しても、発電装置40は共振周波数に一致しやすく、一致はしていなくても共振周波数付近の周波数で効率よく発電を行うことができる。
【0091】
なお、発電装置40は、風力発電に限らず水力発電その他の発電に利用してもよい。
【0092】
以上、本実施の形態に係る発電装置によると、発電装置40は、弾性線430と複数の台形板440で構成された多自由度励振機構を発電素子400に連結した構成により、低い周波数領域で多くの共振周波数を発生させることができる。また、各共振周波数において発電素子400が一方向に湾曲することで、効率よく発電を行うことができる。
【0093】
(実施の形態4)
次に、本発明の一態様に係る実施の形態4について説明する。上記した実施の形態1に係る発電装置は、発電素子及び弾性線を1つ備える構成であったが、本実施の形態に係る発電装置は、発電素子及び弾性線を各々平行に2つ備える点が、実施の形態1と異なる。
【0094】
図13は、本実施の形態に係る発電装置の構成を示す概略図であり、図13の(a)は、上面図、(b)は正面図である。
【0095】
図13の(b)に示すように、発電素子500は、発電素子500Aと発電素子500Bとが連結ヨーク520により連結された構成をしている。また、連結ヨーク520の先端には、2本の弾性線530が平行に設けられ、2本の弾性線530には、直方体の形状を有する錘540が共通して5個配置されている。
【0096】
弾性線530を2本設けることにより、発電装置50は、図13の(a)に示す上下方向には湾曲しやすく、同図の(b)に示す上下方向には、湾曲しにくい構成となっている。したがって、発電装置50では、発電を引き起こす方向に磁歪棒516を湾曲させるための振動が生じやすくなり、発電に関与しない方向に磁歪棒516を湾曲させるための振動が抑制される。
【0097】
また、弾性線530を2本設けることにより発電装置50の幅が大きくなるため、発電素子500も2本配置されるように、発電素子500A及び500Bを平行に設けている。これにより、発電装置50における振動を安定させるとともに、発電量を増加することができる。
【0098】
(実施の形態4の変形例)
次に、実施の形態4の変形例について説明する。本変形例に係る発電装置60は、実施の形態4に示した発電装置50と錘の形状が異なっている。
【0099】
図14は、本変形例に係る発電装置60の構成を示す概略図であり、図14の(a)は、正面図、(b)は右側面図である。
【0100】
図14の(a)に示すように、発電装置60は、実施の形態4に示した発電装置50と同様に、平行に配置された2本の弾性線530と、発電素子500A及び500Bが平行に配置された発電素子500を備えている。また、2本の弾性線530には、錘550が共通して5個配置されている。ここで、錘550は、図14の(b)に示すように、翼型の形状を有するように形成されている。これにより、発電装置60は、風や水流によるフラッタ現象により多自由度の共振周波数を有する振動を生じることができる。また、発電に関与しない方向に磁歪棒518を湾曲させるための振動を抑制することができる。
【0101】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形を行ってもよい。
【0102】
例えば、上記した発電装置の構成において、全ての錘は必ずしも同じ質量である必要はなく、また、錘および台形板は、弾性線に等間隔に配置される必要はない。また、発電装置が所望の共振周波数の分布を有するように、適時、錘の大きさや個数、配置を調整してもよく、各共振モードにおいて発電素子が一方向に湾曲するのであれば、錘の大きさや個数、配置は任意に変更してもよい。
【0103】
また、上記した弾性線は針金状の細線でなくても、板状のものであってもよい。弾性線が板状の形状である場合、振動方向が一方向に規定され、一方向に安定して振動しやすいという効果が生じる。また、弾性線は、伸縮と湾曲の両方の変形ができる形状、材質であることが望ましい。
【0104】
また、弾性線は、必ずしも直線である必要はなく、直角に折れ曲がっていたり、円弧状や波状など湾曲していたりしてもよい。
【0105】
また、磁歪棒の形状は、例えば、直方体の棒状の形状、円柱状の棒状の形状、板状、薄帯状等その他の形状であってもよい。
【0106】
また、上記した実施の形態では、磁歪棒を構成する磁歪材料の一例として鉄ガリウム合金であるGalfenolについて説明したが、磁歪材料はGalfenolに限らずその他の材料であってもよい。例えば、鉄コバルト合金であるパーメンジュールであってもよいし、その他の材料であってもよい。また、引っ張り応力に対する磁化の変化を大きくするために、予め応力焼きなまし処理を施すことにより圧縮応力を付加した磁歪材料を用いてもよい。
【0107】
また、多自由度励振機構を構成する弾性線と錘とは、同一材料で一体に成形されていてもよいし、別々で形成されていてもよい。同様に、多自由度励振機構と連結ヨークも一体に形成されていてもよいし、別々に形成されていてもよい。
【0108】
また、発電素子の構成は、上記したように1本の構成であってもよいし、2本を平行に配置した構成や音叉形状であってもよい。
【0109】
また、発電装置は、発電素子を2つ備え、1つの弾性棒の両端に発電素子が1つずつ配置された構成であってもよい。つまり、一の発電素子と、弾性棒と、他の発電素子が順に直列に配置され、弾性棒に複数の錘が配置される構成である。この構成の場合、各発電素子は、弾性棒が配置されていない側の連結ヨークが振動体へ固定される構成であってもよい。
【0110】
また、本発明の発電装置への応用は、上記した風力発電に限らず、水力発電やその他の振動発電に適用してもよい。
【0111】
また、本発明に係る発電素子には、上記実施の形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本発明に係る発電装置を備えた各種機器等、例えば、携帯電話機や音楽プレーヤーなどの携帯電子機器、発電システム、自動車用振動発電装置、超小型電力供給装置等も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、振動が発生する機器等、特に、広帯域の振動が発生する電子装置、発電システム、その他の発電装置として有用である。
【符号の説明】
【0113】
10、20、30、40、50、60 発電装置
100、200、300、400、500、500A、500B、900A、900B 発電素子
116、216、316、416、516、916A、916B、916C コイル
118、218、318、418、518、918A、918B、918C 磁歪棒
120、220、320、420、520、920 連結ヨーク
130、230、530 弾性線(弾性棒)
140、240、540、550 錘
150 振動体
160 ダンパ部
340、440 台形板(錘)
914 可動ヨーク
912 固定ヨーク
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16