(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5943434
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】グリル付きテーブルコンロ
(51)【国際特許分類】
F24C 3/02 20060101AFI20160621BHJP
F24C 3/12 20060101ALI20160621BHJP
A47J 37/06 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
F24C3/02 Q
F24C3/12 E
A47J37/06 361
【請求項の数】2
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2014-2070(P2014-2070)
(22)【出願日】2014年1月9日
(65)【公開番号】特開2015-129622(P2015-129622A)
(43)【公開日】2015年7月16日
【審査請求日】2015年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】特許業務法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】倉地 大修
【審査官】
長浜 義憲
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−065881(JP,A)
【文献】
特開平06−300281(JP,A)
【文献】
特開平01−189422(JP,A)
【文献】
実開昭55−162002(JP,U)
【文献】
特開2003−74876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/02
A47J 37/06
F24C 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンロ本体の横方向中間部にグリル庫が組み込まれたグリル付きテーブルコンロであって、電気配線を束ねたハーネスを、コンロ本体の底部前端のボトムフレームに沿わせて、グリル庫の下を横断するように配設するものにおいて、
ボトムフレームのグリル庫底板が載せられる横方向中間部を、起立した前板部と、前板部の下端から後方に屈曲し、グリル庫底板の下方に隙間を存して対向する下板部とを有する形状に形成し、グリル庫底板と下板部との間の隙間にハーネスを収納することを特徴とするグリル付きテーブルコンロ。
【請求項2】
前記グリル庫底板よりも下に、前記ハーネスを上方から覆う配線カバーが設けられることを特徴とする請求項1記載のグリル付きテーブルコンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンロ本体の横方向中間部にグリル庫が組み込まれたグリル付きテーブルコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のテーブルコンロとして、電気配線を束ねたハーネスを、コンロ本体の底部前端のボトムフレームに沿わせて、グリル庫の下を横断するように配設するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このものでは、ボトムフレームの下にハーネスを配設し、ハーネスを下方から支持するガイド板をボトムフレームに下方から取付けている。
【0003】
これによれば、ハーネスが下方に垂れ下がることをガイド板によって防止できる。然し、ボトムフレームの下面にガイド板が固定される関係で、テーブルコンロを載置するガス台を掃除するために、テーブルコンロの下に手を差し入れて動かす際、ガイド板の両端のエッジに手が当たって、手に傷を付けてしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−65881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、コンロ本体の底部前端のボトムフレームに沿わせて配設するハーネスの垂れ下がりを防止できると共に、ガス台を掃除する際に手に傷を付ける恐れもなくしたグリル付きテーブルコンロを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、コンロ本体の横方向中間部にグリル庫が組み込まれたグリル付きテーブルコンロであって、電気配線を束ねたハーネスを、コンロ本体の底部前端のボトムフレームに沿わせて、グリル庫の下を横断するように配設するものにおいて、ボトムフレームのグリル庫底板が載せられる横方向中間部を、起立した前板部と、前板部の下端から後方に屈曲し、グリル庫底板の下方に隙間を存して対向する下板部とを有する形状に形成し、グリル庫底板と下板部との間の隙間にハーネスを収納することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、コンロ本体の底部前端のボトムフレームに沿わせて配設するハーネスがボトムフレームの下板部によって下方から支持されることになり、ハーネスの垂れ下がりを防止できる。また、従来例の如くボトムフレームの下面にハーネスを支持するガイド板を取付けずに済むため、ガス台を掃除する際にガイド板のエッジで手に傷を付ける恐れもない。更に、ハーネスはグリル庫底板の下及びボトムフレームの前板部の後に隠れて外観に現れず、体裁も良好になる。
【0008】
尚、ハーネスの被覆が耐熱性の低い安価なものであると、グリル庫底板に被覆が触れた場合、被覆が熱で損傷する可能性がある。そのため、本発明においては、グリル庫底板よりも下に、ハーネスを上方から覆う配線カバーを設けることが望ましい。これによれば、ハーネスの被覆がグリル庫底板に接触せず、被覆が耐熱性の低い安価なものであっても熱による損傷は生じない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態のグリル付きテーブルコンロの斜視図。
【
図3】
図1のテーブルコンロのグリル庫を取外した状態の要部の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照して、1は、本発明の実施形態のテーブルコンロのコンロ本体を示している。コンロ本体1の横方向中間部にはグリル庫2が組み込まれている。また、コンロ本体1の上面を覆う天板3上には左右一対のコンロバーナ4、4が露出しており、天板3に各コンロバーナ4を囲うようにして五徳5が載置されている。
【0011】
グリル庫2は、前面に開閉自在なグリル扉21を備えている。グリル庫2内には、
図2に示す如く、グリル皿22が収納されており、グリル皿22上に支持される焼き網23に載せた被調理物がグリル庫2の天井部に装着された上火バーナ24で焼成されるようにしている。また、グリル皿22の前端のフランジ部22aの前縁には、下方に屈曲する係止片部22bが設けられている。そして、係止片部22bをグリル扉21の裏板部に取付けた側面視コ字状の板バネ製連結金具25の上下の片25a、25b間に挟み込んで、グリル皿22をグリル扉21に連結し、グリル扉21の開閉操作に連動してグリル皿22がグリル庫2に出し入れされるようにしている。
【0012】
コンロ本体1の底部前端には、
図2、
図3に示す如く、ボトムフレーム11が設けられている。そして、電気配線6aを束ねた被覆6b付きのハーネス6を、ボトムフレーム11に沿わせて、グリル庫2の下を横断するように配設している。
【0013】
ここで、本実施形態では、ボトムフレーム11のグリル庫底板2aが載せられる横方向中間部を、起立した前板部11aと、前板部11aの下端から後方に屈曲し、グリル庫底板2aの下方に隙間を存して対向する下板部11bとを有する形状に形成している。尚、ボトムフレーム11の横方向中間部の下板部11bの後部には、上方に凸のビード部11cが形成されている。このビード部11cには、グリル庫底板2aに当接する上方に隆起した横方向中央の突起部11dと、グリル庫底板2aに形成した下方に突出する位置決め突起(図示せず)が嵌合する上端の孔11eを有する、横方向両側部に位置する上方に隆起した受座11fと、グリル庫底板2aを締結する上端のねじ孔11gを有する、受座11fよりも横方向外側に位置する上方に隆起した取付座11hとが形成されている。
【0014】
ハーネス6は、グリル庫底板2aとボトムフレーム11のビード部11cより前側の下板部11bとの間の隙間に収納されている。また、グリル庫底板2aよりも下に、ハーネス6を上方から覆う配線カバー7が設けられている。
【0015】
以上の構成によれば、コンロ本体1の底部前端のボトムフレーム11に沿わせて配設するハーネス6がボトムフレーム11の下板部11bによって下方から支持されることになり、ハーネス6の垂れ下がりを防止できる。また、上記従来例の如くボトムフレーム11の下面にハーネス6を支持するガイド板を取付けずに済むため、ガス台を掃除する際にガイド板のエッジで手に傷を付ける恐れもない。更に、ハーネス6はグリル庫底板2aの下及びボトムフレーム11の前板部11aの後に隠れて外観に現れず、体裁も良好になる。
【0016】
また、ハーネス6の被覆6bが耐熱性の低い安価なものである場合、グリル庫底板2aに被覆6bが触れると、被覆6bが熱で損傷する可能性がある。然し、本実施形態では、ハーネス6を上方から覆う配線カバー7を設けるため、ハーネス6の被覆6bがグリル庫底板2aに接触する恐れはなく、被覆6bが耐熱性の低い安価なものであっても熱による損傷は生じない。尚、配線カバー7は必要不可欠ではない。
【符号の説明】
【0017】
1…コンロ本体、11…ボトムフレーム、11a…前板部、11b…下板部、2…グリル庫、2a…グリル庫底板、6…ハーネス、6a…電気配線、7…配線カバー。