(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれが複数の章のいずれかに属する複数の本紙を、小口において前記各章の範囲を示す各章範囲画像が、隣接する該章範囲画像同士の天地方向の位置が互いに異なる状態で並んで表示される書籍にくるみ製本するため、前記複数の本紙のデータを編集するデータ編集装置であって、
前記章範囲画像を強調するマーカ画像が、前記複数の章のうち、該章に属する本紙の頁数が所定の閾値以下である章の範囲を示す前記章範囲画像に隣接するように、前記データを編集するマーカ画像編集部を備えたことを特徴とするデータ編集装置。
前記マーカ画像編集部が、前記章範囲画像の天地方向に直交する方向の少なくとも片側に前記マーカ画像が隣接するように、前記データを編集するものであることを特徴とする請求項1に記載のデータ編集装置。
前記マーカ画像編集部が、前記頁数が所定の閾値以下である章の直前の章の最終頁より所定頁数分および/または直後の章の最初頁より所定頁数分の範囲に前記マーカ画像が表示されるように、前記データを編集するものであることを特徴とする請求項2に記載のデータ編集装置。
前記マーカ画像編集部が、前記直前および/または前記直後の章の全範囲に前記マーカ画像が表示されるように、前記データを編集するものであることを特徴とする請求項2に記載のデータ編集装置。
それぞれが複数の章のいずれかに属する複数の本紙を、小口において前記各章の範囲を示す各章範囲画像が、隣接する該章範囲画像同士の天地方向の位置が互いに異なる状態で並んで表示される書籍にくるみ製本するため、前記複数の本紙のデータを編集するためにコンピュータを、
前記章範囲画像を強調するマーカ画像が、前記複数の章のうち、該章に属する本紙の頁数が所定の閾値以下である章の範囲を示す前記章範囲画像に隣接するように、前記データを編集するマーカ画像編集部として機能させるためのデータ編集プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、頁数の少ない章の章範囲画像は視認し辛いため、頁数の少ない章に属する本紙が本紙束のどの辺りにあるのかを探すのに煩わしさを感じる虞がある。
【0007】
本発明の目的は、上記事情に鑑み、頁数の少ない章の章範囲を視認し易くするデータ編集装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明のデータ編集装置は、それぞれが複数の章のいずれかに属する複数の本紙を、小口において各章の範囲を示す各章範囲画像が、隣接する章範囲画像同士の天地方向の位置が互いに異なる状態で並んで表示される書籍にくるみ製本するため、複数の本紙のデータを編集するデータ編集装置であって、章範囲画像を強調するマーカ画像が、複数の章のうち、この章に属する本紙の頁数が所定の閾値以下である章の範囲を示す章範囲画像に隣接するように、データを編集するマーカ画像編集部を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明のデータ編集プログラムは、コンピュータを上記のデータ編集装置として機能させるために、上記マーカ画像編集部をマーカ画像編集手段として機能させるものである。
【0010】
ここで、本発明のデータ編集装置およびプログラムにおける「本紙」とは、本文を構成する文字や数字や図や写真等が印刷された紙を意味する。「本紙のデータ」とは、用紙に本文を印刷するための本紙の画像データを意味する。上記「本紙のデータを編集する」とは、本紙を表すデータを編集することを意味するものであり、本紙内の既在の文字および画像等の位置や、大きさや、向きを変更することに限定されず、新たな文字や画像等を付加することをも含んでいる。また、上記「隣接」とは、必ずしも接している状態に限定されるものではなく、近傍に位置することをも含む意味である。また、「天地方向」とは、書籍の天から地または地から天に向けた方向を意味する。
【0011】
また、本発明のデータ編集部は、マーカ画像編集部が、章範囲画像の天地方向に直交する方向の少なくとも片側にマーカ画像が隣接するように、データを編集するものであってもよい。
【0012】
また、本発明のデータ編集装置は、頁数が所定の閾値以下である章の直前の章の最終頁より所定頁数分および/または直後の章の最初頁より所定頁数分の範囲にマーカ画像が表示されるように、データを編集するものであってもよい。
【0013】
ここで、上記「直前の章」とは、頁数が所定の閾値以下である章の直前の章番号を有する章、上記「直後の章」とは、頁数が所定の閾値以下である章の直後の章番号を有する章をそれぞれ意味する。
【0014】
また、本発明のデータ編集部は、マーカ画像編集部が、直前および/または直後の章の全範囲にマーカ画像が表示されるように、データを編集するものであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のデータ編集装置およびプログラムによれば、それぞれが複数の章のいずれかに属する複数の本紙を、小口において各章の範囲を示す各章範囲画像が、隣接する章範囲画像同士の天地方向の位置が互いに異なる状態で並んで表示される書籍にくるみ製本するため、複数の本紙のデータを編集する際に、章範囲画像を強調するマーカ画像が、複数の章のうち、章に属する本紙の頁数が所定の閾値以下である章の範囲を示す章範囲画像に隣接するように、データを編集するため、マーカ画像が、頁数が所定の閾値以下である章の章範囲画像を強調して目立たせるため、頁数が所定の閾値以下である章の章範囲を視認し易くする。
【0016】
また、本発明のデータ編集装置によれば、章範囲画像の天地方向に直交する方向の少なくとも片側にマーカ画像が隣接するように、データを編集することにより、マーカ画像が、頁数の少ない章範囲画像の幅を目立たせるため、頁数が所定の閾値以下である章の章範囲を視認し易くする。
【0017】
また、本発明のデータ編集装置によれば、頁数が所定の閾値以下である章の直前の章の最終頁より所定頁数分および/または直後の章の最初頁より所定頁数分の範囲にマーカ画像が表示されるように、データを編集することにより、マーカ画像の強調度合いを調整しつつ、頁数が所定の閾値以下である章の章範囲を視認し易くする。
【0018】
また、本発明のデータ編集装置によれば、直前および/または直後の章の全範囲にマーカ画像が表示されるように、データを編集することにより、直前および/または直後の章に属する本紙において、マーカ画像が表示される本紙とマーカ画像が表示されない本紙とが混在することを回避しつつ、頁数が所定の閾値以下である章の章範囲を視認し易くする。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るデータ編集部44を用いたくるみ製本システム1の概略構成図である。くるみ製本システム1は、
図1に示すように、印刷装置2、印刷装置2に隣接する製本装置3、印刷装置2とネットワークを介して接続するコンピュータ4とから構成されている。
【0021】
くるみ製本システム1は、コンピュータ4において、原稿データDDを生成し、原稿データDDに基づいて画像データGDを生成し、画像データGDに基づいて印刷データPDを生成する。そして、印刷装置2において、印刷データPDに基づいて1枚の表紙Cおよび複数枚の本紙Hを印刷し、製本装置3において、複数枚の本紙Hを束ねて表紙Cで包んで書籍に製本する。
【0022】
原稿データDDは、表紙Cの原稿(以下、表紙原稿CDという。)を表す表紙原稿データCDDと本紙Hの原稿(以下、本紙原稿HDという。)を表す本紙原稿データHDDとから構成される。
【0023】
画像データGDは、表紙Cの印刷画像(以下、表紙画像CGという)を表す表紙画像データCGDと複数の本紙Hの印刷画像(以下、本紙画像HGという)を表す複数の本紙画像データHGDとから構成される。
【0024】
印刷データPDは、表紙Cの印刷ジョブデータである表紙印刷データCPDと本紙Hの印刷ジョブデータである本紙印刷データHPDとから構成される。印刷データPDはPDL(Page Description Language)データやラスターデータで構成される。
【0025】
最初に印刷装置2について説明する。印刷装置2は、印刷データPDをコンピュータ4からネットワークを介して受け取り、表紙印刷データCPDに基づいて表紙用紙に1枚の表紙Cと本紙印刷データHPDに基づいて本紙用紙に複数枚の本紙Hとを印刷するものである。印刷装置2は、印刷制御部21、画像データ記憶部22、印刷給紙部23および印刷部24を備えている。
【0026】
印刷制御部21は、各部を制御することにより印刷装置2の全体を制御するものである。また、印刷制御部21は、コンピュータ4から印刷データPDを受け取り、印刷データPDに基づいて画像データGDを展開する。印刷制御部21は、表紙印刷データCPDに基づいて表紙画像データCGD、本紙印刷データHPDに基づいて複数の本紙画像データHGDをそれぞれ展開する。
【0027】
画像データ記憶部22は、表紙画像データCGDおよび複数の本紙画像データHGDを印刷が行われるまで記憶するものである。
【0028】
印刷給紙部23は、印刷部24に表紙用紙または本紙用紙を給紙するものである。印刷給紙部23は、表紙用紙を給紙トレイ23A、本紙用紙を給紙トレイ23Bにそれぞれ収納する。
【0029】
印刷部24は、画像データGDに基づいて、1枚の表紙Cおよび/または複数枚の本紙Hを印刷するものである。印刷部24は、表紙画像データCGDに基づいて、表紙用紙に表紙画像CGを印刷し、本紙画像データHGDに基づいて、本紙用紙に本紙画像HGを印刷する。印刷部24には、孔版印刷プリンタやインクジェットプリンタやレーザープリンタ等を用いてもよい。
【0030】
本紙印刷データHPDには、頁数情報、片面印刷または両面印刷かを示す印刷条件情報も付加されており、印刷制御部21は、これらの情報に基づいて、本紙Hの総枚数に本紙用紙1枚あたりの厚みを乗算して本紙束の厚みを算出し、印刷部24に適切なサイズの表紙用に表紙を印刷させる。
【0031】
次に製本装置3について説明する。製本装置3は、くるみ製本装置であり、複数枚の本紙Hを本紙束に束ね、本紙束の背側の側面に接着剤を塗布した後に表紙Cで包んで製本するものである。また、製本装置3は、本紙束の小口側、天側および地側の各側面から所定寸法だけ内側を裁断(以下、化粧裁ちと言う。)して製本できる。
【0032】
次にコンピュータ4について説明する。コンピュータ4は、表示部4A、入力部4Bおよび本体4Cから構成されている。表示部4Aは、液晶モニタ等の表示装置であり、後述する原稿データ作成プログラム、プリンタドライバおよびデータ編集プログラムを表示する。入力部4Bは、キーボード、マウス、ポインティングデバイス等の入力装置であり、ユーザによる原稿データ作成プログラム、プリンタドライバおよびデータ編集プログラムに対する指示を受け付ける。
【0033】
本体4Cは、中央処理装置(CPU)および半導体メモリやハードディスク等から構成され、メモリ41に原稿データ作成プログラム、プリンタドライバおよびデータ編集プログラムをインストールすることにより、コンピュータ4を原稿データ作成部42、印刷出力部43およびデータ編集部44として機能させる。
【0034】
メモリ41は、原稿データ作成プログラム、プリンタドライバ、データ編集プログラム、原稿データDDおよび画像データGDを記憶するものである。なお、原稿データDDおよび画像データGDは、コンピュータ4以外の他のコンピュータで作成されたものであってもよい。
【0035】
原稿データ作成部42は、原稿データDDを生成するプログラムである。原稿データ作成プログラムには、原稿作成用としてMicrosoft社のWord、Excel(登録商標)、PowerPoint(登録商標)、原稿データDDへの変換用としてPDF(登録商標)ドライバ等のプログラムを用いてもよい。
【0036】
原稿データ作成部42は、表紙原稿CDおよび本紙原稿HDを、表示部4Aに表示しながら入力部4Bが受け付ける操作に基づいて形成し、PDF(Portable Document Format)形式の原稿データDDを生成する。原稿データ作成部42は、本紙原稿HDの各頁が属する章情報を本紙原稿データHDDに付加する。
【0037】
印刷出力部43は、データ編集部44から画像データGDを受け取り、印刷データPDを生成して印刷装置2に出力するものである。プリンタドライバは、データ編集部44が印刷処理を行うことで起動される。
【0038】
本発明の一実施形態であるデータ編集部44は、原稿データDDに基づいて、画像データGDを生成するものであり、表紙原稿データCDDに基づいて表紙画像データCGD、本紙原稿データHDDに基づいて複数の本紙画像データHGDを生成する。
【0039】
図2はデータ編集部44のブロック図を示す。データ編集部44は、
図2に示す通り、制御部441、表紙画像データ生成部442、本紙画像データ生成部443、章画像データ合成部444、マーカ画像データ生成部445およびマーカ画像データ合成部446から構成されている。
【0040】
制御部441は、各部を制御することにより、データ編集部44の全体を制御するものである。また、制御部441は、入力部4Bが受け付けたユーザ指定の原稿データDDをメモリ41から読み出すものでもある。
【0041】
表紙画像データ生成部442は、表紙原稿データCDDに基づいて、表紙画像データCGDを作成するものである。
図3Aおよび
図3Bは表紙画像CGの編集画面を示す。表紙画像データ生成部442は、
図3Aおよび
図3Bに示すように、白紙表紙画像上に表紙原稿CDを配置して表紙画像CGを表示するとともに、表紙画像CGのサムネイル画像も表示する。
【0042】
ユーザは表紙画像CGを参照しながら、白紙表紙画像上の表紙原稿CDが所望の位置、方向および大きさとなるように入力部4Bを操作する。表紙画像データ生成部442は、入力部4Bが受け付けた操作情報に基づいて、表紙画像CGを編集して表紙画像データCGDを生成する。
【0043】
表紙画像CGは、
図3Aおよび
図3Bに示す通り、表表紙画像、背表紙画像、裏表紙画像、表表紙の裏面画像、背表紙の裏面画像および裏表紙の裏面画像から構成される。
図3Aおよび
図3Bは、左綴じ用の表紙Cの表紙画像CGを示している。なお、左綴じ用の表紙Cに限定されるものではなく、右綴じ用または上綴じ用の表紙Cにも対応可能である。
【0044】
表紙画像データ生成部442は、入力部4Bが受け付けた製本の綴じ位置情報、すなわち表紙Cが左綴じ、右綴じまたは上綴じであるかに応じて、表表紙画像、背表紙画像、裏表紙画像、表表紙の裏面画像、背表紙の裏面画像および裏表紙の裏面画像の白紙表紙画像上の配置順を変更できる。
【0045】
本紙画像データ生成部443は、本紙原稿データHDDに基づいて、本紙の印刷に用いる複数の本紙画像データHGDを作成するものである。
図4は本紙画像HGの編集画面を示す。本紙画像データ生成部443は、
図4に示すように、本紙原稿データHDDに基づいて、白紙本紙画像上に本紙原稿HDを配置して各本紙画像HGを頁順に表示するとともに、各本紙画像HGのサムネイル画像も表示する。
【0046】
ユーザは本紙画像HGを参照しながら、白紙本紙画像上の本紙原稿HDが所望の位置、方向および大きさとなるように入力部4Bを操作する。本紙画像データ生成部443は、入力部4Bが受け付けた操作情報に基づいて、本紙画像HGを編集して本紙画像データHGDを生成する。
【0047】
また、本紙画像データ生成部443は、入力部4Bが受け付けた面付け情報に基づいて、本紙白紙画像上に面数分の本紙原稿HDを配置する。また、本紙画像データ生成部443は、入力部4Bが受け付けた片面印刷または両面印刷であるかを示す印刷条件情報に基づいて、各本紙画像HGが本紙の表面または裏面のいずれに属するかの識別を表示する。
【0048】
図5は、章画像と章範囲画像との関係を模式的に示す。章画像データ合成部444は、
図5に示すように、書籍の小口に各章の範囲を示す章範囲画像IRGと本紙H上の小口側の端部に章番号を示す章画像IGとを表す章画像データIGDを、各章範囲画像IRGが章番号順に天地方向に並んで表示されるように、章画像データIGDを各本紙画像データHGDに合成するものである。本実施形態において、章範囲画像IRGは、全章範囲画像IRGが章番号順に天地方向に並ぶものであるが、特定の章番号を有する各章範囲画像IRG、たとえば、5章、10章、15章の章範囲画像IRGが再び最も天側に表示され、後続の章範囲画像IRGが章番号順に天地方向に並んで表示されてもよい。
【0049】
本実施形態では、各本紙Hは左綴じされるため、最初の章の章範囲画像IRGが天側左に配置され、最後の章の章範囲画像IRGが地側右に配置される。章画像IGは、章番号を含み、章範囲画像IRGを表示するための直線部を有する画像であれば、特に限定されるものではない。そして、この直線部が、各本紙H上の小口側の端より3mm以内に印刷される。
【0050】
また、本実施形態において、章画像データ合成部444は、本紙原稿データHDDに付加された章情報に基づいて、章画像データIGDを章番号に対応する各本紙画像データHGDに合成するものであるが、入力部4Bが受け付けた各本紙原稿データHDDの章情報に基づいて、章画像データIGDを合成してもよい。
【0051】
マーカ画像データ生成部445は、閉じた書籍の小口で章範囲画像IRGに隣接するマーカ画像MGと各本紙H上の小口側の端部にマーカ片画像MPGとを表すマーカ画像データMGDを生成するものである。マーカ画像MGおよびマーカ片画像MPGの詳細については後述する。
【0052】
マーカ画像データ合成部446は、各章の頁数を取得し、頁数が所定の閾値以下である章の章範囲画像IRGを強調するマーカ画像MGが隣接するように、マーカ画像データMGDを章画像データIGDが合成された各本紙画像データHGDに合成するものである。
【0053】
マーカ画像データ合成部446は、片面印刷においては3頁以下、両面印刷においては6頁以下の章に属する各本紙画像データHGDにマーカ画像データMGDを合成する。この閾値は、予め記憶されていてもよいし、入力部4Bが受け付けてもよい。
【0054】
図6および
図8は、マーカ画像MGの設定画面を示す。マーカ画像データ合成部446は、マーカ画像データMGDを合成する際に、
図6および
図8に示すようなマーカ画像MGの設定画面を表示部4Aに表示させることにより、入力部4Bにマーカ画像MGの隣接する方向および隣接する範囲の指示を受け付けさせる。
【0055】
マーカ画像データ合成部446は、入力部4Bがマーカ画像MGの隣接方向を天地方向に直交する方向とする旨の指示を受け付けると、
図6に示すように、頁数が所定の閾値以下である章の天地方向と直交する方向にマーカ画像MGを隣接させるように、マーカ画像データMGDを頁数が所定の閾値以下である章の直前および/または直後の章に属する、章画像データIGDが合成された各本紙画像データHGDに合成する。
【0056】
図7は、マーカ画像MGの隣接方向を天地方向に直交する方向とする際の章画像IGとマーカ片画像との関係を示す。本実施形態では、第三章の頁数が所定の閾値以下であるものとする。したがって、第三章の章範囲画像IRGにマーカ画像MGを隣接させる。このため、マーカ片画像MPGは、
図7に示すように、第三章の位置に対応する第二章に属する各本紙H上および第三章の位置に対応する第四章に属する各本紙H上に印刷される。
【0057】
マーカ片画像MPGは、マーカ画像MGを表示するための天地方向に延びる直線部を有する画像であれば、特に限定されるものではない。マーカ片画像MPGの直線部は、本紙Hの小口側の端より、望ましくは、3mm以内、より望ましくは小口端に印刷される。また、直線部は1つに限定されるものではなく、
図7に示すように複数あってもよい。そして、各直線部の長さの合計は、望ましくは、章画像IGの天地方向の長さの50パーセント以上、より望ましくは、80パーセント以上である。
【0058】
マーカ画像MGも、特に限定されるものではないが、マーカ画像データ合成部446は、頁数が所定の閾値以下である章範囲画像IRGとは、大きさ、形状もしくは色彩の異なるマーカ画像MGを表すマーカ画像データMGDを合成してもよい。これにより、頁数が所定の閾値以下である章の章範囲画像IRGをより目立たせるとともに、マーカ画像MGを天地方向に直交する方向に隣接させる場合に直前および/または直後の章の章範囲と誤認することなく、頁数が所定の閾値以下である章の章範囲を視認し易くする。
【0059】
また、マーカ画像データ合成部446は、頁数が所定の閾値以下である章が最初の章であるとき、章範囲画像IRGの天地方向と直交する方向の直後の章側にのみマーカ画像MGを隣接させるように、マーカ画像データMGDを直後の章に属する、章画像データIGDが合成された各本紙画像データHGDに合成してもよい。また、マーカ画像データ合成部446は、頁数が所定の閾値以下である章が最後の章であるとき、章範囲画像IRGの天地方向と直交する方向の直前の章側にのみマーカ画像MGを隣接させるように、マーカ画像データMGDを直前の章に属する、章画像データIGDが合成された各本紙画像データHGDに合成してもよい。
【0060】
これにより、マーカ画像データ合成部446は、章範囲画像IRGの両側にマーカ画像MGを隣接させることが困難な場合であっても、頁数が所定の閾値以下である章の章範囲を強調して視認し易くする。
【0061】
また、マーカ画像データ合成部446は、入力部4Bがマーカ画像MGの隣接範囲を直前および/または直後の章の全体とする旨の指示を受け付けると、章範囲画像IRGの天地方向に直交する方向の少なくとも片側に直前および/または直後の章の全頁に亘るマーカ画像MGが隣接するように、マーカ画像データMGDを直前および/または直後の章に属する、章画像データIGDが合成された各本紙画像データHGDに合成してもよい。
【0062】
これにより、直前および/または直後の章の全頁に亘るマーカ画像MGが頁数が所定の閾値以下である章の章範囲画像IRGを目立たせるため、頁数が所定の閾値以下である章の章範囲をより強調して視認し易くする。
【0063】
また、マーカ画像データ合成部446は、入力部4Bがマーカ画像MGの隣接範囲を直前および/または直後の章の所定数頁とする旨の指示を受け付けると、章範囲画像IRGの天地方向と直交する方向の少なくとも片側に、直前の章の最終頁より所定頁および/または直後の章の最終頁より所定頁に亘るマーカ画像MGが隣接するように、各マーカ画像データMGDを直前および/または直後の章に属する、章画像データIGDが合成された各本紙画像データHGDに合成してもよい。
【0064】
これにより、直前および/または直後の章の所望の頁数に亘るマーカ画像MGが、頁数が所定の閾値以下である章の章範囲画像IRGを目立たせるため、直前および/または直後の章の章範囲と誤認することなく、頁数が所定の閾値以下である章の章範囲を視認し易くする。
【0065】
また、マーカ画像データ合成部446は、入力部4Bがマーカ画像MGの隣接方向を天地方向とする旨の指示を受け付けると、
図8に示すように、頁数が所定の閾値以下である章の天地方向にマーカ画像MGが隣接するように、マーカ画像データMGDを頁数が所定の閾値以下である章に属する、章画像データIGDが合成された各本紙画像データHGDに合成する。
【0066】
図9は、マーカ画像MGの隣接方向を天地方向とする際の章画像IGとマーカ片画像との関係を示す。マーカ片画像MPGは、
図9に示すように、第三章に属する各本紙H上に章画像IGを天地方向に挟んで印刷される。マーカ画像合成部446は、第三章に属する各本紙画像データHGDの全てにマーカ画像データPDを合成するものであるが、所定の頁数分の第三章に属する各本紙画像データHGDに合成してもよい。
【0067】
次にデータ編集部44の作用を説明する。
図10はデータ編集部44の一連の処理を示すフローチャートである。最初に、制御部441がユーザ指定の原稿データDDを読み出す(ST1)。表紙画像データ生成部442が、表紙原稿データCDDに基づいて、表紙画像データCGDを生成する(ST2)。
【0068】
本紙画像データ生成部443が、本紙原稿データHDDに基づいて、本紙画像データHGDを生成する(ST3)。章画像データ合成部444が各章画像データIGDを各本紙画像データHGDに合成する(ST4)。
【0069】
マーカ画像データ生成部445がマーカ画像データMGDを生成し(ST5)、マーカ画像データ合成部446がマーカ画像MGの設定画面を表示させることにより、マーカ画像MGの隣接方向の指示を受け付ける(ST6)。マーカ画像データ合成部446が各章の頁数を算出する(ST7)。
【0070】
マーカ画像データ合成部446が、全ての章の頁数が所定の閾値以下であるかを判別する(ST8)。いずれかの章で頁数が所定の閾値以下であるとき、マーカ画像MGの隣接方向が天地方向であるか否かを確認し(ST9)、隣接方向が天地方向の場合はマーカ画像MGが天地方向に隣接されるようにマーカ画像データMGDを章画像データIGDが合成された各本紙画像データHGDに合成し(ST9)、隣接方向が天地方向でない場合はマーカ画像MGが天地方向に直交する方向に隣接されるように、マーカ画像データMGDを章画像データIGDが合成された各本紙画像データHGDに合成し、処理を終了する。
【0071】
また、マーカ画像データ合成部446は、全ての章で頁数が所定の閾値を超える場合もその処理を終了する。なお、本紙画像データHGDの生成と表紙画像データCGDの生成の順序は特に限定されるものではない。
【0072】
最後にくるみ製本システム1全体の作用を説明する。コンピュータ4が、原稿データ作成プログラムを起動して表示部4Aに表示する。原稿データ作成部42が、入力部4Bが受け付けた操作に基づいて、原稿データDDを生成する。コンピュータ4が、データ編集プログラムを起動して表示部4Aに表示する。
【0073】
データ編集部44が、入力部4Bが受け付けた操作に基づいて、画像データGDを生成する。データ編集部44が印刷処理を実行すると、プリンタドライバが起動され、印刷出力部43が画像データGDに基づいて印刷データPDを生成し、印刷装置2に出力する。印刷装置2が、印刷データPDに基づいて、1枚の表紙Cと複数枚の本紙Hとを印刷し、製本装置3が、複数枚の本紙Hを束ね、この本紙束を表紙Cで包んで製本する。
【0074】
なお、本実施形態では、マーカ画像データMGDを生成するものとして説明したが、マーカ画像データMGDを外部より受け取ってもよい。また、本実施形態では、本紙画像データHGDに章画像データIGDを合成し、さらにマーカ画像データMGDを合成しているが、別々のデータに分けることなく、章範囲画像IRGおよびマーカ画像MGを表示させる処理を行ってもよい。
【0075】
以上に述べた通り、データ編集部44によれば、所定の閾値以下の頁数を有する章の章範囲画像IRGにマーカ画像MGを隣接させることにより、マーカ画像MGが所定の閾値以下の頁数を有する章の章範囲画像IRGを強調して目立出せるため、所定の閾値以下の頁数を有する章の章範囲を視認し易くする。
【0076】
また、データ編集部44によれば、マーカ画像MGを章範囲画像IRGとは異なる形状、大きさ、または色彩とすることにより、より章範囲画像IRGを強調して目立たせることができるため、所定の閾値以下の頁数を有する章の章範囲をより視認し易くできる。