(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る振動力発電装置の実施の形態を詳細に説明する。ただし、これらの実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0010】
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この形態は、間隔を隔てて対向する一対の振動板の端面を相互に接合する圧電素子を、当該一対の振動板の端面の相互間に配置した形態である。
【0011】
(構成)
実施の形態1に係る振動力発電装置の適用対象は、例えば遮音壁の吸音部、携帯電話機の集音部近傍等が挙げられるが、以下では、振動力発電装置を道路用遮音壁の吸音部に適用した場合を例として説明を行う。
【0012】
まず、実施の形態1に係る振動力発電装置の構成について説明する。
図1は吸音部に代えて実施の形態1に係る振動力発電装置が適用された道路用遮音壁の概略の全体斜視図である。
図2は
図1のA−A矢視断面図であり、(a)は振動力発電装置が外力を受ける前の状態、(b)は振動力発電装置が道路の内側から外側へ向かう方向に沿って外力を受けた状態、(c)は振動力発電装置が道路の外側から内側へ向かう方向に沿って外力を受けた状態を示す図である。なお、以下の説明では、
図1のX方向を振動力発電装置の縦方向、
図1のY方向を振動力発電装置の横方向、
図1のZ方向を振動力発電装置の高さ方向とする。また。
図1に示すように、道路用遮音壁には圧電素子10と、一対の振動板20とによって構成された振動力発電装置1が複数設けられており、これら振動力発電装置1は相互に同一のものとする。このことから、以下では、
図2に示す振動力発電装置1の要部(以下、「振動力発電装置1」と称する)について説明を行うものとする。振動力発電装置1は、圧電素子10と、振動板20a、20b(振動板20a、20bは、相互に区別する必要がない場合には「振動板20」と総称する。後述する実施の形態2〜4の振動板20a、20bも同様とする)とを備えている。
【0013】
(構成−圧電素子)
図2に示すように、圧電素子10は、圧力により変形することで電気を生じる素子であり、例えば、チタン酸バリウム、ジルコニア等の圧電セラミックス、リチウムタンタレート(LiTaO3)等の圧電単結晶からなる。また、振動力発電装置1に設けられているすべての圧電素子10は、同一の薄角板状及び厚さにて形成されている。
なお、図示は省略するが、圧電素子10は、当該圧電素子10の一方の面にプラス端子、当該圧電素子10の他方の面にマイナス端子を有し、プラス端子と結線されたプラスリード線と、マイナス端子と結線されたマイナスリード線が引き出され、これらが図示しない制御回路を介して外部機器と接続されることで、当該外部機器に対して電力が供給される。ただし、圧電素子10と負荷との相互間に公知のブリッジ回路等の各種電気素子を配置してもよい。あるいは、圧電素子10として、若しくは圧電素子10に代えて、外力(歪み、屈曲、若しくは圧縮を生じさせる力を含む)により発電が可能な任意の素材を用いることができ、例えば、イオン導電性高分子の膜(ゲル)の両面に金属(金等)をメッキしたイオン高分子金属複合材料(IPMC:Ionic Polymer−Metal Composite)や、イオン導電性高分子ゲル膜(ICPF:Ionic Conducting Polymergel Film)、あるいは、これらIPMCやICPFを用いた人工筋肉を使用することができる。この点は、後述する他の実施の形態でも同じである。なお、圧電素子10の設置の詳細については、後述する。
【0014】
(構成−振動板)
振動板20a、20bは、圧電素子10に応力を加える支持体である。振動板20a、20bは、ステンレス薄板等の可撓性と耐久性を有する鋼材等からなる。これら振動板20a、20bは、同一の角板状、かつ同一の板面積及び厚さにて形成されている。
ここで、振動板20a、20bの板面積については、具体的には、実施の形態1では、
図2(a)に示すように、振動板20a、20bが繰り返し大きな振幅で振動できるように、振動板20a、20bの板面積を圧電素子10の板面積よりも大きくしている(より具体的には、振動板20a、20bの長手方向の長さを圧電素子10の長手方向の長さよりも長くしている)。また、振動板20a、20bの厚さについては、具体的には、実施の形態1では、
図2(a)に示すように、振動板20a、20bの厚さを圧電素子10の厚さよりも厚くしている。
【0015】
また、
図2(a)に示すように、間隔50を隔て振動板20a、20bが設けられている。この場合において、この間隔50の長さについては、例えば設計発電量から計算される圧電素子10の長さ程度であることが好ましく、実施の形態1では、後述するように振動板20a、20bの端部と圧電素子10とが嵌合構造により接合されるので、間隔50の長さを設計発電量から計算される長さとし、圧電素子10の長手方向の長さを間隔50の長さよりも長くしている。
また、振動板20a、20bの配置については、具体的には、
図2(a)に示すように、振動板20a、20bの長手方向が同じ方向となるように、振動板20a、20bが同一直線上に沿って並設されている。あるいは、これに限られず、例えば振動板20a、20bが積層状に重合され、当該振動板20a、20bの相互の重心が並設方向に沿って同一直線上に位置するように、当該振動板20a、20bが並設されてもよい。
また、
図2(a)に示すように、圧電素子10が振動板20a、20bの端部との相互間に設けられており、振動板20aの端部と圧電素子10、振動板20bの端部と圧電素子10がそれぞれ嵌合構造や接着剤等により接合されている。
【0016】
(圧電素子の設置の詳細)
次に、実施の形態1に係る圧電素子10の設置の詳細について説明する。
図2(a)に示すように、実施の形態1では、間隔50を隔てて対向する振動板20a、20bの端面を相互に接合する圧電素子10は、当該振動板20a、20bの端面の相互間に配置されている。
この場合において、圧電素子10の配置については、具体的には、
図2(a)に示すように、圧電素子10は振動板20a、20bの端面の相互間におけるX方向の中央位置に配置されている。あるいは、これに限られず、圧電素子10は振動板20a、20bの端面の相互間におけるX方向の端位置に配置されてもよい。
【0017】
(振動力発電装置の機能)
このように構成された振動力発電装置1の機能は以下の通りである。まず、振動力発電装置1を吸音壁に適用した場合には、道路を車両が走行すること等によって生じる騒音の音エネルギーによって振動板20a、20bを振動変形させ、この振動板20a、20bの変形により圧電素子10を変形させて、発電を行うことが可能になる。このように、騒音を吸収することに加えて、発電を行うことができるので、この発電を任意の目的で利用(例えば、道路照明や道路標識の電源として利用)することが可能になる。
【0018】
特に、
図2(b)、(c)に示すように、圧電素子10と振動板20a、20bとが直列的に接続された構造にて形成されているので、振動板20a、20bの変形が大きくなるところで圧電素子10を変形させることができ、圧電素子10の一方の側面をすべて覆うように振動板20a、20bが接合された構造に比べて、圧電素子10の変形を促進させることができる。
【0019】
(効果)
このように実施の形態1によれば、振動板20a、20bを接合する圧電素子10を備えたので、振動板20a、20bの材質が圧電素子10の材質よりも硬質である場合でも、振動板20a、20bの変形が大きくなるところで圧電素子10を変形させることができ、圧電素子10の一方の側面をすべて覆うように振動板20が接合された構造に比べて、圧電素子10の変形を促進させることができる。これにより、圧電素子10の発電効率を維持することができる。
【0020】
また、間隔50を隔てて対向する振動板20a、20bの端面を相互に接合する圧電素子10を、当該振動板20a、20bの端面の相互間に配置しているので、通常時において圧電素子10が振動板20a、20bの外側面よりも外側に突出しないことから、振動力発電装置1の外観を維持することができる。また、振動力発電装置1のX方向の長さをコンパクトにすることができ、振動力発電装置1の小型化を図ることができる。
【0021】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、一対の振動板の側面を相互に接合する圧電素子を、間隔をまたぐように配置した形態である。なお、実施の形態1と略同様の構成要素については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
【0022】
(構成)
まず、実施の形態2に係る振動力発電装置101の構成について説明する。
図3は実施の形態2に係る振動力発電装置101のA−A矢視断面図であり、(a)は振動力発電装置101が外力を受ける前の状態、(b)は振動力発電装置101が道路の内側から外側へ向かう方向に沿って外力を受けた状態、(c)は振動力発電装置101が道路の外側から内側へ向かう方向に沿って外力を受けた状態を示す図である。
図3に示すように、振動力発電装置101は、圧電素子10と、振動板20a、20bとを備えている。また、
図3(a)に示すように、間隔50を隔て振動板20a、20bが設けられている。そして、振動板20a、20bの長手方向が同じ方向となるように、振動板20a、20bが同一直線上に沿って並設されている。さらに、圧電素子10が振動板20aにおける道路側の側面と、振動板20bにおける道路側の側面とにそれぞれ対向するように設けられており、この振動板20aの側面と圧電素子10、この振動板20bの側面と圧電素子10はそれぞれ接着剤やネジ等の固定具等により接合されている。
【0023】
(圧電素子の設置の詳細)
次に、実施の形態2に係る圧電素子10の設置の詳細について説明する。
図3(a)に示すように、実施の形態2では、振動板20aにおける道路側の側面と、振動板20bにおける道路側の側面とを相互に接合する圧電素子10は、間隔50をまたぐように配置されている。具体的には、振動板20aにおける道路側の側面と圧電素子10における道路側の側面のうち振動板20aと対向する部分とが接合され、振動板20bにおける道路側の側面と圧電素子10における道路側の側面のうち振動板20bと対向する部分とが接合されており、圧電素子10が振動板20aから振動板20bにわたって配置されている。
【0024】
(振動力発電装置の機能)
このように構成された振動力発電装置101の機能は以下の通りである。
図3(b)、(c)に示すように、圧電素子10と振動板20a、20bとが直列的に接続された構造にて形成されているので、振動板20a、20bの変形が大きくなるところで圧電素子10(具体的には、圧電素子10における間隔50をまたぐ部分)を変形させることができ、圧電素子10の一方の側面をすべて覆うように振動板20が接合された構造に比べて、圧電素子10の変形を促進させることができる。
【0025】
(効果)
このように実施の形態2によれば、振動板20a、20bの側面を相互に接合する圧電素子10を、間隔50をまたぐように配置したので、製造時において圧電素子10を容易に取り付けることができると共に、設置後においても圧電素子10を容易に取り付けたり、又は取り外すことができ、振動力発電装置101の製造性やメンテナンス性を向上させることができる。
【0026】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この形態は、圧電素子を、保護板を介して一対の振動板と接合した形態である。なお、実施の形態1と略同様の構成要素については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
【0027】
(構成)
まず、実施の形態3に係る振動力発電装置201、301の構成について説明する。
図4は実施の形態3に係るバイモルフ型の振動力発電装置201のA−A矢視断面図であり、(a)は振動力発電装置201が外力を受ける前の状態、(b)は振動力発電装置201が道路の内側から外側へ向かう方向に沿って外力を受けた状態、(c)は振動力発電装置201が道路の外側から内側へ向かう方向に沿って外力を受けた状態を示す図である。
図5は実施の形態3に係るユニモルフ型の振動力発電装置301のA−A矢視断面図であり、(a)は振動力発電装置301が外力を受ける前の状態、(b)は振動力発電装置301が道路の内側から外側へ向かう方向に沿って外力を受けた状態、(c)は振動力発電装置301が道路の外側から内側へ向かう方向に沿って外力を受けた状態を示す図である。ここで、「バイモルフ型」とは、圧電素子10を後述する保護板30の両面に貼り付けたものである。また、「ユニモルフ型」とは、圧電素子10を後述する保護板30の片面に貼り付けたものである。
図4及び
図5に示すように、振動力発電装置201、301は、圧電素子10と、振動板20a、20bと、保護板30とを備えている。また、
図4(a)及び
図5(a)に示すように、間隔50を隔て振動板20a、20bとが設けられている。そして、振動板20a、20bの長手方向が同じ方向となるように、振動板20a、20bが同一直線上に沿って並設されている。
【0028】
(構成−保護板)
保護板30は、圧電素子10の割れ強度を補強するものであり、例えば圧電素子10は引張応力に対しては非常に弱い構造であるため、その引張応力に対する補強を行うものである。この保護板30は、圧電素子10の全体又は一部を覆うように樹脂(ピエソフィルム等)にて形成された板状体である。この保護板30は、同一の角板状及び厚さにて形成されている。
ここで、保護板30の板面積については、具体的には、実施の形態3では、
図4(a)、
図5(a)に示すように、圧電素子10全体を覆うように、保護板30の板面積を圧電素子10の板面積よりも大きくしている。また、保護板30の厚さについては、具体的には、実施の形態3では、
図4(a)、
図5(a)に示すように、保護板30の厚さを圧電素子10が破断等に至る終局引張ひずみ量に安全率を乗じて得た引張ひずみ量から計算される厚さ程度としている。
【0029】
また、
図4(a)に示すように、バイモルフ型の振動力発電装置201においては、保護板30における道路側の側面と圧電素子10aとが接着剤等により接合されており、保護板30における道路側とは反対側の側面と圧電素子10bとが接着剤等により接合されている(圧電素子10a、10bは、相互に区別する必要がない場合には「圧電素子10」と総称する。後述する実施の形態4の圧電素子10a、10bも同様とする)。
また、
図5(a)に示すように、ユニモルフ型の振動力発電装置301においては、保護板30の道路側の側面と圧電素子10とが接着剤等により接合されている。
【0030】
(圧電素子及び保護板の設置の詳細)
次に、実施の形態3に係る圧電素子10及び保護板30の設置の詳細について説明する。
図4(a)に示すように、実施の形態3では、バイモルフ型の振動力発電装置201においては、圧電素子10a、10b及び保護板30は、振動板20a、20bの端面の相互間に配置されている。そして、これら圧電素子10a、10bは、保護板30を介して振動板20a、20bと嵌合構造や接着剤等により接合されている。
また、
図5(a)に示すように、実施の形態3では、ユニモルフ型の振動力発電装置301においては、圧電素子10及び保護板30は振動板20a、20bにおける道路側の側面に配置されている。そして、この圧電素子10は、保護板30を介して振動板20a、20bと接着剤や取付器具等により接合されている。
【0031】
(振動力発電装置の機能)
このように構成された振動力発電装置201、301の機能は以下の通りである。
図4(b)、(c)及び
図5(b)、(c)に示すように、圧電素子10を、保護板30を介して振動板20a、20bと接合しているので、圧電素子10の引張応力に対する強度を向上させることができ、保護板30がないものと比べて圧電素子10を大きく引張変形させることができる。
【0032】
(効果)
このように実施の形態3によれば、圧電素子10を、保護板30を介して振動板20a、20bと接合しているので、保護板30がないものと比べて圧電素子10を大きく引張変形させることができ、圧電素子10の発電効率を向上させることができる。また、振動板20a、20bに作用した外力を圧電素子10全体に均等に伝えることができるので、振動板20a、20bが受けた外力を直接圧電素子10に伝達する場合に比べて、圧電素子10に局部的な応力集中(例えば圧電素子10における振動板20a、20bの角部と当接する部分)による割れ等が生じることを防止できる。
【0033】
〔実施の形態4〕
次に、実施の形態4について説明する。この形態は、振動板の一部を、変形調整手段にて形成した形態である。なお、実施の形態3と略同様の構成要素については、必要に応じて、実施の形態3で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
【0034】
(構成)
まず、実施の形態4に係る振動力発電装置401、501の構成について説明する。
図6は実施の形態4に係るバイモルフ型の振動力発電装置401のA−A矢視断面図であり、(a)は振動力発電装置401が外力を受ける前の状態、(b)は振動力発電装置401が道路の内側から外側へ向かう方向に沿って外力を受けた状態、(c)は振動力発電装置401が道路の外側から内側へ向かう方向に沿って外力を受けた状態を示す図である。
図7は実施の形態4に係るユニモルフ型の振動力発電装置501のA−A矢視断面図であり、(a)は振動力発電装置501が外力を受ける前の状態、(b)は振動力発電装置501が道路の内側から外側へ向かう方向に沿って外力を受けた状態、(c)は振動力発電装置501が道路の外側から内側へ向かう方向に沿って外力を受けた状態を示す図である。
図6及び
図7に示すように、振動力発電装置401、501は、圧電素子10と、振動板20a、20bと、保護板30とを備えている。また、
図6(a)及び
図7(a)に示すように、間隔50を隔て振動板20a、20bが設けられている。そして、振動板20a、20bの長手方向が同じ方向となるように、振動板20a、20bが同一直線上に沿って並設されている。
【0035】
ここで、
図6(a)に示すように、バイモルフ型の振動力発電装置401においては、保護板30の道路側の側面と圧電素子10aとが接着剤等により接合されており、保護板30の道路側とは反対側の側面と圧電素子10bとが接着剤等により接合されている。また、
図7(a)に示すように、ユニモルフ型の振動力発電装置501においては、保護板30の道路側の側面と圧電素子10とが接着剤等により接合されている。
また、
図6(a)に示すように、バイモルフ型の振動力発電装置401においては、圧電素子10a、10b及び保護板30は、振動板20a、20bの端面の相互間に配置されている。そして、これら圧電素子10a、10bは、保護板30を介して振動板20a、20bと嵌合構造や接着剤等により接合されている。また、
図7(a)に示すように、ユニモルフ型の振動力発電装置501においては、圧電素子10及び保護板30は振動板20a、20bにおける道路側の側面に配置されている。そして、この圧電素子10は、保護板30を介して振動板20a、20bと接着剤や取付器具等により接合されている。
【0036】
(構成−振動板)
振動板20a、20bは、変形抑制部21を備えている。変形抑制部21は、圧電素子10の変形が所定量に達した場合に当該圧電素子10の変形を抑制する変形抑制手段である。
この変形抑制部21の構成については、例えば、振動力発電装置401、501の部品の一部にて形成されてもよい。具体的には、実施の形態4では、
図6(a)に示すように、振動板20aの端部にて変形抑制部21a
1、21a
2が形成され、振動板20bの端部にて変形抑制部21b
1、21b
2が形成されている。また、
図7(a)に示すように、振動板20aの端部にて変形抑制部21aが形成され、振動板20bの端部にて変形抑制部21bが形成されている(変形抑制部21a、21a
1、21a
2、21b、21b
1、21b
2は、相互に区別する必要がない場合には「変形抑制部21」と総称する)。あるいは、これに限られず、変形抑制部21は、振動力発電装置401、501の部品以外の部品にて形成されてもよい。具体的には、バイモルフ型の振動力発電装置401の場合に、振動板20aの端部に変形抑制部21a
1、21a
2が別体に形成され、振動板20bの端部にて変形抑制部21b
1、21b
2が別体に形成されてもよい。
【0037】
(圧電素子及び変形抑制部の設置の詳細)
次に、実施の形態4に係る圧電素子10及び変形抑制部21の設置の詳細について説明する。
図6(a)に示すように、実施の形態4では、バイモルフ型の振動力発電装置401においては、変形抑制部21a
1、21a
2、21b
1、21b
2が圧電素子10a、10b及び保護板30を囲むように、保護板30と接合された圧電素子10a、10bと変形抑制部21a
1、21a
2、21b
1、21b
2とは振動板20a、20bの端面との相互間に配置されている。
この場合において、変形抑制部21の配置については、具体的には、
図6(a)に示すように、変形抑制部21a
1、21b
1は振動板20a、20bの端面の相互間における道路側の端位置に配置されている。そして、
図6(b)に示すように、圧電素子10bの引張変形が所定量に達した場合に変形抑制部21a
1、21b
1が相互に当接するように、変形抑制部21a
1、21b
1は対向する位置に配置されている。
また、
図6(a)に示すように、変形抑制部21a
2、21b
2は振動板20a、20bの端面の相互間における道路側とは反対側の端位置に配置されている。そして、
図6(c)に示すように、圧電素子10aの引張変形が所定量に達した場合に変形抑制部21a
2、21b
2が相互に当接するように、変形抑制部21a
2、21b
2は対向する位置に配置されている。
【0038】
また、
図7(a)に示すように、実施の形態4では、ユニモルフ型の振動力発電装置501においては、圧電素子10及び変形抑制部21a、21bが間隔50を囲むように、圧電素子10は保護板30を介して振動板20a、20bにおける道路側の側面と接合するように配置され、変形抑制部21a、21bは振動板20a、20bの端面との相互間に配置されている。
この場合において、変形抑制部21a、21bの配置については、具体的には、
図7(a)に示すように、変形抑制部21a及び変形抑制部21bは振動板20a、20bの端面の相互間における道路側とは反対側の端位置に配置されている。そして、
図7(c)に示すように、圧電素子10の引張変形が所定量に達した場合に変形抑制部21a、21bが相互に当接するように、変形抑制部21a、21bが対向する位置に配置されている。
【0039】
このように、振動力発電装置401、501においては、変形抑制部21を振動板20a、20bの端面との相互間に配置しているので、通常時において変形抑制部21が振動板20a、20bの外側面よりも外側に突出しないことから、振動力発電装置401、501の外観を維持することができると共に、振動力発電装置401、501のX方向の長さをコンパクトにすることができる。
【0040】
(振動力発電装置の機能)
このように構成された振動力発電装置401、501の機能は以下の通りである。
図6(b)、(c)及び
図7(b)、(c)に示すように、振動力発電装置401、501においては、振動板20a、20bの端部を変形抑制部21にて形成したので、圧電素子10の引張変形が所定量に達した場合に対向する変形抑制部21が当接することにより圧電素子10の過度な引張変形を抑制することができる。特に、バイモルフ型の振動力発電装置401においては、圧電素子10bの引張変形が所定量に達した場合に変形抑制部21a
1、21b
1が相互に当接し(変形抑制部21a
2、21b
2は相互に当接しない)、圧電素子10aの引張変形が所定量に達した場合に変形抑制部21a
2、21b
2が相互に当接するので(変形抑制部21a
1、21b
1は相互に当接しない)、圧電素子10a、10bの過度な引張変形を抑制することができる。また、ユニモルフ型の振動力発電装置501においては、圧電素子10の引張変形が所定量に達した場合にのみ変形抑制部21a、21bが相互に当接するので、圧電素子10の圧縮変形を自由に許しながら、圧電素子10の過度な引張変形を抑制することができる。
【0041】
この他にも、振動力発電装置は、任意の構造にて構成可能である。
図8は実施の形態4の変形例に係るバイモルフ型の振動力発電装置601の一例を示す図であり、(a)は振動力発電装置601が外力を受ける前の状態、(b)は振動力発電装置601が道路の内側から外側へ向かう方向に沿って外力を受けた状態、(c)は振動力発電装置601が道路の外側から内側へ向かう方向に沿って外力を受けた状態を示す図である。
図8(a)に示すように、この変形例では、バイモルフ型の振動力発電装置601においては、保護板30と接合した圧電素子10a、10bは振動板20a、20bの端面との相互間に配置されており、変形抑制部21a、21bは振動板20a、20bにおける道路側の側面と接合するように配置されている。
この場合において、変形抑制部21の形状については、具体的には、
図8(a)に示すように、変形抑制部21aは凸状にて形成され、変形抑制部21bは凹状にて形成されている。
また、変形抑制部21a、21bの配置については、具体的には、
図8(b)、(c)に示すように、圧電素子10bの引張変形が所定量に達した場合に変形抑制部21aと変形抑制部21bの凹状面からなる内側面のうち道路側の側面とが当接し、かつ圧電素子10aの引張変形が所定量に達した場合に変形抑制部21aと変形抑制部21bにおける凹状面からなる内側面のうち道路側とは反対側の側面とが当接するように、変形抑制部21a、21bは対向する位置に配置されている。
【0042】
このように、バイモルフ型の振動力発電装置601においては、変形抑制部21a、21bを嵌合構造とすることにより、圧電素子10a、10bの圧縮変形を抑制する機能を一つに集約することができ、変形抑制部21の取り付けの手間を省くことができる。
【0043】
このように構成されたバイモルフ型の振動力発電装置601の機能は以下の通りである。
図8(b)、(c)に示すように、バイモルフ型の振動力発電装置601においては、圧電素子10bの引張変形が所定量に達した場合に変形抑制部21aと変形抑制部21bの凹状面からなる内側面のうち道路側の側面とが当接し、圧電素子10aの引張変形が所定量に達した場合に変形抑制部21aと変形抑制部21bにおける凹状面からなる内側面のうち道路側とは反対側の側面とが当接するので、圧電素子10a、10bの過度な引張変形を抑制することができる。
【0044】
また、
図9は実施の形態4の変形例に係るユニモルフ型の振動力発電装置701の一例を示す図であり、(a)は振動力発電装置701が外力を受ける前の状態、(b)は振動力発電装置701が道路の内側から外側へ向かう方向に沿って外力を受けた状態、(c)は振動力発電装置701が道路の外側から内側へ向かう方向に沿って外力を受けた状態を示す図である。
図9(a)に示すように、この変形例では、ユニモルフ型の振動力発電装置701においては、保護板30と接合した圧電素子10と、変形増長部23a、23bとは、振動板20a、20bの端面との相互間に配置されている(変形増長部23a、23bは、相互に区別する必要がない場合には「変形増長部23」と総称する)。
この場合において、変形増長部23の配置については、具体的には、
図9(a)に示すように、変形増長部23a、23bは、振動板20a、20bの端面の相互間における道路側の端位置に配置されている。このとき、
図9(a)に示すように、振動板20a、20bは圧電素子10と離れて配置してもよく、あるいは振動板20a、20bは圧電素子10と接触していてもよい。そして、
図9(b)に示すように、圧電素子10の圧縮変形が所定量に達した場合に変形増長部23a、23bが圧電素子10の圧縮変形する方向に沿って圧電素子10を押圧可能なように、変形増長部23a、23bの各々は圧電素子10と対向する位置に配置されている。より具体的には、振動板20a、20bの曲がりが大きくなるにつれて、変形増長部23a、23bの各々と圧電素子10との離間距離が縮まっていき、圧電素子10の圧縮変形が所定量に達すると、変形増長部23a、23bの各々と圧電素子10とが接触し、変形増長部23a、23bの各々が圧電素子10のY方向の中央部付近を押圧可能なように、変形増長部23a、23bの各々は圧電素子10と対向する位置に配置されている。この場合において、圧電素子10の圧縮変形が所定量に達する前に、変形増長部23a、23bの各々が当接しないように、変形増長部23a、23bとの相互間に所定の間隔を設けることが好ましい。
【0045】
このように、ユニモルフ型の振動力発電装置701においては、変形増長部23を振動板20a、20bの端面との相互間に配置しているので、通常時において変形増長部23が振動板20a、20bの外側面よりも外側に突出しないことから、振動力発電装置701の外観を維持することができると共に、振動力発電装置701のX方向の長さをコンパクトにすることができる。
【0046】
このように構成された振動力発電装置701の機能は以下の通りである。
図9(b)、(c)に示すように、ユニモルフ型の振動力発電装置701においては、振動板20a、20bの圧縮変形を大きく変形させなくても、変形増長部23a、23bにより圧電素子10の圧縮変形を増長させることができ、圧電素子10を一層効果的に圧縮変形させることができる。
【0047】
(効果)
このように実施の形態4によれば、振動板20a、20bの端部を変形調整手段にて形成したので、使用用途に合わせて圧電素子10の変形を抑制又は増長させることができ、設計の自由度を格段に高めることができる。
【0048】
また、変形調整手段は、圧電素子10の変形が所定量に達した場合に当該圧電素子10の変形を抑制する変形抑制部21であることで、圧電素子10の過度な変形を抑制することができ、そのような変形による圧電素子10の割れ等を防止することができる。
【0049】
また、変形調整手段は、圧電素子10の変形が所定量に達した場合に当該圧電素子10を押圧することにより当該圧電素子10の変形を増長させる変形増長部23であることで、圧電素子10を一層効果的に変形させることができ、振動板20a、20bの疲労損傷等を防止することができる。
【0050】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0051】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0052】
(各実施の形態の組み合わせ)
各実施の形態に示した構成及び制御は、相互に組み合わせることができる。例えば、実施の形態1における振動力発電装置1と実施の形態2における振動力発電装置101とを組み合わせてもよい。あるいは、道路用遮音壁に設けられた複数の圧電素子10の一部の引張変形を抑制したい場合には、実施の形態1における振動力発電装置1又は実施の形態2における振動力発電装置101と、実施の形態3における振動力発電装置201、301又は実施の形態4における振動力発電装置401、501、601、701とを組み合わせてもよい。
【0053】
(圧電素子について)
各実施の形態では、振動力発電装置1に設けられているすべての圧電素子10は、同一の薄角板状及び厚さにて形成されていると説明したが、これに限られず、例えば同一形状及び厚さを有する方形状(例えば三角形、五角形等)、扇状、円形状等にて形成されてもよい。あるいは、異なる形状及び厚さを有する方形状等にて形成されてもよい。
【0054】
また、各実施の形態における振動力発電装置においては、圧電素子10の枚数は任意に定めてもよい。
図10は、振動力発電装置の変形例を示す図である。例えば、実施の形態1では、圧電素子10を一枚として説明したが、
図10に示すように、複数の圧電素子10が、間隔を隔てて振動板20a、20bの端面の相互間に配置されてもよい。
【0055】
(振動板について)
各実施の形態では、振動板20a、20bは、同一の角板状、かつ同一の板面積及び厚さにて形成されていると説明したが、これに限られず、例えば同一形状及び厚さを有する方形状(例えば三角形、五角形等)、扇状、円形状等にて形成されてもよい。あるいは、異なる形状及び厚さを有する方形状等にて形成されてもよい。
【0056】
また、各実施の形態では、振動板20a、20bの板面積を、圧電素子10の板面積よりも大きくしていると説明したが、例えば、振動板20a、20bの板面積を、圧電素子10の板面積と同一又はそれよりも小さくてもよい(より具体的には、振動板20a、20bの長手方向の長さが圧電素子10の長手方向の長さと同一又はそれよりも小さくてもよい)。また、振動板20a、20bの厚さを、圧電素子10の厚さよりも厚くしていると説明したが、例えば、振動板20a、20bの厚さを、圧電素子10の厚さと同一又はそれより薄くてもよい。
【0057】
各実施の形態では、振動板20a、20bの長手方向が同じ方向となるように、振動板20a、20bが同一直線上に沿って並設されていると説明したが、これに限られず、例えば、振動板20a、20bが波形状に沿って並設されてもよい。
【0058】
(保護板について)
実施の形態4では、バイモルフ型の振動力発電装置401においては、保護板30の両側面と圧電素子10とが接合されており、ユニモルフ型の振動力発電装置501においては、保護板30の一方の側面と圧電素子10とが接合されていると説明したが、例えば、これら振動力発電装置401、501の保護板30を省略してもよい。
【0059】
(変形調整手段について)
実施の形態4では、振動力発電装置401、501の変形抑制部21の配置については、圧電素子10の引張変形が所定量に達した場合に対向する変形抑制部21が当接するように、これら変形抑制部21が対向する位置に配置されていると説明したが、これに限られない。例えば、圧電素子10の引張変形が所定量に達した場合に変形抑制部21と圧電素子10とが当接するように、変形抑制部21が圧電素子10と対向する位置に配置されてもよい。
具体的には、バイモルフ型の振動力発電装置401においては、圧電素子10aの引張変形が所定量に達した場合に、変形抑制部21a
1、21b
1が圧電素子10aの変形方向とは逆方向に沿って圧電素子10aを押圧可能なように、変形抑制部21a
1、21b
1が圧電素子10aと対向する位置に配置されてもよい。同様に、圧電素子10bの引張変形が所定量に達した場合に、変形抑制部21a
2、21b
2が圧電素子10bの引張変形する方向とは逆方向に沿って圧電素子10bを押圧可能なように、変形抑制部21a
2、21b
2が圧電素子10bと対向する位置に配置されてもよい。
【0060】
また、実施の形態4の変形例における振動力発電装置701においては、圧電素子10の圧縮変形を増長させるために、振動板20a、20bの端部を変形増長部23にて形成していると説明したが、これに限られない。例えば、実施の形態4における振動力発電装置501の振動板20a、20bに重りを取り付けてもよい。これにより、圧電素子10の圧縮変形を増長させると共に、変形抑制部21によって圧電素子10の引張変形を抑制することができる。
【0061】
(道路用遮音壁について)
各実施の形態では、道路用遮音壁の種類については、
図1に示すように、上下左右の最端部に位置する各圧電素子10や各振動板20a、20bを道路用遮音壁で固定した構造について説明したが、これに限られない。例えば、
図10の破断部分に示すように、道路用遮音壁を略凹字状にて形成し、この凹字部分の内部に、上下左右の最端部に位置する各振動板20a、20bを挿入するようにしてもよい。この場合において、各振動板20a、20bを完全に固定してもよいが、各振動板20a、20bと道路用遮音壁の凹字部分との相互間に隙間を設けて、各振動板20a、20bが振動するようにしてもよい。また、この凹字部分に、振動板20a、20bではなく、上下左右の最端部に位置する圧電素子10を挿入するようにしてもよい。
(付記)
付記1の振動力発電装置は、振動による圧力変動により発電する振動力発電装置であって、相互に間隔を隔てて設けられた一対の振動板と、前記一対の振動板同士を接合する圧電素子と、を備える。
付記2の振動力発電装置は、付記1に記載の振動力発電装置において、前記一対の振動板の各々を直方体にて形成し、各振動板の長手方向が同じ方向となるように、前記一対の振動板を同一直線上に沿って並設し、前記間隔を隔てて対向する前記一対の振動板の端面を相互に接合する前記圧電素子を、当該一対の振動板の端面の相互間に配置している。
付記3の振動力発電装置は、付記1に記載の振動力発電装置において、前記一対の振動板の各々を直方体にて形成し、各振動板の長手方向が同じ方向となるように、前記一対の振動板を同一直線上に沿って並設し、前記一対の振動板の側面を相互に接合する前記圧電素子を、前記間隔をまたぐように配置している。
付記4の振動力発電装置は、付記1から3のいずれか一項に記載の振動力発電装置において、前記圧電素子を、保護板を介して前記一対の振動板と接合している。
付記5の振動力発電装置は、付記1から4のいずれか一項に記載の振動力発電装置において、前記振動板の一部を、前記圧電素子の変形が所定量に達した場合に当該圧電素子の変形を調整する変形調整手段にて形成している。
付記6の振動力発電装置は、付記5に記載の振動力発電装置において、前記変形調整手段は、前記圧電素子の変形が所定量に達した場合に当該圧電素子の変形を抑制する変形抑制手段である。
付記7の振動力発電装置は、付記5に記載の振動力発電装置において、前記変形調整手段は、前記圧電素子の変形が所定量に達した場合に当該圧電素子を押圧することにより当該圧電素子の変形を増長させる変形増長手段である。
(付記の効果)
付記1に記載の振動力発電装置によれば、一対の振動板同士を接合する圧電素子を備えたので、振動板の変形が大きくなるところで圧電素子を変形させることができ、圧電素子の一方の側面をすべて覆うように振動板が接合された構造に比べて、圧電素子の変形を一層促進させることができる。これにより、振動板の材質が圧電素子の材質よりも硬質である場合でも、圧電素子の発電効率を維持することができる。
付記2に記載の振動力発電装置によれば、間隔を隔てて対向する一対の振動板の端面を相互に接合する圧電素子を、当該一対の振動板の端面の相互間に配置しているので、通常時において圧電素子が振動板の外側面よりも外側に突出しないことから、振動力発電装置の外観を維持することができる。また、振動力発電装置における振動板の並設方向に略直交する方向の長さをコンパクトにすることができ、振動力発電装置の小型化を図ることができる。
付記3に記載の振動力発電装置によれば、一対の振動板の側面を相互に接合する圧電素子を、間隔をまたぐように配置したので、製造時において圧電素子を容易に取り付けることができると共に、設置後においても圧電素子を容易に取り付けたり、又は取り外すことができ、振動力発電装置の製造性やメンテナンス性を向上させることができる。
付記4に記載の振動力発電装置によれば、圧電素子を、保護板を介して一対の振動板と接合しているので、保護板がないものと比べて圧電素子を大きく引張変形させることができ、圧電素子の発電効率を向上させることができる。また、振動板に作用した外力を圧電素子に均等に伝えることができるので、振動板が受けた外力を直接圧電素子に伝達する場合に比べて、圧電素子に局部的な応力集中による割れ等が生じることを防止できる。
付記5に記載の振動力発電装置によれば、振動板の一部を変形調整手段にて形成したので、使用用途に合わせて圧電素子の変形を抑制又は増長させることができ、設計の自由度を格段に高めることができる。
付記6に記載の振動力発電装置によれば、変形調整手段は、圧電素子の変形が所定量に達した場合に当該圧電素子の変形を抑制する変形抑制手段であることで、圧電素子の過度な引張変形又は圧縮変形を抑制することができ、そのような引張変形又は圧縮変形による圧電素子の割れ等を防止することができる。
付記7に記載の振動力発電装置によれば、変形調整手段は、圧電素子の変形が所定量に達した場合に当該圧電素子を押圧することにより当該圧電素子の変形を増長させる変形増長手段であることで、圧電素子を一層効果的に変形させることができ、振動板の疲労損傷等を防止することができる。