【実施例】
【0079】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
【0080】
調製例1 (A)成分(二酸化ケイ素/酸化亜鉛複合物)の調製
まず、硫酸亜鉛7水和物19.8g(0.069mol)を水50mlに溶解した。一方、3号珪酸ソーダ(モル比:Na
2O/SiO
2=1/3、Na
2O含有量:7.0質量%、SiO
2含有量:21.0質量%)50g(Na
2O:0.056mol、SiO
2:0.175mol)を水170mlに溶解した。これらの溶液を混合し、20〜30℃で90分間反応させてゲルのスラリーを得た。得られたゲルのスラリーのpHは6.8であった。
【0081】
得られたゲルのスラリー200mlを3Lの容器にとり、40℃で攪拌しながら、硫酸亜鉛水溶液(0.67mol/L)1Lと、3号珪酸ソーダ水溶液(Na
2O:0.7mol/L、SiO
2:2.1mol/L)1Lとを、それぞれ5.5ml/分の速さで同時に滴下した後、40℃で60分間反応させた。反応中のスラリーのpHは7.5であった。その後、このスラリー200mlをブフナー漏斗で吸引濾過し、水100mlで5回洗浄し、110℃で乾燥した後に粉砕して白色粉末状の(A)成分を得た。得られた(A)成分を蛍光X線分析計にて測定した結果、二酸化ケイ素63質量%、酸化亜鉛22質量%、及び含水率が15質量%であった。
【0082】
合成例1
オートクレーブにステアリルアミン269質量部(1.0モル)を仕込み、窒素ガス雰囲気下、温度150〜160℃、圧力0.39MPa以下にてエチレンオキサイド88質量部(2.0モル)を付加させ、ステアリルジエタノールアミンを得た。
【0083】
得られたステアリルジエタノールアミン357質量部(1.0モル)、水酸化ナトリウム0.5質量部をオートクレーブ仕込み、窒素ガス雰囲気下120℃まで加熱昇温した。次いで、エチレンオキサイド92.4質量部(2.1モル)を温度150〜160℃、圧力0.39MPa以下にて反応させた。反応終了後冷却し、氷酢酸にてpH7に中和してステアリルアミンのエチレンオキサイド4.1モル付加物を得た。
【0084】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー(株)製高速GPC「HLC−8220型」、標準物質:ポリエチレングリコール、溶媒:THF、流速:0.25ml/min、カラム:TSK−GEL SuperHZ(東ソー(株)製)、注入量:5μl、カラム温度:40℃、検出器:RI、UV(254nm))にて重量平均分子量を測定したところ450であった。エチレンオキシ基の割合は40質量%であった。
【0085】
合成例2
ステアリルジエタノールアミン357質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム0.9質量部、エチレンオキサイド572質量部(13.0モル)とした以外は合成例1と同様に操作して、ステアリルアミンのエチレンオキサイド15モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は928であり、エチレンオキシ基の割合は71質量%であった。
【0086】
合成例3
ステアリルジエタノールアミン357質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム2.5質量部、エチレンオキサイド2112質量部(48.0モル)とした以外は合成例1と同様に操作して、ステアリルアミンのエチレンオキサイド50モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は2,468であり、エチレンオキシ基の割合は89質量%であった。
【0087】
合成例4
ステアリルジエタノールアミン357質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム2.6質量部、エチレンオキサイド1980質量部(45.0モル)とプロピレンオキサイド232質量部(4.0モル)の混合物とした以外は合成例1と同様に操作して、ステアリルアミンのエチレンオキサイド47モルプロピレンオキサイド4モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は2,500であり、エチレンオキシ基の割合は80質量%であった。
【0088】
合成例5
ステアリルジエタノールアミン357質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム2.5質量部、エチレンオキサイド1672質量部(38.0モル)とプロピレンオキサイド464質量部(8.0モル)の混合物とした以外は合成例1と同様に操作して、ステアリルアミンのエチレンオキサイド40モルプロピレンオキサイド8モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は2,450であり、エチレンオキシ基の割合は70質量%であった。
【0089】
合成例6
ステアリルジエタノールアミン357質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム2.6質量部、エチレンオキサイド924質量部(21.0モル)とプロピレンオキサイド1242.9質量部(21.4モル)の混合物とした以外は合成例1と同様に操作して、ステアリルアミンのエチレンオキサイド25モルプロピレンオキサイド21.4モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は2,520であり、エチレンオキシ基の割合は40質量%であった。
【0090】
合成例7
ステアリルジエタノールアミン357質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム10.0質量部、エチレンオキサイド9531.1質量部(216.6モル)とした以外は合成例1と同様に操作して、ステアリルアミンのエチレンオキサイド218.6モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は9,800であり、エチレンオキシ基の割合は97質量%であった。
【0091】
合成例8
ステアリルジエタノールアミン357質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム19.3質量部、エチレンオキサイド18931質量部(430.3モル)とした以外は合成例1と同様に操作して、ステアリルアミンのエチレンオキサイド432.3モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は19,200であり、エチレンオキシ基の割合は99質量%であった。
【0092】
合成例9
ステアリルアミンに代えてドデシルアミン185質量部(1.0モル)を使用してドデシルジエタノールアミンを合成し、ドデシルジエタノールアミン273質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム2.4質量部、エチレンオキサイド2112質量部(48.0モル)とした以外は合成例1と同様に操作して、ドデシルアミンのエチレンオキサイド50モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は2,385であり、エチレンオキシ基の割合は92質量%であった。
【0093】
合成例10
ステアリルアミンに代えてデシルアミン157質量部(1.0モル)を使用してデシルジエタノールアミンを合成し、デシルジエタノールアミン245質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム2.6質量部、エチレンオキサイド2323.1質量部(52.8モル)とした以外は合成例1と同様に操作して、デシルアミンのエチレンオキサイド54.8モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は2,568であり、エチレンオキシ基の割合は94質量%であった。
【0094】
合成例11
ステアリルアミンに代えてアミノエチルエタノールアミン104質量部(1.0モル)を使用してテトラエタノールエチレンジアミンを合成し、テトラエタノールエチレンジアミン236質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム3質量部、エチレンオキサイド1936.0質量部(44.0モル)とプロピレンオキサイド841質量部(14.5モル)の混合物とした以外は合成例1と同様に操作して、エチレンジアミンのエチレンオキサイド48モルプロピレンオキサイド14.5モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は3,000であり、エチレンオキシ基の割合は70質量%であった。
【0095】
合成例12
テトラエタノールエチレンジアミン236質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム3質量部、エチレンオキサイド2224.0質量部(50.5モル)とプロピレンオキサイド540質量部(9.3モル)の混合物とした以外は合成例11と同様に操作して、エチレンジアミンのエチレンオキサイド54.5モルプロピレンオキサイド9.3モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は3,000であり、エチレンオキシ基の割合は70質量%であった。
【0096】
合成例13
ステアリルアミンに代えてアミノエチルエタノールアミン104質量部(1.0モル)を使用してテトラエタノールエチレンジアミンを合成し、テトラエタノールエチレンジアミン236質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム9質量部、エチレンオキサイド7964.0質量部(181.0モル)とプロピレンオキサイド870質量部(15.0モル)の混合物とした以外は合成例1と同様に操作して、エチレンジアミンのエチレンオキサイド185モルプロピレンオキサイド15モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は9000であり、エチレンオキシ基の割合は90質量%であった。
【0097】
合成例14
テトラエタノールエチレンジアミン236質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム48.1質量部、エチレンオキサイド43023.2質量部(977.8モル)とプロピレンオキサイド4802.4質量部(82.8モル)の混合物とした以外は合成例11と同様に操作して、エチレンジアミンのエチレンオキサイド981.8モルプロピレンオキサイド82.8モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は48,000であり、エチレンオキシ基の割合は90質量%であった。
【0098】
合成例15
反応容器にラウリン酸200質量部(1.0モル)、3−(2−ヒドロキシエチルアミノ)プロピルアミン118質量部(1.0モル)を仕込み、窒素気流下、160〜170℃で5時間反応させて3−ラウリルアミド−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピルアミンを得た。
【0099】
3−ラウリルアミド−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピルアミン300質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム3.0質量部、エチレンオキサイド2699.8質量部(61.4モル)とした以外は合成例1と同様に操作して、3−(ラウリルアミド)プロピルアミンのエチレンオキサイド62.4モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は3,000であり、エチレンオキシ基の割合は91質量%であった。
【0100】
比較合成例1
合成例1と同様に操作してステアリルアミン269質量部(1.0モル)のエチレンオキサイド2.0モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は357であり、エチレンオキシ基の割合は25質量%であった。
【0101】
比較合成例2
ステアリルジエタノールアミンに代えてN−メチルジエタノールアミン119質量部(1.0モル)、水酸化ナトリウム0.4質量部、エチレンオキサイド231.1質量部(5.3モル)とした以外は合成例1と同様に操作して、N−メチルアミンの7.3モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は350であり、エチレンオキシ基の割合は91質量%であった。
【0102】
比較合成例3
ステアリルジエタノールアミン357質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム55.0質量部、エチレンオキサイド54670質量部(1242.5モル)とした以外は合成例1と同様に操作して、ステアリルアミンのエチレンオキサイド1244.5モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は55,000であり、エチレンオキシ基の割合は99.5質量%であった。
【0103】
比較合成例4
ステアリルジエタノールアミン357質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム2.2質量部、エチレンオキサイド792.0質量部(18.0モル)とプロピレンオキサイド1363.0質量部(23.5モル)の混合物とした以外は合成例1と同様に操作して、ステアリルアミンのエチレンオキサイド20モルプロピレンオキサイド23.5モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は2,500であり、エチレンオキシ基の割合は35質量%であった。
【0104】
比較合成例5
テトラエタノールエチレンジアミン236質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム0.4質量部、エチレンオキサイド114g(2.6モル)とした以外は合成例11と同様に操作して、エチレンジアミンのエチレンオキサイド6.6モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は350であり、エチレンオキシ基の割合は83質量%であった。
【0105】
比較合成例6
テトラエタノールエチレンジアミン236質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム2.5質量部、エチレンオキサイド699.2質量部(15.9モル)とプロピレンオキサイド1564.8質量部(27.0モル)の混合物とした以外は合成例11と同様に操作して、エチレンジアミンのエチレンオキサイド19.9モルプロピレンオキサイド27モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は2500であり、エチレンオキシ基の割合は35質量%であった。
【0106】
比較合成例7
テトラエタノールエチレンジアミン236質量部(1.0モル)に対して水酸化ナトリウム55.2質量部、エチレンオキサイド44000質量部(1000モル)とプロピレンオキサイド10938.8質量部(188.6mol)の混合物とした以外は合成例11と同様に操作して、エチレンジアミンのエチレンオキサイド1004モルプロピレンオキサイド188.6モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は55,000であり、エチレンオキシ基の割合は80質量%であった。
【0107】
比較合成例8
フェノール94質量部(1.0モル)と硫酸0.1質量部を反応容器に仕込み、撹拌しながら窒素ガス気流下にて加熱昇温し、110〜130℃でスチレンモノマー312質量部(3.0モル)を滴下し、125〜135℃で約3時間付加反応させ、その後冷却して褐色透明粘液状のトリスチレン化フェノールを得た。
【0108】
得られたトリスチレン化フェノール403質量部(1モル)に対して水酸化ナトリウム4.5質量部、エチレンオキサイド880質量部(20モル)とした以外は合成例11と同様に操作して、トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド20モル付加物を得た。
この付加物の重量平均分子量は1,280であり、エチレンオキシ基の割合は69質量%であった。
【0109】
実施例1
(A)成分として調製例1の化合物200質量部、(B)成分として合成例1の化合物30質量部、水670質量部を混合し、パールミルで平均粒径が0.5μmになるまで微粒子化した。平均粒径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(HORIBA社製「LA−920」)を用いて、繊維用消臭剤の積算体積粒度分布を測定し、積算体積が50%となる粒径(メジアン粒径)を平均粒径(μm)とした。この微粒子化物に、ヒドロキシエチルセルロース(商品名HEC SE−850、ダイセル化学工業(株)製)の3質量%水溶液100質量部を混合し、撹拌して均一として、繊維用消臭剤を得た。
【0110】
得られた繊維用消臭剤について製品安定性試験、薬剤相容性試験、消臭性試験、白化試験の評価を行った。また、60℃×20日製品安定性試験後の繊維用消臭剤について消臭性試験、白化試験の評価を行った。60℃×20日製品安定性試験後の繊維用消臭剤については、増粘や分離が認められるものについては、撹拌均一にしたものを使用して評価を行った。その結果を表1に示す。
【0111】
実施例2〜
25、28〜30
、参考例26,27及び比較例1〜14
実施例1の(A)成分、(B)成分を表1〜5に記載のものに代えた以外は実施例1と同様に操作して実施例2〜
25、28〜30、参考例26,27及び比較例1〜14の繊維用消臭剤を得た。なお、実施例8、実施例9、実施例29においては、微粒子化装置としてパールミルの代わりにアスペックミルを用いた。
【0112】
得られた繊維用消臭剤について製品安定性試験、薬剤相容性試験、消臭性試験、白化試験の評価を行った。また60℃×20日製品安定性試験後の繊維用消臭剤について消臭性試験、白化試験の評価を行った。60℃×20日製品安定性試験後の繊維用消臭剤については、増粘や分離が認められるものについては、撹拌均一にしたものを使用して評価を行った。その結果を表1〜5に示す。
【0113】
実施例
、参考例と比較例において、繊維用消臭剤の製品安定性試験、薬剤相容性試験、消臭性試験、白化試験は下記の方法に従って行い、評価した。
【0114】
製品安定性試験
繊維用消臭剤をガラス瓶に入れて密封し、60℃で5日後と20日後、及び20℃で2週間後と3ヶ月後の外観を目視で観察し、下記の基準に従い評価した。
7:増粘や分離がなく製品安定性試験前の状態と同じ
6:ごくわずかの分離があるが、弱い攪拌で容易に製品安定性試験前の状態に戻る
5:若干の増粘や分離があるが、攪拌すれば容易に製品安定性試験前の状態に戻る
4:増粘や分離があるが、攪拌すれば製品安定性試験前の状態に戻る
3:増粘や分離があり、攪拌しても若干の粗粒子が認められる
2:増粘や分離が大きく、攪拌しても粗粒子が認められる
1:固化や大きな分離があり、攪拌しても粗粒子が多量に認められる
【0115】
薬剤相容性試験
繊維用消臭剤5質量部(実施例17のみ2質量部)、機能加工剤2質量部、水93質量部(実施例17のみ96質量部)を均一になるまで混合して処理液を調製した。処理液調製1時間後の外観を目視で観察し、下記の3段階で評価した。
A:分離、沈降は認められない
B:やや分離、沈降が認められる
C:調液直後に分離、沈降が認められる
【0116】
なお、機能加工剤としては、イオン性の異なる以下の2種を用いた。
カチオン性機能加工剤:ネオフィックスR−800(日華化学(株)、カチオン性高分子化合物)
アニオン性機能加工剤:ナイスポールPR−99(日華化学(株)、アニオン性ポリエステル樹脂)
【0117】
消臭性試験(アンモニア消臭率)
消臭性繊維製品の調製
繊維用消臭剤5質量部(実施例17のみ2質量部)、シリコーン樹脂(信越化学工業(株)製、製品名「KM−2002−L−1」)2質量部、水93質量部(実施例17のみ96質量部)を均一になるまで混合して処理液を調製した。この処理液を用いて、ポリエステル100%編物または綿100%編物に対してパディング処理した。ピックアップは70質量%とした。次いで、120℃で3分間乾燥した後、160℃で1分間熱処理して、洗濯前の消臭性繊維製品を得た。
【0118】
洗濯前の消臭性繊維製品を10回洗濯し、洗濯10回後の消臭性繊維製品を得た。洗濯方法は、JIS L 0217−1995(103法)に従った。すなわち、JAFET標準洗剤40mlを使用し、浴比1:30として、40℃で5分間洗濯した後、脱水し、2分間のオーバーフローすすぎを2回繰り返した。この工程を洗濯1回とし、洗濯10回後さらに5分間オーバーフロー濯ぎした。
【0119】
次いで、洗濯前および洗濯10回後の消臭性繊維製品を105℃で2時間絶乾させた後、20℃、65%RHの条件下に24時間放置して調湿を行った。
【0120】
アンモニア消臭率の測定
調湿した消臭性繊維製品(10cm×10cm)1枚を5Lテドラーバックに入れ、バック内を脱気した後、アンモニア100ppmを含有する空気3Lを注入し、密封した。20℃で2時間放置した後、検知管(No.3L、GASTEC社製)にてアンモニアの残留濃度を測定した。また、空試験として、消臭性繊維製品を入れないで同様に試験を行って残留濃度を測定した。アンモニア消臭率(%)を次式により算出した。
【0121】
アンモニア消臭率(%)={1−(残留濃度)/(空試験の残留濃度)}×100
【0122】
白化試験
前述の消臭性繊維製品の調製で得られた消臭性繊維製品の外観を目視で観察し、下記の3段階で評価した。
A:白化なし
B:白化少しあり
C:白化あり
【0123】
【表1】
【0124】
【表2】
【0125】
【表3】
【0126】
【表4】
【0127】
【表5】
【0128】
実施例1〜
25、28〜30より、(A)成分である二酸化ケイ素または二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物の微粒子を、特定の(B)成分を用いて分散して得られる本発明の繊維用消臭剤は、製品安定性、薬剤相容性に優れていることが分かる。また、本発明の繊維用消臭剤で処理して得られる消臭性繊維製品は、優れた消臭性能を発揮することができる。
【0129】
比較例1〜10より、本発明の(B)成分以外の非イオン界面活性剤を使用した場合は製品安定性が劣っていることが分かる。
【0130】
比較例11〜13より、イオン性を持った界面活性剤を使用した場合は製品安定性は良好であるが、反対のイオン性を持った薬剤と併用した場合に薬剤相溶性が劣っていることが分かる。
【0131】
60℃×20日製品安定性試験後の繊維用消臭剤を使用して処理を行った場合、実施例1〜
25、28〜30の本発明の繊維用消臭剤では処理後の白化はほとんど見られないが、比較例1〜10の本発明の(B)成分以外の非イオン界面活性剤を使用した繊維用消臭剤では処理後に白化が見られた。比較例12〜13のイオン性を持った界面活性剤を使用した繊維用消臭剤においても処理後に白化が見られた。比較例1〜10、12、13の本発明以外の繊維用消臭剤の場合、長期保存後の製品を使用して染色された繊維製品を処理した場合、色相が変化し、繊維製品の品質低下を引き起こす可能性が大きいと考えられる。
【0132】
比較例1〜10、12、13の本発明以外の繊維用消臭剤の場合、60℃×20日と20℃×3ヶ月の製品安定性試験後では、固化や分離を撹拌して均一にした後も粗粒子が認められ、翌日には分離する現象が認められた。
【0133】
比較例1〜10、12、13の本発明以外の繊維用消臭剤を長期保存後に使用する場合は、使用する前に撹拌均一にする手間が必要であるにもかかわらずすぐに分離を起こす傾向があり、同じ製品の中でも採取する場所により消臭性能に差が出るなど、取り扱いが容易ではなく、処理効率が悪くなる可能性がある。