特許第5943653号(P5943653)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5943653
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】基板収納容器
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20160621BHJP
   B65D 85/86 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   H01L21/68 T
   B65D85/38 R
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-49745(P2012-49745)
(22)【出願日】2012年3月6日
(65)【公開番号】特開2013-187264(P2013-187264A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2014年10月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000190116
【氏名又は名称】信越ポリマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】三村 博
【審査官】 内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−270823(JP,A)
【文献】 特開平08−142344(JP,A)
【文献】 特開平09−104149(JP,A)
【文献】 特開昭58−096800(JP,A)
【文献】 特開2000−340643(JP,A)
【文献】 特開2003−052246(JP,A)
【文献】 特開2008−306162(JP,A)
【文献】 特開2008−238892(JP,A)
【文献】 特開2008−106932(JP,A)
【文献】 実開平01−097555(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
B65D 85/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を備え前記開口から基板を収納できる容器本体と、前記容器本体の前記開口を閉鎖する蓋体と、を備えてなる基板収納容器であって、
前記容器本体には前記基板を目視できる透明窓部を備え、前記透明窓部には前記透明窓部を被った状態で遮光カバーを着脱自在に取り付けることができ
前記容器本体の前記透明窓部の外周に前記遮光カバーを取り付けるための固定部が形成され、
前記固定部は、前記容器本体に形成された固定リブからなる係止片固定部と、頭部を有する軸によって前記係止片固定部に取付けられる係止片部とからなり、前記係止片部は、前記軸の頭部によって係止されている
ことを特徴とする基板収納容器。
【請求項2】
前記透明窓部は、前記容器本体の前記開口と対向する部分に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板収納容器。
【請求項3】
前記遮光カバーは、その周辺に遮光性パッキンを備えていることを特徴とする請求項1に記載の基板収納容器。
【請求項4】
前記遮光性パッキンは、その一部に排水路が形成されていることを特徴とする請求項に記載の基板収納容器。
【請求項5】
前記排水路は、容器本体の底部側に配置される前記遮光性パッキンに形成されていることを特徴とする請求項に記載の基板収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば半導体ウェーハ、ガラスウェーハ、マスクガラス等のような精密加工基板を収納し、輸送、搬送、保管に使用される基板収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の基板収納容器として、いわゆるフロントオープンボックスタイプのものが知られ、開口を備え該開口を通して複数の基板を水平状態で並設させて収納する容器本体と、この容器本体の開口を閉鎖する蓋体を備えて構成されている。
【0003】
そして、半導体ウェーハを収納、輸送、搬送、保管する基板収納容器では、該半導体ウェーハとして、その径がたとえば300mmのものが使用されるものが知られている。このような半導体ウェーハを収納した基板収納容器は、そのままの状態で保管されたり、製造工程上において搬送され、あるいは外部に輸送されたりして使用されるようになっている。また、製造工程上における搬送を容易にするため、基板収納容器の容器本体の天面にはロボテックフランジが取り付けられ、基板収納容器はロボテックフランジを介して工場内の搬送レールに支持されて搬送されるようになっている。基板収納容器内の半導体ウェーハは、この搬送過程において、必要に応じた処理あるいは加工がなされるようになっている。
【0004】
なお、このような基板収納容器として、たとえば下記特許文献1、2に示すように、該容器本体のたとえば前記開口と反対側の背面に透明窓部が形成され、この透明窓部を通して、半導体ウェーハの収納枚数、あるいは半導体ウェーハの破損の有無等の確認を行うことができるものが知られている。また、この透明窓部は、基板収納容器に対し、半導体ウェーハを自動機で出し入れする際の該半導体ウェーハのセットダウン位置、自動機の挿入限度等を、ティーチングによって微調整するような場合においても用いられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-306988号公報
【特許文献2】特開2006-100712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述のように、容器本体に透明窓部を形成した基板収納容器において、レジストを塗布して露光によって表面に微細な回路パターンが形成された半導体ウェーハを一時的に収納するような場合、該基板収納容器内へ入射される光によって残存するレジストに予期せぬ反応が進行してしまい、回路パターンが変質したり劣化したりしてしまうことがあり、これを防ぐため、該回路パターンを該透明窓部からの光から保護するようにしている。
【0007】
一般的には、透明窓部を特定の材料(ベンゾリトリアゾール系紫外線吸着材、ベンゾリトリアゾール系紫外線吸着材等の適量を添加したもの)によって形成し、これにより、特定の波長の光(たとえば波長400nm以下の光:物質に吸着しやすい紫外線)の照射を遮るようにして、半導体ウェーハの表面のダメージを防ぐようにしていた。
【0008】
しかし、近年における回路パターンのさらなる微細化の傾向にあって、上記の材料の透明窓部で遮ったはずの波長の光の漏光による半導体ウェーハへの影響、あるいは上記の材料の透光部によって遮ることのできない波長(400nm以上)の光による半導体ウェーハへの影響についての不都合を無視することができなくなってきた。
【0009】
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、透明窓部を通して入射される光に対して、収納された基板を信頼性よく保護することのできる基板収納容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために、本発明は、容器本体に形成された透明窓部を被った状態に遮光カバーを着脱自在に取り付けることができるように構成したものである。
【0011】
このように構成することによって、半導体ウェーハの状態確認などの必要な作業時以外は、透明窓部に該遮光カバーを着脱自在に被せることにより該半導体ウェーハへの入光を遮ることができ、光により半導体ウェーハの回路パターンへのダメージを防止することができる。そして、遮光カバーによる遮光が不要な行程においては、該遮光カバーを外し、透明窓部を通して容器本体に収納された半導体ウェーハを目視で確認したり、ティーチングの際などに、半導体ウェーハと自動機の取り出しハンドとの位置を確認したりすることができるようになる。
【0012】
本発明は、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の基板収納容器は、開口を備え前記開口から基板を収納できる容器本体と、前記容器本体の前記開口を閉鎖する蓋体と、を備えてなる基板収納容器であって、前記容器本体には前記基板を目視できる透明窓部を備え、前記透明窓部には前記透明窓部を被った状態で遮光カバーを着脱自在に取り付けることができ、前記容器本体の前記透明窓部の外周に前記遮光カバーを取り付けるための固定部が形成され、前記固定部は、前記容器本体に形成された固定リブからなる係止片固定部と、頭部を有する軸によって前記係止片固定部に取付けられる係止片部とからなり、前記係止片部は、前記軸の頭部によって係止されていることを特徴とする。
(2)本発明の基板収納容器は、(1)の構成において、前記透明窓部は、前記容器本体の前記開口と対向する部分に形成されていることを特徴とする。
(3)本発明の基板収納容器は、(1)の構成において、前記遮光カバーは、その周辺に遮光性パッキンを備えていることを特徴とする。
(4)本発明の基板収納容器は、()の構成において、前記遮光性パッキンは、その一部に排水路が形成されていることを特徴とする。
(5)本発明の基板収納容器は、()の構成において、前記排水路は、容器本体の底部側に配置される前記遮光性パッキンに形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上述のように構成した基板収納容器によれば、透明窓部を通して入射される光に対して、収納された基板を信頼性よく保護することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の基板収納容器の背面を示した斜視図で、遮光カバーを取り外した状態を示す図である。
図2】本発明の基板収納容器の容器本体の背面を示した斜視図で、遮光カバーを取り付けた状態を示す図である。
図3図2のIII−III線における断面図である。
図4図4の点線丸の部分の拡大図である。
図5図2のV−V線における断面図である。
図6図5の部分を平面的に観た図である。
図7】本発明の基板収納容器の遮光カバーの部分の他の実施形態を示す断面図である。
図8】本発明の基板収納容器の遮光パッキンの部分の他の実施形態を示す断面図である。
図9】本発明の基板収納容器の遮光パッキンの部分の他の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
(実施形態1)
図1は、本発明の基板収納容器を示した斜視図で、該基板収納容器を背面側から観た図である。
【0016】
図1において、基板収納容器10の容器本体11の正面には、図示しない開口が形成され、この開口を閉塞するようにして蓋部12が取り付けられている。蓋部12の周辺にはシール材(図示せず)が形成され、該蓋部12を容器本体11に取り付けた場合は該シール材によって密封できるようになっている。
【0017】
基板収納容器10に半導体ウェーハ(径はたとえば300mm)13を収納する際は、該蓋部12を容器本体11から外し、たとえば自動機によって、容器本体11の前記開口を通して半導体ウェーハ13を面対向させた状態で垂直方向(図中上下方向)に一定間隔で配置させるようになっている。
【0018】
なお、基板収納容器10の内壁面には該開口から観て両側の部分に一対の支持部材(図示せず)が配置され、それぞれの半導体ウェーハ13は、これら支持部材の高さ方向に並設された複数の溝に係止されることによって、一定間隔を保持して水平に配置されるようになっている。
【0019】
容器本体11の上面にはロボテックフランジ15が取り付けられ、このロボテックフランジ15は、工場内に設置された天井搬送装置に把持されるようになっている。これにより、基板収納容器10は、天井搬送装置に沿って搬送され、その搬送された工程において、回路パターン形成のために必要に応じた処理あるいは加工がなされるようになっている。
【0020】
また、容器本体11の側面にはマニュアルハンドル16が取り付けられ、このマニュアルハンドル16は、天井搬送装置に吊り下げられた基板収納容器10を手動で搬送する場合等において便宜的に用いられるようになっている。
【0021】
さらに、容器本体11の底面にはボトムプレート17が取り付けられ、このボトムプレート17は、天井搬送装置によって搬送されてきた基板収納容器10内の半導体ウェーハ13に対して所定の処理あるいは加工を行う際に、当該処理装置あるいは加工装置の定位置にセットできるようになっている。
【0022】
そして、容器本体11の背面には、容器本体11の上下方向に延在するたとえば矩形状の透明窓部20が形成されている。この透明窓部20は、透明材料からなり容器本体11と一体となるようにインサート成形あるいは二色成形等で形成されている。この透明窓部20を通して、基板収納容器10に収納された各半導体ウェーハ13のリア側を目視できるようになっている。上述のように各半導体ウェーハ13は、基板収納容器10内において、面対向された状態で垂直方向(図中上下方向)に並設され、これら半導体ウェーハ13は、透明窓部20を通して、最下段から最上段までの全ての半導体ウェーハ13を目視できるようになっている。透明窓部は、ポリカーボネート樹脂やシクロオレフィンポリマー、アクリル樹脂等の透明材料から形成することができる。また、これらに紫外線吸収剤の適量を添加した材料を用いて形成することが好ましい。
【0023】
また、基板収納容器10には、前記透明窓部20を被って配置される遮光カバー22が備えられている。この遮光カバー22は、不透光材料からなり、前記透明窓部20を充分に被う矩形状をなしている。図2は、図1と対応づけて描いた図で、基板収納容器10の透明窓部20に遮光カバー22を取り付けた場合の斜視図である。図2に示すように、基板収納容器10の透明窓部20は遮光カバー22によって完全に被われた状態となっている。
【0024】
ここで、図3は、図2のIII−III線における断面図である。図3に示すように、遮光カバー22は、基板収納容器10の透明窓部20を被った状態で取り付けられていることが示されている。そして、図3の点線丸Aの部分の拡大図である図4に示すように、該遮光カバー22の周辺の該基板収納容器10側の面には遮光パッキン23が取り付けられている。遮光パッキン23は、たとえば遮光カバー22に形成した溝22Aに嵌合させることによって、該遮光カバー22に取り付けられている。遮光パッキン23は、透明窓部20の周辺の容器本体11の部分に当接するようにして配置されている。
【0025】
遮光パッキン23は、基板収納容器10に取り付けた際に、外部の光が遮光パッキン23の周囲から入射され、透明窓部20に侵入するのを防止する機能を有するようになっている。
【0026】
遮光カバー22は、図1図2に示すように、基板収納容器10の透明窓部20の周囲に設けられたたとえば4個の係止部25によって、該基板収納容器10に対し着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0027】
係止部25は、基板収納容器10の透明窓部20の両脇の辺部にそれぞれ2個ずつ設けられた係止片固定部25Aと、これら係止片固定部25Aに取付けられる係止片部25Bとから構成されている。図5は、図2のVI−VI線における断面を示し、容器本体11に形成された固定リブからなる係止片固定部25Aに螺合されるように構成されている。なお、係止片部25Bは、軸25Cの頭部によって係止されることによって該軸25Cから抜けることが防止されるようになっている。
【0028】
図5図5を平面的に観た図6に示すように、係止片部25Bが図示の位置にある場合、該係止片部25Bは、遮光カバー22の周辺に当接されるようになっている。この場合、遮光カバー22の周辺の基板収納容器10側の面には遮光パッキン23が取り付けられているため、該遮光パッキン23の弾力によって、遮光パッキン23は基板収納容器10側に押圧された状態を維持するようになる。
【0029】
なお、遮光カバー22を基板収納容器10から外す場合には、図6に示すように、係止片部25bをたとえば図中矢印α方向に回動させ、係止片部25Bと遮光カバー22との当接を解除するようにすればよい。この他、遮光カバー22の係止片部25bは、基板収納容器10にボルトを介して固定したり、取り外したりする構造であってもよい。
【0030】
このように構成された基板収納容器10によれば、半導体ウェーハ13の状態確認などの必要な作業時以外は、透明窓部20に該遮光カバー22を着脱自在に被せることにより該半導体ウェーハ13への入光を遮ることができ、光により半導体ウェーハ13の回路パターンへのダメージを防止することができる。そして、遮光カバー22による遮光が不要な行程においては、該遮光カバー22を外し、透明窓部20を通して容器本体11に収納された半導体ウェーハ13を目視で確認したり、ティーチングの際などに、半導体ウェーハ13と自動機の取り出しハンドとの位置を確認したりすることができるようになる。このため、透光窓部20を通して入射される光に対して、収納された半導体ウェーハ13を信頼性よく保護することができるようになる。
(実施形態2)
実施形態1では、基板収納容器10に対する遮光カバー22の取り付けは、図2に示したように、4個の係止部25によって行ったものである。しかし、遮光カバー22の一方の辺側において、前記係止部25に替えて、たとえば、図7に示すように、遮光カバー22の面と平行に突出する突出片22Pを形成し、この突出片22Pが容器本体11に形成した突起部11Qに設けられる孔11Hに差し込ませるように構成するようにしてもよい。このようにした場合、遮光カバー22の一辺側において、突出片部25Bを突起部11Qの孔11Hに差し込ませるだけで固定できるという効果を奏する。
(実施形態3)
実施形態1では、遮光パッキン23は、断面がほぼ矩形に近い形状のものを用いたものである。しかし、図8に示すように、遮光カバー22に取り付けられる遮光パッキン23’にいわゆるリップ部23”が備えられ、遮光カバー22を基板収納容器10に取り付けた場合に、該リップ部23”が透明窓部20の周辺の基板収納容器10に当接するように構成してもよいことはもちろんである。このような遮光パッキン23’を用いた場合、容器本体11あるいは遮光カバー22の変形を該遮光パッキン23’によって吸収し易くなるという効果を奏する。
(実施形態4)
上述した実施形態では、遮光カバー22に取り付けられる遮光パッキン23、23’は、いずれも、周方向に沿った全ての領域に容器本体11との密接が図れるように構成するようにしたものである。
【0031】
しかし、図8に示す実施形態で用いられた遮光パッキン23’を例に挙げる場合、該遮光パッキン23’の周方向の一部の領域に排水路となる切欠き24を設けるようにしてもよいことはもちろんである。遮光カバー22の洗浄後において水残りが無いようにするためである。
【0032】
この場合、遮光カバー22を基板収納容器10に取り付けた場合に、該基板収納容器10の底部側に配置される部分に排水路となる切欠き24を設けることによって、充分な水抜きを行う効果を奏することができる。
(実施形態5)
上述した実施形態では、基板収納容器10に収納する基板は半導体ウェーハ13としたものである。しかし、これに限定されることはなく、たとえば、表面にフォトリソグラフィ技術によって配線パターンを形成するようなガラス基板等であってもよい。このようなガラス基板であっても、基板収納容器10に形成された透明窓部20を通して入射される光で回路パターンにダメージが生じ易くなるからである。
【0033】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。透明窓部を、ポリカーボネート樹脂やシクロオレフィンポリマー、アクリル樹脂等の透明材料から形成したときには、透明カバー22は、透明窓部よりも特定波長の光線の透過を制限した透明材料から形成することができる。例えば、ポリカーボネート樹脂などの透明材料に適量の紫外線吸収剤を添加したり、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物やその誘導体、ジアリールエテン化合物などのフォトクロミック材料など、特定波長の透過を制限する材料から形成したり、上記透明材料から形成し、その表面に光学フィルター薄膜を貼りつけて、特定波長の透過を防止したりしてもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。
また、遮光カバーの取り付けは、上記のほかにも種々の方法があり、遮光カバーと容器本体の相対する面に、磁性体又は磁石をそれぞれ配置して、磁力を利用して遮光カバーをワンタッチで取り付け取り外し可能としたり、遮光カバーまたは容器本体の当接面の周囲に溝を形成し、両者が当接後この溝を真空排気して、真空吸着により遮光カバーを容器本体に取付けたりすることもできる。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0034】
10……基板収納容器、11……容器本体、11Q……突起部、11H……孔、12……蓋部、13……半導体ウェーハ、15……ロボテックフランジ、16……マニュアルハンドル、17……ボトムプレート、
20……透明窓部、
22……遮光カバー、22P……突出部、
22A……溝、23、23’……遮光パッキン、23”……リップ部、24……切欠き、25……係止部、25A……係止片固定部、25B……係止片部、25C……軸、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9