(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上面を開口し内部に内釜を収納する本体部、電力供給を受けて前記内釜を加熱する加熱部、前記加熱部に供給する電力を外部から受電する受電部、及び前記本体部の上面の開口を開閉自在に覆う蓋部を有する炊飯ユニットと、
前記受電部に電力供給する給電部、及び前記給電部が供給する電力を制御する制御部を有する電源ユニットとを備え、
前記炊飯ユニットは、前記電源ユニットの上に着脱自在に装着され、前記電源ユニットの上に装着された状態で前記受電部が前記電源ユニットの前記給電部から電力供給を受け、
前記電源ユニットは、
前記電源ユニットの上に前記炊飯ユニットが装着された状態で上方から見たときに、前記炊飯ユニットの外側に突出する突出部と、
前記突出部の上面に設けられ、前記制御部の制御内容に関する情報を報知する報知部、及び前記制御部に対して操作信号を出力する操作部のいずれか又は両方を有する報知操作部と、
前記突出部を出入り自在に収容する突出部収容部と、
前記突出部収容部に収容された前記突出部を外へ突出させる駆動機構とを備えており、
前記駆動機構を動作させる起動スイッチが、前記炊飯ユニットの上部に設けられている
ことを特徴とする電気炊飯器。
前記炊飯ユニットが前記電源ユニットの上に装着された状態において、前記炊飯ユニットの側面と前記電源ユニットの側面は、前記電源ユニットの前記突出部が突出する側面を除き、略同一面になるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電気炊飯器。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る電気炊飯器の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す図面の形態によって本発明が限定されるものではない。また、各図において、同一の構成には同一の符号を付している。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本願発明を限定するものではない。
【0013】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る電気炊飯器の概観斜視図である。
図1に示すように、実施の形態1の電気炊飯器100は、蓋部11と本体部12とを備えた炊飯ユニット10と、炊飯ユニット10の下側に配置される電源ユニット20とを備える。炊飯ユニット10は、電源ユニット20の上に、着脱自在に装着される。
【0014】
本体部12の上面には図示しない開口が形成されており、この本体部12の上面を蓋部11が開閉自在に覆っている。蓋部11は、本体部12に対して蓋部11を支持する図示しない回動軸によって本体部12に取り付けられていてもよいし、本体部12から取り外すことのできる着脱可能な構成であってもよい。また、蓋部11を本体部12に対して固定するための蓋ロック部13が設けられている。蓋ロック部13は、蓋部11が閉じられた状態においては蓋部11を本体部12に対してロックし、蓋ロック部13に対して蓋部11を開けるための操作が加えられると、ロック状態を解除して蓋部11を開放可能にする。
【0015】
また、本体部12は、炊飯ユニット10を電源ユニット20に対して固定させる本体ロック部17を備える。なお、本体ロック部17については後述する。
【0016】
電源ユニット20は、電源ユニット20内の制御部22(後述する)に商用電源を供給するための電源コード21と、表示部30及び操作部31とを備えている。表示部30は、電気炊飯器100の動作状態や時刻等の情報を使用者に報知するための報知部であり、例えば液晶画面やLED等、情報を視覚的に報知するための部材で構成される。なお、表示部30に代えてあるいはこれに加えて、音声により情報を聴覚的に報知するブザーやスピーカを報知部として備えてもよい。操作部31は、電気炊飯器100の動作設定を行うための操作入力を受け付けるための入力装置であり、例えばシートスイッチやタッチパネル等で構成される。本実施の形態1の表示部30と操作部31は、電源ユニット20の前面(使用者と対向する側の面)に設けられている。なお、本発明の報知操作部は、本実施の形態1では表示部30及び操作部31に相当する。
【0017】
本実施の形態1の炊飯ユニット10及び電源ユニット20は、それぞれ略直方体(略箱型)の外形を有している。また、炊飯ユニット10及び電源ユニット20を一体化した
図1に示す状態の電気炊飯器100の外形も、略直方体(略箱型)である。そして、炊飯ユニット10、及び電源ユニット20を一体化した状態において、これらの4つの側面は、略同一面になるように構成されている。このようにすることで、電気炊飯器100を全体として見たときに外形がすっきりして見栄えがよく、また、表面の凹凸を少なくすることで埃等が溜まりにくくなる。なお、本実施の形態1では、隣接する側面により形成される角部を略直角としたデザインの電気炊飯器100を例示したが、側面同士をつなぐ角部を丸めたデザイン、あるいはこの角部を面取りしたデザインとしてもよい。電気炊飯器100の外形が「略直方体(略箱型)」であるというときには、このような角部を丸めたものや面取りしたものも含むものとする。
【0018】
図2は、実施の形態1に係る電気炊飯器の概略断面図である。
本体部12の内部の略中央には、上面を開口し内部に内釜60を着脱自在に収容する内釜収容部14が設けられている。内釜収容部14の下側であって内釜60の概ね底部近傍と相対する位置には、内釜60を加熱する加熱部として誘導加熱コイル15が設けられている。誘導加熱コイル15は、電流が流れることにより磁界を発生させ、内釜60を加熱する。なお、内釜60を加熱する加熱部は誘導加熱コイルに限定されず、例えば、アルミニウムなどの熱伝導率の高い金属で作られた平板の内部に電気ヒーターが埋設されたものなど、電力供給を受けて内釜60を加熱する任意のものを採用することができる。また、内釜60を側面から加熱する加熱部をさらに設けてもよい。
【0019】
炊飯ユニット10の本体部12内の底部には、誘導加熱コイル15に供給する電力を電源ユニット20から受電するための受電部として、加熱用受電コイル16が設けられている。加熱用受電コイル16と誘導加熱コイル15は、電気的に接続されている。
【0020】
電源ユニット20の上部であって、電源ユニット20の上に炊飯ユニット10を載置した状態において加熱用受電コイル16と対向する位置に、炊飯ユニット10への給電部としての加熱用給電コイル23が設けられている。また、電源ユニット20内には、電源コード21を介して供給される商用電流を、例えば20kHz以上の高周波電流に変換して加熱用給電コイル23に供給する回路を含む制御部22を備えている。
【0021】
また、
図2には図示しないが、制御部22は、操作部31と電気的に接続されており、操作部31から出力される操作信号に基づいて、加熱用給電コイル23に供給する電流を制御する。また、制御部22は、表示部30と電気的に接続されており、制御部22による加熱制御に関する情報(例えば、実行中の炊飯モードや炊飯の残り時間等の情報)を含む電気炊飯器100の動作状態等を、表示部30に表示させる。
【0022】
また、本実施の形態1では、高温化を抑制するために冷却が必要な発熱部品、具体的には制御部22の一部を構成する回路基板及び加熱用給電コイル23と、加熱用受電コイル16及び誘導加熱コイル15とが、それぞれ着脱可能な電源ユニット20と炊飯ユニット10とに分かれて収容されている。このように分かれて配置された部品を冷却するために電源ユニット20と炊飯ユニット10にそれぞれ異なる冷却ファンを設けることも可能であるが、本実施の形態1では以下に説明するように、1つの冷却ファンにて双方の発熱部品を冷却できるように構成されている。
【0023】
具体的には、電源ユニット20の側面(下面でもよい)の一部には電源ユニット吸気口27が形成され、電源ユニット20内には、炊飯ユニット10が配置されている上方に向かって風を送出するように配置された冷却ファン24が設けられている。冷却ファン24の動作により生成される冷却風の風路上に制御部22が配置あるいは近接するようにして、冷却ファン24と制御部22の位置関係が設定されている。また、冷却ファン24の冷却風の送出側に相対する電源ユニット20の上面には、電源ユニット排気口28が形成され、この電源ユニット排気口28に相対する本体部12の下面には、本体吸気口18が形成されている。本体部12と電源ユニット20は、電源ユニット排気口28と本体吸気口18とを介して連通している。また、炊飯ユニット10の側面には、本体排気口19が形成されている。
【0024】
このような構成において、制御部22に制御されて冷却ファン24が動作すると、電源ユニット吸気口27から電源ユニット20内に外部の空気が吸い込まれる。電源ユニット20内に入った空気は、冷却ファン24により冷却風として送出され、この過程において制御部22の回路部品や加熱用給電コイル23が冷却される。また冷却風は、電源ユニット排気口28、本体吸気口18を介して本体部12内に進入し、加熱用受電コイル16や誘導加熱コイル15の近傍を通過しながらこれらを冷却する。その後冷却風は、本体排気口19から外部へと排気される。このように本実施の形態1では、電源ユニット20に設けられた冷却ファン24のみにより、電源ユニット20と炊飯ユニット10内の発熱部品を冷却することができる。
【0025】
また、冷却ファン24は、通常は直流電流又は商用電流により駆動されるのに対して、誘導加熱コイル15は高周波電流により駆動されるのが一般的である。したがって、冷却ファン24と誘導加熱コイル15とでは周波数や電圧が異なり、炊飯ユニット10に冷却ファンを別途設けるとすると、誘導加熱コイル15へ給電するための加熱用給電コイル23と加熱用受電コイル16の他に、冷却ファン用の電源供給部が必要となってしまう。しかし、本実施の形態1のように構成することで、冷却ファン用の専用の電源供給部が不要となり、部品点数を抑制できる。
【0026】
また、電気炊飯器100には、炊飯ユニット10と電源ユニット20とを固定するための機構として、本体ロック機構が設けられている。本実施の形態1では、本体部12の対向する側面に回動可能に軸部171により軸支された鉤状の本体ロック部17の先端の係止部を、電源ユニット20に形成されたロック用凹部26に係止させる構成である。本体ロック部17は、バネや材料の弾性特性により係止する方向に付勢されており、使用者が本体ロック部17の軸部171の上部を押して
図2に破線で示すように本体ロック部17を内側に傾倒させることで、本体ロック部17がロック用凹部26から外れ、炊飯ユニット10と電源ユニット20を分離させることができる。電源ユニット20から取り外した炊飯ユニット10を食卓等に載置する際には、炊飯ユニット10の底面が食卓等への載置面となるが、本体ロック部17を炊飯ユニット10の底面から下に突出しないように倒伏させることで、炊飯ユニット10を載置する際に本体ロック部17が邪魔になることもない。
【0027】
なお、本実施の形態1で示した本体ロック部17に相当する構成を電源ユニット20に設け、ロック用凹部26に相当する構成を炊飯ユニット10に設けてもよい。本体ロック機構の具体的な形状や数は図示のものに限定されず、任意の具体的構成を採用することができる。
【0028】
図3は、実施の形態1に係る電源ユニットのコードリール部を説明する図である。
図3は、図示の関係上、電源ユニット20のうちコードリール部25に関連する構成を中心に示しており、加熱用給電コイル23等の一部の構成については図示を省略している。
図3に示すように、コードリール部25は、内部に制御部22や冷却ファン24等の部材を収容する円筒部251と、円筒部251の径方向外側に設けられた巻きバネ252と、巻きバネ252の径方向外側に設けられたコード収納部253とを備える。コード収納部253は水平方向に回転可能に構成されており、コード収納部253の凹みに、電源コード21が巻き付けられている。
【0029】
このコード収納部253は、巻きバネ252によって電源コード21を巻き取る方向に付勢されており、電源コード21を使用しない際には電源コード21はコード収納部253に巻き取られて電源ユニット20内に収納される。このため、電源コード21を使用していない場合、すなわち炊飯を行っていない場合には、電源コード21が外側へはみ出すことがなく、見栄えを良くすることができる。また、電気炊飯器100全体や電源ユニット20を持ち運ぶ際にも、取り扱いが容易となり、使い勝手を向上させることができる。
【0030】
次に、実施の形態1に係る電気炊飯器100の作用を説明する。
操作部31に対して炊飯を実行するための操作入力が行われると、操作部31から出力された操作信号が制御部22に伝達され、制御部22から炊飯を行うための電流が加熱用給電コイル23に供給される。加熱用給電コイル23に電流が供給されることで、加熱用給電コイル23の周りに磁界が発生し、磁界中にある導線には、ファラデーの法則により誘導起電力が発生する。これにより、加熱用給電コイル23に近接配置された加熱用受電コイル16に電流が流れ、加熱用受電コイル16と電気的に接続されている誘導加熱コイル15にも電流が流れて、内釜60が誘導加熱される。なお、加熱用給電コイル23と加熱用受電コイル16との間の距離は近い方が送電ロスが少なくなるため、両者を近づけるのが好ましいが、コイルの表面に傷が付くと絶縁不良や感電、ショートにつながりうるため、本体部12の加熱用受電コイル16の下側の下面及び電源ユニット20の加熱用給電コイル23の上側の上面のそれぞれが、各コイルを覆っている。
【0031】
制御部22は、予め設定された制御シーケンスにしたがって誘導加熱コイル15に供給する電力制御を行い、内釜60の米を炊き上げる炊飯工程を実行する。また、制御部22は、炊飯工程を実行中には、冷却ファン24を動作させ、制御部22や加熱用給電コイル23、加熱用受電コイル16、及び誘導加熱コイル15に冷却風を送ってこれらを冷却する。このようにすることで、発熱部品の過度な温度上昇を抑制することができる。
【0032】
そして、炊飯工程が終了して米が炊きあがると、制御部22は、表示部30を制御して炊飯が終了したことを報知させる。表示部30に加え、あるいはこれに代えて、ブザーやスピーカ等を用いて音声により炊飯が終了したことを報知してもよい。
【0033】
炊飯が終了すると、使用者は電源ユニット20から炊飯ユニット10を取り外し、炊飯物が収容された炊飯ユニット10だけを食卓等の他の場所へ持ち運ぶことができる。本実施の形態1の電気炊飯器100は、電源ユニット20に表示部30及び操作部31を設けて、電源ユニット20内で表示部30及び操作部31と制御部22との間の制御信号の授受を行うようにした。すなわち、炊飯ユニット10と電源ユニット20との間では、制御信号の授受を行わないようにした。このため、炊飯ユニット10には、信号を授受するための回路や配線等の部品を設ける必要がなく、炊飯ユニット10を軽量化することができる。したがって、使用者は、炊飯ユニット10を電源ユニット20から取り外すことで、炊飯ユニット10を容易に持ち運ぶことができる。
【0034】
また、内釜60を加熱する加熱部である誘導加熱コイル15には、ケーブル配線を用いることなく、加熱用給電コイル23と加熱用受電コイル16とを介して電力を供給するようにした。また、前述のように表示部30と操作部31を電源ユニット20に設け、炊飯ユニット10と電源ユニット20との間に制御部22へ各種信号を入力するための配線が不要な構成とした。このため、使用者は、炊飯ユニット10を容易に電源ユニット20から取り外すことができ、使い勝手がよい。
【0035】
実施の形態2.
本実施の形態2では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付す。
図4は、実施の形態2に係る電気炊飯器の概観斜視図である。前述の実施の形態1の電気炊飯器100は、炊飯ユニット10と電源ユニット20とを一体化した状態においては、炊飯ユニット10と電源ユニット20の4つの側面は略同一面となり全体として略直方体形状であった。一方、本実施の形態2の電気炊飯器100Aは、上方から見ると電源ユニット20Aの面積が炊飯ユニット10の面積よりも大きい。より詳しくは、電源ユニット20Aの前面201Aは、炊飯ユニット10の前面121よりも前側に突出している。なお、前面を除く他の3つの側面においては、炊飯ユニット10と電源ユニット20Aの側面とが略同一面となっている。
【0036】
そして、本実施の形態2の表示部30と操作部31は、電源ユニット20Aのうち上方から見たときに炊飯ユニット10からはみ出た部分(当該部分を突出部202Aと称する)の上面に設けられている。なお、表示部30と操作部31は、前述の実施の形態1と同様に、電源ユニット20内の制御部22(
図4には図示せず)と電気的に接続されている。
なお、電気炊飯器100Aの動作は、前述の実施の形態1の電気炊飯器100と同様である。
【0037】
このように本実施の形態2では、上方から見たときに炊飯ユニット10から電源ユニット20Aがはみ出すように電源ユニット20Aを大きく構成し、電源ユニット20Aの上面のうち上方から見たときに炊飯ユニット10からはみ出る突出部202Aに、表示部30と操作部31とを設けた。このため、本実施の形態2によれば、実施の形態1で述べた効果に加え、使用者が電気炊飯器100Aを斜め上方から操作する際には表示部30と操作部31を見やすいという効果を得ることができる。
【0038】
また、本実施の形態2では、突出部202Aが設けられた側面を除く電源ユニット20Aの側面が、炊飯ユニット10の側面と略同一面となるようにした。このため、電気炊飯器100Aを全体としてみたときに外形がすっきりして見栄えがよい。また、電気炊飯器100Aの表面の凹凸が少ないことで、埃等が溜まりにくくなる。なお、本実施の形態2の電気炊飯器100Aの形状を、突出部202Aが設けられた側面を除く電源ユニット20Aの側面と炊飯ユニット10の側面とが略同一面となるようにしたものに限定するものではない。
【0039】
実施の形態3.
本実施の形態3では、実施の形態2の変形例を説明する。なお、本実施の形態3では、実施の形態2との相違点を中心に説明し、実施の形態1又は実施の形態2と同様の構成については同一の符号を付す。
【0040】
図5は、実施の形態3に係る電気炊飯器の概観斜視図である。
図6は、実施の形態3に係る電気炊飯器の概略断面図である。前述の実施の形態2の電気炊飯器100Aでは、表示部30と操作部31が常に露出する構成であった。本実施の形態3の電気炊飯器100Bは、表示部30と操作部31とを電源ユニット20Bに収納し、表示部30と操作部31を使用するときにこれらを電源ユニット20Bから突出させるようにしたものである。以下、具体的に説明する。
【0041】
図5に示すように、本実施の形態3の電気炊飯器100Bは、実施の形態2と同様に、上方から見ると電源ユニット20Bの面積が炊飯ユニット10の面積よりも大きい。より詳しくは、電源ユニット20Bの前面201Bは、炊飯ユニット10の前面121よりも前側に突出している。なお、前面を除く他の3つの側面においては、炊飯ユニット10と電源ユニット20Bの側面とが略同一面となっている。実施の形態2と異なるのは、本実施の形態3では、電源ユニット20Bのうち上方からみたときに炊飯ユニット10から突出した部分である突出部が、電源ユニット20B内に出入り自在に収容される点である。本実施の形態3では、この突出部を、表示操作ボックス32と称する。
【0042】
本実施の形態3の表示部30と操作部31は、電源ユニット20Bに収容される表示操作ボックス32の上面に設けられている。
図6に示すように、電源ユニット20Bには、表示操作ボックス32を収容する空間である表示操作部収容部40が形成されている。なお、本実施の形態3の表示操作部収容部40は、本発明の突出部収容部に相当する。表示操作ボックス32に設けられた表示部30及び操作部31は、信号線を介して制御部22と接続されている。
【0043】
また、蓋部11の上面には、起動スイッチ41が設けられている。この起動スイッチ41は、電源ユニット20B内に収容された表示操作ボックス32を電源ユニット20Bの外部に突出させるための使用者からの操作を受け付けるスイッチである。電源ユニット20Bには、起動スイッチ41からの信号に基づいて表示操作ボックス32を前後方向(電気炊飯器100Bの奥行き方向)に移動させる駆動機構42が設けられている。起動スイッチ41と駆動機構42との信号伝達の構成、及び駆動機構42の具体的構成を限定するものではないが、以下に一例を述べる。
【0044】
本体部12の底面には、下方に向かって突出可能に構成された軸部を有する伝達スイッチ41aが設けられている。伝達スイッチ41aは起動スイッチ41と電気的に接続されており、起動スイッチ41からの信号を受けると伝達スイッチ41aの軸部が下方に向かって突出する。なお、
図6に示す起動スイッチ41と伝達スイッチ41aとを結ぶ破線は、両者の電気的な接続を概念的に示したものであり、起動スイッチ41と伝達スイッチ41aとを結ぶ信号線は、例えば、蓋部11を本体部12に対して回動可能に軸支する図示しないヒンジ部内を通すとよい。伝達スイッチ41aの軸部に対応する電源ユニット20Bの上面には、伝達スイッチ41aの軸部が挿通可能な小孔が形成されており、電源ユニット20B内のこの小孔の下には表示操作ボックス32を前後方向に移動させる駆動機構42が設けられている。駆動機構42は、例えば前記小孔から電源ユニット20B内に挿入される伝達スイッチ41aの軸部により動作がON/OFFされるモータと、このモータの回転軸と表示操作ボックス32との間に介在するギアとを備える。駆動機構42のモータが動作を開始すると、モータの動きがギアを介して表示操作ボックス32に伝わり、表示操作ボックス32が前後方向に移動する。これにより、表示操作ボックス32が、電源ユニット20Bの表示操作部収容部40内を出入りする。
【0045】
表示操作ボックス32が電源ユニット20B内に収容されている状態において、使用者により起動スイッチ41が操作されると、表示操作ボックス32が電源ユニット20Bの前面から外方に突出して、表示操作ボックス32の上面に設けられた表示部30と操作部31とが露出する。したがって、使用者は、露出した表示部30と操作部31を用いて、電気炊飯器100Bの動作設定を行ったり、電気炊飯器100Bの動作状態を確認したりすることができる。また、表示部30と操作部31を使用しない場合には、使用者は、起動スイッチ41を押すことにより、あるいは表示操作ボックス32を電源ユニット20Bに押し込むことにより、表示操作ボックス32を電源ユニット20B内に収容させることができる。
【0046】
なお、起動スイッチ41を蓋部11の上面に設けることで、電気炊飯器100Bを斜め上方から見下ろす使用者に対する起動スイッチ41の視認性が高まるが、起動スイッチ41の設置場所は蓋部11の上面に限らない。例えば蓋部11の側面や本体部12の側面等、蓋部11の上面に比べて見えにくい場所に起動スイッチ41を設けることで、起動スイッチ41の誤操作を抑制することができる。また、例えば電源ユニット20Bに起動スイッチ41を設けてもよい。このようにすることで、起動スイッチ41と駆動機構42がともに電源ユニット20Bに配設されることになり、起動スイッチ41の出力を駆動機構42に伝達するための構成を単純化することができる。
【0047】
このように本実施の形態3の電気炊飯器100Bは、表示部30と操作部31とを、電源ユニット20Bから突出可能に構成した。このため、本実施の形態3によれば、実施の形態2で述べた効果に加え、表示部30と操作部31を使用しないときにはこれらを電源ユニット20B内に収納することで、電気炊飯器100Bの外観をすっきりさせることができる。また、表示部30と操作部31を使用しないときにはこれらを電源ユニット20B内に収納することで、電気炊飯器100Bの全体のサイズをコンパクト化でき、表示部30と操作部31が使用者の邪魔になることもない。
【0048】
実施の形態4.
前述の実施の形態1〜3では、電源ユニットに表示部と操作部を設ける例を示した。本実施の形態4では、表示部と操作部を、電源ユニットに設けるのではなく、炊飯ユニットに設けるようにした例を説明する。なお、本実施の形態4では、前述の実施の形態1〜3との相違点を中心に説明し、実施の形態1〜3と同様の構成については同一の符号を付す。
【0049】
図7は、実施の形態4に係る電気炊飯器の概観斜視図である。
図7に示すように、本実施の形態4の蓋部11Cには、表示部30と操作部31が設けられている。なお、電源ユニット20Cには、表示部と操作部は設けられていない。
【0050】
ここで、本実施の形態4の電気炊飯器100Cも、前述の実施の形態1〜3と同様に、電源ユニット20Cと炊飯ユニット10Cとは着脱可能な構成であり、電源ユニット20Cから炊飯ユニット10Cを取り外して持ち運ぶことができるようになっている。このような着脱可能な構成において、炊飯ユニット10Cに設けられた表示部30及び操作部31と、電源ユニット20Cに設けられた制御部22との間で信号の伝送や電力供給を行うための構成を、以下に説明する。
【0051】
図8は、実施の形態4に係る電気炊飯器の炊飯ユニットと電源ユニットとを分解した状態を示す概観斜視図である。
図8に示すように、炊飯ユニット10Cの本体部12Cの底面近傍には第一通信用コイル50が設けられている。また、電源ユニット20Cの上面近傍であって、炊飯ユニット10Cが電源ユニット20Cに取り付けられたときに第一通信用コイル50と対向する位置に、第二通信用コイル51が設けられている。第一通信用コイル50は表示部30及び操作部31と電気的に接続され、第二通信用コイル51は制御部22と接続されている。なお、本体部12Cに設けられた第一通信用コイル50と、蓋部11Cに設けられた表示部30及び操作部31は、例えば、蓋部11Cを本体部12Cに対して回動可能に軸支する図示しないヒンジ部内を通るリード線により接続することができる。
【0052】
制御部22が表示部30に表示制御信号を送信する場合、制御部22は、表示制御信号に応じて第二通信用コイル51に流す電流を制御する。第二通信用コイル51に電流が流れることで、第一通信用コイル50に電磁誘導による電流が流れ、第一通信用コイル50に接続された表示部30にも電流が流れる。表示部30は、その電流から表示制御信号の成分を取り出し、取り出した情報に基づいて表示動作を行う。
また、操作部31が制御部22に操作信号を送信する場合、操作部31は、操作信号に応じて第一通信用コイル50に流す電流を制御する。第一通信用コイル50に電流が流れることで、第二通信用コイル51に電磁誘導による電流が流れ、第二通信用コイル51に接続された制御部22にも電流が流れる。制御部22は、その電流から操作信号の成分を取りだし、取り出した情報に基づいて電気炊飯器100Cの動作制御を行う。
【0053】
なお、この第一通信用コイル50と第二通信用コイル51とを介して、電源ユニット20Cから表示部30と操作部31への電力供給が行われる。第一通信用コイル50と第二通信用コイル51を介して得た電力は図示しない蓄電装置に蓄えられ、炊飯ユニット10Cが電源ユニット20Cから取り外されている状態においては、この蓄電装置に蓄えられた電力により表示部30は時刻表示等の表示を行うことができる。
【0054】
このように本実施の形態4では、実施の形態1〜3と同様に電源ユニット20Cと炊飯ユニット10Cとを着脱可能に構成した。このため、電源ユニット20Cから炊飯ユニット10Cを取り外すことで、炊飯後の炊飯ユニット10Cを食卓等に容易に持ち運ぶことができる。また、本実施の形態4では、炊飯ユニット10Cの蓋部11Cの上面に表示部30及び操作部31を設けたので、電気炊飯器100Cを斜め上方から見下ろして使用する使用者は、表示部30と操作部31を見やすく、使い勝手がよい。
【0055】
また、本実施の形態4では、炊飯ユニット10Cに設けられた表示部30及び操作部31と、電源ユニット20Cに設けられた制御部22との間で信号の授受を行うための第一通信用コイル50と第二通信用コイル51を設けた。このため、炊飯ユニット10Cと電源ユニット20Cとの間に伝送用の配線を設ける必要がなく、炊飯ユニット10Cと電源ユニット20Cとを容易に着脱できるとともに、炊飯ユニット10Cを電源ユニット20Cから取り外した状態においても配線等が邪魔になることがなく、使い勝手がよい。
【0056】
なお、本実施の形態4では、第一通信用コイル50と第二通信用コイル51とを用いて表示部30及び操作部31と制御部22との間で信号の伝送を行う例を示したが、表示部30及び操作部31と制御部22との間で信号の伝送を行うための構成は通信用のコイルに限定されない。例えば、炊飯ユニット10Cと電源ユニット20Cに、それぞれ、無線通信を行う通信装置を設け、その通信装置を介して表示部30及び操作部31と制御部22との間で信号の伝送を行ってもよい。このようにしても、炊飯ユニット10Cと電源ユニット20Cとの間に伝送用の配線を設ける必要がないので、炊飯ユニット10Cと電源ユニット20Cとを容易に着脱できるとともに、炊飯ユニット10Cを電源ユニット20Cから取り外した状態においても配線等が邪魔になることがなく、使い勝手がよい。
【0057】
また、本実施の形態4では、炊飯ユニット10Cの蓋部11Cの上面に表示部30及び操作部31を設ける例を説明したが、例えば蓋部11Cの側面に表示部30及び操作部31を設けてもよい。また、本体部12Cに表示部30及び操作部31を設けることもできる。
【0058】
なお、上記実施の形態1〜4では、内釜を加熱する加熱部に供給する電力を外部から受電する受電部として加熱用受電コイルを炊飯ユニットに設け、その加熱用受電コイルに電力供給する給電部として加熱用給電コイルを電源ユニットに設けることを説明した。しかし、受電部と給電部の具体的構成は、そのようなコイルに限定されない。例えば、電源ユニットには、制御部と電気的に接続された送電端子を、電源ユニットの上面に設ける。また、炊飯ユニットには、炊飯ユニットを電源ユニットの上に取り付けた際に送電端子と電気的に接合される位置に、加熱部に電気的に接続された受電端子を設ける。そして、送電端子と受電端子を経由して、加熱部へ電力を供給する。このようにしても、ケーブル配線を用いることなく、電源ユニットから炊飯ユニットの加熱部に電力供給を行うことができるので、炊飯ユニットと電源ユニットとの着脱が容易である。
【0059】
なお、上記実施の形態1〜4では、報知部である表示部30と操作部31の両方を同じ場所に設ける例を示したが、これらを別々に設置してもよい。