特許第5943801号(P5943801)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5943801
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】水中油乳化型日焼け止め料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/898 20060101AFI20160621BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20160621BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20160621BHJP
   A61K 8/27 20060101ALI20160621BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20160621BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   A61K8/898
   A61K8/81
   A61K8/73
   A61K8/27
   A61K8/37
   A61Q17/04
【請求項の数】2
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2012-220796(P2012-220796)
(22)【出願日】2012年10月2日
(65)【公開番号】特開2014-73973(P2014-73973A)
(43)【公開日】2014年4月24日
【審査請求日】2015年6月16日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 インターネットによる要旨公開 SCCJ第70回HP:http://www.sccj−ifscc.com/event/seminar_report01.php?id=534(2012年6月29日)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 SCCJ研究討論会(第70回)講演要旨集(2012年7月6日)16−17頁、31頁上段に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2012年7月6日大阪国際交流センター(大阪市天王寺区本町8−2−6)において開催された第70回SCCJ研究討論会にて発表
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100181272
【弁理士】
【氏名又は名称】神 紘一郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 祐介
【審査官】 森井 隆信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−272389(JP,A)
【文献】 特開平05−017324(JP,A)
【文献】 特開平04−360812(JP,A)
【文献】 特開平07−002964(JP,A)
【文献】 特開2003−104825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(C)を含有することを特徴とする水中油乳化型日焼け止め料。
(A)下記(a)、(b)、(c)及び(d)のラジカル重合性モノマーを反応させて得られる(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体
(a)下記一般式(I)
【化1】
(式中、Meはメチル基、R1は水素原子又はメチル基、R2は1又は2個のエーテル結合を含んでいてもよく、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基、R3は炭素数1〜10の飽和炭化水素基、mは5〜100の整数を表す。)で表される化合物
(b)下記一般式(II)
【化2】
(式中、R4は水素原子又はメチル基、R5、R6、R7は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Xは−O−、−NH−、−O−CH−又は−O−CHCH(OH)−、Yは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基、Zは対アニオンを表す。)で表される化合物、及び、式(III)
【化3】
(式中、R8、R9は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R10、R11は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、Zは対アニオンを表す。)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種
(c)下記一般式(IV)
【化4】
(式中、R12は水素原子又はメチル基、R13は水素原子又は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で表される化合物
(d)下記一般式(V)
【化5】
(式中、R14は水素原子又はメチル基、R15は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表す。)で表される化合物
(B)アクリルアミド系増粘剤、カラギーナンから選ばれる1種又は2種以上の水溶性高分子
(C)紫外線吸収剤、紫外線散乱剤から選ばれる1種又は2種以上の紫外線防御剤
【請求項2】
アクリルアミド系増粘剤が、アクリル酸とアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の水中油乳化型日焼け止め料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体と、特定の水溶性高分子、紫外線防御剤を含有する水中油乳化型日焼け止め料に関し、さらに詳しくは、日焼け止め料を肌に塗布した際に、化粧持ち効果に優れながらも、肌への負担感のなさ、べたつきのなさに優れ、さらに日焼け止め料を肌から落とす際の洗浄性に優れ、また経時での安定性にも優れた水中油乳化型日焼け止め料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紫外線の有害性が注目されており、紫外線からの防御を目的とした様々な日焼け止め料が開発され、市場に上市されている。特に水中油乳化型日焼け止め料は、その使用感において、みずみずしさに特徴があるため、特に気温が高くなる夏場において市場から好まれている。しかし一方、夏場は汗等によって日焼け止め料の化粧膜が崩れやすくなるため、紫外線防御のために、高い化粧持ち効果が求められてきた。また、水中油乳化型日焼け止め料においては、紫外線散乱剤である金属酸化物粉体から溶出される金属イオンと、界面活性剤や水溶性高分子等との相互作用による、経時での安定性の劣化が問題であり、更なる改善が必要であった。
【0003】
これらを解決する方法としては、金属酸化物に特定構造のポリマーを被覆した表面処理粉体を塩基性化合物とともに配合する技術(例えば、特許文献1参照)、UV−A領域の紫外線吸収剤とシリコーン粉体を、高分子シリコーン化合物や特定の直鎖共重合型ポリエーテル・アルキレン・メチルポリシロキサン共重合体と組み合わせて配合する技術(特許文献2、3参照)、改質酸化チタンを油相中に配合する技術(特許文献4参照)、酸化亜鉛、特定の高分子化合物、特定の活性剤を組み合わせる技術(特許文献5参照)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−150299号公報
【特許文献2】特開2010−090074号公報
【特許文献3】特開2010−120914号公報
【特許文献4】特開2007−084475号公報
【特許文献5】特開2005−272389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの技術では化粧持ち効果を得ようとすると、表面処理剤や高分子化合物の配合量が増えることにより、金属酸化物粉体や高分子化合物に由来する肌への負担感やべたつきが目立ち、また日焼け止め料を除去する際の洗浄性(落としやすさ)を両立させるという点において、満足のいくものではなかった。
従って本発明は、化粧持ち効果に優れながらも、肌への負担感のなさ、べたつきのなさに優れ、さらに日焼け止め料を落とす際の洗浄性に優れ、また経時での安定性にも優れた日焼け止め料の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような事情に鑑み、本発明者は、高分子化合物の肌に対する吸着性と親媒性とに着目し、鋭意研究を行った結果、親水基として4級アンモニウム塩を有するモノマーを使用したカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を選択し、特定の水溶性高分子とを組み合わせて、紫外線防御剤とともに水中油乳化型日焼け止め料とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(C)を含有することを特徴とする水中油乳化型日焼け止め料を提供するものである。
(A)下記(a)、(b)、(c)及び(d)のラジカル重合性モノマーを反応させて得られる重合体であって、25℃において99.5%エタノール中に50質量%以上溶解する(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体
(a)下記一般式(I)
【0008】
【化1】
【0009】
(式中、Meはメチル基、R1は水素原子又はメチル基、R2は1又は2個のエーテル結合を含んでいてもよい、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基、R3は炭素数1〜10の飽和炭化水素基、mは5〜100の整数を表す。)で表される化合物
(b)下記一般式(II)
【0010】
【化2】
【0011】
(式中、R4は水素原子又はメチル基、R5、R6、R7は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Xは−O−、−NH−、−O−CH−又は−O−CHCH(OH)−、Yは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基、Zは対アニオンを表す。)で表される化合物、及び、式(III)
【0012】
【化3】
【0013】
(式中、R8、R9は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R10、R11は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、Zは対アニオンを表す。)で表されるカチオン性化合物から選ばれる少なくとも1種
(c)下記一般式(IV)
【0014】
【化4】
【0015】
(式中、R12は水素原子又はメチル基、R13は水素原子又は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で表される化合物
(d)下記一般式(V)
【0016】
【化5】
【0017】
(式中、R14は水素原子又はメチル基、R15は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表す。)で表される化合物
(B)アクリルアミド系増粘剤、カラギーナンから選ばれる1種又は2種以上の水溶性高分子
(C)紫外線吸収剤、紫外線散乱剤から選ばれる1種又は2種以上の紫外線防御剤
【発明の効果】
【0018】
本発明は、化粧持ち効果に優れながらも、肌への負担感のなさ、べたつきのなさに優れ、さらに日焼け止め料を肌から落とす際の洗浄性に優れ、また経時での安定性にも優れた日焼け止め料である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる成分(A)の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体は、カチオン性基を導入することにより肌への吸着性に優れ、柔軟でべたつきのない皮膜を形成するため、日焼け止め料の化粧持ち効果を向上させ、肌への負担感のなさやべたつきのなさを演出する成分である。該共重合体は、少なくとも、下記(a)、(b)、(c)及び(d)のラジカル重合性モノマーを反応させて得られる重合体であり、その他、(a)〜(d)以外の共重合可能なモノマーを加えて反応させて得られる重合体を包含し、本発明における(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタアクリルを包含することを意味する。
各モノマーの仕込割合は、本発明の効果を奏する限り制限はないが、(a)〜(d)のモノマーの全体に対して、(a)=20〜50質量%、(b)=0.5〜4質量%、(c)及び(d)=46〜79.5質量%であり、(c)/(d)=0.5〜1.5であることが好ましい。
(a)〜(d)以外の共重合可能なモノマーを使用する場合は、(a)〜(d)のモノマーの合計は、モノマー全体の66.5質量%以上であることが好ましい。
なお、本発明において、モノマーの仕込割合とは共重合体中のそれらの組成割合と略同義である。
【0020】
本発明の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体は、25℃において99.5%エタノール中に50質量%以上溶解するものであることが好ましい。
本発明の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体は、共重合体を20質量%となるように99.5%エタノールに溶解させたときのエタノール溶液の、25℃においてB型回転粘度計を用いて測定した粘度(単位mPa・s=CS)は、50〜250、好ましくは、70〜150である。
また、本発明の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体のTgは、好ましくは、−10〜40℃、さらに好ましくは0〜30℃である。
ここで、Tgは下記のFoxの式で算出したTgの値を示す。
1/Tg=W/Tg+W/Tg+・・・+W/Tg
上記式において、WからWは、共重合体の合成に使用されるn種のモノマーの各重量分率を示し、TgからTgは、各モノマーのみが重合して得られるホモポリマーのガラス転移温度を示す。
さらに、本発明の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等の種々の形態を包含する。
【0021】
以下に、共重合体の原料であるモノマーについて説明する。
(a)一般式(I)で表されるラジカル重合性モノマー
【0022】
【化6】
【0023】
式中、Meはメチル基、R1は水素原子又はメチル基を表す。
R2は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基を表し、1又は2個のエーテル結合を含んでいてもよい。具体的には、−CH−,−(CH,−(CH−,−(CH10−、−CH−CH(CH)−CH−,−CHCHOCHCHCH−,−CHCHOCH(CH)CH−,−CHCHOCHCHCHOCHCHCH−などが例示される。
R3は炭素数1〜10の飽和炭化水素基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基等の炭素数1〜10のシクロアルキル基;シクロプロピルメチル基、2−シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、3−シクロペンチルプロピル基、シクロへキシルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、シクロヘプチルメチル基、シクロオクチルメチル基等の炭素数1〜10のシクロアルキルアルキル基が挙げられる。
mは5〜100の整数を表す。
【0024】
この式(I)で表わされるモノマーは、たとえば、式(1−a)
【0025】
【化7】
【0026】
で表わされる(メタ)アクリレート置換クロロシラン化合物と式(1−b)
【0027】
【化8】
【0028】
で表わされる片末端水酸基置換ポリシロキサンとを常法に従い、脱塩酸反応させることにより得ることができるが、合成方法は、これに限定されるものではない。
【0029】
式(I)で表されるモノマーとしては、具体例には以下のものが挙げられる。なお以下の式中、Meはメチル基を、n−Buはn−ブチル基を示す。
【0030】
【化9】
【0031】
(b)式(II)又は式(III)で表されるラジカル重合性モノマー
(b)成分は、下記式(II)又は式(III)で表されるカチオン性化合物から選ばれる少なくとも1種である。
【0032】
【化10】
【0033】
【化11】
【0034】
式(II)中、R4は水素原子又はメチル基を表す。
R5、R6、R7は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基が例示される。
Xは−O−、−NH−、−O−CH−又は−O−CHCH(OH)−を表す。
Yは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基を表し、−CH−,−(CH,−(CH−,−(CH−,−CH−CH(CH)−CH−等が例示される。
は対アニオンであり、例えば、塩素イオン、臭素イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、四フッ化ホウ素イオン、六フッ化リンイオン等が例示される。
【0035】
式(III)中、R8、R9は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、炭素数1〜4のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基が例示される。
R10、R11は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表し、炭素数1〜18のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、n−ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等が例示される。
【0036】
(c)式(IV)で表されるラジカル重合性モノマー
【0037】
【化12】
【0038】
式中、R12は水素原子又はメチル基を表す。
R13は水素原子又は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を表し、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が例示される。
【0039】
(d)式(V)で表されるラジカル重合性モノマー
【0040】
【化13】
【0041】
式中、R14は水素原子又はメチル基を表す。
R15は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表し、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシ−n−プロピル基、4−ヒドロキシ−n−ブチル基等が例示される。
【0042】
(e)その他の共重合可能なモノマー
その他の共重合可能なモノマーとしては、以下の物が例示される。
((メタ)アクリル系モノマー)
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸n−へキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸へプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、直鎖状、分岐鎖状又は脂環式の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル;アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド;アミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)メタアクリルアミド;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の、環式化合物とメタ)アクリル酸のエステル類;(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル類;スルホン酸基含有(メタ)アクリルエステル;(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のメタアクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル;(メタ)アクリル酸グリセリル、2−メタアクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン(n=2〜50)グリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン(n=2〜50)グリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ビスフェノールF EO変性(n=2〜50)ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールS EO変性(n=2〜50)ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する(メタ)アクリレート等が例示される。
【0043】
((メタ)アクリル系以外のモノマー)
クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;スチレン等の芳香族ビニル化合物;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸;マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等の不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル;スルホン酸基含有単量体としては、例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸等のアルケンスルホン酸;α−メチルスチレンスルホン酸等の芳香族ビニル基含有スルホン酸;(メタ)アリルアミン等の1〜3級アミノ基含有不飽和化合物;N,N−ジメチルアミノスチレン等のアミノ基含有芳香族ビニル系化合物;ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物;エチレン性不飽和二重結合を2個以上有するウレタンオリゴマー;エチレン性不飽和二重結合を2個以上有するシリコーン化合物;酢酸ビニル、ビニルピロリドン等が例示される。
【0044】
本発明において、上記(a)〜(d)のラジカル重合性モノマー、及び、必要に応じて使用される、その他の共重合可能な(メタ)アクリル系モノマーの共重合は、特に制限はなく、公知の方法により共重合可能であるが、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の通常のラジカル重合開始剤の存在下に行うことができ、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、バルク重合法のいずれの方法の適用も可能である。これらの中でも溶液重合法は、得られるグラフト共重合体の分子量を最適範囲に調整することが容易であることより好ましい方法である。用いられる溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル類、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類の1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
重合反応は50〜180℃、好ましくは60〜120℃の温度範囲内において行なうことができ、この条件下に5〜10時間程度で完結させることができる。
【0045】
本発明における成分(A)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は、特に限定されないが、0.01〜3.0質量%(以下、単に「%」と略す)が好ましく、特に優れた使用感を得るには0.1〜1.5%が好ましい。成分(A)をこの範囲で含有すると、化粧持ち効果に優れながらも、肌への負担感のなさ、べたつきのなさに優れ、さらに日焼け止め料を肌から落とす際の洗浄性に優れるため、より好ましい。
【0046】
本発明に用いられる成分(B)の水溶性高分子は、アクリルアミド系増粘剤、カラギーナンから選ばれる1種又は2種以上であり、水相の増粘剤として水中油乳化型日焼け止め料の経時安定性を良好にするための必須成分である。さらに、成分(A)とイオン的な悪影響が少なく、また日焼け止め料を肌から落とす際には、成分(A)とともに洗浄成分のなじみを良くし洗浄性を向上させるものである。
アクリルアミド系増粘剤は、例えば、ビニルピロリドン/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、アクリルアミド/アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ポリアクリルアミドとポリアクリル酸(塩)の混合物、アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、アクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸(塩)共重合体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)のホモポリマー、アクリル酸/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム共重合体等が挙げられる。市販品としては、アクリル酸/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム共重合体は、共重合体分37.5%を含む分散物がSIMULGEL EGの名でSEPPIC社から発売されている。アクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体は、共重合体分40%を含む分散物がセピゲル305の名でSEPPIC社から発売されている。
カラギーナンは、紅藻類から抽出される硫酸基を有する多糖類であり、原料や抽出方法の違いにより、カッパ(κ)型カラギーナン、イオタ(ι)型カラギーナン、ラムダ(λ)型カラギーナンの3種類に分類される。市販品としては、カッパ型はソアギーナ MV101(エムアールシー ポリサッカライド株式会社)、デルタゲルC80(日本バイオコン株式会社)、イオタ型はソアギーナ MV201(エムアールシー ポリサッカライド株式会社)、デルタゲルS200(日本バイオコン株式会社)、GENU VISCO TYPE J−J(三晶薬株式会社)、ラムダ型はSeaKem XP8012(エフエムシーケミカルズ株式会社)等が挙げられる。
本発明においては、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でもアクリル酸とアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体が、みずみずしさの観点でより好ましい。
【0047】
本発明における成分(B)の含有量は、特に限定されないが、0.01〜3.0%が好ましく、特に優れた使用感を得るには0.1〜1.5%が好ましい。成分(B)をこの範囲で含有すると、化粧持ち効果に優れながらも、肌への負担感のなさ、べたつきのなさに優れ、さらに日焼け止め料を肌から落とす際の洗浄性に優れ、また経時での安定性にも優れるため、より好ましい。
【0048】
本発明に用いられる成分(C)の紫外線防御は、剤紫外線吸収剤、紫外線散乱剤から選ばれる1種又は2種以上であり、肌を有害な紫外線から防御し、日焼けを防ぐ効果がある。本発明における紫外線防御剤は、特に限定されず、通常の日焼け止め料に配合されるものであれば、いずれのものも使用することができる。
紫外線吸収剤の具体的な例としては、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、オクトクリレン、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、サリチル酸オクチル、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、オキシベンゾン、オキシベンゾンスルホン酸、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。これらの中でも、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、オクトクリレンがより好ましい。
紫外線散乱剤の具体的な例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム等が挙げられ、微粒子状、顔料級のいずれでも、又、いかなる形状のものでも良く、目的に応じてこれらの1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。これらの中でも、粒子径が0.1μm以下の微粒子粉末がより好ましい。また、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理を施してあっても良い。
【0049】
また、本発明においては、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤を併用することにより、より紫外線防御効果が向上し、日焼けを防ぐ効果が顕著になる。紫外線吸収剤の好ましい含有量は0.01〜30%、より好ましくは2〜20%、紫外線散乱剤の好ましい含有量は0.01〜40%、より好ましくは3〜30%である。成分(C)をこの範囲で含有すると、十分な日焼け止め効果を得られながらも、肌への負担感のなさ、べたつきのなさに優れるため、より好ましい。
【0050】
本発明の水中油乳化型日焼け止め料には、上記した成分の他に、必須成分として、水(精製水、温泉水、深層水等)、アルコール類、グリコール等の水性成分、油溶性の紫外線吸収剤以外の油性成分、界面活性剤、また本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、すなわちゲル化剤、紫外線散乱剤以外の粉体、成分(B)以外の水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、包接化合物、保湿剤、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、植物抽出物、ビタミン類、アミノ酸類、ペプタイド類、その他美容成分等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0051】
水性成分としては、水中油型乳化化粧料の水相を構成するものであり、水の他に、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、低級アルコール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。また、水相の含有量としては、水中油型日焼け止め料中の40〜95%であることが好ましく、さらに60〜85%であることが特に好ましい。この範囲であれば、みずみずしい使用感と安定性に優れるため好ましい。
【0052】
油性成分としては、水中油型乳化化粧料の油相を構成するものであり、揮発性油剤、高級アルコール、炭化水素油、エステル油、脂肪酸類、油脂、シリコーンなどの油性成分を使用できる。
例えば、軽質イソパラフィン、環状シリコーン、揮発性ジメチルポリシロキサン等の揮発性油剤;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、シトステロール、ラノステロール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等の高級アルコール類;オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素類;アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油類;ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ等のロウ類;牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚脂、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等の動物油;ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル等のラノリン誘導体;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類;低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、グリセリン変性ポリシロキサン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコンゴム、シリコーンレジン等が挙げられる。
これらを一種又は二種以上用いることができ、油相の含有量は、水中油型日焼け止め料中の5〜40%であることが好ましい。この範囲であれば、みずみずしい使用感と安定性に優れるため好ましい。
【0053】
界面活性剤としては、カチオン性、ノニオン性、アニオン性のいずれでもよい。
カチオン性界面活性剤としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化ジオレイルジメチルアンモニウム、メチル硫酸セチルベヘニルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩、ステアロイルリジンブチルエステル・塩酸塩、N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、ラウロイル−オルニチンプロピルエステル・酢酸塩等のモノ−N−長鎖アシル塩基性アミノ酸低級アルキルエステル塩、デシルグアニジン酢酸塩、2−グアニジノエチルラウリルアミド塩酸塩、2−グアニジノブチルステアロアミド・DL−ピロリドンカルボン酸塩等のグアニジン誘導体等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、ポリオキシプロレンヤシ油脂肪酸モノイソパノールアミド、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム等の高級脂肪酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸塩;テトラデセンスルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸カリウム等のα−オレフィンスルホン酸塩;ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム等のヒドロキシエーテルカルボン酸塩;スルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸等が挙げられる。
【0054】
本発明の水中油乳化型日焼け止め料の形態としては、特に限定されるものではなく、例えば液状、乳液状、クリーム状、ジェル状、固形状等が挙げられる。また用途としては、日中用美容液、日焼け止め、ボディクリーム等のスキンケア化粧料、リップクリーム、リップベース、アイシャドウ、ファンデーション、フェイスカラー、コントロールカラー、コンシーラー、化粧下地等のメイクアップ化粧料、ヘアミスト、ヘアエッセンス等のアウトバス用毛髪化粧料を例示することができる。
【実施例】
【0055】
以下に本発明の実施例について記載するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
【0056】
((メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体の製造)
[参考製造例1]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を87g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、得られたゴム状物を50%溶液となるように99.5%エタノールに加熱溶解(70℃)後、25℃にて析出物がないことを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:31:27:40
(注1)IPA 関東化学株式会社製
(注2)V−601 和光純薬工業株式会社製
(注3)X−24−8201 信越化学工業社製
(注4)EA 関東化学株式会社社製
(注5)HEMA 関東化学株式会社社製
(注6)MAPTAC エボニック・デグサ・ジャパン株式会社製,50%水溶液
【0057】
[参考製造例2]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)50gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−22−174DX)(注7)40g、エチルアクリレート(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)170gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を90g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
また、得られたゴム状物を50%溶液となるように99.5%エタノールに加熱溶解(70℃)後、25℃にて析出物がないことを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−22−174DX=2:31:27:40
(注7)X−22−174DX 信越化学工業社製
【0058】
[参考製造例3]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−22−174ASX)(注8)40g、エチルアクリレート(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を83g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
また、得られたゴム状物を50%溶液となるように99.5%エタノールに加熱溶解(70℃)後、25℃にて析出物がないことを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−22−174ASX=2:31:27:40
(注8)X−22−174ASX 信越化学工業社製
【0059】
[参考製造例4]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40.4g、エチルアクリレート(注4)27.3g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)31.3g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を86g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
また、得られたゴム状物を50%溶液となるように99.5%エタノールに加熱溶解(70℃)後、25℃にて析出物がないことを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:27.3:31.3:40.4
【0060】
[参考製造例5]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)50gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(注4)26g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)30g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)8g、イソプロパノール(注1)120gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を83g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
また、得られたゴム状物を50%溶液となるように99.5%エタノールに加熱溶解(70℃)後、25℃にて析出物がないことを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=4:26:30:40
【0061】
(化粧料)
実施例1〜8及び比較例1〜5:日焼け止め乳液
表1に示す組成及び下記製法にて日焼け止め乳液を調整した。得られた日焼け止め乳液の「化粧持ち効果(耐水性)」、「負担感のなさ」、「べたつきのなさ」、「洗浄性」、「経時安定性(分離)」について下記の方法により評価し、結果を併せて、表1、2に示した。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
(製造方法)
A:成分(1)、(2)、(5)、(7)、(8)、(12)〜(14)を加温溶解する。
B:Aに成分(3)、(4)を添加して均一膨潤する。
C:Bに成分(6)、(9)〜(11)を添加して混合溶解する。
D:成分(15)〜(18)を加温溶解する。
E:Dに成分(19)〜(23)を添加して均一分散させる。
F:CにEを添加して乳化し、水中油乳化型の日焼け止め乳液を得た。
【0065】
(評価方法1:化粧持ち効果)
専門評価パネル20名により、実施例1〜8及び比較例1〜5の各試料を顔に塗布し、日常生活の2時間後に「化粧くずれのなさ」を目視にて評価し、下記(a)評価基準にて4段階評価し判定した。
(a)4段階評価基準
(評価) (判定)
20名中16名以上が良好と回答した :◎
20名中12名以上が良好と回答した :○
20名中6名以上が良好と回答した :△
20名中6名未満が良好と回答した :×
【0066】
(評価方法2:肌への負担感のなさ)
専門評価パネル20名により、実施例1〜8及び比較例1〜5の各試料について、肌への負担感のなさについて、下記(b)評価基準にて4段階評価し判定した。
(b)4段階評価基準
(評価) (判定)
負担感なし :◎
やや負担感なし :○
やや負担感あり :△
負担感あり :×
【0067】
(評価方法3:べたつきのなさ)
専門評価パネル20名により、実施例1〜8及び比較例1〜5の各試料について、後肌のべたつきのなさについて、下記(c)評価基準にて4段階評価し判定した。
(c)4段階評価基準
(評価) (判定)
べたつきなし :◎
ややべたつきなし :○
ややべたつきあり :△
べたつきあり :×
【0068】
(評価方法4:日焼け止め料を肌から落とす際の洗浄性)
専門評価パネル20名により、実施例1〜8及び比較例1〜5の各試料を塗布し、2時間後に固形石鹸を使用して水洗し、落とし易さについて、下記(d)評価基準にて4段階評価し判定した。
(d)4段階評価基準
(評価) (判定)
20名中16名以上が良好と回答した :◎
20名中12名以上が良好と回答した :○
20名中6名以上が良好と回答した :△
20名中6名未満が良好と回答した :×
【0069】
(評価方法5:経時安定性(分離))
実施例1〜8及び比較例1〜5の日焼け止め乳液を6号規格ビンに充填した試料を作成し、試料を安定性加速試験として50℃恒温下にて2週間放置後、25℃に戻した試料の「分離」についての状態評価を、下記(e)評価基準により判定した。
(e)4段階評価基準
(評価) (判定)
変化なし :◎
外観に僅かに変化があるが、使用性には問題なし :○
微量の透明層あり :△
かなり透明層あり :×
【0070】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜8の日焼け止め乳液は、いずれも化粧持ち効果に優れながらも、肌への負担感のなさ、べたつきのなさに優れ、さらに日焼け止め料を肌から落とす際の洗浄性に優れ、また経時での安定性にも優れたものであった。
これに対して、成分(A)を含有しない比較例1は、化粧持ち効果に劣り、べたつきを感じるなど感触でも劣るものであった。成分(A)の代わりにポリビニルピロリドン、(ビニルピロリドン/VA)コポリマー、(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー、トリメチルシロキシケイ酸を用いた比較例2〜5は、負担感のなさ、洗浄性に劣り、経時で分離が見られるなど安定性上でも問題のあるものであった。
以上の結果から、本発明の成分(A)〜(C)を組み合わせることにより、化粧持ち効果に優れながらも、肌への負担感のなさ、べたつきのなさに優れ、さらに日焼け止め料を肌から落とす際の洗浄性に優れ、また経時での安定性にも優れた水中油乳化型日焼け止め料を得られることが示された。
【0071】
実施例9 日焼け止め乳液
以下に示す組成の日焼け止め乳液を下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.精製水 残量
2.アクリル酸/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム共重合体(注1) 1.5
3.参考製造例2の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体 0.2
4.1,3−ブチレングリコール 10
5.エタノール 10
6.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO) 0.1
7.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7
8.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 0.5
9.ジメチコン 3
10.シクロメチコン 3
11.トリエトキシカプリリルシラン(25%)処理微粒子酸化チタン 3
12.架橋型メチルポリシロキサン混合物(注6) 1
13.香料 適量
(注6)KSG−16(信越化学工業社製)
【0072】
(製造方法)
A:成分(1)、(2)を均一膨潤する。
B:Aに成分(3)〜(6)を添加して混合溶解する。
C:成分(7)、(8)を均一に加温溶解する。
D:Cに成分(9)〜(13)を添加して均一分散させる。
E:BにDを添加して乳化し、水中油型の日焼け止め乳液を得た。
実施例9の日焼け止め乳液は、化粧持ち効果に優れながらも、肌への負担感のなさ、べたつきのなさに優れ、さらに日焼け止め料を肌から落とす際の洗浄性に優れ、また経時での安定性にも優れたものであった。
【0073】
実施例10:日焼け止めクリーム
以下に示す組成の日焼け止めクリームを下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.精製水 残量
2.アクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸共重合体(注2) 3
3.参考製造例3の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体 1.2
4.1,3−ブチレングリコール 15
5.エタノール 10
6.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.1
7.メチルパラベン 0.1
8.トリエトキシカプリリルシラン(25%)処理微粒子酸化亜鉛 20
9.酸化鉄 0.8
10.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5
11.ジメチコン 10
12.シクロメチコン 10
13.酢酸トコフェロール 0.1
【0074】
(製造方法)
A:成分(1)、(2)を均一膨潤する。
B:Aに成分(3)〜(7)を添加して混合溶解する。
C:成分(8)〜(13)を均一分散させる。
D:BにCを添加して乳化し、水中油型の日焼け止めクリームを得た。
実施例10の日焼け止めクリームは、化粧持ち効果に優れながらも、肌への負担感のなさ、べたつきのなさに優れ、さらに日焼け止め料を肌から落とす際の洗浄性に優れ、また経時での安定性にも優れたものであった。
【0075】
実施例11:日焼け止めクリーム
以下に示す組成の日焼け止めクリームを下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.精製水 残量
2.カラギーナン(注7) 1
3.乳酸カルシウム 0.2
4.ジイソステアリン酸デカグリセリル 0.8
5.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 9
6.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1
7.イソノナン酸イソトリデシル 5
8.セタノール 3
9.ベヘニルアルコール 1.5
10.トリイソステアリン酸イソプロピルチタン(2%)処理酸化亜鉛 3
11.塩化ナトリウム 0.1
12.精製水 10
13.1,3−ブチレングリコール 4
14.エタノール 5
15.参考製造例4の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体 0.5
16.香料 適量
(注7)ソアギーナMV−201(エムアールシー ポリサッカライド社製);イオタ型
【0076】
(製造方法)
A:成分(1)〜(4)を70℃で加熱溶解する。
B:成分(5)〜(9)を70℃で加熱溶解する。
C:Bに成分(10)を添加して均一分散させる。
D:AにCを添加して70℃で乳化後、室温まで冷却する。
E:Dに成分(11)〜(16)を添加混合し、水中油型の日焼け止めクリームを得た。
実施例11の日焼け止めクリームは、化粧持ち効果に優れながらも、肌への負担感のなさ、べたつきのなさに優れ、さらに日焼け止め料を肌から落とす際の洗浄性に優れ、また経時での安定性にも優れたものであった。
【0077】
実施例12:リキッドファンデーション
以下に示す組成のリキッドファンデーションを下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.精製水 残量
2.アクリル酸/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム共重合体(注1) 1.5
3.参考製造例5の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体 1
4.1,3−ブチレングリコール 10
5.エタノール 10
6.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.2
7.メチルパラベン 0.1
8.トリエトキシカプリリルシラン(25%)処理酸化チタン 8
9.酸化鉄 1.5
10.部分架橋型ラウリル変性シリコーン混合物(注8) 1.5
11.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 10
12.ジメチコン 3
13.シクロメチコン 5
14.香料 適量
(注8)KSG−43(信越化学工業社製)
【0078】
(製造方法)
A:成分(1)、(2)を均一膨潤する。
B:Aに成分(3)〜(7)を添加して混合溶解する。
C:成分(8)〜(14)を均一分散させる。
D:BにCを添加して乳化し、水中油型のリキッドファンデーションを得た。
実施例12のリキッドファンデーションは、化粧持ち効果に優れながらも、肌への負担感のなさ、べたつきのなさに優れ、さらにリキッドファンデーションを肌から落とす際の洗浄性に優れ、また経時での安定性にも優れたものであった。