(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
透明導電材料からなる前記第3の層(106)と電気的に接触する導電材料からなる前記層(104)の前記導電材料は、アルミニウム、モリブデン、銅、ニッケル、金、銀、炭素および炭素誘導体、白金、タンタルおよびチタンから選択された金属であることを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電部品。
前記太陽光発電マイクロ電池のそれぞれの断面の少なくとも1つの寸法は100μm未満であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の太陽光発電部品。
形成された太陽光発電マイクロ電池の少なくとも1つは、短辺の寸法が100μm未満の細長い帯状断面を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の太陽光発電部品。
前記太陽光発電デバイスに対して不活性であり、その場所に前記吸収材料が選択的に配置された開口を含む層をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の太陽光発電部品。
請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の太陽光発電部品、あるいは請求項13に記載の太陽光発電部品の配列を備え、さらに、入射光(12)のすべてまたは一部を、前記1つまたは複数の太陽光発電部品の前記マイクロ電池のそれぞれへ適切に集光させるシステム(11)を備えることを特徴とする太陽光発電モジュール。
請求項3に記載の太陽光発電部品またはその配列を含み、入射光の波長を、前記バック電気接点の透明導電材料からなる前記第1の層(101)下に配置された吸収材料に吸収されるスペクトル帯に変換する要素をさらに備えることを特徴とする太陽光発電モジュール。
前記バック電気接点を形成するように導電材料からなる前記第1の層(101)と、吸収材料からなる前記第2の層(102)と、を基板(109)上に堆積するステップと、
その形状が前記太陽光発電マイクロ電池のそれぞれの形状を画定することになる複数のパッドを形成するように構成されたレジストの層を堆積するステップと、
前記電気絶縁材料からなる層(103)と前記導電材料からなる層(104)とを前記レジスト層上に堆積するステップと、
前記電気絶縁材料からなる層(103)の開口と前記導電材料からなる層(104)の開口とが重畳するように前記レジストを取り除いて、開口を有するように構成された前記電気絶縁材料からなる層(103)と前記導電材料からなる層(104)を得、さらに、前記導電材料からなる前記層(104)と電気的に接触する透明導電材料からなる前記第3の層(106)を堆積して前記フロント電気接点を形成するステップと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽光発電部品の製造方法。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の態様は、
バック電気接点を形成する導電材料からなる少なくとも1つの第1の層と、太陽光スペクトル内で吸収性の材料からなる第2の層と、フロント電気接点を形成する透明導電材料からなる第3の層と、を含む太陽光発電デバイスの製造に適した一組の層と;
前記バック電気接点と前記フロント電気接点間に配置され、それぞれが、前記一組の層のそれぞれの層をスタックして太陽光発電マイクロ電池を形成するゾーンを画定する開口を複数含む電気絶縁層と;
透明導電材料からなる前記第3の層と電気的に接触し、前記第3の層との前記フロント電気接点を形成し、前記バック電気接点と前記フロント電気接点によって電気的に並列に接続された前記形成された太陽光発電マイクロ電池のそれぞれに対して、周囲電気接点を形成するように構成された、導電材料からなる層と;を備える太陽光発電部品に関する。
例えば、透明導電材料からなる前記第3の層と電気的に接触する導電材料からなる前記層を形成する前記導電材料は、アルミニウム、モリブデン、銅、ニッケル、金、銀、炭素および炭素誘導体、白金、タンタルおよびチタンから選択された金属である。
【0006】
一実施形態では、前記バック接点の導電材料からなる前記第1の層は透明であり、前記バック接点は、前記太陽光発電マイクロ電池に対して周囲電気接点を形成するように構成された透明導電材料からなる前記層と電気的に接触する導電材料からなる層をさらに備える。
他の実施形態では、前記絶縁層は、複数の開口を形成するように構成された絶縁材料からなる層を備える。
【0007】
他の実施形態では、前記第1の態様の太陽光発電部品は、前記バック電気接点と前記フロント電気接点間に配置され、絶縁材料からなる前記第1の層の前記開口を中心に、そのサイズ以下の複数の開口を形成するように構成された絶縁材料からなる第2の層を備える。
例えば、前記絶縁材料は、シリカまたはアルミナなどの酸化物、窒化ケイ素などの窒化物および硫化亜鉛などの硫化物から選択される。
【0008】
あるいは、前記絶縁層は、例えば空気などの絶縁性ガスを含む。
【0009】
本発明の1つの好適な実施形態では、前記太陽光発電マイクロ電池の断面の少なくとも1つの寸法は1mm未満であり、好適には100μm未満である。
【0010】
他の実施形態では、前記太陽光発電マイクロ電池のうちの少なくとも一部は、面積が10
−2cm
2未満の、好適には10
−4cm
2未満の円形断面を有する。
【0011】
他の実施形態では、前記第1の態様の太陽光発電部品は、短辺の寸法が1mm未満の、好適には100μm未満の細長い帯状断面を有する太陽光発電マイクロ電池を少なくとも1つ備える。
【0012】
他の実施形態では、吸収材料からなる前記層は不連続であり、前記太陽光発電マイクロ電池の位置に形成される。
【0013】
本発明の他の好適な実施形態では、前記太陽光発電部品は薄層部品であり、前記電池を形成する前記各層の厚みは約20μm未満であり、好適には5μm未満である。
【0014】
例えば、前記吸収材料は、CIGS系、CdTe系、シリコン系および第III−V族半導体系から選択された系に属する。
【0015】
本発明の第2の態様は、前記第1の態様の太陽光発電部品の配列であって、前記太陽光発電部品は互いに電気的に直列に接続され、1つの太陽光発電部品のフロント接点は、隣接する太陽光発電部品のバック接点に電気的に接続されていることを特徴とする配列に関する。
【0016】
本発明の第3の態様は、前記第1または第2の態様の太陽光発電部品の1つまたはその配列を備え、さらに、入射光のすべてまたは一部の前記太陽光発電マイクロ電池のそれぞれへの集光に適した太陽光集光システムを備える太陽光発電モジュールに関する。
【0017】
一実施形態では、前記第3の態様の太陽光発電モジュールは、入射光の波長を、透明導電材料からなる層と、前記太陽光発電マイクロ電池に対して周囲電気接点を形成するように構成された導電材料からなる層と、を含む前記バック接点の透明導電材料からなる前記第1の層下に配置された前記吸収材料に吸収されるスペクトル帯に変換する要素をさらに備える。
【0018】
本発明の第4の態様は、前記第1の態様の太陽光発電部品の製造方法であって、前記部品を形成する前記層を基板上に堆積するステップを備えることを特徴とする方法に関する。
【0019】
一実施形態では、前記製造方法は、
導電材料からなる前記第1の層を基板上に堆積して前記バック電気接点を形成するステップと、
前記太陽光発電デバイスに対して不活性な材料、好適には電気絶縁体からなり、複数の開口を形成するように構成された層を堆積するステップと、
前記吸収材料を前記開口に堆積して、吸収材料からなり不連続な前記第2の層を形成する選択的なステップと、
前記不活性層の開口サイズ以下の開口を形成するように構成された導電材料からなる前記層を堆積するステップと、
前記フロント電気接点を形成するように構成された導電材料からなる前記層と電気的に接触する透明導電材料からなる前記第3の層を堆積するステップと、を備える。
【0020】
他の実施形態では、前記製造方法は、
導電材料からなる前記第1の層を基板上に堆積して前記バック電気接点を形成するステップと、
不連続で複数の開口を含む吸収材料からなる前記第2の層を堆積するステップと、
前記太陽光発電デバイスに対して不活性な材料、好適には電気絶縁体を前記開口内に堆積して、開口を有する不連続な不活性層を前記吸収材料の位置に形成する選択的なステップと、
前記不活性層の開口サイズ以下の開口を形成するように構成された導電材料からなる前記層を堆積するステップと、
前記フロント電気接点を形成するように構成された導電材料からなる前記層と電気的に接触する透明導電材料からなる前記第3の層を堆積するステップと、を備える。
【0021】
他の実施形態では、前記製造方法は、
前記バック電気接点を形成するように導電材料からなる前記第1の層と、吸収材料からなる前記第2の層と、を基板上に堆積するステップと、
その形状が前記太陽光発電マイクロ電池のそれぞれの形状を画定することになる1つまたは複数のパッドを形成するように構成されたレジストの層を堆積するステップと、
絶縁材料からなる層と導電材料からなる層とを前記レジスト層上に堆積するステップと、
前記レジストを取り除いて、絶縁材料からなる前記構成層と導電材料からなる前記構成層を得、さらに、導電材料からなる前記構成層と電気的に接触する透明導電材料からなる前記第3の層を堆積して前記フロント電気接点を形成するステップと、を備える。
【0022】
他の実施形態では、前記製造方法は、
透明導電材料からなる前記第3の層を透明基板上に堆積して前記フロント電気接点を形成するステップと、
その形状が前記太陽光発電マイクロ電池のそれぞれの形状を画定することになる複数のパッドを形成するように構成されたレジストの層を堆積するステップと、
導電材料からなる層と絶縁材料からなる層とを前記レジスト層上に堆積するステップと、
前記レジストを取り除いて、絶縁材料からなる前記構成層と導電材料からなる前記構成層を得、さらに、吸収材料からなる前記層を堆積するステップと、
導電材料からなる前記第1の層を堆積して前記バック電気接点を形成するステップと、を備える。好都合なことに、吸収材料からなる前記層は選択的に形成され、また不連続層を形成する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1A〜
図1Cは、本発明の種々の実施形態の太陽電池を有する太陽光発電モジュールの原理を示す図である。これらの図は例示のためのものであり、示した寸法は、前記電池の実際の大きさに対応するものではない。
【0025】
これらの実施形態では、入射太陽光に暴露され、少なくとも1つの寸法が数百μm未満、好適には約100μm未満のサイズと形状の領域107を有する太陽光発電マイクロ電池または活性太陽光発電ゾーン100のアイランドまたは配列を形成する太陽光発電部品10が示される。該マイクロ電池は、マイクロ電池100のそれぞれの領域107に入射する太陽光(記号12で示す光束)の全部または一部を集光する太陽光集光システム(図中、マイクロレンズ11で示す)に付随する。
【0026】
各マイクロ電池は、特に、可視スペクトル、近赤外(太陽光のスペクトル範囲)または太陽光のスペクトルの一部において吸収性の材料からなる層102を有する太陽光発電デバイスの製造に適した一組の層と、バック電気接点を形成する導電材料の層101と、前記暴露領域107を被覆しフロント電気接点を形成する、窓層とも呼ばれる層106と、を備える。該太陽光発電デバイスの望ましい特性に応じて、例えば、吸収材料からなる層102との接合に寄与する半導体または界面層からなる層などの1つまたは複数の付加的層105を設けてもよい。
図1A、
図1Bおよび
図1Cにおいて、前記フロント電気接点は、以下にさらに詳細に説明するように、層104、106で形成されている。
図1A〜
図1Cの実施形態では、マイクロ電池100は、フロント電気接点(106およびまたは104)およびバック電気接点101の両方によって並列に接続されており、該フロント電気接点およびバック電気接点はすべてのマイクロ電池に共通である。
【0027】
一実施形態では、前記集光システムによって、前記マイクロ電池の吸収材料の吸収範囲に適したスペクトルを有する光が各マイクロ電池上に集光される。
アイランド10は、バック電気接点とフロント電気接点間に配置された電気絶縁層103を備える。絶縁層103は不連続であり、アイランド10のマイクロ電池または活性太陽光発電ゾーン100の形状と寸法を画定する1つまたは複数の開口を形成する。これらの開口外での暗電流密度は実際には無視できる。開口内では、半導体層のセットによる接合が形成される。フロント電気接点とバック電気接点によって光生成電荷キャリアが収集される。従って、本出願人は、マイクロ電池(その断面は前記絶縁層に形成された開口によって画定される)の断面の少なくとも1つの寸法が数百μm未満となるようにマイクロ電池の寸法を選択することによって、各マイクロ電池で光生成された電荷キャリアを、該接点に寄与する透明導電体層の抵抗によるロスを制限しながら、フロント電気接点によって収集できることを実証した。このように形成された配列によって、集電グリッドの使用を必要としない、集光太陽束下での応用に適した太陽電池が形成される。本出願人は、この新規な構造によって、従来の実施形態で現在までに提案された集光限界を大きく超える40,000sunsを上回る集光下で、集光がなければ効率20%の電池に対して、理論的には効率30%を達成できることを実証した。
図1A〜
図1Cでは、マイクロ電池100は、例えば、面積が好適には10−
2cm
2未満の、さらに10
−4cm
2未満の、さらには10
−8cm
2と小さな円形断面を有しており、そのために、電荷キャリアを迅速に収集できる。該面積の下限は、技術的な考察および吸収材料の層で光生成されたキャリアの可動性と寿命特性とに関連する。
【0028】
前記絶縁体は、シリカ(SiO
2)またはアルミナ(Al
2O
3)などの酸化物、例えば窒化ケイ素(Si
3N
4)などの窒化物、例えば硫化亜鉛(ZnS)などの硫化物、例えばポリマーなどの、該電池製造プロセスに適合する他の任意の絶縁材料などの、開口により穴の開いた電気絶縁材料から形成される層であってもよい。また、該絶縁体は、前記部品の製造に用いられるプロセス技術に応じて、例えば空気などのガス、例えば多孔材料に含まれるガスあるいは泡の形態のガス性の層であってもよい。例えば空気などのガスの層を、その後、前記多孔材料で形成された層を含む層を積み重ねて前記活性太陽光発電ゾーンを形成するゾーンで遮断する。例えば、シリコン系太陽電池において、活性光導電層を形成する再結晶多孔性シリコンからなる層であって、アニール中に形成された気泡によって不連続な絶縁層を形成する層を用いることが考えられる。
【0029】
前記断面によって、入射光に暴露される太陽光発電ゾーンの領域107が画定され、集光システム11は、該マイクロ電池の露出面上に入射光の焦点を合わせるように改良されなければならないであろう。例えば、円形断面を備えたマイクロ電池の場合には、恐らく、マイクロレンズ網を備えたシステムが採用されるか、または、光の焦点を合わせる他の任意の既知のシステムが採用されるであろう。集光システムは照射領域の寸法に合わせられるが、それ自体、従来の電池の場合に使用される集光システムの容積よりは小さいであろう。これによって、集光システム製造に使用される材料がより少なくて済むという付加的な効果がもたらされる。
前記マイクロ電池の断面は種々の形状を取り得る。例えば、横寸法が典型的には1mm未満、好適には100μm、さらには数μm以下という非常に小さい帯状の細長い形状の断面が考えられる。該接合で光生成された電荷キャリアは、次に、該帯の短辺寸法に沿ったフロント接点を経由して収集され、フロント接点の透明導電材料からなる層で形成された窓層の抵抗効果を再度制限する。この場合、集光システムは、アイランドの構造を受けて、1つまたは複数の列の光の焦点を1つまたは複数の帯に合わせるように改良されるであろう。アイランドが複数の帯を備える場合、これらの帯は、恐らく、バック接点とフロント接点の両方によって電気的に並列に接続されるであろう。断面の一寸法が小さい場合、典型的には数百μm未満の場合には、例えば細長い蛇行形状などのその他の形状も電荷キャリアの収集用として考えられる。特に、これらの寸法は恐らく、使用材料に応じて、特に側方の電気再結合の影響を最小化するように最適化されるであろう。
【0030】
暴露領域107によって境界付けられた活性ゾーン内の層102で生成された電荷キャリアは、透明導電材料からなる層106または窓層経由で、最初にこれらの層面に垂直な方向で、次にマイクロ電池の周囲に向かって収集される。この層は、できるだけ多くの太陽光が活性太陽光発電ゾーン100に入射できるように十分に透明でなければならない。それはある抵抗を有しているために、恐らくは損失になっているが、しかし、この影響はマイクロ電池のサイズによって制限されるであろう。
【0031】
本出願人は、導電材料からなる層104を窓層106と関連付けることによって、つまり、窓層106と電気的に接触させ、この2つの層のアセンブリで次にフロント接点を形成することによって、電荷キャリアの周囲収集が大きく向上することを実証した。例えば、導電材料からなる層104は、スタックされる層の特性に応じて、例えば、金、銀、アルミニウム、モリブデン、銅あるいはニッケルなどの金属から、あるいは、所望の導電率を得るためにアルミニウムで十分にドープされた、例えばZnO:Alなどのドープ半導体からなる。絶縁層103と同様に、導電材料からなる層104は不連続であり、マイクロ電池100の太陽光発電機能を妨げないように、前記絶縁層の開口と実質的に重畳し得る開口により穴が開いている。活性ゾーン内の活性層102で光生成された電荷キャリアは、窓層106によってこれらの層面に垂直な方向で収集され、次に、マイクロ電池の周囲接点をこのように成形する導電層104によって、マイクロ電池周囲に向かう収集が可能となる。
【0032】
マイクロ電池の周囲接点を形成する層104は、マイクロ電池間の領域を完全に被覆してもよく、あるいは、各マイクロ電池との周囲接点ゾーンと、オーバーラップしていない前記周囲接点ゾーン間の電気接点ゾーンと、を有するように構成されてもよい。
【0033】
電池10の活性太陽光発電ゾーンは、マイクロ電池を形成するように前記絶縁層の1つまたは複数の開口の寸法によって設定されるため、太陽光発電デバイスを形成する層における材料の量、特に、吸収材料の量は制限できる。従って、
図1Bの実施形態では、吸収層102は不連続であり、活性ゾーン107にあるゾーンに限定されている。該構造の残部は、層103と同じ材料からなり、恐らくは絶縁体であり、接合の視点からは不活性層108で充填されてもよい。好都合なことに、前記吸収材料を含むゾーンは、絶縁層103の開口によって画定される活性太陽光発電ゾーンよりわずかに大きく(典型的には数μm)、従って、恐らくは材料そのものまたは製造プロセスに関連した表面欠陥による太陽光発電マイクロ電池への影響を低減させられる。
【0034】
図1Cは、導電材料からなる層101が透明であり、バック接点が、フロント接点(104
A、106)のように、層101と、層104
Aのように、活性太陽光発電ゾーンに対して周囲電気接点を形成するように構成された、例えば金属などの導電材料からなる層104
Bと、から形成される実施形態を示す。この変形例は、バック接点に透明窓層を供給するという利点を有しており、従って、電荷キャリアの周囲での収集と、集光下であっても透明窓層の抵抗によって発生する損失の制限と、によって可能となる両面電池が形成される。このことによって、例えば、2つ以上の太陽電池が互いに重畳する多接合の製造などの種々の応用が可能となる。あるいは、他の実施形態では、前記太陽電池を、バック接点の窓層下に配置され、電池を最初に通過する間に吸収されない光(例えば近赤外の光)を該電池側に反射させ、この波長の光を変化させる(例えば、「アップコンバージョン」材料を用いて、可視範囲に、あるいはより一般的には前記吸収材料によってより容易に吸収されるスペクトル範囲に変化させる)光変換デバイスに付随させられる。
【0035】
図1Cは、絶縁材料からなる前記第1の層103
Aと実質的に同様に構成された絶縁材料からなる第2の層103
Bに、絶縁材料からなる層103
Aの1つまたは複数の開口を中心に、そのサイズ以下の1つまたは複数の開口を設ける他の実施形態を示す。この第2の層は、例えば、電流列を活性太陽光発電容量内に集光する効果を有する。
図2に示す一実施形態では、複数のアイランド(10
A、10
B)を電気的に接続してより大きな太陽電池を形成してもよい。これらのアイランドは、例えば共通の基板109上に形成される。
図2では、単一のマイクロ電池100がアイランド毎に示されが、もちろん、各アイランドは複数のマイクロ電池を備えていてもよい。この実施形態では、
図1Aおよび
図1Bのそれのように、フロント電気接点は、導電材料からなる層(104
A、104
B)と、この実施形態では、すべてのアイランドを被覆する窓層(106
A、106
B)と、を備える。この実施形態では、これらのアイランドは、例えば第2のアイランド10
Bのバック電気接点と電気的に接触する第1のアイランド10
Aの窓層106
Aによって直列に接続される。
図2が動作原理を示す図であることは理解されるであろう。層102
Aの導電率が高い場合には、例えば、これらのアイランドが接続されるレベルまで絶縁層103
Aを延長して層106
Aを絶縁することが必要であり得る。
【0036】
図3A〜3Dは、本発明の種々の実施形態の電池形成に使用される一連の層を示す図である。ここでは、薄層マイクロ電池製造のための数種の構造が示されている。この技術では、太陽光発電デバイスは、nドープおよびpドープ半導体層によって形成された接合と、これらの層間に配置された電気絶縁層103と、を備える。これらの実施形態では、前記接合を形成する層は、層102(吸収材料からなる層)、層112(1つまたは複数の界面層を表わす)および層106(透明窓層を形成する)である。絶縁層を構成することによって、この層が堆積しない制御領域のディスク301が形成できる。前記p−n半導体接合またはn−p半導体接合は該ディスク内だけに形成されるため、該絶縁層によって円形の太陽電池が画定される。例えば金属からなり、前記絶縁層と同様に構成された(円孔302を含む)電気導電層104は、窓層106と電気的に接触するように配置されて、該窓層と共に前面側コンタクトを形成する(層106が単独でフロント接点を形成する
図3Dの実施形態は除いて)。窓層106の堆積前に、導電層104を絶縁層103上に堆積する(
図3B)か、あるいは、導電層104を窓層上に堆積する(
図3A)。界面層112は、前記絶縁層前に堆積してもよく(
図3A、
図3B)、あるいはその後に堆積してもよく(
図3C)、該界面層が十分に薄ければ、前記金属層と窓層間の電気接点は維持される。側方導電率の非常に小さな界面層(例えばCIGS電池の場合は真性CdSおよびZnO)の存在によって、光学的な視点での接合と電気的な視点での接合を同様なものとすることが保証される。従って、電気的に活性な部分は入射光によって正しく励起されるが、電荷キャリアの再結合による損失と接合の暗電流は最小化される。
【0037】
また、この形状を、下記に説明するプロセスなどの所謂「トップダウンプロセス」を用いてガラス基板109上に製造され、次に、入射光が基板に対応する側を経由して入射するように反転されたスーパストレート電池の筐体に合わせることも可能である。
【0038】
上記のように、例えば金属からなる導電層104によって、マイクロ電池周囲にそしてすべてのマイクロ電池に共通に、電池のフロント電気接点として恐らく直接使用される環状接点を作ることができ、これによって接触抵抗を最小化出来ると共に、集電グリッドを必要としないために電池が陰になることが避けられる。1つまたは複数の開口で構成された絶縁材料からなる層103を、太陽光発電デバイスを形成する一組の層内に配置することは、この方法が必然的に欠陥の源となる該一組の層の機械的エッチングを必要としないために、マイクロ電池を画定する有利な方法である。
【0039】
図4A〜
図4Dはそれぞれ、CIGS、CdTeおよびシリコン技術を用いた本発明の電池の4つの実施形態を示す。これらの各実施形態では、太陽電池の全体は示さず、マイクロ電池の一組の層だけを示す。これらの図も例示的な図であり、寸法は電池の実際の大きさに対応するものではない。
【0040】
図4Aは、CIGSヘテロ接合を用いた太陽光発電マイクロ電池の形成に適した一組の層を示す。ここでの「CIGS」は、最も一般的な意味で、CuInSe
2あるいはその合金または誘導体の1つを含む材料系を意味するものと理解され、その材料系では、銅は部分的に銀で置換されていてもよく、インジウムは部分的にアルミニウムまたはガリウムで置換されていてもよく、セレンは部分的に硫黄またはテルルで置換されていてもよい。これらの材料特性は例示的に上記したものであり、機能的な太陽光発電デバイスを得るために、当業者に既知の他の任意の材料で代用されてもよい。
図4Aで示した実施形態では、該一組の層は、例えばガラスからなる、厚みが典型的には数mmの基板109と、例えばモリブデンなどの導電材料からなり、バック接点を形成する層101と、を含む。この層の厚みは約1μmである。層102は、吸収性の半導体材料、この実施形態ではCu(In,Ga)Se
2(銅インジウムガリウム、ジセレン)のからなる層である。その厚みは例えば2または3μmである。層110および層111は界面層であり、それぞれnドープCdS(硫化カドミウム)およびiZnO(真性酸化亜鉛)からなり、その厚みは数十nm、例えば50nmである。一般に、界面層は、吸収材料(ここではCIGS)の層および透明導電材料からなる層が直接接触する場合に存在する、電池効率を大幅に制限する可能性がある電気的欠陥を不動態化できる。他の材料を用いて、例えば硫化亜鉛誘導体(Zn,Mg)(O,S)または硫化インジウムIn
2S
3などの界面層を形成してもよい。前記一組の層は、例えばSiO
2(シリカ)などの電気絶縁材料からなり、活性太陽光発電ゾーンを画定する開口を形成するように構成された層103を備える。層103の厚みは数百nm、例えば400nmである。層104は、マイクロ電池の周囲接点を確保する、例えば金属層などの導電材料からなる層である。層104は、絶縁層103と全く同様に構成され、その厚みは数百nm、例えば300nmである。層104は、例えば金、銅、アルミニウム、白金またはニッケルからなる。層104は、高度アルミニウムドープZnO:Alからなってもよい。最後に、例えばnドープZnO:Al(アルミニウムドープ酸化亜鉛)からなる層10は前面窓層を形成し、該接合にも寄与する。層106の厚みも数百nm、例えば400nmである。
図4Aに示す構造の製造プロセスの実施形態を
図5A〜
図5Iを用いてより詳細に説明する。
【0041】
図4Bは、CdTeヘテロ接合を用いた太陽光発電マイクロ電池の形成に適した一組の層を示す。ここでの「CdTe」は、最も一般的な意味で、CdTeあるいはその合金または誘導体の1つを含む材料系を意味するものと理解され、その材料系では、カドミウムは部分的に亜鉛または水銀で置換されていてもよく、テルルは部分的にセレンで置換されていてもよい。再掲となるが、これらの材料特性は例示的に上記したものである。該一組の層は、例えば金あるいはニッケル/銀合金などの導電材料からなり、バック接点を形成する層101を備える。この層の厚みは約1μmである。層102は、吸収材料、この実施形態ではpドープCdTe(テルル化カドミウム)からなる層である。層102の厚みは数μm、例えば6μmである。nドープCdSからなる界面層113は、CdTe層と絶縁層103の間で配置される。層113の厚みは約100nmである。該一組の層は、例えばSiO
2などの電気的絶縁材料からなり、1つまたは複数の活性太陽光発電ゾーンを画定する開口を形成するように構成された層103を備える。層103の厚みは数百nm、例えば400nmである。次に、例えばITO(インジウムスズ酸化物またはnドープSnO
2(二酸化スズ)などの透明導電材料からなり、厚みが数百nm、例えば400nmの窓層106と、マイクロ電池の周囲接点を確保する金属材料、例えば金からなり、絶縁層103と全く同様に構成され、その厚みが数百nm、例えば400nmの層104と、が来る。この実施形態では、製造プロセスは「トップダウン」プロセスであり、基板109は、入射太陽光を受光するように意図された電池側に置かれる。
図4Cは、非晶質シリコン、およびまたは多形シリコン、微晶質シリコン、結晶シリコンおよびナノ結晶シリコンを含むシリコン薄層系を用いた太陽光発電マイクロ電池の形成に適した一組の層を示す。
図4Cの実施形態では、接合は、それぞれ、pドープ非晶質シリコン、真性非晶質シリコンおよびnドープ非晶質シリコンからなり、可視領域において互いに吸収性である、3つの層の合計の厚みが約2μmの、層114、層115および層116によって形成される。該接合を形成する層は、バック電気接点101(例えばアルミニウムまたは銀からなる金属層)と、例えばSiO
2からなり厚みが数百nm例えば400nmの構成絶縁層103と、の間に配置される。前記絶縁層と同様に構成され、実質的に同じ厚みの前面金属層104は、前記構成絶縁層103上に配置され、この前面金属層104上には、例えばSnO
2などの透明導電材料からなる窓層106が設けられ、この窓層106の厚みも数百nmである。再度になるが、この実施形態ではトップダウンプロセスが用いられ、基板は、入射光に暴露される電池側に位置する。
【0042】
他の系の吸収材料を用いて本発明の薄層太陽電池を製造してもよい。例えば、GaAs(ガリウムヒ素)、InP(リン化インジウム)およびGaSb(アンチモン化ガリウム)などの第III−V族半導体を使用してもよい。何れの場合も、太陽光発電デバイスの形成に使用される層の特性は該デバイスに合わせられるであろう。
【0043】
最後の実施形態(
図4D)は、結晶シリコンを用いた本発明の実施を示す。本発明は特に薄層技術に好都合であるが、しかしながら、従来の結晶シリコン技術にも適用可能である。この場合、それぞれp(ホウ素)ドープ結晶シリコンおよびn(リン)ドープ結晶シリコンからなる層117および層118は、バック金属接点101と絶縁層103間に配置された接合を形成する。該接合の合計厚みは数百μm、典型的には250μmであり、このために、本実施形態は薄層の実施形態ほど魅力的でなく、マイクロ電池のサイズ(ここでの最小サイズは、側方再結合の影響を制限するために、典型的には約500μmであろう)の可能となる低減が制限される。前述の実施形態では、該接合は、構成絶縁層103と、同様に構成された導電材料からなる層104と、および、例えばSnO
2からなる窓層106と、で被覆されている。層103、層104、および層106の厚みは数百nm、例えば400nmである。接合を形成する層の厚みのために、基板は必要ではない。この実施形態では反射防止層119を設けてもよく、またより一般的には、すべての実施形態で設けてもよい。
【0044】
図5A〜
図5Fは、
図4Aに示すCIGS接合を有する太陽電池の、一実施形態による製造プロセスのステップを示す。
【0045】
第1のステップ(
図5A)では、基板(図示せず)上に、導電材料(例えばモリブデン)からなる層101と、CIGS層102と、それぞれCdSとiZnOからなる2つの界面層110および111と、を連続して堆積することにより基本構造を作る。該基本構造の部分平面図も示す。第2のステップ(
図5B)では、例えば、所望のマイクロ電池のサイズに適合した直径の円形パッド50からなるレジスト層を堆積する。該レジストパッドは、例えば、サンプルをレジスト層でコーティングするステップと、該レジストをマスクを通して露出させるステップと、その後、該レジストを選択的に溶解する現像液中に該サンプルを浸漬するステップと、からなる既知のリソグラフィプロセスを用いて製造される。使用するフォトレジストがポジ型レジストの場合は、露出部分は現像液に可溶となり、未露出部分は不溶となる。使用するフォトレジストがネガ型レジストの場合は、未露出部分が可溶となり、露出部分が不溶となる。電池製造に使用されるレジストは、ポジ型およびネガ型のいずれであってもよい。次に、絶縁層103を堆積し(
図5C)、その後、導電材料からなる層104を堆積する(
図5D)。次に、該接合の上層表面を露出させる(一般的には「リフトオフ」として既知)円形開口を有するように全く同様に構成された、絶縁材料と導電材料とからなる層103と層104を得るために、レジストを溶解させる(
図5E)。次に、透明導電材料(例えばZnO:Al)からなる層106を堆積する(
図5F)。このようにして形成されたアイランド2つを直列に接続する(
図2に示すように)ために、導電材料からなる層101を部分的に露出してもよい。
【0046】
図5A〜
図5Fは、入射光に暴露される側に対して最下となる層から最上となる層まで連続して基板上に堆積するプロセスであり、CIGS接合に適した所謂「ボトムアップ」プロセスの実施形態を示す。CdTe−1接合または非晶質シリコン接合(
図4B、
図4C)の場合には、入射光に暴露される側により近い層を最初に基板(一般的にはガラス基板)上に堆積し、次に該電池を使用段階で反転させる「トップダウン」プロセスが好適である。トップダウンプロセスを用いるか否かの選択は、特に、採用する材料が基板にどの程度付着するかと、吸収材料からなる層との「接触」の困難さとによる。従って、トップダウンプロセスは、透明導電材料からなる層106を透明基板109上に堆積してフロント電気接点を形成するステップと、その形状によって活性太陽光発電ゾーンの形状が画定される1つまたは複数のパッドを形成するように構成されたレジスト層を堆積するステップと、絶縁材料からなる層103を前記レジスト層上に堆積するステップと、前記レジスト層を取り除くステップと、吸収材料からなる層102を堆積するステップと、最後に、導電層を前記光導電層上に堆積してバック接点を形成するステップと、を備える。フロント接点が、透明導電材料からなる層106と導電材料からなる構成層104とで形成される場合、導電材料からなる層104を前記レジスト層上に堆積し、次に、該レジストの溶解前に、絶縁層103を堆積することができる。
図4Bに示す実施形態のように、導電材料からなる層104と絶縁層103との間に、透明導電材料からなる層106を挿入することが選択された場合、前記レジストパッドを堆積し、前記導電材料を堆積し、前記レジストを溶解し、透明導電材料からなる層106を堆積し、レジストを再度堆積し、前記絶縁層を堆積し、その後該レジストを溶解することが可能であろう。
【0047】
さらに、
図1Bに示すタイプの太陽電池製造のために、いくつかの製造方法が考慮されてもよい。第1の実施形態では、導電材料からなる層101を基板(
図1Bには図示せず)上に堆積して、バック電気接点を形成し、次に、好適には絶縁材料からなり、1つまたは複数の開口を形成するように構成された不活性層108を堆積する。次に、前記吸収材料を1つまたは複数の開口内に堆積して、吸収材料からなり、不連続な層102を選択的に形成する。この選択的な堆積は、例えば電着や、例えばジェット印刷やスクリーン印刷などによる印刷などの適切な方法を用いて行われる。次に、透明導電材料からなる層106を堆積してフロント電気接点を形成する。このステップの前に、1つまたは複数の界面層およびまたは絶縁材料からなる構成層103を堆積してもよく、また、不活性層108が絶縁性でないかまたは十分に絶縁性でない場合は、透明導電層106と共にフロント電気接点を形成する導電材料からなる構成層104を先に堆積してもよい。
【0048】
第2の実施形態では、吸収材料からなり1つまたは複数の開口を形成するように不連続であって、次に、前記1つまたは複数の開口内に選択的に堆積されて不活性層108を形成する層102を、導電材料からなる層101上に堆積する。この実施形態では、吸収材料からなる層は、例えばインクジェット印刷で堆積される。前述のように、次に、透明導電材料からなる層106を堆積してフロント電気接点を形成するが、このステップの前に、絶縁材料からなる層103の堆積と、1つまたは複数の界面層の堆積と、導電材料からなる構成層104の堆積とを選択的に行ってもよい。
変形例では、前記吸収材料の選択的な堆積は、例えば高温冶金法などの既知の技術で得られる材料粒の堆積により、あるいは、中間基板上への予備的な気相堆積法での粒子生成により実現できる。粒径が1〜数μmのCIGS粒をこうして調製し、本発明による基板上に直接堆積してもよい。あるいは、光起電接合を形成するように意図された層の全てまたは一部を、従来技術(例えば同時蒸発または真空スパッタリング)を用いて固体パネルやの形に事前にスタックしてもよく、次に、製造されるマイクロ電池のサイズに適した寸法の多層スタック部分を基板上に選択的に堆積する。
【0049】
他の変形例では、吸収材料の前記選択的堆積は、物理または化学蒸着法により実現される。このためには、基板の正面に直接配置され、前記吸収層と、選択的に接合を形成する他の活性層とを基板上に堆積できるように開口が設けられているマスクが恐らく使用されるであろう。同時蒸発およびスパッタリング法は、この文脈で使用され得る方法の例である。
【0050】
これらの実施形態のうちの何れの実施形態においても、得られた吸収材料からなる層が不連続であることにより、太陽電池の製造に必要な吸収材料の量を制限でき、従って、使用される希元素の量を実質的に節約できる。
【0051】
このように、本発明による電池は、電気中立層および電気導電層を堆積および構成するステップだけを含むプロセスを用いて製造されてもよい。これらの2つの層は、安価で環境上無害な材料(例えば、絶縁体としてのSiO
2や導体としてのアルミニウム)で非常に容易に構成し得る。使用される堆積法(スパッタリング)は非常に一般的なものであり、特に有害なものではない。採用される技術は、例えばマイクロエレクトロニクス産業(UVリソグラフィ)で使用される技術であり、そのリスクは毒性の点では制限されており、従って容易に実行され得る。従って、工業規模生産へのスケールアップは、マイクロエレクトロニクス産業のノウハウに基づいて考えられる。
【0052】
上記の太陽電池の理論的効率に関する本出願人によるシミュレーションでは、顕著な結果が得られた。使用したモデルは、所定のシート抵抗を有する抵抗性前面層(窓層)を備えた太陽電池の電気的解析に基づく。このモデルの基礎的な方程式は、例えばN.C.WyethらのSolid−State Electronics20,629−634(1977)、あるいは、U.MalmらのProgress in Photovoltaics,16,113−121(2008)に記載されている。本出願人は、円形断面のマイクロ電池に対し、集電グリッドを採用しない電気接点法を用いて、上記の構造などの構造の集光とマイクロ電池サイズの複合効果について検討した。
【0053】
該モデルは、下記式の解に完全に基づいている。
【数1】
式中、ψは電池中心からの距離rにおける電位、R
[]は前面窓層のシート抵抗、Jphは光電流密度、Joは暗電流密度、Rshは漏れ抵抗、nはダイオードの理想係数、kはボルツマン定数、qは電子の電荷である。
この方程式の解が得られる境界条件は、周囲接点の場合、
該電池の半径a、該電池への印加電圧Vとすると、ψ(a)=V
対称性により電池中心では電流が流れないことから、∂ψ/∂r(0)=0である。
図6は、マイクロ電池の周囲接点を確保する窓層の種々のシート抵抗に対して、入射電力密度(またはsunの単位の集光係数)の関数として求めた効率曲線を示す。このシミュレーションを実行するために、円形断面のマイクロ電池の半径は18μm(すなわち、面積が10
−5cm
2)とし、CIGS系参照電池(集光なし)の電気的パラメータ、すなわち、短絡回路電流Jsc=35.5mA/cm
2、ダイオード理想係数n=1.14および暗電流Jo=2.1×10
−9mA/cm
2を採用した(例えば、I.Repinsらによる、33rd IEEE Photovoltaic Specialists Conference,2008,1−6(2008)、またはI.Repinsらによる、Progress in Photovoltaics16,235−239(2008)で評価されたパラメータ)。
【0054】
シート抵抗Rshがそれぞれ10Ω、100Ωおよび1000Ωの3つに対して、発光出力が10
−4〜10
4W/cm
2の間、つまり集光係数が10
−3〜10
5suns(1sunは1000W/m
2、すなわち10
−1W/cm
2に対応)間の効率を求めた。従って、シート抵抗が1000Ωの場合は、約5000sunsまでは集光係数の増加と共に効率は上昇する。シート抵抗が100Ω未満の場合は、該抵抗は、もはや電池の理論的効率の計算において主要な制限因子ではなく、集光係数の50,000sunsへの接近に伴って効率約30%が実現される。
【0055】
これは、次により良好な透明性を有する窓層(抵抗がより大きくても)で作動させることが可能であり、これによって、より大きな光電流が生成される点において注目に値する。具体的には、例えば薄層電池の特別の場合では、前面側の透明導電酸化物の使用は、必ず透明性と導電率との歩み寄りに繋がる。具体的には、窓層の高い導電率が高くなればなるほど、透明性は低くなる。本発明による電池の形状、それは窓層の導電率に対する制約を緩和する(抵抗効果が無視できるため)ものであるが、この形状によって非常に透明な層を用いることが可能となる(たとえ該層がより抵抗性であったとしても)。該窓層での入射光の吸収がより少ないために、光電流(すなわち、電池に入射した光により生成される電流)の約10%の増加が期待され、従って、電池の吸収性部品は、より多く受光するであろう。
【0056】
図7は、前述と同じ計算条件下での、層抵抗が10Ωの場合の活性太陽光発電ゾーンの面積の関数としてのマイクロ電池の効率であって、それを上回る集光係数では効率が低下する最適な集光係数値に対して得られる効率を示す。これらの最適集光係数値は、4つのマイクロ電池サイズに対して得られる。従って、16sunsの集光下において、断面積が10
−1cm
2の電池での求められた効率は22%であった。200sunsの集光下において、断面積が10
−2cm
2の電池での求められた効率は24%であった。2000sunsの集光下において、断面積が10
−3cm
2の電池での効率は27%であり、46,200sunsの集光下において、断面積が10
−5cm
2の電池での求められた効率は31%であった。断面積が4.5×10
−5cm
2未満の電池での最適集光係数は46,200より大きく、このことは、シート抵抗がもはやマイクロ電池性能の制限要因でないことを示している。
【0057】
提示された結果から明らかなように、本発明の太陽電池の新規な構造によって、特に窓層の抵抗の影響が制限され、従って、より大きな変換効率に関係するはるかに大きな集光が使用できるようになる。いくつかの効果が得られる。集光束下でマイクロ電池を使用することによって、特に、製造エネルギーに対する原料比率が低減できる。その時には、集光係数以上の係数の材料節約が可能である。使用原料1g当たりの製造エネルギーは、採用された集光に応じて、100倍さらには数1000倍増加され得る。これは、原料の入手性が限定されているインジウムなどの材料にとって特に重要である。また、集光束を用いることによって、材料中の電気的欠陥が飽和されることが知られているために、集光下では、性能を実質的に低下させずに、平均的な品質の材料を使用することができ得る。従って、これらの欠陥の飽和によって、電池性能に及ぼすその影響を無効化することが可能である。従って、集光なしでは低水準にある材料を用いて、非常に高い効率が得られる。このことは、例えば、コストが抑えられた材料が集光下での使用に適切であり得ることを意味する。
【0058】
本発明はさらに、十分に試行されたマイクロエレクトロニクス技術を用いてマイクロ電池を画定しており、従って、現時点で最も見込みのある応用が薄層電池の分野にあることが期待されていたとしても、本発明は、多くの既存の太陽光発電技術に適切である。
【0059】
本出願人は、本発明に記載のプロセスの一実施形態を用いて、マイクロ電池の試作品を製造した。
図8Aおよび
図8Bは、それぞれ光学顕微鏡(
図8A)と走査電子顕微鏡(SEM)(
図8B)を用いて撮影した、CIGS系マイクロ電池を上方から見た顕微鏡写真を示す。マイクロ電池は、
図5A〜
図5Fを参照して説明したプロセスを用い、その円形断面の直径を10μm〜500μm間で変化させて製造した。
図8Aおよび
図8Bに示すマイクロ電池の直径は35μmである。これらの顕微鏡写真において、106は、層104上に堆積したZnO:Alからなる窓層を示しており、107は、活性太陽光発電ゾーンに対応した暴露領域を示している。本出願人は、これらの電池を用いて、非常に見込みのある初期結果を記録したが、そこでは、試験した非常に高密度下(これまでに文献に記載されたものより100倍高い;例えば、上記で引用したJ.Wardらの論文参照)であっても材料の劣化なしに、集光下でのマイクロ電池の性能に及ぼすそのサイズの有益な効果が示されている。特に、該電池において、集光3000sunsと同等の電流密度(100A/cm
2を上回る電流密度)が得られた。
【0060】
幾らかの詳細な実施形態によって説明したが、本発明の太陽電池およびその製造方法は、当業者には自明の種々の変更、改良および変形を含んでおり、これらの種々の変更、改良および変形は、以下の請求項で定義される本発明の範囲の一部を形成することは当然理解される。