(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ドアノブおよび第1の牽引線をさらに含み、前記ドアノブは前記第1の牽引線の固定端部に接続し、前記第1の牽引線の連接端部は前記上部ラック部に接続し、前記上部ラック部を移動させ、前記ドアを前記第1の角度より大きく開ける場合、前記ドアノブを開け続けて前記第1の牽引線を引き、前記上部ラック部を前記下部ラック部の噛み合せから離脱させると、前記ドアを前記第1の角度からさらに大きい第2の角度まで開けることが可能で、ドアの総角度が前記第1の角度に前記第2の角度を足したものになり、前記第1の角度が20°〜50°で、総角度が20°〜90°であることを特徴とする請求項2に記載のドア安全制動装置。
制動部および第2の牽引線をさらに含み、前記制動部は前記ドアの前記内側に設けられ、前記第2の牽引線の固定端部に接続し、前記第2の牽引線の連接端部は前記上部ラック部に接続し、前記上部ラック部を移動させ、前記制動部を開け続けて前記上部ラック部を前記下部ラック部の噛み合せから離脱させると、前記ドアが前記ドア固定座からスムーズに開き、前記制動部を放すと、前記弾性デバイスが弾性により前記上部ラック部を元に戻し前記下部ラック部と再び噛み合い、前記ロックデバイスが弾性により閉鎖位置に戻ることを特徴とする請求項2に記載のドア安全制動装置。
単方向ロック機構は、中空のシリンダーをさらに含み、前記シリンダーは前記座体上に固定され、前記シリンダー上で前記ロックデバイスに対応する位置に通気孔が設けられ、
前記ロックデバイスは枢接部および球体を有し、枢接軸により前記枢接部が前記座体内に枢着され、前記球体は前記通気孔に対応する位置に設けられ、
前記連結デバイスはピストン連結部でり、前記ピストン連結部は前記球体の近くの端にピストンを設け、前記ロックデバイスは閉鎖位置と離脱位置との間で切り替えが行なわれ、
前記弾性デバイスは前記ロックデバイスの前記球体が前記シリンダーの前記通気孔上を塞ぎ続けるのを保持し、前記ロックデバイスに外部から力が加えられ、前記球体が通気孔から離脱すると、単方向ロック機能が提供されることを特徴とする請求項1に記載のドア安全制動装置。
前記連結デバイスは、前記下部ラック部であり、前記ロックデバイスは枢接部および揺動体を含み、前記揺動体は直立した長いブロック状であり、前記枢接部とは分離した独立した部材であり、前記揺動体は中央が前記座体上に枢着され、時計回りまたは反時計回りに適度に揺動し、前記揺動体の上半分の左側に、前記揺動体の上半分を押さえるリセットユニットが設けられ、前記リセットユニットおよび前記枢接部はそれぞれ前記揺動体の上半分の左右両側に隣接し、前記揺動体は外部の力を受けていない時、直立状態を呈し、前記揺動体の下端が前記下部ラック部の歯に噛み合い、
前記ロックデバイスは、外部の力が加わっていない通常時には、閉鎖位置に位置し、この時、前記揺動体の上半分の右側が前記枢接部に支持され、前記ドアが開けられないが、反対に、前記ドアが閉められる際には、前記揺動体の下端が前記下部ラック部の歯の力を受け、前記揺動体の上端が左側が前記リセットユニットを圧迫して内縮させ、前記揺動体の下端が前記下部ラック部と噛み合わなくなり、前記ドアがスムーズに閉められ、単方向ロック機能が提供され、
外部の力が加わり、前記ロックデバイスが離脱位置に切り替わると、前記枢接部の端が持ち上げられ、前記揺動体の上半分の右側を支持することができなくなり、前記ドアがスムーズに開閉が行なわれ、単方向ロック機構が作動しないことを特徴とする請求項1に記載のドア安全制動装置。
前記揺動体の下端と前記下部ラック部との間に歯車がさらに設けられ、前記揺動体の下端が前記歯車上に噛み合い、前記歯車の下端も前記下部ラック部に噛み合っていることを特徴とする請求項6に記載のドア安全制動装置。
前記揺動体の下端と前記下部ラック部との間に歯車がさらに設けられ、前記揺動体の下端が前記歯車上に噛み合い、前記歯車の下端も前記下部ラック部に噛み合っていることを特徴とする請求項9に記載のドア安全制動装置。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の第1の実施形態によるドア安全制動装置を示す分解斜視図である。
【
図2】ドア安全制動装置および車体を示す断面図である。
【
図3】ドア安全制動装置が車体に装着された状態を示す平面図である。
【
図4A】ドア安全制動装置のドア外側のドアノブによりドアが開けられる動作の第1のステップを示す図である。
【
図4B】ドア安全制動装置のドア外側のドアノブによりドアが開けられる動作の第2のステップを示す図である。
【
図4C】ドア安全制動装置のドア外側のドアノブによりドアが開けられる動作の第3のステップを示す図である。
【
図4D】ドア安全制動装置のドア外側のドアノブによりドアが開けられる動作の第4のステップを示す図である。
【
図4E】ドア安全制動装置のドア外側のドアノブによりドアが開けられる動作の第5のステップを示す図である。
【
図5A】ドア安全制動装置のドアが外側から開けられる際の位置決めユニットの動作を示す局部図である。
【
図5B】ドア安全制動装置のドアが外側から開けられる際の位置決めユニットの動作を示す局部図である。
【
図5C】ドア安全制動装置のドアが外側から開けられる際の位置決めユニットの動作を示す局部図である。
【
図5D】ドア安全制動装置のドアが外側から開けられる際の位置決めユニットの動作を示す局部図である。
【
図5E】ドア安全制動装置のドアが外側から開けられる際の位置決めユニットの動作を示す局部図である。
【
図6A】ドア安全制動装置のドアが外側から開けられる動作を示す図である。
【
図6B】ドア安全制動装置のドアが外側から開けられる動作を示す図である。
【
図6C】ドア安全制動装置のドアが外側から開けられる動作を示す図である。
【
図6D】ドア安全制動装置のドアが外側から開けられる動作を示す図である。
【
図7A】ドア安全制動装置のドア内側の制動部によりドアが開けられる動作の第1のステップを示す図である。
【
図7B】ドア安全制動装置のドア内側の制動部によりドアが開けられる動作の第2のステップを示す図である。
【
図7C】ドア安全制動装置のドア内側の制動部によりドアが開けられる動作の第3のステップを示す図である。
【
図7D】ドア安全制動装置のドア内側の制動部によりドアが開けられる動作の第4のステップを示す図である。
【
図8A】ドア安全制動装置のドアが内側から開けられる際の位置決めユニットの動作を示す局部図である。
【
図8B】ドア安全制動装置のドアが内側から開けられる際の位置決めユニットの動作を示す局部図である。
【
図8C】ドア安全制動装置のドアが内側から開けられる際の位置決めユニットの動作を示す局部図である。
【
図8D】ドア安全制動装置のドアが内側から開けられる際の位置決めユニットの動作を示す局部図である。
【
図9A】ドア安全制動装置のドアが内側から開けられる動作を示す図である。
【
図9B】ドア安全制動装置のドアが内側から開けられる動作を示す図である。
【
図9C】ドア安全制動装置のドアが内側から開けられる動作を示す図である。
【
図10】本発明の第3の実施形態によるドア安全制動装置を示す断面図である
【
図11A】本発明の第2の連動ユニットを示す側面図である。
【
図11B】本発明の第2の連動ユニットを示す断面図である。
【
図12A】本発明の第1の連動ユニットを示す側面図である。
【
図12B】本発明の第1の連動ユニットを示す断面図である。
【
図13】本発明の第4の実施形態によるドア安全制動装置を示す断面図である。
【
図14】本発明の第5の実施形態によるドア安全制動装置を示す断面図である。
【
図15】本発明の第6の実施形態によるドア安全制動装置を示す断面図である。
【
図16A】ドア安全制動装置のニュートラル機構を示す側面図である。
【
図16B】ドア安全制動装置のニュートラル機構を示す正面図である。
【
図17】本発明のドア安全制動装置の解除機構を示す断面図である。
【
図18】本発明のドア安全制動装置の緊急解除構造の歯形を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
図1〜3を参照する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるドア安全制動装置を示す分解斜視図である。
図2は、ドア安全制動装置および車体を示す断面図である。
図3は、ドア安全制動装置が車体に装着された状態を示す平面図である。
図1〜3に示すように、本発明のドア安全制動装置1は、車両の車体2に配置され、ドア21とドア固定座22との間を連動するのに用いられ、ドア21をドア固定座22に対して開閉動作を行なわせるのが好適である。
【0010】
本発明のドア安全制動装置1は、座体11および単方向ロック機構(図示せず)を含む。単方向ロック機構は、ロックデバイスおよび連結デバイスを含む。ロックデバイスは、単一方向において、連結デバイスに移動ロック機能を提供する。ロックデバイスは、座体内に設けられ、座体に連動する。連結デバイスは、一方の端部がドアの固定座に固定され、もう一方の端部が座体内に延伸してロックデバイスに対応している。ロックデバイスは、閉鎖位置と離脱位置との間で切り替えが行なわれる。ロックデバイスは、閉鎖位置に位置する時、座体とともに連結デバイスに対して第1の方向上で移動することができない。そのため、ドアが開けることができず、閉めることしかできない。ロックデバイスは、離脱位置に位置する時、ドアの開閉は自由に行なわれる。
【0011】
ロックデバイスは、上部ラック部12であり、連結デバイスは、下部ラック部13である。また、ドア安全制動装置1は、枢接軸14、弾性デバイス15、リセットデバイス16および位置決めユニット17をさらに含む。車体2上に設けられたドア21が、揺動枢軸210を介してドア固定座22上に枢着しているため、ドア21がドア固定座22に対して扇形に開く。そのため、ドア21およびドア固定座22の連動関係が、ドア安全制動装置1がドア21の開閉に合わせて線上運動方向9を生み出す。線上運動方向9は、第1の方向91および第2の方向92を含む。第1の方向91は、ドア21がドア固定座22から外側(車外)に開く方向である。座体11が第1の方向91に向かって移動するのである。第2の方向92は、ドア21がドア固定座22から内側(車内)に閉まる方向である。座体11が第2の方向92に向かって移動するのである。
【0012】
上部ラック部12は、下部ラック部13と相互に対応するように噛み合い、枢接部121およびラック122をさらに含む。上部ラック部12は、枢接軸14により座体11の両側に相対した二つの軸孔111、111’を介して枢接部121を座体11内部の所定の位置に配置する。つまり、上部ラック部12、およびドア21上に設けられた座体11は、線上運動方向9において、同時に移動するのである。
【0013】
下部ラック部13は、一方の端部がドア固定座22上に固定され、もう一方の端部が座体11内に挿入され、上部ラック部12に対応し、上部ラック部12を着脱可能な状態で下部ラック部13に噛み合っている。下部ラック部13は、ラック131、第1の端部132および第2の端部133をさらに含む。下部ラック部13は、ラック131が上部ラック部12のラック122と相互に噛み合い、第1の端部132がドア固定座22上に枢着し、第2の端部133がリセットデバイス16に接続している。ラック131がラック122と相互に噛み合うと、ドア21がドア固定座22に向かって閉まり、上部ラック部12の役割により上部ラック部12が座体11内で第2の方向92の移動を行い、反対方向である第1の方向91の移動は行なわない。これにより、ドア21が開けられても、ドア21がドア固定座22上に固定され、制御を免れて突然大きく開いてしまうことを防止することができる。
【0014】
位置決めユニット17は、上部ラック部12および下部ラック部13の噛み合わせを制御するのに用いられ、ドア21が所定の角度まで開いた後、ドア固定座22上に固定できるかどうかという重要な役割を持つ。位置決めユニット17は、弾性位置決め体171および対応位置決めブロック172をさらに含む。弾性位置決め体171は、座体11の所定の位置決め点112上に配置されている。対応位置決めブロック172は、上部ラック部12のラック122の頂端上に配置され、所定の位置に弾性位置決め体171を弾性的に嵌合する凹点1721が設けられている。また、対応位置決めブロック172は、上部ラック部12と一体成形されてもよいが、従来技術に属するため、説明を行なわない。
【0015】
リセットデバイス16は、U字型に湾曲した部材で、連接端部161および伝動端部162を有する。連接端部161は、下部ラック部13の第2の端部133に接続している。つまり、連接端部161は、ラック131の裏側に接合しているのである。伝動端部162は、対応位置決めブロック172を移動させ、凹点1721を弾性位置決め体171の嵌合から離脱させるのに用いられる。リセットデバイス16は、下部ラック部13に牽引される。本実施形態において、リセットデバイス16の伝動端部162は、フォーク状であり、上部ラック部12の干渉を防止し、上部ラック部12上の対応位置決めブロック172を移動させ、対応位置決めブロック172を弾性位置決め体171から解放する。リセットデバイス16も、下部ラック部13と一体成形されてもよい。
【0016】
弾性デバイス15は、上部ラック部12に外部から引かれる力が加わらない際、上部ラック部12と下部ラック部13の噛み合わせを保持するのに用いられる。本実施形態において、弾性デバイス15は、スプリングで、トーションスプリングが好適である。弾性デバイス15は、上部ラック部12の枢接部121内に配置され、枢接軸14により座体11内に枢着され、ドア21がドア固定座22上で開けられていない状態において、上部ラック部12のラック122および下部ラック部13のラック131は噛み合った状態を呈している。ラック122が引かれてラック131の噛み合わせから離脱すると、ドア21がドア固定座22上で自由に開くことができる。
【0017】
ドア21上の外側211および内側212に、それぞれドアノブ2111および制動部2121が設けられている。ドアノブ2111および制動部2121は、それぞれ牽引機構により上部ラック部12に接続されている。本実施形態において、第1の牽引線3、第2の牽引線4が牽引機構であるが、牽引棒、凸輪またはその他の押す力または引く力を伝達する機構でもよい。ドアノブ2111は、第1の牽引線3の固定端部31に接続している。第1の牽引線3のもう一方の連接端部32は、上部ラック部12に接続している。制動部2121は、第2の牽引線4の固定端部41に接続している。第2の牽引線4の連接端部42は、上部ラック部12に接続している。本実施形態において、ドアノブ2111は、従来の車両のドア外側の取っ手に相当するものであり、第1の牽引線3が余分に加えられている。また、制動部2121は、取っ手(車両のドア内側の取っ手)またはボタンでもよく、ドア内側のアームレストの近くに設けられ、車内の乗客または運転手がドアを開けるのに簡単に操作できる。
【0018】
本発明の第2の実施形態において、ドア安全制動装置1は、電磁制動装置(図示せず)をさらに設けることができる。第1の牽引線3の固定端部31は、ドアノブ2111に接続している以外に第1の電磁弁(図示せず)にも接続している。第1の電磁弁は、第1のボタンスイッチをドア21の外側211のドアノブ2111上またはドアノブ2111近くに設けている。第1のボタンスイッチを押すだけで第1の電磁弁に第1の牽引線3を引かせることができ、ユーザーが直接ドアノブ2111を開けたのと同じ効果がある。これ以外に、第2の牽引線4の固定端部41は、手動の制動部2121だけでなく、第2の電磁弁(図示せず)にも接続させることができる。第2の電磁弁は、第2のボタンスイッチをドア21の内側の取っ手上または取っ手近くに設けている。第2のボタンスイッチを押すだけで第2の電磁弁に第2の牽引線4を引かせることができ、ユーザーが直接制動部2121を開けたのと同じ効果がある。以上のように、本発明のドア安全制動装置1は、電動、手動、または電動プラス手動から選択でき、使用上の利便性を向上させることができる。
【0019】
図4A〜4E、
図5A〜5E、
図6A〜6Dを参照する。
図4Aは、ドア安全制動装置のドア外側のドアノブによりドアが開けられる動作の第1のステップを示す図である。
図4Bは、ドア安全制動装置のドア外側のドアノブによりドアが開けられる動作の第2のステップを示す図である。
図4Cは、ドア安全制動装置のドア外側のドアノブによりドアが開けられる動作の第3のステップを示す図である。
図4Dは、ドア安全制動装置のドア外側のドアノブによりドアが開けられる動作の第4のステップを示す図である。
図4Eは、ドア安全制動装置のドア外側のドアノブによりドアが開けられる動作の第5のステップを示す図である。
図5A〜5Eは、ドア安全制動装置のドアが外側から開けられる際の位置決めユニットの動作を示す局部図である。
図6A〜6Dは、ドア安全制動装置のドアが外側から開けられる動作を示す図である。
図4A〜4E、
図5A〜5E、
図6A〜6Dに示すように、
図4A〜4Eでは、本発明のドア安全制動装置1が車外からドアが開けられた際の動作を示している。つまり、外側211のドアノブ2111により第1の牽引線3を介してドア固定座22上でドア21を開ける動作を行なうことである。
【0020】
図4Aは、第1のステップである。ドア安全制動装置1は、スタート位置にあり、
図6で示す車体2のドア21が開けられていない状態(ドア角度θが0°)である。この時、位置決めユニット17の状態が
図5Aに示すように、対応位置決めブロック172が座体11に設けられた弾性位置決め体171に嵌合されていないため、上部ラック部12および下部ラック部13が相互に噛み合い、ドア21がドア固定座22上で閉まった状態である。
【0021】
図4Bは、第2のステップである。第1のステップの後続動作である。車両の外側からドアを開けるには、ドア21上のドアノブ2111を動かしてドアを開ける動作を行なう。これにより、ドアノブ2111が第1の牽引線3を引くと、第1の牽引線3が上部ラック部12を間接的に引き、ラック122をラック131の噛み合わせから離脱させる。この時、
図6Aに示すように、車体2のドア21はまだ開けられていない状態(ドア角度θが0度)で、位置決めユニット17が
図5Bに示すような状態である。対応位置決めブロック172が上部ラック部12により移動し、対応位置決めブロック172上の所定の凹点1721が弾性位置決め体171に嵌合されると、ドア21がドア固定座22上で自由に開く状態となり、ドアノブ2111を放してもドア21を開けることができる。
【0022】
図4Cは、第3のステップ3である。第2のステップの後続動作である。この時、ラック122がラック131の噛み合わせから離脱しており、
図6Bに示すように、ドア21の第1の角度θ1を開ける連続動作をスムーズに行なうことができる。この時、ドア安全制動装置1内の弾性位置決め体171の嵌合する対応位置決めブロック172が徐々にリセットデバイス16に向けて移動する。ドア21の開く第1の角度θ1は、20°〜50°が好適であり、この第1の角度θ1の範囲において、自由に車両内に乗り降りでき、ドアの開いた角度が大きすぎて近くを通る車または人の安全に危害を及ぼすことを避けることができる。
【0023】
下部ラック部13の第1の端部132がドア固定座22上に枢着されているため、ドア21が開けられ、座体11内でドアノブ2111が放されると、上部ラック部12がドア21の第1の方向9において移動を行なう。これと同時に、ラック122の頂端上の対応位置決めブロック172が座体11とともに第1の方向91に向かって移動を行なう。つまり、リセットデバイス16の伝動端部162方向に向かって移動するのである。
【0024】
図4Dは、第4のステップである。第3のステップの後続動作である。
図6Cに示すように、ドア21が第1の角度θ1まで開けられると、
図5Cおよび
図5Dのように、座体11内の対応位置決めブロック172が下部ラック部13の連動するリセットデバイス16に押されて、対応位置決めブロック172上の凹点1721が弾性位置決め体171の嵌合から離脱し、弾性デバイス15が弾性により上部ラック部12の位置決めを行ない、上部ラック部12のラック122が再び下部ラック部13のラック131と噛み合う。この時、ドア21が第1の角度θ1となり、ドア21がドア固定座22上に固定される。つまり、上部ラック部12のラック122がすでに下部ラック部13のラック131と再び噛み合っているため、ドアノブ2111を再び動かして開けないかぎり、ドア21はラック122およびラック131の噛み合わせによりさらに開けることができないのである(但し、ドア21を閉めることはできる)。これにより、予期せぬ外力によりドアの制御が失われ、開け続けられるのを防ぐことができる。
【0025】
図4Eは、第5のステップである。第4のステップの後続動作である。
図6Dに示すように、ドア21をさらに開ける場合、再度または継続してドアノブ2111を動かして第1の牽引線3を引き続ければ、ドア21をドア固定座22上において、第1の角度θ1より大きい第2の角度θ2にすることができる。つまり、ドア21の最適角度θTは、第1の角度θ1(20°〜50°)+第2の角度θ2であるが、ドア21の最適角度θTの好適な範囲は、20°〜90°である。
【0026】
ドアノブ2111が動かされることによりドアノブ2111が第1の牽引線3を引き続け、上部ラック部12を上方に向けて移動させ、ラック122を再びラック131の噛み合せから離脱させる。この時、
図5Eのように、対応位置決めブロック172がリセットデバイス16の伝動端部162に制限され、対応位置決めブロック172の凹点1721が弾性位置決め体171の嵌合から離脱するため、ドア21が第1の角度θ1からさらに大きい第2の角度θ2まで開くことができる。また、ドアノブ2111が放されると、弾性デバイス15が上部ラック部12および下部ラック部13を噛み合わせて固定し、ドア固定座22上にドア21を第2の角度θ2の範囲内で任意に固定することができる。
【0027】
図7A〜7D、
図8A〜8D、
図9A〜9Cを参照する。
図7Aは、ドア安全制動装置のドア内側の制動部によりドアが開けられる動作の第1のステップを示す図である。
図7Bは、ドア安全制動装置のドア内側の制動部によりドアが開けられる動作の第2のステップを示す図である。
図7Cは、ドア安全制動装置のドア内側の制動部によりドアが開けられる動作の第3のステップを示す図である。
図7Dは、ドア安全制動装置のドア内側の制動部によりドアが開けられる動作の第4のステップを示す図である。
図8A〜8Dは、ドア安全制動装置のドアが内側から開けられる際の位置決めユニットの動作を示す局部図である。
図9A〜9Cは、ドア安全制動装置のドアが内側から開けられる動作を示す図である。
図7A〜7D、
図8A〜8D、
図9A〜9Cに示すように、
図7A〜7Dでは、本発明のドア安全制動装置1が、車内からドアが開けられた際の動作を示している。つまり、ドア21の内側212に設けられた制動部2121が、第2の牽引線4を介してドア固定座22上でドア21を開ける動作である。
【0028】
図7Aは、第1のステップである。ドア安全制動装置1は、スタート位置にあり、
図9Aに示す車体2のドア21が開けられていない状態である。この時、位置決めユニット17の状態が
図8Aに示すように、上部ラック部12および下部ラック部13が相互に噛み合い、ドア21がドア固定座22上において、閉まった状態(ドア角度θが0度)である。
【0029】
図7Bは、第2のステップである。第1のステップの後続動作である。制動部2121の牽引する第2の牽引線4の移動距離が、制動部2121の牽引する第1の牽引線3より短いため、
図8Bに示すように、制動部2121が奥まで押されたとしても、対応位置決めブロック172上の凹点1721が座体11上の弾性位置決め体171に嵌合されることがない。そのため、制動部2121が押されると、上部ラック部12が下部ラック部13の噛み合せを離脱することができる。ただし、制動部2121が放されると、上部ラック部12が直ちに下降し、下部ラック部13上に噛み合う。この場合、車外からドアノブ2111を動かして開けて弾性位置決め体171を凹点1721に嵌合させるのと同様の位置決め効果があるわけではない。
【0030】
図7Cは、第3のステップである。第2のステップの後続動作である。制動部2121が押されている状態を前提として、車内からドア21がドア固定座22から外側に第3の角度θ3まで押し開けられると、
図8Cおよび9Bに示すように、制動部2121が引く第2の牽引線4の移動距離が短いため、上部ラック部12は、下部ラック部13に連動するリセットデバイス16の伝動端部162の影響を受けない。制動部2121を押し続けることで、ドア21をドア固定座22上で車体2の外側方向に、閉じた状態(ドア角度θが0度)から第3の角度θ3まで押し開けることができる。第3の角度θ3は、好適な範囲が20°〜90°である。つまり、
図6Dのドア21の最適な角度θTの範囲内であり、制動部2121が押されている状態を前提として、ドア21は、20°〜90°の任意の角度までスムーズに開けることができる。
【0031】
図7Dは、第4のステップである。第3のステップの後続動作である。制動部2121が解除されると、
図8Dおよび
図9Cに示すように、上部ラック部12が、弾性デバイス15が元に戻ることによりさらに下部ラック部13と噛み合い固定する。これにより、ドア21は、第3の角度θ3範囲内においてドア固定座22上で任意に位置決めが行なわれる。つまり、ドア21の内側212において、制動部2121が押し続けられると、第2の牽引線4が上部ラック部12を引き動かし、下部ラック部13との噛み合わせから離脱させる。これにより、ドア21とドア固定座22とは、自由に開けられる状態となり、制動部2121が解除されると、上部ラック部12が元に戻り、下部ラック部13と再び噛み合う状態となり、ドア21がドア固定座22上において、第3の角度θ3の位置上に固定される。
【0032】
以下は、本発明のその他の実施形態だが、大部分は上記の実施形態と同様であるため異なる部分のみ説明を加える。
【0033】
図10を参照する。
図10は、本発明の第3の実施形態によるドア安全制動装置を示す断面図である。
図10に示すように、ドア安全制動装置が
図1および
図2の実施形態と異なる部分は、ドア安全制動装置1aが第2の連動ユニット18および第1の連動ユニット19をさらに含むことにある。第2の連動ユニット18は、座体11上に配置されるが、だいたい上部ラック部12の枢接部121の上方に位置し、第2の牽引線4に接続している。第1の連動ユニット19は、座体11上に配置されるが、だいたい上部ラック部12のラック122の下方に位置し、第1の牽引線3に接続している。
【0034】
図10、
図11Aおよび
図11Bを参照する。
図11Aは、本発明の第2の連動ユニットを示す側面図である。
図11Bは、本発明の第2の連動ユニットを示す断面図である。
図10、
図11Aおよび
図11Bに示すように、第2の連動ユニット18は、第2の框体181、第2の連結棒182、第2の枢接軸183、第2のボルトユニット184および第2のスプリング185をさらに含む。第2の框体181は、框体である。第2の連結棒182は、中央に第2の連結棒枢接孔1821を設け、第2の枢接軸183により第2の框体181の第2の框体枢接孔1811内に枢着されている。また、第2の連結棒182は、第2の接触端部1822に第2のネジ穴18221を設け、第2のボルトユニット184を螺着固定している。
【0035】
第2の連結棒182は、第2の連動端部1823が第2のスプリング185の弾性により第2の框体181内に固定され、第2の框体181上の第2の穿孔1812により第2の牽引線4と相互に接続している。これにより、制動部2121が第2の牽引線4を引くと、第2の連動ユニット18が連動し、第2の連結棒182を介して第2のボルトユニット184を下方に押し込み、上部ラック部12の枢接部121上方の両側にそれぞれ上方に向かって延伸した第2の接触部123を下方に移動させ、上部ラック部12を枢接軸14を中心にしててこの原理で上部ラック部12のラック122を下部ラック部13のラック131から離脱させる。
【0036】
図10、
図12Aおよび
図12Bを参照する。
図12Aは、本発明の第1の連動ユニットを示す側面図である。
図12Bは、本発明の第1の連動ユニットを示す断面図である。
図10、
図12Aおよび
図12Bに示すように、本発明の第1の連動ユニット19は、第1の框体191、第1の連結棒192、第1の枢接軸193、第1のボルトユニット194および第1のスプリング195をさらに含む。第1の框体191は、框体である。第1の連結棒192は、中央に第1の連結棒枢接孔1921を設け、第1の枢接軸193により第1の框体191の第1の框体枢接孔1911内に枢着されている。また、第1の連結棒192は、第1の接触端部1922に第1のネジ穴を設け、第1のボルトユニット194を螺着固定している。
【0037】
第1の連結棒192は、第1の連動端部1923の側辺に第1の連動端部1923を垂直に延伸するように設けている。第1の連動端部1923は、第1のスプリング195により座体11の同一側辺上に垂直に延伸した固定片113上に弾性的に固定され、固定片113上の第1の穿孔1131により第1の牽引線3と相互に接続している。これにより、ドアノブ2111が第1の牽引線3を引くと、第1の連動ユニット19が連動し、第1の連結棒192を介して第1のボルトユニット194を上方に持ち上げ、上部ラック部12のラック122の両側にそれぞれ下方に向かって延伸した第1の接触部124を上方に移動させ、上部ラック部12を枢接軸14を中心にしててこの原理で上部ラック部12のラック122を下部ラック部13のラック131から離脱させる。
【0038】
上記の第2のボルトユニット184および第1のボルトユニット194は、ボルトおよびナットを用いてそれぞれ第2の接触端部1822および第1の接触端部1922上での接触距離の微調整を行い、さらに制動部2121およびドアノブ2111の位置により第2の牽引線4および第1の牽引線3移動距離を好適になるように調整することができる。
【0039】
図13を参照する。
図13は、本発明の第4の実施形態によるドア安全制動装置を示す断面図である。
図13に示すように、単方向ロック機構は、中空のシリンダー110をさらに含む。シリンダー110は、座体11上に固定され、シリンダー110上でロックデバイス12bに対応する位置に通気孔1101が設けられている。ロックデバイス12bは、枢接部121b、第2の接触部123、第1の接触部124および球体122bを含む。ロックデバイス12bは、枢接軸14により座体11内に枢着されている。球体122bは、通気孔1101にちょうど対応する位置に設けられている。本実施形態において、球体122bは、ゴムボールなど通気孔1101を塞ぎ、空気漏れを起こさないものである。連結デバイスは、ピストン連結部13bである。ピストン連結部13bは、球体122bの近くの端にピストン131bを設けている。ロックデバイス12bは、第1の牽引線3または第2の牽引線4に連動され、閉鎖位置と離脱位置との間で切り替えが行なわれる。球体122bは、弾性デバイス15の弾力によりシリンダー110の通気孔1101上を塞ぎ続けているため、ロックデバイス12bは、閉鎖位置に位置している。この時、ドア21を開けようとすると、ロックデバイス12bが座体11およびシリンダー110とともに第1の方向91に向けて移動を行なおうとする。そうすると、シリンダー110内部が真空に近い状態を呈し、球体122bが通気孔1101上にしっかり吸い付いてドア21が開かなくなる。これとは反対に、ドア21を閉めようとした場合、ロックデバイス12bが座体11およびシリンダー110とともに第2の方向92に向けて移動を行なおうとする。そうすると、シリンダー110内部で気圧が高まり、球体122bが通気孔1101から離脱し、ドア21がスムーズに閉まることができる。以上が提供される単方向ロック機構である。この他に、ロックデバイス12bが第1の牽引線3または第2の牽引線4に連動されると、球体122bが上方に上がり、通気孔1101から離脱してロックデバイス12bが離脱位置に切り替わる。つまり、通気孔1101が開き、ドア21の開け閉めがスムーズに行なわれるのである。
【0040】
再度、
図13を参照する。
図13に示すように、本発明の第4の実施形態によるドア安全制動装置1bは、ピストン連結部13bの第1の端部132(
図13のHで示された範囲)にニュートラル機構をさらに設けている。ニュートラル機構は、ドア21が開けられた際に、所定の短い距離内で単方向ロック機構が機能しないという単方向ロック機構に供された機能である。ドア21が所定の短い距離より多く開けられると、ピストン連結部13bが連動され、シリンダー110内部が真空に近い状態を呈し、球体122bを通気孔1101上にしっかり吸い付けさせてドア21が開かなくなる単方向ロック機構が機能する。
図16Aおよび
図16Bを参照する。
図16Aは、ドア安全制動装置のニュートラル機構を示す側面図である。
図16Bは、ドア安全制動装置のニュートラル機構を示す正面図である。
図16Aおよび
図16Bに示すように、ニュートラル機構は、
図13上のドア安全制動装置1b中の範囲Hで示された部分である。ニュートラル機構は、ピストン連結部13bの第1の端部132に固定フォーク136および連結ボルト137を設けている。固定フォーク136は、一体成形された固定板1361およびC型の連結フレーム1363を有する。固定板1361上に固定孔1362が設けられ、ドア固定座22上に固定するのに用いられる。連結フレーム1363に細長く延伸した溝1364が設けられている。連結ボルト137は、溝1364内に配置され、ピストン連結部13bの第1の端部132を貫通して固定されている。これにより、連結ボルト137は、固定された第1の端部132とともに、溝1364に沿って溝1364の長さ範囲において固定フォーク136に対して線上に移動を行なう。本発明の単方向ロック機構は、ドア21が開けられると、第1の端部132上に固定された連結ボルト137が、溝1364内で左から右に移動を行い、溝1364の長さ範囲においてドア21が自由に開けられ、単方向ロック機構が作動しない。ドア21が開け続けられ、連結ボルト137が溝1364の右端までスライドして止まると、さらにドア21を開けようとしても、ピストン連結部13bが固定フォーク136に連動してシリンダー110内部が真空に近い状態を呈し、球体122bを通気孔1101上にしっかり吸い付けさせ(
図13参照)、ドア21が開かなくなる単方向ロック機構が機能する。再び
図1および
図2を参照する。
図1および
図2に示された下部ラック部13および12上部ラック部は、下部ラック部13のラック131において、左端の歯の部分をいくつか少なくすることにより、ドア21が開けられた際、上部ラック部12のラック122の位置にラック131の歯が噛み合わなく、開け続けることによりラック131の歯と噛み合い、前述の単方向ロック機構と同様の機能が得られる。
【0041】
図14を参照する。
図14は、本発明の第5の実施形態によるドア安全制動装置を示す断面図である。
図14に示すように、本実施形態の単方向ロック機構は、ロックデバイス12cおよび連結デバイスを同様に含む。連結デバイスは、下部ラック部13である。ロックデバイス12cは、枢接部121c、揺動体122c、第1の接触部124および第2の接触部123を含む。枢接部121cは、枢接軸14により限定的に枢動する。本実施形態が
図10で示された第3の実施形態と異なる部分を説明する。揺動体122cは、直立した長いブロック状であり、枢接部121cとは分離した独立した部材である。揺動体122cは、中央が座体11上に枢着され、時計回りまたは反時計回りに適度に揺動する。揺動体122cの上半分の左側に、揺動体122cの上半分を押さえるリセットユニット1221が設けられている。リセットユニット1221は、例えば、内縮するスプリングである。リセットユニット1221は、枢接部121cの有する凹点1721の端とそれぞれ揺動体122cの上半分の左右両側に隣接し、揺動体122cが外部の力を受けていない時は、直立状態を呈し、揺動体122cの下端が下部ラック部13の歯に噛み合っている。ロックデバイス12cは、第1の牽引線3または第2の牽引線4の連動により閉鎖位置と離脱位置との間で切り替わる。
【0042】
第1の牽引線3または第2の牽引線4が引かれていない時、つまり外部の力が加わっていない時、ロックデバイス12cは、閉鎖位置に位置している。この時、揺動体122cの上半分の右側が枢接部121cの有する凹点1721に端に支持されている。そのため、ドア21が開けられる際には、ロックデバイス12cが座体11および揺動体122cとともに第1の方向91に向かって移動しようとする趨勢がある。そうすると、揺動体122cの下端が下部ラック部13の歯の力を受け、時計回りに揺動しようとする。しかし、これと同時に揺動体122cの上端が右側が枢接部121cの有する凹点1721に端に支持されているため、時計回りに揺動することができず、ドア21が開けられないのである。反対に、ドア21が閉められる際には、ロックデバイス12cが座体11および揺動体122cとともに第2の方向92に向かって移動しようとする趨勢がある。そうすると、揺動体122cの下端が下部ラック部13の歯の力を受け、反時計回りに揺動しようとする。しかし、これと同時に揺動体122cの上端が左側がリセットユニット1221を圧迫して内縮させ、揺動体122cが反時計回りに揺動体122cの下端が下部ラック部13と噛み合わなくなるまでスムーズに揺動し、ドア21が閉められる。以上のように、単方向ロック機構が用いられる。
【0043】
第1の牽引線3または第2の牽引線4のどちらかが引かれると、ロックデバイス12cは、第1の牽引線3または第2の牽引線4に連動して離脱位置に切り替わる。つまり、第1の牽引線3(または第2の牽引線4)が引かれると、ロックデバイス12cの枢接部121cが第1の連動ユニット19(または第2の連動ユニット18)に連動され、枢接軸14を軸として時計回りに適度に揺動する。これにより、枢接部121cの有する凹点1721の端が持ち上げられ、揺動体122cの上半分の右側を支持することができない。このようにして、ドア21がスムーズに開閉が行なわれ、単方向ロック機構は作動しない。
【0044】
図15を参照する。
図15は、本発明の第6の実施形態によるドア安全制動装置を示す断面図である。
図15に示すように、本実施形態の単方向ロック機構は、ロックデバイスロックデバイス12dおよび連結デバイスを同様に含む。連結デバイスは、下部ラック部13である。ロックデバイス12dは、枢接部121d、揺動体122d、第1の接触部124および第2の接触部123を含む。枢接部121dは、枢接軸14により限定的に枢動する。本実施形態が
図14で示された第5の実施形態と異なる部分を説明する。本実施形態において、揺動体122dの下端と下部ラック部13との間に歯車1220がさらに設けられている。揺動体122dの下端が歯車1220上に噛み合い、歯車1220の下端も下部ラック部13に噛み合っている。揺動体122dは、中央が座体11上に枢着され、時計回りまたは反時計回りに適度に揺動する。揺動体122dの上半分の左側に、揺動体122dの上半分を押さえるリセットユニット1221が設けられている。リセットユニット1221は、例えば、内縮するスプリングである。揺動体122dの上半分の左側が枢接部121dの有する凹点1721の端に支持されている。以上の構造により、ロックデバイス12dは、第1の牽引線3または第2の牽引線4の連動により閉鎖位置と離脱位置との間に切り替わる。本実施形態の上記以外のデバイスおよび原理は、
図14に示す第5の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0045】
図2を参照する。
図2で示すドア安全制動装置1は、単方向ロック機構に隣接した上部ラック部12の末端126に解除機構50をさらに有する(
図2の範囲Iで示された部分)。解除機構50は、単方向ロック機構の単方向ロックを解除するのに用いられ、ドア21がいかなる角度で開けられても単方向ロックの制限を受けることがない。
図17を参照する。
図17は、本発明のドア安全制動装置の解除機構を示す断面図である。
図17に示すように、本実施形態の単方向ロック機構1は、解除機構50を含む。解除機構50は、
図2中の範囲Iで示す部分に配置され、第1の解除スイッチ51および第2の解除スイッチ52を有する。第1の解除スイッチ51は、底端511が上部ラック部12の末端126に接触し、片側がくぼみ512を設けている。また、第1の解除スイッチ51は、第1の解除スイッチ51の底端511が上部ラック部12の末端126から上方に向かって離れる勢いを与える弾力を提供するスプリング513を設けている。第2の解除スイッチ52は、末端521が第1の解除スイッチ51の片側に接触している。また、第1の解除スイッチ51は、第2の解除スイッチ52の末端521が第1の解除スイッチ51の片側を支持する勢いを与える弾力を提供するスプリング522を設けている。解除機構50は、解除位置と非解除位置との間で切り替えが行なわれる。解除機構50が非解除位置に位置した際、第2の解除スイッチ52の末端521が、第1の解除スイッチ51の片側でくぼみ512より低い位置に接触すると、第1の解除スイッチ51の底端511がスプリング513の弾力で上方に移動し、上部ラック部12の末端126から離れ、上部ラック部12のラック122が下降して下部ラック部13のラック131に噛み合い、単方向ロック機構が機能する。解除機構50を解除位置に切り替えて単方向ロック機構を解除する場合、第1の解除スイッチ51を下方に押しさえすれば、第1の解除スイッチ51の底端511が下降して上部ラック部12の末端126を圧迫する。すると、くぼみ512の位置も下降し、第2の解除スイッチ52の末端521の高さまで移動して末端521がスプリング522の弾力によりくぼみ512内に嵌合し、底端511が末端126を圧迫するのを保持できる。上部ラック部12の末端126およびラック122は、それぞれ枢接部121の両側に位置し、一種のシーソー構造を形成している。そのため、底端511が下降して末端126を圧迫すると、ラック122が上昇してラック131と噛み合わなくなる。そうすると、ドア21は、どのような角度で開けられても、単方向ロック機構の制限を受けず、単方向ロック機構の単方向ロック機能が解除が解除される。ここで注意が必要なのは、解除機構50が解除位置に切り替えられた時に、ラック122が上昇した高さがリセットデバイス16の伝動端部162より低くなければならない。そうすると、ドア21が大きな角度で開けられても、リセットデバイス16の伝動端部162がラック122先端の対応位置決めブロック172を押さえ込み、ラック122を下降させるのを防ぐことができる。解除機構50を解除位置から非解除位置に切り替える場合、第2の解除スイッチ52を引くだけで末端521をくぼみ512から離脱させることができる。そうすると、第1の解除スイッチ51の底端511がスプリング513の弾性で上昇し、末端126を圧迫することもない。当然、直接第1の解除スイッチ51を上方に引き上げて末端521をくぼみ512から離脱させて解除機構50を解除位置から非解除位置に切り替えてもよい。
【0046】
図2を参照する。
図2で示すドア安全制動装置1は、緊急解除構造をさらに有する。ラック122およびラック131上の歯の独特な構造により緊急事態が発生した際でも、第1の牽引線3または第2の牽引線4を使わずに力を込めてドア21を大きな角度(第1の角度θ1より大きいが、60°以上に限定しない)で開けることができる。
図18を参照する。
図18は、本発明のドア安全制動装置の緊急解除構造の歯形を示す側面図である。
図18に示すように、本発明の上部ラック部12のラック122上に少なくとも一つの歯1225が設けられている。下部ラック部13のラック131上にラック122の歯1225の歯形と相互に対応する複数の歯1315が設けられている。ラック122およびラック131は、運動方向9と垂直な法線方向Nを画定している。本実施形態の単方向ロック機構は、ドア21が閉まる方向、つまり、位置決め点112が第2の方向92にラック131に対して移動する時、ラック122の歯1225がラック131上に設けられて複数の歯1315をスムーズに離脱しなければならない。そのため、ラック122の歯1225が第2の方向92側の離脱歯面12251が、大きい傾斜角θaを有する必要がある。本実施形態のラック122の歯1225の離脱歯面12251の法線方向Nとの間の傾斜角θaの角度は、45°〜87°であるのが好適である。また、ドア21の開く方向で単方向ロック機構を機能させるには、ラック122の歯1225の第1の方向91側の噛み合い歯面12252の法線方向Nとの間の傾斜角θaの角度は、5°〜30°であるのが好適である。ラック122の歯1225がラック131の歯1315に噛み合った状態で第1の方向91に向けて移動すると、ラック122の歯1225とラック131の歯1315の接触する噛み合い歯面12252の傾斜角θbが30°より小さいため、十分に大きな力でドア21が風や重力で開く(つまり、ラック122の歯1225がラック131の歯1315から離脱すること)のを防ぐことができる。しかし、傾斜角θbの最大角度が5°以上であるため、緊急事態が発生した場合、第1の牽引線3または第2の牽引線4により単方向ロック機構を解除することができないが、力を入れたり、工具を用いたりすることにより、ラック122の歯1225が第1の方向91に向けて移動する際、噛み合い歯面12252上で発生する上向きの分力を弾性デバイス15の弾力より大きくすると、ラック122の12225が上向きに移動してラック131の歯1315を離脱し、緊急事態でもドア21を開けることができる。
【0047】
上記のように、本発明のドア安全制動装置1は、車体2上に設けられ、ドア21の211および内側212の側にそれぞれ設けられたドアノブ2111および制動部2121を用い、第1の牽引線3および第2の牽引線4により上部ラック部12を引き、下部ラック部13の噛み合いから離脱させることにより、ドア21をドア固定座22上で自由に開けることができる。
【0048】
車体2外部からドアノブ2111を使ってドア21を開ける際には、開ける瞬間に位置決めユニット17を介して上部ラック部12を引き、所定の位置決め点112に固定することにより、上部ラック部12を下部ラック部13の噛み合いから離脱させる。ドア21が所定の第1の角度θ1まで開くと、リセットデバイス16の連動により上部ラック部12が位置決め点112から離脱し、弾性デバイス15により上部ラック部12および下部ラック部13が噛み合い、ドア21がドア固定座22上に固定される。ドア21をスタート位置(ドア角度θ0°)まで閉める際、上部ラック部12と下部ラック部13との間の噛みあわせによりドア21を直接押したり閉めたりしてドア21上で閉めることができる。また、ドア21は、ドアノブ2111を介して第1の牽引線3を引いてドア21をドア固定座22上で第1の角度θ1より大きい第2の角度θ2まで開けることができる。
【0049】
ドア21の内側212に設けられた制動部2121により第2の牽引線4を介してドア21が開けられると、制動部2121が引く第2の牽引線4の移動距離が、ドアノブ2111の引く第1の牽引線3より短いため、制動部2121を押しても上部ラック部12が位置決めユニット17により固定されることがない。つまり、対応位置決めブロック172上の凹点1721が弾性位置決め体171の嵌合により位置決めが行なわれることがないのである。そのため、制動部2121を押し続けると、上部ラック部12が弾性デバイス15により下部ラック部13との噛み合いが回復し、間接的にドア21がドア固定座22上で第3の角度θ3で固定される。
【0050】
本発明では好適な実施形態を前述の通りに開示したが、これらは決して本発明を限定するものではなく、当該技術を熟知する者は誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の保護の範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。