特許第5943961号(P5943961)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビージーシー パートナーズ インコーポレイテッドの特許一覧

特許5943961取引可能証券の利用可能性を決定するシステム
<>
  • 特許5943961-取引可能証券の利用可能性を決定するシステム 図000002
  • 特許5943961-取引可能証券の利用可能性を決定するシステム 図000003
  • 特許5943961-取引可能証券の利用可能性を決定するシステム 図000004
  • 特許5943961-取引可能証券の利用可能性を決定するシステム 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5943961
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】取引可能証券の利用可能性を決定するシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20160621BHJP
【FI】
   G06Q40/04 100
【請求項の数】2
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-99088(P2014-99088)
(22)【出願日】2014年5月12日
(62)【分割の表示】特願2012-192646(P2012-192646)の分割
【原出願日】2006年5月19日
(65)【公開番号】特開2014-142972(P2014-142972A)
(43)【公開日】2014年8月7日
【審査請求日】2014年5月13日
(31)【優先権主張番号】11/133,746
(32)【優先日】2005年5月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】309032751
【氏名又は名称】ビージーシー パートナーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィス,ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】エクレストン,ダン
(72)【発明者】
【氏名】スウィーティング,マイケル
【審査官】 田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−505794(JP,A)
【文献】 特表2004−535007(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0069830(US,A1)
【文献】 特開2004−206470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
証券を取引するための装置であって、
プロセッサ命令を記憶するメモリと、
前記メモリに電子的に接続される少なくとも1つのプロセッサと、を含み、
前記プロセッサ命令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行される際、前記少なくとも1つのプロセッサに対し、
第1の証券に係る複数の注文のためのマーケット情報を受け取り、
前記マーケット情報は、
前記第1の証券の売り要求である1つ以上の売り注文に関する情報を含み、各売り注文の情報は、売りに出ている前記第1の証券の売り量を含み、
前記第1の証券の買い要求である1つ以上の買い注文に関する情報を含み、各買い注文の情報は、買い要求があった前記第1の証券の買い量を含み、
前記マーケット情報は更に、利用可能性に関する表示を含み、当該表示は、前記要求の各々が取引の一部であるか否かを示し、
前記利用可能性に関する表示に基づいて、前記売り要求のうちの1つ以上が取引の一部でないことを決定し、当該決定に基づいて、前記第1の証券の利用可能な売り量を決定し、
前記利用可能性に関する表示に基づいて、前記売り要求のうちの1つが取引の一部であることを決定し、当該決定に基づいて、前記第1の証券の利用不可能な売り量を決定し、
前記買い要求のうちの1つにより特定される買い量を決定し、
前記第1の証券の前記利用不可能な売り量と、前記決定された買い量との差に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の証券の一時的に利用不可能な売り量であって、再び利用可能になり得る売り量を計算し、
前記第1の証券の前記利用可能な売り量と、前記第1の証券の一時的に利用不可能な売り量の少なくとも一部との和に、少なくとも部分的に基づいて、前記第1の証券の仮想的に利用可能な売り量を計算し、
前記第1の証券の買い量の買い要求である買い注文を送信し、当該送信された買い注文の当該買い量は、前記仮想的に利用可能な売り量に少なくとも部分的に基づき、
第2の証券の売り量の売り要求である売り注文を送信し、当該第2の証券の当該売り量は、前記仮想的に利用可能な売り量に少なくとも部分的に基づく、
よう実行させる、
装置。
【請求項2】
証券を取引するための装置であって、
プロセッサ命令を記憶するメモリと、
前記メモリに電子的に接続される少なくとも1つのプロセッサと、を含み、
前記プロセッサ命令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行される際、前記少なくとも1つのプロセッサに対し、
第1の証券に係る複数の注文のためのマーケット情報を受け取り、
前記マーケット情報は、
前記第1の証券の売り要求である1つ以上の売り注文に関する情報を含み、各売り注文の情報は、売りに出ている前記第1の証券の売り量を含み、
前記第1の証券の買い要求である1つ以上の買い注文に関する情報を含み、各買い注文の情報は、買い要求があった前記第1の証券の買い量を含み、
前記マーケット情報は更に、利用可能性に関する表示を含み、当該表示は、前記要求の各々が取引の一部であるか否かを示し、
前記利用可能性に関する表示に基づいて、前記買い要求のうちの1つ以上が取引の一部でないことを決定し、当該決定に基づいて、前記第1の証券の利用可能な買い量を決定し、
前記利用可能性に関する表示に基づいて、前記買い要求のうちの1つが取引の一部であることを決定し、当該決定に基づいて、前記第1の証券の利用不可能な買い量を決定し、
前記売り要求のうちの1つにより特定される売り量を決定し、
前記第1の証券の前記利用不可能な買い量と、前記決定された売り量との差に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の証券の一時的に利用不可能な買い量であって、再び利用可能になり得る買い量を計算し、
前記第1の証券の前記利用可能な買い量と、前記第1の証券の一時的に利用不可能な買い量の少なくとも一部との和に、少なくとも部分的に基づいて、前記第1の証券の仮想的に利用可能な買い量を計算し、
前記第1の証券の売り量の売り要求である売り注文を送信し、当該送信された売り注文の当該売り量は、前記仮想的に利用可能な買い量に少なくとも部分的に基づき、
第2の証券の買い量の買い要求である買い注文を送信し、当該第2の証券の当該買い量は、前記仮想的に利用可能な買い量に少なくとも部分的に基づく、
よう実行させる、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に金融商品の取引システムの分野に関し、及びより詳細には、取引に利用可能な金融商品の量を決定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
巨大な利益の可能性を有する投資は、しばしばいくつかのリスク要素を有する。多くの技術がこのような投資と関連付けられたリスクに対し、又は当該リスクを管理するためにヘッジを用いる。このようなリスクを低減する技術の1つは、投資の多様化による。理論的には、投資の多様化は、複数の独立したリスクの原因にかかる起こり得る損失をスプレッドすることにより、特定の取引と関連付けられたリスクを低減する平均化の法則に頼る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
結果として、スプレッド取引は、2以上の取引可能証券の値を組み合わせることにより証券の多様化を提供し、起こり得る損失のリスクを制限する有用なツールを有する。従って、金融市場が高機能になるにつれ、スプレッドの使用は一般的になり、結果として効率的且つ有利にスプレッドを実行する技術が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
スプレッドの実行と関連し、例えば、特にスプレッドが大量の原証券を有する場合、特定の原証券が得られる価格を正確に決定することは困難である。収益性を最大化するため、値付け業者が第2の証券を有する第2の取引を特定の価格で完了可能であると保証できない場合、値付け業者は、第1の証券を有する取引を別の特定の価格で実行しないことを選択して良い。
【0005】
結果として市場参加者は、利用可能な不完全な市場情報に保守的に応答することを選択し、取引の原証券の特定の価格の利用可能性に関する不正確な情報に基づき特定の取引を不必要に終了し得る。或いは、積極的に応答する参加者は、自身で、他の証券の利用可能性に関する誤った予測に基づき特定の証券を有する取引を終了し得、結果として当該参加者は損失を生じてしまう。従って、市場の種々の価格水準で証券の利用可能性を正確に予測する能力は、スプレッドを実行する市場参加者の収益性を向上する。本発明によると、投資取引システムと関連付けられた上述の不利点及び問題は、実質的に低減されるか又は除去される。特に、取引可能証券の事実上利用可能量に基づき取引を開始するシステム及び方法が提供される。
【0006】
本発明のある実施例によると、取引システムは取引プラットフォーム及び複数のインターフェースを有する。取引プラットフォームは、売り注文及び買い注文を実行する。インターフェースは、売り注文及び買い注文を取引プラットフォームへ送信する。少なくとも1つのインターフェースはまた、現在購入に利用可能な第1の証券の量を表す第1の証券の利用可能売り量を決定する。インターフェースはまた、第1の取引と関連付けられた売り注文により指定された第1の証券の量を表す第1の証券の利用不可能売り量を決定する。インターフェースはまた、第1の取引と関連付けられた買い注文により指定された買い量を決定し、及び第1の証券の利用不可能売り量と買い量との差に基づき第1の証券の一時的利用不可能売り量を計算する。更に、インターフェースは、第1の証券の利用可能売り量の合計及び一時的利用不可能売り量の少なくとも一部に基づき第2の証券の量を計算する。
【0007】
本発明のある実施例の技術的利点は、金融商品の金融市場内の金融商品の利用可能性のより正確な評価を提供することを含む。ある実施例の他の技術的利点は、証券の利用可能性のより正確な評価に基づき特定の証券を有する取引を開始及び終了し、並びに当該評価に基づき他の証券を有する取引を値付けする能力を有する。本発明の他の技術的利点は、以下の図面、説明、及び請求項から当業者に直ちに明らかである。更に、特定の利点が以上に列挙されたが、種々の実施例は、列挙された利点の何れも有さないか、又は一部若しくは全てを有して良い。
【0008】
本発明及びその利点のより完全な理解のため、添付の図と共に以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】取引可能証券の注文を実行可能な取引システムを示すブロック図である。
図2図1に示された取引システムの特定の実施例の動作例を示す。
図3】例である取引を完了する取引システムの特定の実施例の動作を詳細に説明するフローチャートである。
図4】別の例である取引を完了する取引システムの特定の実施例の動作を詳細に説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の特定の実施例による取引システム10を示す。示された実施例では、取引システム10は取引プラットフォーム12を有する。取引プラットフォーム12は、売り注文106及び買い注文107を参加者24から参加者インターフェース34を介し受信可能であり、及び当該注文106及び107に基づき原証券114を有する原市場104で取引を実行可能である。特定の実施例では、参加者インターフェース34は、特定の技術を利用し、当該原市場104内の原証券114の利用可能性を決定し、参加者24が参加者24により実行されたスプレッドに含まれる特定の原証券114を最適価格で得ることを可能にする。これらの技術はまた、参加者24がこれらの取引と関連した決定を行う際、より正確な情報を利用することを可能にするので、取引の効率を向上する。以下の記載は、説明を目的として、特定の方法で構成された特定の要素を有する取引システム10の特定の実施例に焦点を当てているが、本発明は如何なる適切な方法で構成された如何なる適切な構成要素を用い記載された機能を提供可能な如何なる取引システムを有しても良い。
【0011】
取引プラットフォーム12は、特定の原市場104で利用可能な原証券114を有する取引の注文106及び107を参加者24から受信し、及び当該注文106及び107により指定又は記述された取引を実行する。例えば、取引プラットフォーム12は、特定の証券取引所により動作されるサーバーを表して良い。証券取引所では、原証券114a−cの全てが取引される。また取引プラットフォーム12は、如何なる市場104a−cで取引を実行可能であって良い。示された実施例では、取引システム10は複数の原市場104と関連付けられた単一の取引プラットフォーム12を有するが、取引システム10の別の実施例は、それぞれ1又は複数の原市場104と関連付けられた複数の取引プラットフォーム12を有して良い。
【0012】
更に、以下の説明及び請求項の目的として、取引プラットフォーム12は、取引を完了するために必要な段階を直接に実行することにより、及び/又は取引の完了を実現するために他の適切な構成要素又は団体と通信することにより、取引を実行して良い。例として、特定の実施例では、取引プラットフォーム12は1又は複数の参加者24の口座を維持して良く、及び当該参加者24から受信した注文106及び107に応じて当該口座を調整して良い。ある実施例では、取引システム10は複数の取引市場に渡り及び複数の取引サーバー12を有し、各取引サーバー12は取引サーバー12と関連付けられた市場で取引する参加者24の口座を維持して良い。或いは、取引プラットフォーム12は、受信した注文106及び107と関連付けられた情報を、1又は複数の特定の市場と関連付けられたアカウント・サーバー(明示的に示されない)のような、参加者24の口座を維持する市場取引システム10の他の構成要素へ伝達して良い。
【0013】
取引プラットフォーム12はまた、利用可能な価格及び量を指定する市場情報108、及び/又は原市場104の現在の状態を記述する他の関連情報を維持して良い。取引プラットフォーム12は、証券114の買い及び売りに関した決定を行う際に参加者により用いられるよう、この情報を参加者24へ提供して良い。示された実施例では、参加者24は参加者インターフェース34を用い取引プラットフォーム12と相互作用する。
【0014】
取引プラットフォーム12は、記載された機能を提供に適したソフトウェア及び/又はハードウェアの如何なる組み合わせを表しても良い。例として、取引プラットフォーム12は、インターネットのようなコンピューター・ネットワークで動作するサーバーを表して良く、参加者インターフェース34はこのコンピューター・ネットワークと結合されたパーソナル・コンピューター(PC)を表して良い。このような環境では、取引プラットフォーム12は注文106及び107を電子メール、ハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル(HTTP)のリクエスト、及び/又は如何なる他の適切な電子通信形式で受信可能であって良い。別の例として、取引プラットフォーム12は、参加者24と電話通信セッションを開始可能であり及び注文106及び107を当該電話通信セッションの一部として受信可能な自動電話着信分配(ACD)システムを表して良い。図1に示される実施例では、取引プラットフォーム12は、プロセッサー16及びメモリー18を有する。この記載は説明を目的として、取引プラットフォーム12が単一の統合型構成要素を表す取引システム10の実施例に焦点を当てるが、別の実施例では、取引プラットフォーム12は物理的に互いに分離された複数の分散型構成要素を表して良い。取引プラットフォーム12の例である実施例の内容及び動作は、図2を参照して以下に詳細に記載される。
【0015】
更に、以下の記載は取引プラットフォーム12が注文106及び107を受信し当該注文に応じて自動的に取引を実行する取引システム10の実施例に焦点を当てるが、当該処理の一部は、特定の実施例では手動で実行されて良い。例えば、参加者24は、取引プラットフォーム12と関連付けられたオペレーターへ電話を掛け、そして当該オペレーターに注文106を口頭で伝達することにより注文106を開始して良い。オペレーターは次に、手動で注文106を取引プラットフォーム12へ入力して良い。一般に、取引プラットフォーム12は、原証券114と関連付けられた買い注文107及び売り注文106を、取引プラットフォーム12の機能及び取引システム10の構成に基づく如何なる適切な方法で、受信、処理、及び実行して良い。
【0016】
参加者インターフェース34は、取引プラットフォーム12と参加者24との間の相互作用を実現する。参加者インターフェース34は、市場情報108を取引プラットフォーム12及び/又は原市場104と関連付けられた他の構成要素から受信し、及び当該情報を参加者24へ伝達する。更に、参加者インターフェース34は注文106及び107と関連付けられた参加者24から入力を受信し、注文106及び107を取引プラットフォーム12及び/又は取引システム10の他の構成要素へ実行のために送信する。図1は、特定の動作が実行され及び/又は特定の機能が参加者24若しくは参加者インターフェース34により提供される取引システム10の特定の実施例を示すが、記載された動作及び機能は、参加者24と参加者インターフェース34との間で如何なる適切な方法で分割されても良い。結果として、特定の実施例では、参加者24は取引システム10に不在であって良く、以下の記載では代わりに完全に自動化された参加者インターフェース34が、参加者24により完了される如何なる動作も実行して良い。
【0017】
参加者インターフェース34は、複数の、ハードウェア及び/又はソフトウェアの如何なる適切な組み合わせを表して良く、物理的に別個の構成要素を含み、参加者24により設定された注文106及び107を受け付け及び送信する。例として、参加者インターフェース34は、市場情報108を取引プラットフォーム12から受信可能であり及び市場情報108を参加者24に表示可能なパーソナル・コンピューター(PC)を表して良い。これらのPCはまた、参加者24により入力された注文106及び107を受け付け可能であり及び注文106及び107を取引プラットフォーム12へ送信可能であって良い。更に、図1に説明を目的として取引プラットフォーム12をネットワーク14を通じ結合するとして示したが、参加者インターフェース34は、取引プラットフォーム12と部分的に又は完全にネットワーク14と独立に通信して良い。従って、別の例として、参加者インターフェース34は、市場情報108を受信し及び参加者24に表示するテレビジョンを表して良く、及び参加者インターフェース34を通じた電話は、注文106及び107を取引プラットフォーム12又は取引プラットフォーム12のオペレーターへ伝達して良い。
【0018】
原証券114は、例えば(株式又は債権のような)証券、オプション、先物契約、通貨、又は商品、及びインデックス・ファンド、セクター・ファンド、又はサブセクター・ファンドのような取引可能なファンドのような如何なる金融商品を有しても良い。原市場104は、原証券114を取引する市場を表す。原市場104の任意の2つは、複数の異なる種類の原証券114が取引され得る株式又は商品取引のような共同市場を表して良い。更に、特定の実施例では、1又は複数の原証券114は、特定の原市場104で発行された及び/又は取引されるスプレッド証券を表して良い。スプレッド証券の値は、1又は複数の他の原証券114の値に基づく。
【0019】
スプレッド注文130は、特定の参加者24が実行を試みているスプレッドを記述する情報を有する。この記述を目的として、スプレッドは原証券114の取引の如何なる適切な組み合わせを表して良い。例として、スプレッドを実行する段階は、第1の原証券114で買い持ちポジション、及び第2の原証券114で売り持ちポジションを得る段階、を有して良い。特定のスプレッドは、如何なる適切な数の原証券114を如何なる適切な比率で有しても良い。スプレッド注文130は、要求されたスプレッド、価格、及び/又は当該原証券114が得られる価格差、及び/又は要求されたスプレッドを完了するために参加者インターフェース34により用いられて良い如何なる他の適切な情報を有しても良い。スプレッド注文130は、(例えば、参加者24がスプレッド注文130をキーボード又は他の適切なインターフェースを用い手動で入力することにより)参加者24により及び/又は通信システム10内の他の装置により参加者インターフェース34へ送信される。
【0020】
参加者24は、原市場104の原証券114を売買する。参加者24は、如何なる適切なトレーダー、投資家、投機家、仲介者、又は如何なるトレーダー、投資家、投機家、及び/又は仲介者の組み合わせを有する会社、又は参加者24の利益のために原証券114の売買に適した如何なる他の団体、又は他の第三者を表して良い。示された実施例では参加者24cのみがスプレッドを実行するとして示されたが、如何なる又は全ての参加者24がスプレッドを実行可能であって良く、及び/又は原証券114の利用可能性を決定する記載された技術を用いて良い。
【0021】
動作中、参加者24及び/又は参加者インターフェース34は、取引プラットフォーム12により実行されるべき買い注文107及び売り注文106を生成する。参加者インターフェース34は次に、当該注文106及び107を取引プラットフォーム12へ実行されるよう送信する。例えば、特定の実施例では、参加者インターフェース34は、1又は複数の原証券114の特定量の売りを要求する売り注文106を送信して良い。売り注文106は、特定の原証券114を指定し、それぞれ関連する団体が売りたい原証券114の量及び当該団体が売りたい価格を示す売り量及び売り呼び値を有して良い。同様に、このような実施例では、参加者インターフェース34は、1又は複数の原証券114の特定量の買いを要求する買い注文107を送信して良い。買い注文107は、特定の原証券114を指定し、それぞれ関連する団体が買いたい原証券114の量及び当該団体が支払いたい価格を示す買い量及び買い呼び値を有して良い。
【0022】
更に、1又は複数の参加者インターフェース34は、スプレッド注文130を参加者24(及び/又は取引システム10の別の構成要素)から受信し、受信したスプレッド注文130に基づき注文106及び107を生成する。上述のように、スプレッド注文130は、特定の参加者24が実行しようとしているスプレッドを記述して良く、及び参加者インターフェース34がスプレッドを実行するために適切な注文106及び107を生成する際に用いて良い価格、量、比率、及び/又は他の適切な情報を定めて良い。要求されたスプレッドを実行する段階の部分として、参加者インターフェース34は、売り注文106及び買い注文107を開始し、当該スプレッドに関連付けられた取引中の取引を開始して良い。
【0023】
取引プラットフォーム12は、注文106及び107を受信し、当該注文により指定された取引を実行する。特定の実施例では、取引プラットフォーム12は、1又は複数の参加者24と関連付けられた取引口座110を維持する。取引口座110は、関連団体により所有される種々の原証券114の量、及び当該団体が取引に利用可能な資金源、例えば口座に預けられた金額を示す。このような実施例では、取引プラットフォーム12は、注文106及び107により指定された取引の一部又は全部を、取引口座110及び/又は取引口座110に格納された又は関連付けられた情報を調整することにより実行して良い。注文106及び107の受信に応じて、取引プラットフォーム12は、当該団体と関連付けられた取引口座110の株式総額及び現金バランスを調整し、要求された取引に反映して良い。特定の実施例では、取引プラットフォーム12は、更に又は代案として取引システム10の他の構成要素、及び/又は取引システム10の外部の構成要素と通信し、取引を完了して良い。
【0024】
取引プラットフォーム12はまた、少なくとも部分的に取引プラットフォーム12により受信された注文106及び107に基づき市場情報108を生成する。市場情報108は、特定の原証券114の利用可能価格及び量、取引プラットフォーム12により受信された注文106又は107の内容、現在特定の原証券114の売り又は買いをオファーしている団体の識別情報、特定の原証券114で実行されている取引の状態、及び/又は原市場104の状態を記述する如何なる他の情報、及び/又は原証券114の特徴又は特性、を指定して良い。取引プラットフォーム12は次に、市場情報108をそれぞれ参加者24へ参加者インターフェース34を介して送信して良い。参加者24はまた、市場情報108を、参加者24により開始された取引に関する決定を行う際に用いて良い。例えば、第1の原証券114及び第2の原証券114を有するスプレッドを実行する際、参加者24は、第1の原証券114の価格及び利用可能性を記述する市場情報108を利用し、第2の原証券114を売る価格及び量を決定して良い。
【0025】
取引プラットフォーム12が注文106及び107を特定の原証券114の参加者24から受信すると、特定の実施例では、取引プラットフォーム12は、注文106及び107、注文106及び107の一部、又は注文106及び107に関連付けられた情報を、要求された取引が実行されるまでメモリー18に格納する。特定の実施例では、取引プラットフォーム12は、各原証券114の複数の売りキュー120を維持する。各売りキュー120は、特定の売り呼び値に関連付けられている。取引プラットフォーム12が売り注文106を受信すると、取引プラットフォーム12は、原証券114及び受信した売り注文106により指定された売り呼び値の両方と関連付けられた売りキュー120を識別し、及び受信した売り注文106を適切な売りキュー120の後端に設定する。同様に、取引プラットフォーム12は、各原証券114の複数の買いキュー122を維持する。各買いキュー122は、特定の買い呼び値に関連付けられている。取引プラットフォーム12が買い注文107を受信すると、取引プラットフォーム12は、原証券114及び受信した買い注文107により指定された買い呼び値の両方と関連付けられた買いキュー122を識別し、及び受信した買い注文107を適切な買いキュー122の後端に設定する。
【0026】
取引プラットフォーム12はまた、当該キュー120又は122に、注文106又は107の利用可能性状態を示す情報を格納して良い。注文106又は107の利用可能性状態は、注文106又は107が相補的取引の対応するキュー120又は122の注文を満足するために、現在使用されて良いか否かを示す。例えば、特定の売り注文106の利用可能性状態は、同一の原証券114の買い注文107を同一価格で満足するために、売り注文106が現在利用可能か否かを反映して良い。同様に、特定の買い注文107の利用可能性状態は、同一の原証券114の売り注文106を同一価格で満足するために、買い注文107が現在利用可能か否かを反映して良い。
【0027】
更に、特定の注文106又は107の利用可能性状態は、実行中の取引、調整要件、又は如何なる他の適切な要因、基準、及び/又は条件により影響されて良い。例えば示された例では、取引プラットフォーム12が注文106及び107を有する取引の実行を開始すると、当該注文106又は107は取引が完了するまで利用不可能になる。注文106又は107の一部が取引の完了に従い満足されないまま残っている場合、注文106又は107は満足されなかった量を反映して変更されて良く、又は新たな注文106又は107が満足されなかった量を指定して生成されて良く、及び変更された又は新たな注文106又は107が再び利用可能になり次の取引を完了して良い。
【0028】
示された実施例では、特定の注文106又は107の利用可能性状態は、注文106又は107と共にキュー120又は122に格納される利用可能性表示116により指定される。注文106又は107の利用可能性は、取引プラットフォーム12により如何なる適切な方法で示され、及び/又は維持されて良い。特定の実施例では、取引プラットフォーム12は、初期設定で、注文106又は107を適切なキュー120又は122に、当該注文106又は107の利用可能性状態を示す利用可能性表示116と共に格納して良い。以下に記載されるように、関連付けられた注文106又は107を有する取引が実行されている間及び/又は如何なる他の適切な時に、取引プラットフォーム12は、この利用可能性表示116を更新して良い。取引プラットフォーム12はまた、更新された市場情報108又はキュー120又は122内の注文106又は107の利用可能性状態の変化を反映する他の情報を、1又は複数の参加者インターフェース34へ送信して良い。上述のように、参加者24はこの情報を用い原証券114を識別し、当該原証券114を買う又は売る及び/又は買い呼び値若しくは売り呼び値を設定して良い。
【0029】
取引プラットフォーム12が原証券114及び取引価格を指定する注文106又は107を受信し、当該注文及び価格に対し取引プラットフォーム12が現在利用可能であり且つ同一の原証券114及び同一若しくはより良い取引価格を指定する相補的注文106又は107を保有する場合、取引プラットフォーム12は当該売り注文106と買い注文106を照合し、及び適切な段階を完了させ当該注文106及び107を送信した団体の間の取引を実行して良い。取引プラットフォーム12が、新たに受信した注文106又は107を満足する利用可能注文106又は107を現在複数保有している場合、取引プラットフォーム12は、新たに受信した注文106又は107を現在適切なキュー120又は122の最前部に位置する古い注文106又は107と照合する。例えば、取引プラットフォーム12が特定の売り呼び値で原証券114aの売り注文106を受信した場合、取引プラットフォーム12は、当該売り注文106を取引プラットフォーム12が買い注文107に対し現在保持している最高買い呼び値と関連付けられた原証券114aの買いキュー122内の第1の買い注文107と照合する(取引プラットフォーム12が受信した買い注文107に対する最高買い呼び値は受信した売り注文により指定された売り呼び値より大きいか又は等しいと仮定する)。取引プラットフォーム12は次に、照合した売り注文106及び買い注文107に基づき取引を実行して良い。この処理は、図2を参照して以下に詳細に記載される。
【0030】
更に、この処理は時間を要し得るので、取引プラットフォーム12は適切な計算及び/又は適切な取引の実行と関連付けられた他の動作を完了する間、利用不可能な取引と関連付けられた注文106及び107を指定して良い。例えば、特定の実施例では、取引に含まれる買い注文107を送信した買い手は、買い注文107が売り注文106を完全に満足しない場合、売り注文106によりオファーされた如何なる残りの単位を購入する第1の選択を有して良い。取引プラットフォーム12は、特定の実施例では、取引に関連付けられた売り注文106及び買い注文107の両方の利用可能性表示116を調整することにより、利用不可能として量を指定して良い。取引が売り注文106及び買い注文107の両方を満足する場合、取引プラットフォーム12は注文106及び107をそれらのそれぞれのキュー120及び122から削除して良い。取引が注文106及び107の1つを完全に満足しない場合、取引プラットフォーム12は取引された量を注文106又は107で最初に指定された量から差し引き、利用可能性表示116を更新し、再び注文106又は107は利用可能であると示して良い。結果として、最初の注文106又は107の一部は、後続の取引のために再び利用可能になって良い。
【0031】
従って、取引プラットフォーム12が取引を実行している間、取引の結果として満足されていない売り注文106又は買い注文107の如何なる残りの量も後続の取引のために最終的に再び利用可能になり得るという事実にも拘わらず、参加者24は、取引に含まれる注文106及び107により指定された量が関連する原市場104から削除されていると誤って信じ得る。参加者24が、参加者24が第2の原証券114の特定の量を買う又は売ることが可能か否かに基づいて第1の原証券114を買う又は売ると決定する場合、参加者24は、誤って終了することを選択し得るか、又は第1の原証券114の取引を開始しない。参加者24は、結果として結合取引で上げられ得る利益を見送り得る。参加者24はまた他の取引を変更し、参加者24が関連する原証券114で要求したポジションが要求価格で利用可能でないと信じるという事実を補償し得る。例えば、参加者24は、第1の原証券114は特定の価格水準で現在利用可能でないという決定の結果、第2の原証券114を有する注文106又は107を取り消し得る。
【0032】
従って、特に参加者24が自動取引ツールに頼って取引106を生成する場合、不正確な利用可能性表示は原市場104の多くの非効率を生じ得る。従って、参加者24及び/又は参加者インターフェース34へ意志決定に用いるより正確な情報を提供するために、参加者インターフェース34は、原市場104内でより正確な利用可能性表示を提供するある技術を実施する。特定の実施例では、参加者インターフェース34は、売りキュー120及び対応する買いキュー122の内容を比較し、1又は複数の原証券114の事実上利用可能量を当該キュー120及び122内の注文106及び107により買い及び売りに出された量の間の正味差に基づき決定する。この事実上利用可能量は、買い手に現在利用可能な量、又は特定の市場104で売り手から現在要求されている量、及び如何なる適切な理由で一時的に利用不可能な量の少なくとも一部を有して良い。
【0033】
より詳細には、特定の実施例では、参加者インターフェース34は、売りキュー120及び対応する買いキュー122の内容を比較し、原証券114の事実上利用可能量を適切なキュー120及び122内の利用不可能な量の間の正味差に基づき決定する。例えば、単位当たり$20の売り呼び値における原証券114aの事実上利用可能量を決定するため、参加者インターフェース34は、$20の売り呼び値と関連付けられた原証券114aの売りキュー120及び$20の買い呼び値と関連付けられた原証券114bの買いキュー122の内容を比較して良い。例えば、当該売りキュー120が注文は「利用不可能である」と示す利用可能性表示116を有する30単位の注文106を有し、且つ当該買いキュー122が「利用不可能」とマーク付けされた50単位の注文107を有する場合、参加者インターフェース34は、差又は20単位の買いは当該買いキュー122で間もなく再び利用可能になり得ると決定する。
【0034】
参加者24は次に、取引の決定時にこの情報を用いて良い。例として、参加者24が原証券114aの20単位以下の売りを、特定のスプレッドを実行する際に含まれる複数の取引の1つとして試みている場合、参加者24は、事実上利用可能買い量の結果として、20株の買いが利用可能であるという増大した確信をもって他の取引を進めて良い。従って、参加者インターフェース34の特定の実施例は、原市場104の現在の状態を非常に正確に記述する事実上利用可能量を決定可能であって良い。より一層の正確さはまた、市場情報108を利用する参加者24の方では意志決定の向上をもたらし得る。特に、市場情報108の使用は、参加者24が不正確な利用可能情報に基づき取引を不必要に終了又は低減することを除去し得る。これに関し、参加者インターフェース34の特定の実施例は、複数の運用上の利益を提供し得る。通信システム10の種々の実施例は、しかしながら、当該利益の何れも有さないか、又はいくつか若しくは全てを有して良い。
【0035】
図2は、参加者インターフェース34及び取引プラットフォーム12の特定の実施例の動作例を示す。より詳細には、図2は、参加者インターフェース34が特定の原証券114の事実上利用可能量を決定し及び複数の取引を当該事実上利用可能量に基づき開始する場合の、参加者インターフェース34及び取引プラットフォーム12の動作を示す。上述のように、参加者インターフェース34及び取引プラットフォーム12はそれぞれ、記載された機能を提供するために如何なる適切なハードウェア及び/又はソフトウェアの如何なる組み合わせを有しても良い。示された実施例では、参加者インターフェース34及び取引プラットフォーム12の両方は、プロセッサー16及びメモリー18を有する。
【0036】
プロセッサー16a及び16b(一般に集合的に及び単数で「プロセッサー16」として参照される)はそれぞれ、参加者インターフェース34及び取引プラットフォーム12の動作と関連付けられた命令を実行する。プロセッサー16は、電子情報を処理及び/又は通信可能な如何なる適切な装置を表して良い。プロセッサー16の例は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、デジタル・シグナル・プロセッサー(DSP)及び如何なる他の適切な特定又は汎用目的プロセッサーを有するがこれらに限定されない。
【0037】
メモリー18a及び18b(総称的に集合的に又は単数で「メモリー18」として参照される)は、プロセッサー命令及び/又は動作中に参加者インターフェース34及び取引プラットフォーム12により用いられる如何なる他の適切な情報を格納する。特定の実施例では、取引プラットフォーム12は、図1に関し上述されたように、メモリー18b内にキュー120及び122を維持する。取引プラットフォーム12はまた、メモリー18b内に、市場情報108、注文106及び107、及び/又は動作中に取引プラットフォーム12により用いられる如何なる他の適切な情報を格納して良い。一方で特定の実施例では、参加者インターフェース34は、メモリー18a内にキュー120及び122のローカルなコピー(示されない)を格納して良い。参加者インターフェース34はまた、取引プラットフォーム12へ送信されるべき注文106又は107、取引プラットフォーム12から受信した市場情報108、及び/又は動作中に参加者インターフェース34により用いられる如何なる他の適切な情報を格納して良い。メモリー18は、揮発性若しくは不揮発性、データの格納に適したローカル若しくはリモート装置、例えばランダム・アクセス・メモリー(RAM)装置、読み出し専用メモリー(ROM)装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、又は如何なる他の適切なデータ記憶装置の如何なる集合及び配置を表して良い。
【0038】
示された例では、参加者24は、スプレッド注文130により記述された特定のスプレッドを実行しようと試みる。この例の目的として、スプレッドは原証券114aの特定の量の買い持ちポジション、及び原証券114bの特定の量の売り持ちポジションの値を有すると仮定される。参加者24又は他の適切な団体若しくは取引システム10の構成要素は、スプレッドの構成、原証券114a及び114bの目標価格、参加者24の口座情報、及び/又は記述された取引を開始するために参加者インターフェース34により用いられる如何なる他の適切な情報を指定する参加者インターフェース34のメモリー18a内にスプレッド注文130を格納する。特に、スプレッド注文130は取引比率132a及び取引比率132bを有して良い。取引比率132aは、例であるスプレッドの各単位に含まれる原証券114aの関連ポジションの特定の量を指定する。取引比率132bは、例であるスプレッドの各単位に含まれる原証券114bの関連ポジションの特定の量を指定する。示された例では、当該取引比率132は、特に、例であるスプレッドの各単位の値が原証券114aの3個の買い持ちポジション及び原証券114bの2個の売り持ちポジションに基づき決定されることを示す。従って、示された例では、参加者24は、スプレッド注文130により要求された例であるスプレッドの単位毎に、原証券114aの2単位を買い及び原証券114bの3単位を売ることにより、スプレッド注文130により記述された例であるスプレッドを買って良い。
【0039】
更に、参加者24は、他の原証券114に利用可能な現在の市場価格に基づき、当該原証券114の1つを有する取引の実行を試みて良く、結果としてスプレッドの実行と関連付けられた所定の価格を生じる。例えば、参加者インターフェース34は、原証券114bの最良の利用可能買い呼び値126及びスプレッド注文130により指定されたスプレッド価格136に基づき、原証券114aを買う価格を決定して良い。この例では、参加者インターフェース34は、要求されたスプレッドを単位当たり$20の指定されたスプレッド価格136で実行することを試みる(当該取引の結果として参加者24が獲得する原証券114aの如何なる買い持ちポジション、又は参加者24が原証券114bで受ける如何なる売り待ちポジションと関連付けられた債務にも拘わらず)。従って、参加者24は、参加者24が原証券114aに入札する買い呼び値を、参加者24が市場104bの原証券114bに対し利用可能な最良の買い呼び値126に基づき調整し、参加者24が原証券114aの2単位を購入可能な買い呼び値126が$20より高くなく、参加者24が原証券114bの3単位を売ることができる売り呼び値124より高いことを保証する。例えば、参加者24が単位当たり$20で原証券114bを売ることができる場合、参加者24は2単位の原証券114aを価格(3×$20)+$20で、又は2単位を価格$80で、又は単位当たり$40の価格で買いを試みる。参加者24が単位当たり$19.50でのみ原証券114bを売ることができる場合、参加者24は2単位の原証券114aを価格(3×$19.50)+$20で、又は2単位を価格$78.50で、又は単位当たり価格$39.25で買いを試みる。
【0040】
示された実施例では、参加者インターフェース34は取引プラットフォーム12から、キュー120及び122の現在の内容又は参加者インターフェース34が最後に市場情報108を受信してからの如何なる内容の変化を示す市場情報108を受信する。上述のように、参加者インターフェース34は、参加者インターフェース34が市場情報108を受信した場合に参加者インターフェース34が更新するキュー120及び122のローカルなコピーを維持して良いか、又は市場情報108が受信された場合に市場情報108を用いて良い。原証券114bと関連付けられた市場情報108を用い、参加者24は、参加者24が実行する取引に利用可能な最良の価格を決定する。この場合、当該価格は原証券114bに利用可能な最良の買い呼び値126である。図2に示されるように、示された例で取引プラットフォーム12が受信していた買い注文107に対する最良の買い呼び値126は、買いキュー122bの買い注文107a−cにより反映される場合、$20である。参加者インターフェース34は次に、当該買い呼び値124で現在買いに出されている原証券114bの合計量を決定して良い。当該合計量は「全買い量」として参照される。この全買い量は、利用可能買い量及び利用不可能買い量を有する。
【0041】
利用可能買い量を決定するため、参加者インターフェース34は、利用可能性表示116に基づき、関連買いキュー122、この場合には買いキュー122b内のどの買い注文107が現在利用可能かを決定する。参加者インターフェース34は次に、利用可能買い注文107により指定された買い量を合計し、利用可能買い量を決定する。示された例では、利用可能買い量は、買い注文107b及び107cにより指定された合計買い量、又は100単位を有する。更に、対応する売りキュー120、ここでは売りキュー120bが実行されていない利用可能売り注文106を有する場合、参加者インターフェース34は、利用可能買い量を計算する際に、当該利用可能売り注文106により指定された売り量の合計を買いキュー122b内の利用可能買い注文107により指定された買い量の合計から差し引いて良い。
【0042】
全買い量の利用不可能買い量を決定するため、参加者インターフェース34は、利用可能性表示116に基づき、利用不可能として現在マーク付けされている買いキュー122b内の1又は複数の買い注文107を識別する。特定の実施例では、買いキュー122は利用不可能としてマーク付けされた買い注文107を一度に1つのみを有する。このような実施例では、利用不可能買い注文107が存在する場合、参加者インターフェース34は利用不可能買い注文107aにより指定された買い量又は140単位を決定することにより、利用不可能買い量を決定する。別の実施例では、買いキュー122は利用不可能として同時にマーク付けされた1より多い買い注文107を有して良い。このような実施例では、参加者インターフェース34は、キュー120b内の全ての利用不可能買い注文107により指定された買い量を合計することにより、利用不可能買い量を決定する。
【0043】
利用不可能買い量を決定した後、参加者インターフェース34は参加者24が期待する近い将来に再び利用可能になる利用不可能買い量の一部を決定する。当該利用不可能買い量の一部は、本願明細書では「一時的利用不可能買い量」として参照される。特定の実施例では、注文106又は107は利用不可能として一時的にマーク付けされる。その間、取引プラットフォーム12は当該注文106及び107を有する取引を終わらせる。結果として、このような実施例では、取引プラットフォーム12は相補的キュー120又は122内の同一の処理と関連付けられた利用不可能注文106又は107を識別し、2つの注文106及び107により指定された量の差を決定して良い。特定の実施例では、当該差は一時的利用不可能買い量を表す。
【0044】
例えば、示された例では、参加者インターフェース34は、利用不可能買い注文107aと関連付けられた、売りキュー120b内の利用不可能売り注文106、つまり利用不可能売り注文106dを識別する。参加者インターフェース34は、当該売りキュー120の最前部の参加者インターフェース34のポジションに基づき、又は売り注文106dを買い注文107a若しくは買い注文107aが現在含まれている取引と関連付ける如何なる適切な情報に基づき、関連付けられた利用不可能売り注文106を決定して良い。参加者インターフェース34は、売り注文106dにより指定された買い量、40単位を決定し、当該量を利用不可能買い量から差し引き、一時的利用不可能買い量、又は100単位を決定する。
【0045】
参加者インターフェース34は次に、利用可能買い量及び一時的利用不可能買い量に基づき原証券114bの事実上利用可能買い量を決定する。例えば、特定の実施例では、参加者インターフェース34は、利用可能買い量及び一時的利用不可能買い量を合計することにより事実上利用可能買い量を決定して良い。更に、特定の実施例では、参加者24は、全ての一時的利用不可能買い量が再び利用可能になったか否かを予測できなくて良い。結果として、参加者24は、事実上利用不可能買い量を計算する際に一時的利用不可能買い量の一部を利用するだけで良い。特定の実施例では、参加者24は、リスク係数134を参加者インターフェース34へ提供して良い。参加者インターフェース34は、リスク係数134を用い一時的利用不可能買い量をスケールしてから、スケールされた一時的利用不可能買い量を利用可能買い量に加算する。示された例では、リスク係数134は5分の4に等しい。従って参加者インターフェース34は一時的利用不可能買い量に5分の4を乗算してから、利用可能買い量に加算する。これは結果として、事実上利用可能買い量(100単位×4/5)+100単位、又は180単位を生じる。
【0046】
参加者24は次に、原証券114a及び原証券114bを有する取引を、原証券114bのこの事実上利用可能買い量に基づき開始して良い。どれだけの原証券114bを参加者24が選択された売り呼び値124(180単位)で売れるかの予測に基づき、参加者インターフェース34は、原証券114bの事実上利用可能買い量の売りの結果として買われる例であるスプレッドの対応する量を決定し得る。参加者インターフェース34はまた、買うべき原証券114aの適切な量を、参加者24が買える例であるスプレッドの量に基づき決定して良い。特定の実施例では、要求されたスプレッドの各単位は、原証券114aの単一の買い持ちポジション、及び原証券114bの単一の売り持ちポジションを有して良い。また参加者24は原証券114bの事実上利用可能買い量と等しい原証券114aの量を買って良い。
【0047】
更に、図2に示されたような特定の実施例では、要求されたスプレッドは、等しくない数の関連原証券114を有して良い。従って、特定の実施例は、要求されたスプレッドの各単位で特定の原証券114の量を指定する1又は複数の取引比率132を利用して良い。例えば、示された例では、上述のように、スプレッド注文130は、取引比率132a及び132bを有する。取引比率132a及び132bはそれぞれ、例であるスプレッドの各単位で原証券114a及び原証券114bの量を表す。特に、取引比率132は、例であるスプレッドの各単位が3単位の原証券114a及び2単位の原証券114bを有することを示す。結果として、参加者インターフェース34は、原証券114bの事実上利用可能買い量の2分の3、又は270単位である原証券114aの量を計算する。
【0048】
関連原証券114の適切な量を計算した後、参加者インターフェース34は適切な注文106及び107を生成し、計算された取引を開始する。示された例では、参加者インターフェース34は180単位の原証券114bの売り注文106e及び270単位の原証券114aの買い注文107gを生成する。参加者インターフェース34は次に取引プラットフォーム12へ注文106e及び107gを送信する。取引プラットフォーム12は次に、注文106e及び107gを実行されるよう適切なキュー120又は122に入れる。
【0049】
取引プラットフォーム12が注文106及び107により要求された取引を開始する前に、参加者インターフェース34が、より良い価格が原証券114bに対し利用可能であることを示す更新された市場情報108を受信した場合、参加者インターフェース34は新たな最良の買い呼び値126で事実上利用可能買い量の計算を繰り返して良い。例えば、取引プラットフォーム12が$20.25の買い呼び値126を指定する原証券114bに対する買い注文107を受信した場合、参加者インターフェース34は、上述の計算の一部又は全てを繰り返し、原証券114bの事実上利用可能買い量を買い呼び値$20.25に決定して良い。参加者インターフェース34は次に、原証券114a及び原証券114bの新たな取引量を、スプレッド価格136、取引比率132、及び新たな事実上利用可能買い量に基づき計算して良い。参加者インターフェース34は次に、予め送信された注文106e及び107gを取り消し、新たな注文106及び107を、原証券114a及び原証券114bの新たに計算された量に基づき生成及び送信して良い。
【0050】
更に、図2は特定の方法で及び特定の目的で事実上利用可能買い量を計算及び利用する取引システム10の特定の実施例の参加者インターフェース34の動作例を示したが、参加者インターフェース34及び/又は取引システム10の他の構成要素の別の実施例は、他の方法で及び他の目的を達成するために当該量を利用して良い。例として、事実上利用可能買い量を利用して所与の取引で売買すべき特定の原証券114の量を計算する代わりに又はそれに加え、参加者インターフェース34の特定の実施例は、事実上利用可能買い量を利用し、取引を全て開始又は完了するか否かを決定して良い。従って、原証券114の事実上利用可能買い量が原証券114aの特定の最小量の売りに対応するのに不十分である場合、参加者インターフェース34は、要求されたスプレッドの買いと関連付けられた如何なる取引も開始しないと決定して良い。別の例として、参加者24は、金融商品を発行することを認可された団体を表して良い。また参加者24は、特定のスプレッドに含まれる原証券114の値に基づく値を有する証券を発行して良い。結果として、参加者インターフェース34の特定の実施例は、事実上利用可能買い量を利用し、発行された証券を売る売り呼び値を計算して良い。例えば、参加者インターフェース34は、発行された証券を売る価格を、特定の価格で原証券104bの事実上利用可能買い量に基づき計算して良い。
【0051】
更に、取引システム10の他の構成要素は、事実上利用可能量を計算及び/又は利用するよう構成されて良い。更に、上述の例は所与の原市場104の利用可能買い量をより正確に記載するために計算及び事実上利用可能買い量に焦点を当てたが、同様の技術が取引システム10の特定の実施例で利用され、事実上利用可能売り量を計算及び/又は用いて良い。図4は、事実上利用可能売り量を決定するために同様の技術を実施する参加者インターフェース34の特定の実施例の段階を詳細に説明する。更に、図2は、参加者インターフェース34が例であるスプレッドに含まれた単一の原証券114の事実上利用可能量を単に決定する例を示すが、同様の技術は、示された例の原証券114aのような追加の原証券114の事実上利用可能量を決定するために用いられて良い。参加者インターフェース34は次に、買うべき要求されたスプレッドの適切な量を、複数の原証券114の事実上利用可能量に基づき決定して良い。
【0052】
一般に、参加者インターフェース34が取引量を所与の原証券114の事実上利用可能量に基づき決定する能力の結果として、参加者24は、参加者24が指定スプレッド価格136で買える要求されたスプレッドの量を最大化できる。更に、参加者24にリスク係数134を設定させることにより、参加者インターフェース34の特定の実施例は、参加者24に参加者24が満足するリスク水準を選択可能にする事実上利用可能量を決定する柔軟な技術を提供する。従って、参加者インターフェース34は、複数の運用上の利益を提供し得る。それにも拘わらず、参加者インターフェース34(又は上記又は同様の技術を実施し事実上利用可能量を計算する、取引システム10の他の構成要素)の特定の実施例は、上記利益の何れも示さなくて良いか、又はいくつか若しくは全てを示して良い。
【0053】
図3は、事実上利用可能量を生成及び利用する際に参加者インターフェース34の動作例の段階を詳細に説明するフローチャートである。特に、図3は、買うべき要求されたスプレッドの量を特定の買い呼び値で第1の原証券114の事実上利用可能買い量に基づき決定する参加者インターフェース34の動作例を示す。図3に記載された例では、要求されたスプレッドは、第1の原証券114の特定量の売り持ちポジション、及び第2の原証券114の特定量の買い持ちポジションを有すると仮定される。
【0054】
動作は段階300で開始する。段階300で、参加者インターフェース34は市場情報108を受信する。市場情報108は原証券114のキュー120及び122の内容を記述する。段階310で、参加者インターフェース34は、第1の原証券114の利用可能買い量を決定する。利用可能買い量は、受信した売り注文106と適合していない買い注文107により要求された第1の原証券114の量を表す。
【0055】
段階320で、参加者インターフェース34は、第1の原証券114の利用不可能買い量を決定する。利用不可能買い量は、第1の原証券114を有する第1の取引と関連付けられた第1の原証券114の量を有する。特定の実施例では、参加者インターフェース34は、利用不可能としてマーク付けされた適切な買いキュー122内の買い注文107を識別することにより、及び識別された買い注文107により指定された買い量を決定することにより、利用不可能買い量を決定する。
【0056】
段階330で、参加者インターフェース34は、第1の取引と関連付けられた売り注文106を識別する。上述のように、参加者インターフェース34は、適切な売りキュー120内の参加者インターフェース34のポジション、参加者インターフェース34を買いキュー122内の利用不可能買い量と関連付ける情報、及び/又は参加者インターフェース34を如何なる他の適切な方法で第1の取引に関連付ける情報に基づき当該売り注文106を識別して良い。段階340で、参加者インターフェース34は、識別された売り注文106により指定された売り量を決定する。識別された売り注文106により指定された売り量を用い、参加者インターフェース34は、段階350で、第1の原証券114の一時的利用不可能買い量を、利用不可能買い量と第1の取引と関連付けられた売り量との間の差に少なくとも部分的に基づき決定する。
【0057】
段階306で、参加者インターフェース34は、スケールされた一時的利用不可能買い量をリスク値の結果と一時的利用不可能買い量とに基づき計算する。上述のように、リスク値は、参加者24が、参加者24が一時的利用不可能買い量に基づき取引決定をする際に検討したい一時的利用不可能買い量の一部を指定することを可能にする。結果として、リスク値は、参加者24がこれらの計算に基づき開始された取引で被る許容可能リスク量を指定することを可能にして良い。段階370で、参加者インターフェース34は、利用可能買い量及びスケールされた一時的利用不可能買い量の合計を計算する。この合計は、参加者インターフェース34が買う又は売るべき第2の原証券114の適切な量を決定する目的のため事実上利用可能と見なす、第1の原証券114aの量を表す。
【0058】
段階308で、参加者インターフェース34は、第2の原証券114の取引量を、第1の原証券114の事実上利用可能買い量及び取引比率132に基づき計算する。上述のように、取引比率132は、それぞれ要求されたスプレッドの各単位に含まれる特定の原証券114の量を指定することにより、要求されたスプレッドの構成を記述する。記載された実施例では、参加者インターフェース34は、第2の原証券114と関連付けられた取引比率132を事実上利用可能買い量と第1の原証券114と関連付けられた取引比率132との商で乗算することにより、取引量を決定する。段階390で、参加者インターフェース34は次に、第1の原証券114の事実上利用可能買い量を売るための売り注文106、及び第2の原証券114の取引量を買うための買い注文107を生成する。段階400で、参加者インターフェース34は、売り注文106及び買い注文107を取引プラットフォーム12へ送信する。
【0059】
図4は、事実上利用可能量を生成及び利用する際に参加者インターフェース34の別の動作例の段階を詳細に説明するフローチャートである。特に、図4は、要求されたスプレッドの買うべき量を特定の売り呼び値で第1の原証券114の事実上利用可能量に基づき決定する参加者インターフェース34の動作例を示す。図4に記載された例では、要求されたスプレッドの各単位は、第1の原証券114の特定量の買い持ちポジション、及び第2の原証券114の特定量の売り持ちポジションを有すると仮定される。
【0060】
動作は段階500で開始する。段階500で、参加者インターフェース34は市場情報108を受信する。市場情報108は原証券114のキュー120及び122の内容を記述する。段階510で、参加者インターフェース34は、第1の原証券114の利用可能売り量を決定する。利用可能売り量は、第1の原証券114の市場104での買いに現在利用可能な第1の原証券114の量を表す。
【0061】
段階520で、参加者インターフェース34は、第1の原証券114の利用不可能売り量を決定する。利用不可能売り量は、第1の原証券114を有する第1の取引と関連付けられた第1の原証券114の量を有する。特定の実施例では、参加者インターフェース34は、利用不可能としてマーク付けされた適切な売りキュー120内の売り注文106を識別することにより、及び識別された売り注文106により指定された売り量を決定することにより、利用不可能買い量を決定する。
【0062】
段階530で、参加者インターフェース34は、第1の取引と関連付けられた買い注文107を識別する。上述のように、参加者インターフェース34は、適切な買いキュー122内の参加者インターフェース34のポジション、参加者インターフェース34を売りキュー120内の利用不可能売り量と関連付ける情報、及び/又は参加者インターフェース34を如何なる他の適切な方法で第1の取引に関連付ける情報に基づき当該買い注文107を識別して良い。段階540で、参加者インターフェース34は、識別された買い注文107により指定された買い量を決定する。識別された買い注文107により指定された買い量を用い、参加者インターフェース34は、段階550で、第1の原証券114の一時的利用不可能売り量を、利用不可能売り量と第1の取引と関連付けられた買い量との間の差に少なくとも部分的に基づき決定する。
【0063】
段階560で、参加者インターフェース34は、スケールされた一時的利用不可能売り量をリスク値の結果と一時的利用不可能売り量とに基づき計算する。上述のように、リスク値は、参加者24が、参加者24が一時的利用不可能売り量に基づき取引決定をする際に検討したい一時的利用不可能売り量の一部を指定することを可能にする。結果として、リスク値は、参加者24がこれらの計算に基づき開始された取引で被る許容可能リスク量を指定することを可能にして良い。段階570で、参加者インターフェース34は、利用可能売り量及びスケールされた一時的利用不可能売り量の合計を計算する。この合計は、参加者インターフェース34が買う又は売るべき第2の原証券114の適切な量を決定する目的のため事実上利用可能と見なす、第1の原証券114aの量を表す。
【0064】
段階580で、参加者インターフェース34は、第2の原証券114の取引量を、第1の原証券114の事実上利用可能売り量及び取引比率132に基づき計算する。記載された実施例では、参加者インターフェース34は、第2の原証券114と関連付けられた取引比率132を事実上利用可能売り量と第1の原証券114と関連付けられた取引比率132との商で乗算することにより、取引量を決定する。段階590で、参加者インターフェース34は次に、第1の原証券114の事実上利用可能売り量を買うための買い注文107、及び第2の原証券114の取引量を買うための売り注文106を生成する。段階600で、参加者インターフェース34は、売り注文106及び買い注文107を取引プラットフォーム12へ送信する。
【0065】
本発明はいくつかの実施例と共に記載されたが、多数の他の変化、変形、代替、変換、及び変更が当業者に提案され得る。また本発明は、全てのこのような変化、変形、代替、変換、及び変更を特許請求の範囲内に包含すると見なす。
【0066】
(付記1)
取引システムであって、
売り注文及び買い注文を実行する取引プラットフォーム、及び
売り注文及び買い注文を前記取引プラットフォームへ送信する複数のインターフェース、を有し、
前記複数のインターフェースの少なくとも1つは、
第1の証券の市場で買いに現在利用可能な前記第1の証券の量を有する、前記第1の証券の利用可能売り量を決定し、
前記第1の証券を有する第1の取引と関連付けられた売り注文により指定された前記第1の証券の量を有する、前記第1の証券の利用不可能売り量を決定し、
前記第1の取引と関連付けられた買い注文により指定された買い量を決定し、
前記第1の証券の利用不可能売り量と前記第1の取引と関連付けられた買い量との間の差に少なくとも部分的に基づき、前記第1の証券の一時的利用不可能買い量を計算し、及び
前記第1の証券の利用可能売り量と前記第1の証券の一時的利用不可能売り量の少なくとも一部との合計に少なくとも部分的に基づき、第2の取引と関連付けられた第2の証券の量を計算する、システム。
【0067】
(付記2)
前記少なくとも1つのインターフェースは、前記取引プラットフォームへ前記第2の取引と関連付けられた第2の証券の量を指定する注文を更に送信する、請求項1記載のシステム。
【0068】
(付記3)
前記少なくとも1つのインターフェースは、前記合計に基づき前記第2の取引を開始しないと決定することにより、前記第2の証券の量を計算する、請求項1記載のシステム。
【0069】
(付記4)
前記少なくとも1つのインターフェースは前記取引プラットフォームへ買い注文を送信し、前記買い注文は前記第1の証券の利用可能売り量と前記第1の証券の一時的利用不可能売り量の少なくとも一部とを有する買い量を指定する、請求項1記載のシステム。
【0070】
(付記5)
前記少なくとも1つのインターフェースは、
前記第1の証券の一時的利用不可能売り量の結果とリスク値とに基づき、前記第1の証券のスケールされた一時的利用不可能売り量を計算し、及び
前記第1の証券の利用可能売り量と前記第1の証券のスケールされた一時的利用不可能売り量との合計に少なくとも部分的に基づき、前記第2の取引と関連付けられた第2の証券の量を計算する、ことにより前記第2の証券の量を計算する、請求項1記載のシステム。
【0071】
(付記6)
前記少なくとも1つのインターフェースは第3の証券を売りに指定する売り注文を更に送信し、前記第3の証券の値は前記第1の証券のポジションの値と前記第2の証券のポジションの値とに少なくとも部分的に基づく、請求項1記載のシステム。
【0072】
(付記7)
前記少なくとも1つのインターフェースは、
第1の価格で買いに現在利用可能な前記第1の証券の量を決定することにより、前記第1の証券の利用可能売り量を決定し、
第2の価格で実行されるべき第2の取引と関連付けられた前記第2の証券の量を計算することにより、第2の取引と関連付けられた前記第2の証券の量を計算し、及び
前記第3の証券を指定する売り注文を送信し、前記売り注文の送信は、
前記第1の価格と前記第2の価格に少なくとも部分的に基づき第3の価格を計算すること、及び
前記第3の証券の売り呼び値として前記第3の価格を指定する売り注文を前記取引プラットフォームへ送信すること、による、請求項6記載のシステム。
【0073】
(付記8)
取引システムであって、
売り注文及び買い注文を実行する取引プラットフォーム、及び
売り注文及び買い注文を前記取引プラットフォームへ送信する複数のインターフェース、を有し、
前記複数のインターフェースの少なくとも1つは、
第1の証券の市場で現在買いに出されている前記第1の証券の量を有する、前記第1の証券の利用可能買い量を決定し、
前記第1の証券を有する第1の取引と関連付けられた買い注文により指定された前記第1の証券の量を有する、前記第1の証券の利用不可能買い量を決定し、
前記第1の取引と関連付けられた売り量を決定し、
前記第1の証券の利用不可能買い量と前記第1の証券と関連付けられた売り量との間の差に少なくとも部分的に基づき、前記第1の証券の一時的利用不可能買い量を計算し、及び
前記第1の証券の利用可能買い量と前記第1の証券の一時的利用不可能買い量の少なくとも一部との合計に少なくとも部分的に基づき、第2の取引と関連付けられた第2の証券の量を計算する、取引システム。
【0074】
(付記9)
前記少なくとも1つのインターフェースは、前記取引プラットフォームへ前記第2の取引と関連付けられた第2の証券の量を指定する注文を更に送信する、請求項8記載のシステム。
【0075】
(付記10)
前記少なくとも1つのインターフェースは、前記合計に基づき前記第2の取引を開始しないと決定することにより、前記第2の証券の量を計算する、請求項8記載のシステム。
【0076】
(付記11)
前記少なくとも1つのインターフェースは前記取引プラットフォームへ買い注文を送信し、前記買い注文は前記第1の証券の利用可能買い量と前記第1の証券の一時的利用不可能買い量の少なくとも一部とを有する買い量を指定する、請求項8記載のシステム。
【0077】
(付記12)
前記少なくとも1つのインターフェースは、
前記第1の証券の一時的利用不可能買い量の結果とリスク値とに基づき、前記第1の証券のスケールされた一時的利用不可能買い量を計算し、及び
前記第1の証券の利用可能買い量と前記第1の証券のスケールされた一時的利用不可能買い量との合計に少なくとも部分的に基づき、前記第2の取引と関連付けられた第2の証券の量を計算する、ことにより前記第2の証券の量を計算する、請求項8記載のシステム。
【0078】
(付記13)
前記少なくとも1つのインターフェースは第3の証券を売りに指定する売り注文を更に送信し、前記第3の証券の値は前記第1の証券のポジションの値と前記第2の証券のポジションの値とに少なくとも部分的に基づく、請求項8記載のシステム。
【0079】
(付記14)
前記少なくとも1つのインターフェースは、
市場で第1の価格で現在買いに出されている前記第1の証券の量を決定することにより、前記第1の証券の利用可能買い量を決定し、
第2の価格で実行されるべき第2の取引と関連付けられた前記第2の証券の量を計算することにより、第2の取引と関連付けられた前記第2の証券の量を計算し、及び
前記第3の証券を指定する売り注文を送信し、前記売り注文の送信は、
前記第1の価格と前記第2の価格に少なくとも部分的に基づき第3の価格を計算すること、及び
前記第3の証券の売り呼び値として前記第3の価格を指定する売り注文を前記取引プラットフォームへ送信すること、による、請求項13記載のシステム。
【0080】
(付記15)
取引インターフェースであって、
プロセッサー命令を格納するメモリー、及び
プロセッサー、を有し、
前記プロセッサーは、
第1の証券の市場で買いに現在利用可能な前記第1の証券の量を有する、前記第1の証券の利用可能売り量を決定し、
前記第1の証券を有する第1の取引と関連付けられた売り注文により指定された前記第1の証券の量を有する、前記第1の証券の利用不可能売り量を決定し、
前記第1の取引と関連付けられた買い注文により指定された買い量を決定し、
前記第1の証券の利用不可能売り量と前記第1の取引と関連付けられた買い量との間の差に少なくとも部分的に基づき、前記第1の証券の一時的利用不可能売り量を計算し、及び
前記第1の証券の利用可能売り量と前記第1の証券の一時的利用不可能売り量の少なくとも一部との合計に少なくとも部分的に基づき、第2の取引と関連付けられた第2の証券の量を計算する、取引インターフェース。
【0081】
(付記16)
前記取引インターフェースは前記第2の取引を更に開始する、請求項15記載の取引インターフェース。
【0082】
(付記17)
前記取引インターフェースは、前記合計に基づき前記第2の取引を開始しないと決定することにより、前記第2の証券の量を計算する、請求項15記載の取引インターフェース。
【0083】
(付記18)
前記取引インターフェースは、前記第1の証券の利用可能売り量及び前記第1の証券の一時的利用不可能売り量の少なくとも一部を有する第3の取引を開始する、請求項15記載の取引インターフェース。
【0084】
(付記19)
前記取引インターフェースは、
前記第1の証券の一時的利用不可能売り量の結果とリスク値とに基づき、前記第1の証券のスケールされた一時的利用不可能売り量を計算し、及び
前記第1の証券の利用可能売り量と前記第1の証券のスケールされた一時的利用不可能売り量との合計に少なくとも部分的に基づき、前記第2の取引と関連付けられた第2の証券の量を計算する、ことにより前記第2の証券の量を計算する、請求項15記載の取引インターフェース。
【0085】
(付記20)
前記取引インターフェースは第3の証券を売りと識別する売り注文を更に生成し、前記第3の証券の値は前記第1の証券のポジションの値と前記第2の証券のポジションの値とに少なくとも部分的に基づく、請求項15記載の取引インターフェース。
【0086】
(付記21)
前記取引インターフェースは、
第1の価格で買いに現在利用可能な前記第1の証券の量を決定することにより、前記第1の証券の利用可能売り量を決定し、
第2の価格で実行されるべき第2の取引と関連付けられた前記第2の証券の量を計算することにより、第2の取引と関連付けられた前記第2の証券の量を計算し、及び
前記第3の証券を識別する売り注文を生成し、前記売り注文の生成は、
前記第1の価格と前記第2の価格に少なくとも部分的に基づき第3の価格を計算すること、及び
前記第3の証券の売り呼び値として前記第3の価格を指定する売り注文を生成すること、による、請求項20記載の取引インターフェース。
【0087】
(付記22)
取引インターフェースであって、
売り注文及び買い注文を実行する取引プラットフォーム、及び
売り注文及び買い注文を前記取引プラットフォームへ送信する複数のインターフェース、を有し、
前記複数のインターフェースの少なくとも1つは、
第1の証券の市場で現在買いに出されている前記第1の証券の量を有する、前記第1の証券の利用可能売り量を決定し、
前記第1の証券を有する第1の取引と関連付けられた買い注文により指定された前記第1の証券の量を有する、前記第1の証券の利用不可能買い量を決定し、
前記第1の取引と関連付けられた売り量を決定し、
前記第1の証券の利用不可能買い量と前記第1の証券と関連付けられた売り量との間の差に少なくとも部分的に基づき、前記第1の証券の一時的利用不可能買い量を計算し、及び
前記第1の証券の利用可能買い量と前記第1の証券の一時的利用不可能買い量の少なくとも一部との合計に少なくとも部分的に基づき、第2の取引と関連付けられた第2の証券の量を計算する、取引インターフェース。
【0088】
(付記23)
前記取引インターフェースは前記第2の取引を更に開始する、請求項22記載の取引インターフェース。
【0089】
(付記24)
前記取引インターフェースは、前記合計に基づき前記第2の取引を開始しないと決定することにより、前記第2の証券の量を計算する、請求項22記載の取引インターフェース。
【0090】
(付記25)
前記取引インターフェースは、前記第1の証券の利用可能買い量及び前記第1の証券の一時的利用不可能買い量の少なくとも一部を有する第3の取引を開始する、請求項22記載の取引インターフェース。
【0091】
(付記26)
前記取引インターフェースは、
前記第1の証券の一時的利用不可能買い量の結果とリスク値とに基づき、前記第1の証券のスケールされた一時的利用不可能買い量を計算し、及び
前記第1の証券の利用可能買い量と前記第1の証券のスケールされた一時的利用不可能買い量との合計に少なくとも部分的に基づき、前記第2の取引と関連付けられた第2の証券の量を計算する、ことにより前記第2の証券の量を計算する、請求項22記載の取引インターフェース。
【0092】
(付記27)
前記取引インターフェースは第3の証券を売りと識別する売り注文を更に生成し、前記第3の証券の値は前記第1の証券のポジションの値と前記第2の証券のポジションの値とに少なくとも部分的に基づく、請求項22記載の取引インターフェース。
【0093】
(付記28)
前記取引インターフェースは、
市場で第1の価格で現在買いに出されている前記第1の証券の量を決定することにより、前記第1の証券の利用可能買い量を決定し、
第2の価格で実行されるべき第2の取引と関連付けられた前記第2の証券の量を計算することにより、第2の取引と関連付けられた前記第2の証券の量を計算し、及び
前記第3の証券を識別する売り注文を生成し、前記売り注文の生成は、
前記第1の価格と前記第2の価格に少なくとも部分的に基づき第3の価格を計算すること、及び
前記第3の証券の売り呼び値として前記第3の価格を指定する売り注文を生成すること、による、請求項27記載の取引インターフェース。
【0094】
(第2の付記1)
証券を取引するための装置であって、
プロセッサ命令を記憶するメモリと、
前記メモリに電子的に接続される少なくとも1つのプロセッサと、を含み、
前記プロセッサ命令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行される際、前記少なくとも1つのプロセッサに対し、
第1の証券に係る複数の注文のためのマーケット情報を受け取り、
前記マーケット情報は、
前記第1の証券の売り要求である1つ以上の売り注文に関する情報を含み、各売り注文の情報は、売りに出ている前記第1の証券の売り量を含み、
前記第1の証券の買い要求である1つ以上の買い注文に関する情報を含み、各買い注文の情報は、買い要求があった前記第1の証券の買い量を含み、
前記マーケット情報は更に、利用可能性に関する表示を含み、当該表示は、前記要求の各々が取引の一部であるか否かを示し、
前記利用可能性に関する表示に基づいて、前記売り要求のうちの1つ以上が取引の一部でないことを決定し、当該決定に基づいて、前記第1の証券の利用可能な売り量を決定し、
前記利用可能性に関する表示に基づいて、前記売り要求のうちの1つが取引の一部であることを決定し、当該決定に基づいて、前記第1の証券の利用不可能な売り量を決定し、
前記買い要求のうちの1つにより特定される買い量を決定し、
前記第1の証券の前記利用不可能な売り量と、前記決定された買い量との差に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の証券の一時的に利用不可能な売り量を計算し、
前記第1の証券の前記利用可能な売り量と、前記第1の証券の一時的に利用不可能な売り量の少なくとも一部との和に、少なくとも部分的に基づいて、前記第1の証券の仮想的に利用可能な売り量を計算し、
前記第1の証券の買い量の買い要求である買い注文を送信し、当該送信された買い注文の当該買い量は、前記仮想的に利用可能な売り量に少なくとも部分的に基づき、
第2の証券の売り量の売り要求である売り注文を送信し、当該第2の証券の当該売り量は、前記仮想的に利用可能な売り量に少なくとも部分的に基づく、
よう実行させる、
装置。
【0095】
(第2の付記2)
証券を取引するための装置であって、
プロセッサ命令を記憶するメモリと、
前記メモリに電子的に接続される少なくとも1つのプロセッサと、を含み、
前記プロセッサ命令は、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行される際、前記少なくとも1つのプロセッサに対し、
第1の証券に係る複数の注文のためのマーケット情報を受け取り、
前記マーケット情報は、
前記第1の証券の売り要求である1つ以上の売り注文に関する情報を含み、各売り注文の情報は、売りに出ている前記第1の証券の売り量を含み、
前記第1の証券の買い要求である1つ以上の買い注文に関する情報を含み、各買い注文の情報は、買い要求があった前記第1の証券の買い量を含み、
前記マーケット情報は更に、利用可能性に関する表示を含み、当該表示は、前記要求の各々が取引の一部であるか否かを示し、
前記利用可能性に関する表示に基づいて、前記買い要求のうちの1つ以上が取引の一部でないことを決定し、当該決定に基づいて、前記第1の証券の利用可能な買い量を決定し、
前記利用可能性に関する表示に基づいて、前記買い要求のうちの1つが取引の一部であることを決定し、当該決定に基づいて、前記第1の証券の利用不可能な買い量を決定し、
前記売り要求のうちの1つにより特定される売り量を決定し、
前記第1の証券の前記利用不可能な買い量と、前記決定された売り量との差に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の証券の一時的に利用不可能な買い量を計算し、
前記第1の証券の前記利用可能な買い量と、前記第1の証券の一時的に利用不可能な買い量の少なくとも一部との和に、少なくとも部分的に基づいて、前記第1の証券の仮想的に利用可能な買い量を計算し、
前記第1の証券の売り量の売り要求である売り注文を送信し、当該送信された売り注文の当該売り量は、前記仮想的に利用可能な買い量に少なくとも部分的に基づき、
第2の証券の買い量の買い要求である買い注文を送信し、当該第2の証券の当該買い量は、前記仮想的に利用可能な買い量に少なくとも部分的に基づく、
よう実行させる、
装置。
図1
図2
図3
図4