(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5943986
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】レーザ溶接用のアクセスを提供するフレームを有するバスバー組立品を備える電気機器
(51)【国際特許分類】
H02G 5/02 20060101AFI20160621BHJP
B23K 26/70 20140101ALI20160621BHJP
B23K 26/21 20140101ALI20160621BHJP
H05K 7/06 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
H02G5/02
B23K26/70
B23K26/21 N
H05K7/06 C
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-231228(P2014-231228)
(22)【出願日】2014年11月14日
(65)【公開番号】特開2015-112004(P2015-112004A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2015年1月14日
(31)【優先権主張番号】61/904,644
(32)【優先日】2013年11月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/532,733
(32)【優先日】2014年11月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505296474
【氏名又は名称】ヤザキ ノース アメリカ,インク
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ルメッタ、ジェフリー
【審査官】
岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0311861(US,A1)
【文献】
特開2006−147394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 5/00− 5/10
B23K 26/21
B23K 26/70
H05K 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気端子を有する電気部品と、
バスバーとフレームとを有するバスバー組立品であって、前記バスバーは、帯状の導電性材料から形成されるとともに互いに対向する第1及び第2のバスバー側部を有し、前記フレームは凹部を画成するバスバー座とカバー部材とを有し、前記凹部は前記フレームの第1のフレーム側部を通って延びており、前記バスバーの全体が前記フレーム内に収容されて前記第1のバスバー側部が前記第1のフレーム側部から離隔するように、前記バスバーが前記凹部に受けられ前記バスバー座に座しており、前記カバー部材は、前記第2のバスバー側部に隣接するとともに、レーザ溶接機からのレーザ光を通して受けるように構成された照射開口部を画成し、前記電気端子は前記第1のフレーム側部を通って前記バスバーと接するように前記凹部内に延びている、バスバー組立品と、
を備える、組立品。
【請求項2】
前記照射開口部は、前記電気端子と少なくとも部分的に一列になる、請求項1に記載の組立品。
【請求項3】
前記電気部品に前記バスバー組立品を締め付けるように構成された治具をさらに備える、請求項1に記載の組立品。
【請求項4】
前記治具は、前記カバー部材の前記照射開口部と一列になる開口部を含む、請求項3に記載の組立品。
【請求項5】
前記治具は少なくとも他の開口部を含み、前記カバー部材は少なくとも他の照射開口部を含み、前記電気部品は少なくとも他の電気端子を含み、前記照射開口部のそれぞれは前記電気端子の対応する1つと一列に位置し、前記治具の前記開口部のそれぞれは前記カバー部材の前記照射開口部の対応する1つと一列に位置する、請求項4に記載の組立品。
【請求項6】
前記治具の開口部は、前記フレームに近接する第1の位置における第1の直径と、前記フレームから遠い第2の位置における第2の直径と、を前記開口部が含むように、テーパ状である、請求項5に記載の組立品。
【請求項7】
前記第2の直径は、前記第1の直径より大きい、請求項6に記載の組立品。
【請求項8】
前記フレームは、非導電性材料から形成される、請求項1に記載の組立品。
【請求項9】
複数の電気端子を有する電気部品と、
バスバーとフレームとを有するバスバー組立品であって、前記バスバーは、導電性材料から形成されるとともに互いに対向する第1及び第2のバスバー側部を有し、前記フレームは、非導電性材料から形成されるとともにバスバー座によって画成される凹部を有し、前記凹部は前記フレームの第2のフレーム側部と対向する前記フレームの第1のフレーム側部へ延びて、前記バスバーの全体が前記第1及び第2のフレーム側部間に配置されて前記第1のバスバー側部が前記第1のフレーム側部から離隔するように、前記バスバーが前記凹部内に受けられるとともに前記バスバー座に座しており、前記第1のバスバー側部は前記電気端子と接しており、前記フレームは、前記第2のフレーム側部を通って前記凹部内へ延びる複数の照射開口部を画成し、前記照射開口部のそれぞれは前記電気端子の対応する1つと少なくとも部分的に一列に位置し、前記照射開口部は、レーザ溶接機からのレーザ光を通過させつつ、前記バスバーと外部の物との間の接触を制限するよう構成され、前記電気端子は前記第1のフレーム側部を通って前記バスバーと接するように前記凹部内に延びている、バスバー組立品と、
を備える組立品。
【請求項10】
複数の開口部を含む治具をさらに備え、前記複数の開口部は前記フレームの前記照射開口部の対応する1つと一列に位置する、請求項9に記載の組立品。
【請求項11】
前記治具の開口部は、前記フレームに近接する第1の位置における第1の直径と、前記フレームから遠い第2の位置における第2の直径と、を前記開口部のそれぞれが含むように、テーパ状であり、前記第2の直径は前記第1の直径より大きい、請求項10に記載の組立品。
【請求項12】
複数の電気端子を有する電気部品を用意する工程と、
バスバーフレームの対向する第1及び第2の側部間にバスバーの全体が配置されるように、前記バスバーフレームの凹部内に前記バスバーを挿入する工程であって、前記凹部は前記バスバーフレームの前記第1の側部に延びて、前記バスバーフレームは前記第2の側部を通って前記凹部内に延びる複数の照射開口部を含む、工程と、
前記凹部を画成するバスバー座に対して前記バスバーを固定する工程と、
前記電気端子が前記第1の側部を通って前記バスバーと接するように前記凹部内に延びるように、及び、前記バスバーフレームの前記照射開口部のそれぞれが前記電気端子の対応する1つと少なくとも部分的に一列になるように、前記電気端子に接して前記バスバーを位置付ける工程と、
前記バスバーと前記電気端子との電気通信を促進する手法で前記電気端子に前記バスバーを固定して取り付ける工程と、
を備える、方法。
【請求項13】
前記バスバーフレームの前記第2の側部に接して治具を位置付ける工程をさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記治具は複数の開口部を含み、前記治具を位置付ける工程は、前記バスバーフレームの前記照射開口部の対応する1つと一列になるように前記開口部のそれぞれを少なくとも部分的に整列させる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記電気端子に前記バスバーを固定して取り付ける工程は、前記電気端子に前記バスバーをレーザ溶接する工程を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記電気端子に前記バスバーをレーザ溶接する工程は、前記バスバーフレームの前記照射開口部の対応する1つを通して複数のレーザ光のそれぞれを導く工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記電気端子に前記バスバーをレーザ溶接する工程は、前記治具の前記開口部の対応する1つを通して前記複数のレーザ光のそれぞれを導く工程を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記レーザ光からのエネルギーが前記バスバー及び前記電気端子の少なくとも1つを溶かし始めるときに、前記バスバーを前記電気端子に向けて動かすように前記バスバーフレームに力を加える前記治具を用いる工程をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記バスバーが前記電気端子と融合した後に前記バスバーフレームから前記治具を除去する工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザ溶接用のアクセスを提供するフレームを有するバスバー組立品を備える電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、本開示に参照されるものであって必ずしも先行技術でない、背景情報を与えるものである。
【0003】
種々の電気機器が、電源への端子の接続のような、電気部品を相互に接続するためのバスバーを使用している。バスバーは、導電性金属から製造されており、バスバーの質量及びコストを低減するためにしばしば穴が開けられる。従来は、穴開きバスバーの外周部にフレームが用いられる。フレームは、バスバーと直接接することなく(例えば、組立技術者の指によって)バスバーを持ち上げ得る手段を提供する。この構成に関していくつかの欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、バスバーの外周部の辺りにのみフレームが延びることで、組立技術者の指又は研磨剤又は汚れた面のような他の物に対しバスバーの表面が接することがまだ可能である。さらに、そのようなフレームは、バスバーの望ましくない曲げを防止するような充分な堅牢さではない。加えて、バスバー組立品(すなわち、バスバー及びフレーム)の結合は、典型的には、ねじの留め具の使用を必要とする。
【0005】
上記事項に鑑み、当該分野において、改良されたバスバー組立品を有する電気機器に対する要求が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本節は、本開示の全体的な概要を与えるものであって、その全体の範囲又はその特徴の全ての包括的な開示ではない。
【0007】
一の態様では、本開示は、電気部品及びバスバー組立品を含み得る組立品を提供する。電気部品は、電気端子を含む。バスバー組立品は、バスバー及びフレームを含む。バスバーは、帯状の導電性材料から形成されており、相互に対向する第1及び第2のバスバー側部を含む。フレームは、バスバー座とカバー部材とを含み得る。バスバー座は、フレームの第1のフレーム側部を通って延びてもよい。バスバーの全体がフレーム内に収容されて第1のバスバー側部が第1のフレーム側部から離隔するように、バスバーはバスバー座に受けられフレームに座することとしてもよい。カバー部材は、第2のバスバー側部と隣接し、レーザ溶接機からのレーザ光を通して受けるように構成された照射開口部を画成することとしてもよい。
【0008】
ある構成では、照射開口部は、電気端子と少なくとも部分的に一列となる。
【0009】
ある構成では、バスバー座は、バスバーを受ける凹部を画成する。
【0010】
ある構成では、バスバーは、圧入によってフレームと係合する。
【0011】
ある構成では、組立品は、電気部品に対してバスバー組立品を締め付けるように構成された治具を含む。
【0012】
ある構成では、治具は、カバー部材の照射開口部と一列になる開口部を含む。
【0013】
ある構成では、治具は少なくとも他の開口部を含み、カバー部材は少なくとも他の照射開口部を含み、電気部品は少なくとも他の電気端子を含む。照射開口部のそれぞれは、電気端子の対応する1つと一列になるように位置してもよい。治具の開口部のそれぞれは、カバー部材の照射開口部の対応する1つと一列になるように位置してもよい。
【0014】
ある構成では、治具の開口部は、フレームに近接する第1の位置における第1の直径と、フレームから遠い第2の位置における第2の直径と、を開口部が含むように、テーパ状である。
【0015】
ある構成では、第2の直径は、第1の直径より大きい。
【0016】
ある構成では、フレームは、非導電性材料から形成される。
【0017】
他の態様では、本開示は、電気部品とバスバー組立品とを含み得る組立品を提供する。電気部品は、複数の電気端子を含んでもよい。バスバー組立品は、バスバーとフレームとを含んでもよい。バスバーは、導電性材料から形成されており、相互に対向する第1及び第2のバスバー側部を含む。フレームは、非導電性材料から形成されており、バスバー座によって画成される凹部を含んでもよい。凹部は、フレームの第2のフレーム側部と対向するフレームの第1のフレーム側部内に延びてもよい。バスバーの全体が第1及び第2のフレーム側部間に配置されて第1のバスバー側部が第1のフレーム側部から離隔するように、バスバーは凹部内に受けられバスバー座に座することとしてもよい。第1のバスバー側部は、電気端子と接する。フレームは、第2のフレーム側部を通って凹部内へ延びる、複数の照射開口部を画成してもよい。照射開口部のそれぞれは、電気端子の対応する1つと少なくとも部分的に一列に位置してもよい。照射開口部は、レーザ溶接機からのレーザ光が照射開口部を通ることができるようにしつつ、バスバーと外部の物との接触を制限するよう構成され得る。
【0018】
ある構成では、組立品は、フレームの照射開口部の対応する1つと一列に配置された複数の開口部を含む治具を含む。
【0019】
ある構成では、治具の開口部は、フレームに近接する第1の位置における第1の直径と、フレームから遠い第2の位置における第2の直径と、を開口部のそれぞれが含むようにテーパ状であり、第2の直径は第1の直径より大きい。
【0020】
他の態様では、本開示は、複数の電気端子を有する電気部品を用意する工程と、挿入工程であって、バスバーフレームの対向する第1及び第2の側部間にバスバーの全体が配置されるように、バスバーフレームの凹部内にバスバーを挿入し、凹部はバスバーフレームの第1の側部に延びる、挿入工程と、を含み得る方法を提供する。バスバーフレームは、第2の側部を通って凹部内に延びる複数の照射開口部を含んでもよい。方法はまた、凹部を画成するバスバー座に対してバスバーを固定する工程と、バスバーフレームの照射開口部のそれぞれが電気端子の対応する1つと少なくとも部分的に一列になるように、電気端子に接してバスバーを位置付ける工程と、バスバーと電気端子との電気通信を促進する手法で電気端子にバスバーを固定して取り付ける工程と、を含んでもよい。
【0021】
ある構成では、方法は、バスバーフレームの第2の側部に接して治具を位置付ける工程を含む。
【0022】
ある構成では、治具は、複数の開口部を含む。治具を位置づける工程は、各開口部がフレームの照射開口部の対応する1つと一列になるように、各開口部を少なくとも部分的に整列させる工程を含んでもよい。
【0023】
ある構成では、バスバーを電気端子に固定して取り付ける工程は、電気端子にバスバーをレーザ溶接する工程を含む。
【0024】
ある構成では、電気端子にバスバーをレーザ溶接する工程は、バスバーフレームの照射開口部の対応する1つを通して、複数のレーザ光のそれぞれを導く工程を含む。
【0025】
ある構成では、電気端子にバスバーをレーザ溶接する工程は、治具の開口部の対応する1つを通して複数のレーザ光のそれぞれを導く工程を含む。
【0026】
ある構成では、方法は、レーザ光からのエネルギーがバスバー及び電気端子の少なくとも1つを溶かし始めるときに、バスバーを電気端子に向けて動かすようにフレームに力を加える治具を用いる工程を含む。
【0027】
ある構成では、方法は、バスバーが電気端子と融合した後にフレームから治具を除去する工程を含む。
【0028】
適用性のさらなる領域は、本明細書で提供される説明から明らかになるであろう。この概要における説明及び具体的な実施形態は、図を用いる説明のみのためであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0029】
本明細書で説明される図面は、選択された実施形態を図示するためのみであって可能な実施の全てではなく、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0030】
対応する参照符号は、いくつかの図に亘って対応する部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本開示の教示により構成されたバスバー組立品を有する電気機器の実施形態を示す斜視図である。
【
図2】
図1の電気機器の一部の斜視図であり、バスバー組立品をより詳細に示す図である。
【
図3】電気部品の端子にバスバー組立品をレーザ溶接するために用いられる、レーザ溶接機及び治具を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
実施形態は、添付の図面を参照してより十分に説明されるだろう。
【0033】
実施形態は、本開示が完全となってその範囲が当業者に十分に伝達されるように提供される。本開示の実施形態についての十分な理解を与えるため、具体的な部品、装置及び方法の実施例のような多数の具体的な詳細が説明される。実施形態が多くの異なる態様をとり開示の範囲を制限するように理解されるべきでないことは、具体的な詳細が必要でない当業者には明らかであろう。ある実施形態では、周知の工程、周知の装置構造、及び周知の技術は、詳細に説明されない。
【0034】
本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明するためのみであり、制限することを意図するものではない。本明細書で用いられるように、単数形「1つの(a)」「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈が明確にそれ以外を示すものでなければ、同様に複数形を含むように意図され得る。「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(including)」及び「有する(having)」の用語は、包括的であって、それゆえ記述された特徴、整数、工程、操作、要素、及び/又は、部品の存在を規定するが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、操作、要素、部品、及び/又は、それらの群の存在又は追加を除外するものではない。本明細書に記述された方法の工程、処理及び操作は、動作の順序として具体的に特定されなければ、説明又は図示された特定の順序においてそれらの動作を必ずしも要求するものではない。それはまた、追加の又は代替の工程が使用され得ると理解すべきである。
【0035】
要素又は層が他の要素又は層に対して「上に(on)」、「係合して(engaged to)」、「接続して(connected to)」又は「結合して(coupled to)」いるとき、他の要素又は層に対し直接に、上にあり、係合し、接続し若しくは結合することとしてもよく、又は、介在する要素若しくは層があってもよい。これに対して、要素が他の要素又は層に対して「直上に(directly on)」、「直接係合して(directly engaged to)」、「直接接続して(directly connected to)」又は「直接結合して(directly coupled to)」いるとき、それらは介在する要素又は層がないであろう。要素間の関係を説明するために用いられる他の言葉は、同様に解釈されるべきである(例えば、「間に(between)」対「直接間に(directly between)」、「隣接して(adjacent)」対「直接隣接して(directly adjacent)」、等)。本明細書で用いられるように、「及び/又は(and/or)」の用語は、1つ以上の関連して列記された事項のいずれか及びすべての組み合わせを含む。
【0036】
第1の、第2の、第3の、等の用語が、種々の要素、部品、領域、層及び/又は節を記述するために本明細書で用いられ得るが、これらの要素、部品、領域、層及び/又は節は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、一の要素、部品、領域、層又は節を他の領域、層又は節から区別するために用いられるに過ぎない。「第1の(first)」、「第2の(second)」のような用語及び他の数に関する用語は、本明細書で用いられたとき、文脈によって明確に示されなければ連続又は順序を意味するものではない。それゆえ、以下に述べられる第1の要素、部品、領域、層又は節は、実施形態の教示から離れることなく第2の要素、部品、領域、層又は節と呼ぶことができる。
【0037】
「内側の(inner)」、「外側の(outer)」、「の下方に(beneath)」、「の下方に(below)」、「下側の(lower)」、「の上方に(above)」、「上側の(upper)」等の空間的に比較する用語は、図示されるような一の要素又は特徴の他の要素(複数を含む)又は特徴(複数を含む)に対する関係を記述するよう、説明を容易にするために本明細書で用いられ得る。空間的に比較する用語は、図に描かれた方向に加えて使用中又は操作中の装置の異なる方向を包含することを意図してもよい。例えば、図中の装置が反転すると、他の要素又は特徴「の下方に(below)」又は「の下方に(beneath)」として記述された要素は、他の要素又は特徴「の上方に(above)」と位置付けられるだろう。それゆえ、「の下方に(below)」の用語は、上方及び下方の方向の両方を包含することができる。装置は、その他の方向(90°回転又は他の方向)をとることができ、本明細書で用いられる空間的に比較する記述子は、それに応じて解釈される。
【0038】
図面の
図1を参照すると、実施形態に係る電気機器は、一般に参照符号10で示される。電気機器10は、1つ以上の電気部品12と、バスバー組立品14と、を含むことができる。電気部品12は、従来のものであって、各電気部品12が導電性材料から形成された1つ以上の電気端子20を有すること以外に、本明細書で殊更詳細に説明する必要はない。与えられた特定の実施例では、電気部品12のそれぞれは、電気端子20を有する電池である。しかしながら、電気部品12は、ヒューズ、リレー及びコンデンサを含むいかなる種類の電気部品から選んでもよいことが理解されるだろう。従って、電池の開示が、本開示の範囲を、電気機器が1つ以上の電池を有するように制限しないものと理解されるだろう。
【0039】
図2及び3を参照すると、バスバー組立品14は、バスバー30とフレーム32とを含むことができる。バスバー30は、電気部品12の電気端子20の導電性材料と互換性のある導電性材料から形成され得る。与えられた実施例では、電気端子20及びバスバー30の両方がアルミニウムから形成される。バスバー30は、硬く、孔の開いていない帯状材料とすることができる。
【0040】
フレーム32は、バスバー座40とカバー部材42とを含むことができる、射出成形された非導電性のプラスチック部品とすることができる。バスバー座40は、その中にバスバー30を受けるように構成される。バスバー座40は、フレーム32の第1の側部50がバスバー30の第1の側部52を越えて延びるように、フレーム32内の窪みとすることができる。換言すれば、バスバー30がバスバー座40に受けられるときに、フレーム32内にバスバー30の全体が収容される。この方法における構成は、バスバー組立品14がフレーム32の第1の側部50で支えられて置かれるときにバスバー30の第1の側部52が望ましくない接触をするというリスクを低減することができる。バスバー座40は、圧入法にてバスバー30を受けるように構成することができる。代替として、1つ以上の固定用タブ(図示せず)をフレーム32内に形成することができ、スナップ式(snap-fit)の方法でバスバー30に係合することができる。追加又は代替として、フレーム32にバスバー30を固定するために接着剤(図示せず)を使用することができる。バスバー座40は、カバー部材42にて終端をなすことができ、カバー部材42は、バスバー30の第2の、対向する側部54を部分的に覆うことができる。カバー部材42は、カバー部材42を通ってバスバー30の第2の側部54へのアクセスを提供する、1つ以上の第1の照射開口部60を画成することができる。カバー部材42は、バスバー30の第2の側部54と他の物との間での望ましくない接触を防止するため、バスバー30を覆うことができることが理解されるだろう。カバー部材42−又は第1の照射開口部60を包囲する隆起部のようなカバー部材42の部分−の厚さは、組立技術者の指の部分が第1の照射開口部60の1つに入ってバスバー30の第2の側部54と接触することを困難に又は不可能にする。
【0041】
図3を参照すると、レーザ溶接機70は、バスバー30のそれぞれを電気端子20の関連する1つと溶接するために使用することができる。治具72は、バスバー30の第1の側部52が電気端子20の側部74と隣接するように、バスバー組立品14を電気部品12へ締め付ける。治具72は、フレーム32のカバー部材42に対して直接当接することができ、レーザ溶接機70をバスバー30へアクセス可能とする1つ以上の第2の照射開口部78を画成することができる。与えられた実施例では、第2の照射開口部78の個数は第1の照射開口部60の個数と等しく、第2の照射開口部78のそれぞれは第1の照射開口部60の対応する1つと一列に配置されている。レーザ溶接機70は、バスバー30をバスバー30が電気端子20と融合する点まで加熱するために、第2の照射開口部78及び第1の照射開口部60を通って伝わる、1つ以上のレーザ光90を生成するよう運転され得る。治具72は、レーザ光線(1又は複数)90からのエネルギーがバスバー30及び電気端子20の一方又は両方を溶かし始めるときに、電気端子20の方に向けてバスバー組立品14を動かすように、バスバー組立品14に力を加えることができる。
【0042】
前述の実施形態の記述は、図示及び説明のために提供された。開示を包括的とし又は制限するためではない。特定の実施形態の個々の要素又は特徴は、一般的に特定の実施形態を制限するものではないが、適用可能な場合には、たとえ具体的に示され又は説明されていなくても、置換可能であって選択された実施形態において用いることができる。同様なものは、また多くの方向に変形し得る。そのような変形例は開示から逸脱したと理解されるものではなく、そのような修正の全ては開示の範囲内に含まれることを意図するものである。
【0043】
本願は、2013年11月15日に出願された米国仮特許出願第61/904,644号の利益を主張する。上記出願の開示全体が参照によって本明細書に取り込まれる。