(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5943987
(24)【登録日】2016年6月3日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20160621BHJP
【FI】
G06Q50/02
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-243248(P2014-243248)
(22)【出願日】2014年12月1日
(65)【公開番号】特開2016-71833(P2016-71833A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2014年12月1日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0127597
(32)【優先日】2014年9月24日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506081530
【氏名又は名称】コリア インスティチュート オブ ジオサイエンス アンド ミネラル リソースズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン、チェホン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョン チャン
【審査官】
福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−258551(JP,A)
【文献】
[online],2012年 3月30日,[検索日 2016.01.25],URL,https://web.archive.org/web/20120330204723/http://www.gerd.co.jp/soft/gobase/index.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元地熱資源空間資料に対する3次元断面分析を行うことができるように構成される分析モジュールを、コンピュータを含む演算処理手段によってWeb上で実行されるプログラムとして実現するための2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法において、
ユーザがWeb上の地図画面から分析すべき地熱分布図の種類および分析対象地域を選択する段階と、
前記地熱分布図の種類および前記分析対象地域が選択されると、第1処理部によって選択された分析対象地域に対する線形ベクトルデータを生成する段階と、
前記第1処理部によって生成された前記線形ベクトルデータおよび選択された前記地熱分布図に基づいて前記分析対象地域に対する断面分析レイヤーを第2処理部から呼び出す段階と、
前記呼び出す段階で伝達を受けた条件に応じて前記第2処理部によって動的断面分析クエリーを生成して第3処理部に断面図分析を実行させる段階と、
前記第3処理部によって実行された断面図分析結果を前記第1処理部へ伝達する段階と、
前記断面図分析結果を用いて、前記第1処理部によってWeb画面に表示するための断面図分析チャートを生成する段階と、
生成された前記断面図分析チャートをポップアップウィンドウの形でWeb上の地図画面に表示する段階とを含んでなる、2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法。
【請求項2】
前記第1処理部は、Webブラウザで地図上にデータを表示するための公開ライブラリーたるOpenLayersを用いて構成され、
前記第2処理部は、地理空間データを共有し編集することができるようにJava(登録商標)で開発されたオープンソースGIS(GeographicInformation System)ソフトウェアサーバーたるGeoServerを用いて構成され、
前記第3処理部は、地理情報システム(GIS)を用いて地理に関連する情報を収集、処理して関連分野に使用することができるようにするための空間データベース管理システム(DataBase Management System、DBMS)を構築するオープンソースソフトウェアたるPostGISを用いて構成されることを特徴とする、請求項1に記載の2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法。
【請求項3】
前記地熱分布図の種類および前記分析対象地域を選択する段階は、
前記ユーザが深度別地熱分布図および深度別熱賦存量分布図のうち分析すべき分布図を選択することができるように画面の一側に分布図選択ウィンドウが表示され、
前記ユーザが領域選択ボタンをクリックすると、前記地図上にラインを引くことにより前記分析対象地域を指定することができるようにする処理が行われるように構成されることを特徴とする、請求項2に記載の2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法。
【請求項4】
前記分析対象地域に対する線形ベクトルデータを生成する段階は、
ラスター資料とベクトル資料の交差部分に対するラスター分析過程と、
ラスター資料とベクトル資料の交差部分に対するベクトル資料の距離分析過程とを含んでなることを特徴とする、請求項3に記載の2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法。
【請求項5】
前記ラスター分析過程は、
ST_Intersects関数を用いて、画面に表示された地図に該当する第1ラスター資料と分析対象領域を選択するために、ユーザによって地図上に作成されたラインに該当するベクター資料の交差有無を確認し、
ST_Clip関数を用いて交差部分のみを抽出し、
抽出された部分をST_DumpAsPolygons関数を用いて第2ラスター資料にラスター化し、
geomval関数を用いて前記第2ラスター資料に対する空間図形客体の値を抽出する処理が行われるように構成されることを特徴とする、請求項4に記載の2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法。
【請求項6】
前記距離分析過程は、
ST_Intersects関数を用いて、画面に表示された地図に該当する第1ラスター資料と分析対象領域を選択するために、ユーザによって地図上に作成されたラインに該当するベクトル資料の交差有無を確認し、
ST_Clip関数を用いて交差部分のみを抽出し、
抽出された部分をST_DumpAsPolygons関数を用いて第2ラスター資料にラスター化し、
geomval関数を用いて前記第2ラスター資料に対する空間図形客体の値を抽出し、
ST_Centroid関数を用いて前記空間図形客体の中心点(CenterGeometry)を抽出し、
ST_LineLocatePoint関数を用いて、前記中心点に最も近い前記ベクトル資料上の位置を示す0と1の間の浮動小数点を抽出し、
ST_LineLocatePoint関数およびST_Length関数を用いて前記浮動小数点の値を前記ベクトル資料の全体距離に掛けることにより交差部分の距離を求める処理が行われるように構成されることを特徴とする、請求項5に記載の2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法。
【請求項7】
前記呼び出す段階は、
前記選択する段階で前記地図上に表示されたラインと選択された分布図を条件として前記OpenLayersで前記GeoServer呼出メソッドを実行する処理が行われるように構成されることを特徴とする、請求項6に記載の2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法。
【請求項8】
前記断面図分析を実行させる段階は、
前記OpenLayersから伝達された条件を用いて、前記PostGISを実行するSQLクエリーを動的に生成し、前記PostGISに該当クエリーを実行するようにして、前記ラスター資料と前記ベクトル資料の交差地点の距離(line_distance)とラスター値(temp_value)を求めるようにする処理が行われるように構成されることを特徴とする、請求項7に記載の2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法。
【請求項9】
前記伝達する段階は、
前記断面図分析の結果として求められた前記ラスター資料と前記ベクトル資料の交差地点の距離(line_distance)とラスター値(temp_value)を前記GeoServerで受信して前記OpenLayersへ伝達する処理が行われるように構成されることを特徴とする、請求項8に記載の2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法。
【請求項10】
前記断面図分析チャートを生成する段階は、
前記伝達する段階で伝達された前記断面図分析結果を用いて、前記OpenLayersによって断面図分析チャート生成メソッドを実行するようにする処理が行われるように構成されることを特徴とする、請求項9に記載の2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法。
【請求項11】
前記表示する段階は、
前記OpenLayersによって生成された前記断面図分析チャートをポップアップウィンドウの形で前記地図画面に表示する処理が行われるように構成されることを特徴とする、請求項10に記載の2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法によって、2次元的な地熱分布図資料を用いて所望の分析対象地域に対する地熱資源資料の3次元的な分析を行うことができるように構成される、地熱資源資料分析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地熱資源資料の分析方法に係り、さらに詳しくは、特定の地域に対する地温増加率、および岩石の熱伝導度を測定して計算された地熱流量資料を総合して地熱の分布を示す地熱流量分布図、地温勾配分布図および深度別地熱分布図などの地熱資源資料を用いて、2次元地熱資源空間資料に対する3次元断面分析を行うことができるように構成される分析モジュールを、コンピュータを含む演算処理手段によって実行されるプログラムとして実現するための、2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法に関する。
【0002】
また、本発明は、前述したように2次元地熱資源空間資料に対する3次元断面分析モジュールを、Web上で駆動されるプログラムとして実現するために、Web上の地図画面から分析対象地域を選択して線形ベクトルデータを生成し、生成された線形ベクトルデータと分布図に基づいて分析対象地域に対するGeoServerの断面分析レイヤーを呼び出し、GeoServerから伝達された条件に応じて動的断面分析クエリーを生成してオープンソース地理情報ソフトウェアたるPostGISを実行し、PostGISによって実行された断面図分析結果をOpenLayersへ伝達してWeb画面に表示するための断面分析結果チャートを生成した後、Web上の地図画面に断面図分析チャートをポップアップウィンドウの形で表示するように構成される、2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法に関する。
【背景技術】
【0003】
最近、石油や石炭などの化石燃料の枯渇と無分別な環境破壊による気候変化により、既存の化石燃料を代替することが可能な環境調和型代替エネルギーとして、例えば、太陽熱や水力、風力、地熱などの自然エネルギーを用いた新再生エネルギーに関する研究が盛んに行われている。
【0004】
ここで、地熱を用いた方法は、化石燃料と比較してCO
2、NOx、SOxなどの排出ガスが殆どないので、温室効果およびヒートアイランド現象を抑える効果があって地球温暖化現象を抑制することができる。また、太陽熱や水力、風力などの自然エネルギーは、一般に気象に影響され易いため、供給信頼性が問題となるが、地熱エネルギーは、気象に殆ど影響されないため、供給信頼性の高い自然エネルギーである。
【0005】
さらに詳しくは、地熱とは、地表面の浅いところから数kmの深さまで存在する熱水や岩石を含む、地が持っているエネルギーのことをいう。太陽熱の約47%が地表面を介して地下に貯蔵される。このように太陽熱を吸収した地中の温度は地形によって異なるが、地表面に近い地中の温度は略10℃〜20℃程度であり、地下数kmの地熱温度は40℃〜150℃以上を維持するので、年中大きな変化がないものと知られている。
【0006】
しかも、例えば韓国の場合、火山地帯が殆ど存在しないため、深層地熱の利用は非常に難しいので、現在は地下深さ100〜150mの地熱を利用するシステムの開発および普及が活性化されている。
【0007】
ところが、地熱エネルギー資源の賦存量は、発電、地域暖房または地熱熱ポンプを利用した冷暖房によってその定義が変わるので、全世界的に統一された概念がなく、韓国でも現在は地熱エネルギー資源に対する定量的な推定が不可能な実情である。
【0008】
このため、本発明の出願人である韓国地質資源研究院では、韓国の地熱エネルギーの分布を分析するために、韓国全国にわたって地熱流量分布図、地温勾配分布図および深度別地熱分布図をそれぞれ製作して地熱エネルギーの分布を図式化したことがある。
【0009】
ここで、地熱流量(heat flow of the earth crust)とは、地球の内部から地殻に出てくるエネルギー量であって、地殻熱流量とも呼び、単位時間あたり単位面積から出てくるエネルギーの量を意味する。単位はHFU(Heat Flow Unit、mW/m
2)であり、1HFUは1秒間1m
2の面積から10
−6calだけのエネルギーが出てくることを意味する。
【0010】
また、地殻熱流量は地殻の安定状態と関連があるから、主に安定した地域よりは地殻変動の活発な地域が高い地殻熱流量を示し、すなわち、新期造山帯や火山帯などで地殻熱流量が高く測定される。 地殻熱流量は、大陸の場合には、比較的近い時期である中生代と新生代の造山帯で高く、盾状地では低く測定され、海の場合には、海嶺で高く、 海嶺から遠くなるほど低くなり、海溝では最も低く測定される。
【0011】
また、地温勾配とは、地球中心方向への単位距離あたり地温の増減率を意味し、地下増温率とも呼ぶ。すなわち、地温勾配が高ければ地下へ降りるほど地熱がさらに高くなることを意味し、一般に、1kmに対して20〜30℃を示すが、火山などの高温地帯では50℃を示す場合もある。
【0012】
このような地温勾配の最も直接的な測定法は、地表に深い井戸を掘り、その内部の温度を測定する方法であり、鉱山や石油井なども同じ目的に適するように利用できる。他の方法としては、地表(主に海底)における熱流出量とその地点の熱伝導率を実験室で測定し、これによる地下増温率を推定する方法がある。
【0013】
しかも、深度別地熱分布は、地表面における地熱温度および特定の深さに対して該当深度による地熱温度の分布を示すものである。
【0014】
よって、上述したような地熱流量、地温勾配および深度別地熱分布を総合的に判断して地熱エネルギー開発候補地の選定などに重要な根拠資料として活用できるが、従来、このような地熱流量の分布を効率よく分析するための方法またはシステムは提示されたことがなかった。
【0015】
さらに詳しくは、前述したような地熱流量分布図、地温勾配分布図および深度別地熱分布図などはいずれも2次元的な情報に過ぎないので、従来、特定の地域の深さ別地熱分布を示す3次元的な断面図を作成するためには、該当地域の深度別に多数の地熱分布図を一つ一つ検索し、探し出した後、それぞれの図面を総合して分析し、別の断面図を作成しなければならないという煩わしさがあった。
【0016】
したがって、前述したような従来の技術の問題点を解決するためには、コンピュータを含む演算処理手段を用いて分析を所望する地域を入力すると、該当地域の地熱資源に対する既存の地熱資源空間資料を総合し、分析して3次元的な地熱分布断面図を作成する処理がプログラムを介して自動的に行われるように構成される新しい地熱資源空間資料分析システムを提供することが好ましいが、未だそのような要求を全て満足させる装置または方法は提供されていない実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上述したような従来の技術の問題点を解決するためのもので、その目的は、特定の地域の深さ別地熱分布を示す3次元的な断面図を作成するためには該当地域の深度別に多数の地熱分布図を一つ一つ検索し、探し出した後、それぞれの図面を総合して分析し、別の断面図を作成しなければならないという煩わしさがあった従来の技術の問題点を解決するために、特定の地域に対する地温増加率、および岩石の熱伝導度を測定して計算された地熱流量資料を総合して地熱の分布を示す地熱流量分布図、地温勾配分布図および深度別地熱分布図などの地熱資源資料を用いて、2次元地熱資源空間資料に対する3次元断面分析を行うことができるように構成される分析モジュールを、コンピュータを含む演算処理手段によって実行されるプログラムとして実現するための、2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法を提供することにある。
【0018】
また、本発明の他の目的は、上述したように2次元地熱資源空間資料に対する3次元断面分析モジュールを、Web上で駆動されるプログラムとして実現するために、Web上の地図画面から分析対象地域を選択して線形ベクトルデータを生成し、生成された線形ベクトルデータおよび分布図に基づいて分析対象地域に対するGeoServerの断面分析レイヤーを呼び出し、GeoServerから伝達された条件に応じて動的断面分析クエリーを生成してオープンソース地理情報ソフトウェアたるPostGISを実行し、PostGISによって実行された断面図分析結果をOpenLayersへ伝達してWeb画面に表示するための断面分析結果チャートを生成した後、Web上の地図画面に断面図分析チャートをポップアップウィンドウの形で表示するように構成される、2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明によれば、2次元地熱資源空間資料に対する3次元断面分析を行うことができるように構成される分析モジュールを、コンピュータを含む演算処理手段によってWeb上で実行されるプログラムとして実現するための2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法において、ユーザがWeb上の地図画面から分析すべき地熱分布図の種類および分析対象地域を選択する段階と、前記地熱分布図の種類および前記分析対象地域が選択されると、第1処理部によって選択された分析対象地域に対する線形ベクトルデータを生成する段階と、前記第1処理部によって生成された前記線形ベクトルデータおよび選択された前記地熱分布図に基づいて前記分析対象地域に対する断面分析レイヤーを第2処理部から呼び出す段階と、前記呼び出す段階で伝達を受けた条件に応じて前記第2処理部によって動的断面分析クエリーを生成して第3処理部に断面図分析を実行させる段階と、前記第3処理部によって実行された断面図分析結果を前記第1処理部へ伝達する段階と、前記断面図分析結果を用いて、前記第1処理部によってWeb画面に表示するための断面図分析チャートを生成する段階と、生成された前記断面図分析チャートをポップアップウィンドウの形でWeb上の地図画面に表示する段階とを含んでなることを特徴とする、2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法が提供される。
【0020】
ここで、前記第1処理部は、Webブラウザで地図上にデータを表示するための公開ライブラリーたるOpenLayersを用いて構成され、前記第2処理部は、地理空間データを共有し編集することができるようにJava(登録商標)で開発されたオープンソースGIS(Geographic Information System)ソフトウェアサーバーたるGeoServerを用いて構成され、前記第3処理部は、地理情報システム(GIS)を用いて地理に関連する情報を収集、処理して関連分野に使用することができるようにするための空間データベース管理システム(Data Base Management System、DBMS)を構築するオープンソースソフトウェアたるPostGISを用いて構成されることを特徴とする。
【0021】
また、前記地熱分布図の種類および前記分析対象地域を選択する段階は、前記ユーザが深度別地熱分布図および深度別熱賦存量分布図の中から分析すべき分布図を選択することができるように画面の一側に分布図選択ウィンドウが表示され、前記ユーザが領域選択ボタンをクリックすると、前記地図上にラインを引くことにより前記分析対象領域を指定することができるようにする処理が行われるように構成されることを特徴とする。
【0022】
また、前記分析対象地域に対する線形ベクトルデータを生成する段階は、ラスター資料とベクトル資料の交差部分に対するラスター分析過程と、ラスター資料とベクトル資料の交差部分に対するベクトル資料の距離分析過程とを含んでなることを特徴とする。
【0023】
また、前記ラスター分析過程は、ST_Intersects関数を用いて、画面に表示された地図に該当する第1ラスター資料と分析対象領域を選択するために、ユーザによって地図上に作成されたラインに該当するベクター資料の交差有無を確認し、ST_Clip関数を用いて交差部分のみを抽出し、 抽出された部分をST_DumpAsPolygons関数を用いて第2ラスター資料にラスター化し、geomval関数を用いて前記第2ラスター資料に対する空間図形客体の値を抽出する処理が行われるように構成されることを特徴とする。
【0024】
また、前記距離分析過程は、ST_Intersects関数を用いて、画面に表示された地図に該当する第1ラスター資料と分析対象領域を選択するために、ユーザによって地図上に作成されたラインに該当するベクトル資料の交差有無を確認し、 ST_Clip関数を用いて交差部分のみを抽出し、抽出された部分をST_DumpAsPolygons関数を用いて第2ラスター資料にラスター化し、geomval関数を用いて前記第2ラスター資料に対する空間図形客体の値を抽出し、ST_Centroid関数を用いて前記空間図形客体の中心点(Center Geometry)を抽出し、ST_LineLocatePoint関数を用いて、前記中心点に最も近い前記ベクトル資料上の位置を示す0と1の間の浮動小数点を抽出し、ST_LineLocatePoint関数およびST_Length関数を用いて前記浮動小数点の値を前記ベクトル資料の全体距離に掛けることにより交差部分の距離を求める処理が行われるように構成されることを特徴とする。
【0025】
また、前記呼び出す段階は、前記選択する段階で前記地図上に表示されたラインと選択された分布図を条件として前記OpenLayersで前記GeoServer呼出メソッドを実行する処理が行われるように構成されることを特徴とする。
【0026】
また、前記断面図分析を実行させる段階は、前記OpenLayersから伝達された条件を用いて、前記PostGISを実行するSQLクエリーを動的に生成し、前記PostGISに該当クエリーを実行するようにして、前記ラスターと前記ベクトル資料の交差地点の距離line_distanceとラスター値temp_valueを求めるようにする処理が行われるように構成されることを特徴とする。
【0027】
また、前記伝達する段階は、前記断面図分析の結果として求められた前記ラスターと前記ベクトル資料の交差地点の距離line_distanceとラスター値temp_valueを前記GeoServerで受信して前記OpenLayersへ伝達する処理が行われるように構成されることを特徴とする。
【0028】
また、前記断面図分析結果チャートを生成する段階は、前記伝達する段階で伝達された前記断面分析結果情報を用いて、前記OpenLayersによって断面分析結果チャート生成メソッドを実行するようにする処理が行われるように構成されることを特徴とする。
【0029】
また、前記表示する段階は、前記OpenLayersによって生成された前記断面図分析結果チャートをポップアップウィンドウの形で前記地図画面に表示する処理が行われるように構成されることを特徴とする。
【0030】
また、本発明によれば、上記に記載された2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法によって、2次元的な地熱分布図資料を用いて所望の分析対象地域に対する地熱資源資料の3次元的な分析を行うことができるように構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
上述したように、本発明によれば、Web上の地図画面から分析対象地域を選択して線形ベクトルデータを生成し、生成された線形ベクトルデータと分布図に基づいて分析対象地域に対するGeoServerの断面分析レイヤーを呼び出し、GeoServerから伝達された条件に応じて動的断面分析クエリーを生成してオープンソース地理情報ソフトウェアたるPostGISを実行し、PostGISによって実行された断面図分析結果をOpenLayersへ伝達してWeb画面に表示するための断面分析結果チャートを生成した後、Web上の地図画面に断面図分析チャートをポップアップウィンドウの形で表示するように構成される、2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法が提供されることにより、特定の地域の深さ別地熱分布を示す3次元的な断面図を作成するためには、該当地域の深度別に多数の地熱分布図を一つ一つ検索し、探し出した後、それぞれの図面を総合して分析し、別の断面図を作成しなければならないという煩わしさがあった従来の技術の問題点を解決することができる。
【0032】
また、本発明によれば、上述したように構成される2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法が提供されることにより、特定の地域に対する地温増加率、および岩石の熱伝導度を測定して計算された地熱流量資料を総合して地熱の分布を示す地熱流量分布図、地温勾配分布図および深度別地熱分布図などの地熱資源資料を用いて、2次元地熱資源空間資料に対する3次元断面分析を行うことができるように構成される分析システムを、コンピュータを含む演算処理手段によって実行されるプログラムとして実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の実施例に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法の全体的な構成を概略的に示す図である。
【
図2】本発明の実施例に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法の 全体的な構成を概略的に示すフローチャートである。
【
図3】ラスター資料とベクトル資料の交差部分に対するラスター分析過程を説明するための図である。
【
図4】ラスター資料とベクトル資料の交差部分に対するベクトル資料の距離分析過程について説明するための図である。
【
図5】本発明の実施例に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法を実行して、ユーザがWeb上の地図画面から分析すべき地熱分布図の種類を選択し、地図上にラインを引くことにより対象地域を選択する処理過程が実行される様子を示す図である。
【
図6】本発明の実施例に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法で分析対象地域に対するGeoServerの断面分析レイヤーを呼び出す処理のための構成を示す図である。
【
図7】本発明の実施例に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法で動的断面分析クエリーを生成してPostGISを実行する処理のための構成を示す図である。
【
図8】本発明の実施例に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法でPostGISによって実行された断面図分析結果をOpenLayersへ伝達する処理のための構成を示す図である。
【
図9】本発明の実施例に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法で 断面図分析結果をWeb画面に表示するための断面図分析チャートを生成する処理のための構成を示す図である。
【
図10】本発明の実施例に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法で断面図分析チャートをWeb上の地図画面に表示する処理のための構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法の具体的な実施例について説明する。
【0035】
ここで、以下に説明する内容は本発明を実施するための一実施例に過ぎず、本発明は以下に説明する実施例の内容に限定されるものではないという事実に留意すべきである。
【0036】
また、以下の本発明の実施例についての説明において、従来の技術の内容と同一または類似するもの、或いは当業者の水準で容易に理解し実施することができるものと判断される部分については、説明を簡略にするためにその詳細な説明を省略したことに留意すべきである。
【0037】
すなわち、本発明は、後述するように、特定の地域の深さ別地熱分布を示す3次元的な断面図を作成するためには該当地域の深度別に多数の地熱分布図を一つ一つ検索し、探し出した後、それぞれの図面を総合して分析し、別の断面図を作成しなければならないという煩わしさがあった従来の技術の問題点を解決するために、特定の地域に対する地温増加率、および岩石の熱伝導度を測定して計算された地熱流量資料を総合して地熱の分布を示す地熱流量分布図、地温勾配分布図および深度別地熱分布図などの地熱資源資料を用いて、2次元地熱資源空間資料に対する3次元断面分析を行うことができるように構成される分析モジュールを、コンピュータを含む演算処理手段によって実行されるプログラムとして実現するための、2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法に関するものである。
【0038】
また、本発明は、後述するように、2次元地熱資源空間資料に対する3次元断面分析モジュールを、Web上で駆動されるプログラムとして実現するために、Web上の地図画面から分析対象地域を選択して線形ベクトルデータを生成し、生成された線形ベクトルデータと分布図に基づいて分析対象地域に対するGeoServerの断面分析レイヤーを呼び出し、GeoServerから伝達された条件に応じて動的断面分析クエリーを生成してオープンソース地理情報ソフトウェアたるPostGISを実行し、PostGISによって実行された断面図分析結果をOpenLayersへ伝達してWeb画面に表示するための断面分析結果チャートを生成した後、Web上の地図画面に断面図分析チャートをポップアップウィンドウの形で表示するように構成される、2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法に関するものである。
【0039】
次に、図面を参照して、本発明に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法の具体的な構成について説明する。
【0040】
まず、
図1および
図2を参照すると、
図1は本発明の実施例に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法の全体的な構成を概略的に示す図、
図2は本発明の実施例に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法の全体的な構成を概略的に示すフローチャートである。
【0041】
図1および
図2に示すように、本発明の実施例に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法は、大きく分けて、ユーザがWeb上の地図画面から分析すべき地熱分布図の種類を選択し、地図上にラインを引くことにより対象地域を選択すると(段階S21)、OpenLayersを介して選択された分析対象地域に対する線形ベクトルデータを生成し(段階S22)、生成された線形ベクトルデータと選択された地熱分布図に基づいて分析対象地域に対するGeoServerの断面分析レイヤーを呼び出す(段階S23)。
【0042】
次いで、GeoServerでは、伝達された条件に応じて動的断面分析クエリーを生成してPostGISを実行し(段階S24)、PostGISによって実行された断面図分析結果をOpenLayersへ伝達する(段階S25)。
【0043】
その後、OpenLayersでは、伝達された断面図分析結果を用いて、Web画面に表示するための断面図分析チャートを生成し(段階S26)、生成された断面図分析チャートをポップアップウィンドウの形でWeb上の地図画面に表示する(段階S27)一連の処理過程を含んで構成できる。
【0044】
ここで、本発明の実施例に適用されたGeoServerは、地理空間データを共有し編集することができるようにJava(登録商標)で開発されたオープンソースGISソフトウェアサーバーであり、このようなGeoServerは、相互運用性を前提に開発されて開放型標準を使用することにより、様々な空間データソースをサービスすることができる。
【0045】
また、前述したPostGISは、地理情報システム(Geographic Information System、GIS)を用いて地理に関連する情報を収集、処理して関連分野に使用することができるようにするための空間データベース管理システム(Data Base Management System、DBMS)を構築するオープンソースソフトウェアである。
【0046】
また、GISは、従来から印刷物の形で利用してきた地図および地理情報をコンピュータを用いて作成および管理し、こうして得られた地理情報に基づいてデータを収集、分析および加工して地理に関連する全ての分野へ適用するために設計された総合情報システムを意味し、土地、資源、環境、都市、海洋、水産、軍事、交通、通信、上下水道などを含む広範囲な分野で用いられている。
【0047】
また、前述したOpenLayersは、Webブラウザで地図上に各種データを表示する純粋ジャバスクリプト(javascript)ライブラリーであって、空間情報産業国際標準化コンソーシアムであるOGC(Open Geospatial Consortium)で定義した標準サービスを支援し、WMS、WFS、GML、ArcGIS、Google、yahooなどのマップをWeb環境のクライアント側で実現しようとするときに活用される公開ライブラリーである。
【0048】
すなわち、本発明は、上述したようなオープンソースインターネットGISサーバーたるGeoServer、オープンソース空間DBMSたるPostGIS、および公開ライブラリーたるOpenLayersを用いて、既存の2次元的な地熱分布図資料に基づいて特定の地域に対する深度別地熱分布を3次元的な視覚資料として提供する地熱資源資料分析システムを、Web上で動作するプログラムとして実現しようとするものである。
【0049】
さらに詳しくは、前述した分析対象地域に対する線形ベクトルデータを生成する段階(S22)は、大きく分けて、ラスター資料とベクトル資料の交差部分に対するラスター分析過程と、ラスター資料とベクトル資料の交差部分に対するベクトル資料の距離分析過程とから構成できる。
【0050】
すなわち、
図3を参照すると、
図3はラスター資料とベクトル資料の交差部分に対するラスター分析過程を説明するための図である。
【0051】
図3に示すように、ラスター資料とベクトル資料の交差部分に対するラスター分析過程は、ラスター資料(ラスター1、すなわち、画面に表示された地図)とベクトル資料(すなわち、分析対象領域を選択するためにユーザによって地図上に作成されたライン)の交差有無を確認し、交差部分のみを抽出してラスター処理し(ラスター2)、geomvalから空間図形客体(ラスター2)の値を抽出するものである。
【0052】
ここで、このために使用される関数としては、ST_Intersects、ST_Clip、ST_DumpAsPolygons、geomvalがある。まず、ST_Intersects関数は、Geometry/Geography客体が2次元上で空間的に交差(空間のいずれかの部分を共有)する場合にはTRUEを返却し、そうでない場合(Disjoint)にはFALSEを返却する。
【0053】
また、Geography類型に対しては0.00001メートルの許容誤差(誤差内に含まれると、互いに交差すると看做す)を使用し、ST_Clip関数は空間演算作業を用いて入力されたベクトル図形空間によって切り取り、すなわち、一つのラスターを一部のベクトル図形が占有している場合、共同占有される共通集合部分に切り取られるクリッピング処理によってラスターに変換する。
【0054】
この際、何らのバンドも指定されていない場合、全てのバンドが返却され、もし生成されたラスターが指定されていない場合、trueは出力ラスターが切り取られたことを意味するものと看做す。
【0055】
また、ST_DumpAsPolygonsは、与えられたラスターバンド、geomval(geom、val)行の集合を返却し、何らのbandnumも指定されていない場合、bandnumは1を基本値とする。
【0056】
また、geomval関数はgeomフィールド(geomtry object)とvalフィールド(ラスターバンドの倍精度実数値)を有する空間データタイプである。
【0057】
この際、断面図クエリー計画の樹立では、以下のQ1のように交差されたラスターからgeomval(geom、val)を用いて抽出するとき、17627msの分析速度がかかって速度の問題が発生する。
【0058】
よって、本実施例では、以下のQ2のように行って断面図分析速度問題を解決した。この際、分析速度は1553msであって、Q1に比べて約10倍程度の検索速度向上効果があると確認された。
【数1】
【0059】
また、断面図分析ラスター値の空間クエリー最適化については、以下に示すように、ST_Intersetsによってline_geometryとrastの交差有無を確認し、ST_Clipによって交差部分をラスター化し、ST_DumpAsPolygonsによってラスターをgeomval(空間図形客体)に作ってラスター値を得る。
【数2】
【0060】
図4を参照すると、
図4はラスター資料とベクトル資料の交差部分に対するベクトル資料の距離分析過程について説明するための図である。
【0061】
図4に示すように、ラスター資料とベクトル資料の交差部分に対する距離分析(km)は、ラスター資料(Raster1)とベクトル資料(Line)の交差有無を確認し、交差された部分のみをラスター処理して(Raster2)、geomval(空間図形客体、Raster2 Geometry)を抽出し、抽出したgeomvalから空間図形客体の中心点(Center Geometry)を得て、このような中心点に最も近いベクトル資料上の位置を示す0と1の間の浮動小数点を抽出し、ベクトル資料(Line)の全体距離に掛けることにより交差部分の距離を求める。
【0062】
ここで、このために使用される関数としては、ST_Centroid、ST_LineLocatePoint、ST_Length、ST_GeomFromTextがある。まず、ST_Centroid関数はジオメトリー(Geometry)の幾何学的中心(重さ中心)を返却する。これはSQL/MM仕様を実現し、例えば、SQL−MM3:8.1.4,9.5.5で表現することができる。
【0063】
また、ST_LineLocatePoint関数は、与えられたPoint Geometryから最も近いLineString上の位置を示す0と1の間の浮動小数点(2次元上での線の全長に対する比率)を返却し、ST_Length関数は、GeometryがLineStringまたはMultiLineStringである場合、2次元上での長さを返却する。
【0064】
この際、Geometry類型は空間座標系単位を使用し、Geography類型はメートル単位(回転楕円体使用の基本値)を使用し、ST_GeomFromText関数はWKTで指定されたST_Geometry値を返却する。
【0065】
また、ベクトル資料とラスターの交差された地点距離を求める空間クエリーの最適化については、以下に示すように、ST_Intersectsによってline_geometryとrastの交差有無を確認し、ST_Clipによって交差部分をラスター化し、ST_DumpAspolygonsによってラスターをgeomval(空間図形客体)に作り、ST_Centroidによってgeomvalの空間図形客体の中心点を得て、最も近いベクトル資料上の位置を示す0と1の間の浮動小数点を求め、ベクトル資料の全体距離に掛けてベクトル資料とラスターの交差された地点距離を求める。
【数3】
【0066】
続いて、
図5を参照すると、
図5は本発明の実施例に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法を実行して、ユーザがWeb上の地図画面から分析すべき地熱分布図の種類を選択し、地図上にラインを引くことにより対象地域を選択する処理過程が実行される様子を示す図である。
【0067】
図5に示すように、ユーザが
図5の左側に示した分布図選択ウィンドウを介して深度別地熱分布図および深度別熱賦存量分布図の中から分析すべき分布図を選択し、その後、その下の領域選択ボタンをクリックすると、地図上にラインを引くことができるようにする処理が行われる。
【0068】
よって、ユーザは、
図5の右側に示すように、断面図分析を行おうとする地域にラインを引いてダブルクリックすると、前述したような分析対象地域に対する線形ベクトルデータを生成する段階(S22)の処理過程によって断面図分析が始まる。
【0069】
次に、
図6を参照すると、
図6は本発明の実施例に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法で分析対象地域に対するGeoServerの断面分析レイヤーを呼び出す処理のための構成を示す図である。
【0070】
図6に示すように、前述した分析対象地域に対するGeoServerの断面分析レイヤーを呼び出す段階(S23)は、UI画面の地図上に表示したラインと分析すべき分布図を条件としてGeoServerに呼び出すべき構文を作成し、OpenLayersでGeoServer呼出メソッドを実行する処理が行われるように構成される。
【0071】
次に、
図7を参照すると、
図7は本発明の実施例に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法で動的断面分析クエリーを生成してPostGISを実行する処理のための構成を示す図である。
【0072】
図7に示すように、断面分析クエリーの実行は、OpenLayersから伝達された条件table(断面分析すべき分布図)、line(地図上に引いたLine)を用いて、PostGISを実行するSQLクエリーを動的に生成し、PostGISに該当クエリーを実行するようにする処理が行われるように構成される。
【0073】
次に、
図8を参照すると、
図8は本発明の実施例に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法でPostGISによって実行された断面図分析結果をOpenLayersに伝達する処理のための構成を示す図である。
【0074】
図8に示すように、PostGISによって実行された断面図分析結果をOpenLayersへ伝達する段階(S25)は、上述したようにして、GeoServerで生成した断面図分析クエリーをPostGISに実行するようにしてラスターとベクトル資料の交差地点の距離line_distanceとラスター値temp_valueが求められると、GeoServerから該当結果値を受信し、さらにOpenLayersへ達する処理が行われるように構成される。
【0075】
次に、
図9を参照すると、
図9は本発明の実施例に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法で断面図分析結果をWeb画面に表示するための断面図分析チャートを生成する処理のための構成を示す図である。
【0076】
図9に示すように、断面図分析結果をWeb画面に表示するための断面図分析結果チャートを生成する段階(S26)は、前述したようにしてGeoServerに伝達された断面分析結果情報を用いて、OpenLayersによって断面分析結果チャート生成メソッドを実行するように構成される。
【0077】
次に、
図10を参照すると、
図10は本発明の実施例に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法で断面図分析チャートをWeb上の地図画面に表示する処理のための構成を示す図である。
【0078】
図10に示すように、断面図分析チャートをポップアップウィンドウの形でWeb上の地図画面に表示する段階(S27)は、前述したようにしてOpenLayersによって生成された断面図分析結果チャートを、ポップアップウィンドウの形でWeb上の地図画面に表示する処理が行われるように構成される。
【0079】
以上、前述したような一連の処理過程を経て、本発明によれば、既存の2次元的な地熱分布図資料を用いて所望の分析対象地域に対する深度別地熱分布や深度別熱賦存量などの地熱資源資料の3次元的な分析を容易に行うことができ、また、そのような2次元資料を用いて3次元分析を行うための分析システムをWeb上で駆動されるプログラムの形で容易に構成することができる。
【0080】
よって、前述したようにして本発明に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法を実現することができる。
【0081】
また、前述したようにして本発明に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法を実現することにより、本発明によれば、Web上の地図画面から分析対象地域を選択して線形ベクトルデータを生成し、生成された線形ベクトルデータと分布図に基づいて分析対象地域に対するGeoServerの断面分析レイヤーを呼び出し、GeoSeverから伝達された条件に応じて動的断面分析クエリーを生成してオープンソース地理情報ソフトウェアたるPostGISを実行し、PostGISによって実行された断面図分析結果をOpenLayerへ伝達してWeb画面に表示するための断面分析結果チャートを生成した後、Web上の地図画面に断面図分析チャートをポップアップウィンドウの形で表示するように構成される、次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法が提供されることにより、特定の地域の深さ別地熱分布を示す3次元的な断面図を作成するためには、当地域の深度別に多数の地熱分布図を一つ一つ検索し、探し出した後、それぞれの図面を総合して分析し、別の断面図を作成しなければならないという煩わしさがあった従来の技術の問題点を解決することができる。
【0082】
しかも、本発明によれば、前述したように構成される2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法が提供されることにより、特定の地域に対する地温増加率、および岩石の熱伝導度を測定して計算された地熱流量資料を総合して地熱の分布を示す地熱流量分布図、地温勾配分布図および深度別地熱分布図などの地熱資源資料を用いて2次元地熱資源空間資料に対する3次元断面分析を行うことができるように構成される分析システムを、コンピュータを含む演算処理手段によって実行されるプログラムとして実現することができる。
【0083】
以上、上述したような本発明の実施例によって本発明に係る2次元地熱資源資料のWeb基盤3次元断面図分析方法の詳細な内容について説明したが、本発明は、前述した実施例に記載された内容に限定されるものではない。よって、本発明は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって設計上の必要およびその他の様々な要因によっていろいろの修正、変更、結合および代替などが可能であるのは当たり前であろう。