(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
前記の一般的説明及び以下の詳細な説明の両方が、例示及び説明的のみであり、そして特許請求されるような本発明を制限するものではないことは理解されることである。本明細書中で、単数の使用は、多に具体的に記述されない限り複数を含む。本明細書中で使用される場合、“又は”の使用は、他に記述されない限り“及び/又は”を意味する。更に、用語“含み”並びに“含む”及び“含んで”のような他の形態の使用は、制約的ではない。更に、“要素”又は“成分”のような用語は、一つの単位を含んでなる要素及び成分並びに一つより多い下位単位を含んでなる要素及び成分の両方を、具体的に他に記述しない限り包含する。
【0016】
本明細書中に使用される項目の表題は、構成上の目的のみであり、そして記載される対象事項を制約すると解釈されるべきではない。制約されるものではないが、特許、特許出願、文献、書籍、及び条約を含む本出願中に引用された全ての文書又は文書の一部は、本明細書中で考察される文書の一部並びにその全てが、参考文献として本明細書中に明確に援用される。
【0017】
定義
具体的な定義が提供されない限り、本明細書中に記載される分析化学、合成有機化学、並びに医薬及び製薬化学に関連して使用される命名法、並びにその方法及び技術は、当技術において公知であり、そして普通に使用されるものである。標準的技術を、化学合成及び化学分析のために使用することができる。可能な場合、全ての特許、出願、公開された出願及び他の刊行物、国立バイオデータ情報センター(NCBI)のようなデータベースにより得られるGENBANK寄託番号及び付属する配列情報、並びに本明細書中に開示されるものの中で言及される他のデータは、本明細書中で考察される文書の一部、並びにその全てが参考文献として援用される。
【0018】
他に示されない限り、以下の用語は、以下の意味を有する:
“2’−デオキシヌクレオシド”は、デオキシリボヌクレオシド(DNA)中に天然に存在するような2’−Hフラノシル糖部分を含んでなるヌクレオシドを意味する。ある態様において、2’−デオキシヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含んでなることができるか、又はRNA核酸塩基(例えばウラシル)を含んでなることができる。
【0019】
“2’−O−メトキシエチル”(更に2’−MOE及び2’−O(CH
2)
2−OCH
3も)は、フラノシル(furosyl)環の2’位のO−メトキシ−エチル修飾を指す。2’−O−メトキシエチルで修飾された糖は、修飾糖である。
【0020】
“2’−MOEヌクレオシド”(更に2’−O−メトキシエチルヌクレオシドも)は、2’−MOEで修飾された糖部分を含んでなるヌクレオシドを意味する。
【0021】
“2’−置換ヌクレオシド”は、2’−位にH又はOH以外の置換基を含んでなるヌクレオシドを意味する。他に示さない限り、2’−置換ヌクレオシドは、二環式ヌクレオシドではない。
【0022】
“5’−メチルシトシン”は、5’位に接続されたメチル基で修飾されたシトシンを意味する。5−メチルシトシンは、修飾核酸塩基である。
【0023】
“約”は、数値の±10%内を意味する。例えば、“化合物は、STAT3の少なくとも約70%の阻害に影響した”と記述された場合、これは、STAT3レベルが63%ないし77%の範囲内で阻害されることを意味する。
【0024】
“活性な医薬剤”は、個体に投与された場合、治療的利益を提供する医薬組成物中の物質又は複数の物質を意味する。例えば、ある態様において、STAT3を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、活性な医薬剤である。
【0025】
“活性な標的領域”又は“標的領域”は、一つ又はそれより多い活性なアンチセンス化合物が標的とする領域を意味する。“活性なアンチセンス化合物”は、標的核酸レベル又はタンパク質レベルを減少させるアンチセンス化合物を意味する。
【0026】
“同時に投与される”は、二つの薬剤の、両方の薬理学的効果が患者中で同時に顕在化されるいずれもの様式の同時投与を指す。同時投与は、両方の薬剤が、一つの医薬組成物中で、同一剤形中で、又は同一の投与の経路で投与される必要はない。両方の薬剤の効果は、それら自体が同時に顕在化される必要はない。効果は、一定の期間重複することのみを必要とし、そして同一の継続期間を持つ必要はない。
【0027】
“投与”は、個体に医薬剤を提供することを意味し、そして制約されるものではないが、医師による投与及び自己投与を含む。
【0028】
“改善”は、関連する疾病、疾患、又は症状の少なくとも一つの指標、徴候又は症候の減少を指す。指標の重篤度は、当業者にとって既知の主観的又は客観的方法によって決定することができる。
【0029】
“動物”は、ヒト、又は制約されるものではないが、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、並びに制約されるものではないが、サル及びチンパンジーを含む非ヒト霊長類を含む非ヒト動物を指す。
【0030】
“抗体”は、抗原と何らかの方法で特異的に反応することによって特徴づけられる分子を指し、ここで、抗体及び抗原は、それぞれ他の用語で定義される。抗体は、完全な抗体分子或いはそのいずれもの断片又は重鎖、軽鎖、Fab領域、及びFc領域のような領域を指すことができる。
【0031】
“アンチセンス活性”は、アンチセンス化合物のその標的核酸へのハイブリダイゼーションに寄与するいずれもの検出又は測定可能な活性を意味する。ある態様において、アンチセンス活性は、このような標的核酸によってコードされる標的核酸或いはタンパク質の量又は発現の減少である。
【0032】
“アンチセンス化合物”は、水素結合による標的核酸へのハイブリダイゼーションを受けることが可能なオリゴマー化合物を意味する。アンチセンス化合物の例は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA、snoRNA、miRNA、及びサテライト反復のような一本鎖及び二本鎖化合物を含む。
【0033】
“アンチセンス阻害”は、アンチセンス化合物の非存在中の標的核酸レベル又は標的タンパク質レベルと比較した、標的核酸に対して相補的なアンチセンス化合物の存在中の標的核酸レベル又は標的タンパク質レベルの減少を意味する。
【0034】
“アンチセンスオリゴヌクレオチド”は、標的核酸の対応する領域又はセグメントへのハイブリダイゼーションを可能にする核酸塩基配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドを意味する。
【0035】
“二環式糖”は、二つの原子の架橋によって修飾されたフラノシル(furosyl)環を意味する。二環式糖は、修飾糖である。
【0036】
“二環式ヌクレオシド”(更にBNAも)は、糖環の二つの炭素原子を接続する架橋を含んでなり、これによって二環式環系を形成する糖部分を有するヌクレオシドを意味する。ある態様において、架橋は、糖環の4’−炭素及び2’−炭素を接続する。
【0037】
“キャップ構造”又は“末端キャップ部分”は、アンチセンス化合物のいずれかの末端に組込まれた化学的修飾を意味する。
【0038】
“cEt”又は“拘束エチル”は、架橋が、式:4’−CH(CH
3)−O−2’を有する、4’−炭素及び2’−炭素を接続する架橋を含んでなる糖部分を有する二環式ヌクレオシドを意味する。
【0039】
“拘束エチルヌクレオシド”(更にcEtヌクレオシドも)は、4’−CH(CH
3)−O−2’架橋を含んでなる二環式糖部分を含んでなるヌクレオシドを意味する。
【0040】
“化学的に別個の領域”は、同一アンチセンス化合物の他の領域と何らかの意味で化学的に異なる、アンチセンス化合物の領域を指す。例えば、2’−O−メトキシエチルヌクレオチドを有する領域は、2’−O−メトキシエチル修飾を持たないヌクレオチドを有する領域と化学的に別個である。
【0041】
“キメラアンチセンス化合物”は、少なくとも二つの化学的に別個の領域を有するアンチセンス化合物を意味する。
【0042】
“同時投与”は、二つ又はそれより多い医薬剤の個体への投与を意味する。二つ又はそれより多い医薬剤は、単一の医薬組成物中にあることができ、又は別々の医薬組成物中にあることができる。二つ又はそれより多い医薬剤のそれぞれは、同一又は異なった投与の経路によることができる。同時投与は、並行又は連続投与を包含する。
【0043】
“相補的”は、第一の核酸及び第二の核酸の核酸塩基間の対形成の能力を意味する。
【0044】
“連続する核酸塩基”は、互いに直接隣接する核酸塩基を意味する。
【0045】
“希釈剤”は、薬理学的活性を欠くが、しかし医薬的に必要又は好ましい組成物中の成分を意味する。例えば、注射される組成物中の希釈剤は、液体、例えば生理食塩水溶液であることができる。
【0046】
“投与量”は、一回の投与で、又は規定された時間内に提供される医薬剤の規定された量を意味する。ある態様において、一定の投与量は、一回、二回、又はそれより多いボーラス、錠剤、又は注射で投与することができる。例えば、ある態様において、皮下投与が所望され、所望の投与量が一回の投与によって容易に適応されない体積を必要とする場合、従って二回又はそれより多い注射を、所望の投与量を達成するために使用することができる。ある態様において、医薬剤は、長い時間をかけた、又は連続的な注入によって投与される。投与量は、時間、日、週、又は月当たりの医薬剤の量として記述することができる。
【0047】
“有効な量”は、薬剤を必要とする個体において所望の生理学的結果を実現するために十分な、活性な医薬剤の量を意味する。有効な量は、治療される個体の健康及び身体条件、治療される個体の分類学的群、組成物の処方、個体の医学的状態の評価、及び他の関連する因子によって個体間で変化することができる。
【0048】
“完全に相補的”又は“100%相補的”は、第一の核酸のそれぞれの核酸塩基が、第二の核酸中に相補的核酸塩基を有することを意味する。ある態様において、第一の核酸は、アンチセンス化合物であり、そして標的核酸が第二の核酸である。
【0049】
“ギャップマー”は、RNアーゼのH開裂を支持する複数のヌクレオシドを有する内部領域が、一つ又はそれより多いヌクレオシドを有する外部領域間に位置するキメラアンチセンス化合物を意味し、ここで、内部領域を含んでなるヌクレオシドは、外部領域を含んでなるヌクレオシド又は複数のヌクレオシドと化学的に別個である。内部領域は“ギャップ”と呼ぶことができ、そして外部領域は“ウイング”と呼ぶことができる。
【0050】
“拡大ギャップ(Gap−widened)”は、1ないし6個のヌクレオシドを有する5’及び3’ウイングセグメントの間に、そして直接的に隣接して位置する、12個又はそれより多い連続する2’−デオキシリボヌクレオシドのギャップセグメントを有するキメラアンチセンス化合物を意味する。
【0051】
“ハイブリダイゼーション”は、相補的核酸分子のアニーリングを意味する。ある態様において、相補的核酸分子は、アンチセンス化合物及び標的核酸を含む。
【0052】
“過剰増殖性疾病”は、細胞の急速な又は過剰な増殖及び複製によって特徴づけられる疾病を意味する。過剰増殖性疾病の例は、癌、例えば、細胞腫、肉腫、リンパ腫、及び白血病、並びに関連する悪性腫瘍及び転移を含む。
【0053】
“過剰増殖性疾病に対する危険性がある動物を確認すること”は、過剰増殖性疾病を持つと診断された動物を確認する、又は過剰増殖性疾病を発症しやすい動物を確認することを意味する。過剰増殖性疾病を発症しやすい個体は、老化;他の過剰増殖性疾病の履歴;タバコ使用の履歴;日光及び/又はイオン化照射に対する暴露の履歴;ある種の化学薬品との事前の接触、特に連続的接触;ある種のウイルス及び細菌による過去の又は現時点の感染;ある種のホルモン療法の事前の又は現時点の使用;遺伝子的素因;アルコールの使用;及び不良な食事制限、身体活動性の欠如、及び/又は過体重を含むある種の生活習慣の選択を含む過剰増殖性疾病に対する一つ又はそれより多い危険因子を有するものを含む。このような確認は、個体の医学的履歴の評価及び標準的な臨床試験又は評価を含むいずれもの方法によって達成することができる。
【0054】
“直接隣接する”は、直接的に隣接する要素間に介在する要素がないことを意味する。
【0055】
“STAT3を阻害すること”は、STAT3アンチセンスオリゴヌクレオチドを含むSTAT3アンチセンス化合物の存在中のSTAT3のmRNAの発現及び/又はタンパク質レベルを、アンチセンスオリゴヌクレオチドのようなSTAT3アンチセンス化合物の非存在中のSTAT3のmRNAの発現及び/又はタンパク質レベルの発現と比較して減少することを意味する。
【0056】
“個体”は、治療又は療法のために選択されたヒト又は非ヒト動物を意味する。
【0057】
“ヌクレオシド間結合”は、ヌクレオシド間の化学的結合を指す。
【0058】
“結合されたヌクレオシド”は、一緒に結合された隣接するヌクレオシドを意味する。
【0059】
“ミスマッチ”又は“非相補性核酸塩基”は、第一の核酸の核酸塩基が、第二の又は標的核酸の対応する核酸塩基と対形成が可能ではない事例を指す。
【0060】
“修飾ヌクレオシド間結合”は、天然に存在するヌクレオシド間結合(即ち、ホスホジエステルヌクレオシド間結合)の置換又はいずれもの変化を指す。
【0061】
“修飾核酸塩基”は、アデニン、シトシン、グアニン、チミジン、又はウラシル以外のいずれもの核酸塩基を指す。“非修飾核酸塩基”は、プリン塩基のアデニン(A)及びグアニン(G)、並びにピリミジン塩基のチミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)を意味する。
【0062】
“修飾ヌクレオチド”は、独立に、修飾糖部分、修飾ヌクレオシド間結合、又は修飾核酸塩基を有するヌクレオチドを意味する。“修飾ヌクレオシド”は、独立に、修飾糖部分又は修飾核酸塩基を有するヌクレオシドを意味する。
【0063】
“修飾オリゴヌクレオチド”は、修飾ヌクレオシド間結合、修飾糖、及び/又は修飾核酸塩基を含んでなるオリゴヌクレオチドを意味する。
【0064】
“修飾糖”は、天然の糖の置換又は変化を意味する。
【0065】
“モチーフ”は、アンチセンス化合物中の化学的に別個の領域のパターンを意味する。
【0066】
“天然に存在するヌクレオシド間結合”は、3’から5’へのホスホジエステル結合を意味する。
【0067】
“天然の糖部分”は、DNA(2’−H)又はRNA(2’−OH)中に見出される糖を意味する。
【0068】
“核酸”は、モノマーのヌクレオチドから構成される分子を指す。核酸は、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、一本鎖核酸、二本鎖核酸、低分子干渉リボ核酸(siRNA)、及びマイクロRNA(miRNA)を含む。
【0069】
“核酸塩基”は、他の核酸の塩基と対形成することが可能な複素環式部分を意味する。
【0070】
“核酸塩基配列”は、いずれもの糖、結合、又は核酸塩基修飾に関わらず、連続する核酸塩基の順序を意味する。
【0071】
“ヌクレオシド”は、糖に結合した核酸塩基を意味する。
【0072】
“ヌクレオシド模倣物”は、糖又は糖及び塩基を置換するために使用される構造の、そして必ずしも例えばモルホリノ、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、ビシクロ又はトリシクロ糖模倣物、例えば非フラノース糖単位を有するヌクレオシド模倣物のようなオリゴマー化合物の一つ又はそれより多い位置における結合ではないものを含む。ヌクレオチド模倣物は、ヌクレオシドを置換するために使用される構造のもの、及び例えばペプチド核酸又はモルホリノ(−N(H)−C(=O)−O−又は他の非ホスホジエステル結合によって結合されたモルホリノ)のようなオリゴマー化合物の一つ又はそれより多い位置における結合を含む。糖代替物は、僅かに広範な用語のヌクレオシド模倣物と重複するが、しかし糖単位(フラノース環)の置換のみを示すことを意図している。本明細書中に提供されるテトラヒドロピラニル環は、フラノース糖基がテトラヒドロピラニル環系で置換されたフラノース糖基である糖代替物の例の例示である。
【0073】
“ヌクレオチド”は、ヌクレオシドの糖部分に共有的に結合したリン酸基を有するヌクレオシドを意味する。
【0074】
“オフターゲット効果”は、意図する標的核酸以外の遺伝子のRNA又はタンパク質発現の調節に伴う所望しない或いは有害な生物学的効果を指す。
【0075】
“オリゴマー化合物”又は“オリゴマー”は、核酸分子の少なくとも一つの領域にハイブリダイズすることが可能な結合されたモノマーのサブユニットのポリマーを意味する。
【0076】
“オリゴヌクレオチド”は、そのそれぞれが互いに独立に修飾され又は非修飾であることができる結合されたヌクレオシドのポリマーを意味する。
【0077】
“非経口投与”は、注射(例えばボーラス注射)又は注入による投与を意味する。非経口投与は、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、腹腔内投与、或いは頭蓋内投与、例えば、くも膜下腔内又は脳室内投与を含む。
【0078】
“ペプチド”は、アミノ結合による少なくとも二つのアミノ酸を結合することによって形成される分子を意味する。
【0079】
“医薬組成物”は、個体への投与のために適した物質の混合物を意味する。例えば、医薬組成物は、一つ又はそれより多い活性な医薬剤及び滅菌水溶液を含んでなることができる。ある態様において、医薬組成物は、ある種の細胞株の自由取込みアッセイにおいて活性を示す。
【0080】
“医薬的に受容可能な誘導体”は、本明細書中に記載される化合物の医薬的に受容可能な塩、複合体、プロドラッグ又は異性体を包含する。
【0081】
“医薬的に受容可能な塩”は、アンチセンス化合物の生理学的に、そして医薬的に受容可能な塩、即ち、親オリゴヌクレオチドの所望の生物学的活性を保持し、そしてそれに対して所望しない毒物学的効果を与えない塩を意味する。
【0082】
“ホスホロチオエート結合”は、ホスホジエステル結合が、非架橋酸素原子の一つを硫黄原子によって置換することによって修飾ヌクレオシド間の結合を意味する。ホスホロチオエート結合(P=S)は、修飾ヌクレオシド間結合である。
【0083】
“部分”は、核酸の規定された数の連続する(即ち、結合した)核酸塩基を意味する。ある態様において、部分は、標的核酸の規定された数の連続する核酸塩基である。ある態様において、部分は、アンチセンス化合物の規定された数の連続する核酸塩基である。
【0084】
“予防する”は、疾病、疾患、又は症状の開始又は発症を、数分ないし無制限に遅延するか或いは未然に防ぐことを指す。予防は、更に疾病、疾患、又は症状を発生する危険性を減少させることを意味する。
【0085】
“プロドラッグ”は、内在性酵素又は他の化学薬品或いは条件の作用によって身体又はその細胞内で活性な形態に転換される不活性な形態で調製される治療剤を意味する。
【0086】
“副作用”は、所望の効果以外の治療に起因する生理学的反応を意味する。ある態様において、副作用は、注射部位反応、肝機能試験異常、腎機能異常、肝毒性、腎毒性、中枢神経系異常、筋障害、及び倦怠感を含む。例えば、血清中のアミノトランスフェラーゼレベルの増加は、肝毒性又は肝機能異常を示すことができる。例えば、ビリルビンの増加は、肝毒性又は肝機能異常を示すことができる。
【0087】
“転写のシグナル伝達及び活性化因子3核酸”又は“STAT3核酸”は、STAT3をコードするいずれもの核酸を意味する。例えば、ある態様において、STAT3核酸は、STAT3をコードするDNA配列、STAT3をコードするDNA(イントロン及びエクソンを含んでなるゲノムDNAを含む)から転写されたRNA配列、及びSTAT3をコードするmRNA配列を含む。“STAT3のmRNA”は、STAT3タンパク質をコードするmRNAを意味する。
【0088】
“一本鎖オリゴヌクレオチド”は、相補鎖にハイブリダイズされていないオリゴヌクレオチドを意味する。
【0089】
“特異的にハイブリダイズ可能な”は、特異的結合が所望される条件下で、即ち、in vivoアッセイ及び療法的治療の場合の生理学的条件下で、非標的核酸に対して最小の効果を示すか、効果を示さないが、所望の効果を誘発するためにアンチセンスオリゴヌクレオチド及び標的核酸間に十分な程度の相補性を有するアンチセンス化合物を指す。
【0090】
“標的とする”又は“標的化”は、標的核酸に特異的にハイブリダイズし、そして所望の効果を誘発するものであるアンチセンス化合物の設計及び選択の過程を意味する。
【0091】
“標的核酸”、“標的RNA”、“標的mRNA”、及び“標的RNA転写物”は、全てアンチセンス化合物によって標的とされることが可能な核酸を指す。
【0092】
“標的セグメント”は、アンチセンス化合物が標的とする標的核酸のヌクレオチドの配列を意味する。“5’標的部位”は、標的セグメントの最も5’側のヌクレオチドを指す。“3’標的部位”は、標的セグメントの最も3’側のヌクレオチドを指す。
【0093】
“治療的に有効な量”は、治療的利益を個体に提供する医薬剤の量を意味する。
【0094】
“治療する”は、疾病、疾患、又は症状の変化或いは改善を達成するために医薬組成物を投与することを指す。
【0095】
“非修飾ヌクレオチド”は、天然に存在する核酸塩基、糖部分、及びヌクレオシド間結合から構成されるヌクレオチドを意味する。ある態様において、非修飾ヌクレオチドは、RNAヌクレオチド(即ち、β−D−リボヌクレオシド)又はDNAヌクレオチド(即ち、β−D−デオキシリボヌクレオシド)である。
【0096】
ある種の態様
ある態様において、提供されるものは、STAT3のmRNA又はタンパク質発現を阻害するための方法、化合物、及び組成物である。
【0097】
ある態様において、提供されるものは、腫瘍及び腫瘍の体積の成長を予防するための方法である。ある態様において、提供されるものは、腫瘍の成長及び腫瘍の体積を減少させるための方法である。
【0098】
ある態様において、提供されるものは、それを必要とする個体におけるSTAT3に伴う疾病、疾患、及び症状の治療、予防、或いは改善のための方法、化合物、及び組成物である。更に意図されるものは、STAT3に伴う疾病、疾患、又は症状の治療、予防、或いは改善のための医薬の調製のための方法及び化合物である。STAT3に関連する疾病、疾患、及び症状は、過剰増殖性疾病、例えば、癌、細胞腫、肉腫、リンパ腫、及び白血病、並びに関連する悪性腫瘍及び転移を含む。
【0099】
ある態様において、提供されるものは、STAT3に関連する疾病の治療、予防、又は改善において使用するためのSTAT3アンチセンス化合物である。ある態様において、STAT3化合物は、細胞、組織、又は動物中においてSTAT3のmRNA及び/又はSTAT3タンパク質の発現を阻害することが可能な、STAT3アンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0100】
ある態様において、提供されるものは、非小細胞肺癌(NSCLC)を含む肺癌、膵臓癌、結腸直腸癌、多発性骨髄腫、肝細胞癌(HCC)、神経膠芽腫、卵巣癌、骨肉腫、頭頸部癌、乳癌、類表皮癌、腸管腺腫、前立腺癌、及び胃癌の治療又は予防において使用するための本明細書中に記載されるようなSTAT3アンチセンス化合物である。
【0101】
ある態様において、提供されるものは、転移からの癌の治療又は予防において使用するための本明細書中に記載されるようなSTAT3アンチセンス化合物である。
【0102】
ある態様において、提供されるものは、過剰増殖性疾病、例えば、癌、細胞腫、肉腫、リンパ腫、及び白血病、並びに関連する悪性腫瘍及び転移の治療、予防、又は改善において使用するための本明細書中に記載されるようなSTAT3アンチセンス化合物である。
【0103】
ある態様において、提供されるものは、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物である。ある態様において、STAT3核酸は、GENBANK寄託番号NM_139276.2に記載される配列のいずれか(配列番号:1として本明細書中に援用される)又はヌクレオチド4185000ないし4264000から切断されたGENBANK寄託番号NT_010755.14の相補物(配列番号:2として本明細書中に援用される)である。
【0104】
ある態様において、本明細書中で提供されるアンチセンス化合物は、配列番号1の次の領域:250−286;250−285;264−285;264−282;728−745;729−745;729−744;787−803;867−883;955−978;1146−1170;1896−1920;1899−1920;1899−1919;1899−1918;1899−1916;1901−1916;1946−1963;1947−1963;2155−2205;2155−2187;2156−2179;2204−2221;2681−2696;2699−2716;3001−3033;3008−3033、3010−3033、3010−3032、3015−3033,3015−3032、3015−3031、3016−3033、3016−3032,3016−3033;3452−3499;3460−3476;3583−3608;3591−3616;3595−3615;3595−3614;3595−3612;3675−3706;3713−3790;3715−3735;3833−3878;3889−3932;3977−4012;4067−4100;4225−4256;4234−4252;4235−4252;4235−4251;4236−4252;4306−4341;4431−4456;4439−4454;4471−4510;4488−4505;4530−4558;4539−4572;4541−4558;4636−4801;4782−4796;4800−4823;4811−4847;4813−4859;4813−4815;4813−4831;4827−4859;4827−4844;4842−4859のいずれか一つを標的とする。
【0105】
ある態様において、本明細書中に提供されるアンチセンス化合物は、配列番号1の次の領域:250−286;250−285;264−285;264−282;728−745;729−745;729−744;787−803;867−883;955−978;1146−1170;1896−1920;1899−1920;1899−1919;1899−1918;1899−1916;1901−1916;1946−1963;1947−1963;2155−2205;2155−2187;2156−2179;2204−2221;2681−2696;2699−2716;3001−3033;3008−3033、3010−3033、3010−3032、3015−3033、3015−3032、3015−3031、3016−3033、3016−3032,3016−3033;3452−3499;3460−3476;3583−3608;3591−3616;3595−3615;3595−3614;3595−3612;3675−3706;3713−3790;3715−3735;3833−3878;3889−3932;3977−4012;4067−4100;4225−4256;4234−4252;4235−4252;4235−4251;4236−4252;4306−4341;4431−4456;4439−4454;4471−4510;4488−4505;4530−4558;4539−4572;4541−4558;4636−4801;4782−4796;4800−4823;4811−4847;4813−4859;4813−4815;4813−4831;4827−4859;4827−4844;4842−4859のいずれか一つと相補的である。ある態様において、提供されるものは:
修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドが:
1ないし5個の結合したヌクレオシドからなる5’−ウイング;
1ないし5個の結合したヌクレオシドからなる3’−ウイング;
8ないし12個の結合された2’−デオキシヌクレオシドからなる5’−ウイング及び3’−ウイング間のギャップ;
を含んでなり;そしてここで、5’−ウイング及び3’−ウイングの少なくとも一方が、少なくとも一つの二環式ヌクレオシド又は2’−置換ヌクレオシドを含んでなる;
12ないし22個の結合したヌクレオシドからなる修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを含んでなる化合物であり;
ここで、修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号:1の核酸塩基配列の核酸塩基250−286;250−285;264−285;264−282;728−745;729−745;729−744;787−803;867−883;955−978;1146−1170;1896−1920;1899−1920;1899−1919;1899−1918;1899−1916;1901−1916;1946−1963;1947−1963;2155−2205;2155−2187;2156−2179;2204−2221;2681−2696;2699−2716;3001−3033;3008−3033、3010−3033、3010−3032、3015−3033、3015−3032、3015−3031、3016−3033、3016−3032、3016−3033;3452−3499;3460−3476;3583−3608;3591−3616;3595−3615;3595−3614;3595−3612;3675−3706;3713−3790;3715−3735;3833−3878;3889−3932;3977−4012;4067−4100;4225−4256;4234−4252;4235−4252;4235−4251;4236−4252;4306−4341;4431−4456;4439−4454;4471−4510;4488−4505;4530−4558;4539−4572;4541−4558;4636−4801;4782−4796;4800−4823;4811−4847;4813−4859;4813−4815;4813−4831;4827−4859;4827−4844;4842−4859のいずれかの等しい長さの部分と相補的である。
【0106】
ある態様において、本明細書中に提供されるアンチセンス化合物は、配列番号2の次の領域:2668−2688;2703−2720;5000−5021;5001−5017;5697−5722;5699−5716;6475−6490;6475−6491;6476−6491;7682−7705;8078−8097;8079−8095;9862−9811;9870−9897;9875−9893;9875−9891;9877−9893;11699−11719;12342−12366;12345−12364;12346−12364;12347−12364;12353−12380;12357−12376;12358−12376;12358−12373;12360−12376;14128−14148;16863−16883;46091−46111;50692−50709;50693−50709;50693−50708;61325−61349;66133−66157;66136−66157;66136−66155;66136−66153;66138−66153;66184−66200;67067−67083;4171−74220;74199−74220;74202−74220;74171−74219;74199−74219; 74202−74219;74171−74218;74199−74218;74202−74218;74723−74768;74764−74803;74782−74802;74782−74801;74782−74800;74782−74799;74783−74802;74783−74801;74783−74800;74783−74799;74862−74893;74900−74977;74902−74922;74902−74920;75070−75119;75164−75199;75254−75287;75412−75443;75421−75439;75422−75439;75422−75438;75423−75439;75423−75438;75493−75528;75616−75643;75626−75641;75658−75699;75676−75692;75717−75745;75726−75759;75726−75745;75727−75745;75728−75745;75831−75988;75852−75969;75969−75984;75987−76056;76000−76046;76000−76032;76000−76018;76014−76046;76014−76032;76029−76046;及び76031−76046のいずれか一つを標的とする。
【0107】
ある態様において、本明細書中に提供されるアンチセンス化合物は、配列番号2の次の領域:2668−2688;2703−2720;5000−5021;5001−5017;5697−5722;5699−5716;6475−6490;6475−6491;6476−6491;7682−7705;8078−8097;8079−8095;9862−9811;9870−9897;9875−9893;9875−9891;9877−9893;11699−11719;12342−12366;12345−12364;12346−12364;12347−12364;12353−12380;12357−12376;12358−12376;12358−12373;12360−12376;14128−14148;16863−16883;46091−46111;50692−50709;50693−50709;50693−50708;61325−61349;66133−66157;66136−66157;66136−66155;66136−66153;66138−66153;66184−66200;67067−67083;4171−74220;74199−74220;74202−74220;74171−74219;74199−74219;74202−74219;74171−74218;74199−74218;74202−74218;74723−74768;74764−74803;74782−74802;74782−74801;74782−74800;74782−74799;74783−74802;74783−74801;74783−74800;74783−74799;74862−74893;74900−74977;74902−74922;74902−74920;75070−75119;75164−75199;75254−75287;75412−75443;75421−75439;75422−75439;75422−75438;75423−75439;75423−75438;75493−75528;75616−75643;75626−75641;75658−75699;75676−75692;75717−75745;75726−75759;75726−75745;75727−75745;75728−75745;75831−75988;75852−75969;75969−75984;75987−76056;76000−76046;76000−76032;76000−76018;76014−76046;76014−76032;76029−76046;及び76031−76046のいずれか一つと相補的である。
【0108】
ある態様において、提供されるものは:
修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドが:
1ないし5個の結合したヌクレオシドからなる5’−ウイング;
1ないし5個の結合したヌクレオシドからなる3’−ウイング;
8ないし12個の結合された2’−デオキシヌクレオシドからなる5’−ウイング及び3’−ウイング間のギャップ;
を含んでなり;そしてここで、5’−ウイング及び3’−ウイングの少なくとも一方が、少なくとも一つの二環式ヌクレオシド又は2’−置換ヌクレオシドを含んでなる;
12ないし22個の結合したヌクレオシドからなる修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを含んでなる化合物であり;
ここで、修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号:2の核酸塩基配列の核酸塩基2668−2688;2703−2720;5000−5021;5001−5017;5697−5722;5699−5716;6475−6490;6475−6491;6476−6491;7682−7705;8078−8097;8079−8095;9862−9811;9870−9897;9875−9893;9875−9891;9877−9893;11699−11719;12342−12366;12345−12364;12346−12364;12347−12364;12353−12380;12357−12376;12358−12376;12358−12373;12360−12376;14128−14148;16863−16883;46091−46111;50692−50709;50693−50709;50693−50708;61325−61349;66133−66157;66136−66157;66136−66155;66136−66153;66138−66153;66184−66200;67067−67083;4171−74220;74199−74220;74202−74220;74171−74219;74199−74219;74202−74219;74171−74218;74199−74218;74202−74218;74723−74768;74764−74803;74782−74802;74782−74801;74782−74800;74782−74799;74783−74802;74783−74801;74783−74800;74783−74799;74862−74893;74900−74977;74902−74922;74902−74920;75070−75119;75164−75199;75254−75287;75412−75443;75421−75439;75422−75439;75422−75438;75423−75439;75423−75438;75493−75528;75616−75643; 75626−75641;75658−75699;75676−75692;75717−75745;75726−75759;75726−75745;75727−75745;75728−75745;75831−75988;75852−75969;75969−75984;75987−76056;76000−76046;76000−76032;76000−76018;76014−76046;76014−76032;76029−76046;及び76031−76046のいずれかの等しい長さの部分と相補的である。
【0109】
ある態様は、配列番号:1の核酸塩基3008から3033の等しい長さの部分と相補的な、少なくとも12個の連続する核酸塩基の部分を含んでなる核酸塩基配列を有する12ないし30個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物を提供し、ここで、核酸塩基配列は、配列番号:1と相補的である。
【0110】
ある態様は、配列番号:1の核酸塩基3016から3031の等しい長さの部分と相補的な、少なくとも12個の連続する核酸塩基の部分を含んでなる核酸塩基配列を有する12ないし30個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物を提供し、ここで、核酸塩基配列は、配列番号:1と相補的である。
【0111】
ある態様は、配列番号:2の核酸塩基6476から6491の等しい長さの部分と相補的な、少なくとも12個の連続する核酸塩基の部分を含んでなる核酸塩基配列を有する12ないし30個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物を提供し、ここで、核酸塩基配列は、配列番号:2と相補的である。
【0112】
ある態様は、配列番号:1の核酸塩基250−286;250−285;264−285;264−282;728−745;729−745;729−744;787−803;867−883;955−978;1146−1170;1896−1920;1899−1920;1899−1919;1899−1918;1899−1916;1901−1916;1946−1963;1947−1963;2155−2205;2155−2187;2156−2179;2204−2221;2681−2696;2699−2716;3001−3033;3008−3033、3010−3033、3010−3032、3015−3033、3015−3032、3015−3031、3016−3033、3016−3032、3016−3033;3452−3499;3460−3476;3583−3608;3591−3616;3595−3615;3595−3614;3595−3612;3675−3706;3713−3790;3715−3735;3833−3878;3889−3932;3977−4012;4067−4100;4225−4256;4234−4252;4235−4252;4235−4251;4236−4252;4306−4341;4431−4456;4439−4454;4471−4510;4488−4505;4530−4558;4539−4572;4541−4558;4636−4801;4782−4796;4800−4823;4811−4847;4813−4859;4813−4815;4813−4831;4827−4859;4827−4844;又は4842−4859の等しい長さの部分と相補的な、少なくとも12個の連続する核酸塩基の部分を含んでなる核酸塩基配列を有する12ないし30個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物を提供し、ここで、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号:1と相補的である。
【0113】
ある態様は、配列番号:2の核酸塩基2668−2688;2703−2720;5000−5021;5001−5017;5697−5722;5699−5716;6475−6490;6475−6491;6476−6491;7682−7705;8078−8097;8079−8095;9862−9811;9870−9897;9875−9893;9875−9891;9877−9893;11699−11719;12342−12366;12345−12364;12346−12364;12347−12364;12353−12380;12357−12376;12358−12376;12358−12373;12360−12376;14128−14148;16863−16883;46091−46111;50692−50709;50693−50709;50693−50708;61325−61349;66133−66157;66136−66157;66136−66155;66136−66153;66138−66153;66184−66200;67067−67083;4171−74220;74199−74220;74202−74220;74171−74219;74199−74219;74202−74219;74171−74218;74199−74218;74202−74218;74723−74768;74764−74803;74782−74802;74782−74801;74782−74800;74782−74799;74783−74802;74783−74801;74783−74800;74783−74799;74862−74893;74900−74977;74902−74922;74902−74920;75070−75119;75164−75199;75254−75287;75412−75443;75421−75439;75422−75439;75422−75438;75423−75439;75423−75438;75493−75528;75616−75643;75626−75641;75658−75699;75676−75692;75717−75745;75726−75759;75726−75745;75727−75745;75728−75745;75831−75988;75852−75969;75969−75984;75987−76056;76000−76046;76000−76032;76000−76018;76014−76046;76014−76032;76029−76046;又は76031−76046の等しい長さの部分と相補的な、少なくとも12個の連続する核酸塩基の部分を含んでなる核酸塩基配列を有する12ないし30個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物を提供し、ここで、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号:2と相補的である。
【0114】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号:245の配列を含んでなる。
【0115】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号:245の配列からなる。
【0116】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号:413の配列を含んでなる。
【0117】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号:413の配列からなる。
【0118】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号:1又は2と100%相補的である。
【0119】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、一本鎖修飾オリゴヌクレオチドからなる。
【0120】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、少なくとも一つの修飾ヌクレオシド間結合を有する。
【0121】
ある態様において、それぞれのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0122】
ある態様において、少なくとも一つのヌクレオシドは、修飾糖である。
【0123】
ある態様において、少なくとも一つの修飾糖は、二環式糖である。
【0124】
ある態様において、二環式糖は、4’−CH
2−O−2’架橋を含んでなる。
【0125】
ある態様において、二環式糖は、4’−CH(CH
3)−O−2’架橋を含んでなる。
【0126】
ある態様において、修飾糖は、2’−O(CH
2)
2−OCH
3基を含んでなる。
【0127】
ある態様において、修飾糖は、2’−OCH
3基を含んでなる。
【0128】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも一つのヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含んでなる。
【0129】
ある態様において、修飾核酸塩基は、5’−メチルシトシンである。
【0130】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは:
1ないし5個の結合されたヌクレオシドからなる5’−ウイング;
1ないし5個の結合されたヌクレオシドからなる3’−ウイング;
8ないし12個の結合された2’−デオキシヌクレオシドからなる5’−ウイング及び3’−ウイング間のギャップを含んでなり;そして
ここで、5’−ウイング及び3’−ウイングの少なくとも一方は、少なくとも一つの二環式ヌクレオシド又は一つの2’−置換ヌクレオシドを含んでなる。
【0131】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは:
1ないし5個の結合されたヌクレオシドからなる5’−ウイング;
1ないし5個の結合されたヌクレオシドからなる3’−ウイング;
8ないし12個の結合された2’−デオキシヌクレオシドからなる5’−ウイング及び3’−ウイング間のギャップを含んでなり;そして
ここで、5’−ウイング及び3’−ウイングの少なくとも一方は、少なくとも一つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも一つの2’−置換ヌクレオシドを含んでなる。
【0132】
ある態様において、2’−置換ヌクレオシドは、2’−O(CH
2)
2−OCH
3 基又は2’−O−CH
3基からなる基のいずれかを含んでなる。
【0133】
ある態様において、二環式ヌクレオシドは、4’−CH
2−O−2’架橋及び4’−CH(CH
3)−O−2’架橋からなる基のいずれかを含んでなる。
【0134】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは:
3個の結合されたヌクレオシドからなる5’−ウイング;
3個の結合されたヌクレオシドからなる3’−ウイング;
10個の結合された2’−デオキシヌクレオシドからなる5’−ウイング及び3’−ウイング間のギャップを含んでなり;
ここで、それぞれの5’−ウイング及び3’−ウイングのそれぞれのヌクレオシドは、拘束エチルヌクレオシドを含んでなり;
ここで、それぞれのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合であり;そして
ここで、それぞれのシトシンは、5’−メチルシトシンである。
【0135】
ある態様は、12ないし30個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなり、そして配列番号:245の核酸塩基配列の少なくとも12個の連続する核酸塩基を含んでなる核酸塩基配列を有する化合物を提供する。
【0136】
ある態様は、12ないし30個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなり、そして配列番号:413の核酸塩基配列の少なくとも12個の連続する核酸塩基を含んでなる核酸塩基配列を有する化合物を提供する。
【0137】
ある態様は、12ないし30個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなり、そして配列番号:9−426、430−442、445−464、471−498、500−1034、1036−1512、及び1541−2757の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも12個の連続する核酸塩基を含んでなる核酸塩基配列を有する化合物を提供する。
【0138】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、一本鎖修飾オリゴヌクレオチドからなる。
【0139】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも一つのヌクレオシド間結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。
【0140】
ある態様において、それぞれのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオチド間結合である。
【0141】
ある態様において、少なくとも一つのヌクレオシドは、修飾糖を含んでなる。
【0142】
ある態様において、少なくとも一つの修飾糖は、二環式糖である。
【0143】
ある態様において、二環式糖は、4’−CH
2−O−2’架橋を含んでなる。
【0144】
ある態様において、二環式糖は、4’−CH(CH
3)−O−2’架橋を含んでなる。
【0145】
ある態様において、修飾糖は、2’−O(CH
2)
2−OCH
3基を含んでなる。
【0146】
ある態様において、修飾糖は、2’−OCH
3基を含んでなる。
【0147】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも一つのヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含んでなる。
【0148】
ある態様において、修飾核酸塩基は、5’−メチルシトシンである。
【0149】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは:
1ないし5個の結合されたヌクレオシドからなる5’−ウイング;
1ないし5個の結合されたヌクレオシドからなる3’−ウイング;
8ないし12個の結合された2’−デオキシヌクレオシドからなる5’−ウイング及び3’−ウイング間のギャップを含んでなり;そして
ここで、5’−ウイング及び3’−ウイングの少なくとも一方は、少なくとも一つの二環式ヌクレオシド又は2’−置換ヌクレオシドを含んでなる。
【0150】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは:
1ないし5個の結合されたヌクレオシドからなる5’−ウイング;
1ないし5個の結合されたヌクレオシドからなる3’−ウイング;
8ないし12個の結合された2’−デオキシヌクレオシドからなる5’−ウイング及び3’−ウイング間のギャップを含んでなり;そして
ここで、5’−ウイング及び3’−ウイングの少なくとも一方は、少なくとも一つの二環式ヌクレオシド及び少なくとも一つの2’−置換ヌクレオシドを含んでなる。
【0151】
ある態様において、2’−置換ヌクレオシドは、2’−O(CH
2)
2−OCH
3 基又は2’−O−CH
3基からなる基のいずれかを含んでなる。
【0152】
ある態様において、二環式ヌクレオシドは、4’−CH
2−O−2’架橋及び4’−CH(CH
3)−O−2’架橋からなる基のいずれかを含んでなる。
【0153】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは:
3個の結合されたヌクレオシドからなる5’−ウイング;
3個の結合されたヌクレオシドからなる3’−ウイング;
10個の結合された2’−デオキシヌクレオシドからなる5’−ウイング及び3’−ウイング間のギャップを含んでなり;
ここで、それぞれの5’−ウイング及び3’−ウイングのそれぞれのヌクレオシドは、拘束エチルヌクレオシドを含んでなり;
ここで、それぞれのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合であり;そして
ここで、それぞれのシトシンは、5’−メチルシトシンである。
【0154】
ある態様は:
修飾オリゴヌクレオチドが:
1ないし5個の結合されたヌクレオシドからなる5’−ウイング;
1ないし5個の結合されたヌクレオシドからなる3’−ウイング;
8ないし12個の結合された2’−デオキシヌクレオシドからなる5’−ウイング及び3’−ウイング間のギャップ;
を含んでなる12ないし22個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド;
を含んでなる化合物を提供し;
ここで、5’−ウイング及び3’−ウイングの少なくとも一方は、少なくとも一つの二環式ヌクレオシド又は2’−置換ヌクレオシドを含んでなり;
ここで、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号:1の核酸塩基配列の核酸塩基3016から3031の等しい長さの部分と相補的であり;そして
ここで、この化合物は、STAT3のmRNA発現の発現を阻害する。
【0155】
ある態様は:
修飾オリゴヌクレオチドが:
1ないし5個の結合されたヌクレオシドからなる5’−ウイング;
1ないし5個の結合されたヌクレオシドからなる3’−ウイング;
8ないし12個の結合された2’−デオキシヌクレオシドからなる5’−ウイング及び3’−ウイング間のギャップ;
を含んでなる12ないし22個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなる化合物を提供し;
ここで、5’−ウイング及び3’−ウイングの少なくとも一方は、少なくとも一つの二環式ヌクレオシド又は2’−置換ヌクレオシドを含んでなり;
ここで、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号:2の核酸塩基配列の核酸塩基6476から6491の等しい長さの部分と相補的であり;そして
ここで、この化合物は、STAT3のmRNA発現の発現を阻害する。
【0156】
ある態様において、5’−ウイング及び3’−ウイングの少なくとも一方は、少なくとも一つの2’−置換デオキシヌクレオシドを含んでなる。
【0157】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、一本鎖修飾オリゴヌクレオチドからなる。
【0158】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、少なくとも一つの二環式ヌクレオシドを含んでなる。
【0159】
ある態様において、少なくとも一つの二環式ヌクレオシドは、4’−CH(CH
3)−O−2’架橋を含んでなる。
【0160】
ある態様において、それぞれの二環式ヌクレオシドは、4’−CH(CH
3)−O−2’架橋を含んでなる。
【0161】
ある態様において、少なくとも一つの二環式ヌクレオシドは、4’−CH
2−O−2’架橋を含んでなる。
【0162】
ある態様において、それぞれの二環式ヌクレオシドは、4’−CH
2−O−2’架橋を含んでなる。
【0163】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、少なくとも一つの2’−置換ヌクレオシドを含んでなる。
【0164】
ある態様において、少なくとも一つの2’−置換ヌクレオシドは、2’−O(CH
2)
2−OCH
3基を含んでなる。
【0165】
ある態様において、それぞれの2’−置換ヌクレオシドは、2’−O(CH
2)
2−OCH
3基を含んでなる。
【0166】
ある態様において、少なくとも一つの2’−置換ヌクレオシドは、2’−O−CH
3基を含んでなる。
【0167】
ある態様において、それぞれの2’−置換ヌクレオシドは、2’−O−CH
3基を含んでなる。
【0168】
ある態様において、少なくとも一つのヌクレオシド間結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。
【0169】
ある態様において、それぞれの修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。
【0170】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも一つのヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含んでなる。
【0171】
ある態様において、修飾核酸塩基は、5’−メチルシトシンである。
【0172】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、以下のとおりの式A:
(J)
m−(B)
n−(J)
p−(B)
r−(A)
t−(D)
g−(A)
v−(B)
w−(J)
x−(B)
y−(J)
z
によって記載される糖モチーフを有し、
式中:
それぞれのAは、独立に2’−置換ヌクレオシドであり;
それぞれのBは、独立に二環式ヌクレオシドであり;
それぞれのJは、独立に2’−置換ヌクレオシド又は2’−デオキシヌクレオシドのいずれかであり;
それぞれのDは、2’−デオキシヌクレオシドであり;
mは、0−4であり;nは、0−2であり;pは、0−2であり;rは、0−2であり;tは、0−2であり;vは、0−2であり;wは、0−4であり;xは、0−2であり;yは、0−2であり;zは、0−4であり;gは、6−14であり;
但し:
m、n、及びrの少なくとも一つは、0以外であり;
w及びyの少なくとも一つは、0以外であり;
m、n、p、r、及びtの合計は、2から5までであり;そして
v、w、x、y、及びzの合計は、2から5までである;
ことを条件とする。
【0173】
ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは:
k−d(10)−k
e−d(10)−k
k−d(10)−e
k−k−d(10)−k−k
k−k−d(10)−e−e
e−e−d(10)−k−k
k−k−k−d(10)−k−k−k
e−e−e−d(10)−k−k−k
k−k−k−d(10)−e−e−e
k−k−k−d(10)−k−k−k
e−k−k−d(10)−k−k−e
e−e−k−d(10)−k−k−e
e−d−k−d(10)−k−k−e
e−k−d(10)−k−e−k−e
k−d(10)−k−e−k−e−e
e−e−k−d(10)−k−e−k−e
e−d−d−k−d(9)−k−k−e
e−e−e−e−d(9)−k−k−e
からなる群のいずれかの糖モチーフを有し、
ここで、kは、拘束エチルヌクレオシドであり、eは、2’−MOEで置換されたヌクレオシドであり、そしてdは、2’−デオキシヌクレオシドである。
【0174】
ある態様は、12ないし30個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなり、そして配列番号:9−426、430−442、445−464、471−498、500−1034、1036−1512、及び1541−2757の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも12個の連続する核酸塩基を含んでなる核酸塩基配列を有する化合物を、それを必要とする動物に投与することを含んでなる、動物の過剰増殖性疾病を治療する方法を提供する。
【0175】
ある態様は、12ないし30個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなり、そして配列番号:245の少なくとも12個の連続する核酸塩基を含んでなる核酸塩基配列を有する化合物を、それを必要とする動物に投与することを含んでなる、動物の過剰増殖性疾病を治療する方法を提供する。
【0176】
ある態様は、12ないし30個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなり、そして配列番号:413の少なくとも12個の連続する核酸塩基を含んでなる核酸塩基配列を有する化合物を、それを必要とする動物に投与することを含んでなる、動物の過剰増殖性疾病を治療する方法を提供する。
【0177】
ある態様において、投与は、動物の腫瘍の大きさを減少させる。
【0178】
ある態様において、投与は、動物の腫瘍の体積を減少させる。
【0179】
ある態様において、投与は、動物における転移を予防する。
【0180】
ある態様において、投与は、動物の生存を延長する。
【0181】
ある態様において、投与は、動物のカヘキシアを減少させる。
【0182】
ある態様は、12ないし30個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなり、そして配列番号:9−426、430−442、445−464、471−498、500−1034、1036−1512、及び1541−2757の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも12個の連続する核酸塩基を含んでなる核酸塩基配列を有する化合物を、それを必要とする動物に投与することを含んでなる、動物のSTAT3の発現を減少させる方法を提供する。
【0183】
ある態様は、12ないし30個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなり、そして配列番号:245の少なくとも12個の連続する核酸塩基を含んでなる核酸塩基配列を有する化合物を、それを必要とする動物に投与することを含んでなる、動物のSTAT3の発現を減少させる方法を提供する。
【0184】
ある態様は、12ないし30個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含んでなり、そして配列番号:413の少なくとも12個の連続する核酸塩基を含んでなる核酸塩基配列を有する化合物を、それを必要とする動物に投与することを含んでなる、動物のSTAT3の発現を減少させる方法を提供する。
【0185】
ある態様において、化合物は、2−10−2のウイング−ギャップ−ウイングモチーフを持たない。
【0186】
アンチセンス化合物
オリゴマー化合物は、制約されるものではないが、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド類似体、オリゴヌクレオチド模倣物、アンチセンス化合物、アンチセンスオリゴヌクレオチド、及びsiRNAを含む。オリゴマー化合物は、これが水素結合により標的核酸とのハイブリダイゼーションを受けることが可能なことを意味する標的核酸に対して“アンチセンス”であることができる。
【0187】
ある態様において、アンチセンス化合物は、5’から3’の方向で書かれた場合、それに対してこれが標的化される標的核酸の標的セグメントの逆相補物を含んでなる核酸塩基配列を有する。あるこのような態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、5’から3’の方向で書かれた場合、それに対してこれが標的化される標的核酸の標的セグメントの逆相補物を含んでなる核酸塩基配列を有する。
【0188】
ある態様において、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ12ないし30個のサブユニットある。ある態様において、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ14ないし30個のサブユニットある。ある態様において、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物は、長さ12ないし22個のサブユニットある。言い換えれば、このようなアンチセンス化合物は、それぞれ12個ないし30個の結合したサブユニット、14個から30個の結合したサブユニット、12個ないし22個の結合したサブユニットである。他の態様において、アンチセンス化合物は、8ないし80、 12ないし50、13ないし30、13ないし50、14ないし30、14ないし50、15ないし30、15ないし50、16ないし30、16ないし50、17ないし30、17ないし50、18ないし22、18ないし24、18ないし30、18ないし50、19ないし22、19ないし30、19ないし50、又は20ないし30個の結合したサブユニットである。あるこのような態様において、アンチセンス化合物は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、又は80個の結合した長さ、或いは上記数値のいずれか二つによって定義される範囲のサブユニットである。幾つかの態様において、アンチセンス化合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドであり、そして結合したサブユニットは、ヌクレオチドである。
【0189】
ある態様において、STAT3核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、短縮又は切断することができる。例えば、単一のサブユニットを、5’末端から(5’切断)、又は別の方法として3’末端から(3’切断)欠失することができる。STAT3核酸を標的とする短縮又は切断されたアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物の5’末端から二つのサブユニットを欠失させることができ、又は別の方法として3’末端から二つのサブユニットを欠失させることができる。別の方法として、欠失されたヌクレオシドは、アンチセンス化合物、例えば、5’末端から欠失された一つのヌクレオシド及び3’末端から欠失された一つのヌクレオシドを有するアンチセンス化合物中に分散することができる。
【0190】
単一の付加的サブユニットが、延長されたアンチセンス化合物中に存在する場合、付加的サブユニットは、アンチセンス化合物の5’又は3’末端に位置することができる。二つ又はそれより多い付加的サブユニットが存在する場合、例えば、アンチセンス化合物の5’末端(5’付加)に、又は別の方法として3’末端(3’付加)に加えられた二つのサブユニットを有するアンチセンス化合物において、加えられたサブユニットは、互いに隣接することができる。別の方法として、加えられたサブユニットは、アンチセンス化合物中に、例えば5’末端に加えられた一つのサブユニット及び3’末端に加えられた一つのサブユニットを有するアンチセンス化合物中に分散されることができる。
【0191】
活性を除外することなく、アンチセンスオリゴヌクレオチドのようなアンチセンス化合物の長さを増加又は減少する、及び/又はミスマッチ塩基を導入することが可能である。例えば、Woolf et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7305−7309,1992)中で、13−25個の核酸塩基の長さの一連のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、卵母細胞注射モデルにおける標的RNAの開裂を誘発するその能力に対して試験された。アンチセンスオリゴヌクレオチドの末端付近に8又は11個のミスマッチ塩基を伴う25個の核酸塩基長さのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、ミスマッチを含有しないアンチセンスオリゴヌクレオチドより少ない程度であるが、標的mRNAの特異的開裂を方向付けることが可能であった。同様に、標的特異的開裂は、1又は3個のミスマッチを伴うものを含む13個の核酸塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用して達成された。
【0192】
Gautschi et al.(J.Natl.Cancer Inst.93:463−471,March 2001)は、bcl−2のmRNAと100%の相補性を有し、そしてbcl−xLのmRNAに対して3個のミスマッチを有するオリゴヌクレオチドの、bcl−2及びbcl−xLの両方のin vitro及びin vivoの発現を減少させる能力を示した。更に、このオリゴヌクレオチドは、強力な抗腫瘍活性をin vivoで示した。
【0193】
Maher and Dolnick(Nuc.Acid.Res.16:3341−3358,1988)は、一連のタンデムの14個の核酸塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチド、並びにそれぞれタンデムのアンチセンスオリゴヌクレオチドの二つ又は三つの配列で構成される、28及び42個の核酸塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、ウサギ網状赤血球アッセイにおける、ヒトDHFRの翻訳を停止するその能力に対して試験した。単独の三つの14個の核酸塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドのそれぞれは、28又は42個の核酸塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドより更に僅かなレベルではあるが、翻訳を阻害することが可能であった。
【0194】
ある態様において、本明細書中に記載される化合物は、本明細書中に記載されるようにHuVEC細胞に供給された場合、20uMより少ない、19uMより少ない、18uMより少ない、17uMより少ない、16uMより少ない、15uMより少ない、14uMより少ない、13uMより少ない、12uMより少ない、11uMより少ない、10uMより少ない、9uMより少ない、8uMより少ない、7uMより少ない、6uMより少ない、5uMより少ない、4uMより少ない、3uMより少ない、2uMより少ない、1uMより少ないin vitroのIC
50の少なくとも一つを有するために有効である。
【0195】
ある態様において、本明細書中に記載される化合物は、本明細書中に記載されるようにHuVEC細胞に供給された場合、1.0uMより少ない、0.9uMより少ない、0.8uMより少ない、0.7uMより少ない、0.6uMより少ない、0.5uMより少ない、0.4uMより少ない、0.3uMより少ない、0.2uMより少ない、0.1uMより少ないin vitroのIC
50の少なくとも一つを有するために有効である。
【0196】
ある態様において、本明細書中に記載される化合物は、本明細書中に記載されるようにHuVEC細胞に供給された場合、0.95uMより少ない、0.90uMより少ない、0.85uMより少ない、0.80uMより少ない、0.75uMより少ない、0.70uMより少ない、0.65uMより少ない、0.60uMより少ない、0.55uMより少ない、0.50uMより少ない、0.45uMより少ない、0.40uMより少ない、0.35uMより少ない、0.30uMより少ない、0.25uMより少ない、0.20uMより少ない、0.15uMより少ない、0.10uMより少ない、0.05uMより少ない、0.04uMより少ない、0.03uMより少ない、0.02uMより少ない、0.01uMより少ないin vitroのIC
50の少なくとも一つを有するために有効である。
【0197】
ある態様において、本明細書中に記載されるような化合物は、本明細書中に記載されるような癌細胞株に対する自由取込み法によって供給される場合、20uMより少ない、15uMより少ない、10uMより少ない、5uMより少ない、2uMより少ないin vitroのIC
50の少なくとも一つを有するために有効である。
【0198】
ある態様において、本明細書中に記載されるような化合物は、生理食塩水治療の動物と比較して4倍、3倍、又は2倍より多くないALT或いはAST値の増加、又は30%、20%、15%、12%、10%、5%、又は2%より多くない肝臓、脾臓、或いは腎臓の重量の増加の少なくとも一つを有することによって示されるように非常に許容可能である。ある態様において、本明細書中に記載されるような化合物は、生理食塩水治療の動物と比較してALT又はASTの増加を持たないことによって示されるように非常に許容可能である。ある態様において、本明細書中に記載されるような化合物は、生理食塩水治療の動物と比較して肝臓、脾臓、或いは腎臓の重量の増加を持たないことによって示されるように非常に許容可能である。ある態様において、これらの化合物は、ISIS455265、ISIS455269、ISIS455271、ISIS455272、ISIS455291、ISIS455371、ISIS455394、ISIS455703、ISIS455429、ISIS455471、ISIS455527、ISIS455530、ISIS455536、ISIS455548、ISIS455611、ISIS465236、ISIS465237、ISIS465588、ISIS465740、ISIS465754、ISIS465830、ISIS466670、ISIS466720;ISIS481374、ISIS481390、ISIS481420、ISIS481431、ISIS481453、ISIS481464、ISIS481475、ISIS481495、ISIS481500、ISIS481501、ISIS481525、ISIS481548、ISIS481549、ISIS481597、ISIS481695、ISIS481700、ISIS481702、ISIS481710、ISIS481725、ISIS481750、及びISIS481763を含む。ある態様において、このような化合物は、配列番号57、90、90、175、223、245、267、307、317、318、366、411、413、54、258、268、272、288、464、367、393、1564、1568、1571、1572、1590、1670、1693、1728、1770、1826、1829、1835、1847、1910、1997、2168、2198、2325、2339、2720、2731、2732、及び2756のいずれか一つの配列を含んでなる化合物を含む。
【0199】
アンチセンス化合物のモチーフ
ある態様において、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物は、阻害活性の向上、標的核酸に対する結合親和性の増加、又はin vivoのヌクレアーゼによる分解に対する耐性のようなアンチセンス化合物特性を与えるパターン又はモチーフに配列された化学的に修飾されたサブユニットを有する。
【0200】
キメラアンチセンス化合物は、典型的にはヌクレアーゼ分解に対する耐性の増加、細胞取込みの増加、標的核酸に対する結合親和性の増加、及び/又は阻害活性の増加を与えるように修飾された少なくとも一つの領域を含有する。キメラアンチセンス化合物の第2の領域は、RNA:DNA二本鎖のRNA鎖を開裂する細胞のエンドヌクレアーゼRNアーゼHのための基質として所望により役立つことができる。
【0201】
ギャップマーモチーフを有するアンチセンス化合物は、キメラアンチセンス化合物と考えられる。ギャップマー中で、RNアーゼH開裂を支持する複数のヌクレオチドを有する内部領域は、内部領域のヌクレオシドと化学的に別個である複数のヌクレオチドを有する外部領域の間に位置する。ギャップマーモチーフを有するアンチセンスオリゴヌクレオチドの場合、ギャップセグメントは、一般的にエンドヌクレアーゼ開裂のための基質として役立つが、一方ウイングセグメントは修飾ヌクレオシドを含んでなる。ある態様において、ギャップマーの領域は、それぞれの別個の領域を含んでなる糖部分の種類によって区別される。ギャップマーの領域を区別するために使用される糖部分の種類は、幾つかの態様において、β−D−リボヌクレオシド、β−D−デオキシリボヌクレオシド、2’−修飾ヌクレオシド(このような2’−修飾ヌクレオシドは、特に2’−MEO及び2’−O−CH
3を含むことができる)、及び二環式糖修飾ヌクレオシド(このような二環式糖修飾ヌクレオシドは、拘束エチルを有するものを含むことができる)を含むことができる。ある態様において、ウイングは、例えば、2’−MOE及び拘束エチルを含む幾つかの修飾糖部分を含むことができる。ある態様において、ウイングは、幾つかの修飾又は非修飾糖部分を含むことができる。ある態様において、ウイングは、2’−MOEヌクレオシド、拘束エチルヌクレオシド、及び2’−デオキシヌクレオシドの各種の組合せを含むことができる。
【0202】
それぞれの別個の領域は、均一な糖部分、変種、又は交互糖部分を含んでなることができる。ウイング−ギャップ−ウイングモチーフは、しばしば“X−Y−Z”と記載され、ここで、“X”は、5’−ウイングの長さであり、“Y”は、ギャップの長さであり、そして“Z”は、3’−ウイングの長さである。“X”及び“Z”は、均一、変種、又は交互糖部分を含んでなることができる。ある態様において、“X”及び“Y”は、一つ又はそれより多い2’−デオキシヌクレオシドを含むことができる。
【0203】
“Y”は、2’−デオキシヌクレオシドを含んでなることができる。本明細書中で使用する場合、“X−Y−Z”と記載されるギャップマーは、ギャップが5’−ウイング及び3’ウイングのそれぞれに直接隣接して位置するような配置を有する。従って、5’−ウイング及びギャップ、又はギャップ及び3’−ウイングの間に介入ヌクレオシドは存在しない。本明細書中に記載されるアンチセンス化合物の何れもは、ギャップマーモチーフを有することができる。ある態様において、“X”及び“Z”は、同一であり、他の態様において、これらは、異なっている。ある態様において、“Y”は、8ないし15個間のヌクレオシドである。X、Y、又はZは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30個又はそれより多いヌクレオシドのいずれかであることができる。
【0204】
ある態様において、本明細書中に提供されるギャップマーは、例えば、1−9−1のモチーフを有する11塩基長を含む。
【0205】
ある態様において、本明細書中に提供されるギャップマーは、例えば、1−9−2、2−9−1、又は1−10−1のモチーフを有する12塩基長を含む。
【0206】
ある態様において、本明細書中に提供されるギャップマーは、例えば、1−9−3、2−9−2、3−9−1、1−10−2、又は2−10−1のモチーフを有する13塩基長を含む。
【0207】
ある態様において、本明細書中に提供されるギャップマーは、例えば、1−9−4、2−9−3、3−9−2、4−9−1、1−10−3、2−10−2、又は3−10−1のモチーフを有する14塩基長を含む。
【0208】
ある態様において、本明細書中に提供されるギャップマーは、例えば、1−9−5、2−9−4、3−9−3、4−9−2、5−9−1、1−10−4、2−10−3、3−10−2、又は4−10−1のモチーフを有する15塩基長を含む。
【0209】
ある態様において、本明細書中に提供されるギャップマーは、例えば、2−9−5、3−9−4、4−9−3、5−9−2、1−10−5、2−10−4、3−10−3、4−10−2、又は5−10−1のモチーフを有する16塩基長を含む。
【0210】
ある態様において、本明細書中に提供されるギャップマーは、例えば、3−9−5、4−9−4、5−9−3、2−10−5、3−10−4、4−10−3、又は5−10−2のモチーフを有する17塩基長を含む。
【0211】
ある態様において、本明細書中に提供されるギャップマーは、例えば、4−9−5、5−9−4、3−10−5、4−10−4、又は5−10−3のモチーフを有する18塩基長を含む。
【0212】
ある態様において、本明細書中に提供されるギャップマーは、例えば、5−9−5、4−10−5、又は5−10−4のモチーフを有する19塩基長を含む。
【0213】
ある態様において、本明細書中に提供されるギャップマーは、例えば、5−10−5のモチーフを有する20塩基長を含む。
【0214】
ある態様において、アンチセンス化合物は、ウイング−ギャップ又はギャップ−ウイング配置、即ち、ギャップマー配置のために先に記載したような、X−Y又はY−Z配置を有する“ウイングマー”モチーフを有する。従って、本明細書中に提供されるウイングマー配置は、制約されるものではないが、例えば、5−10、8−4、4−12、12−4、3−14、16−2、18−1、10−3、2−10、1−10、8−2、2−13、5−13、5−8、又は6−8を含む。
【0215】
ある態様において、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物は、2−10−2ギャップマーモチーフを有する。
【0216】
ある態様において、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物は、3−10−3ギャップマーモチーフを有する。
【0217】
ある態様において、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物は、5−10−5ギャップマーモチーフを有する。
【0218】
ある態様において、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物は、1−10−5ギャップマーモチーフを有する。
【0219】
ある態様において、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物は、3−10−4ギャップマーモチーフを有する。
【0220】
ある態様において、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物は、2−10−4ギャップマーモチーフを有する。
【0221】
ある態様において、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物は、4−9−3ギャップマーモチーフを有する。
【0222】
ある態様において、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物は、拡大ギャップモチーフを有する。
【0223】
ある態様において、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物は、以下の糖モチーフ:
k−d(10)−k
e−d(10)−k
k−d(10)−e
k−k−d(10)−k−k
k−k−d(10)−e−e
e−e−d(10)−k−k
k−k−k−d(10)−k−k−k
e−e−e−d(10)−k−k−k
k−k−k−d(10)−e−e−e
k−k−k−d(10)−k−k−k
e−k−k−d(10)−k−k−e
e−e−k−d(10)−k−k−e
e−d−k−d(10)−k−k−e
e−k−d(10)−k−e−k−e
k−d(10)−k−e−k−e−e
e−e−k−d(10)−k−e−k−e
e−d−d−k−d(9)−k−k−e
e−e−e−e−d(9)−k−k−e
のいずれかを有し、
ここで、kは、拘束エチルヌクレオシドであり、eは、2’−MOE置換ヌクレオシドであり、そしてdは、2’−デオキシヌクレオシドである。
【0224】
ある態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下のとおりの式A:
(J)
m−(B)
n−(J)
p−(B)
r−(A)
t−(D)
g−(A)
v−(B)
w−(J)
x−(B)
y−(J)
z
によって記載される糖モチーフを有し、
式中:
それぞれのAは、独立に2’−置換ヌクレオシドであり;
それぞれのBは、独立に二環式ヌクレオシドであり;
それぞれのJは、独立に2’−置換ヌクレオシド又は2’−デオキシヌクレオシドのいずれかであり;
それぞれのDは、2’−デオキシヌクレオシドであり;
mは、0−4であり;nは、0−2であり;pは、0−2であり;rは、0−2であり;tは、0−2であり;vは、0−2であり;wは、0−4であり;xは、0−2であり;yは、0−2であり;zは、0−4であり;gは、6−14であり;
但し:
m、n、及びrの少なくとも一つは、0以外であり;
w及びyの少なくとも一つは、0以外であり;
m、n、p、r、及びtの合計は、2から5までであり;そして
v、w、x、y、及びzの合計は、2から5までである;
ことを条件とする。
【0225】
標的核酸、標的領域及びヌクレオチド配列
STAT3をコードするヌクレオチド配列は、制約されるものではないが、次:GENBANK寄託番号NM_139276.2(配列番号:1として本明細書中に援用される)及びヌクレオチド4185000ないし4264000から切断されたGENBANK寄託番号NT_010755.14の相補物(配列番号:2として本明細書中に援用される)を含む。
【0226】
本明細書中に含有される実施例中のそれぞれの配列番号に記載される配列が、糖部分、ヌクレオシド間結合、又は核酸塩基に対するいずれもの修飾に関係しないことは理解されることである。このように、配列番号によって定義されるアンチセンス化合物は、独立に糖部分、ヌクレオシド間結合、又は核酸塩基に対する一つ又はそれより多い修飾を含んでなることができる。Isis番号(Isis No)によって記載されるアンチセンス化合物は、核酸塩基配列及びモチーフの組合せを示す。
【0227】
ある態様において、標的領域は、標的核酸の構造的に定義された領域である。例えば、標的領域は、3’UTR、5’UTR、エキソン、イントロン、エキソン/イントロン接合部、コード領域、翻訳開始領域、翻訳終止領域、又は他の定義された核酸領域を包含することができる。STAT3に対して構造的に定義された領域は、NCBIのような配列データベースから寄託番号によって得ることができ、そしてこのような情報は、本明細書中に参考文献として援用される。ある態様において、標的領域は、標的領域内の一つの標的セグメントの5’標的部位から、同一標的領域内のもう一つの標的セグメントの3’標的部位までの配列を包含することができる。
【0228】
標的化は、所望の効果が起こるように、それに対してアンチセンス化合物がハイブリダイズする、少なくとも一つの標的セグメントの決定を含む。ある態様において、所望の効果は、mRNA標的核酸レベルの減少である。ある態様において、所望の効果は、標的核酸によってコードされるタンパク質のレベル、又は標的核酸に伴う表現型の変化の減少である。
【0229】
標的領域は、一つ又はそれより多い標的セグメントを含有することができる。標的領域内の多数の標的セグメントは、重複することができる。別の方法として、これらは、非重複であることができる。ある態様において、標的領域内の標的セグメントは、約300個より多くないヌクレオチドによって分離されている。ある態様において、標的領域内の標的セグメントは、標的核酸上の250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、又は10個のヌクレオチドである、概略それである、それより多くない、概略それより多くないヌクレオチドの数によって、或いは前記の値のいずれか二つによって定義される範囲で分離されている。ある態様において、標的領域内の標的セグメントは、標的核酸上の5個より多くない、又は概略それより多くないヌクレオチドによって分離されている。ある態様において、標的セグメントは連続している。意図されるものは、本明細書中に記載される5’標的部位又は3’標的部位のいずれかである開始核酸を有する範囲によって定義される標的領域である。
【0230】
適した標的セグメントは、5’UTR、コード領域、3’UTR、イントロン、エキソン、エキソン/イントロン接合部内で見出すことができる。開始コドン又は終止コドンを含有する標的セグメントも、更に適した標的セグメントである。適した標的セグメントは、開始コドン又は終止コドンのようなある種の構造的に定義された領域を特異的に除外することができる。
【0231】
適した標的セグメントの決定は、標的核酸の配列のゲノム中の他の配列との比較を含むことができる。例えば、異なった核酸間の類似性の領域を確認するために、BLASTアルゴリズムを使用することができる。この比較は、選択される標的核酸以外の配列に非特異的様式でハイブリダイズすることができるアンチセンス化合物配列(即ち、非標的又はオフターゲット配列)の選択を防止することができる。
【0232】
活性な標的領域内のアンチセンス化合物の活性に変化(例えば、標的核酸レベルの減少のパーセントによって定義されるような)が存在することができる。ある態様において、STAT3のmRNAレベルの減少は、STAT3発現の阻害を示している。STAT3タンパク質のレベルの減少も、更に標的mRNA発現の阻害を示している。更に、表現型の変化は、STAT3発現の阻害を示している。ある態様において、細胞増殖の減少、腫瘍成長の減少、及び腫瘍体積の減少は、STAT3発現の阻害を示すことができる。ある態様において、癌に伴う徴候の改善は、STAT3発現の阻害を示すことができる。ある態様において、カヘキシアの減少は、STAT3発現の阻害を示す。ある態様において、癌マーカーの減少は、STAT3発現の阻害を示す。
【0233】
ハイブリダイゼーション
幾つかの態様において、ハイブリダイゼーションは、本明細書中に開示されるアンチセンス化合物及びSTAT3核酸間に起こる。ハイブリダイゼーションの最も普通の機構は、核酸分子の相補的核酸塩基間の水素結合に関係する(例えば、Watson−Crick,Hoogsteen or reversed Hoogsteen hydrogen bonding)。
【0234】
ハイブリダイゼーションは、各種の条件下で起こることができる。厳密な条件は、配列依存性であり、そしてハイブリダイズされる核酸分子の特質及び組成によって決定される。
【0235】
配列が標的核酸に特異的にハイブリダイズ可能であるか否かを決定する方法は、当技術において公知である。ある態様において、本明細書中に提供されるアンチセンス化合物は、STAT3核酸と特異的にハイブリダイズ可能である。
【0236】
相補性
アンチセンス化合物及び標的核酸は、アンチセンス化合物の十分な数の核酸塩基が、所望の効果(例えば、STAT3核酸のような標的核酸のアンチセンス阻害)を起こすものであるように、標的核酸の対応する核酸塩基と水素結合することができる場合、互いに相補的である。
【0237】
アンチセンス化合物及びSTAT3核酸間の非相補的核酸塩基は、そのアンチセンス化合物が標的核酸に特異的にハイブリダイズすることが可能なままであることを条件に、許容することができる。更に、アンチセンス化合物は、介入又は隣接するセグメントが、ハイブリダイゼーション現象に関係しないように、一つ又はそれより多いSTAT3核酸のセグメントを超えてハイブリダイズすることができる(例えば、ループ構造、ミスマッチ又はヘアピン構造)。
【0238】
ある態様において、本明細書中に提供されるアンチセンス化合物、又はその特定化された部分は、STAT3核酸、標的領域、標的セグメント、或いはこれらの特定化された部分に対して、又は少なくとも、70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%相補的である。アンチセンス化合物の標的核酸との相補性のパーセントは、ルーチン的方法を使用して決定することができる。
【0239】
例えば、アンチセンス化合物の20個の核酸塩基の18個が標的領域に対して相補的であり、そして従って特異的にハイブリダイズするものであるアンチセンス化合物は、90%相補性であるものである。この例において、残りの非相補性核酸塩基は、相補的核酸塩基と共に密集するか又は分散することができ、そして互いに、又は相補的核酸塩基に対して連続する必要はない。このように、標的核酸と完全に相補性の二つの領域によって隣接された四つの非相補的核酸塩基を有する18個の核酸塩基の長さのアンチセンス化合物は、標的核酸と77.8%の全体的相補性を有するものであり、そして従って本発明の範囲内に入るものである。アンチセンス化合物の標的核酸の領域との相補性のパーセントは、当技術において既知のBLASTプログラム(基本的なローカルアラインメント探査ツール)及びPowerBLASTプログラム(Altschul et al.,J.Mol.Biol.,1990,215,403 410;Zhang and Madden,Genome Res.,1997,7,649 656)を使用してルーチン的に決定することができる。類似性、配列同一性又は相補性のパーセントは、例えばSmith and Waterman(Adv.Appl.Math.,1981,2,482 489)のアルゴリズムを使用するデフォルトの設定を使用するGapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,Madison Wis.)によって決定することができる。
【0240】
ある態様において、本明細書中に提供されるアンチセンス化合物、又はその特定化された部分は、標的核酸、又はその特定化された部分に、完全に相補的(100%相補的)である。例えば、アンチセンス化合物は、STAT3核酸、又は標的領域、又は標的セグメント或いはその標的配列に対して完全に相補的であることができる。本明細書中で使用される場合、“完全に相補的”は、アンチセンス化合物のそれぞれの核酸塩基が、標的核酸の対応する核酸塩基と正確な対形成をすることが可能であることを意味する。例えば、20個の核酸塩基のアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物に対して完全に相補的である標的核酸の対応する20個の核酸塩基部分が存在する限り、400個の核酸塩基の長さの標的配列と完全に相補的である。完全に相補的は、更に第1又は第2の核酸の特定化された部分に対する言及において使用することができる。例えば、30個の核酸塩基のアンチセンス化合物の20個の核酸塩基部分は、400個の核酸塩基の長さの標的配列に対して“完全に相補的”であることができる。標的配列が、それぞれの核酸塩基がアンチセンス化合物の20個の核酸塩基部分に対して相補的である、対応する20個の核酸塩基部分を有する場合、30個の核酸塩基のオリゴヌクレオチドの20個の核酸塩基部分は、標的配列に対して完全に相補的である。同時に、全ての30個の核酸塩基のアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物の残りの10個の核酸塩基も、更に標的配列に対して相補性であるか否かによって、標的配列に対して相補的であることができるか、又はそうであることができない。
【0241】
非相補的核酸塩基の位置は、アンチセンス化合物の5’末端又は3’末端であることができる。別の方法として、非相補的核酸塩基又は複数の核酸塩基は、アンチセンス化合物の内部位置にあることができる。二つ又はそれより多い非相補的核酸塩基が存在する場合、これらは、連続している(即ち結合している)か、又は非連続であることができる。一つの態様において、非相補的核酸塩基は、ギャップマーアンチセンスオリゴヌクレオチドのウイングセグメント中に位置する。
【0242】
ある態様において、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個の、或いはそれまでの個数の核酸塩基の長さであるアンチセンス化合物は、STAT3核酸又はその特定化された部分のような標的核酸に対して4個より多くない、3個より多くない、2個より多くない、又は1個より多くない非相補的核酸塩基(類)を含んでなる。
【0243】
ある態様において、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30個の、或いはそれまでの個数の核酸塩基の長さであるアンチセンス化合物は、STAT3核酸又はその特定化された部分のような標的核酸に対して6個より多くない、5個より多くない、4個より多くない、3個より多くない、2個より多くない、又は1個より多くない非相補的核酸塩基(類)を含んでなる。
【0244】
本明細書中に提供されるアンチセンス化合物は、更に標的核酸の部分に対して相補的であるものを含む。本明細書中で使用する場合、“部分”は、標的核酸の領域又はセグメント内の規定した数の近接した(即ち結合した)核酸塩基を指す。“部分”は、更にアンチセンス化合物の規定された数の近接した核酸塩基を指すことができる。ある態様において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも8個の核酸塩基部分と相補的である。ある態様において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも9個の核酸塩基部分と相補的である。ある態様において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも10個の核酸塩基部分と相補的である。ある態様において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも11個の核酸塩基部分と相補的である。ある態様において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも12個の核酸塩基部分と相補的である。ある態様において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも13個の核酸塩基部分と相補的である。ある態様において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも14個の核酸塩基部分と相補的である。ある態様において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも15個の核酸塩基部分と相補的である。更に意図するものは、標的セグメントの少なくとも9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個、又はそれより多い、或いはこれらの値のいずれか二つによって定義される範囲の核酸塩基部分と相補的であるアンチセンス化合物である。
【0245】
同一性
本明細書中に提供されるアンチセンス化合物は、更に特定のヌクレオチド配列、配列番号、又は具体的なIsis番号によって表される化合物、又はこれらの部分に対する規定された同一性のパーセントを有することができる。本明細書中で使用する場合、アンチセンス化合物は、これが同一の核酸塩基の対形成の能力を有する場合、本明細書中に開示される配列と同一である。例えば、開示されたDNA配列中のチミジンの代わりにウラシルを含有するRNAは、ウラシル及びチミジンの両方が、アデニンと対形成するため、DNA配列と同一であると考えられるものである。本明細書中に記載されるアンチセンス化合物の短縮及び延長された変種、並びに本明細書中に提供されるアンチセンス化合物に対して非同一性塩基を有する化合物も、更に意図されている。非同一性塩基は、互いに隣接するか、又はアンチセンス化合物中に分散されることができる。アンチセンス化合物の同一性のパーセントは、これが比較される配列に対して同一の塩基対形成を有する塩基の数によって計算される。
【0246】
ある態様において、アンチセンス化合物、又はその部分は、本明細書中に開示されるアンチセンス化合物又は配列番号、或いはその部分の一つ又はそれより多くに対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一である。
【0247】
ある態様において、アンチセンス化合物の部分は、標的核酸の等しい長さの部分と比較される。ある態様において、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個の核酸塩基部分が、標的核酸の等しい長さの部分と比較される。
【0248】
ある態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドの部分は、標的核酸の等しい長さの部分と比較される。ある態様において、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個の核酸塩基部分が、標的核酸の等しい長さの部分と比較される。
【0249】
修飾
ヌクレオシドは、塩基−糖の組合せである。ヌクレオシドの核酸塩基(更に塩基としても知られる)部分は、通常複素環塩基部分である。ヌクレオチドは、更にヌクレオシドの糖部分に共有的に結合したリン酸基を含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むこれらのヌクレオシドにおいて、リン酸基は、糖の2’、3’又は5’ヒドロキシル部分に結合することができる。オリゴヌクレオチドは、隣接するヌクレオシドのお互いの共有結合によって形成されて、直線のポリマーのオリゴヌクレオチドを形成する。オリゴヌクレオチド構造内で、リン酸基は、オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合を形成するとして一般的に言及される。
【0250】
アンチセンス化合物に対する修飾は、置換或いはヌクレオシド間結合、糖部分、又は核酸塩基に対する変化を包含する。修飾されたアンチセンス化合物は、例えば、細胞取込みの向上、核酸標的に対する親和性の向上、ヌクレアーゼの存在中の安定性の増加、又は阻害活性の増加のような好ましい特性のために天然の形態と比較してしばしば好まれる。
【0251】
化学的に修飾ヌクレオシドは、更に短縮又は切断されたアンチセンスオリゴヌクレオチドのその標的核酸に対する結合親和性を増加するために使用することもできる。従って、このような化学的に修飾ヌクレオシドを有する短いアンチセンス化合物により、しばしば匹敵する結果を得ることができる。
【0252】
修飾ヌクレオシド間結合
RNA及びDNAの天然に存在するヌクレオシド間結合は、3’から5’へのホスホジエステル結合である。一つ又はそれより多い修飾された、即ち天然に存在しないヌクレオシド間結合を有するアンチセンス化合物は、例えば細胞取込みの向上、標的核酸に対する親和性の向上、及びヌクレアーゼの存在中の安定性の増加のような好ましい特性のために、しばしば天然に存在するヌクレオシド間結合を有するアンチセンス化合物を超えて選択される。
【0253】
修飾ヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドは、リン原子を保持するヌクレオシド間結合、並びにリン原子を持たないヌクレオシド間結合を含む。代表的なリンを含有するヌクレオシド間結合は、制約されるものではないが、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホルアミデート、及びホスホロチオエートを含む。リン含有及び非リン含有結合の調製の方法は、公知である。
【0254】
ある態様において、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物は、一つ又はそれより多いヌクレオシド間結合を含んでなる。ある態様において、修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。ある態様において、アンチセンス化合物のそれぞれのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0255】
修飾糖部分
本明細書中に提供されるアンチセンス化合物は、糖基が修飾された一つ又はそれより多いヌクレオシドを所望により含有することができる。このような糖を修飾ヌクレオシドは、ヌクレアーゼ安定性の向上、結合親和性の増加、又は幾つかの他の有利な生物学的特性をアンチセンス化合物に与えることができる。ある態様において、ヌクレオシドは、化学的に修飾されたリボフラノース環部分を含んでなる。化学的に修飾されたリボフラノース環の例は、制約されるものではないが、置換基の付加(5’及び2’置換基を含む);二環式核酸(BNA)を形成するための非ジェミナルな環原子の架橋;S、N(R)、又はC(R1)(R)2(R=H、C
1−C
12アルキル又は保護基)によるリボシル環の酸素原子の置換;及びこれらの組合せを含む。化学的に修飾された糖の例は、2’−F−5’−メチル置換されたヌクレオシド(他の開示された5’,2’−ビス置換されたヌクレオシドに対して、8/21/08に公開されたPCT国際特許出願WO2008/101157を参照されたい)、2’−位における更なる置換を伴うSによるリボシル環の酸素原子の置換(2005年6月16日に公開された、公開された米国特許出願US2005/0130923を参照されたい)、又は、別の方法として、BNAの5’−置換(LNAが、例えば5’−メチル又は5’−ビニル基で置換された、11/22/07に公開されたPCT国際特許出願WO2007/134181を参照されたい)を含む。
【0256】
修飾糖部分を有するヌクレオシドの例は、制約されるものではないが、5’−ビニル、5’−メチル(R又はS)、4’−S、2’−F、2’−OCH
3、及び2’−O(CH
2)2OCH
3置換基を含んでなるヌクレオシドを含む。2’位の置換基は、更にアリル、アジド、チオ、O−アリル、O−C
1−C
10アルキル、OCF
3、O(CH
2)2SCH
3、O(CH
2)2−O−N(Rm)(Rn)、及びO−CH
2−C(=O)−N(Rm)(Rn)から選択することもでき、ここで、それぞれのRm及びRnは、独立にH或いは置換された又は非置換のC
1−C
10アルキルである。
【0257】
本明細書中で使用する場合、“二環式ヌクレオシド”は、二環式糖部分を含んでなる修飾ヌクレオシドを指す。二環式ヌクレオシドの例は、制約されるものではないが、4’及び2’リボシル環原子間の架橋を含んでなるヌクレオシドを含む。ある態様において、本明細書中に提供されるアンチセンス化合物は、架橋が4’から2’の二環式ヌクレオシドを含んでなる一つ又はそれより多い二環式ヌクレオシドを含む。このような4’から2’の二環式ヌクレオシドの例は、制約されるものではないが、式:4’−(CH
2)−O−2’(LNA);4’−(CH
2)−S−2’;4’−(CH
2)
2−O−2’(ENA);4’−CH(CH
3)-−O−2’及び4’−C-H(CH
2OCH
3)-−O−2’、並びにこれらの類似体(2008年7月15日に公布された米国特許第7,399,845号を参照されたい);4’−C(CH
3)(CH
3)-−O−2’、及びその類似体(2009年1月8日に公開された、公開されたPCT国際特許出願WO2009/006478を参照されたい);4’−CH
2−N(OCH
3)−2’、及びその類似体(2008年12月11日に公開された、公開されたPCT国際特許出願WO2008/150729を参照されたい);4’−CH
2−O−N(CH
3)−2’(2004年9月2日に公開された、公開された米国特許出願US2004/0171570を参照されたい);RがH、C
1−C
12アルキル、又は保護基である4’−CH
2−N(R)−O−2’(2008年9月23日に公布された米国特許第7,427,672号を参照されたい);4’−CH
2−C-(H)(CH
3)−2’(Chattopadhyaya,et al.,J.Org.Chem.,2009,74,118−134を参照されたい);及び4’−CH
2−C-(=CH
2)−2、及びその類似体(2008年12月8日に公開された、公開されたPCT国際特許出願WO2008/154401を参照されたい)の一つを含む。更に、例えば:Singh et al.,Chem.Commun.,1998,4,455−456;Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607−3630;Wahlestedt et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,2000,97,5633−5638;Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219−2222;Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035−10039;Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.,129(26)8362−8379(Jul.4,2007);Elayadi et al.,Curr.Opinion Invens.Drugs,2001,2,558−561;Braasch et al.,Chem.Biol.,2001,8,1−7;Orum et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.,2001,3,239−243;米国特許第6,670,461号、7,053,207号、6,268,490号、6,770,748号、6,794,499号、7,034,133号、6,525,191号、7,399,845号;公開されたPCT国際特許出願WO2004/106356、WO94/14226、WO2005/021570及びWO2007/134181;米国特許公開US2004/0171570、US2007/0287831、及びUS2008/0039618;及び米国特許番号12/129,154、60/989,574、61/026,995、61/026,998、61/056,564、61/086,231、61/097,787、及び61/099,844;並びにPCT国際特許出願PCT/US2008/064591、PCT/US2008/066154、及びPCT/US2008/068922を参照されたい。それぞれの前述の二環式ヌクレオシドは、例えば、α−L−リボフラノース及びβ−D−リボフラノースを含む一つ又はそれより多い立体化学的糖配置を有することによって調製することができる(1999年3月25日にWO99/14226として公開されたPCT国際特許出願PCT/DK98/00393を参照されたい)。
【0258】
ある態様において、BNAヌクレオシドの二環式糖部分は、制約されるものではないが、ペントフラノシル糖部分の4’及び2’位間に少なくとも一つの架橋を有する化合物を含み、ここで、このような架橋は、独立に:−[C(R
a)(R
b)]
n−、−C(R
a)=C(R
b)−、−C(R
a)=N−、−C(=NR
a)−、−C(=O)−、−C(=S)−、−O−、−Si(R
a)
2−、−S(=O)
x−、及び−N(R
a)−から独立に選択される1個又は2から4個までの結合基を含んでなり;
ここで:
xは、0、1、又は2であり;
nは、1、2、3、又は4であり;
それぞれのR
a及びR
bは、独立に、H、保護基、ヒドロキシル、C
1−C
12アルキル、置換されたC
1−C
12アルキル、C
2−C
12アルケニル、置換されたC
2−C
12アルケニル、C
2−C
12アルキニル、置換されたC
2−C
12アルキニル、C
5−C
20アリール、置換されたC
5−C
20アリール、複素環ラジカル、置換された複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、C
5−C
7脂環式ラジカル、置換されたC
5−C
7脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ
1、NJ
1J
2、SJ
1、N
3、COOJ
1、アシル(C(=O)−H)、置換されたアシル、CN、スルホニル(S(=O)
2−J
1)、又はスルホキシル(S(=O)−J
1)であり;そして
それぞれのJ
1及びJ
2は、独立に、H、C
1−C
12アルキル、置換されたC
1−C
12アルキル、C
2−C
12アルケニル、置換されたC
1−C
12アルケニル、C
2−C
12アルキニル、置換されたC
2−C
12アルキニル、C
5−C
20アリール、置換されたC
5−C
20アリール、アシル(C(=O)−H)、置換されたアシル、複素環ラジカル、置換された複素環ラジカル、C
1−C
12アミノアルキル、置換されたC
1−C
12アミノアルキル、又は保護基である。
【0259】
ある態様において、二環式糖部分の架橋は、−[C(R
a)(R
b)]
n−、−[C(R
a)(R
b)]
n−O−、−C(R
aR
b)−N(R)−O−又は、−C(R
aR
b)−O−N(R)−である。ある態様において、架橋は、4’−CH
2−2’、4’−(CH
2)
2−2’、4’−(CH
2)
3−2’、4’−CH
2−O−2’、4’−(CH
2)
2−O−2’、4’−CH
2−O−N(R)−2’、及び4’−CH
2−N(R)−O−2’−であり、ここで、それぞれのRは、独立に、H、保護基、又はC
1−C
12アルキルである。
【0260】
ある態様において、二環式ヌクレオシドは、更に異性体配置によって定義される。例えば、4’−2’メチレン−オキシ架橋を含んでなるヌクレオシドは、α−L−配置又はβ−D−配置であることができる。以前に、α−L−メチレンオキシ(4’−CH
2−O−2’)BNAが、アンチセンス活性を示すアンチセンスオリゴヌクレオチド中に組込まれている(Frieden et al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365−6372)。
【0261】
ある態様において、二環式ヌクレオシドは、制約されるものではないが、以下に示すような(A)α−L−メチレンオキシ(4’−CH
2−O−2’)BNA、(B)β−D−メチレンオキシ(4’−CH
2−O−2’)BNA、(C)Eチレンオキシ(4’−(CH
2)
2−O−2’)BNA、(D)アミノオキシ(4’−CH
2−O−N(R)−2’)BNA、(E)オキシアミノ(4’−CH
2−N(R)−O−2’)BNA、(F)メチル(メチレンオキシ)(4’−CH(CH
3)−O−2’)BNA、(G)メチレン−チオ(4’−CH
2−S−2’)BNA、(H)メチレン−アミノ(4’−CH2−N(R)−2’)BNA、(I)メチル炭素環式(4’−CH
2−CH(CH
3)−2’)BNA、及び(J) プロピレン炭素環式(4’−(CH
2)
3−2’)BNA:
【0262】
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
【0263】
を含み、ここで、Bxは、塩基部分であり、そしてRは、独立に、H、保護基又はC
1−C
12アルキルである。
【0264】
ある態様において、二環式ヌクレオシドは、以下の式I:
【0265】
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
【0266】
を有し、式中:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
−Q
a−Q
b−Q
c−は、−CH
2−N(R
c)−CH
2−、−C(=O)−N(R
c)−CH
2−、−CH
2−O−N(R
c)−、−CH
2−N(R
c)−O−、又は−N(R
c)−O−CH
2であり;
R
cは、C
1−C
12アルキル又はアミノ保護基であり;そして
T
a及びT
bは、それぞれ独立に、H、ヒドロキシル保護基、複合体基、反応性リン基、リン部分、又は支持媒体への共有結合である。
【0267】
ある態様において、二環式ヌクレオシドは、以下の式II:
【0268】
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
【0269】
を有し、式中:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
T
a及びT
bは、それぞれ独立に、H、ヒドロキシル保護基、複合体基、反応性リン基、リン部分、又は支持媒体への共有結合であり;
Z
aは、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、置換されたC
1−C
6アルキル、置換されたC
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルキニル、アシル、置換されたアシル、置換されたアミト゛、チオール、又は置換されたチオである。
【0270】
一つの態様において、それぞれの置換基は、独立に、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ
c、NJ
cJ
d、SJ
c、N
3、OC(=X)J
c、及びNJ
eC(=X)NJ
cJ
dから独立に選択される置換基でモノ又は多置換され、ここで、それぞれのJ
c、J
d、及びJ
eは、独立に、H、C
1−C
6アルキル、又は置換されたC
1−C
6アルキルであり、そしてXは、O又はNJ
cである。
【0271】
ある態様において、二環式ヌクレオシドは、以下の式III:
【0272】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
【0273】
を有し、式中:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
T
a及びT
bは、それぞれ独立に、H、ヒドロキシル保護基、複合体基、反応性リン基、リン部分、又は支持媒体への共有結合であり;
Z
bは、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、置換されたC
1−C
6アルキル、置換されたC
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルキニル、、又は置換されたアシル(C(=O)−)である。
【0274】
ある態様において、二環式ヌクレオシドは、以下の式IV:
【0275】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
【0276】
を有し、式中:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
T
a及びT
bは、それぞれ独立に、H、ヒドロキシル保護基、複合体基、反応性リン基、リン部分、又は支持媒体への共有結合であり;
R
dは、C
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換されたC
2−C
6アルキニルであり;
それぞれのq
a、q
b、q
c及びq
dは、独立に、H、ハロゲン、C
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換されたC
2−C
6アルキニル、C
1−C
6アルコキシ、置換されたC
1−C
6アルコキシ、アシル、置換されたアシル、C
1−C
6アミノアルキル、或いは置換されたC
1−C
6アミノアルキルである;
ある態様において、二環式ヌクレオシドは、以下の式V:
【0277】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
【0278】
を有し、式中:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
T
a及びT
bは、それぞれ独立に、H、ヒドロキシル保護基、複合体基、反応性リン基、リン部分、又は支持媒体への共有結合であり;
q
a、q
b、q
e及びq
fは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C
1−C
12アルキル、置換されたC
1−C
12アルキル、C
2−C
12アルケニル、置換されたC
2−C
12アルケニル、C
2−C
12アルキニル、置換されたC
2−C
12アルキニル、C
1−C
12アルコキシ、置換されたC
1−C
12アルコキシ、OJ
j、SJ
j、SOJ
j、SO
2J
j、NJ
jJ
k、N
3、CN、C(=O)OJ
j、C(=O)NJ
jJ
k、C(=O)J
j、O−C(=O)-NJ
jJ
k、N(H)C(=NH)NJ
jJ
k、N(H)C(=O)-NJ
jJ
k又はN(H)C(=S)NJ
jJ
kであるか;
或いはq
e及びq
fは、一緒に=C(q
g)(q
h)であり;
q
g及びq
hは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、C
1−C
12アルキル、又は置換されたC
1−C
12アルキルである。
【0279】
メチレンオキシ(4’−CH
2−O−2’)BNAモノマーのアデニン、シトシン、グアニン、5−メチル−シトシン、チミン及びウラシルの合成及び調製は、そのオリゴマー化、及び核酸認識特性と共に記載されている(例えば、Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607−3630を参照されたい)。BNA及びその調製は、更にWO98/39352及びWO99/14226中に記載されている。
【0280】
メチレンオキシ(4’−CH
2−O−2’)BNA、メチレンオキシ(4’−CH
2−O−2’)BNA、及び2’−チオ−BNAの類似体も、更に調製されている(例えばKumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219−2222を参照されたい)。核酸ポリメラーゼのための基質としてのオリゴデオキシリボヌクレオチド二重鎖を含んでなるロックドヌクレオシド類似体の調製も、更に記載されている(例えば、Wengel et al.,WO99/14226を参照されたい)。更に、新規な立体構造的に制限された高親和性のオリゴヌクレオチド類似体の2’−アミノ−BNAの合成が、当技術において記載されている(例えば、Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035−10039を参照されたい)。更に、2’−アミノ−及び2’−メチルアミノ−BNAが、調製され、そして相補的RNA及びDNA鎖とのその二重鎖の熱安定性は、以前に報告されている。
【0281】
ある態様において、二環式ヌクレオシドは、以下の式VI:
【0282】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
【0283】
を有し、式中:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
T
a及びT
bは、それぞれ独立に、H、ヒドロキシル保護基、複合体基、反応性リン基、リン部分、又は支持媒体への共有結合であり;
それぞれのq
i、q
j、q
k及びq
lは、独立に、H、ハロゲン、C
1−C
12アルキル、置換されたC
1−C
12アルキル、C
2−C
12アルケニル、置換されたC
2−C
12アルケニル、C
2−C
12アルキニル、置換されたC
2−C
12アルキニル、C
1−C
12アルコキシ、置換されたC
1−C
12アルコキシ、OJ
j、SJ
j、SOJ
j、SO
2J
j、NJ
jJ
k、N
3、CN、C(=O)OJ
j、C(=O)NJ
jJ
k、C(=O)J
j、O−C(=O)-NJ
jJ
k、N(H)C(=NH)NJ
jJ
k、N(H)C(=O)-NJ
jJ
k、又はN(H)C(=S)NJ
jJ
kであり;そして
q
i及びq
j 又はq
l及びq
kは、一緒に、=C(q
g)(q
h)であり、ここで、q
g及びq
hは、それぞれ独立にH、ハロゲン、C
1−C
12アルキル、又は置換されたC
1−C
12アルキルである。
【0284】
4’−(CH
2)
3−2’架橋及びアルケニル類似体の架橋4’−CH=CH−CH
2−2’を有する一つの炭素環の二環式ヌクレオシドが記載されている(例えば、Freier et al.,Nucleic Acids Research,1997,25(22),4429−4443及びAlbaek et al.,J.Org.Chem.,2006,71,7731−7740を参照されたい)。炭素環の二環式ヌクレオチドの合成及び調製も、更にそのオリゴマー化及び生化学的研究と共に記載されている(例えば、Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.2007,129(26),8362−8379を参照されたい)。
【0285】
本明細書中で使用する場合、“4’−2’二環式ヌクレオシド”又は“4’から2’の二環式ヌクレオシド”は、2’炭素原子及び4’炭素原子を接続する架橋を含んでなるフラノース環を含んでなる二環式ヌクレオシドを指す。
【0286】
本明細書中で使用する場合、“単環式ヌクレオシド”は、二環式糖部分ではない修飾糖部分を含んでなるヌクレオシドを指す。ある態様において、ヌクレオシドの糖部分、又は糖部分類似体は、いずれもの位置で修飾又は置換されていることができる。
【0287】
本明細書中で使用する場合、“2’−修飾糖”は、2’位で修飾されたフラノシル糖を意味する。ある態様において、このような修飾は:制約されるものではないが、置換された又は非置換のアルコキシ、置換された又は非置換のチオアルキル、置換された又は非置換のアミノアルキル、置換された又は非置換のアルキル、置換された又は非置換のアリル、及び置換された又は非置換のアルキニルを含むハロゲン化物から選択される置換基を含む。ある態様において、2’修飾は、制約されるものではないが、O[(CH
2)
nO]
mCH
3、O(CH
2)
nNH
2、O(CH
2)
nCH
3、O(CH
2)
nONH
2、OCH
2C(=O)N(H)CH
3、及びO(CH
2)
nON[(CH
2)
nCH
3]
2を含む置換基から選択され、ここで、nおよびmは、1から約10までである。他の2’−置換基は、更に:C
1−C
12アルキル;置換されたアルキル;アルケニル;アルキニル;アルカリール;アラルキル;O−アルカリール又はO−アラルキル;SH;SCH
3;OCN;Cl;Br;CN;CF
3;OCF
3;SOCH
3;SO
2CH
3;ONO
2;NO
2;N
3;NH
2;ヘテロシクロアルキル;ヘテロシクロアルカリール;アミノアルキルアミノ;ポリアルキルアミノ;置換されたシリル;RNA開裂基;レポーター基;インターカレーター;薬物動態学的特性を改良するための基;及びアンチセンス化合物の薬力学的特性を改良するために基、並びに類似の特性を有する他の置換基から選択することができる。ある態様において、修飾ヌクレオシドは、2’−MOE側鎖を含んでなる(例えば、Baker et al.,J.Biol.Chem.,1997,272,11944−12000を参照されたい)。このような2’−MOE置換は、非修飾ヌクレオシド及び2’−O−メチル、O−プロピル、及びO−アミノプロピルのような他の修飾ヌクレオシドと比較して、改良された結合親和性を有すると記載されている。2’−MOE置換基を有するオリゴヌクレオチドも、更に遺伝子発現のアンチセンス阻害剤であり、in vivo使用に対する約束された将来を持つことが示されている(例えば、Martin,P.,Helv.Chim.Acta,1995,78,486−504;Altmann et al.,Chimia,1996,50,168−176;Altmann et al.,Biochem.Soc.Trans.,1996,24,630−637;及びAltmann et al.,Nucleosides Nucleotides,1997,16,917−926を参照されたい)。
【0288】
本明細書中で使用する場合、“修飾されたテトラヒドロピランヌクレオシド”又は“修飾THPヌクレオシド”は、正常なヌクレオシド中のペントフラノシル残基において置換された6員のテトラヒドロピラン“糖”を有するヌクレオシド(糖代替物)を意味する。修飾THPヌクレオシドは、制約されるものではないが、当技術においてヘキシトール核酸(HNA)、アニトール核酸(ANA)、マンニトール(manitol)核酸(MNA)(Leumann,CJ.Bioorg.& Med.Chem.(2002)10:841−854を参照されたい)、フルオロHNA(F−HNA)と呼ばれるもの、又は以下の式X:
【0289】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
【0290】
を有する化合物を含み、ここで、それぞれの前記式Xの少なくとも一つのテトラヒドロピランヌクレオシド類似体に対して独立に:
Bxは、複素環式塩基部分であり;
T
3及びT
4は、それぞれ独立に、テトラヒドロピランヌクレオシド類似体をアンチセンス化合物に結合するヌクレオシド間結合基であるか、又はT
3及びT
4の一方は、テトラヒドロピランヌクレオシド類似体をアンチセンス化合物に結合するヌクレオシド間結合基であり、そしてT
3及びT
4の他方は、H、ヒドロキシル保護基、結合された複合体基、或いは5’ 又は3’−末端基であり;
q
1、q
2、q
3、q
4、q
5、q
6及びq
7は、それぞれ独立に、H、C
1−C
6アルキル、置換されたC
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、置換されたC
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、又は置換されたC
2−C
6アルキニルであり;そして
R
1及びR
2の一方は、水素であり、そして他方は、ハロゲン、置換された又は非置換のアルコキシ、NJ
1J
2、SJ
1、N
3、OC(=X)J
1、OC(=X)NJ
1J
2、NJ
3C(=X)NJ
1J
2、及びCNから選択され、ここで、XはO、S、又はNJ
1であり、そしてそれぞれのJ
1、J
2、及びJ
3は、独立に、H又はC
1−C
6アルキルである。
【0291】
ある態様において、q
m、q
n、q
p、q
r、q
s、q
t、及びq
uがそれぞれHである、式Xの修飾THPヌクレオシドが提供される。ある態様において、q
m、q
n、q
p、q
r、q
s、q
t、及びq
uの少なくとも一つは、H以外である。ある態様において、q
m、q
n、q
p、q
r、q
s、q
t、及びq
uの少なくとも一つは、メチルである。ある態様において、R
1及びR
2の一方がFである、式XのTHPヌクレオシドが提供される。ある態様において、R
1はフルオロであり、そしてR
2はHであり、R
1はメトキシであり、そしてR
2はHであり、そしてR
1はメトキシエトキシであり、そしてR
2はHである。
【0292】
本明細書中で使用する場合、“2’−修飾”又は“2’−置換”は、2’位でH又はOH以外の置換基を含んでなる糖を含んでなるヌクレオシドを指す。2’−修飾ヌクレオシドは、制約されるものではないが、糖環の二つの炭素原子を接続する架橋が、2’炭素及び糖環のもう一つの炭素を接続する二環式ヌクレオシド、並びにアリル、アミノ、アジド、チオ、O−アリル、O−C
1−C
10アルキル、−OCF
3、O−(CH
2)
2−O−CH
3、2’−O(CH
2)
2SCH
3、O−(CH
2)
2−O−N(R
m)(R
n)、又はO−CH
2−C(=O)−N(R
m)(R
n)のような非架橋2’置換基を持つヌクレオシドを含み、ここで、それぞれのR
m及びR
nは、独立に、H或いは置換された又は非置換のC
1−C
10アルキルである。2’−修飾ヌクレオシドは、更に、例えば、糖の他の位置及び/又は核酸塩基における他の修飾を含んでなることができる。
【0293】
本明細書中で使用する場合、“2’−F”は、2’位においてフルオロ基を含んでなる糖を指す。
【0294】
本明細書中で使用する場合、“2’−OMe”又は“2’−OCH
3”或いは“2’−O−メチル”は、それぞれ糖環の2’位において−OCH
3基を含んでなる糖を含んでなるヌクレオシドを指す。
【0295】
本明細書中で使用する場合、“オリゴヌクレオチド”は、複数の結合したヌクレオシドを含んでなる化合物を指す。ある態様において、一つ又はそれより多い複数のヌクレオシドは、修飾されている。ある態様において、オリゴヌクレオチドは、一つ又はそれより多いリボヌクレオシド(RNA)及び/又はデオキシリボヌクレオシド(DNA)を含んでなる。
【0296】
アンチセンス化合物への組込みのためにヌクレオシドを修飾するために使用することができる、多くの他のビシクロ及びトリシクロ糖代替環系も当技術において既知である(例えば、総括文献:Leumann,J.C,Bioorganic & Medicinal Chemistry,2002,10,841−854を参照されたい)。このような環系は、活性を向上するために各種の更なる置換を受けることができる。
【0297】
修飾糖の調製のための方法は、当業者にとって公知である。
【0298】
修飾糖部分を有するヌクレオチドにおいて、核酸塩基部分(天然、修飾、又はこれらの組合せ)は、適当な核酸標的とのハイブリダイゼーションのために維持される。
【0299】
ある態様において、アンチセンス化合物は、修飾糖部分を有する一つ又はそれより多いヌクレオチドを含んでなる。ある態様において、修飾糖部分は、2’−MOEである。ある態様において、2’−MOE修飾ヌクレオチドは、ギャップマーモチーフ中に配置される。ある態様において、修飾糖部分は、cEtである。ある態様において、cEt修飾ヌクレオチドは、ギャップマーモチーフのウイング中に配置される。
【0300】
医薬組成物を処方するための組成及び方法
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、医薬組成物又は製剤の調製のために医薬的に受容可能な活性又は不活性な物質と混合することができる。医薬組成物の処方のための組成及び方法は、制約されるものではないが、投与の経路、疾病の程度、又は投与される投与量を含む多くの基準に依存する。
【0301】
STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物を適した医薬的に受容可能な希釈剤又は担体と混合することによって、医薬組成物に使用することができる。医薬的に受容可能な希釈剤は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含む。PBSは、非経口的に供給される組成物における使用のために適した希釈剤である。従って、一つの態様において、本明細書中に記載される方法において使用されるものは、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物及び医薬的に受容可能な希釈剤を含んでなる医薬組成物である。ある態様において、医薬的に受容可能な希釈剤は、PBSである。ある態様において、アンチセンス化合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0302】
アンチセンス化合物を含んでなる医薬組成物は、ヒトを含む動物への投与において、生物学的に活性な代謝産物又はその残基を与える(直接又は間接的に)ことが可能な、いずれもの医薬的に受容可能な塩、エステル、又はこのようなエステルの塩、或いはいずれもの他のオリゴヌクレオチドを包含する。従って例えば、本開示は、更にアンチセンス化合物の医薬的に受容可能な塩、プロドラッグ、このようなプロドラッグの医薬的に受容可能な塩、及び他の生物学的同等物に達する。適した医薬的に受容可能な塩は、制約されるものではないが、ナトリウム及びカリウム塩を含む。
【0303】
プロドラッグは、アンチセンス化合物の一方又は両方の末端において、身体内で内在性ヌクレアーゼによって開裂されて、活性なアンチセンス化合物を形成する更なるヌクレオシドの組込みを含むことができる。
【0304】
複合化アンチセンス化合物
アンチセンス化合物は、得られたアンチセンスオリゴヌクレオチドの活性、細胞分布、又は細胞取込みを向上する一つ又はそれより多い分子或いは複合体と、共有的に結合することができる。典型的な複合体基は、コレステロール分子及び脂質分子を含む。更なる複合体基は、炭化水素、リン脂質、ビオチン、フェナジン、葉酸、フェナントリジン、アントラキノン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、及び染料を含む。
【0305】
アンチセンス化合物は、更に、例えば、ヌクレアーゼ安定性のような特性を向上するために、アンチセンス化合物の一方又は両方の末端に一般的に接続される、一つ又はそれより多い安定化基を有するように修飾することもできる。安定化基に含まれるものは、キャップ構造である。これらの末端修飾は、末端核酸を有するアンチセンス化合物を、エキソヌクレアーゼ分解から保護し、そして細胞内の供給及び/又は局在化において援助することができる。キャップは、5’−末端(5’−キャップ)、又は3’−末端(3’−キャップ)に存在することができるか、或いは両方の末端に存在することができる。キャップ構造は、当技術において公知であり、そして例えば、逆位デオキシ脱塩基キャップを含む。ヌクレアーゼ安定性を与えるためのアンチセンス化合物の一方又は両方の末端をキャップするために使用することができる更なる3’及び5’−安定化基は、2003年1月16日に公開されたWO03/004602中に開示されているものを含む。
【0306】
細胞培養及びアンチセンス化合物治療
STAT3核酸のレベル、活性又は発現に対するアンチセンス化合物の効果は、各種の細胞型でin vitroで試験することができる。このような分析に使用しされる細胞型は、商業的業者(例えば、American Type Culture Collection,Manassus,VA;Zen−Bio,Inc.,Research Triangle Park,NC;Clonetics Corporation,Walkersville,MD)から入手可能であり、そして業者の説明書により、商業的に入手可能な試薬(例えば、Invitrogen Life Technologies,Carlsbad,CA)を使用して培養される。例示的な細胞型は、制約されるものではないが、HuVEC細胞、b.END細胞、HepG2細胞、Hep3B細胞、及び初代培養肝細胞を含む。
【0307】
アンチセンスオリゴヌクレオチドのin vitroの試験
本明細書中に記載されるものは、アンチセンスヌクレオチドによる細胞の治療のための方法であり、これは、他のアンチセンス化合物による治療のために適当に改変することができる。
【0308】
細胞は、細胞が培養中に概略60−80%密集に達した時点でアンチセンスオリゴヌクレオチドにより治療することができる。
【0309】
培養された細胞中にアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入するために普通に使用される一つの試薬は、カチオン性脂質形質移入試薬LIPOFECTIN(Invitrogen,Carlsbad,CA)を含む。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、LIPOFECTINとOPTI−MEM1(Invitrogen,Carlsbad,CA)中で、アンチセンスオリゴヌクレオチドの所望の最終濃度、及び100nMのアンチセンスオリゴヌクレオチド当たり2から12ug/mLまでの範囲であることができるLIPOFECTINの濃度を達成するために混合することができる。
【0310】
培養された細胞中にアンチセンス化合物を導入するために使用されるもう一つの試薬は、LIPOFECTAMINE(Invitrogen,Carlsbad,CA)を含む。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、LIPOFECTAMINEと、OPTI−MEM1還元血清培地(Invitrogen,Carlsbad,CA)中で、アンチセンス化合物の所望の濃度、及び100nMのアンチセンスオリゴヌクレオチド当たり2から12ug/mLまでの範囲であることができるLIPOFECTAMINE濃度を達成するために混合される。
【0311】
培養された細胞中にアンチセンス化合物を導入するためのもう一つの技術は、電気穿孔法を含む。
【0312】
細胞は、アンチセンスオリゴヌクレオチドでルーチン的方法によって治療される。細胞は、アンチオリゴヌクレオチド治療の16−24時間後に回収することができ、この時点で標的核酸のRNA又はタンパク質レベルが、当技術において既知の、そして本明細書中に記載される方法によって測定される。一般的に、治療が多数の繰返しで行われた場合、データは、繰返し治療の平均として提示される。
【0313】
使用されるアンチセンスヌクレオチドの濃度は、細胞株によって変化する。特定の細胞株のための最適なアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度を決定するための方法は、当技術において公知である。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、典型的には、LIPOFECTAMINEと形質移入される場合、1nMから300nMの範囲の濃度で使用される。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、電気穿孔法を使用して形質移入される場合、625から20,000nMまでの範囲のより高い濃度で使用される。
【0314】
自由取込みアッセイ
ある態様において、癌細胞株中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの形質移入非依存性活性(即ち、自由取込み)は、効力の基準である。自由取込みは、例えば、SK−BR−3細胞、U251−MG細胞、MDA−MB−231細胞、H460細胞、A431細胞、colo205細胞、SNB−19細胞、SK−OV3細胞、H1993肺癌細胞、H358肺癌細胞、PC−9肺癌細胞、KHM−35肺癌細胞、Capan−1膵臓癌細胞、HPAF−11膵臓癌細胞、及びColo201結腸直腸癌細胞のような癌細胞株において測定することができる。
【0315】
自由取込みアッセイにおいて、アンチオリゴヌクレオチドは、形質移入剤又は電気穿孔の援助なしに細胞株に投与される。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、一回又はそれより多い投与で細胞株に投与され、そして標的mRNA又はタンパク質発現の阻害パーセントが測定される。多数回の投与が投与された場合、IC50を測定することができる。ある態様において、一回投与又は多数回投与後の阻害パーセントによって測定されるような高い程度の効力を示すアンチセンスオリゴヌクレオチドが、低い程度の効力を示すアンチセンスオリゴヌクレオチドと比較して好まれる。これらの高い程度のin vitroの効力を示すアンチセンスオリゴヌクレオチドは、in vivoの効力を示すより大きい可能性がある。
【0316】
RNAの単離
RNAの分析は、全細胞RNA又はポリ(A)+mRNAに対して行うことができる。RNA単離の方法は、当技術において公知である。RNAは、当技術において公知の方法を使用して、例えばTRIZOL試薬(Invitrogen,Carlsbad,CA)を使用して製造業者の推奨するプロトコルによって調製される。
【0317】
標的レベル又は発現の阻害の分析
STAT3核酸のレベル又は発現の阻害は、当技術において既知の各種の方法で分析することができる。例えば、標的核酸レベルは、例えば、ノーザンブロット分析、競合的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、又は定量的リアルタイムPCRによって定量化することができる。RNA分析は、全細胞RNA又はポリ(A)+mRNAに対して行うことができる。RNA単離の方法は、当技術において公知である。ノーザンブロット分析も、更に当技術においてルーチン的である。定量的リアルタイムPCRは、PE−Applied Biosystems,Foster City,CAから入手可能な、商業的に入手可能なABI PRISM 7600、7700、又は7900配列検出装置を使用し、そして製造業者の説明書によって使用して都合よく達成することができる。
【0318】
標的RNAレベルの定量的リアルタイムPCR分析
標的RNAレベルの定量化は、ABI PRISM 7600、7700、又は7900配列検出装置(PE−Applied Biosystems,Foster City,CA)を、製造業者の説明書によって使用する定量的リアルタイムPCRによって達成することができる。定量的リアルタイムPCRの方法は、当技術において公知である。
【0319】
リアルタイムPCRに先立って、単離されたRNAは、逆トランスクリプターゼ(RT)反応にかけられ、これは、相補的DNA(cDNA)を産生し、これは、次いでリアルタイムPCR適用のための基質として使用される。RT及びリアルタイムPCR反応は、同じ試料ウェル中で連続して行われる。RT及びリアルタイムPCR試薬は、Invitrogen(Carlsbad,CA)から得ることができる。RTリアルタイムPCR反応は、当業者にとって公知の方法によって行われる。
【0320】
リアルタイムPCRによって得られる遺伝子(又はRNA)標的の量は、シクロフィリンAのようなその発現が一定である遺伝子の発現レベル、又はRIBOGREEN(Invitrogen,Inc.Carlsbad,CA)を使用する全RNAを定量化することよるかのいずれかを使用して正規化される。シクロフィリンAの発現は、標的と同時に、多重で、又は別個に行うことによってリアルタイムPCRによって定量化される。全RNAは、RIBOGREEN RNA定量化試薬(Invetrogen,Inc.Eugene,OR)を使用して定量化される。RIBOGREENによるRNA定量化の方法は、Jones,L.J.,et al,(Analytical Biochemistry,1998,265,368−374)によって教示されている。CYTOFLUOR4000装置(PE Applied Biosystems)が、RIBOGREENの蛍光を測定するために使用される。
【0321】
プローブ及びプライマーは、STAT3核酸とハイブリダイズするように設計される。リアルタイムPCRプローブ及びプライマーを設計する方法は、当技術において公知であり、そしてPRIMER EXPRESSソフトウェア(Applied Biosystems,Foster City,CA)のようなソフトウェアの使用を含むことができる。
【0322】
タンパク質レベルの分析
STAT3核酸のアンチセンス阻害は、STAT3タンパク質レベルを測定することによって評価することができる。STAT3のタンパク質レベルは、免疫沈降法、ウェスタンブロット分析(免疫ブロッティング)、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、定量的タンパク質アッセイ、タンパク質活性アッセイ(例えば、カスパーゼ活性アッセイ)、免疫組織化学、免疫細胞化学又は蛍光標示式細胞分取(FACS)のような当技術において公知の各種の方法で評価又は定量化することができる。標的を指向する抗体は、確認され、そして抗体のMSRSカタログ(Aerie Corporation,Birmingham,MI)のような各種の供給源から得ることができるか、又は当技術において公知の慣用的なモノクローナル又はポリクローナル抗体発生法により調製することができる。マウス、ラット、サル、及びヒトSTAT3の検出のために有用な抗体は、商業的に入手可能である。
【0323】
アンチセンス化合物のin vivoの試験
アンチセンス化合物、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドは、STAT3の発現を阻害し、そして細胞増殖の減少、癌に伴う徴候の改善、カヘキシアの減少、及び癌マーカーの減少のような表現型の変化を産生するその能力を評価するために動物において試験される。試験は、正常な動物で、又は実験的な疾病モデルで行うことができる。動物への投与のために、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、リン酸緩衝生理食塩水のような医薬的に受容可能な希釈剤中に処方される。投与は、腹腔内、静脈内、皮下、くも膜下腔内、及び脳室内のような、非経口の投与の経路を含む。アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与量の計算及び投与頻度は、当業者の能力の範囲内であり、そして投与の経路及び動物の体重のような因子に依存する。アンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療の期間後、RNAを肝臓組織から単離し、そしてSTAT3核酸発現の変化を測定する。STAT3タンパク質レベルの変化も更に測定する。
【0324】
ある態様において、異種移植腫瘍モデルが、腫瘍の増殖及び転移に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果を測定するために使用される。本明細書中に記載される異種移植腫瘍モデルにおいて、癌性細胞株からの細胞を動物に接種する。このような細胞株は、例えば、ヒト乳癌細胞、MDA−MB−231、A431ヒト類表皮癌、U251ヒト神経膠腫腫瘍細胞、及びヒトNCI−H460非小細胞肺癌細胞を含むことができる。本明細書中に記載され、そして本明細書中に記載される異種移植モデルにおいて使用されるある種の化合物は、ヒトSTAT3、マウスSTAT3、ラットSTAT3、及び/又はサルSTAT3を標的とすることができる。本明細書中に記載され、そして本明細書中に記載される異種移植モデルにおいて使用されるある種の化合物は、一つ又はそれより多い種のSTAT3と交差反応することができる。ある態様において、本明細書中に記載され、そして本明細書中に記載される異種移植モデルにおいて使用される化合物は、内在性STAT3が減少されない(交差反応性の欠如により)データが示唆するより強力な腫瘍増殖及び腫瘍体積の阻害剤であることができる。
【0325】
ある種の表示
ある態様において、提供されるものは、本明細書中に提供される一つ又はそれより多い医薬組成物を投与することを含んでなる、個体を治療する方法、化合物、及び組成物である。ある態様において、個体は、過剰増殖性疾病を有する。ある態様において、過剰増殖性疾病は、癌、例えば、細胞腫、肉腫、リンパ腫、及び白血病、並びに付随する悪性腫瘍及び転移である。ある態様において、癌の種類は、非小細胞肺癌(NSCLC)を含む肺癌、膵臓癌、結腸直腸癌、多発性骨髄腫、肝細胞細胞腫(HCC)、神経膠芽腫、卵巣癌、骨肉腫、頭頸部癌、乳癌、類表皮癌、腸管腺腫、前立腺癌、及び胃癌である。ある態様において、個体は、癌、例えば、細胞腫、肉腫、リンパ腫、及び白血病、並びに付随する悪性腫瘍及び転移を含む過剰増殖性疾病の危険性がある。これは、老化;タバコの使用;日光及びイオン化照射に対する暴露;ある種の化学薬品との接触;ある種のウイルス及び細菌による感染;ある種のホルモン療法;遺伝子的素因;アルコールの使用;並びに不良な食事制限、身体活動性の欠如、及び/又は過体重を含むある種の生活習慣の選択を含む過剰増殖性疾病を発症する一つ又はそれより多い危険因子を有する個体を含む。ある態様において、個体は、過剰増殖性疾病に対する治療が必要であると確認されている。ある態様において、個体におけるSTAT3発現を予防的に減少することに対する方法が提供される。ある態様は、治療的に有効な量のSTAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物を個体に投与することにより、それを必要とする個体を治療することを含む。
【0326】
ある態様において、本明細書中に記載される方法、化合物、及び組成物による治療は、腫瘍の骨と骨の境界におけるSTAT3のようなある種の遺伝子の上方制御に伴う癌の転移を予防するために有用である。ある態様において、本明細書中に記載される方法、化合物、及び組成物による治療は、癌を骨への転移から予防するために有用である。ある態様において、本明細書中に記載される方法、化合物、及び組成物による治療は、腎細胞腫、乳癌、非小細胞肺癌、及び前立腺癌の骨への転移から予防するために有用である。
【0327】
一つの態様において、治療的に有効な量のSTAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物の投与は、アンチセンス化合物の投与に対する個体の反応を決定するために、個体の血清中のSTAT3レベルをモニターすることを伴う。アンチセンス化合物の投与に対する個体の反応は、治療的介入の量及び期間を決定するために医師によって使用される。
【0328】
ある態様において、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物の投与は、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は99%、或いはこれらの値のいずれか二つによって定義される範囲のSTAT3発現の減少をもたらす。ある態様において、STAT3核酸を標的とするアンチセンス化合物の投与は、細胞増殖の減少、腫瘍成長の減少、腫瘍体積の減少、癌に伴う徴候の改善、及び癌マーカーの減少をもたらす。ある態様において、STAT3アンチセンス化合物の投与は、細胞増殖、腫瘍成長、及び腫瘍体積を、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は99%、或いはこれらの値のいずれか二つによって定義される範囲減少する。
【0329】
ある態様において、STAT3を標的とするアンチセンス化合物を含んでなる医薬組成物は、過剰増殖性疾患に罹った、又は感受性である患者を治療するための医薬の調製のために使用される。
【0330】
ある種の組合せ療法
ある態様において、本明細書中に提供される一つ又はそれより多い医薬組成物は、一つ又はそれより多い他の医薬剤と同時投与される。ある態様において、このような一つ又はそれより多い他の医薬剤は、本明細書中に提供される一つ又はそれより多い医薬組成物と同一の疾病、疾患、又は症状を治療するために設計される。ある態様において、このような一つ又はそれより多い他の医薬剤は、本明細書中に提供される一つ又はそれより多い医薬組成物とは異なった疾病、疾患、又は症状を治療するために設計される。ある態様において、このような一つ又はそれより多い他の医薬剤は、本明細書中に提供される一つ又はそれより多い医薬組成物の好ましくない副作用を治療するために設計される。ある態様において、本明細書中に提供される一つ又はそれより多い医薬組成物は、他の医薬剤の好ましくない効果を治療するためにもう一つの医薬剤と共に同時投与される。ある態様において、本明細書中に提供される一つ又はそれより多い医薬組成物は、組合せ効果を産生するためにもう一つの医薬剤と共に同時投与される。ある態様において、本明細書中に提供される一つ又はそれより多い医薬組成物は、相乗効果を産生するためにもう一つの医薬剤と共に同時投与される。
【0331】
ある態様において、本明細書中に提供される一つ又はそれより多い医薬組成物及び一つ又はそれより多い他の医薬剤は、同時に投与される。ある態様において、本明細書中に提供される一つ又はそれより多い医薬組成物及び一つ又はそれより多い他の医薬剤は、異なった時間に投与される。ある態様において、本明細書中に提供される一つ又はそれより多い医薬組成物及び一つ又はそれより多い他の医薬剤は、一つの製剤中に一緒に調製される。ある態様において、本明細書中に提供される一つ又はそれより多い医薬組成物及び一つ又はそれより多い他の医薬剤は、別個に調製される。ある態様において、一つ又はそれより多い他の医薬剤は、オールトランスレチノイン酸、アザシチジン、アザチオプリン、ブレオマイシン、カルボプラチン、カペシタビン、シスプラチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、シタラビン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エトポシド、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イマチニブ、メクロレタミン、メルカプトプリン、メトトレキセート、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセード、テニポシド、チオグアニン、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、又はビノレルビンを含む。ある態様において、一つ又はそれより多い他の医薬剤は、もう一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。ある態様において、もう一つのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0332】
ある態様において、一つ又はそれより多い他の医薬剤は、分子標的療法を含む。ある態様において、分子標的療法は、EGFR阻害剤、mTOR阻害剤、HER2阻害剤、又はVEGF/VEGFR阻害剤である。ある態様において、EGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ(panitumumbo)を含む。ある態様において、mTOR阻害剤は、エベロリムス及びテムシロリムスを含む。ある態様において、HER2阻害剤は、トラスツズマブ及びラパチニブを含む。ある態様において、VEGF/VEGFR阻害剤は、パゾパニブ、ベバシズマブ、スニチニブ、及びソラフェニブを含む。
【0333】
ある態様において、本明細書中に提供されるもう一つの医薬組成物は、放射線療法と共に投与される。ある態様において、一つ又はそれより多い医薬組成物は、放射線療法と同時に投与される。ある態様において、一つ又はそれより多い医薬組成物は、放射線療法の前に投与される。ある態様において、一つ又はそれより多い医薬組成物は、放射線療法の後に投与される。ある態様において、一つ又はそれより多い医薬組成物は、放射線療法の投与計画を通して各種の時点で投与される。
【0334】
ある態様において、放射線療法は、腫瘍の成長を阻害するために有用である。ある態様において、放射線療法は、全体的生存期間を増加するために有用である。ある態様において、本明細書中に提供される一つ又はそれより多い医薬に投与と組合せて使用される放射線療法は、放射線療法及び一つ又はそれより多い医薬の投与の両方が、有効な抗増殖性反応を、制約された毒性を伴って達成することを制約され得るために、いずれかの療法を単独で使用するより有益である。
【0335】
ある態様において、医師は、放射線療法及び本明細書中に提供されるもう一つの医薬組成物の投与の両方を含む治療の投与計画を設計する。ある態様において、医師は、放射線療法、本明細書中に提供される一つ又はそれより多い医薬組成物の投与、及び一つ又はそれより多い他の化学療法剤の投与を含む治療の投与計画を設計する。
【0336】
許容性
ある態様において、本明細書中に提供される化合物は、最小の副作用を示す。副作用は、動物の炎症性反応のような、典型的にはSTAT3を標的とすることに無関係なアンチセンス化合物の投与に対する反応を含む。ある態様において、化合物は、動物によって十分に許容される。増加した許容性は、制約されるものではないが、アンチセンス化合物のヌクレオチド配列、ヌクレオチドに対する化学的修飾、アンチセンス化合物中の非修飾の又は修飾されたヌクレオチドの特定のモチーフ、又はこれらの組合せを含む多くの因子に依存する。許容性は、多くの因子によって決定することができる。このような因子は、体重、器官重量、肝機能、腎機能、血小板数、白血球数を含む。
【0337】
ある態様において、本明細書中に提供される化合物は、器官重量に対して最小の影響を示す。ある態様において、化合物は、7倍、6倍、5倍、4倍、3倍、2倍より小さい脾臓及び/又は肝臓の重量の増加を示すか、又は有意な増加を示さない。
【0338】
ある態様において、本明細書中に提供される化合物は、肝機能に対して最小の影響を示す。肝機能の評価のための因子は、ALTレベル、ASTレベル、血漿ビリルビンレベル及び血漿アルブミンレベルを含む。ある態様において、本明細書中に提供される化合物は、7倍より小さい、6倍より小さい、5倍より小さい、4倍より小さい、3倍より小さい、若しくは2倍より小さいALT又はASTの増加を示すか、或いは有意な増加を示さない。ある態様において、本明細書中に提供される化合物は、3倍より小さい、2倍より小さい血漿ビリルビンレベルの増加を示すか、又は有意な増加を示さない。
【0339】
ある態様において、本明細書中に提供される化合物は、腎機能に対して最小の影響を示す。ある態様において、本明細書中に提供される化合物は、3倍より小さい、2倍より小さい血液の尿素窒素(BUN)の血漿濃度の増加を示すか、又は有意な増加を示さない。ある態様において、本明細書中に提供される化合物は、6倍、5倍、4倍、3倍、2倍より小さい尿タンパク質のクレアチニンに対する比の増加を示すか、又は有意な増加を示さない。
【0340】
ある態様において、本明細書中に提供される化合物は、血液学的因子対して最小の影響を示す。ある態様において、本明細書中に提供される化合物は、60%、50%、40%、30%、20%、10%又は5%より少ない血小板数の減少を示す。ある態様において、本明細書中に提供される化合物は、腎機能に対して最小の影響を示す。ある態様において、本明細書中に提供される化合物は、4倍より小さい、3倍より小さい、2倍より小さい単球数の増加を示すか、又は有意な増加を示さない。
【0341】
ある態様において、化合物は、更に、好ましい薬物動態を示す。ある態様において、アンチセンス化合物は、関連する生物学的流体又は組織中の比較的高い半減期を示す。
【0342】
ある態様において、化合物又は組成物は、更に、好ましい粘度を示す。ある態様において、化合物又は組成物の粘度は、165−185mg/mLの濃度において40cPより大きくない。
【0343】
他の態様において、化合物は、上記の特徴の組合せを示し、そして動物モデル中のSTAT3のmRNA発現を高い効率で減少する。
【実施例】
【0344】
非制約的開示及び参考文献の組込み
本明細書中に記載されるある種の化合物、組成物及び方法は、ある種の態様によって具体的に記載されてきたが、以下の実施例は、本明細書中に記載される化合物を例示するためのみに役立ち、そしてそれを制約する意図はない。本出願中に引用される参考文献のそれぞれは、その全てが参考文献として援用される。
【0345】
実施例1:HuVEC細胞中のヒトSTAT3のアンチセンス阻害
アンチセンスオリゴヌクレオチドを、ヒトSTAT3核酸を標的として設計し、そしてin vitroのヒトSTAT3のmRNAの発現に対するその効果に対して試験した。表1及び2に提示したキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドを、2−10−2cEtギャップマー又は3−10−3cEtギャップマーのいずれかとして設計した。2−10−2cEtギャップマーは、14個のヌクレオチドの長さであり、ここで、中央のギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオシドを含んでなり、そしてそれぞれ二つのヌクレオシドを含んでなるウイングによって両側において(5’及び3’方向で)隣接されていた。3−10−3cEtギャップマーは、16個のヌクレオチドの長さであり、ここで、中央のギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオシドを含んでなり、そしてそれぞれ三つのヌクレオシドを含んでなるウイングによって両側において(5’及び3’方向で)隣接されていた。5’ウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシド及び3’ウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、cEt糖修飾を有する。それぞれのギャップマー中のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。それぞれのギャップマー中の全てのシトシン残基は、5’−メチルシトシンである。
【0346】
cEtギャップマーの効力は、ISIS 337332、ISIS 337333、及びISIS 345785と比較され、これらは、ヒトSTAT3を標的とする5−10−5MOEギャップマーであり、そして更に本明細書中に参考文献として援用される米国特許第7,307,069号中に記載されている。
【0347】
ウェル当たり20,000個の細胞密度の培養されたHuVEC細胞を、電気穿孔を使用して1,000nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドと共に形質移入した。概略24時間の治療期間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを、定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトのプライマープローブセットRTS199(順方向配列ACATGCCACTTTGGTGTTTCATAA、本明細書中で配列番号:6と命名;逆方向配列TCTTCGTAGATTGTGCTGATAGAGAAC、本明細書中で配列番号:7と命名;プローブ配列CAGTATAGCCGCTTCCTGCAAGAGTCGAA、本明細書中で配列番号:8と命名)を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されるような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして提示される。全てのcEtギャップマー及びMOEギャップマーは、同じ条件下で試験された。
【0348】
“ヒト標的開始部位”は、ヒト遺伝子配列中でギャップマーが標的とする5’に最も近いヌクレオシドを示す。“ヒト標的停止部位”は、ヒト遺伝子配列においてギャップマーが標的とする3’に最も近いヌクレオシドを示す。表1に記載したそれぞれのギャップマーは、本明細書中で配列番号:1(GENBANK寄託番号NM_139276.2)と命名したヒトSTAT3のmRNAを標的とする。表2中に記載したそれぞれのギャップマーは、本明細書中で配列番号:2(ヌクレオチド4185000ないし4264000から切断されたGENBANK寄託番号NT_010755.14の相補物)と命名したヒトSTAT3ゲノム配列を標的とする。
【0349】
【表1-1】
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【0350】
【表1-2】
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【0351】
【表1-3】
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【0352】
【表1-4】
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【0353】
【表1-5】
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【0354】
【表1-6】
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【0355】
【表1-7】
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【0356】
【表1-8】
[この文献は図面を表示できません]
【0357】
【表1-9】
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【0358】
【表1-10】
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【0359】
【表2-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0360】
【表2-2】
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【0361】
【表2-3】
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【0362】
【表2-4】
[この文献は図面を表示できません]
【0363】
【表2-5】
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【0364】
【表2-6】
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【0365】
【表2-7】
[この文献は図面を表示できません]
【0366】
【表2-8】
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【0367】
【表2-9】
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【0368】
【表2-10】
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【0369】
【表2-11】
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【0370】
実施例2:b.END細胞中のマウスSTAT3のアンチセンス阻害
実施例1に記載した研究において試験されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを、更にb.END細胞中のSTAT3のmRNAに対するその効果に対して試験した。ウェル当たり20,000個の細胞密度の培養されたb.END細胞を、電気穿孔を使用して、7,000nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドと共に形質移入した。概略24時間の治療期間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを、定量的リアルタイムPCRによって測定した。マウスのプライマープローブセットRTS2381(順方向配列GCCACGTTGGTGTTTCATAATCT、本明細書中で配列番号:465と命名;逆方向配列GATAGAGGACATTGGACTCTTGCA、本明細書中で配列番号:466と命名;プローブ配列TTGGGTGAAATTGACCAGCAATATAGCCG、本明細書中で配列番号:467と命名)を、RNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルは、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されるような全RNA含有量によって調節した。
【0371】
STAT3マウス遺伝子配列と相補的なある種の配列は、b.END細胞において良好な阻害を示した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして表3に提示される。表3中のヒトオリゴヌクレオチドを、本明細書中で配列番号:3(ヌクレオチド12286001ないし12344000から切断されたGENBANK寄託番号NT_165773.2の相補物)と命名したマウスSTAT3ゲノム配列と比較した。“マウス標的開始部位”は、マウス遺伝子配列中でギャップマーが標的とする5’に最も近いヌクレオシドを示す。“マウス標的停止部位”は、マウス遺伝子配列においてギャップマーが標的とする3’に最も近いヌクレオシドを示す。
【0372】
【表3-1】
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【0373】
【表3-2】
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【0374】
実施例3:BALB/cマウスにおけるSTAT3を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの許容性
実施例1において評価された452種の化合物中から選択された高いレベルの効力を示す40種のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、in vivoの許容性に対して更に試験した。
【0375】
2−4匹のオスのBALB/cマウスの群に、25mg/kgのISISアンチセンスオリゴヌクレオチドを週2回、3週間皮下注射した。4匹のオスのBALB/cマウスの一つの群に、PBSを週2回、3週間皮下注射した。この群のマウスを、比較される治療群に対する対照群として使用した。最後の投与の1日後、体重を取り、マウスを安楽死させ、そして器官及び血漿を、更なる分析のために回収した。
【0376】
マウスの体重を、投与前及び治療期間の終りに測定した。初期の体重と比較した増加のパーセントを計算した。肝臓、脾臓、及び腎臓の重量を研究の終りに測定し、そしてPBS治療のマウスと比較した。
【0377】
代謝機能に対するISISオリゴヌクレオチドの影響を評価するために、トランスアミラーゼ及びBUNの血漿濃度を、自動化臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。ALT(アラニントランスアミナーゼ)、AST(アスパルテートトランスアミナーゼ)、及びBUNの濃度を測定した。
【0378】
試験された40種のアンチセンスオリゴヌクレオの中で、ISIS481374、ISIS481390、ISIS481420、ISIS481431、ISIS481453、ISIS481464、ISIS481475、ISIS481495、ISIS481500、ISIS481501、ISIS481525、ISIS481548、ISIS481549、ISIS481597、ISIS481695、ISIS481700、ISIS481702、ISIS481710、ISIS481725、ISIS481750、及びISIS481763を含むある種のアンチセンスヌクレオチドが、体重、器官重量、ALT、AST、及びBUNのパラメーターの許容閾値に適合した。
【0379】
実施例4:HuVEC細胞中のヒトSTAT3の容量依存性アンチセンス阻害
STAT3の有意なin vitro阻害を示す実施例1及び2からのギャップマーを、HuVEC細胞中で各種の投与量で試験した。細胞を、ウェル当たり20,000個の細胞の密度でプレートに入れ、そして電気穿孔を使用して、表4に規定したように、31.25nM、62.5nM、125nM、250nM、500nM、及び1,0000nMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドで形質移入した。概略16時の治療時間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRで測定した。ヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199(順方向配列ACATGCCACTTTGGTGTTTCATAA、本明細書中で配列番号:6と命名;逆方向配列TCTTCGTAGATTGTGCTGATAGAGAAC、本明細書中で配列番号:7と命名;プローブ配列CAGTATAGCCGCTTCCTGCAAGAGTCGAA、本明細書中で配列番号:8と命名)を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されるような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0380】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)を、更に表4に提示し、そして使用されたオリゴヌクレオチドの濃度に対する、それぞれの濃度で達成されたSTAT3のmRNA発現の阻害のパーセントをプロットし、そして対照と比較して、STAT3のmRNA発現の50%の阻害が達成されるオリゴヌクレオチドの濃度を記録することによって計算した。表4に例示するように、STAT3のmRNAのレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチドで治療した細胞において、用量依存的様式で有意に減少した。
【0381】
【表4】
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【0382】
実施例5:SK−BR−3細胞中のアンチセンスヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
実施例4からのギャップマーを、SK−BR−3細胞中で各種の投与量で試験した。細胞を、ウェル当たり4,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、表5に規定したように、0.02μM、0.1μM、0.5μM、1μM、2.5μM、及び10μMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRで測定した。本明細書中で先に記載したヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されるような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0383】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)を、更に表5に示す。表5に例示するように、殆どのISISオリゴヌクレオチドは、細胞膜を透過することが可能であり、そしてSTAT3のmRNAのレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチドで治療した細胞において、用量依存的様式で有意に減少した。
【0384】
【表5】
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【0385】
実施例6:U251−MG細胞中のアンチセンスヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
実施例5からのギャップマーを、U251−MG細胞中で各種の投与量で試験した。細胞を、ウェル当たり4,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、表6に規定したように、0.02μM、0.1μM、0.5μM、1μM、2.5μM、及び10μMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRで測定した。本明細書中で先に記載したヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されるような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0386】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)を、更に表6に示す。表6に例示するように、殆どのISISオリゴヌクレオチドは、細胞膜を透過することが可能であり、そしてSTAT3のmRNAのレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチドで治療した細胞において、用量依存的様式で有意に減少した。
【0387】
【表6】
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【0388】
実施例7:U251−MG細胞中のアンチセンスヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
先に記載した研究からのISIS481464及びISIS481549を、異なった投与量でU251−MG細胞中で更に試験した。細胞を、ウェル当たり4,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、表7に規定したように、0.1μM、1μM、5μM、10μM、及び20μMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRで測定した。本明細書中で先に記載したヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されるような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0389】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)を、更に表7に示す。表7に例示するように、両方のISISオリゴヌクレオチドは、細胞膜を透過することが可能であった。
【0390】
【表7】
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【0391】
実施例8:MDA−MB−231細胞中のアンチセンスヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
ISIS481464及びISIS481549を、異なった投与量でMDA−MB−231細胞中で更に試験した。細胞を、ウェル当たり4,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、表8に規定したように、0.02μM、0.2μM、1.0μM、5.0μM、及び10.0μMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRで測定した。本明細書中で先に記載したヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されるような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0392】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)を、更に表8に示す。表8に例示するように、両方のISISオリゴヌクレオチドは、細胞膜を透過することが可能であり、そしてSTAT3のmRNAのレベルを、用量依存的様式で有意に減少した。
【0393】
【表8】
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【0394】
実施例9:A431細胞中のアンチセンスヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
ISIS481464及びISIS481549を、異なった投与量でA431細胞中で更に試験した。細胞を、ウェル当たり4,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、表9に規定したように、0.02μM、0.2μM、1.0μM、5.0μM、及び10.0μMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRで測定した。本明細書中で先に記載したヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されるような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0395】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)を、更に表9に示す。表9に例示するように、両方のISISオリゴヌクレオチドは、細胞膜を透過することが可能であり、そしてSTAT3のmRNAのレベルを、用量依存的様式で有意に減少した。
【0396】
【表9】
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【0397】
実施例10:H460細胞中のアンチセンスヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
ISIS481464及びISIS481549を、異なった投与量でH460細胞中で更に試験した。細胞を、ウェル当たり4,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、表10に規定したように、0.02μM、0.2μM、1.0μM、5.0μM、及び10.0μMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRで測定した。本明細書中で先に記載したヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されるような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0398】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)を、更に表10に示す。表10に例示するように、両方のISISオリゴヌクレオチドは、細胞膜を透過することが可能であり、そしてSTAT3のmRNAのレベルを、用量依存的様式で有意に減少した。
【0399】
【表10】
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【0400】
実施例11:HuVEC細胞中のヒトSTAT3のアンチセンス阻害
アンチセンスオリゴヌクレオチドを、ヒトSTAT3核酸を標的として設計し、そしてin vitroのヒトSTAT3のmRNAの発現に対するその効果に対して試験した。ウェル当たり20,000個の細胞の密度の培養されたHuVEC細胞を、電気穿孔を使用して1,000nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドと共に形質移入した。概略24時間の治療期間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを、定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトのプライマープローブセットRTS199(順方向配列ACATGCCACTTTGGTGTTTCATAA、本明細書中で配列番号:6と命名;逆方向配列TCTTCGTAGATTGTGCTGATAGAGAAC、本明細書中で配列番号:7と命名;プローブ配列CAGTATAGCCGCTTCCTGCAAGAGTCGAA、本明細書中で配列番号:8と命名)を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されるような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして提示される。
【0401】
表11中のキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドを、3−10−3MOE、デオキシ、及びcEtギャップマーとして設計した。ギャップマーは、16個のヌクレオチドの長さであり、ここで、中央のギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオシドを含んでなり、そしてそれぞれ三つのヌクレオシドを含んでなるウイングによって両側において(5’及び3’方向で)隣接されている。5’ウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、2’−MOE糖修飾を有する。3’ウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、cEt糖修飾を有する。それぞれのギャップマー中のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。それぞれのギャップマー中の全てのシトシン残基は、5’−メチルシトシンである。表11の化学式の欄は、それぞれのギャップマーの糖モチーフを提示し、ここで、‘e’は、2’−MOEヌクレオシドを示し、‘k’は、拘束エチル(cEt)ヌクレオシドを示し、そして‘d’は、2’−デオキシヌクレオシドを示す。
【0402】
“ヒト標的開始部位”は、ヒト遺伝子配列中でギャップマーが標的とする5’に最も近いヌクレオシドを示す。“ヒト標的停止部位”は、ヒト遺伝子配列においてギャップマーが標的とする3’に最も近いヌクレオシドを示す。表11に記載したそれぞれのギャップマーは、本明細書中で配列番号:1(GENBANK寄託番号NM_139276.2)と命名したヒトSTAT3のmRNAを標的とする。
【0403】
【表11-1】
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【0404】
【表11-2】
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【0405】
【表11-3】
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【0406】
【表11-4】
[この文献は図面を表示できません]
【0407】
【表11-5】
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【0408】
【表11-6】
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【0409】
【表11-7】
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【0410】
【表11-8】
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【0411】
【表11-9】
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【0412】
【表11-10】
[この文献は図面を表示できません]
【0413】
【表11-11】
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【0414】
【表11-12】
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【0415】
【表11-13】
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【0416】
【表11-14】
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【0417】
【表11-15】
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【0418】
【表11-16】
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【0419】
実施例12:HuVEC細胞中のヒトSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
STAT3の有意なin vitro阻害を示す、上記実施例11に記載された研究からのギャップマーを、HuVEC細胞中で、各種の投与量で試験した。細胞を、ウェル当たり20,000個の細胞の密度でプレートに入れ、そして電気穿孔を使用して、表12に示すような23.4375nM、93.75nM、375.0nM、及び1,500.0nMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共に形質移入した。概略16時間の治療期間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRで測定した。本明細書中で先に記載したヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されるような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0420】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)を、更に表12に提示し、そして使用されたオリゴヌクレオチドの濃度に対するそれぞれの濃度で達成されたSTAT3のmRNA発現の阻害のパーセントをプロットし、そして対照と比較して、STAT3のmRNA発現の50%の阻害が達成されるオリゴヌクレオチドの濃度を記録することによって計算した。表12に例示するように、STAT3のmRNAのレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチドで治療した細胞において、用量依存的様式で有意に減少した。
【0421】
【表12-1】
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【0422】
【表12-2】
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【0423】
実施例13:HuVEC細胞中のヒトSTAT3のアンチセンス阻害
アンチセンスオリゴヌクレオチドを、ヒトSTAT3核酸を標的として設計し、そしてin vitroのヒトSTAT3のmRNA発現に対するその効果を試験した。表13及び14のキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドは、各種の化学的修飾を有する16又は17個のヌクレオチドの長さのギャップマーである。それぞれのギャップマーは、9又は10個の2’−デオキシヌクレオシドからなる中央のギャップセグメントを含んでなり、そしてそれぞれ1、2、3、4、又は5個のヌクレオチドを含んでなるウイングによって両側において(5’及び3’方向で)隣接されている。ウイング中のそれぞれのヌクレオチドは、2’−MOE糖修飾又はcEt糖修飾を含んでなる。ギャップマーのモチーフは、3−10−3、4−9−3、2−10−4、1−10−5、及び3−10−4を含む。表13及び14の化学式の欄は、それぞれのギャップマーの糖モチーフを提供し、ここで、‘e’は、2’−MOEヌクレオシドを示し、‘k’は、拘束エチル(cEt)ヌクレオシドを示し、そして‘d’は、2’−デオキシヌクレオシドを示す。それぞれのギャップマー中のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。それぞれのギャップマー中の全てのシトシン残基は、5’−メチルシトシンである。
【0424】
キメラアンチセンスオリゴヌクレオチドの効力は、ISIS481464、ISIS 518344、及びISIS 518349と比較された(本明細書中で先に記載された)。
【0425】
ウェル当たり20,000個の細胞の密度の培養されたHuVEC細胞を、電気穿孔を使用して、1,000nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドと共に形質移入した。概略24時間の治療期間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを、定量的リアルタイムPCRによって測定した。本明細書中で先に記載したヒトプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されるような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0426】
“ヒト標的開始部位”は、ヒト遺伝子配列中でギャップマーが標的とする5’に最も近いヌクレオシドを示す。“ヒト標的停止部位”は、ヒト遺伝子配列においてギャップマーが標的とする3’に最も近いヌクレオシドを示す。表13に記載したそれぞれのギャップマーは、本明細書中で配列番号:1(GENBANK寄託番号NM_139276.2)と命名したヒトSTAT3のmRNAを標的とする。表14中に記載したそれぞれのギャップマーは、本明細書中で配列番号:2(ヌクレオチド4185000ないし4264000から切断されたGENBANK寄託番号NT_010755.14の相補物)と命名したヒトSTAT3ゲノム配列を標的とする。
【0427】
【表13-1】
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【0428】
【表13-2】
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【0429】
【表13-3】
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【0430】
【表13-4】
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【0431】
【表13-5】
[この文献は図面を表示できません]
【0432】
【表13-6】
[この文献は図面を表示できません]
【0433】
【表13-7】
[この文献は図面を表示できません]
【0434】
【表13-8】
[この文献は図面を表示できません]
【0435】
【表13-9】
[この文献は図面を表示できません]
【0436】
【表13-10】
[この文献は図面を表示できません]
【0437】
【表13-11】
[この文献は図面を表示できません]
【0438】
【表13-12】
[この文献は図面を表示できません]
【0439】
【表13-13】
[この文献は図面を表示できません]
【0440】
【表13-14】
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【0441】
【表14-1】
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【0442】
【表14-2】
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【0443】
【表14-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0444】
【表14-4】
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【0445】
【表14-5】
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【0446】
【表14-6】
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【0447】
【表14-7】
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【0448】
【表14-8】
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【0449】
【表14-9】
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【0450】
【表14-10】
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【0451】
【表14-11】
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【0452】
【表14-12】
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【0453】
【表14-13】
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【0454】
【表14-14】
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【0455】
【表14-15】
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【0456】
【表14-16】
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【0457】
【表14-17】
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【0458】
【表14-18】
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【0459】
【表14-19】
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【0460】
【表14-20】
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【0461】
【表14-21】
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【0462】
実施例14:HuVEC細胞中のヒトSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
STAT3の有意なin vitroの阻害を示す実施例13に記載された研究からのギャップマーを、HuVEC細胞中で、各種の投与量で試験した。細胞を、ウェル当たり20,000個の細胞の密度でプレートに入れ、そして電気穿孔を使用して、表15に示すような39.1nM、156.3nM、625.0nM、及び2,500.0nMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共に形質移入した。概略16時間の治療期間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRで測定した。本明細書中で先に記載したヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されるような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0463】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)を、更に表15に示す。表15に例示するように、STAT3のmRNAのレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチドで治療した細胞において、用量依存的様式で有意に減少した。
【0464】
【表15-1】
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【0465】
【表15-2】
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【0466】
【表15-3】
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【0467】
実施例15:HuVEC細胞中のヒトSTAT3のアンチセンス阻害
更なるアンチセンスオリゴヌクレオチドを、STAT3核酸を標的として設計し、そしてin vitroのSTAT3のmRNAに対するその効果を試験した。ウェル当たり20,000個の細胞密度の培養されたHuVEC細胞を、電気穿孔を使用して、1,000nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドと共に形質移入した。概略24時間の治療期間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを、定量的リアルタイムPCRによって測定した。本明細書中で先に記載したヒトプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されるような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0468】
表16中のキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドは、3−10−3デオキシ、MOE及びcEtギャップマー又は3−10−4デオキシ、MOE及びcEtギャップマーである。3−10−3ギャップマーは、16個のヌクレオシドの長さであり、ここで、中央のギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオシドを含んでなり、そしてそれぞれ三つのヌクレオシドを含んでなるウイングによって両側において(5’及び3’方向で)隣接されている。3−10−4ギャップマーは、17個のヌクレオシドの長さであり、ここで、中央のギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオチドを含んでなり、そして5’方向において3個のヌクレオシドを含んでなるウイングによって、そして3’方向において4個のヌクレオシドを含んでなるウイングによって隣接されている。それぞれのギャップマー中のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。それぞれのギャップマー中の全てのシトシン残基は、5’−メチルシトシンである。表16の化学式の欄は、それぞれのギャップマーの糖モチーフを提示し、ここで、‘e’は、2’−MOEヌクレオシドを示し、‘k’は、拘束エチル(cEt)ヌクレオシドを示し、そして‘d’は、2’−デオキシヌクレオシドを示す。
【0469】
“ヒト標的開始部位”は、ヒト遺伝子配列中でギャップマーが標的とする5’に最も近いヌクレオシドを示す。“ヒト標的停止部位”は、ヒト遺伝子配列においてギャップマーが標的とする3’に最も近いヌクレオシドを示す。表16に記載したそれぞれのギャップマーは、本明細書中で配列番号:1(GENBANK寄託番号NM_139276.2)と命名したヒトSTAT3のmRNAを標的とする。表17中に記載したそれぞれのギャップマーは、本明細書中で配列番号:2(ヌクレオチド4185000ないし4264000から切断されたGENBANK寄託番号NT_010755.14の相補物)と命名したヒトSTAT3ゲノム配列を標的とする。
【0470】
【表16-1】
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【0471】
【表16-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0472】
【表17-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0473】
【表17-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0474】
【表17-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0475】
実施例16:HuVEC細胞中のヒトSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
STAT3の有意なin vitro阻害を示す実施例15に記載された研究からのギャップマーを、HuVEC細胞中で、各種の投与量で試験した。細胞を、ウェル当たり20,000個の細胞の密度でプレートに入れ、そして電気穿孔を使用して、表18に規定すように39.1nM、156.3nM、625.0nM、及び2,500.0nMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共に形質移入した。概略16時間の治療期間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRで測定した。本明細書中で先に記載したヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されるような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0476】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)を、更に表18に示す。表18に例示するように、STAT3のmRNAのレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチドで治療した細胞において、用量依存的様式で有意に減少した。
【0477】
【表18】
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【0478】
実施例17:MDA−MB−231ヒト乳癌異種移植モデルの治療におけるSTAT3を標的とするISISアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果
ヒト乳癌細胞MDA−MB−231で接種したBALB/cヌードマウスを、ISIS481464及びISIS481549で治療した。ISIS481549は、マウスの配列と交差反応可能である(即ち、マウス配列にハイブリダイズする)。マウスの腫瘍成長及びオリゴヌクレオチドの許容性を評価した。
【0479】
治療
研究を、Pharmaron Inc(Beijing,P.R.China)で行った。BALB/cヌードマウスを、Beijing HFK Bio−Technology Co.,Ltd.から得た。MDA−MB−231ヒト乳癌細胞を、10%の熱不活化胎児ウシ血清、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、及び2mMのL−グルタミンで補充されたLeibovitz’s L−15培地中で単層培養物としてin vitroで維持した。細胞を、空気中の5%CO
2の雰囲気中で37℃で維持した。腫瘍細胞を、トリプシン−EDTA処理を伴って週2回ルーチン的に継代培養した。指数増殖期で増殖中の細胞を回収し、そして腫瘍接種のために計数した。
【0480】
それぞれ8匹の無作為に割当てられた生後6−8週間のメスのBALB/cマウスの三つの群に、腫瘍発生のためにMDA−MB−231腫瘍の断片(腫瘍接種継代から産生された3mm×2mm×2mm)を右側腹に接種した。アンチセンスオリゴヌクレオチドの治療を、平均の腫瘍の大きさが概略100mm
3に達した、腫瘍接種後11日目に開始した。二つの群に、25mg/kgのISIS481464又はISIS481549を3週間、週2回で腹腔内に注射した。対照群のマウスに、PBSを3週間、週2回腹腔内に注射した。
【0481】
動物の取扱い、管理、及び治療の関する全ての方法は、施設内動物実験委員会(IACUC)によって認可された指針に従って行った。動物を、可動性、食物消費、体重変化、及びいずれもの他の異常な影響のような正常な行動に対する腫瘍の成長のいずれもの影響をルーチン的に検査した。
【0482】
RNA分析
RNAを、本明細書中に記載したプライマープローブセットRTS199を使用する、ヒトSTAT3のmRNAレベルのリアルタイムPCR分析のために、腫瘍組織から抽出した。マウスのSTAT3のmRNAレベルも、更にプライマープローブセットmSTAT3_LTS00664(順方向配列CGACAGCTTCCCCATGGA、本明細書中で配列番号:1513と命名;逆方向配列ATGCCCAGTCTTGACTCTCAATC、本明細書中で配列番号:1514と命名;プローブ配列CTGCGGCAGTTCCTGGCACCTT、本明細書中で配列番号:1515と命名)を使用して測定した。結果を、PBS対照に対する、シクロフィリンに対して正規化されたSTAT3の阻害のパーセントとして示す。表19に示すように、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療は、PBSと比較して、ヒト及びマウスのSTAT3のmRNAの両方の減少をもたらした。
【0483】
【表19】
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【0484】
腫瘍成長に対する影響
腫瘍の大きさを、週2回、ノギスを使用して二つの寸法で測定した。腫瘍の体積を、式:V=0.536×a×b
2を使用して計算し、式中、a及びbは、それぞれ腫瘍の長径及び短径である。腫瘍の大きさは、T−C及びT
V/C
V値の計算のために使用した。T−Cは、Tを治療群の腫瘍が所定の大きさ(900mm
3)に達するために必要な中位時間(日数)とし、そしてCを対照群の腫瘍が同じ大きさに達するための中位時間(日数)として計算した。T
V/C
V値(パーセントとして表示)は、ISISオリゴヌクレオチドの抗腫瘍有効性の表示であり、ここで、T
V及びC
Vは、所定の日(32日目)における治療及び対照群のそれぞれの平均体積であった。
【0485】
結果を表20及び21に示す。データは、ISIS481464及びISIS481549による治療が、腫瘍の成長を有意に妨害したことを示す。
【0486】
【表20】
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【0487】
【表21】
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【0488】
体重の測定
動物の全体的健康状態に対するISISオリゴヌクレオチドの影響を評価するために、体重を、治療期間中定期的に測定した。データを表22に提示し、そしてISIS481464又はISIS481549のいずれかによる治療が有意な体重の増減を起こさないことを示す。
【0489】
【表22】
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【0490】
実施例18:A431ヒト類表皮癌異種移植モデルの治療におけるSTAT3を標的とするISISアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果
ヒト類表皮癌細胞A431で接種したBALB/cヌードマウスを、ISIS481464及びISIS481549で治療した。ISIS481549は、マウスの配列と交差反応可能である(即ち、マウス配列にハイブリダイズする)。マウスの腫瘍成長及び許容性に対する治療の効果を評価した。
【0491】
治療
研究を、Pharmaron Inc(Beijing,P.R.China)で行った。BALB/cヌードマウスを、Beijing HFK Bio−Technology Co.,Ltd.から得た。A431ヒト類表皮癌細胞を、10%の熱不活化胎児ウシ血清、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、及び2mMのL−グルタミンで補充されたDMEM培地中で単層培養物としてin vitroで維持した。細胞を、空気中の5%CO
2の雰囲気中で37℃で維持した。腫瘍細胞をトリプシン−EDTA処理を伴って週2回ルーチン的に継代培養した。指数増殖期で増殖中の細胞を回収し、そして腫瘍接種のために計数した。
【0492】
それぞれ8匹の無作為に割当てられた生後6−8週間のメスのBALB/cヌードマウスの三つの群に、腫瘍発生のために5×10
6のA431腫瘍細胞を皮下に接種した。アンチセンスオリゴヌクレオチドの治療を、平均の腫瘍の大きさが概略95mm
3に達した、腫瘍接種後8日目に開始した。二つの群に、25mg/kgのISIS481464又はISIS481549を4週間、週2回で腹腔内に注射した。対照群のマウスに、PBSを4週間、週2回腹腔内に注射した。
【0493】
動物の取扱い、管理、及び治療の関する全ての方法は、施設内動物実験委員会(IACUC)によって認可された指針に従って行った。ルーチンのモニターの時点で、動物を、可動性、食物消費、体重変化、及びいずれもの他の異常な影響のような正常な行動に対する腫瘍の成長のいずれもの影響を検査した。
【0494】
RNA分析
RNAを、本明細書中に記載したプライマープローブセットRTS199を使用するヒトSTAT3のmRNAレベルのリアルタイムPCR分析のために、腫瘍組織から抽出した。マウスのSTAT3のmRNAレベルも、更に本明細書中に記載したプライマープローブセットmSTAT3_LTS00664を使用して測定した。結果を、PBS対照に対する、シクロフィリンに対して正規化されたSTAT3の阻害のパーセントとして示す。表23に示すように、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療は、PBSと比較して、ヒト及びマウスのSTAT3のmRNAの両方の減少をもたらした。
【0495】
【表23】
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【0496】
タンパク質の分析
タンパク質を、ヒトSTAT3タンパク質レベルのSTAT3モノクローナル抗体(Cell Signaling Technology,Cat #9135)によるウェスタン分析のために腫瘍溶菌液から抽出した。結果を、ハウスキーピングタンパク質、PBS対照に対する、COX−IIに対して正規化されたSTAT3の阻害のパーセントとして示す。表24に示すように、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療は、PBSと比較して、STAT3タンパク質レベルの減少をもたらした。
【0497】
【表24】
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【0498】
腫瘍成長に対する影響
腫瘍の大きさを、週2回、ノギスを使用して二つの寸法で測定し、そして腫瘍の体積を、式:V=0.5×a×b
2を使用して計算し、式中、a及びbは、それぞれ腫瘍の長径及び短径である。腫瘍の大きさは、T−C及びT
V/C
V値の計算のために使用した。T−Cは、Tを治療群の腫瘍が所定の大きさ(800mm
3)に達するために必要な中位時間(日数)とし、そしてCを対照群の腫瘍が同じ大きさに達するための中位時間(日数)として計算された。T
V/C
V値(パーセントとして表示)は、ISISオリゴヌクレオチドの抗腫瘍有効性の表示であり、ここで、T
V及びC
Vは、所定の日(33日目)における治療及び対照群のそれぞれの平均体積であった。
【0499】
結果を表25及び26に示す。データは、ISIS481464又はISIS481549のいずれかによる治療が、腫瘍の成長を有意に妨害したことを示す。
【0500】
【表25】
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【0501】
【表26】
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【0502】
体重の測定
動物の全体的健康状態に対するISISオリゴヌクレオチドの影響を評価するために、体重を、治療期間中定期的に測定した。データを表27に提示し、そしてISIS481464又はISIS481549のいずれかによる治療が、マウスの全体的な健康状態に影響しないことを示す。
【0503】
【表27】
[この文献は図面を表示できません]
【0504】
実施例19:NCI−H460ヒト非小細胞肺癌(NSCLC)異種移植モデルの治療におけるSTAT3を標的とするISISアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果
ヒトNCI−H460ヒトNSCLCで接種したBALB/cヌードマウスを、ヒトSTAT3を標的とするISIS491464、及びヒト及びマウスSTAT3の両方を標的とするISIS481549で治療した。マウスの腫瘍成長の治療の効果及び許容性を評価した。
【0505】
治療
研究を、Pharmaron Inc(Beijing,P.R.China)で行った。BALB/cヌードマウスを、Beijing HFK Bio−Technology Co.,Ltd.から得た。NCI−H460ヒトNSCLC細胞を、10%の熱不活化胎児ウシ血清、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、及び2mMのL−グルタミンで補充されたRPMI−1640培地中で単層培養物としてin vitroで維持した。細胞を、空気中の5%CO
2の雰囲気中で37℃で維持した。腫瘍細胞を、トリプシン−EDTA処理を伴って週2回ルーチン的に継代培養した。指数増殖期で増殖中の細胞を回収し、そして腫瘍接種のために計数した。
【0506】
それぞれ8匹の無作為に割当てられた生後6−8週間のメスのBALB/cヌードマウスの三つの群に、腫瘍発生のために2×10
6のNCI−H460腫瘍細胞を皮下に接種した。アンチセンスオリゴヌクレオチドの治療を、平均の腫瘍の大きさが概略100mm
3に達した、腫瘍接種後6日目に開始した。二つの群に、25mg/kgのISIS481464又はISIS481549を3週間、週2回で腹腔内に注射した。第3の群のマウスに、PBSを3週間、週2回腹腔内に注射し、そして対照群として役立てた。
【0507】
動物の取扱い、管理、及び治療の関する全ての方法は、施設内動物実験委員会(IACUC)によって認可された指針に従って行った。ルーチンのモニターの時点で、動物を、可動性、食物消費、体重変化、及びいずれもの他の異常な影響のような正常な行動に対する腫瘍の成長のいずれもの影響を検査した。
【0508】
RNA分析
RNAを、本明細書中に記載したプライマープローブセットRTS199を使用するヒトSTAT3のmRNAレベルのリアルタイムPCR分析のために、腫瘍組織から抽出した。マウスのSTAT3のmRNAレベルも、更に本明細書中に記載したプライマープローブセットmSTAT3_LTS00664を使用して測定した。結果を、PBS対照に対する、シクロフィリンに対して正規化されたSTAT3の阻害のパーセントとして示す。表28に示すように、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療は、PBSと比較して、ヒト及びマウスのSTAT3のmRNAの両方の減少をもたらした。
【0509】
【表28】
[この文献は図面を表示できません]
【0510】
腫瘍成長に対する影響
腫瘍の大きさを、週2回、ノギスを使用して二つの寸法で測定し、そして腫瘍の体積を、式:V=0.5×a×b
2を使用して計算し、式中、a及びbは、それぞれ腫瘍の長径及び短径である。腫瘍の大きさは、T−C及びT
V/C
V値の計算のために使用した。T−Cは、Tを治療群の腫瘍が所定の大きさ(1,500mm
3)に達するために必要な中位時間(日数)とし、そしてCを対照群の腫瘍が同じ大きさに達するための中位時間(日数)として計算された。T
V/C
V値(パーセントとして表示)は、ISISオリゴヌクレオチドの抗腫瘍有効性の表示であり、ここで、T
V及びC
Vは、所定の日(20日目)における治療及び対照群のそれぞれの平均体積であった。
【0511】
結果を表29及び30に示す。データは、ISIS481464又はISIS481549のいずれかによる治療が、腫瘍の成長を有意に妨害したことを示す。
【0512】
【表29】
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【0513】
【表30】
[この文献は図面を表示できません]
【0514】
体重の測定
動物の全体的健康状態に対するISISオリゴヌクレオチドの影響を評価するために、体重を、治療期間中定期的に測定した。データを表31に提示し、そしてISIS481464又はISIS481549のいずれかによる治療が、マウスの全体的な健康状態に影響しないことを示す。
【0515】
【表31】
[この文献は図面を表示できません]
【0516】
実施例20:ヒト神経膠芽腫同所性マウスモデルにおけるヒトSTAT3のアンチセンス阻害の効果
ヒト神経膠芽腫細胞で同所性移植されたNU/Jマウスを、CAGCAGATCAAGTCCAGGGA(配列番号:1590)の配列を有する5−10−5MOEギャップマーであるISIS455291で治療した。マウスの腫瘍成長の治療及び許容性の影響を評価した。
【0517】
治療
30匹のNU/Jマウスに、右前頭葉に5×10
5個のU−87 MG−luc2細胞を定位的に移植した。腫瘍細胞の移植後15日目に、15匹のこれらのマウスに、2μLのPBS中に溶解した100μgのISIS455291を、腫瘍移植の部位にボーラス注射で頭蓋内に投与した。残りの15匹のマウスに、2μLのPBSを、腫瘍移植の部位にボーラス注射で頭蓋内に投与した。第2の群のマウスは、対照群として役立てた。
【0518】
分析
腫瘍移植の18日後に、それぞれの群からの5匹のマウスを、CO
2吸入によって安楽死させ、そして脳の試料をRNA分析のために収集した。RNAを、本明細書中に先に記載したプライマープローブセットRTS199を使用するヒトSTAT3のmRNAレベルのリアルタイムPCR分析のために腫瘍組織から抽出した。ISIS455291による治療は、PBS対照と比較して、腫瘍組織中のヒトSTAT3のmRNAの27%の減少をもたらした。
【0519】
それぞれの群の残りのマウスを、生存期間分析のために2週間まで定期的にモニターした。PBS対照群の生存期間中央値は、30.5日であった。ISISオリゴヌクレオチドで治療したマウスの生存期間中央値は、35日であった。P値は、0.2088であった。
【0520】
実施例21:APC/Min
+マウスにおけるISIS481549による治療の効果
APC/Min
+マウスモデルの、STAT3のmRNAレベル及び腸管腺腫の数に対するISIS481549による治療の効果を評価した。APC/Min
+マウス系統を、若年齢で全腸管中の自然な腺腫形成に罹らせた(Moser A.R.et al.,Science 1990.247:322−324)。
【0521】
治療
4匹のオスの生後9週間のAPC/Min
+マウスの二つの群に、4週間、毎週5回投与される5mg/kg又は25mg/kgのISIS481549(それぞれ25mg/kg及び125mg/kgの合計週当たり投与量)を皮下注射した。4匹のオスの生後9週間のAPC/Min
+マウスの一つの群に、4週間、毎週5回投与される50mg/kgの対照オリゴヌクレオチド、ISIS141923(250mg/kgの合計週当たり投与量)を皮下注射した。4匹のオスの生後9週間のAPC/Min
+マウスの対照群に、4週間、週5回投与されるPBSを皮下注射した。最後の注射後の48時間目にマウスをイソフルラン(isoflurance)で安楽死させ、続いて頸椎脱臼させた。
【0522】
結腸及び腸を取出し、互いに分離し、そして清浄にした。概略5cmの上部腸管を切除し、そして1%の2−メルカプトエタノールを伴う2.5mLのRLT緩衝液(Qiagen)(RLT−BMe)中でホモジナイズし、そしてドライアイス中に入れた。結腸を半分に切り、そして組織の近位の半分を、2.5mLのRLT−BMe中でホモジナイズし、そしてドライアイス中に入れた。肝臓の小片(0.2g)を、切除し、そしてRLT−BMe中でホモジナイズし、そしてドライアイス中に入れた。
【0523】
RNA分析
RNAを、PureLink
TM全RNA精製キット(Invitrogen;#12173−011A)を使用して、製造業者のプロトコルによって組織から単離した。RT−PCRを、StepOnePlus装置(Applied Biosystems)を使用して、製造業者のプロトコルによって行った。マウスのプライマープローブセットmSTAT3_LTS00664(順方向配列CGACAGCTTCCCCATGGA、本明細書中で配列番号:1513と命名;逆方向配列ATGCCCAGTCTTGACTCTCAATC、本明細書中で配列番号:1514と命名;プローブ配列CTGCGGCAGTTCCTGGCACCTT、本明細書中で配列番号:1515と命名)を、STAT3のmRNAレベルを測定するために使用した。ハウスキーピング遺伝子、シクロフィリンのmRNAレベルを、プライマープローブセットmcyclo_24(順方向配列TCGCCGCTTGCTGCA、本明細書中で配列番号:1516と命名;逆方向配列ATCGGCCGTGATGTCGA、本明細書中で配列番号:1517と命名;プローブ配列CCATGGTCAACCCCACCGTGTTC、本明細書中で配列番号:1518と命名)で測定し、そしてSTAT3のmRNAレベルを正規化するために使用した。
【0524】
ISIS481549による治療は、肝臓、小腸及び大腸中の25mg/kg/週及び125mg/kg/週の投与において、肝臓中のSTAT3のmRNA発現の統計的に有意な減少(表32)をもたらした。治療及び対照群間の有意な差は、スチューデント両側t検定を使用して決定した(p<0.05)。
【0525】
【表32】
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【0526】
腺腫の数の解析
小腸の組織学的解析を、腺腫の数を顕微鏡的に評価するために行った。125mg/kg/週のISIS481549による治療は、PBS対照と比較して、統計的に有意な腫瘍の数の減少をもたらした(表33)。治療及び対照群間の有意な差は、スチューデント両側t検定を使用して決定した(p<0.05)。
【0527】
【表33】
[この文献は図面を表示できません]
【0528】
実施例22:PC−9 NSCLC異種移植モデルの治療におけるSTAT3を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果
ヒト非小細胞肺癌細胞株、PC−9を接種されたBALB/cヌードマウス(Charles River)を、ISIS481549及びISIS481464で治療した。マウスの腫瘍の成長及びSTAT3標的の減少を評価した。
【0529】
治療
生後6から8週のメスのBALB/cヌードマウスに、7×10
6のPC−9ヒトNSCLC細胞を皮下接種した。150−200mm
3の平均腫瘍体積を示すマウスを選択し、そして異なった治療群に無作為化した。7匹のマウスの二つの群に、6週間、毎週5回投与される25mg/kgのISIS481549又はISIS481464(125mg/kgの合計週当たり投与)を皮下注射した。7匹のマウスの一つの群に、6週間、毎週5回投与される25mg/kgのISIS347526(本明細書中で配列番号:1519と命名されるマウス又はヒト標的が未知のTCTTATGTTTCCGAACCGTT)(125mg/kgの合計週当たり投与)を皮下注射した。アンチセンスオリゴヌクレオチドの最後の投与は、マウスが安楽死させられる24時間前に与えられた。
【0530】
RNA分析
腫瘍を回収し、そしてRNAを、Qiagen RNAeasy Mini Kit(#74106)を使用して、製造業者のプロトコルによって単離した。STST3のmRNAレベルを、ABI StepOnePlus RT−PCR装置を、ヒトのプライマープローブセットRTS2033(順方向配列GAGGCCCGCCCAACA、本明細書中で配列番号:1520と命名;逆方向配列TTCTGCTAATGACGTTATCCAGTTTT、本明細書中で配列番号:1521と命名;プローブ配列CTGCCTAGATCGGC、本明細書中で配列番号:1522と命名)と共に使用して測定した。ハウスキーピング遺伝子、GAPDHのmRNAレベルを、ヒトのプライマープローブセット(順方向配列GAAGGTGAAGGTCGGAGTC、本明細書中で配列番号:1523と命名;逆方向配列GAAGATGGTGATGGGATTTC、本明細書中で配列番号:1524と命名;プローブ配列CAAGCTTCCCGTTCTCAGCC、本明細書中で配列番号:1525と命名)で測定し、そしてRNAレベルを正規化するために使用した。結果を表34に提示し、そしてアンチセンスオリゴヌクレオチドが、STAT3のmRNAレベルを減少させたことを示す。
【0531】
【表34】
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【0532】
腫瘍成長の解析
腫瘍を、研究期間をとおして定期的に測定した。腫瘍成長の阻害(TGI)を、式:
TGI=[1−(STAT3のASO群(最終)のX))−STAT3のASO群(1日目)のX)/(対照のASO群(最終)のX−対照のASO群(1日目)のX))]×100、式中、X=平均腫瘍体積、を使用して計算した。
【0533】
治療群の対照群との差を、ANOVA統計的検定を使用して評価した。結果を表35に示す。データは、腫瘍の成長がISIS481464によって、52日までに97%のTGIで有意に阻害されたことを示す。ISIS481549による治療は、PC−9の腫瘍成長を78%阻害した。
【0534】
【表35】
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【0535】
体重の解析
体重を、研究期間をとおして定期的に測定した。結果を表36に提示し、そして対照群と比較した治療群の体重の有意な変化がなかったことを示す。
【0536】
【表36】
[この文献は図面を表示できません]
【0537】
実施例23:LG−476 NSCLC異種移植モデルの治療におけるISIS481464の効果
免疫不全であるNOD.Cg−Prkdc
scid Il2rg
tm1Wjl/SzJマウス(NSG;JAX #5557)に、ヒト非小細胞肺癌細胞株、LG−476(Jackson Laboratory)を接種し、そしてISIS481464で治療した。マウスの腫瘍成長及びSTAT3標的の減少を評価した。
【0538】
治療
生後4から6週のメスのNSGマウスに、LG−476ヒトNSCLC細胞を皮下接種し、そして臨床観察、体重及び腫瘍体積のために毎週3回モニターした。腫瘍が1,000mm
3に達した時点で、腫瘍を回収し、そして断片化した。3−5mm
3の寸法の腫瘍断片を、30匹のNSGマウスの右後側腹部に皮下に移植した。マウスを、毎週3回モニターした。個々の腫瘍が200−250mm
3に達した時点で、マウスを二つの群に無作為に割当て、そして3週間、毎週5回投与される25mg/kgのISIS481464又はPBS(125mg/kgの合計週当たり投与)を注射した。腫瘍を最後の投与後24時間に回収した。
【0539】
RNA分析
腫瘍からの溶菌液を、ABIのStepOnePlus RT−PCR装置を、ヒト特異的プライマープローブセットRTS2033と共に使用して調製した。ハウスキーピング遺伝子、シクロフィリンのmRNAレベルを、ヒト特異的プライマープローブセット(順方向配列GACGGCGAGCCCTTGG、本明細書中で配列番号:1526と命名;逆方向配列TGCTGTCTTTGGGACCTTGTC、本明細書中で配列番号:1527と命名;プローブ配列CCGCGTCTCCTTTGAGCTGTTTGC、本明細書中で配列番号:1528と命名)で測定した。治療及び対照群の間の有意な差は、スチューデント両側t検定を使用して決定した(p<0.05)。
【0540】
ISIS481464による治療は、PBS対照と比較して、腫瘍の腫瘤中のSTAT3のmRNAレベルの43%の減少をもたらし(
図8)、これは、統計的に有意である。
【0541】
タンパク質の解析
全細胞の溶菌液を、プロテアーゼ阻害剤カクテルを含有する氷冷の放射性免疫沈降アッセイ(RIPA)緩衝液中で腫瘍をホモジナイズすることによって調製した。溶菌液を、STAT3抗体(Abcam Antibodies,#ab32500)を使用するウェスタンブロッティングによって分析した。ハウスキーピングタンパク質、シトクロムオキシダーゼII(COXII;#ab79393)及びサバイビン(#ab76424)も更に探査した。STAT3レベルを、COXIIタンパク質又はサバイビンタンパク質のいずれかに対して正規化し、そしてImageJソフトウェアを使用して定量化した。
【0542】
ISIS481464による治療は、PBS対照と比較して、腫瘍の腫瘤中のSTAT3のタンパク質レベルの50%の減少をもたらし、これは、統計的に有意である。
【0543】
腫瘍成長の解析
腫瘍を、研究期間をとおして定期的に測定した。ISIS481464による治療は、PBS対照と比較して、概略39%の腫瘍体積の減少をもたらした。
【0544】
実施例24:PC9細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
先に記載した研究からのISIS481464を、更に非小細胞肺癌細胞株のPC9細胞中で異なった投与量で試験した。細胞を、ウェル当たり3,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、表37に規定したように0.02μM、0.1μM、0.5μM、2.5μM、及び10.0μMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTST3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS2033(順方向配列GAGGCCCGCCCAACA、本明細書中で配列番号:1520と命名;逆方向配列TTCTGCTAATGACGTTATCCAGTTTT、本明細書中で配列番号:1521と命名;プローブ配列CTGCCTAGATCGGC、本明細書中で配列番号:1522と命名)をmRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、ヒトのプライマープローブセットHTS5002(順方向配列CGGACTATGACTTAGTTGCGTTACA、本明細書中で配列番号:1529と命名;逆方向配列GCCATGCCAATCTCATCTTGT、本明細書中で配列番号:1530と命名;プローブ配列CCTTTCTTGACAAAACCTAACTTGCGCAGA、本明細書中で配列番号:1531と命名)によって測定されるようなハウスキーピング遺伝子のベータアクチンの含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0545】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)も、更に表37に示す。表37に例示するように、ISIS481464は、細胞膜に浸透することが可能である。
【0546】
【表37】
[この文献は図面を表示できません]
【0547】
実施例25:C42B細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
先に記載した研究からのISIS481464を、更に前立腺癌細胞株のC42B細胞中で異なった投与量で試験した。細胞を、ウェル当たり3,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、表38に規定したように0.02μM、0.1μM、0.5μM、2.5μM、及び10.0μMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTST3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS2033(順方向配列GAGGCCCGCCCAACA、本明細書中で配列番号:1520と命名;逆方向配列TTCTGCTAATGACGTTATCCAGTTTT、本明細書中で配列番号:1521と命名;プローブ配列CTGCCTAGATCGGC、本明細書中で配列番号:1522と命名)を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、ヒトのプライマープローブセットHTS5002(順方向配列CGGACTATGACTTAGTTGCGTTACA、本明細書中で配列番号:1529と命名;逆方向配列GCCATGCCAATCTCATCTTGT、本明細書中で配列番号:1530と命名;プローブ配列CCTTTCTTGACAAAACCTAACTTGCGCAGA、本明細書中で配列番号:1531と命名)によって測定されるようなハウスキーピング遺伝子のベータアクチンの含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0548】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)も、更に表38に示す。表38に例示するように、ISIS481464は、細胞膜に浸透することが可能である。
【0549】
【表38】
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【0550】
実施例26:Colo201細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
先に記載した研究からのISIS481464を、更に大腸直腸癌細胞株のColo201細胞中で異なった投与量で試験した。細胞を、ウェル当たり3,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、表39に規定したように0.02μM、0.1μM、0.5μM、2.5μM、及び10.0μMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTST3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS2033(順方向配列GAGGCCCGCCCAACA、本明細書中で配列番号:1520と命名;逆方向配列TTCTGCTAATGACGTTATCCAGTTTT、本明細書中で配列番号:1521と命名;プローブ配列CTGCCTAGATCGGC、本明細書中で配列番号:1522と命名)を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、ヒトのプライマープローブセットHTS5002(順方向配列CGGACTATGACTTAGTTGCGTTACA、本明細書中で配列番号:1529と命名;逆方向配列GCCATGCCAATCTCATCTTGT、本明細書中で配列番号:1530と命名;プローブ配列CCTTTCTTGACAAAACCTAACTTGCGCAGA、本明細書中で配列番号:1531と命名)によって測定されるようなハウスキーピング遺伝子のベータアクチンの含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0551】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)も、更に表39に示す。表39に例示するように、ISIS481464は、細胞膜に浸透することが可能である。
【0552】
【表39】
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【0553】
実施例27:BT474M1細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
先に記載した研究からのISIS481464を、更に乳癌細胞株のBT474M1細胞中で異なった投与量で試験した。細胞を、ウェル当たり3,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、表40に規定したように0.02μM、0.1μM、0.5μM、2.5μM、及び10.0μMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTST3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS2033(順方向配列GAGGCCCGCCCAACA、本明細書中で配列番号:1520と命名;逆方向配列TTCTGCTAATGACGTTATCCAGTTTT、本明細書中で配列番号:1521と命名;プローブ配列CTGCCTAGATCGGC、本明細書中で配列番号:1522と命名)を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、ヒトのプライマープローブセットHTS5002(順方向配列CGGACTATGACTTAGTTGCGTTACA、本明細書中で配列番号:1529と命名;逆方向配列GCCATGCCAATCTCATCTTGT、本明細書中で配列番号:1530と命名;プローブ配列CCTTTCTTGACAAAACCTAACTTGCGCAGA、本明細書中で配列番号:1531と命名)によって測定されるようなハウスキーピング遺伝子のベータアクチンの含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0554】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)も、更に表40に示す。表40に例示するように、ISIS481464は、細胞膜に浸透することが可能である。
【0555】
【表40】
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【0556】
実施例28:H929細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
先に記載した研究からのISIS481464を、更に多発性骨髄腫細胞株のH929細胞中で異なった投与量で試験した。細胞を、ウェル当たり10,000−12,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、表41に規定したように0.01μM、0.5μM、2.5μM、及び10.0μMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共にインキュベートした。概略72時間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTST3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS2033(順方向配列GAGGCCCGCCCAACA、本明細書中で配列番号:1520と命名;逆方向配列TTCTGCTAATGACGTTATCCAGTTTT、本明細書中で配列番号:1521と命名;プローブ配列CTGCCTAGATCGGC、本明細書中で配列番号:1522と命名)を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、ヒトのプライマープローブセットHTS5002(順方向配列CGGACTATGACTTAGTTGCGTTACA、本明細書中で配列番号:1529と命名;逆方向配列GCCATGCCAATCTCATCTTGT、本明細書中で配列番号:1530と命名;プローブ配列CCTTTCTTGACAAAACCTAACTTGCGCAGA、本明細書中で配列番号:1531と命名)によって測定されるようなハウスキーピング遺伝子のベータアクチンの含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0557】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)も、更に表41に示す。表41に例示するように、ISIS481464は、細胞膜に浸透することが可能である。
【0558】
【表41】
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【0559】
実施例29:MM1R細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
先に記載した研究からのISIS481464を、更に多発性骨髄腫細胞株のMM1R細胞中で異なった投与量で試験した。細胞を、ウェル当たり10,000−12,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、表42に規定したように0.01μM、0.5μM、2.5μM、及び10.0μMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共にインキュベートした。概略72時間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTST3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS2033(順方向配列GAGGCCCGCCCAACA、本明細書中で配列番号:1520と命名;逆方向配列TTCTGCTAATGACGTTATCCAGTTTT、本明細書中で配列番号:1521と命名;プローブ配列CTGCCTAGATCGGC、本明細書中で配列番号:1522と命名)を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、ヒトのプライマープローブセットHTS5002(順方向配列CGGACTATGACTTAGTTGCGTTACA、本明細書中で配列番号:1529と命名;逆方向配列GCCATGCCAATCTCATCTTGT、本明細書中で配列番号:1530と命名;プローブ配列CCTTTCTTGACAAAACCTAACTTGCGCAGA、本明細書中で配列番号:1531と命名)によって測定されるようなハウスキーピング遺伝子のベータアクチンの含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0560】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)も、更に表42に示す。表42に例示するように、ISIS481464は、細胞膜に浸透することが可能である。
【0561】
【表42】
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【0562】
実施例30:SK−OV3卵巣癌異種移植モデルの治療におけるSTAT3を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果
BALB/cヌードマウスに、ヒト卵巣癌細胞株、SK−OV3を接種し、そしてISIS481464又はISIS481549で治療した。ISIS481549は、マウスの配列と交差反応可能である(即ち、マウス配列にハイブリダイズする)。
【0563】
研究1
ヒト卵巣癌SK−OV3細胞(概略100mm
3)を、ヌードマウスに腹腔内注射した。10日後、マウスに、11週間、毎週2回投与される25mg/kgのISIS481464又はISIS481549を、皮下接種した。マウスを、最後の投与の24時間後安楽死させた。
【0564】
RNA分析
溶菌液を、ヒトのプライマープローブセット(RTS2033)及びマウスのプライマリープローブセット(mSTAT3−LTS0664)を使用するSTAT3のmRNAレベルのRT−PCR分析においてRNA抽出キット(Invitrogen)を使用することによって調製した。結果を表43に示す。結果をPBS対照に対する、STAT3の阻害のパーセントとして示す。データは、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療が、PBS対照と比較して、ヒト及びマウスのSTAT3のmRNAの両方の減少をもたらすことを示す。
【0565】
【表43】
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【0566】
タンパク質の解析
リン酸化されたSTST3に対する抗体(Cell Signaling)を使用するSTAT3タンパク質レベルのウェスタンブロット分析のために、溶菌液を、RIPA緩衝液で調製した。結果を、
図1に示す。データは、ISIS481549による治療が、PBS対照と比較して、リン酸化されたSTST3タンパク質の減少をもたらすことを示す。
【0567】
IL−6レベルの解析
マウスのプライマープローブセットmIL6−LTS00629を使用するIL−6のRT−PCR分析のために、溶菌液をRNA抽出キット(Invitrogen)を使用して調製した。データは、ISIS481549による治療が、PBS対照と比較して、IL−6のmRNAの両方の有意な減少をもたらすことを示す。
【0568】
【表44】
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【0569】
腫瘍重量の解析
腫瘍を回収した。腫瘍の重量を測定し、そして結果を表45に示す。結果は、PBS対照の腫瘍重量のパーセントとして提示される。データは、ISIS481549による治療が、PBS対照と比較して、腫瘍重量の有意な減少をもたらすことを示す。
【0570】
【表45】
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【0571】
研究2
ヒト卵巣癌SK−OV3細胞(概略100mm
3)を、ヌードマウスに皮下接種した。10日後、マウスに、6週間、毎週5回投与される50mg/kgのISIS481464、又は50mg/kgのISIS481464及びISIS481549の組合せのいずれかを、腹腔内接種した。マウスを、最後の投与の24時間後安楽死させた。
【0572】
腫瘍体積の解析
腫瘍を、ノギスを使用して定期的に測定し、そして腫瘍体積を、式、腫瘍体積=1/2(長さ×幅
2)を使用して計算した。結果を
図2に示す。データは、マウスのISIS481464及びISIS481549の組合せによる治療が、腫瘍の成長の有意な阻害をもたらすことを示す。
【0573】
実施例31:カニクイザルにおけるISIS481464の許容性の研究
カニクイザルにおけるISIS481464の効力及び許容性を評価した。
【0574】
治療
オス及びメスのナイーブなカニクイザルを、五つの治療群に割当てた。それぞれ5匹のサルの三つの群は、研究の最初の週中の二日毎(1、3、5及び7日目)に3mg/kg、10mg/kg又は30mg/kgの負荷投与を、続いてその後毎週一回(14日目に開始)の投与を受けた。対照群の5匹のサルは、研究の最初の週中の二日毎(1、3、5及び7日目)にPBSを負荷投与として、続いてその後毎週一回(14日目に開始)の投与を受けた。これらの投与は、1時間の静脈内(i.v.)注入により投与された。5匹のサルの5番目の群は、研究の最初の週中の二日毎(1、3、5及び7日目)に皮下投与される30mg/kgの負荷投与を、続いてその後毎週一回(14日目に開始)の皮下(s.c.)投与を受けた。
【0575】
i.v.注入のために、サルは、鎮痛剤無しに拘束椅子に拘束された。カテーテルを、頭部静脈の一つに入れ、そして適当な投与量のISIS481464溶液を、較正されたシリンジポンプ(Stoelting Co,USA)を使用して概略1時間かけて一定速度で注入した。投与部位は、右及び左腕間で交代し、そして投与時間を記録した。注入速度は、計算された投与体積を供給するために選択され、そしてポンプの精度をモニターし、そしてそれぞれの投与に対して記録した。注入期間の終りに、投与溶液をPBSに切り換えた。s.c.投与の場合、注射を、背中の四つの部位の時計回りの交代で行った。注射部位を、定期的剃毛によって維持し、そして刺青で恒久的に番号を付けた。
【0576】
それぞれの群からの3匹のサルを、44日目に犠牲にし、これは42日目の最後の投与の48時間後であった。それぞれの群からの他の2匹のサルを、毒薬学的影響に対して観察した。サルの計画された安楽死を、ケタミン/キシラジン誘導の麻酔及びペントバルビタールナトリウムの投与後の瀉血によって行った。実施例中に記載されたプロトコルは、施設内動物実験委員会(IACUC)によって認可された。
【0577】
RNA分析
肝臓の組織を、1%の2−メルカプトエタノール(Sigma)で補充された3mLのRLT溶菌緩衝液(Qiagen)中でホモジナイズした。RNAを、得られたホモジネートから、RNA精製のための、Qiagen RNeasyの96ウェルプレートを使用して、製造業者のプロトコルによって精製した。精製後、RNA試料を、Perkin−ElmerのABI Prism 7700配列決定装置及びSTAT3のプライマープローブセットRTS3235(順方向配列AAGTTTATCTGTGTGACACCAACGA、本明細書中で配列番号:1532と命名;逆方向配列CTTCACCATTATTTCCAAACTGCAT、本明細書中で配列番号:1533と命名;プローブ配列TGCCGATGTCCCCCCGCA、本明細書中で配列番号:1534と命名)を使用するRT−PCR分析にかけた。STAT3のmRNAレベルを、プライマープローブセットmk_cycloA_2
nd(順方向配列TGCTGGACCCAACACAAATG、本明細書中で配列番号:1535と命名;逆方向配列TGCCATCCAACCACTCAGTC、本明細書中で配列番号:1536と命名;プローブ配列TTCCCAGTTTTTCATCTGCACTGCCAX、本明細書中で配列番号:1537と命名)を使用して定量化されたサルのシクロフィリンAに対して正規化した。
【0578】
i.v.注入又はs.c.注射のいずれかによる30mg/kgの投与濃度のISISI481464による治療は、PBS対照に対して、肝臓のSTAT3のmRNA発現の統計的に有意な減少(表46)をもたらした。治療及び対照群間の有意な差は、スチューデントt検定を使用して決定した(p<0.05)。
【0579】
【表46】
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【0580】
タンパク質の解析
肝臓の組織を、プロテアーゼ及びホスファターゼの両方の阻害剤カクテル(Roche)を含有する1mLの氷冷のRIPA緩衝液(Sigma)中でホモジナイズした。全溶菌液を、Bis−Tris PAGE(Invitrogen)によって分離し、PVDFメンブランに移し、そしてSTAT3(Cell Signaling,#9132)及びGAPDH(Advanced Immunochemicals,#06−1−G4−C5)に対する一次抗体を使用して免疫ブロットした。免疫特異的バンドを、X線フィルムに暴露した後、Enhanced Chemiluminescence Plus検出キット(Amersham Biosciences)で検出した。次いでバンドの強度をスキャンし、そしてImageJソフトウェアを使用して定量化した。治療及び対照群間の有意な差は、スチューデントt検定を使用して決定した(p<0.05)。
【0581】
表47に示すように、STAT3タンパク質レベルに用量依存的の減少があり、3mg/kg/週及び10mg/kg/週においてそれぞれ33%及び82%減少であった。STAT3タンパク質は、30mg/kg/週において投与経路に関係なく検出不能であった。
【0582】
【表47】
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【0583】
肝機能
肝機能に対するISISオリゴヌクレオチドの影響を評価するために、血液試料を全ての研究群から収集した。血液試料を、投与の48時間後の44日目に大腿静脈穿刺により収集した。血液試料(1mL)を、血清分離のために抗凝集剤を伴わずに試験管に収集した。試験管を室温で概略60分間保ち、そして次いで血清を得るために10分間3,000rpmで遠心した。各種の肝機能マーカーのレベルを、Toshiba 200FR NEO化学分析器(Toshiba Co.,Japan)を使用して測定した。ALT及びASTの血漿レベルを測定し、そして結果を、IU/Lで表示して、表48に示す。オス及びメスのサルのデータを別個に示す。結果は、ISIS481464による治療が、肝機能に対してアンチセンスオリゴヌクレオチドに対して予測した範囲外の影響を持たないことを示す。
【0584】
【表48】
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【0585】
腎機能
腎機能に対するISISオリゴヌクレオチドの影響を評価するために、血液試料を全ての研究群から収集した。血液試料を、投与の48時間後の44日目に大腿静脈穿刺により収集した。血液試料(1mL)を、血清分離のために抗凝集剤を伴わずに試験管に収集した。試験管を室温で概略60分間保ち、そして次いで血清を得るために10分間3,000rpmで遠心した。各種の腎機能マーカーのレベルを、Toshiba 200FR NEO化学分析器(Toshiba Co.,Japan)を使用して測定した。結果を、mg/dLで表示して表49に示す。血漿の化学的データは、ISIS481464による治療が、腎機能に対してアンチセンスオリゴヌクレオチドに対して予測した範囲外のいずれもの影響を持たないことを示す。
【0586】
【表49】
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【0587】
体重の測定
ISISオリゴヌクレオチドのサルの全体的健康状態に対する影響を評価するために、体重を測定し、そして表50及び51に示す。結果は、ISIS481464による治療の体重に対する影響が、アンチセンスオリゴヌクレオチドに対して予測した範囲内であったことを示す。
【0588】
【表50】
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【0589】
【表51】
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【0590】
実施例32:HuVEC細胞中のヒトSTAT3のアンチセンス阻害
アンチセンスオリゴヌクレオチドを、STAT3核酸を標的として設計し、そしてin vitroにおけるSTAT3のmRNAに対するその効果を試験した。ウェル当たり5,000個の細胞の密度の培養されたHuVEC細胞を、LipofectAMINE 2000(登録商標)試薬を使用して30nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドで形質移入した。概略24時間の治療期間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを、定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトのプライマープローブセットRTS2033(順方向配列GAGGCCCGCCCAACA、本明細書中で配列番号:5と命名;逆方向配列TTCTGCTAATGACGTTATCCAGTTTT、本明細書中で配列番号:6と命名;プローブ配列CTGCCTAGATCGGC、本明細書中で配列番号:7と命名)を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されたような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0591】
表52及び53のキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドは、5−10−5MOEギャップマーとして設計された。ギャップマーは、20個のヌクレオシドの長さであり、ここで、中央のギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオシドを含んでなり、そしてそれぞれ五つのヌクレオシドを含んでなるウイングによって両側において(5’及び3’方向で)隣接されている。5’ウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシド及び3’ウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、2’−MOE糖修飾を有する。それぞれのギャップマー中のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。それぞれのギャップマー中の全てのシトシン残基は、5’−メチルシトシンである。“ヒト標的開始部位”は、ヒト遺伝子配列中でギャップマーが標的とする5’に最も近いヌクレオシドを示す。“ヒト標的停止部位”は、ヒト遺伝子配列においてギャップマーが標的とする3’に最も近いヌクレオシドを示す。表52に記載したそれぞれのギャップマーは、本明細書中で配列番号:1(GENBANK寄託番号NM_139276.2)と命名したヒトSTAT3のmRNAを標的とする。表53中に記載したそれぞれのギャップマーは、本明細書中で配列番号:2(ヌクレオチド4185000ないし4264000から切断されたGENBANK寄託番号NT_010755.14の相補物)と命名したヒトSTAT3ゲノム配列を標的とする。
【0592】
ギャップマーの効力は、更にヒトSTAT3を標的とする5−10−5MOEギャップマーであるISIS337332、ISIS337333、及びISIS345785と比較され、そしてこれらは、更に参考文献として本明細書中に援用される米国特許第7,307,069号中に記載されている。
【0593】
【表52-1】
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【0594】
【表52-2】
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【0595】
【表52-3】
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【0596】
【表52-4】
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【0597】
【表52-5】
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【0598】
【表52-6】
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【0599】
【表52-7】
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【0600】
【表53-1】
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【0601】
【表53-2】
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【0602】
【表53-3】
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【0603】
【表53-4】
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【0604】
【表53-5】
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【0605】
【表53-6】
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【0606】
【表53-7】
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【0607】
【表53-8】
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【0608】
【表53-9】
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【0609】
【表53-10】
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【0610】
【表53-11】
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【0611】
【表53-12】
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【0612】
【表53-13】
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【0613】
【表53-14】
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【0614】
【表53-15】
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【0615】
【表53-16】
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【0616】
【表53-17】
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【0617】
実施例33:HuVEC細胞中のヒトSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
STAT3の有意なin vitroの阻害を示す実施例32に記載した研究からのギャップマーを、HuVEC細胞中で各種の投与量で試験した。細胞を、ウェル当たり5,000個の細胞の密度でプレートに入れ、そしてLipofectAMINE2000(登録商標)試薬を使用して、表54に規定するように1.1nM、3.3nM、10.0nM、及び30.0nMの濃度のアンチセンスヌクレオチドで形質移入した。概略16時間の治療期間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを、定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199(順方向配列ACATGCCACTTTGGTGTTTCATAA、本明細書中で配列番号:6と命名;逆方向配列TCTTCGTAGATTGTGCTGATAGAGAAC、本明細書中で配列番号:7と命名;プローブ配列CAGTATAGCCGCTTCCTGCAAGAGTCGAA、本明細書中で配列番号:8と命名)を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されたような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0618】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)も、更に表54に提示し、そして使用されたオリゴヌクレオチドの濃度に対する、それぞれの濃度で達成されたSTAT3のmRNA発現の阻害のパーセントをプロットし、そして対照と比較して、STAT3のmRNA発現の50%の阻害が達成されるオリゴヌクレオチドの濃度を記録することによって計算した。表54に例示するように、STAT3のmRNAのレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチドで治療した細胞において、用量依存的様式で有意に減少した。
【0619】
【表54-1】
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【0620】
【表54-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0621】
実施例34:マイクロウォークによって設計されたオリゴヌクレオチドによるHuVEC細胞中のヒトSTAT3のアンチセンス阻害
更なるギャップマーを、少なくとも50%の阻害を示す実施例1に提示したギャップマーに基づき設計した。これらのギャップマーを、本来のギャップマーの上流及び下流に僅かに移動した(即ち、“マイクロウォーク(microwalk)”)ギャップマーを作ることによって設計した。これらのギャップマーを、in vitroで試験した。ISIS337332も更に比較物質としてアッセイに含めた。ウェル当たり5,000個の細胞の密度の培養されたHuVEC細胞を、LipofectAMINE 2000(登録商標)試薬を使用して30nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドで形質移入した。概略24時間の治療期間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを、定量的リアルタイムPCRによって測定した。本明細書中に先に記載したヒトのプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されたような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。結果を表55に示す。
【0622】
表55のキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドは、5−10−5MOEギャップマーとして設計された。表55中の星印(
*)を伴って命名されたギャップマーは、それから、ギャップマー、ISIS465226−466744が、マイクロウォークによって設計された本来のギャップマーである。5−10−5ギャップマーは、20個のヌクレオシドの長さであり、ここで、中央のギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオシドを含んでなり、そしてそれぞれ五つのヌクレオシドを含んでなるウイングによって両側において(5’及び3’方向で)隣接されている。5’ウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシド及び3’ウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、2’−MOE糖修飾を有する。それぞれのギャップマー中のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート(P=S)結合である。それぞれのギャップマー中の全てのシトシン残基は、5’−メチルシトシンである。“ヒト標的開始部位”は、ヒト遺伝子配列中でギャップマーが標的とする5’に最も近いヌクレオシドを示す。“ヒト標的停止部位”は、ヒト遺伝子配列においてギャップマーが標的とする3’に最も近いヌクレオシドを示す。表55中に記載したそれぞれのギャップマーは、本明細書中で配列番号:2(ヌクレオチド4185000ないし4264000から切断されたGENBANK寄託番号NT_010755.14の相補物)と命名したヒトSTAT3ゲノム配列の標的領域に及ぶ2313−76017核酸塩基を標的とする。
【0623】
【表55-1】
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【0624】
【表55-2】
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【0625】
【表55-3】
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【0626】
【表55-4】
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【0627】
【表55-5】
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【0628】
【表55-6】
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【0629】
【表55-7】
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【0630】
【表55-8】
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【0631】
【表55-9】
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【0632】
【表55-10】
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【0633】
【表55-11】
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【0634】
【表55-12】
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【0635】
【表55-13】
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【0636】
【表55-14】
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【0637】
【表55-15】
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【0638】
【表55-16】
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【0639】
【表55-17】
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【0640】
【表55-18】
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【0641】
【表55-19】
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【0642】
【表55-20】
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【0643】
【表55-21】
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【0644】
【表55-22】
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【0645】
実施例35:HuVEC細胞中のヒトSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
STAT3の有意なin vitroの阻害を示す実施例3に記載した研究からのギャップマーを、HuVEC細胞中で各種の投与量で試験した。細胞を、ウェル当たり5,000個の細胞の密度でプレートに入れ、そしてLipofectAMINE2000(登録商標)試薬を使用して、表56に規定するように8.8nM、17.5nM、35.0nM、及び70.0nMの濃度のアンチセンスヌクレオチドで形質移入した。概略16時間の治療期間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを、定量的リアルタイムPCRによって測定した。本明細書中で先に記載したヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されたような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0646】
表56に例示するように、STAT3のmRNAのレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチドで治療した細胞において、用量依存的様式で減少した。
【0647】
【表56-1】
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【0648】
【表56-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0649】
実施例36:HuVEC細胞中のヒトSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
実施例3に記載した研究からのギャップマーを、HuVEC細胞中で各種の投与量で更に試験した。細胞を、ウェル当たり20,000個の細胞の密度でプレートに入れ、そして電気穿孔を使用して、表57に規定するように、187.5nM、375.0nM、750.0nM、1,500.0nM、3,000.0nM、及び6,000.0nMの濃度のアンチセンスヌクレオチドで形質移入した。概略16時間の治療期間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを、定量的リアルタイムPCRによって測定した。本明細書中で先に記載した、ヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されたような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0650】
表57に例示するように、STAT3のmRNAのレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチドで治療した細胞において、用量依存的様式で有意に減少した。
【0651】
【表57-1】
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【0652】
【表57-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0653】
実施例37:CD1マウスにおけるヒトSTAT3を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの許容性
高いレベルの効力を示す39種のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、in vivoの許容性に対して更に試験した。
【0654】
8匹のオスのCD1マウスの複数の群に、50mg/kgのISISアンチセンスオリゴヌクレオチドを6週間、毎週2回皮下注射した。8匹のオスのCD1マウスの一つの群に、PBSを6週間、毎週2回皮下注射した。この群は、対照として役立てた。最後の投与の3日後、マウスを安楽死させ、そして器官及び血漿を、更なる分析のために回収した。肝臓、脾臓、及び腎臓の重量を研究の終りに測定し、そしてPBS治療のマウスと比較した。
【0655】
肝機能に対するISISオリゴヌクレオチドの影響を評価するために、トランスアミナーゼの血漿濃度を、自動化臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。ALT(アラニントランスアミナーゼ)及びAST(アスパルテートトランスアミナーゼ)の血漿濃度を測定した。
【0656】
腎機能に対するISISオリゴヌクレオチドの影響を評価するために、血液尿素窒素(BUN)の血漿濃度を、自動化臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。
【0657】
全てのマウスの群から得た血液を、血球容量(HCT)、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン(MCH)、及び平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)測定及び分析のために、並びにWBC、RBCのそれのような異なった血液細胞の数、及び全ヘモグロビン含有量の測定のために、Antech Diagnosticsに送った。
【0658】
試験された39種のアンチセンスオリゴヌクレオチドの中で、ISIS455265、ISIS455269、ISIS455271、ISIS455272、ISIS455291、ISIS455371、ISIS455394、ISIS455703、ISIS455429、ISIS455471、ISIS455527、ISIS455530、ISIS455536、ISIS455548、ISIS455611、ISIS465236、ISIS465237、ISIS465588、ISIS465740、ISIS465754、ISIS465830、ISIS466670、及びISIS466720を含むある種のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、器官重量、ALT、AST、BUN、及び血液学的パラメーターに対する許容閾値に合致した。
【0659】
実施例38:CD1マウスの肝臓におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドの半減期の測定
CD1マウスを、記載されたISISアンチセンスオリゴヌクレオチドで治療し、そして肝臓中のオリゴヌクレオチドの半減期を評価した。
【0660】
治療
それぞれ12匹のCD1マウスの複数の群に、50mg/kgのISIS455265、ISIS455269、ISIS455271、ISIS455272、ISIS455291、ISIS455371、ISIS455393、ISIS455553、ISIS455582、ISIS455703、ISIS455394、ISIS455429、ISIS455438、ISIS455471、ISIS455527、ISIS455530、ISIS455536、ISIS455540、ISIS455548、ISIS455611、ISIS455429、ISIS455463、ISIS455464、ISIS455471、ISIS455527、ISIS455611、ISIS465236、ISIS465237、ISIS465239、ISIS465588、ISIS465740、ISIS465742、ISIS465751、ISIS465752、ISIS465754、ISIS465830、ISIS466670、ISIS466718、及びISIS466720を、2週間、毎週2回皮下注射した。それぞれの群からの4匹のマウスを、3日目、28日目、及び56日目に、最後の投与後、犠牲にした。肝臓を分析のために回収した。
【0661】
オリゴヌクレオチド濃度の測定
全長のオリゴヌクレオチドの濃度、並びに全てのオリゴヌクレオチド濃度(分解された形態を含む)を測定した。使用された方法は、以前に刊行された方法(Leeds et al.,1996;Geary et al.,1999)の改良であり、これは、フェノール−クロロホルム(液−液)抽出、それに続く固相抽出を含む。内部標準(ISIS355868、本明細書中で配列番号:2758と命名された27塩基長の2’−O−メトキシエチルで修飾されたホスホロチオエートオリゴヌクレオリド、GCGTTTGCTCTTCTTCTTGCGTTTTTT)を、抽出に先立ち加えた。組織試料の濃度を、概略1.14μg/gの定量化下限(LLOQ)の較正曲線を使用して計算した。次いで半減期を、WinNonlinソフトウェア(PHARSIGHT)を使用して計算した。
【0662】
それぞれのオリゴヌクレオチドの半減期を、表58に示す。11−34日の半減期を持つアンチセンスオリゴヌクレオチドを、更なる研究のために選択した。
【0663】
【表58】
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【0664】
実施例39:Sprague−DawleyラットにおけるヒトSTAT3を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドの許容性
高いレベルの効力を示す23種のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、in vivoの許容性に対して更に試験した。
【0665】
4匹のSprague−Dawleyラットの複数の群に、50mg/kgのISISアンチセンスオリゴヌクレオチドを、6週間、毎週2回皮下注射した。ラットの一つの群に、PBSを6週間、毎週2回皮下注射した。この群を、対照群として役立てた。最後の投与の3日後、ラットを安楽死させ、そして器官及び血漿を、更なる分析のために回収した。肝臓、脾臓、及び腎臓の重量を、研究の終りに測定し、そしてPBSで治療したラットと比較した。
【0666】
肝機能に対するISISオリゴヌクレオチドの影響を評価するために、トランスアミラーゼの血漿濃度を、自動化臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。AST(アスパルテートトランスアミナーゼ)、及び全ビリルビンの血漿濃度を測定した。
【0667】
腎機能に対するISISオリゴヌクレオチドの影響を評価するために、BUN、全尿タンパク質、及びクレアチニンを、自動化臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。
【0668】
試験された23種のアンチセンスオリゴヌクレオチド中で、ISIS455269、ISIS455291、ISIS455371、ISIS455703、ISIS455429、ISIS465236、ISIS465237、ISIS465754、ISIS465830、及びISIS466670を含むある種のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、器官重量、AST、ビリルビン、BUN、全尿タンパク質、及びクレアチニンに対する許容閾値に合致した。
【0669】
実施例40:Sprague−Dawleyラットの肝臓及び腎臓中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの半減期の測定
Sprague−Dawleyラットを、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドで治療し、そしてオリゴヌクレオチドの半減期、並びにオリゴヌクレオチド分解並びに肝臓及び腎臓からの排除のための経過時間を評価した。
【0670】
治療
それぞれ4匹のSprague−Dawleyラットの複数の群に、20mg/kgのISIS455265、ISIS455269、ISIS455271、ISIS455272、ISIS455291、ISIS455371、ISIS455394、ISIS455703、ISIS455429、ISIS455471、ISIS455527、ISIS455530、ISIS455536、ISIS455548、ISIS455611、ISIS465236、ISIS465237、ISIS465588、ISIS465740、ISIS465754、ISIS465830、ISIS466670、及びISIS466720を2週間、毎週2回皮下注射した。最後の投与の3日後、ラットを犠牲にし、そして肝臓及び腎臓を分析のために収集した。
【0671】
オリゴヌクレオチド濃度の測定
全長のオリゴヌクレオチドの濃度、並びに全てのオリゴヌクレオチド濃度(分解された形態を含む)を測定した。使用された方法は、以前に刊行された方法(Leeds et al.,1996;Geary et al.,1999)の改良であり、これは、フェノール−クロロホルム(液−液)抽出、それに続く固相抽出を含む。内部標準(ISIS355868、本明細書中で配列番号:2758と命名された27塩基長の2’−O−メトキシエチルで修飾されたホスホロチオエートオリゴヌクレオリド、GCGTTTGCTCTTCTTCTTGCGTTTTTT)を、抽出に先立ち加えた。組織試料の濃度を、概略1.14μg/gの定量化下限(LLOQ)の較正曲線を使用して計算した。全長のオリゴヌクレオチド濃度の腎臓と肝臓の比、並びに全てのオリゴヌクレオチド濃度のそれを計算した。結果を表59に示す。
【0672】
【表59】
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【0673】
実施例41:SK−BR−3細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
実施例6−9に記載した齧歯類の許容性研究からのギャップマーを、SK−BR−3細胞中で異なった投与量で試験した。細胞を、ウェル当たり4,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、いずれもの形質移入試薬を使用せずに、表60に規定するように、0.02μM、0.10μM、0.50μM、1.00μM、2.50μM、及び10.00μMの濃度のアンチセンスヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間の後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを、定量的リアルタイムPCRによって測定した。本明細書中で先に記載した、ヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されたような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0674】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)も、更に表60に示す。
【0675】
【表60】
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【0676】
実施例42:ヒトSTAT3を標的とするISISアンチセンスオリゴヌクレオチドの粘度の測定
実施例6−10に記載した研究から選択されたアンチセンスオリゴヌクレオチドの粘度を、40cPより大きい粘度を有する選別されたアンチセンスヌクレオチドの援助により測定した。40cPより大きい粘度を有するオリゴヌクレオチドは、いずれもの対象に投与するために高すぎる粘度であるものである。
【0677】
ISISオリゴヌクレオチド(32−35mg)を、ガラスバイアル中に秤量し、120μLの水を加え、そしてアンチセンスオリゴヌクレオチドを、バイアルを50℃に加熱することによって溶液中に溶解した。予熱された試料の一部(75μL)を、マイクロ粘度計(Canbridge)にピペットで入れた。マイクロ粘度計の温度を、25℃に設定し、そして試料の粘度を測定した。予熱試料のもう一つの一部(20μL)を、85℃で260nMにおけるUV読取り(Cary UV装置)のために10mLの水中にピペットで入れた。結果を表61に示し、そして全てのアンチセンスオリゴヌクレオチド溶液が、先に記述した基準下でその粘度において最適であることを示す。
【0678】
【表61】
[この文献は図面を表示できません]
【0679】
実施例43:カニクイザルにおけるヒトSTAT3を標的とするISISアンチセンスオリゴヌクレオチドの影響
高いレベルの効力を示す9種のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、カニクイザルにおいて更に試験した。肝臓及び腎臓におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドの許容性及び薬物動態学的特性を評価した。
【0680】
研究を、Korea Institute of Toxicology,Republic of Koreaにおいて行った。研究に先立ち、サルを30日の時間検疫所に維持し、この間、血清化学及び血液学の標準的項目(panel)、卵及び寄生虫に対する糞便試料の検査、並びに結核試験を、異常な又は病気のサルを選別するために行った。それぞれ4匹の無作為に割当てられたオスのカニクイザルの九つの群に、25mg/kgのISISアンチセンスオリゴヌクレオチドを、最初の週は週当たり3回、そしてその後、次の7週間、毎週2回皮下注射した。対照群の4匹のカニクイザルに、PBSを、最初の週は週当たり3回、そしてその後、次の7週間は毎週2回皮下注射した。全ての群の終末犠牲を、最後の投与の48時間後である55日目に行った。
【0681】
研究の期間中、サルを、病気又は窮迫の徴候に対して毎日観察した。治療に対して不都合な影響を示すいずれものサルは、排除され、そして獣医師及び研究医に照会された。
【0682】
サルの全体的健康状態に対するISISオリゴヌクレオチドの影響を評価するために、脾臓 心臓、腎臓、肝臓、及び胆嚢の重量を、55日目に測定した。器官の重量を測定し、そして治療群の重量を、対応するPBS対照の重量と比較した。
【0683】
肝臓及び腎臓機能に対するISISオリゴヌクレオチドの影響を評価するために、血液試料を、全ての研究群から収集した。サルを、血液収集に先立って、一晩絶食させた。概略1mLのそれぞれの血液試料を、血清の分離のために、抗凝集剤を伴わずに試験管中に収集した。試験管を室温で90分間維持し、そして次いで血清を得るために遠心(3000rpmで室温で10分間)した。トランスアミナーゼの濃度を、Toshiba 200FR NEO化学分析器(Toshiba Co.,Japan)を使用して測定した。ALT(アラニントランスアミナーゼ)、AST(アスパルテートトランスアミナーゼ)、及びBUNの血漿濃度を、55日目に測定した。肝臓で合成され、そして炎症のマーカーとして役立つC反応性タンパク質(CRP)も、更に55日目に同様に測定した。
【0684】
炎症に関係する因子に対するISISオリゴヌクレオチドの影響を評価するために、血液を、補体C3レベル、MIP−1βサイトカインレベル、及び血小板数の分析のために、55日目に全ての動物から収集した。
【0685】
補体C3の分析のために、それぞれ概略0.5mLの血液試料を、血清分離のために抗凝固剤を伴わずに試験管に収集した。サイトカインレベルの分析のために、それぞれ概略2mLの血液試料を、血清分離のために抗凝固剤を伴わずに試験管に収集した。試験管を、室温で90分間維持し、そして次いで血清を得るために遠心(3000rpmで室温で10分間)した。補体C3を、自動化分析器(Toshiba 200FR NEO化学分析器、Toshiba Co.,Japan)を使用して測定した。血清を、9列(nine−panel)のSearchlight Multiplex Arrayを使用するサイトカイン分析のために使用した。
【0686】
血小板計数のために、それぞれ概略0.5mLの血液試料を、EDTAのカリウム塩を含有する試験管に収集した。試料を、ADVIA120血液学的分析器(Bayer, USA)を使用する血小板計数のために分析した。
【0687】
オリゴヌクレオチドの濃度を、55日目に肝臓及び腎臓で測定した。使用した方法は、以前に刊行された方法(Leeds et al.,1996;Geary et al.,1999)の改良であり、これは、フェノール−クロロホルム(液−液)抽出、それに続く固相抽出を含む。内部標準(ISIS355868、本明細書中で配列番号:2758と命名された、27塩基長の2’−O−メトキシエチルで修飾されたホスホロチオエートオリゴヌクレオリド、GCGTTTGCTCTTCTTCTTGCGTTTTTT)を、抽出に先立ち加えた。組織試料の濃度を、概略1.14μg/gの定量化下限(LLOQ)の較正曲線を使用して計算した。
【0688】
試験された9種のアンチセンスオリゴヌクレオチド中で、ISIS455269、ISIS455371、ISIS455429、及びISIS455670を含むある種のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、器官重量、ALT、AST、BUN、及び血液学的パラメーターのための許容閾値に合致した。
【0689】
実施例44:MDA−MB−231細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
実施例12に記載した研究からのISISオリゴヌクレオチドを、MDA−MB−231細胞中で異なった投与量で更に試験した。細胞を、ウェル当たり4,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、いずれもの形質移入試薬を使用せずに、表62に規定するように、0.02μM、0.20μM、1.00μM、5.00μM、及び10.00μMの濃度のアンチセンスヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間の後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを、定量的リアルタイムPCRによって測定した。本明細書中で先に記載した、ヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されたような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)も、更に表62に示す。
【0690】
【表62】
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【0691】
実施例45:U251−MG細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
実施例12に記載した研究からのISISオリゴヌクレオチドを、U251−MG細胞中で異なった投与量で更に試験した。細胞を、ウェル当たり4,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、いずれもの形質移入試薬を使用せずに、表63に規定するように、0.1μM、1.0μM、5.0μM、10.0μM、及び20.0μMの濃度のアンチセンスヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間の後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを、定量的リアルタイムPCRによって測定した。本明細書中で先に記載した、ヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されたような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)も、更に表63に示す。
【0692】
【表63】
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【0693】
実施例46:A431細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
実施例12に記載した研究からのISISオリゴヌクレオチドを、A431細胞中で異なった投与量で更に試験した。細胞を、ウェル当たり4,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、いずれもの形質移入試薬を使用せずに、表64に規定するように、0.02μM、0.2μM、1.0μM、5.0μM、及び10.0μMの濃度のアンチセンスヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間の後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを、定量的リアルタイムPCRによって測定した。本明細書中で先に記載した、ヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されたような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0694】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)も、更に表64に示す。表64に例示するように、ISISオリゴヌクレオチドは、細胞膜を透過することが可能であり、そしてSTAT3のmRNAのレベルを、用量依存的様式で有意に減少した。
【0695】
【表64】
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【0696】
実施例47:H460細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
実施例12に記載した研究からのISISオリゴヌクレオチドを、H460細胞中で異なった投与量で更に試験した。細胞を、ウェル当たり4,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、いずれもの形質移入試薬を使用せずに、表65に規定するように、0.02μM、0.20μM、1.00μM、5.00μM、及び10.00μMの濃度のアンチセンスヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間の後、RNAを細胞から単離し、そしてSTAT3のmRNAレベルを、定量的リアルタイムPCRによって測定した。本明細書中で先に記載した、ヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS199を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)によって測定されたような全RNA含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0697】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)も、更に表65に示す。表65に例示するように、ISISオリゴヌクレオチドは、細胞膜を透過することが可能であり、そしてSTAT3のmRNAのレベルを、用量依存的様式で有意に減少した。
【0698】
【表65】
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【0699】
実施例48:U251ヒト神経膠腫癌の異種移植モデルの治療におけるSTAT3を標的とするISISオリゴヌクレオチドの効果
ヒトU251神経膠腫腫瘍細胞を接種されたBALB/cヌードマウスを、実施例12に記載した研究からのISISオリゴヌクレオチドで治療した。マウスにおける腫瘍成長に対する治療の効果を評価する。
【0700】
治療
BALB/cヌードマウスに、1×10
6個の腫瘍細胞を、皮下に移植した。移植の4日目、それぞれ4匹のマウスの複数の群に、3週間半、毎週5回腹腔内に注射される50mg/kgのISIS455269、ISIS455291、ISIS455371、ISIS455703、ISIS455429、ISIS465237、ISIS465754、ISIS465830、又はISIS466670を投与した。マウスの一つの群に、3週間半、毎週5回腹腔内に注射される50mg/kgの対照オリゴヌクレオチド、ISIS141923を投与した。マウスの一つの群に、3週間半、毎週5回腹腔内に注射されるPBSを投与した。
【0701】
腫瘍成長に対する影響
腫瘍の大きさを、ノギスを使用して二つの寸法で毎週2回測定し、そして腫瘍体積を、式:V=0.5×a×b
2を使用して計算し、式中、a及びbは、それぞれ腫瘍の長径及び短径である。結果を表66に示す。データは、ISISオリゴヌクレオチドによる治療が、腫瘍の成長を有意に妨害することを示す。‘n/a’は、その時点でデータ点が入手不可能であったことを示す。
【0702】
【表66】
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【0703】
実施例49:MDA−MB−231ヒト乳癌の異種移植モデルの治療におけるSTAT3を標的とするISIS455291の効果
ヒト乳癌細胞MDA−MB−231を接種されたBALB/cヌードマウスを、ISIS455291で治療した。マウスにおける腫瘍成長に対する治療の効果及び許容性を評価した。
【0704】
治療
研究を、Pharmaron Inc(Beijing,P.R.China)で行った。BALB/cヌードマウスを、Beijing HFK Bio−Technology Co.,Ltd.から得た。MDA−MB−231ヒト乳癌細胞を、10%の熱不活化胎児ウシ血清、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、及び2mMのL−グルタミンで補充されたLeibovitz’s L−15培地中で単層培養物としてin vitroで維持した。細胞を、空気中の5%CO
2の雰囲気中で37℃で維持した。腫瘍細胞を、トリプシン−EDTA処理を伴って週2回ルーチン的に継代培養した。指数増殖期で増殖中の細胞を回収し、そして腫瘍接種のために計数した。
【0705】
それぞれ8匹の無作為に割当てられた生後6−8週間のメスのBALB/cヌードマウスの二つの群に、腫瘍発生のためにMDA−MB−231腫瘍の断片(腫瘍接種継代から産生された3mm×2mm×2mm)を右側腹に接種した。アンチセンスオリゴヌクレオチドの治療を、平均の腫瘍の大きさが概略100mm
3に達した、腫瘍接種後11日目に開始した。一つの群に、50mg/kgのISIS455291を3週間、毎週2回で腹腔内に注射した。他の群のマウスに、PBSを3週間、毎週2回腹腔内に注射し、そして対照群として役立てた。
【0706】
動物の取扱い、管理、及び治療の関する全ての方法は、施設内動物実験委員会(IACUC)によって認可された指針に従って行った。ルーチンのモニターの時点で、マウスを、可動性、食物消費、体重変化、及びいずれもの他の異常な影響のような正常な行動に対する腫瘍の成長のいずれもの影響を検査した。
【0707】
RNA分析
RNAを、本明細書中に記載したプライマープローブセットRTS199を使用する、ヒトSTAT3のmRNAレベルのリアルタイムPCR分析のために、腫瘍組織から抽出した。マウスのSTAT3のmRNAレベルも、更にプライマープローブセットmSTAT3_LTS00664(順方向配列CGACAGCTTCCCCATGGA、本明細書中で配列番号:1513と命名;逆方向配列ATGCCCAGTCTTGACTCTCAATC、本明細書中で配列番号:1514と命名;プローブ配列CTGCGGCAGTTCCTGGCACCTT、本明細書中で配列番号:1515と命名)を使用して測定した。結果を、PBS対照に対する、シクロフィリンに対して正規化されたSTAT3の阻害のパーセントとして示す。表67に示すように、ISIS455291による治療は、PBS対照と比較して、ヒト及びマウスのSTAT3のmRNAの両方の減少をもたらした。
【0708】
【表67】
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【0709】
腫瘍成長に対する影響
腫瘍の大きさを、週2回、ノギスを使用して二つの寸法で測定し、そして腫瘍の体積を、式:V=0.536×a×b
2を使用して計算し、式中、a及びbは、それぞれ腫瘍の長径及び短径である。腫瘍の大きさは、T−C及びT
V/C
V値の計算のために使用した。T−Cは、Tを治療群の腫瘍が所定の大きさ(900mm
3)に達するために必要な中位時間(日数)とし、そしてCを対照群の腫瘍が同じ大きさに達するための中位時間(日数)として計算した。T
V/C
V値(パーセントとして表示)は、ISISオリゴヌクレオチドの抗腫瘍有効性の表示であり、ここで、T
V及びC
Vは、所定の日(32日目)における治療及び対照群のそれぞれの平均体積であった。
【0710】
結果を表68及び69に示す。データは、STAT3のmRNAの阻害が、腫瘍の成長を有意に妨害したことを示す。
【0711】
【表68】
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【0712】
【表69】
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【0713】
体重の測定
動物の全体的健康状態に対するISISオリゴヌクレオチドの影響を評価するために、体重を、治療期間中定期的に測定した。データを表70に提示し、そしてISIS455291による治療が、マウスの全体的体重に影響しないことを示す。
【0714】
【表70】
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【0715】
実施例50:A431ヒト類表皮癌の異種移植モデルの治療におけるSTST3を標的とするISIS455291の効果
ヒト類表皮癌細胞A431を接種されたBALB/cヌードマウスを、ISIS455291で治療した。マウスにおける腫瘍成長に対する治療の効果及び許容性を評価した。
【0716】
治療
研究を、Pharmaron Inc(Beijing,P.R.China)で行った。BALB/cヌードマウスを、Beijing HFK Bio−Technology Co.,Ltd.から得た。A431ヒト類表皮癌細胞を、10%の熱不活化胎児ウシ血清、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、及び2mMのL−グルタミンで補充されたDMEM培地中で単層培養物としてin vitroで維持した。細胞を、空気中の5%CO
2の雰囲気中で37℃で維持した。腫瘍細胞を、トリプシン−EDTA処理を伴って週2回ルーチン的に継代培養した。指数増殖期で増殖中の細胞を回収し、そして腫瘍接種のために計数した。
【0717】
それぞれ8匹の無作為に割当てられた生後6−8週間のメスのBALB/cヌードマウスの二つの群に、腫瘍発生のために5×10
6個のA431腫瘍細胞を皮下に接種した。アンチセンスオリゴヌクレオチドの治療を、平均の腫瘍の大きさが概略95mm
3に達した、腫瘍接種後8日目に開始した。一つの群に、50mg/kgのISIS455291を4週間、毎週2回で腹腔内に注射した。他の群のマウスに、PBSを3週間、毎週2回腹腔内に注射し、そして対照群として役立てた。
【0718】
動物の取扱い、管理、及び治療の関する全ての方法は、施設内動物実験委員会(IACUC)によって認可された指針に従って行った。ルーチンのモニターの時点で、マウスを、可動性、食物消費、体重変化、及びいずれもの他の異常な影響のような正常な行動に対する腫瘍の成長のいずれもの影響を検査した。
【0719】
RNA分析
RNAを、本明細書中に記載したプライマープローブセットRTS199を使用する、ヒトSTAT3のmRNAレベルのリアルタイムPCR分析のために、腫瘍組織から抽出した。マウスのSTAT3のmRNAレベルも、更にプライマープローブセットmSTAT3_LTS00664を使用して測定した。結果を、PBS対照に対する、シクロフィリンに対して正規化されたSTAT3の阻害のパーセントとして示す。表71に示すように、ISIS455291による治療は、PBS対照と比較して、ヒト及びマウスのSTAT3のmRNAの両方の減少をもたらした。
【0720】
【表71】
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【0721】
腫瘍成長に対する影響
腫瘍の大きさを、週2回、ノギスを使用して二つの寸法で測定し、そして腫瘍の体積を、式:V=0.5×a×b
2を使用して計算し、式中、a及びbは、それぞれ腫瘍の長径及び短径である。腫瘍の大きさは、T−C及びT
V/C
V値の計算のために使用した。T−Cは、Tを治療群の腫瘍が所定の大きさ(800mm
3)に達するために必要な中位時間(日数)とし、そしてCを対照群の腫瘍が同じ大きさに達するための中位時間(日数)として計算した。T
V/C
V値(パーセントとして表示)は、ISISオリゴヌクレオチドの抗腫瘍有効性の表示であり、ここで、T
V及びC
Vは、所定の日(33日目)における治療及び対照群のそれぞれの平均体積であった。
【0722】
結果を表72及び73に示す。データは、STAT3のmRNAの阻害が、腫瘍の成長を妨害したことを示す。
【0723】
【表72】
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【0724】
【表73】
[この文献は図面を表示できません]
【0725】
体重の測定
動物の全体的健康状態に対するISISオリゴヌクレオチドの影響を評価するために、体重を、治療期間中定期的に測定した。データを表74に提示し、そしてISIS455291による治療が、マウスの全体的体重に影響しないことを示す。
【0726】
【表74】
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【0727】
実施例51:NCI−H460ヒト非小細胞肺癌(NSCLC)の異種移植モデルの治療におけるSTST3を標的とするISIS455291の効果
ヒトNCI−460ヒトNSCLCを接種されたBALB/cヌードマウスを、ISIS455291で治療した。マウスにおける腫瘍成長に対する治療の効果及び許容性を評価した。
【0728】
治療
研究を、Pharmaron Inc(Beijing,P.R.China)で行った。BALB/cヌードマウスを、Beijing HFK Bio−Technology Co.,Ltd.から得た。NCI−H464ヒトNSCLC細胞を、10%の熱不活化胎児ウシ血清、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、及び2mMのL−グルタミンで補充されたRPMI−1640培地中で単層培養物としてin vitroで維持した。細胞を、空気中の5%CO
2の雰囲気中で37℃で維持した。腫瘍細胞を、トリプシン−EDTA処理を伴って週2回ルーチン的に継代培養した。指数増殖期で増殖中の細胞を回収し、そして腫瘍接種のために計数した。
【0729】
それぞれ8匹の無作為に割当てられた生後6−8週間のメスのBALB/cヌードマウスの二つの群に、腫瘍発生のために2×10
6個のNCI−H460腫瘍細胞を皮下に接種した。アンチセンスオリゴヌクレオチドの治療を、平均の腫瘍の大きさが概略100mm
3に達した、腫瘍接種後6日目に開始した。一つの群に、50mg/kgのISIS455291を3週間、毎週2回で腹腔内に注射した。他の群のマウスに、PBSを3週間、毎週2回腹腔内に注射し、そして対照群として役立てた。
【0730】
動物の取扱い、管理、及び治療の関する全ての方法は、施設内動物実験委員会(IACUC)によって認可された指針に従って行った。ルーチンのモニターの時点で、マウスを、可動性、食物消費、体重変化、及びいずれもの他の異常な影響のような正常な行動に対する腫瘍の成長のいずれもの影響を検査した。
【0731】
腫瘍成長に対する影響
腫瘍の大きさを、週2回、ノギスを使用して二つの寸法で測定し、そして腫瘍の体積を、式:V=0.5×a×b
2を使用して計算し、式中、a及びbは、それぞれ腫瘍の長径及び短径である。腫瘍の大きさは、T−C及びT
V/C
V値の計算のために使用した。T−Cは、Tを治療群の腫瘍が所定の大きさ(1,500mm
3)に達するために必要な中位時間(日数)とし、そしてCを対照群の腫瘍が同じ大きさに達するための中位時間(日数)として計算した。T
V/C
V値(パーセントとして表示)は、ISISオリゴヌクレオチドの抗腫瘍有効性の表示であり、ここで、T
V及びC
Vは、所定の日(20日目)における治療及び対照群のそれぞれの平均体積であった。
【0732】
結果を表75及び76に示す。データは、STAT3のmRNAの阻害が、腫瘍の成長を有意に妨害したことを示す。
【0733】
【表75】
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【0734】
【表76】
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【0735】
体重の測定
動物の全体的健康状態に対するISISオリゴヌクレオチドの影響を評価するために、体重を、治療期間中定期的に測定した。データを表77に提示し、そしてISIS455291による治療が、マウスの全体的体重に影響しないことを示す。
【0736】
【表77】
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【0737】
実施例52:ヒト神経膠芽腫の同所性マウスモデルにおけるヒトSTAT3のアンチセンス阻害の効果
ヒト神経膠芽腫細胞で同所性に移植されたNU/Jマウスを、CAGCAGATCAAGTCCAGGGA(配列番号:1590 の配列を有する5−10−5ギャップマーのISIS455291で治療した。マウスにおける腫瘍の成長に対する器量の効果及び許容性を評価した。
【0738】
治療
30匹のNU/Jマウスに、5×10
5個のU−87MG−luc2細胞を右前頭葉に定位的に移植した。腫瘍細胞移植後の15日目に、これらの15匹のマウスに、2μLのPBS中に溶解された100μgのISIS455291を腫瘍移植の部位にボーラス注射で頭蓋内投与した。残りの15匹のマウスに、2μLのPBSを腫瘍移植の部位にボーラス注射で頭蓋内投与した。
【0739】
解析
腫瘍移植後の18日目に、それぞれの群からの5匹のマウスを、CO
2吸入によって安楽死させ、そして脳の試料をRNA分析のために収集した。RNAを、本明細書中で先に記載したプライマープローブセットRTS199を使用するヒトSTAT3のmRNAレベルのリアルタイムPCR分析のために、腫瘍組織から抽出した。ISIS455291による治療は、PBS対照と比較して、腫瘍細胞中のヒトSTAT3のmRNAの27%の減少をもたらした。
【0740】
それぞれの群の残りのマウスを、生存期間解析のために2週目まで定期的にモニターした。PBS対照群の生存期間中央値は、30.5日であった。ISISオリゴヌクレオチドで治療したマウスの生存期間中央値は、35日であった。P値は、0.2088であった。
【0741】
実施例53:PC9細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
先に記載した研究からのISIS455703及びISIS455291を、非小細胞肺癌細胞株のPC9細胞中で異なった投与量で更に試験した。細胞を、ウェル当たり3,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、表78に規定したように0.02μM、0.1μM、0.5μM、2.5μM、及び10.0μMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTST3のmRNAレベルを、定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS2033(順方向配列GAGGCCCGCCCAACA、本明細書中で配列番号:1520と命名;逆方向配列TTCTGCTAATGACGTTATCCAGTTTT、本明細書中で配列番号:1521と命名;プローブ配列CTGCCTAGATCGGC、本明細書中で配列番号:1522と命名)をmRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、ヒトのプライマープローブセットHTS5002(順方向配列CGGACTATGACTTAGTTGCGTTACA、本明細書中で配列番号:1529と命名;逆方向配列GCCATGCCAATCTCATCTTGT、本明細書中で配列番号:1530と命名;プローブ配列CCTTTCTTGACAAAACCTAACTTGCGCAGA、本明細書中で配列番号:1531と命名)によって測定されるようなハウスキーピング遺伝子のベータアクチンの含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0742】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)も、更に表78に示す。表78に例示するように、ISIS455703及びISIS455291は、細胞膜に浸透することが可能である。
【0743】
【表78】
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【0744】
実施例54:C42B細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
先に記載した研究からのISIS455291を、更に前立腺癌細胞株のC42B細胞中で異なった投与量で試験した。細胞を、ウェル当たり3,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、表79に規定したように0.02μM、0.1μM、0.5μM、2.5μM、及び10.0μMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTST3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS2033(順方向配列GAGGCCCGCCCAACA、本明細書中で配列番号:1520と命名;逆方向配列TTCTGCTAATGACGTTATCCAGTTTT、本明細書中で配列番号:1521と命名;プローブ配列CTGCCTAGATCGGC、本明細書中で配列番号:1522と命名)を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、ヒトのプライマープローブセットHTS5002(順方向配列CGGACTATGACTTAGTTGCGTTACA、本明細書中で配列番号:1529と命名;逆方向配列GCCATGCCAATCTCATCTTGT、本明細書中で配列番号:1530と命名;プローブ配列CCTTTCTTGACAAAACCTAACTTGCGCAGA、本明細書中で配列番号:1531と命名)によって測定されるようなハウスキーピング遺伝子のベータアクチンの含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0745】
表79に例示するように、ISIS455291は、細胞膜に浸透することが可能である。
【0746】
【表79】
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【0747】
実施例55:Colo201細胞中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの自由取込み後のSTAT3の用量依存的アンチセンス阻害
先に記載した研究からのISIS455291を、更に大腸直腸癌細胞株のColo201細胞中で異なった投与量で試験した。細胞を、ウェル当たり3,000個の細胞の密度でプレートに入れた。細胞を、表80に規定したように0.02μM、0.1μM、0.5μM、2.5μM、及び10.0μMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチドと共にインキュベートした。概略24時間後、RNAを細胞から単離し、そしてSTST3のmRNAレベルを定量的リアルタイムPCRによって測定した。ヒトSTAT3のプライマープローブセットRTS2033(順方向配列GAGGCCCGCCCAACA、本明細書中で配列番号:1520と命名;逆方向配列TTCTGCTAATGACGTTATCCAGTTTT、本明細書中で配列番号:1521と命名;プローブ配列CTGCCTAGATCGGC、本明細書中で配列番号:1522と命名)を、mRNAレベルを測定するために使用した。STAT3のmRNAレベルを、ヒトのプライマープローブセットHTS5002(順方向配列CGGACTATGACTTAGTTGCGTTACA、本明細書中で配列番号:1529と命名;逆方向配列GCCATGCCAATCTCATCTTGT、本明細書中で配列番号:1530と命名;プローブ配列CCTTTCTTGACAAAACCTAACTTGCGCAGA、本明細書中で配列番号:1531と命名)によって測定されるようなハウスキーピング遺伝子のベータアクチンの含有量によって調節した。結果を、非治療の対照細胞に対するSTAT3の阻害のパーセントとして示す。
【0748】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半量阻害濃度(IC
50)も、更に表80に示す。表29に例示するように、ISIS455291は、細胞膜に浸透することが可能である。
【0749】
【表80】
[この文献は図面を表示できません]